説明

バス車両のリッド開閉構造

【課題】支軸部が外側に張り出すことによる問題を回避しつつ、リッドの幅寸法の変更の対応しやすさ、さらにはリッドの最大開き角度の増大が図れるバス車両のリッド開閉構造を提供する。
【解決手段】リッド6aは、縁部に渡り筒部10が形成され、ヒンジ部材は、筒部端に挿入される支軸部24と、バス車両の開口部を挟んだ側部部分に固定され支軸部24をバス車両の側部外面から外側に張り出させる支持部とを有するブラケット部材21から構成され、筒部端が配置されるバス車両の側部部分に、筒部と似せた外形で、張り出しを滑らかに消失させる消失部31,37をもつ擬似部26a,26bを配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リッドでバス車両の側部に有る開口部を開閉するバス車両のリッド開閉構造に関する。
【背景技術】
【0002】
路線バスや観光バスなどバス車両は、車体側部に点検用の開口部や荷物室の荷物出入り用の開口部を有している。こうした車両側部の開口部は、通常、特許文献1にも開示されているように上下開き式のリッドが付き、同リッドで開口部が開閉される構造となっている。
こうしたリッドの開閉構造は、リッドをなす板部(開口部を覆う部分)の縁部の中間、多くは上縁部の中間に複数のヒンジ部材を設けて車体に設置し、同ヒンジ部材で支持される支軸部を支点としてリッドを開閉可能とした構造が用いられる。一般には、支軸部側が車幅方向外側へ張り出ないよう、支軸部はバス車両のサイドパネルの外面から内側に配置させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−268343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、バス車両に装備されるリッドは、車種やリッドが取付く部位などにより、幅寸法は様々である。
ところが、リッドの縁部中間にヒンジ部材を配置する構造は、リッドの幅寸法が大きく異なるような場合、ヒンジ部材の位置を変えることが求められるため、対応しづらい。しかも、支軸部は、車体の最外側のサイドパネルから車体内側に配置されるから、リッドの開き角が制限を受けやすく、リッドの最大開き角度を増加させることは難しい。
【0005】
そこで、支軸部をサイドパネルの外面(車両の側部外面)から、外側に張り出せることが考えられる。しかし、同構造にすると、確かにリッドの最大開き角度は増加できるものの、反面、リッドの外部へ張り出す支軸部側が、車両周囲の物体、例えば洗車機のブラシなどと引っ掛りやすくなるという問題が新たに生じる。しかも、リッドの幅寸法の変更は、依然、対応しにくく、簡単には問題の解消には至らなかった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、リッドの支軸部側が外側に張り出すことによる問題を回避しつつ、リッドの幅寸法の変更の対応しやすさ、さらにはリッドの最大開き角度の増大が図れるバス車両のリッド開閉構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、リッドは、バス車両の側部の開口部を覆う板部と、押出し成形により筒形に成形されて板部の支持側の縁部に渡り形成された筒部とを有して構成し、ヒンジ部材は、筒部の端に挿入される支軸部と、バス車両の開口部を挟んだ側部部分にそれぞれ固定され上記支軸部をバス車両の側部外面から外側に張り出させた地点で支持する支持部とを有し、支軸部を支点としてリッドを開閉可能に支持するブラケット部材から構成し、筒部の端が配置されるバス車両の側部部分に、筒部と似せた外形の擬似部を配置し、同擬似部を、筒部の端の形状に似せた断面形状を有し、同断面形状で筒部端を覆い隠しながら当該筒部端から離れる方向へ延びる外形をもち、かつ延出端に側部部分からの張り出しを滑らかに消失させる消失部を有して形成した。
【0008】
同構成によると、リッドの両端にヒンジが配置される構造、さらに支軸部がバス車両の側部外面から外側に配置される構造から、どのような幅寸法のリッドでも、構造の変更なく、容易にリッドを開閉自在に設置できるうえ、リッドの開き角が増やせる。しかも、張り出た筒部端は、張り出しを滑らかに消失させる形状の擬似部で覆い隠してあるから、筒部端が車両周囲の物体と引っ掛ることは回避される。
【0009】
請求項2の発明は、上記目的に加え、リッドの幅寸法だけでなく、リッドの高さ寸法に対しても容易に対応できるよう、リッドは、それぞれ別体に成形された板部と筒部とを連結した別体構造で構成することとした。
請求項3の発明は、上記目的に加え、リッドの軽量化が図れるよう、筒部と板部は、いずれもアルミニウム製とした。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、リッドの両端にヒンジが配置される構造、さらには支軸部がバス車両の側部外面から外側に配置される構造により、どのような幅寸法のリッドに対しても、そのまま同じ構造を踏襲して、容易にリッドを設置できるうえ、リッドの開き角度も増やせる(バス車両の側部外面の影響が小になるため)。しかも、筒部端は、先端側の張り出しを滑らかに減少させた擬似部で覆い隠したので、バス車両の側部外面に筒部が突き出ていても、車両周囲の物体と引っ掛ることは防げる。
それ故、リッドの支軸部側が外側に張り出すことによる問題を回避しつつ、リッドの幅寸法の変更の対応しやすさ、さらにはリッドの最大開き角度の増大を図ることができる。しかも、筒部と擬似部とは、いずれもリッドの縁部に沿って一直線状に配置されるので、良好なデザインともなる。
【0011】
請求項2の発明によれば、高さ寸法の異なる板部に代えるだけで、開閉構造はそのままに、リッドの高さ寸法の変更が行えるから、リッドの幅寸法だけでなく、リッドの高さ寸法に対応しても容易に対応でき、各種寸法のリッドを容易にバス車両に取り付けることができる。
請求項3の発明によれば、リッドの軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係るバス車両の全体を示す斜視図。
【図2】同バス車両の側部に有るリッドの一つを、同リッドの開閉構造と共に示す斜視図。
【図3】図2中の矢視Aから見た同リッドの一方側のヒンジ構造を示す図。
【図4】図2中の矢視Bから見た同リッドの他方側のヒンジ構造を示す図。
【図5】図4中のC−C線に沿うヒンジ構造の断面図。
【図6】図2中の一方側および他方側のヒンジ構造、擬似部の各構造の詳細を示す分解斜視図。
【図7】リッドの詳細な構造を示す分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を図1ないし図7に示す一実施形態にもとづいて説明する。
図1は、バス車両、例えば路線バスの全体(右側から見た図)、図2は同バス車両の側部に装備されたリッドのうちの代表的なリッド(一つ)の全体、図3〜図7は同リッドの開閉構造の各部をそれぞれ示している。
【0014】
図1に示す路線バス(以下、単にバスという)を説明すると、図中1は車両前後方向に延びた箱形の車体である。例えば車体1は、各種骨格部材(図示しない)に各種パネル部材、例えばサイドパネル2、ルーフパネル3、フロントパネル4、リヤパネル(図示しない)などを組付けて構成される。車体1の床1a(破線で図示)の下には、種々の機器が収められる機器室や荷物を収容する荷物室(いずれも図示しない)などが配置される。車体1の車幅方向側部、例えば車幅方向右側部には、前・後輪5a,5bの周辺に、床下の機器の点検を行う点検用リッド6a,6dや荷物室を開閉する荷物用リッド6b,6cなど、幅寸法や高さ寸法が異なる各種サイズの角形のリッド6が設けられている。つまり、リッド6にて、車体側部に開口している点検用や荷物室の開口部7a〜7dなどが開閉される。ちなみに、図示はしないが車体1の車幅方向左側にも各種のリッドが設けられる。なお、1aは非常口1bに付く非常扉を示している。
【0015】
これらリッド6(6a〜6d)は、いずれも上部側の縁部を支点として上下に回動する上下開き式の開閉構造が用いられている。これらリッド6(6a〜6d)の開閉構造には、サイズの対応が容易で、大なる開き角をもたらし、さらに外部との干渉を回避するヒンジ構造が採用されている。図2〜図7は、これらのうち代表的なリッド6、例えば最後部のエンジンルーム(図示しない)に開口するグリル部2aの有るリヤサイドパネル部2bと、後輪ホイールアーチ2cの有るフェンダパネル部2dとの間に配置されているリッド6aが示されている。
【0016】
リッド6aのヒンジ構造(開閉構造)は、他のリッド6b〜6dと大部分が同じなので、ここではリッド6aを取り上げてヒンジ構造を説明する。
リッド6aのヒンジ構造には、図2〜図6に示されるようにリッド6aの支持側の縁部、ここではリッド6aの上縁部に細長の筒部10(中空部)を形成する構造、同筒部10の両端を支軸部24とヒンジ部材を構成するブラケット部材21で回動可能に支持する構造、支軸部24をサイドパネル2の外面から外側に張り出させた地点に配置する構造、サイドパネル2(含むリヤサイドパネル部2b、フェンダパネル部2d)から外側に張り出た筒部10の端を覆い隠す構造を組み合わせた構造が用いられている。
【0017】
具体的にはリッド6aは、図6および図7に示されるように機器室(図示しない)の開口部7aを覆う大きさに形成されたアルミニウム製の角形の板部15と、アルミニウム製の細長の筒部10といったそれぞれ別体に成形された二部品を組み合わせた軽量な構造で構成される。さらに述べれば、筒部10は、アルミニウム部材の押出し成形により、内部に中空部を有する細長な部品から形成してある。筒部10は、板部15の上縁部の長さ寸法に応じた長さ(全長)を有している。またこの筒部10の一部、ここでは下部には、溝部17aが形成された板支え部17も合わせて押出し成形され、板部15の上端部を受け入れる構造にしてある。同構造により、リッド6aは、板支え部17の溝部17a内に板部15の上端部を差し込み、例えば接着やビス止めなどの固定手段で、双方を連結する構造で形成される。これにより、リッド6aの上縁部に、同縁部に沿って延びる細長の筒部10を形成している。なお、板部15の外面には把手18が設けられている。
【0018】
図2および図6に示されるように開口部7aを挟んだ両側に配置されている骨格部材20の外面(本願の側部部分に相当)の各上段には、一対のブラケット部材21が設置される。ブラケット部材21は、いずれも同じ構造で、例えば、台座となるベースプレート22、同ベースプレート22の上面に立設させた薄形の支持プレート23、同プレート23の両側方から突き出る支軸部24を有して構成してある。
【0019】
このうち支軸部24は、例えば小径の軸部材を同支持プレート23のうちの上端部23aを貫通させて構成される。この支軸部24の中間部分は支持プレート23と固定され、支軸部24を支持プレート23、ベースプレート22などで支持している(本願の支持部に相当)。
【0020】
ベースプレート22は、骨格部材20の上段の外面に固定、例えばボルト止めなどの固定手段により、所定の地点に支持され、支軸部24を車両前後方向に沿う横向きの姿勢に配置させている。また図5および図6に示されるように支持プレート23は、上端部23aだけが、他の部分より車幅方向外側へ突き出ていて、支軸部24をサイドパネル2(リヤサイドパネル部分2b、フェンダパネル部分2d)の外面から外側の所定位置へ張り出させている。
【0021】
こうした一対のブラケット部材21のうち、図3〜図6に示されるように内側へ向く支軸部24,24は、筒部10の両端から内部へ回動可能に挿入され、筒部10を回動自在に支持する。つまり、リッド6aは、筒部10端に支持部24を差込んで筒部10端にヒンジを形成する構造から、回動自在に支持、つまりサイドパネル2の外面から張り出す支軸部24を支点に開閉自在に支持される。このとき、支持プレート23の上端部23aは、支軸部24の支持だけでなく、リッド3の車両前後方向の動きを規制する部品の役割りも果たす。
【0022】
なお、外側へ向く支軸部24は、図1中の6b、6bのように隣り合って並んだリッド6b、6cを開閉自在に支持するときに用いるものである。むろん、支軸部24や支持プレート23の各部は、閉じたリッド6aの外面、すなわち板部15の外面が、サイドパネル2の外面と面一になるように定めてある。また閉じたリッド6aは、図示しないラッチ機構でロックされる構造ともなっている。
【0023】
図2に示されるように筒部10端が配置されるリヤサイドパネル部2b側の骨格部材20の外面やフェンダパネル部2dの外面には、それぞれ筒部10の外形に似せた外形をもつ擬似部26a,26bが配置され、サイドパネル2に対して突き出る筒部10の端を覆い隠している。
擬似部26a,26bを説明すると、フェンダパネル部2d側の擬似部26bは、フェンダパネル部2dの一部を外側に張り出させた溝形部分で一体に形成されている。
【0024】
具体的には擬似部26bは、図2、図4および図6に示されるように筒部10の端の形状に似せた断面形状の溝状部32で形成される。ここでは、溝状部32は、板支え部17を含む筒部10端の全体の断面形状と同形の断面形状で、フェンダパネル部2dの一部を側縁から外側に膨出させ、同一断面形状のまま、筒部10端から離れる方向へ直線状に延ばす。そして、延出端に、滑らかな円弧を描いて次第に断面形状を小さくする断面消失部31(本願の消失部に相当)を形成した溝形で構成してある。
【0025】
この溝状部32が、フェンダパネル部2dの取付けを利用して、図2、図4および図6に示されるようにフェンダパネル部2d側の支軸部24を被せるように配置される。これで、筒部端と同形の同一断面形状部分の端部32aは、支持プレート23の近傍に配置されて筒部端と連なり、断面消失部31の有る端部は、ホイールアーチ部2cの近傍に配置される。つまり、擬似部26bは、サイドパネル2から外側に張り出た筒部10端を覆い隠しながら筒部10に沿って配置される。これにより、筒部10端や擬似部26b端などを、周囲の物体に対し引っ掛かりにくくしている。
【0026】
リヤサイドパネル部2b側の擬似部26aは、フェンダパネル部2dと一体な擬似部26bとは異なり、別体部品で構成したものである。具体的には、図2、図3および図6に示されるように擬似部26aは、外側の支軸部24(リヤサイドパネル部2b側)と挿通する筒擬似部材35を用いる。筒擬似部材35は、上記同様、板支え部17を含む筒部10端の全体の断面形状と同形の断面形状のまま、直線状に延ばした有底筒形の部材が用いられる。むろん、筒擬似部材35の内部には、一端が開口し、他端が底となる支軸部24が嵌る小径な挿入穴36が形成してある。また延出端となる底側の端部には、滑らかな円弧を描いて次第に断面形状を小さくする断面消失部37(本願の消失部に相当)が形成されている。
【0027】
この筒擬似部材35は、図2、図3および図6に示されるようにリヤサイドパネル部2b側へ突き出る支軸部24に嵌め込まれて固定してある。固定には、例えば骨格部材20の外面に接着したり、支軸部24に接着したりする構造が用いられる。これで、筒部端と同形の同一断面形状部分の端部35aは、支持プレート23の近傍に配置されて筒部端と連なり、断面消失部37の有る端部は、リヤサイドパネル部2bの縁部近くに配置される。これで、擬似部26bと同様、擬似部26aは、サイドパネル2から外側に張り出た筒部10端を覆い隠しながら筒部10に沿って配置され、筒部10端や擬似部26a端を、周囲の物体に対し引っ掛かりにくくしている。
【0028】
なお、前輪5aの前側のリッド6dのヒンジ構造は、リッド6aの擬似部26a,26bの位置が反対になるだけ、前・後輪5a,5b間のリッド6b,6cのヒンジ構造は、一列に並んだリッド6bの筒部10、リッド6cの筒部10の筒列の両端にそれぞれ擬似部26bを配置して筒部10端を覆っただけで、他の構造は同じなので、リッド6b〜6dについては、図面に同一符号を付して、開閉構造の詳細な説明を省略する。
【0029】
こうしたリッド6に筒部10を形成し、同筒部10端に支軸部24を差込んで、リッド6両端にヒンジを形成するヒンジ構造を採用すると、幅寸法の短いリッド6が求められることになっても、また幅寸法の長いリッド6が求められることになっても、支軸部24を筒部10端に差込むという構造をそのまま変わりなく用いて、容易に幅寸法の異なるリッド6を開閉自在に設置することができる。しかも、支軸部24は、図5中のαのようにバスのサイドパネル2の外面から外側に配置され、リッド6の開き角が大きく、図5中のように最大開き角度θが増加する構造になっても、リッド6の幅寸法の対応のしやすさは変わらない。そのうえ、リッド6のうち、筒部10の端は、筒部10に似せた擬似部26a,26bで覆い隠されるから、バスのサイドパネル2の外面から筒部10が突き出ていても、筒部10端が車両周囲の外部物体、例えば洗車機のブラシなどと引っ掛かることが防げる。もろちん、擬似部26a,26bの先端部には断面形状が小さくなる断面消失部31,37が形成されているから、擬似部26a,26bとの引っ掛かりも回避される。
【0030】
したがって、リッド6の支軸部14が外側に張り出すことによる問題を回避しつつ、リッド6の幅寸法の変更の対応しやすさ、さらにはリッド6の最大開き角度θの増大を図ることができる。しかも、筒部10と擬似部26a,26bとは、いずれもリッド6の縁部に沿って一直線状に配置されるので、良好なデザインともなる。
【0031】
特にリッド6には、それぞれ別体に成形された板部15と筒部10とを連結した別体構造を用いると、高さ寸法の異なる板部15に代えるだけで、リッド6の高さ寸法の変更も行え、リッド6の幅寸法だけでなく、リッド6の高さ寸法に対応しても容易に対応でき、各種寸法のリッド6が容易に設置できる。
そのうえ、板部15、筒部10は、いずれもアルミニウム製なので、リッド6の軽量化を図ることができ、筒部10を用いたヒンジ構造に加わる負担が抑えられる。
【0032】
なお、本発明は上述した一実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々可変して実施しても構わない。例えば一実施形態では、本発明を路線バスのリッドに適用したが、これに限らず、観光バスや自家用バスのリッドに適用してもよい。
【符号の説明】
【0033】
1 車体
2 サイドパネル(バス車両の側部)
6a〜6d リッド
7a〜7d 開口部
10 筒部
15 板部
21 ブラケット部材(ヒンジ部材)
22,23 ベースプレート,プレート片(支持部)
24 支軸部
26a,26b 擬似部
31,37 断面消失部(消失部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バス車両の側部に、ヒンジ部材を介して、回動可能にリッドを支持し、当該バス車両の側部に形成された開口部を前記リッドで開閉可能としたバス車両のリッド開閉構造において、
前記リッドは、前記開口部を覆う板部と、押出し成形によって筒形に成形され前記板部の支持側の縁部に渡り形成された筒部とを有して構成され、
前記ヒンジ部材は、前記筒部の端に挿入される支軸部と、前記バス車両の前記開口部を挟んだ側部部分にそれぞれ固定され前記支軸部を前記バス車両の側部外面から外側に張り出させた地点で支持する支持部とを有し、前記支軸部を支点として前記リッドを開閉可能に支持するブラケット部材から構成され、
前記筒部の端が配置される前記バス車両の側部部分には、前記筒部と似せた外形の擬似部が配置され、
前記擬似部は、前記筒部の端の形状に似せた断面形状を有し、同断面形状で前記筒部端を覆い隠しながら当該筒部端から離れる方向へ延びる外形をもち、かつ延出端には前記側部部分からの張り出しを滑らかに消失させる消失部を有して形成される
ことを特徴とするバス車両のリッド開閉構造。
【請求項2】
前記リッドは、それぞれ別体に成形された前記板部と前記筒部とを連結した別体構造で構成されることを特徴とする請求項1に記載のバス車両のリッド開閉構造。
【請求項3】
前記筒部と前記板部は、いずれもアルミニウム製であることを特徴とする請求項2に記載のバス車両のリッド開閉構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−131318(P2012−131318A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284372(P2010−284372)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(598051819)ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト (1,147)
【氏名又は名称原語表記】Daimler AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 137,70327 Stuttgart,Deutschland
【Fターム(参考)】