説明

バックパック緩衝システム

バックパック用緩衝システムは、バックパックに枢動自在に接続されたロッカーアームを含む。第1ヒップステーは、ロッカーアームの第1端部に接続された第1端部及び第1端部の反対側にある第2端部を有する。第2ヒップステーは、ロッカーアームの第2端部に接続された第1端部及び第1端部の反対側にある第2端部を有する。ウエストベルトは、第1ヒップステーの第2端部及び第2ヒップステーの第2端部に取り付けられる。第1及び第2ヒップステーは、バックパックの荷重を着用者の左腰と右腰の間に分配する。緩衝システムを組み込んだバックパックも開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、バックパック及び他の荷重物携行システムに関する。より具体的には、本発明は、着用者の身体に対して荷重物を動的に分配するバックパック及び荷重物携行システムに関する。
【背景技術】
【0002】
バックパックは、ハイキング、登山、及びスキーなどのレクレーション活動において、衣料、食料、水、シェルタ、備品及び様々な他の物品を運ぶために一般的に使用されている。バックパックはまた、書籍、ファイル、及びコンピュータなどの物品を運ぶような日常の活動においても使用されている。従来のバックパックは通常、着用者の肩の一方又は両方にわたり延びるショルダハーネスを着用者の腰周囲を包むウエストベルトと共に使用する。このショルダハーネス及びウエストベルトにより、バックパック(及びその中味)の荷重を着用者の肩及び腰の両方全体に分配できるようになる。
【0003】
バックパック着用者の様々な動きによって、バックパックの荷重が体の一方又は他方に望ましくないずれを引き起こす可能性がある。例えば、歩行中又はハイキング中の着用者の腰の揺動(着用者の自然な足取りの結果として)により、バックパック及び/又は荷重物が着用者の身体に対してずれを引き起こし、望ましくないことに、腰の一方、及び/又は肩の片方もしくは両方に対して特に強調される。このずれは、着用者が上り坂、下り坂、又はオフ−キャンバ横断、起伏のある及び/又は平らでない地形を移動する状況において特に強調されることが多い。
【0004】
着用者の身体上の荷重のずれを低減するために、数多くのバックパック緩衝システムが開発されてきた。例えば、バックパックは、荷重の移動を低減させるために着用者の身体と共に屈曲する半固定フレームが開発されてきた。更に、バックパックは、着用者の腰と身体の他の部分との相対運動に対して補償するよう枢動する枢動腰ベルトが開発されてきた。しかしながら、これらのバックパックは、荷重のずれを十分に補償することができない。従って、体の様々な動き及びずれ全体を通してバックパックの荷重を着用者の体全体に均一に分配するバックパック緩衝システムへの必要性が当該技術分野において依然としてある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、バックパックに枢動自在に接続されたロッカーアームと、該ロッカーアームの第1端部に接続された第1端部及び該第1端部の反対側にある第2端部を有する第1ヒップステーと、ロッカーアームの第2端部に接続された第1端部及び該第1端部の反対側にある第2端部を有する第2ヒップステーとを含むバックパック用緩衝システムに関する。第1ヒップステーの第1端部は、ロッカーアームの第1端部に可撓的又はほぼ固定的に接続することができ、第2ヒップステーの第1端部は、ロッカーアームの第2端部に同様に接続することができる。ウエストベルトは、第1及び第2ヒップステーの第2端部に取り付けられる。バックパック及びその中味の荷重は、第1及び第2ヒップステーを介してバックパックからウエストベルトに動的に移動させることができる。第1ヒップステーの第1端部は、第1弾性部材によってロッカーアームの第1端部に可撓的に接続可能であり、第2ヒップステーの第1端部は、第2弾性部材によってロッカーアームの第2端部に可撓的に接続することができる。ヒップステーの第2端部は、着用者の腰の両側にほぼ隣接する点においてウエストベルトに取り付けることが可能である。結果として、バックパックは、着用者に対して着用者の骨格の中央領域内部に集中した下向きの力を与えることができる。
【0006】
緩衝システムは更に、ロッカーアームは枢動自在に接続される装着プレートを含むことができる。テールステーは、装着プレートから第1ヒップステー及び第2ヒップステーの中間にあるウエストベルトまで延びて、バックパックとウエストベルトとの間の移動を安定化するよう機能する。
【0007】
バックパックは、ウエストベルトからある垂直距離だけ離間したショルダハーネスを含むことができ、第1及び第2ヒップステーは、ショルダハーネスとウエストベルトとの間の垂直距離を増減させて、曲げ運動中の着用者の脊柱の長さの変化を補償することができる。
本発明はまた、緩衝システムを組み込んだバックパックに関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
詳細な説明は、同じ参照符号は同じ構成要素を示す添付図面と参照すると更によく理解されるであろう。
図1を参照すると、本発明による緩衝システムを組み込んだバックパックの例示的な実施形態が示される。バックパック10は一般に、運ぶべき物品を格納するパックバッグ12と、パックバッグ12内部へのアクセスを可能にするようパックバッグ12に取り外し可能に取り付けられたリッド14とを含む。バックパック10はまた、圧縮ストラップ16及び/又はバンジーコード18などの様々な他のストラップ及び装備品を含むこともできる。しかしながら、本発明の原理は、どのような特定の形式のバックパック構造にも限定されず、本発明の緩衝システムは、当業者に公知のあらゆる形状、寸法、又は構成を有するバックパックもしくは他の荷物携行手段に用いることができる点に留意されたい。例えば、バックパック10は、図1に示された取り外し可能なリッド14の代わりにジッパー式開口部を有することもできる。
【0009】
図2に示すように、緩衝システム20は、バックパック10の後部壁22と関連付けられており、ウエストベルト24をパックバッグ12に接続する。ウエストベルト24は、着用者の腰部周囲に着用されるような形状及び構成にされ、バックパック10(及びその中味)の荷重の全て又は一部を着用者の身体で支持する。多くの異なる形状、材料及び構造のウエストベルトが当該技術分野で知られており、本発明の緩衝システムは、どのような特定の形式ウエストベルトでの使用にも限定されるものではない。
【0010】
図2に同様に示すように、バックパック10は、1つ又はそれ以上の調節可能な肩ストラップ26(又はハーネスシステム)を含むことができ、これは、装備されている場合には、着用者の身体上でバックパック10(及びその中味)の荷重を支持するようウエストベルト24と共に機能する。肩ストラップ26は、バックパック10の上部領域から延びて着用者の肩にかかり、バックパック10の下部領域と接続することができる。例えば、肩ストラップ26は、バックパック10の後部壁22と関連付けられる調節可能なフレームシート67(図6に示す)を介してバックパック10の上部領域に接続し、更に、後部壁22を介してバックパック10の下部領域に接続することができる。或いは、肩ストラップ26は、後部壁22を介して直接的にバックパック10の上部領域に接続することができる。しかしながら、本発明は、肩ストラップ26とバックパック10との間のどのような特定の接続にも限定されるものではないことを当業者であれば認識し且つ理解するであろう。更に、多くの異なる形式の肩ストラップ及びハーネスシステムが当該技術分野で知られており、本発明の緩衝システムは、肩ストラップ又はハーネスシステムのどのような特定の形式での使用に限定されるものではなく、更に肩ストラップ又はハーネスシステムでの使用に全く限定されるものでもない。
【0011】
図3及び4を参照すると、緩衝システム20は、パックバッグ12の後部壁22に取り付けられている装着プレート28を含む。装着プレート28は、ABSプラスチック、ポリエチレン、ナイロン、デルリン、(エポキシ及びガラス繊維などの)強化熱硬化性樹脂、アルミニウム又はチタンなどの剛性又は半剛性材料で形成できるが、しかしながら、当業者に公知のどのような他の好適な材料も同様に使用可能である。装着プレート28は、後部壁22に縫い付けられ且つ装着プレート28上に形成されたタブ32を横断して延びる織布ストリップ30(図2に示す)によって、並びに後部壁22に取り付けるスナップコネクタ34によってパックバッグ12の後部壁22に取り付けることができる。更に、或いは代替として、装着プレート28は、リベット止め、ステッチ止め、接合、ステープル止め、縫い付け、又は当業者に公知のあらゆる他の技法によって後部壁22に取り付けることができる。
【0012】
緩衝システム20はまた、装着プレート28に枢動自在に接続されて枢動軸Pの周りを枢動するロッカーアーム36を含む。ボルト38は、枢動軸Pに沿って装着プレート28とロッカーアーム36の位置合わせされた孔を貫通して延びて、これら2つの部品間に枢動接続が得られることになる。ロッカーアーム36用の好適な材料には、例えば、ナイロン、強化ナイロン、ポリアセタール、シート状成形材料、バルク成形材料、複合材料、及び金属が含まれる。
【0013】
装着プレート28とロッカーアーム36との間の枢動動作を滑らかにするため、ロッカーアーム36は、図4に示すようにボルト38を囲む(カートリッジ形式の転がり軸受のような)軸受40を有することができる。或いは、ブッシュ又は他の部材がボルト38を囲み、装着プレート28とのロッカーアーム36の枢動に対して幾らかの抵抗を与えて緩衝システム20に対するある程度の制動性を付加することができる。装着プレート28は、隆起領域28a、28bのような隆起領域を含むことができ、これらはロッカーアーム36の過回転を阻止するためにロッカーアーム36を係合することができる。
【0014】
引き続き図3及び4を参照すると、緩衝システム20はまた、第1及び第2のヒップステー50、52を含み、これらの各々は、ロッカーアーム36の相対する第1及び第2端部36a、36bに接続された、それぞれの第1端部50a、52aを有する。図4に示すように、第1ヒップステー50の第1端部50aは、弾性部材54によってロッカーアーム36の第1端部36aに可撓的に接続することができる。同様に、第2ヒップステー52の第1端部52aは、弾性部材56によってロッカーアーム36の第2端部36bに可撓的に接続することができる。弾性部材54、56の適当な材料は、例えば、ポリウレタン又はニトリルゴム、或いは当業者に公知のあらゆる他の弾性材料を含むことができる。更に図4を参照すると、弾性部材54の端部部分54aは、ロッカーアーム36の第1端部36a内に配置された孔58に収容することができ、他方の端部部分54bは、第1ヒップステー50の第1端部50a内の孔60に配置することができ、弾性部材54の中央部分54cは、露出されて可撓性接続を可能にする。弾性部材56は、ロッカーアーム36の第2端部36b及び第2ヒップステー52の第1端部52aに同様の方法で取り付けることができる。共成形、接合、圧入、ピン止め、ネジ止め、又は当業者に公知の他の技法を用いて、弾性部材54、56をそれぞれの孔に固定することができる。ロッカーアーム36の第1及び第2端部36a、36bと第1及び第2ヒップステー50、52との間の可撓性接続は、玉継ぎ手又は枢動接続(ロッカーアーム36に関して上述されたような)によって代替的に提供することができるが、しかしながら、ヒップステー50、52とロッカーアーム36の端部36a、36bとの間の動きにある量の抵抗があり、緩衝システム20が重量物の下で過度にたわみ又は崩壊を阻止できることが好ましい。別の代替的な実施形態によれば、ロッカーアーム36と第1及び第2ヒップステー50、52とは、一体的に形成することができ、可撓性接続は「一体ヒンジ」と一般に呼ばれる部材中の厚みが薄い領域によって提供される。更に別の代替実施形態によれば、第1及び第2ヒップステー50、52の第1端部50a、52aは、ロッカーアーム36の第1及び第2端部36a、36bにそれぞれほぼ固定的に取り付けることができる。これは、例えば、ロッカーアーム36と第1及び第2ヒップステー50、52とをモノリシック構造体として形成することによって、或いは代替として、当業者に公知の固定取り付けのあらゆる方法によって達成することができる。
【0015】
第1及び第2バックステー64、66は、図3に示すように装着プレート28に接続されて、着用者の背中の経路に沿って上方へ延びることができる。第1及び第2バックステー64、66は、パックバッグ12の後部壁22を強化及び/又は強固にするよう機能する。(図6に示された)剛性又は半剛性材料のフレームシート67をバックステー64、66を覆って配置し、後部壁22を更に強化及び/又は強固にし、及び/又はパックバッグ12内に格納された物体が着用者の背中に突き出ないようにすることができる。フレームシート67はまた、装備されている場合には、図6に示すように任意選択の肩ストラップ26に対する固定ポイントとして機能する。以下更に詳細に説明されるように、テールステー68は装着プレート28から下側に延びることができる。バックステー64、66及びテールステー68は、リベット止め、ネジ止め、ステープル止め、ステッチ止め、接合、又は当業者に公知の他の技法によって装着プレート28に接続することができ、或いは、バックステー64、66及びテールステー68は、装着プレート28と一体的に形成してもよい。
【0016】
第1及び第2ヒップステー50、52、バックステー64、66及びテールステー68用の好適な材料には、例えば、エポキシ、アクリル及びナイロンに加えてガラス繊維、炭素繊維又は他の強化繊維などの複合材料、並びにアルミニウム及びチタンなどの金属をあげることができるが、代わりに他の材料を用いることも可能である。
【0017】
図2に戻り参照すると、第1及び第2ヒップステー50、52のそれぞれの第2端部50b、52bは、第1及び第2取付点70、72においてウエストベルト24に接続される。取付点70、72は、ウエストベルト24を着用したときに着用者の腰の相対する右側及び左側にほぼ隣接して配置されるのが好ましく、従って、バックパック(及びその中味)の荷重が着用者の腰の両側に移動し、そこから荷重が均等に分配される。ロッカーアーム36は、第1及び第2ヒップステー50、52と連動してパックバッグ12とウエストベルト24との間の緩衝を可能にし、これを介してパックバッグ12の荷重はウエストベルト24に動的に移動される。このシステムは、着用者の身体の様々な動き及び移動全体にわたり、身体の両側(例えば、左右の腰に)荷重を均等に移動させ、荷重が不安定な位置に押しやられるのを阻止する。結果として、バックパックの動きは、着用者の動きと一致してウエストベルト24から肩ストラップ26の1つ又はそれ以上への重量の望ましくない移動を回避し、移動の有無に関わりなく着用者の腰の両側で荷重を保持する。バックパック10はまた、装着プレート28、ロッカーアーム36、及び第1及び第2ヒップステー50、52の少なくとも一部分を覆って延びて、着用者の背部と緩衝システム20との間にパッドの層を提供する任意選択のバックパッド73(図2において陰影が付けられている)を含むことができる。図2に示すように、このバックパッド73は、肩ストラップ26と一体的に形成して一体型バックパッド/ショルダハーネス組立体を形成することができる。バックパッド/ショルダハーネス組立体が備えられている場合には、着用者が有する様々な胴体長に対応するため肩ストラップ26とウエストベルト24との間の垂直距離を調節するように、バックル74を介してパックバッグ12の後部壁22上の垂直位置を調整可能とすることができる。
【0018】
引き続き図2を参照すると、テールステー68の端部は、第1及び第2取付点70、72の中間に配置された第3の取付点76においてウエストベルト24に取り付けられる。テールステー68は、パックバッグ12とウエストベルト24との間の動きを安定化するよう機能する(例えば、急速又は極端な動きの際にウエストベルト24に対してパックバッグ12の揺動を制御又は制動する)。テールステー68は、ゼロフォース部材とすることができ、つまり、バックパック(及びその中味)のほとんどの荷重はパックバッグ12からテールステー68を通ってウエストベルト24に配向されないことを意味する。このことは、テールステー68とウエストベルト24との間の摺動可能な接続の結果として達成することができ、これは以下に更に詳細に説明する。
【0019】
図2、5及び6を参照すると、第1及び第2ヒップステー50、52と、ウエストベルト24との間の接触部分が示されている。第1及び第2ヒップステー50、52の第2端部50b、52bは、それぞれ第1及び第2取付点70、72においてウエストベルト24に摺動可能に接続することができ、ウエストベルト24と第1及び第2ヒップステー50、52との間のほぼ垂直な移動を可能にする。例えば、図2、5及び6に示すように、第1及び第2ポケット80、82は、第1及び第2取付点70、72においてウエストベルト24上に形成され、第1及び第2ヒップステー50、52それぞれの第1及び第2端部50b、52bを摺動可能に収容することができる。ポケット80、82は、ナイロン製ウェブのセグメントを第1及び第2取付点70、72においてウエストベルト24上に縫製することによって形成することができるが、本発明は、ポケット80、82のどのような特定の構造にも限定されるものではない。第1及び第2ポケット80、82は、端部80a、82aを(例えばステッチによって)閉鎖して、第1及び第2ヒップステー50、52の第2端部50b、52bが貫通して摺動するのを阻止することができ、或いは、端部80a、82aを開放し、第1及び第2ヒップステー50、52の第2端部50b、52bが貫通して摺動できるようにしてもよい。図2及び6に示すように、テールステー68は、第3ポケット86によって(上述の第1及び第2ポケット80、82と同一又は類似の方法で構成された)第3取付点76においてウエストベルト24に同様に取り付けることができる。第3ポケット86の端部86aは、テールステー68が貫通して自由に摺動できるように十分に開き、バックパックの荷重がパックバッグ12からテールステー68を通じてウエストベルト24にほとんどが誘導されないようにするのが好ましい。
【0020】
第1及び第2ヒップステー50、52及びテールステー68のウエストベルト24に対する摺動可能接続により、バックパックの長さが増減して、曲げ動作中に生じる脊柱(及び胴体)の効果的な伸びに適応できるようになる(例えば、着用者が前方にかがむと着用者の脊柱の有効長さが増大する)。すなわち、第1及び第2ヒップステー50、52及びテールステー68は、ポケット80、82、86に対して摺動して、肩ストラップ26上の所定点からウエストベルト24上の所定点に至る垂直距離Y(図2に示す)が着用者の脊柱の有効長の変化に対応するよう変化できるようになる。このことは、従来のバックパック設計で一般的である、曲げ運動の際に着用者の腰にウエストベルト24がずり上がるのをなくすのに役だつ。
【0021】
図5及び6を参照すると、ヒップステー50、52は、着用者の前面に向かって前方に湾曲することができ、その結果、第1及び第2取付点70、72(ヒップステー50、52がウエストベルト24に取り付けられる箇所)が着用者の腰の側部にほぼ隣接するようになる。これにより、バックパック10の下向きの力又は荷重が着用者に対して腰の側部に印加され、結果として、下向きの力又は荷重が、着用者の胴体の背部までずれた点で集中して、骨格に対し中心からずれたモーメントを生じるようになるのではなく、着用者の骨格の中央領域(例えば、着用者の腰部を定める円の中心に向かって)に集中するようになる。
【0022】
上記の説明及び図面は、本発明の好ましい実施形態を示すが、添付の請求項において定義された本発明の技術思想及び範囲から逸脱することなく、様々な追加、修正及び置き換えを行うことができる点は理解されるであろう。従って、現在開示された実施形態は、あらゆる点で例示的で且つ非限定的に解釈すべきであり、本発明の技術的範囲は、添付の請求項によって示され、上記の説明に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明による緩衝システムを組み込んだバックパックの1つの例示的な実施形態の斜視図である。
【図2】緩衝システム部分が隠れ線で示された、図1のバックパックの背部の立面図である。
【図3】バックパックから取り出して見た図2の緩衝システムの立面図である。
【図4】図3の緩衝システムの拡大部分図である。
【図5】図1のバックパックの一部の側面図である。
【図6】マネキンが着用して示された本発明の緩衝システムの斜視図である。
【符号の説明】
【0024】
10 バックパック
12 パックバッグ
14 リッド
16 圧縮ストラップ
18 バンジーコード
20 緩衝システム
22 後部壁
24 ウエストベルト
26 肩ストラップ
28 装着プレート
36 ロッカーアーム
50、52 ヒップステー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックパック用緩衝システムであって、
第1端部及び第2端部を有する、前記バックパックに枢動自在に接続されたロッカーアームと、
前記ロッカーアームの第1端部に接続された第1端部と該第1端部の反対側にある第2端部とを有する第1ヒップステーと、
前記ロッカーアームの第2端部に接続された第1端部と、該第1端部の反対側にある第2端部とを有する第2ヒップステーと、
前記第1ヒップステーの第2端部及び前記第2ヒップステーの第2端部に取付られたウエストベルトと、
を含む緩衝システム。
【請求項2】
前記第1ヒップステーの第1端部が前記ロッカーアームの第1端部に可撓的に接続され、前記第2ヒップステーの第1端部が前記ロッカーアームの第2端部に可撓的に接続される請求項1に記載の緩衝システム。
【請求項3】
前記第1ヒップステーの第1端部が第1弾性部材によって前記ロッカーアームの第1端部に可撓的に接続され、前記第2ヒップステーの第1端部が第2弾性部材によって前記ロッカーアームの第2端部に可撓的に接続される請求項2に記載の緩衝システム。
【請求項4】
前記第1ヒップステーの第1端部が、前記ロッカーアームの第1端部にほぼ固定的に接続され、前記第2ヒップステーの第1端部が前記ロッカーアームの第2端部にほぼ固定的に接続される請求項1に記載の緩衝システム。
【請求項5】
前記第1ヒップステーの第2端部が第1点において前記ウエストベルトに取り付けられ、
前記第2ヒップステーの第2端部が第2点において前記ウエストベルトに取り付けられ、
前記第1及び第2点が着用者の腰の相対する側部にほぼ隣接している請求項1に記載の緩衝システム。
【請求項6】
前記バックパックが下向きの力を示し、前記第1及び第2ヒップステーが前記下向きの力を着用者の骨格の中央領域内で集中させる請求項5に記載の緩衝システム。
【請求項7】
装着プレートを更に含み、前記ロッカーアームが前記装着プレートに枢動自在に接続される請求項1に記載の緩衝システム。
【請求項8】
前記装着プレートから前記第1ヒップステーと前記第2ヒップステーとの中間にある前記ウエストベルトまで延びるテールステーを更に含み、前記テールステーが前記バックパックと前記ウエストベルトとの間の移動を安定させる請求項7に記載の緩衝システム。
【請求項9】
前記テールステーが実質的にゼロフォース部材である請求項8に記載の緩衝システム。
【請求項10】
前記バックパックと関連付けられ、且つ前記ウエストベルトから垂直距離だけ離間されたショルダハーネスを更に含み、前記テールステーが、曲げ運動の際に着用者の脊柱の長さの変化を補償するために前記ショルダハーネスと前記ウエストベルトとの間の前記垂直距離を増減できるように前記ウエストベルトに摺動可能に取り付けられている請求項8に記載の緩衝システム。
【請求項11】
荷重が前記第1及び第2ヒップステーを通じて前記バックパックから前記ウエストベルトに動的に移動される請求項1に記載の緩衝システム。
【請求項12】
前記ロッカーアームが、該ロッカーアームの前記第1及び第2端部の間に配置された枢動点の周りを枢動可能である請求項1に記載の緩衝システム。
【請求項13】
バックパック用緩衝システムであって、
装着プレートと、
前記装着プレートに接続された第1端部と前記第1端部の反対側にある第2端部とを有する第1ヒップステーと、
前記装着プレートに接続された第1端部と、該第1端部の反対側にある第2端部とを有する第2ヒップステーと、
第1点において前記第1ヒップステーの第2端部に取り付けられ、且つ第2点において前記第2ヒップステーの第2端部に接続されたウエストベルトと、
を含み、
前記第1及び第2ヒップステーは、前記第1及び第2点が着用者の腰の両側部にほぼ隣接するような外形にされることを特徴とする緩衝システム。
【請求項14】
前記第1及び第2ヒップステーが前記バックパックの下向きの力を着用者の骨格の中央領域内に集中させることを特徴とする請求項13に記載の緩衝システム。
【請求項15】
前記装着プレートに枢動自在に接続され且つ第1及び第2端部を有するロッカーアームを更に含み、前記第1ヒップステーの第1端部が前記ロッカーアームの第1端部に接続され、前記第2ヒップステーの第1端部が前記ロッカーアームの第2端部に接続される請求項13に記載の緩衝システム。
【請求項16】
前記第1ヒップステーの第1端部が前記ロッカーアームの第1端部に可撓的に接続され、前記第2ヒップステーの第1端部が前記ロッカーアームの第2端部に可撓的に接続される請求項15に記載の緩衝システム。
【請求項17】
前記第1ヒップステーの第1端部が前記ロッカーアームの第1端部にほぼ固定的に接続され、前記第2ヒップステーの第1端部が前記ロッカーアームの第2端部にほぼ固定的に接続される請求項15に記載の緩衝システム。
【請求項18】
前記バックパックと関連付けられたショルダハーネスを更に含む請求項13に記載の緩衝システム。
【請求項19】
バックパックであって、
荷重を支持するためのパックバッグと、
前記パックバッグの一部と関連付けられた装着プレートと、
前記装着プレートに枢動自在に接続され、第1端部及び第2端部を有するロッカーアームと、
前記ロッカーアームの第1端部に接続された第1ヒップステーと、
前記ロッカーアームの前記第2端部に接続された第2ヒップステーと、
第1点において前記第1ヒップステーに接続され、第2点において前記第2ヒップステーに接続されたウエストベルトと、
を含み、
前記荷重が少なくとも前記第1及び第2ヒップステーを通じて前記ウエストベルトに移動されることを特徴とするバックパック。
【請求項20】
前記第1及び第2ヒップステーにより、前記ウエストベルトが前記装着プレートに対して枢動できるようになる請求項19に記載のバックパック。
【請求項21】
前記第1及び第2ヒップステーが、着用者の左腰と右腰とのの間に前記荷重を分配することを特徴とする請求項19に記載のバックパック。
【請求項22】
前記第1及び第2ヒップステーが、着用者の左腰と右腰との間に前記荷重を均等に分配することを特徴とする請求項19に記載のバックパック。
【請求項23】
ショルダハーネスを更に含む請求項19に記載のバックパック。
【請求項24】
バックパックであって、
荷重を支持するためのパックバッグと、
前記パックバッグの上部部分と関連付けられたショルダハーネスと、
前記バックパックに接続された第1端部と該第1端部の反対側にある第2端部とを有する第1ヒップステーと、
前記バックパックに接続された第1端部と該第1端部の反対側にある第2端部とを有する第2ヒップステーと、
前記第1ヒップステーの第2端部及び前記第2ヒップステーの第2端部と関連付けられ、且つ前記ショルダハーネスから或る垂直距離だけ離間されたウエストベルトと、
を含み、
前記ウエストベルトは、前記ショルダハーネスと前記ウエストベルトとの間の前記垂直距離を変化させて曲げ運動の際に着用者の脊柱の伸縮に対して補償するように前記第1及び第2ヒップステーに対して移動可能であることを特徴とするバックパック。
【請求項25】
前記ウエストベルトが、前記第1ヒップステーの第2端部と前記第2ヒップステーの第2端部とに摺動可能に接続される請求項24に記載のバックパック。
【請求項26】
前記ウエストベルトが、前記第1ヒップステーの第2端部を収容する第1ポケットと前記第2ヒップステーの第2端部を収容する第2ポケットとを定める請求項25に記載のバックパック。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2006−520242(P2006−520242A)
【公表日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−507103(P2006−507103)
【出願日】平成16年3月12日(2004.3.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/007511
【国際公開番号】WO2004/082426
【国際公開日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(503204222)ザ ノース フェイス アパレル コーポレイション (4)
【氏名又は名称原語表記】The North Face Apparel Corp.
【住所又は居所原語表記】3411 Silverside Road,Wilmington,Delaware 19810 U.S.A.
【Fターム(参考)】