説明

バックコンタクトソーラーセルの製造方法およびその装置

【解決手段】バックコンタクトソーラーセルの製造方法およびその装置が記載される。バックコンタクトソーラーセルの製造方法は、基板の上に配置された材料層の上に、N型ドーパント源層およびP型ドーパント源層を形成する段階を備える。N型ドーパント源層は、P型ドーパント源層から離間される。N型ドーパント源層およびP型ドーパント源層を加熱する。その後に、N型ドーパント源層とP型ドーパント源層との間における材料層にトレンチを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、再生可能エネルギーの分野に関し、特に、バックコンタクトソーラーセルの製造方法およびその装置に関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本願は、2010年3月4日出願の米国仮出願第61/310,655号の利益を主張し、その全内容を本明細書に参照として組み込むものとする。
【0003】
本明細書に記載される発明は、米国エネルギー省により付与された連絡番号DE−FC36−07GO17043の下、政府支援により開発された。政府は本発明に相応の権利を有する。
【背景技術】
【0004】
ソーラーセルとして広く知られる太陽電池は、太陽熱の放射線を電気エネルギーに直接変換するための周知の装置である。一般的に、ソーラーセルは、半導体ウェハもしくは基板の上に、半導体処理技術を用い、基板の表面近傍にp−n接合を形成するようにして製造される。基板の表面に衝突する太陽熱の放射線によって、基板のバルク内に電子およびホールの対が形成され、これらは基板のp型ドープ領域よびn型ドープ領域に移動し、ドープ領域間に電圧差を発生させる。ドープ領域はソーラーセル上の金属コンタクトに接続されており、セルからセルに接続された外部回路に電流が流れるようになっている。
【0005】
効率性は、ソーラーセルの発電量に直接に関連するので、ソーラーセルの重要な特性である。したがって、ソーラーセルの効率性を高める技術が一般的に望まれている。本発明の実施形態は、新規なソーラーセル構造を製造するプロセスを提供することにより、ソーラーセルの効率性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1A】本発明の実施形態に係るバックコンタクトソーラーセルの製造における段階の断面図である。
【0007】
【図1B】本発明の実施形態に係るバックコンタクトソーラーセルの製造における段階の断面図である。
【0008】
【図1C】本発明の実施形態に係るバックコンタクトソーラーセルの製造における段階の断面図である。
【0009】
【図2A】本発明の実施形態に係るバックコンタクトソーラーセルの製造における段階の断面図である。
【0010】
【図2B】本発明の実施形態に係るバックコンタクトソーラーセルの製造における段階の断面図である。
【0011】
【図2C】本発明の実施形態に係るバックコンタクトソーラーセルの製造における段階の断面図である。
【0012】
【図2D】本発明の実施形態に係るバックコンタクトソーラーセルの製造における段階の断面図である。
【0013】
【図2E】本発明の実施形態に係るバックコンタクトソーラーセルの製造における段階の断面図である。
【0014】
【図3】本発明の実施形態に係るバックコンタクトソーラーセルの断面図である。
【0015】
【図4】本発明の実施形態に係るバックコンタクトソーラーセルの製造方法に含まれる工程を示すフローチャートである。
【0016】
【図5A】本発明の実施形態に係る図4のフローチャートにおける動作402に対応するバックコンタクトソーラーセルの製造における段階の断面図である。
【0017】
【図5B】本発明の実施形態に係る図4のフローチャートにおける動作404に対応するバックコンタクトソーラーセルの製造における段階の断面図である。
【0018】
【図5C】本発明の実施形態に係る図4のフローチャートにおける動作406に対応するバックコンタクトソーラーセルの製造における段階の断面図である。
【0019】
【図5D】本発明の実施形態に係るバックコンタクトソーラーセルの製造における追加的段階の断面図である。
【0020】
【図5E】本発明の実施形態に係るバックコンタクトソーラーセルの製造における追加的段階の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
バックコンタクトソーラーセルの製造方法およびその装置が本明細書に記載される。以下の記載においては、本発明の実施形態の完全な理解を促すべく、特定の処理フロー動作等の特定的詳細事項を数多く明示する。本発明の実施形態は、これらの特定的詳細事項がなくても実施できることは、当業者には明らかとなるであろう。他の例では、本発明の実施形態が不要に曖昧とならないように、リソグラフィ技術等の周知の製造技術については記載しない。さらに、図面に示される多様な実施形態は、例示的な図示であり、必ずしも原寸通りに示されていないことは理解されるべきである。
【0022】
バックコンタクトソーラーセルの製造方法が本明細書に開示される。一実施形態では、本方法は、基板の上に配置された材料層の上に、N型ドーパント源層およびP型ドーパント源層を、N型ドーパント源層がP型ドーパント源層から離間されるように形成する段階を備える。N型ドーパント源層およびP型ドーパント源層を加熱する。その後、N型ドーパント源層とP型ドーパント源層との間の材料層にトレンチを形成する。
【0023】
バックコンタクトソーラーセルも本明細書に開示される。一実施形態では、バックコンタクトソーラーセルは、基板の上に配置された材料層を備える。材料層には、材料層のN型領域とP型領域とを分離するトレンチが配置される。トレンチに直に隣接する部分におけるP型領域のドーパント濃度は、P型領域の中心部におけるドーパント濃度と略等しい。
【0024】
本発明の少なくともいくつかの実施形態によると、ソーラーセルは、吸収層のN型領域およびP型領域により形成され、これらの領域は、図2Aから2Eに関連して以下に記載される「出っ張り(ledge)」という特徴物の特性に関連する特性を持たない。いくつかの実施形態では、非常に多い処理工程の数が、従来の処理フローと比較対照される本明細書に記載の処理フローを用いることで削減される。いくつかの実施形態では、本明細書に詳細に記載される処理フロー等の処理フローは、本明細書に記載の処理フローのいくつかにおいて追加的な加熱もしくはアニール工程が含まれるにも拘らず、従来のフローを用いるよりも好ましい。
【0025】
本発明のある観点においては、出っ張り特徴物に由来する特性を持たないP型およびN型の吸収層領域を有するソーラーセルを形成することが望ましい。図1Aから1Cは、本発明の実施形態に係るバックコンタクトソーラーセルの製造における各段階の断面図である。図1Aから1Cの工程によってなんらの処理順序も課されず、むしろ、これらの図についての以下の記載からいくつかの上位概念が抽出されるであろうことは理解されよう。図1Aから1Cについての記載に続けて、より詳細な方法が記載される。
【0026】
図1Aを参照すると、バックコンタクトソーラーセルの製造方法は、基板102Aの上に配置された材料層104Aの上にN型ドーパント源層108およびP型ドーパント源層106を形成する段階を備える。図1Aに示すように、N型ドーパント源層108は、P型ドーパント源層106から離間されている。トンネル酸化バリア層膜110も示されている。
【0027】
図1Bを参照すると、バックコンタクトソーラーセルの製造方法は、N型およびP型のドーパント源層108および106の間において、材料層104Aを貫通させて基板102Aの途中までトレンチ112を形成して、パターニングされた材料層104Bおよびパターニングされた基板102Bを設ける段階をさらに備える。
【0028】
図1Cを参照すると、N型およびP型のドーパント源層108および106からそれぞれN型およびP型のドーパントがパターニングされた材料層104Bに拡散し、パターニングされた基板102Bの上にN型ドープ材料層領域104CおよびP型ドープ材料層領域104Dがそれぞれ設けられる。本発明の実施形態によると、N型ドープ材料層領域104CおよびP型ドープ材料層領域104Dの、それぞれトレンチ112に最隣接する領域におけるドーパント濃度が、N型ドープ材料層領域104CおよびP型ドープ材料層領域104Dの中心部近傍のドーパント濃度に略等しいという点において、N型ドープ材料層104CおよびP型ドープ材料層領域104Dは均質的にドープされている。
【0029】
しかし、ソーラーセルを形成する方法の全てが、ソーラーセルの吸収層のP型もしくはN型の領域において出っ張り特徴物の特性が形成されるのを回避できるのではないことは理解されるべきである。たとえば、図2Aから2Eは、バックコンタクトソーラーセルの製造における各段階の断面図を示しており、本発明の実施形態において、図3、4、および5Aから5Eに関する以下の詳細な記載との比較として提供される。
【0030】
図2Aを参照すると、バックコンタクトソーラーセルの製造方法は、パターニングされたP型ドーパント源層204の上と、基板208の上に配置された材料層206の露出部の上とに、N型ドーパント源層202を形成する段階を備える。トレンチパターン212を有するマスク210を、N型ドーパント源層202の上に配置する。トンネル酸化バリア層膜214も示されている。
【0031】
図2Bを参照すると、マスク210に合わせて、N型ドーパント源層202およびパターニングされたP型ドーパント源層204をエッチングし、図2Bに示すように、パターニングされたP型ドーパント源層204が、材料層206上に接して存在するN型ドーパント源層202の部分から離間した構成を設ける。しかし、同じく図2Bに示すように、パターニングされたP型ドーパント源層204は、マスク210の部分的なリフトオフ218、および/または、エッチング処理の間のマスク210のアンダーカット220により望まれず生じるテーパ状側壁216が形成される場合がある。
【0032】
図2Cを参照すると、処理ではさらに、マスク210を除去し、パターニングされたP型ドーパント源層204およびN型ドーパント源層202の残留部をエッチングマスクとして用いて、トレンチ222を、材料層206を貫通させて基板208の途中まで形成する。しかし、図2Cに示すように、パターニングされたP型ドーパント源層204の残留部が、エッチング処理の間に、材料層206の、トレンチ222に直に隣接する部分の最縁部から後退してしまう場合がある。これにより、パターニングされたP型ドーパント源層204の残留部により被覆されない材料層206の露出部224が形成される。パターニングされたP型ドーパント源層204の残留部により被覆されない材料層206の露出部224を本明細書では「出っ張り」特徴物と呼ぶが、これは幅Xを有し、その後の処理にとっては望ましくない特徴となり得る。
【0033】
図2Dを参照すると、図2Cの構造を加熱もしくはアニールして層202および204から材料層206にドーパントを拡散させて、N型ドープ材料領域226およびP型ドープ材料領域228を設ける。しかし、パターニングされたP型ドーパント源層204の残留部により被覆されない材料層206の露出部224、つまり出っ張りは、層204が材料層206の縁部から後退しているので、P型ドープ材料領域228の他の部分よりもドーパント濃度が低くなる可能性がある。P型ドープ材料領域228の端部においてP型ドープ材料領域228の他の部分よりもドーパント濃度が低くなるドーピングの不均一性により、これらから最終的に形成されるソーラーセルの性能に望ましくない影響が及ぼされる。上記の加熱もしくはアニールの間に、図2Dに示すように基板208にN型ドープ領域230を気体ドーパント前駆体から形成してよいことに注意されたい。
【0034】
図2Eを参照すると、層204および202を除去したソーラーセル232の部分は、出っ張り特徴物、つまりP型ドープ材料領域228の部分224、の特性をいまだに保持している。ある実施形態では、部分224は、そこから製造されるソーラーセル完成品に望ましくない影響を与える。
【0035】
本発明の観点においては、バックコンタクトソーラーセルは、出っ張り特徴物に由来する特性を保有しない。たとえば、図3は、本発明の実施形態に係るバックコンタクトソーラーセルの断面図を示す。
【0036】
図3を参照すると、バックコンタクトソーラーセル300は、基板304の上に配置された材料層302を備える。材料層302にはトレンチ306が配置されている。トレンチ306により、材料層302のN型領域308およびP型領域310が分離される。P型領域310は、トレンチ306に直に隣接する部分のドーパント濃度312が、P型領域310の中心部のドーパント濃度314と略等しい。つまり、P型領域310には出っ張り特徴物がない。
【0037】
本発明の実施形態によると、バックコンタクトソーラーセル300の材料層302は多結晶シリコン層(poly−crystalline silicon layer)であり、基板304は単結晶シリコン基板であり、P型領域310はボロンドーパント不純物原子を含み、N型領域はリンドーパント不純物原子を含む。代替的な実施形態では、多結晶材料層302を形成する代わりに、たとえば、非晶質層、高分子層、およびマルチ結晶層を含むがこれらに限定されない非多結晶吸収材料を形成する。別の代替的な実施形態では、単結晶基板304を用いる代わりに、マルチ結晶基板を用いる。
【0038】
ある実施形態では、バックコンタクトソーラーセル300のトレンチ306は、図3に示すように、材料層302を貫通して基板304の途中まで形成される。一実施形態では、材料層302により被覆されない基板304の表面は、同じく図3に示すように、テクスチャ化表面316を含む。ある実施形態では、バックコンタクトソーラーセル300の基板304は、図3に示すように、材料層302により被覆されない基板304の表面もしくはその近傍にN型ドーパント318を含む。
【0039】
本発明の別の実施形態によると、バックコンタクトソーラーセル300は、図3に示すように、材料層302と基板304との間に直に配置された誘電体膜320をさらに備える。一実施形態においては、誘電体膜320は二酸化ケイ素から形成され、厚さが約1から2ナノメートルの範囲にある。特定の実施形態においては、誘電体膜320は、トンネル酸化バリア層膜である。
【0040】
本発明の別の観点においては、バックコンタクトソーラーセルは、出っ張り特徴物を含まないように製造される。たとえば、図4は、本発明の実施形態に係るバックコンタクトソーラーセルの製造方法に含まれる工程を示すフローチャート400である。図5Aから5Cは、本発明の実施形態に係るフローチャート400の工程に対応するバックコンタクトソーラーセルの製造における各段階の断面図である。図5Dおよび5Eは、本発明の実施形態に係るバックコンタクトソーラーセルの製造における追加的な各段階の断面図である。
【0041】
フローチャート400の工程402と、対応して図5Aとを参照すると、バックコンタクトソーラーセルの製造方法は、基板508の上に配置された材料層506の上に、N型ドーパント源層502およびP型ドーパント源層504を形成する段階を備える。図5Aに示すように、N型ドーパント源層502は、P型ドーパント源層504から離間されている。
【0042】
本発明の実施形態によると、N型ドーパント源層502およびP型ドーパント源層504を形成する段階は、インクジェットデポジション技術を用いる段階を有する。一実施形態では、インクジェットデポジション技術を用いる段階は、N型ドーパント源層502およびP型ドーパント源層504を同時に形成する段階を含む。一実施形態では、インクジェットデポジション技術を用いる段階は、N型ドーパント源層502およびP型ドーパント源層504を別々の時間に形成する段階を含む。一実施形態では、基板508の上に配置された材料層506の上に、N型ドーパント源層502およびP型ドーパント源層504を形成する段階は、単結晶シリコン基板の上に配置された多結晶シリコン層の上に接するように、それぞれリンドープケイ酸塩ガラス層およびボロンドープケイ酸塩ガラス層を形成する段階を有する。代替的な実施形態では、多結晶材料層506を形成する代わりに、非晶質層、高分子層、およびマルチ結晶層を含むがこれらに限定されない非多結晶吸収材料を形成する。別の代替的な実施形態では、単結晶基板508を用いる代わりに、マルチ結晶基板を用いる。
【0043】
本発明のある実施形態では、図5Aに示すように、誘電体膜510が、材料層506の下と基板508の上とに接するように形成される。一実施形態では、誘電体膜510は二酸化ケイ素から形成され、厚さが約1から2ナノメートルの範囲にある。特定の実施形態では、誘電体膜510は、トンネル酸化バリア層膜である。
【0044】
フローチャート400の工程404と、対応して図5Bとを参照すると、バックコンタクトソーラーセルの製造方法は、N型ドーパント源層502およびP型ドーパント源層504を加熱する段階をさらに備える。
【0045】
本発明のある実施形態によると、N型ドーパント源層502およびP型ドーパント源層504を加熱する段階は、図5Bに示すように、材料層506の部分512および514に、それぞれN型ドーパントおよびP型ドーパントを移動させる段階を有する。一実施形態では、N型ドーパント源層502およびP型ドーパント源層504を加熱する段階は、摂氏約950℃の温度で加熱する段階を有する。一実施形態では、N型ドーパント源層502およびP型ドーパント源層を加熱する段階は、N型ドーパント源層502およびP型ドーパント源層504を硬化させる段階を有する。特定の実施形態では、N型ドーパント源層502およびP型ドーパント源層504の両方を硬化させることで、その後のトレンチ形成、たとえば以下に記載されるトレンチ形成において、N型ドーパント源層502およびP型ドーパント源層504のエッチング耐性が高められる。
【0046】
フローチャート400の工程406と、対応して図5Cとを参照すると、バックコンタクトソーラーセルの製造方法は、工程404における加熱の後に、N型およびP型のドーパント源層502および504の間における材料層506にトレンチ516を形成する段階をさらに備える。
【0047】
本発明のある実施形態によると、材料層506にトレンチ516を形成する段階は、図5Cに示すように、N型およびP型のドーパント源層502および504の間の間隔に略等しい幅を有するトレンチ516を、材料層506を貫通して基板508の途中まで形成する段階を有する。一実施形態では、トレンチ516を形成する段階は、同じく図5Cに示すように、材料層506により被覆されない基板508の表面を、テクスチャ化表面518によりテクスチャ化する段階を有する。特定の実施形態では、テクスチャ化する段階は、水酸化物系ウェットエッチャントを含むウェットエッチング技術を用いる段階を含む。
【0048】
ある実施形態では、図5Dを参照すると、バックコンタクトソーラーセルの製造方法は、トレンチ516の形成後に、N型ドーパント源層502およびP型ドーパント源層504を除去する段階をさらに備える。一実施形態では、N型ドーパント源層502およびP型ドーパント源層504を除去する段階は、フッ化水素酸ウェットエッチング技術を用いる段階を有する。
【0049】
ある実施形態では、図5Eを参照すると、バックコンタクトソーラーセルの製造方法は、N型ドーパント源層502およびP型ドーパント源層504の除去後に、基板508を加熱する段階をさらに備える。一実施形態では、基板508を加熱する段階は、図5Eのドーパント領域520に示すように、基板508を、材料層506により被覆されない基板508の表面もしくはその近傍において、気体N型ドーパント源の存在下で加熱し、当該気体N型ドーパント源をドープする段階を有する。
【0050】
バックコンタクトソーラーセルの製造方法およびその装置を開示した。本発明のある実施形態によると、バックコンタクトソーラーセルの製造方法は、基板の上に配置された材料層の上に、N型ドーパント源層およびP型ドーパント源層を形成する段階を備える。N型ドーパント源層は、P型ドーパント源層から離間されている。N型ドーパント源層およびP型ドーパント源層を加熱する。その後、N型およびP型のドーパント源層の間において材料層にトレンチを形成する。追加的な実施形態では、トレンチの形成後に、N型ドーパント源層およびP型ドーパント源層を除去する。別の追加的な実施形態では、N型ドーパント源層およびP型ドーパント源層の除去後に、基板を加熱する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックコンタクトソーラーセルの製造方法であって、
基板の上に配置された材料層の上に、N型ドーパント源層およびP型ドーパント源層を、前記N型ドーパント源層が前記P型ドーパント源層から離間されるように形成する段階と、
前記N型ドーパント源層および前記P型ドーパント源層を加熱する段階と、
その後に、前記N型ドーパント源層と前記P型ドーパント源層との間において、前記材料層にトレンチを形成する段階と
を備える製造方法。
【請求項2】
前記トレンチを形成する段階の後に、前記N型ドーパント源層および前記P型ドーパント源層を除去する段階をさらに備える請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記N型ドーパント源層および前記P型ドーパント源層を除去する段階の後に、前記基板を加熱する段階をさらに備える請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記N型ドーパント源層および前記P型ドーパント源層を形成する段階は、インクジェットデポジション技術を用いる段階を有する請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記インクジェットデポジション技術を用いる段階は、前記N型ドーパント源層および前記P型ドーパント源層を同時に形成する段階を含む請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
前記インクジェットデポジション技術を用いる段階は、前記N型ドーパント源層および前記P型ドーパント源層を別々の時刻に形成する段階を含む請求項4に記載の製造方法。
【請求項7】
前記基板の上に配置された前記材料層の上に、前記N型ドーパント源層および前記P型ドーパント源層を形成する段階は、単結晶シリコン基板の上に配置された多結晶シリコン層の上に接するように、それぞれリンドープケイ酸塩ガラス層およびボロンドープケイ酸塩ガラス層を形成する段階を有する請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
前記N型ドーパント源層および前記P型ドーパント源層を加熱する段階は、前記材料層の複数の部分に、N型ドーパントおよびP型ドーパントをそれぞれ移動させる段階を有する請求項1に記載の製造方法。
【請求項9】
前記N型ドーパント源層および前記P型ドーパント源層を加熱する段階は、摂氏約950℃の温度もしくはその近傍で加熱する段階を有する請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
前記N型ドーパント源層および前記P型ドーパント源層を加熱する段階は、前記N型ドーパント源層および前記P型ドーパント源層の両方を硬化させる段階を有する請求項8に記載の製造方法。
【請求項11】
前記材料層に前記トレンチを形成する段階は、前記N型ドーパント源層および前記P型ドーパント源層の間隔に実質的に等しい幅を有するトレンチを、前記材料層を貫通させて前記基板の途中まで形成する段階を有する請求項1に記載の製造方法。
【請求項12】
前記トレンチを形成する段階は、前記材料層により被覆されない前記基板の表面を、テクスチャ化表面によりテクスチャ化する段階を有する請求項11に記載の製造方法。
【請求項13】
前記N型ドーパント源層および前記P型ドーパント源層を除去する段階は、フッ化水素酸ウェットエッチング技術を用いる段階を有する請求項2に記載の製造方法。
【請求項14】
前記基板を加熱する段階は、前記基板を、前記材料層により被覆されない前記基板の表面もしくはその近傍において、気体N型ドーパント源の存在下で加熱し、前記気体N型ドーパント源をドープする段階を有する請求項3に記載の製造方法。
【請求項15】
基板の上に配置された材料層と、
前記材料層内に配置されたトレンチと
を備え、
前記トレンチは、前記材料層のN型領域およびP型領域を分離し、
前記P型領域は、前記トレンチに直に隣接する部分におけるドーパント濃度が、前記P型領域の中心部におけるドーパント濃度と実質的に等しい
バックコンタクトソーラーセル。
【請求項16】
前記材料層は、多結晶シリコン層であり、
前記基板は、単結晶シリコン基板であり、
前記P型領域は、ボロンドーパント不純物原子を含み、
前記N型領域は、リンドーパント不純物原子を含む
請求項15に記載のバックコンタクトソーラーセル。
【請求項17】
前記トレンチは、前記材料層を貫通して前記基板の途中まで配置される請求項15に記載のバックコンタクトソーラーセル。
【請求項18】
前記材料層により被覆されない前記基板の表面は、テクスチャ化表面を含む請求項17に記載のバックコンタクトソーラーセル。
【請求項19】
前記基板は、前記材料層により被覆されない前記基板の表面もしくはその近傍にN型ドーパントを含む請求項15に記載のバックコンタクトソーラーセル。
【請求項20】
前記材料層と前記基板との間に直に配置される誘電体膜をさらに備える請求項15に記載のバックコンタクトソーラーセル。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【公表番号】特表2013−521645(P2013−521645A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−556055(P2012−556055)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【国際出願番号】PCT/US2010/062264
【国際公開番号】WO2011/109058
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(505379467)サンパワー コーポレイション (41)
【Fターム(参考)】