バッグ
【課題】バッグの収納部が狭くなってしまうというようなことはなく、口枠の枠体を本体の側部や蓋体の側部に取り付ける作業が非常に簡単なものにしたバッグを提供する。
【解決手段】本体1と蓋体2とを見開き自在に重ね合わせたものとし、略コ字状の枠体3a、3bを対向させて、それぞれの両端を回動自在に連結してなる口枠3の一方の枠体3aを、本体生地4の側端4aに連設した枠体保持部8に保持することにより、前記本体1の両側部1b、1bに装着すると共に、前記口枠3の他方の枠体3bを、蓋体生地9の側端9aに連設した枠体保持部11に保持することにより、前記蓋体2の両側部2b、2bに装着したものとしている。
【解決手段】本体1と蓋体2とを見開き自在に重ね合わせたものとし、略コ字状の枠体3a、3bを対向させて、それぞれの両端を回動自在に連結してなる口枠3の一方の枠体3aを、本体生地4の側端4aに連設した枠体保持部8に保持することにより、前記本体1の両側部1b、1bに装着すると共に、前記口枠3の他方の枠体3bを、蓋体生地9の側端9aに連設した枠体保持部11に保持することにより、前記蓋体2の両側部2b、2bに装着したものとしている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ダレスバッグやアタッシュケースなどの口枠を備えたバッグにおいて、その口枠の取り付けを簡単にしたバッグに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のダレスバッグは、例えば図9〜14に示したように、開口を有する略四角形の偏平の箱状とした本体21と、開口を有する略四角形の偏平の箱状とした蓋体22とを見開き自在として二つ重ねにできるようにしており、これら本体21と蓋体22のそれぞれの内部をバッグの収納部Cとしたものが存在する。そして、これら本体21と蓋体22に、略コ字状の枠体23a、23bを対向させて、それぞれの両端を回動自在に連結してなる口枠23を設けたものとしており、この口枠23の一方の枠体23aを前記本体21の側部21aに取り付け、前記口枠23の他方の枠体23bを前記蓋体22の側部22aに取り付けたものとしている(非特許文献1)。
【0003】
このようなダレスバッグにおいて、前記口枠23の一方の枠体23aを前記本体21の側部21aに取り付けたり、前記口枠23の他方の枠体23bを前記蓋体22の側部22aに取り付けたりするには、次のようにして行っている。
【0004】
先ず、前記口枠23の一方の枠体23aを前記本体21の側部21aに取り付けるには、図13に示したように、枠体23aに被覆生地24を巻き付け、この被覆生地24の両側端に見付け生地25の一側端をそれぞれ重ねて仮止めし、これらの側端部に縁生地26をへり巻きして止着する。次に、本体21を形成する生地(以下、本体生地27という)の側端を、前記見付け生地25の他側端に重ねて、これらの側端部に縁生地26をへり巻きして止着している。
【0005】
さらに、前記口枠23の他方の枠体23bを前記蓋体22の側部22aに取り付けるには、図14に示したように、枠体23bに被覆生地24を巻き付け、この被覆生地24の両側端に見付け生地25の一側端をそれぞれ重ねて仮止めし、これらの側端部に縁生地26をへり巻きして止着する。次に、蓋体22を形成する生地(以下、蓋体生地28という)の側端を、前記見付け生地25の他側端に重ねて、これらの側端部に縁生地26をへり巻きして止着している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】「DULLES BAG」、株式会社アートフィアー、[平成21年1月7日検索]、インターネット<URL:http://www.artphere.com/collection/kakishibu/kaki-dullesf0.html >
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来のバッグにおいては、本体生地27や蓋体生地28のそれぞれの側端を、見付け生地25の他側端に重ねて、これらの側端部に縁生地26をへり巻きして止着する場合には、工業ミシンを用いて縫着するため、少なくとも2〜3cmの縫い代が必要となる。そのため、前記本体生地27や蓋体生地28のそれぞれの側端を、見付け生地25の他側端に重ねた部分が少なくとも2〜3cm、枠体23a、23bの外側に突出することになり、この突出した分、枠体23a、23bの内側となるバッグの収納部Cが狭くなってしまうという問題点を有していた。
【0008】
さらに、上記従来のバッグにおいては、枠体23a、23bにそれぞれ被覆生地24を巻き付け、これらの被覆生地24の両側端に見付け生地25の一側端を重ねて仮止めし、これらの側端部に縁生地26をへり巻きして止着する場合も工業ミシンを用いて縫着されるが、この縫着作業は、前記本体生地26や蓋体生地27のそれぞれの側端を、見付け生地25の他側端に重ねて、これらの側端部に縁生地26をへり巻きして止着する場合の縫着作業とは別々に行われるため、二度手間となり、口枠23の枠体23a、23bを前記本体21の側部21aや蓋体22の側部22aに取り付ける作業が非常に困難なものになるという問題点を有していた。
【0009】
そこで、この発明は、上記従来の問題点を解決することをその課題としており、バッグの収納部が狭くなってしまうというようなことはなく、口枠の枠体を本体の側部や蓋体の側部に取り付ける作業が非常に簡単なものにしたバッグを提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そのため、この発明のバッグは、本体1と蓋体2とを見開き自在に重ね合わせたものとし、略コ字状の枠体3a、3bを対向させて、それぞれの両端を回動自在に連結してなる口枠3の一方の枠体3aを、本体生地4の側端4aに連設した枠体保持部8に保持することにより、前記本体1の両側部1b、1bに装着すると共に、前記口枠3の他方の枠体3bを、蓋体生地9の側端9aに連設した枠体保持部11に保持することにより、前記蓋体2の両側部2b、2bに装着したものとしている。
【0011】
さらに、この発明のバッグは、前記枠体保持部8を、本体生地4の側部4aに被覆生地12の内端12aを連結し、さらにこの本体生地4の側部4aに、務歯列を有するファスナー13の一方のテープ13aを連結し、前記被覆生地12の外端12bに、務歯列を有するファスナー13の他方のテープ13bを連結し、前記ファスナー13をスライダーSによって開閉可能として、本体生地4の側端4aに連設したものとしている。
【0012】
また、この発明のバッグは、前記枠体保持部11を、蓋体生地9の側端9aに連結した被覆生地15の外端15aに、面接着部を有するファスナー16の一方のテープ16aを連結し、蓋体生地9の側端9aに連設したものとし、この枠体保持部11に保持する枠体3bに、前記ファスナー16の面接着部に面接着可能とした面接着部を有する他方のテープ16bを装着したものとしている。
【発明の効果】
【0013】
この発明のバッグは、以上に述べたように構成されており、バッグの収納部が狭くなってしまうというようなことはなく、口枠の枠体を本体の側部や蓋体の側部に取り付ける作業が非常に簡単なものになった。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明のバッグの斜視図である。
【図2】この発明のバッグの側面図である。
【図3】この発明のバッグの開放状態を示す斜視図である。
【図4】この発明のバッグの口枠の開放状態を示す斜視図である。
【図5】図3中のA−A線によるこの発明のバッグの本体に口枠を装着した状態を示す断面図である。
【図6】図3中のA−A線においてこの発明のバッグの本体に口枠を装着する前の状態を示す断面図である。
【図7】図3中のB−B線によるこの発明のバッグの蓋体に口枠を装着した状態を示す断面図である。
【図8】図3中のB−B線においてこの発明のバッグの蓋体に口枠を装着する前の状態を示す断面図である。
【図9】従来のバッグの斜視図である。
【図10】従来のバッグの側面図である。
【図11】従来のバッグの開放状態を示す斜視図である。
【図12】従来のバッグの口枠の開放状態を示す斜視図である。
【図13】図11中のC−C線による従来のバッグの本体に口枠を装着した状態を示す断面図である。
【図14】図11中のD−D線による従来のバッグの蓋体に口枠を装着した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明のバッグを実施するための形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
この発明は、図1〜8に示したように、例えばダレスバッグと呼ばれているバッグとして実施することができる。
【0017】
図に示したバッグは、開口を有する略四角形の偏平の箱状とした本体1と、開口を有する略四角形の偏平のドーム状とした蓋体2とを、それぞれの底面部どうしで接続して見開き自在に重ね合わせたものとしている。このように蓋体2をドーム状とすることによって、バッグの収容量を増大させることができると共に、デザイン的にもいままでにはない際立ったものとなる。
【0018】
前記本体1の上部1aと両側部1b、1bには、略コ字状の枠体3a、3bを対向させて、それぞれの両端を回動自在に連結してなる口枠3の一方の枠体3aを装着すると共に、蓋体2の上部2aと両側部2b、2bには、前記口枠3の他方の枠体3bを装着しており、この口枠3の枠体3a、3bの内側をバッグの収納部Cとしている。なお、略コ字状の枠体3a、3bは、枠体3aを枠体3bよりも一回り大きく形成して、口枠3を閉じたときに、枠体3aに枠体3aが嵌まり込むようにしても、枠体3aと枠体3aとを同じ大きさ形成して、口枠3を閉じたときに、枠体3aと枠体3aとが対向するようにしてもよい。
【0019】
すなわち、前記本体1の上部1aにおいては、図示したように、本体1を形成する生地(以下、本体生地4という)の上部に縫着するなどして連結した被覆生地5を前記枠体3aに巻き付けて、この本体1の上部1aに取り付ける把手6の取付金具7と共にリベット止めし、本体1の両側部1b、1bにおいては、本体生地4の側端4aに連設した枠体保持部8に前記枠体3aを保持することにより、前記本体1の上部1aと両側部1b、1bに、前記口枠3の一方の枠体3aを装着している。
【0020】
さらに、前記蓋体2の上部2aにおいては、蓋体2を形成する生地(以下、蓋体生地9という)の上部に縫着するなどして連結した被覆生地10を前記枠体3bに巻き付けてリベット止めし、蓋体2の両側部2b、2bにおいては、蓋体生地9の側端9aに連設した枠体保持部11に前記枠体3aを保持することにより、前記蓋体2の上部2aと両側部2b、2bに、前記口枠3の他方の枠体3bを装着している。
【0021】
前記枠体保持部8は、図5、6に示したように、本体生地4の側部4aに縫着するなどして被覆生地12の内端12aを連結し、さらにこの本体生地4の側部4aに、務歯列を有するファスナー13の一方のテープ13aを縫着するなどして連結し、前記被覆生地12の外端12bに、務歯列を有するファスナー13の他方のテープ13bを縫着するなどして連結し、前記ファスナー13をスライダーSによって開閉可能として、本体生地4の側端4aに連設している。なお、前記被覆生地12の外端12bにファスナー13のテープ13bを連結する場合に、この被覆生地12の外端12bの内側に補強芯Rを重ね合わせ、それぞれの端部に縁生地14をへり巻きして止着したものとすることができる。このようにすれば、前記枠体保持部8が型崩れすることなく、口枠3の枠体3aが装着し易くなる。
【0022】
また、前記枠体保持部8は、後に述べる枠体保持部11のように、本体生地4の側端4aに縫着するなどして連結した被覆生地12の外端12bに、面接着部を有するファスナー16の一方のテープ16aを縫着するなどして連結し、本体生地4の側端4aに連設したものとしてもよい。そして、この枠体保持部8に保持する枠体3aには、前記ファスナー16の面接着部に面接着可能とした面接着部を有する他方のテープ16bを装着したものとしてもよい。
【0023】
前記枠体保持部11は、図7、8に示したように、蓋体生地9の側端9aに縫着するなどして連結した被覆生地15の外端15aに、面接着部を有するファスナー16の一方のテープ16aを縫着するなどして連結し、蓋体生地9の側端9aに連設している。そして、この枠体保持部11に保持する枠体3bには、前記ファスナー16の面接着部に面接着可能とした面接着部を有する他方のテープ16bを装着したものとしている。なお、前記テープ16bは、枠体3bに直接、貼り付けるなどして装着してもよいが、図示したように、枠体3bを被覆生地17により被覆してから、この被覆生地17に縫着するなどして装着してもよい。
【0024】
また、前記枠体保持部11も、先に述べた枠体保持部8のように、蓋体生地9の側端9aに縫着するなどして被覆生地15の内端15aを連結し、さらにこの蓋体生地9の側端9aに、務歯列を有するファスナー13の一方のテープ13aを縫着するなどして連結し、前記被覆生地15の外端15bに、務歯列を有するファスナー13の他方のテープ13bを縫着するなどして連結し、前記ファスナー13をスライダーSによって開閉可能として、蓋体生地9の側端9aに連設したものとしてもよい。なお、前記被覆生地15の外端15bにファスナー13のテープ13bを連結する場合にも、この被覆生地15の外端15bの内側に補強芯Rを重ね合わせ、これらのそれぞれの端部に縁生地14をへり巻きして止着したものとすることができる。このようにすれば、前記枠体保持部11が型崩れすることなく、口枠3の枠体3bが装着し易くなる。
【0025】
さらに、前記把手6の内側に位置する本体1の上部1aには、バッグの止錠18の本体18aを取り付けたものとし、蓋体2の上部2aには、この本体18aに対向する位置に止錠18の係止体18bを取り付けたものとしている。また、本体1の上部1aの両端部や本体1の両側部1b、1bの下端部に、背負いベルト(図示せず)の止め具19を取り付けたものとしている。
【0026】
また、前記本体1や蓋体2の収納部Cには、それぞれポケットPを設けたものとし、これらのポケットPにバッグ収納物を収納することにより、その収納物の出し入れがし易いようにしている。
【0027】
なお、本体生地4は、本体1を箱状に維持できる程度の比較的厚い生地からなり、蓋体生地9も、蓋体2をドーム状に維持できる程度の比較的厚い生地からなるものとしている。
【0028】
以上のように構成されたこの発明のバッグでは、本体生地4に連設した枠体保持部8や、蓋体生地9に連設した枠体保持部11は、本体1の両側部1b、1bや蓋体2の両側部2b、2bにそれぞれ位置することになるので、口枠3がこれら両側部1b、1bや両側部2b、2bの内側に入り込むことなく、この口枠3の内側となるバッグの収納部Sが狭くなってしまうようなことはない。
【0029】
さらに、この発明のバッグでは、本体生地4に連設した枠体保持部8や、蓋体生地9に連設した枠体保持部11は、これらに口枠3を装着する前にあらかじめ、前記したようにして本体生地4や蓋体生地9に連設しておけばよいので、口枠3を装着する作業とはまったく別々に行うことができ、前記枠体保持部8を本体生地4に連設する作業や、枠体保持部11を蓋体生地9に連設する作業が困難なものになるということはない。
【0030】
また、この発明のバッグでは、務歯列を有するファスナー13とした場合には、このファスナー13をスライダー14によって開いた状態にし、枠体保持部8、11に口枠3を入れ、前記ファスナー13をスライダー14によって閉じた状態にするだけで、前記口枠3を枠体保持部8、11に装着することができるので、この装着作業も非常に簡単なものとなる。
【0031】
さらに、この発明のバッグでは、面接着部を有するファスナー16とした場合には、このファスナー16を口枠3に巻き付けて、このファスナー16のテープ16aを口枠3に設けたファスナー16のテープ16bに重ね合わせて面接着するだけで、前記口枠3を枠体保持部8、11に装着することができるので、この場合の装着作業も非常に簡単なものとなる。
【0032】
以上に述べたように、この発明のバッグは、バッグの収納部Cが狭くなってしまうというようなことはなく、口枠3を本体1の側部1bや蓋体3の側部2bに取り付ける作業が非常に簡単なものになった。
【符号の説明】
【0033】
1 本体
1b 側部
2 蓋体
2b 側部
3 口枠
3a 枠体
3b 枠体
4 本体生地
4a 側端
8 枠体保持部
9 蓋体生地
9a 側端
11 枠体保持部
12 被覆生地
12a 内端
12b 外端
13 ファスナー
13a テープ
13b テープ
15 被覆生地
15a 外端
16 ファスナー
16a テープ
16b テープ
S スライダー
【技術分野】
【0001】
この発明は、ダレスバッグやアタッシュケースなどの口枠を備えたバッグにおいて、その口枠の取り付けを簡単にしたバッグに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のダレスバッグは、例えば図9〜14に示したように、開口を有する略四角形の偏平の箱状とした本体21と、開口を有する略四角形の偏平の箱状とした蓋体22とを見開き自在として二つ重ねにできるようにしており、これら本体21と蓋体22のそれぞれの内部をバッグの収納部Cとしたものが存在する。そして、これら本体21と蓋体22に、略コ字状の枠体23a、23bを対向させて、それぞれの両端を回動自在に連結してなる口枠23を設けたものとしており、この口枠23の一方の枠体23aを前記本体21の側部21aに取り付け、前記口枠23の他方の枠体23bを前記蓋体22の側部22aに取り付けたものとしている(非特許文献1)。
【0003】
このようなダレスバッグにおいて、前記口枠23の一方の枠体23aを前記本体21の側部21aに取り付けたり、前記口枠23の他方の枠体23bを前記蓋体22の側部22aに取り付けたりするには、次のようにして行っている。
【0004】
先ず、前記口枠23の一方の枠体23aを前記本体21の側部21aに取り付けるには、図13に示したように、枠体23aに被覆生地24を巻き付け、この被覆生地24の両側端に見付け生地25の一側端をそれぞれ重ねて仮止めし、これらの側端部に縁生地26をへり巻きして止着する。次に、本体21を形成する生地(以下、本体生地27という)の側端を、前記見付け生地25の他側端に重ねて、これらの側端部に縁生地26をへり巻きして止着している。
【0005】
さらに、前記口枠23の他方の枠体23bを前記蓋体22の側部22aに取り付けるには、図14に示したように、枠体23bに被覆生地24を巻き付け、この被覆生地24の両側端に見付け生地25の一側端をそれぞれ重ねて仮止めし、これらの側端部に縁生地26をへり巻きして止着する。次に、蓋体22を形成する生地(以下、蓋体生地28という)の側端を、前記見付け生地25の他側端に重ねて、これらの側端部に縁生地26をへり巻きして止着している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】「DULLES BAG」、株式会社アートフィアー、[平成21年1月7日検索]、インターネット<URL:http://www.artphere.com/collection/kakishibu/kaki-dullesf0.html >
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来のバッグにおいては、本体生地27や蓋体生地28のそれぞれの側端を、見付け生地25の他側端に重ねて、これらの側端部に縁生地26をへり巻きして止着する場合には、工業ミシンを用いて縫着するため、少なくとも2〜3cmの縫い代が必要となる。そのため、前記本体生地27や蓋体生地28のそれぞれの側端を、見付け生地25の他側端に重ねた部分が少なくとも2〜3cm、枠体23a、23bの外側に突出することになり、この突出した分、枠体23a、23bの内側となるバッグの収納部Cが狭くなってしまうという問題点を有していた。
【0008】
さらに、上記従来のバッグにおいては、枠体23a、23bにそれぞれ被覆生地24を巻き付け、これらの被覆生地24の両側端に見付け生地25の一側端を重ねて仮止めし、これらの側端部に縁生地26をへり巻きして止着する場合も工業ミシンを用いて縫着されるが、この縫着作業は、前記本体生地26や蓋体生地27のそれぞれの側端を、見付け生地25の他側端に重ねて、これらの側端部に縁生地26をへり巻きして止着する場合の縫着作業とは別々に行われるため、二度手間となり、口枠23の枠体23a、23bを前記本体21の側部21aや蓋体22の側部22aに取り付ける作業が非常に困難なものになるという問題点を有していた。
【0009】
そこで、この発明は、上記従来の問題点を解決することをその課題としており、バッグの収納部が狭くなってしまうというようなことはなく、口枠の枠体を本体の側部や蓋体の側部に取り付ける作業が非常に簡単なものにしたバッグを提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そのため、この発明のバッグは、本体1と蓋体2とを見開き自在に重ね合わせたものとし、略コ字状の枠体3a、3bを対向させて、それぞれの両端を回動自在に連結してなる口枠3の一方の枠体3aを、本体生地4の側端4aに連設した枠体保持部8に保持することにより、前記本体1の両側部1b、1bに装着すると共に、前記口枠3の他方の枠体3bを、蓋体生地9の側端9aに連設した枠体保持部11に保持することにより、前記蓋体2の両側部2b、2bに装着したものとしている。
【0011】
さらに、この発明のバッグは、前記枠体保持部8を、本体生地4の側部4aに被覆生地12の内端12aを連結し、さらにこの本体生地4の側部4aに、務歯列を有するファスナー13の一方のテープ13aを連結し、前記被覆生地12の外端12bに、務歯列を有するファスナー13の他方のテープ13bを連結し、前記ファスナー13をスライダーSによって開閉可能として、本体生地4の側端4aに連設したものとしている。
【0012】
また、この発明のバッグは、前記枠体保持部11を、蓋体生地9の側端9aに連結した被覆生地15の外端15aに、面接着部を有するファスナー16の一方のテープ16aを連結し、蓋体生地9の側端9aに連設したものとし、この枠体保持部11に保持する枠体3bに、前記ファスナー16の面接着部に面接着可能とした面接着部を有する他方のテープ16bを装着したものとしている。
【発明の効果】
【0013】
この発明のバッグは、以上に述べたように構成されており、バッグの収納部が狭くなってしまうというようなことはなく、口枠の枠体を本体の側部や蓋体の側部に取り付ける作業が非常に簡単なものになった。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明のバッグの斜視図である。
【図2】この発明のバッグの側面図である。
【図3】この発明のバッグの開放状態を示す斜視図である。
【図4】この発明のバッグの口枠の開放状態を示す斜視図である。
【図5】図3中のA−A線によるこの発明のバッグの本体に口枠を装着した状態を示す断面図である。
【図6】図3中のA−A線においてこの発明のバッグの本体に口枠を装着する前の状態を示す断面図である。
【図7】図3中のB−B線によるこの発明のバッグの蓋体に口枠を装着した状態を示す断面図である。
【図8】図3中のB−B線においてこの発明のバッグの蓋体に口枠を装着する前の状態を示す断面図である。
【図9】従来のバッグの斜視図である。
【図10】従来のバッグの側面図である。
【図11】従来のバッグの開放状態を示す斜視図である。
【図12】従来のバッグの口枠の開放状態を示す斜視図である。
【図13】図11中のC−C線による従来のバッグの本体に口枠を装着した状態を示す断面図である。
【図14】図11中のD−D線による従来のバッグの蓋体に口枠を装着した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明のバッグを実施するための形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
この発明は、図1〜8に示したように、例えばダレスバッグと呼ばれているバッグとして実施することができる。
【0017】
図に示したバッグは、開口を有する略四角形の偏平の箱状とした本体1と、開口を有する略四角形の偏平のドーム状とした蓋体2とを、それぞれの底面部どうしで接続して見開き自在に重ね合わせたものとしている。このように蓋体2をドーム状とすることによって、バッグの収容量を増大させることができると共に、デザイン的にもいままでにはない際立ったものとなる。
【0018】
前記本体1の上部1aと両側部1b、1bには、略コ字状の枠体3a、3bを対向させて、それぞれの両端を回動自在に連結してなる口枠3の一方の枠体3aを装着すると共に、蓋体2の上部2aと両側部2b、2bには、前記口枠3の他方の枠体3bを装着しており、この口枠3の枠体3a、3bの内側をバッグの収納部Cとしている。なお、略コ字状の枠体3a、3bは、枠体3aを枠体3bよりも一回り大きく形成して、口枠3を閉じたときに、枠体3aに枠体3aが嵌まり込むようにしても、枠体3aと枠体3aとを同じ大きさ形成して、口枠3を閉じたときに、枠体3aと枠体3aとが対向するようにしてもよい。
【0019】
すなわち、前記本体1の上部1aにおいては、図示したように、本体1を形成する生地(以下、本体生地4という)の上部に縫着するなどして連結した被覆生地5を前記枠体3aに巻き付けて、この本体1の上部1aに取り付ける把手6の取付金具7と共にリベット止めし、本体1の両側部1b、1bにおいては、本体生地4の側端4aに連設した枠体保持部8に前記枠体3aを保持することにより、前記本体1の上部1aと両側部1b、1bに、前記口枠3の一方の枠体3aを装着している。
【0020】
さらに、前記蓋体2の上部2aにおいては、蓋体2を形成する生地(以下、蓋体生地9という)の上部に縫着するなどして連結した被覆生地10を前記枠体3bに巻き付けてリベット止めし、蓋体2の両側部2b、2bにおいては、蓋体生地9の側端9aに連設した枠体保持部11に前記枠体3aを保持することにより、前記蓋体2の上部2aと両側部2b、2bに、前記口枠3の他方の枠体3bを装着している。
【0021】
前記枠体保持部8は、図5、6に示したように、本体生地4の側部4aに縫着するなどして被覆生地12の内端12aを連結し、さらにこの本体生地4の側部4aに、務歯列を有するファスナー13の一方のテープ13aを縫着するなどして連結し、前記被覆生地12の外端12bに、務歯列を有するファスナー13の他方のテープ13bを縫着するなどして連結し、前記ファスナー13をスライダーSによって開閉可能として、本体生地4の側端4aに連設している。なお、前記被覆生地12の外端12bにファスナー13のテープ13bを連結する場合に、この被覆生地12の外端12bの内側に補強芯Rを重ね合わせ、それぞれの端部に縁生地14をへり巻きして止着したものとすることができる。このようにすれば、前記枠体保持部8が型崩れすることなく、口枠3の枠体3aが装着し易くなる。
【0022】
また、前記枠体保持部8は、後に述べる枠体保持部11のように、本体生地4の側端4aに縫着するなどして連結した被覆生地12の外端12bに、面接着部を有するファスナー16の一方のテープ16aを縫着するなどして連結し、本体生地4の側端4aに連設したものとしてもよい。そして、この枠体保持部8に保持する枠体3aには、前記ファスナー16の面接着部に面接着可能とした面接着部を有する他方のテープ16bを装着したものとしてもよい。
【0023】
前記枠体保持部11は、図7、8に示したように、蓋体生地9の側端9aに縫着するなどして連結した被覆生地15の外端15aに、面接着部を有するファスナー16の一方のテープ16aを縫着するなどして連結し、蓋体生地9の側端9aに連設している。そして、この枠体保持部11に保持する枠体3bには、前記ファスナー16の面接着部に面接着可能とした面接着部を有する他方のテープ16bを装着したものとしている。なお、前記テープ16bは、枠体3bに直接、貼り付けるなどして装着してもよいが、図示したように、枠体3bを被覆生地17により被覆してから、この被覆生地17に縫着するなどして装着してもよい。
【0024】
また、前記枠体保持部11も、先に述べた枠体保持部8のように、蓋体生地9の側端9aに縫着するなどして被覆生地15の内端15aを連結し、さらにこの蓋体生地9の側端9aに、務歯列を有するファスナー13の一方のテープ13aを縫着するなどして連結し、前記被覆生地15の外端15bに、務歯列を有するファスナー13の他方のテープ13bを縫着するなどして連結し、前記ファスナー13をスライダーSによって開閉可能として、蓋体生地9の側端9aに連設したものとしてもよい。なお、前記被覆生地15の外端15bにファスナー13のテープ13bを連結する場合にも、この被覆生地15の外端15bの内側に補強芯Rを重ね合わせ、これらのそれぞれの端部に縁生地14をへり巻きして止着したものとすることができる。このようにすれば、前記枠体保持部11が型崩れすることなく、口枠3の枠体3bが装着し易くなる。
【0025】
さらに、前記把手6の内側に位置する本体1の上部1aには、バッグの止錠18の本体18aを取り付けたものとし、蓋体2の上部2aには、この本体18aに対向する位置に止錠18の係止体18bを取り付けたものとしている。また、本体1の上部1aの両端部や本体1の両側部1b、1bの下端部に、背負いベルト(図示せず)の止め具19を取り付けたものとしている。
【0026】
また、前記本体1や蓋体2の収納部Cには、それぞれポケットPを設けたものとし、これらのポケットPにバッグ収納物を収納することにより、その収納物の出し入れがし易いようにしている。
【0027】
なお、本体生地4は、本体1を箱状に維持できる程度の比較的厚い生地からなり、蓋体生地9も、蓋体2をドーム状に維持できる程度の比較的厚い生地からなるものとしている。
【0028】
以上のように構成されたこの発明のバッグでは、本体生地4に連設した枠体保持部8や、蓋体生地9に連設した枠体保持部11は、本体1の両側部1b、1bや蓋体2の両側部2b、2bにそれぞれ位置することになるので、口枠3がこれら両側部1b、1bや両側部2b、2bの内側に入り込むことなく、この口枠3の内側となるバッグの収納部Sが狭くなってしまうようなことはない。
【0029】
さらに、この発明のバッグでは、本体生地4に連設した枠体保持部8や、蓋体生地9に連設した枠体保持部11は、これらに口枠3を装着する前にあらかじめ、前記したようにして本体生地4や蓋体生地9に連設しておけばよいので、口枠3を装着する作業とはまったく別々に行うことができ、前記枠体保持部8を本体生地4に連設する作業や、枠体保持部11を蓋体生地9に連設する作業が困難なものになるということはない。
【0030】
また、この発明のバッグでは、務歯列を有するファスナー13とした場合には、このファスナー13をスライダー14によって開いた状態にし、枠体保持部8、11に口枠3を入れ、前記ファスナー13をスライダー14によって閉じた状態にするだけで、前記口枠3を枠体保持部8、11に装着することができるので、この装着作業も非常に簡単なものとなる。
【0031】
さらに、この発明のバッグでは、面接着部を有するファスナー16とした場合には、このファスナー16を口枠3に巻き付けて、このファスナー16のテープ16aを口枠3に設けたファスナー16のテープ16bに重ね合わせて面接着するだけで、前記口枠3を枠体保持部8、11に装着することができるので、この場合の装着作業も非常に簡単なものとなる。
【0032】
以上に述べたように、この発明のバッグは、バッグの収納部Cが狭くなってしまうというようなことはなく、口枠3を本体1の側部1bや蓋体3の側部2bに取り付ける作業が非常に簡単なものになった。
【符号の説明】
【0033】
1 本体
1b 側部
2 蓋体
2b 側部
3 口枠
3a 枠体
3b 枠体
4 本体生地
4a 側端
8 枠体保持部
9 蓋体生地
9a 側端
11 枠体保持部
12 被覆生地
12a 内端
12b 外端
13 ファスナー
13a テープ
13b テープ
15 被覆生地
15a 外端
16 ファスナー
16a テープ
16b テープ
S スライダー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体(1)と蓋体(2)とを見開き自在に重ね合わせたものとし、略コ字状の枠体(3a、3b)を対向させて、それぞれの両端を回動自在に連結してなる口枠(3)の一方の枠体(3a)を、本体生地(4)の側端(4a)に連設した枠体保持部(8)に保持することにより、前記本体(1)の両側部(1b、1b)に装着すると共に、前記口枠(3)の他方の枠体(3b)を、蓋体生地(9)の側端(9a)に連設した枠体保持部(11)に保持することにより、前記蓋体(2)の両側部(2b、2b)に装着したことを特徴とするバッグ。
【請求項2】
前記枠体保持部(8)を、本体生地(4)の側部(4a)に被覆生地(12)の内端(12a)を連結し、さらにこの本体生地(4)の側部(4a)に、務歯列を有するファスナー(13)の一方のテープ(13a)を連結し、前記被覆生地(12)の外端(12b)に、務歯列を有するファスナー(13)の他方のテープ(13b)を連結し、前記ファスナー(13)をスライダー(S)によって開閉可能として、本体生地(4)の側端(4a)に連設したことを特徴とする請求項1記載のバッグ。
【請求項3】
前記枠体保持部(11)を、蓋体生地(9)の側端(9a)に連結した被覆生地(15)の外端(15a)に、面接着部を有するファスナー(16)の一方のテープ(16a)を連結し、蓋体生地(9)の側端(9a)に連設したものとし、この枠体保持部(11)に保持する枠体(3b)に、前記ファスナー(16)の面接着部に面接着可能とした面接着部を有する他方のテープ(16b)を装着したことを特徴とする請求項1記載のバッグ。
【請求項1】
本体(1)と蓋体(2)とを見開き自在に重ね合わせたものとし、略コ字状の枠体(3a、3b)を対向させて、それぞれの両端を回動自在に連結してなる口枠(3)の一方の枠体(3a)を、本体生地(4)の側端(4a)に連設した枠体保持部(8)に保持することにより、前記本体(1)の両側部(1b、1b)に装着すると共に、前記口枠(3)の他方の枠体(3b)を、蓋体生地(9)の側端(9a)に連設した枠体保持部(11)に保持することにより、前記蓋体(2)の両側部(2b、2b)に装着したことを特徴とするバッグ。
【請求項2】
前記枠体保持部(8)を、本体生地(4)の側部(4a)に被覆生地(12)の内端(12a)を連結し、さらにこの本体生地(4)の側部(4a)に、務歯列を有するファスナー(13)の一方のテープ(13a)を連結し、前記被覆生地(12)の外端(12b)に、務歯列を有するファスナー(13)の他方のテープ(13b)を連結し、前記ファスナー(13)をスライダー(S)によって開閉可能として、本体生地(4)の側端(4a)に連設したことを特徴とする請求項1記載のバッグ。
【請求項3】
前記枠体保持部(11)を、蓋体生地(9)の側端(9a)に連結した被覆生地(15)の外端(15a)に、面接着部を有するファスナー(16)の一方のテープ(16a)を連結し、蓋体生地(9)の側端(9a)に連設したものとし、この枠体保持部(11)に保持する枠体(3b)に、前記ファスナー(16)の面接着部に面接着可能とした面接着部を有する他方のテープ(16b)を装着したことを特徴とする請求項1記載のバッグ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−167182(P2010−167182A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−14309(P2009−14309)
【出願日】平成21年1月26日(2009.1.26)
【出願人】(598108331)株式会社由利 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月26日(2009.1.26)
【出願人】(598108331)株式会社由利 (1)
【Fターム(参考)】
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