説明

バナー機能を有する建設現場用夜光粉塵ネット

【課題】 本発明は建設現場で生じる埃の飛散及び落下などを防止するための粉塵ネットに関し、より詳細には粉塵ネットの堅固性を向上させ、夜間にも安全表示ネットとして役割を果たす別の看板付着なしにバナー機能を有する建設現場用粉塵ネットに関する。
【解決手段】 合成樹脂材である第1の原糸30が所定の形を形成して編まれた第1の領域24;前記第1の領域24内に位置し、前記第1の原糸30の外側部に所定の太さで加工された第2の原糸32が相互一定間隔を維持したまま、前記第1の原糸30と共に一方向に編まれて形成された第2の領域26;及び前記第2の領域26内に位置し、前記第2の領域26の外側部に第3の原糸34が前記第1の原糸30及び前記第2の原糸32と編まれて形成された第3の領域28とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建設現場で生じる埃の飛散及び落下などを防止するための粉塵ネットに関し、より詳細には粉塵ネットの堅固性が向上し、夜間にも安全表示ネットとしての役目を果たす、別体の看板を装着せずに効率的なバナー機能を有する建設現場用夜光粉塵ネットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に建設現場では生じた埃の飛散を阻み、落下、墜落などの安全事故に備え、また、都市美観上の理由などを挙げて粉塵ネットを設ける。図6は従来の粉塵ネットが建設現場に設けられた状態を示す概略的な斜視図である。図6に示されたようにまず、建築中である建物10の周りに柱14を設け、所定の高さに粉塵ネット12を設ける。そして、図6のように“安全第一”のような看板16、会社名、現場概要などを掛けて表示する。
【0003】
しかし、前記のような従来の粉塵ネットは看板が風によって落下し、安全事故を起こす危険があり、建築中の溶接などによる火花や、人夫などによる不注意の煙草の火などによる引火性、特には、可燃性物質であることにより火事発生の事由となることもあった。それだけでなく風を遮るような看板が風を受ける場合、引張力が弱く、粉塵ネットが破れる可能性が高かった。また、設置、除去などに多大な人力と時間とが費やされる非経済的な側面もあった。また、広い空間にかけて設けられる粉塵ネットを効率的に用いるために粉塵ネットに美観用、または広告用絵や文字を印刷しようとする場合にあっても、粉塵ネット自体が粗く編まれているから印刷の品質が低く、印刷が難しかった。そして、従来の粉塵ネット製織機は単純にネットを製作するだけであり、別の文字や模様などを刻んで入れることができなかった。
【0004】
また、夜間においては暗くてネットが見えないことより、工事現場であるのか識別しにくく、安全事故の原因になり、さらには見掛け上醜く、都市の美観を害するなどの様々な問題点があった。尚、出願人は、上記従来技術に係る事実を知っているものの、これら先行技術は、文献公知発明に係るものではなく、先行技術文献情報としては不知である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明は前記のような問題点を解決するために創作されたものであって、本発明の第1の目的は、粉塵ネットの製作段階で文字や模様をも同時に製作して簡便に粉塵ネットを設置できるバナー機能を有する建設現場用夜光粉塵ネットを提供することである。
【0006】
本発明の第2の目的は、粉塵ネット上に夜光の文字や絵を対比させることによって建設現場の美観を引き立つようにし、広告効果を与えることができるバナー機能を有する建設現場用夜光粉塵ネットを提供することである。
本発明の第3の目的は、粉塵ネットの耐久力及び引張力を高めて寿命を延長させることができ、火事の予防もできる堅くて堅固なバナー機能を有する建設現場用夜光粉塵ネットを提供することである。
【0007】
また、夜間において工事現場の粉塵ネットが見難いことから生じる安全事故を防止できるバナー機能を有する建設現場用夜光粉塵ネットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記のような本発明の目的は、合成樹脂材である第1の原糸30が所定の形を形成して編まれた第1の領域24;前記第1の領域24内に位置し、前記第1の原糸30の外側部に所定の太さで加工された第2の原糸32が相互一定間隔を維持したまま、前記第1の原糸30共に一方向に編まれて形成された第2の領域26;及び前記第2の領域26内に位置し、前記第2の領域26の外側部に第3の原糸34が前記第1の原糸30及び前記第2の原糸32と編まれて形成された第3の領域28とを含むことを特徴とするバナー機能を有する建設現場用夜光粉塵ネットによって達成され得る。
【0009】
そして、前記第1の原糸30及び前記第2の原糸32は、防炎処理されたポリプロピレンフィラメント糸であって、前記第1の領域24は、連続される六角形状であることが望ましい。
【0010】
また、前記第3の原糸34は、防炎処理されたポリプロピレンフィラメント糸であって、夜光物質を含んでいることが望ましい。
【0011】
また、前記第2の領域26と前記第3の領域28とは、相互対比されることによって全体的に文字または絵を表示するのが可能である。
【0012】
また、本発明の目的は、合成樹脂材である第1の原糸30が所定の形を形成して編まれた第1の領域24;及び前記第1の領域24の所定の位置に位置し、前記第1の領域24の外側部に第3の原糸34が前記第1の原糸30と編まれて形成された第3の領域28とを含むことを特徴とするバナー機能を有する建設現場用夜光粉塵ネットによって達成される。
【0013】
ここで、前記第1の領域24と前記第3の領域28とが相互対比されることによって全体的に文字または絵を表示するのが可能である。
【0014】
本発明のその他の目的、特定の長所など及び新規な特徴などは添付された図面などと関連する以下の詳細な説明と望ましい実施例などからさらに明らかになるはずである。
【発明の効果】
【0015】
前記のような本発明によるバナー機能を有する建設現場用夜光粉塵ネットによれば、粉塵ネットの製作段階で文字や模様を同時に製作し、簡便に夜光粉塵ネットを設置できる特徴がある。また、粉塵ネット材料として防炎処理されたポリプロピレンフィラメント糸を使うことによって火事予防と堅固な夜光粉塵ネットを提供できるようになる。
【0016】
そして、粉塵ネットに夜光物質が被服された原糸を使ってベースネットと区分される文字や絵を対比させることによって建設現場の美観を引き立たせることができ、夜間にも安全表示ネットとして効率的に利用することができるだけでなく、同時に広告板代用として使用され得る。
【0017】
本発明は、前記された望ましい実施例と関連して説明されたが、発明の要旨及びその範囲から脱することなく多様な修正や変形をすることが可能である。従って、添付された特許請求の範囲は本発明の要旨に属するこのような修正や変形を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下では添付された図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明によるバナー機能を有する建設現場用夜光粉塵ネットが設けられた状態を示す部分斜視図である。図1に示すように建設現場に柱14を建て、粉塵ネット20を広げて配する。粉塵ネット20内は第1の領域24、第2の領域26及び第3の領域28に大別される。
【0020】
第1の領域24は、所定の色相が着色された原糸のみを用いたベースネットであって、上下で縁を形成し、何らの文字や形が表われない。本実施例ではベースネットに環境親和的な色相である緑色の原糸を用いる。
【0021】
第2の領域26は、第1の領域24の中心位置に水平方向に所定の幅で形成され、ベース色と区別される所定の色相が着色された原糸が水平方向に編まれることによって第1の領域24と区分される。このような第2の領域26は、多様な形態の文字や模様などのデザインが可能な領域である。本実施例では第2の領域26に黒色の原糸を使う。
【0022】
第3の領域28は、夜光性を有するように夜光物質が被服された着色原糸が多方向に編まれて形成された領域であって、実際に第2の領域26とは昼間には明暗、彩度及び補色対比を介して文字や模様を形成し、夜間には夜光性原糸によって文字や模様を形成する。本実施例では、例えば、濃い黒色で“安全第一”という文字を表わしている。
【0023】
図2は、図1に示された粉塵ネットのうち、A部分の拡大図である。図2に示されたように第1の原糸30は、合成樹脂(例えば、P.P.など)を薄くて均一な糸形態で伸ばしたものである。第1の原糸30であるポリプロピレンフィラメント糸は、ポリエチレンより透明であり、煙火点が高く、繰り返しの曲げによく耐えるなど原糸自体の引張力が優れる。また、第1の原糸30は火事予防のために防炎処理される。このような第1の原糸30を用いて図2のように連続された六角形態の粉塵ネットを製作する。
【0024】
第1の原糸30にはポリプロピレンフィラメント糸以外にポリエチレンまたはPVCなどの合成樹脂材からなったフィラメント糸が使用され得る。
【0025】
本発明の夜光粉塵ネットは、織物用製織機(図示省略)を改良して製作する。従来の粉塵ネット用製織機は模様や文字を刻んで入れることができず、織物用製織機は多様なデザインが可能である反面に第1の原糸30のような合成樹脂の糸を使用できない。それ故に、織物用製織機の一部を改良して本発明を製作する。
【0026】
図3は、図1に示された粉塵ネットのうち、B部分の拡大図である。図3に示すように第2の領域26は、第1の原糸30の外側部に黒色の第2の原糸32が水平方向に編まれて形成される。第2の原糸32は、第1の原糸30から形成された六角形の形状外側部に水平方向に配置され、中間中間毎に第1の原糸30と編まれていることより、垂れたり、分離してしまうようなことがない。このような第2の原糸32は、第1の原糸30と色相は異なるが、同一な材質であるポリプロピレンフィラメント糸から形成され、所定の太さで加工されたフィラメント糸である。本実施例では、第1の原糸30の2乃至3倍程度の太さで加工されて使用され得る。このような第2の原糸32の混用によって第2の領域26は第1の領域24より多少濃い背景を有するようになる。
【0027】
第3の領域28は、実際に文字や模様をなす部分であって、夜光性を有するように夜光物質が被服された着色の第3の原糸34から形成される。第3の原糸34は、第1の原糸30と同一な材質であるポリプロピレンフィラメント糸から形成され得る。第3の原糸34は、第2の領域26の外側部で第1の原糸30及び/または第2の原糸32と共に稠密に編まれながら第3の領域28を形成する。第3の原糸34の一部は丸く折り曲がっている。従って、第3の領域28は、相対的に第2の領域26に比べて稠密になり、第2の領域26と対比されることによって識別できる文字または模様を形成するようになる。本実施例では夜光物質が被服された着色糸を使ったが、夜光物質を混合して製造された合成樹脂材夜光着色糸も使うことができる。
【0028】
本発明に使われた第2の原糸32及び第3の原糸34は、第1の原糸30と同様に多様な合成樹脂材から製造され得る。
【0029】
図4は、本発明の第2の実施例であって、絵がある建設現場用夜光粉塵ネットの部分正面図である。図4においては、第3の領域28に竹の絵が示されている。しかし、これは一例に過ぎないものであって、竹の絵の他に多様な形態の絵または広告などが可能である。例えば、松の形状、漫画、会社のロゴ、魚、自然、各種模様または共益広告や商品広告などを挙げることができる。
【0030】
図5は、本発明の第3の実施例であって、絵がある建設現場用夜光粉塵ネットの部分正面図である。図5に示されたように粉塵ネットは、第1の領域24と第3の領域28とから構成され得る。第1の領域24は、緑色で着色されたポリプロピレンフィラメント糸から構成された第1の原糸30が所定の形で編まれて形成される。第3の領域28は、第1の領域24の外側部に第3の原糸34が第1の原糸30と多様な方向に稠密に編まれて形成された竹の形状である。第3の領域28は、ベースをなす第1の領域24に対比されることによって識別できる文字または模様が形成される。また、第3の原糸34は、夜光物質が被服された着色糸であるので、夜間においても第3の領域28の識別が可能である。
【0031】
同様に、図5の第3の領域28に竹の絵で示されている。しかし、これは一例に過ぎないものであって、竹の絵の他に松の形状、漫画、会社のロゴ、魚、自然、各種模様または共益広告や商品広告など多様な形態の絵または広告などが可能である。
【0032】
本発明では所定の色相の粉塵ネットに夜光物質が被服された着色糸で文字や模様を刻んで入れる実施例を示したが、夜光物質が被服された着色糸の代わりに一般の他の色相糸を使って多様な色相の組合せが可能である。例えば、緑色と黒色、白色と黒色、赤色と金色、緑色と黄色、銀色と黒色などである。色相別に補色対比を利用して広告効果を最大化させることができる。
【0033】
そして、本発明では六角形を基本形態にする夜光粉塵ネットを示して説明したが、これだけでなく四角形、丸い四角形、ジグザグ形などの多様な基本形態も容易に応用できる。
【0034】
また、本発明では夜光粉塵ネットを建設現場で垂直保護ネットとして使用することについて説明したが、これに限るものではなく、建設夜光安全ネット、建築夜光徽章ネット、墜落防止夜光ネット、各種安全装備・消防用夜光被服、スポーツ用夜光ネット、野外競技などにおいても囲いの代用として広く活用できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明によるバナー機能を有する建設現場用夜光粉塵ネットが設けられた状態を示す部分斜視図である。
【図2】図1に示された夜光粉塵ネットのうち、A部分の拡大図である。
【図3】図1に示された夜光粉塵ネットのうち、B部分の拡大図である。
【図4】本発明の第2の実施例であって、絵がある建設現場用夜光粉塵ネットの部分正面図である。
【図5】本発明の第3の実施例であって、絵がある建設現場用夜光粉塵ネットの部分正面図である。
【図6】従来の粉塵ネットが建設現場に設けられた状態を示す概略的な斜視図である。
【符号の説明】
【0036】
100 建物
12 粉塵ネット
14 柱
16 看板
20 粉塵ネット
24 第1の領域
26 第2の領域
28 第3の領域
30 第1の原糸
32 第2の原糸
34 第3の原糸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂材である第1の原糸30が所定の形を形成して編まれた第1の領域24;
前記第1の領域24内に位置し、前記第1の原糸30の外側部に所定の太さで加工された第2の原糸32が相互一定間隔を維持したまま、前記第1の原糸30と共に一方向に編まれて形成された第2の領域26;及び
前記第2の領域26内に位置し、前記第2の領域26の外側部に第3の原糸34が前記第1の原糸30及び前記第2の原糸32と編まれて形成された第3の領域28とを含むことを特徴とするバナー機能を有する建設現場用夜光粉塵ネット。
【請求項2】
前記第1の原糸30及び前記第2の原糸32は、防炎処理されたポリプロピレンフィラメント糸であることを特徴とする請求項1に記載のバナー機能を有する建設現場用夜光粉塵ネット。
【請求項3】
前記第1の領域24は、連続される六角形状であることを特徴とする請求項1に記載のバナー機能を有する建設現場用夜光粉塵ネット。
【請求項4】
前記第1の領域24は、連続されるジグザグ形状であることを特徴とする請求項1に記載のバナー機能を有する建設現場用夜光粉塵ネット。
【請求項5】
前記第3の原糸34は、防炎処理されたポリプロピレンフィラメント糸であって、夜光物質を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のバナー機能を有する建設現場用夜光粉塵ネット。
【請求項6】
前記第2の領域26と前記第3の領域28とは、相互対比されることによって全体的に文字または絵を表示することを特徴とする請求項1に記載のバナー機能を有する建設現場用夜光粉塵ネット。
【請求項7】
合成樹脂材である第1の原糸30が所定の形を形成して編まれた第1の領域24;及び
前記第1の領域24の所定の位置に位置し、前記第1の領域24の外側部に第3の原糸34が前記第1の原糸30と編まれて形成された第3の領域28とを含むことを特徴とするバナー機能を有する建設現場用夜光粉塵ネット。
【請求項8】
前記第1の原糸30と前記第3の原糸34とは、防炎処理されたポリプロピレンフィラメント糸であって、前記第3の原糸34は夜光物質を含んでいることを特徴とする請求項7に記載のバナー機能を有する建設現場用夜光粉塵ネット。
【請求項9】
前記第1の領域24は、連続される六角形状であることを特徴とする請求項7に記載のバナー機能を有する建設現場用夜光粉塵ネット。
【請求項10】
前記第1の領域24は、連続されるジグザグ形状であることを特徴とする請求項7に記載のバナー機能を有する建設現場用夜光粉塵ネット。
【請求項11】
前記第1の領域24と前記第3の領域28は、相互対比されることによって全体的に文字または絵を表示することを特徴とする請求項7に記載のバナー機能を有する建設現場用夜光粉塵ネット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−70672(P2006−70672A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−267817(P2004−267817)
【出願日】平成16年9月15日(2004.9.15)
【出願人】(505005430)タコスルミネットインク (1)
【Fターム(参考)】