説明

バランスレール兼用カーテンレール

【課題】
ブラケットの先端に取り付けられるときは、ブラケットの固定位置を変えずに高さを変えることができるバランスレール兼用カーテンレールを提供する
【解決手段】
バランスレール兼用カーテンレールは、本体がランナーを支持するランナー用突条とブラケットの各爪と係合可能な複数の上下に離隔するブラケット用突条とを備え、ブラケットに対するカーテンレールの高さが、ブラケットの先端の爪と係合するブラケット用突条ごとに異なることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バランスレールとしても使用することができるカーテンレールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のカーテンレールは、ランナーを支持するランナー用突条とブラケットと係合するブラケット用突条とを備える本体からなる。カーテンレールのブラケットに対する高さは、カーテンレールがブラケットの下面に取り付けられるときは、ブラケットにより規定されるが、ブラケットの先端に取り付けられるときは、必ずしもブラケットにより規定されないので、ブラケットの固定位置を変えずに高さを変えることができるカーテンレールが要望されている。
特に、バランスレールとして使用されるカーテンレールは、必ずブラケットの先端に取り付けられるので、バランスレールが被覆する対象に合わせて高さ調整可能であることが望ましい。例えば、上下幅が比較的小さいカーテンレール用バランスレールとして使用されるときは、被覆するカーテンレールに合わせてブラケット上面から下端までの距離が短くなり、ヘッドボックスの上下幅が比較的大きい屋内用ブラインド用バランスレールとして使用されるときは、被覆するヘッドボックスに合わせてブラケット上面から下端までの距離が長くなるように、ブラケットに対する高さの調整が可能なものが要望されている。
【特許文献1】意匠登録第714497号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記要望に応えるためになされたものであり、その課題は、ランナーを支持するランナー用突条とブラケットと係合するブラケット用突条とを備える本体からなるバランスレール兼用カーテンレールであって、ブラケットの先端に取り付けられるときは、ブラケットの固定位置を変えずに高さを変えることができるものを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を達成するため、本発明のバランスレール兼用カーテンレールは、本体がランナーを支持するランナー用突条とブラケットの各爪と係合可能な複数の上下に離隔するブラケット用突条とを備え、ブラケットに対するカーテンレールの高さが、ブラケットの先端の爪と係合するブラケット用突条ごとに異なることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明のバランスレール兼用カーテンレールは、複数のブラケット用突条が上下に離隔するから、ブラケット先端の爪と係合するブラケット用突条により、ブラケットに対するカーテンレールの高さが異なる。これにより、カーテンレールの高さは、ブラケット用突条の数に応じて段階的に調整することができる。したがって、このカーテンレールが、上下幅が小さいカーテンレール用バランスレールとして使用されるときは、下側のブラケット用突条をブラケットの先端の爪と係合させて高さを高目に調整すると、ブラケット上面から下端までの距離は短くなり、被覆するカーテレールと適合する。このカーテンレールが、屋内用ブラインド用バランスレールとして使用されるときは、上側のブラケット用突条をブラケットの先端の爪と係合させて高さを低目に調整すると、ブラケット上面から下端までの距離は長くなり、被覆する上下幅の大きいヘッドボックスと適合する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本体は、ランナー用突条とブラケット用突条の間に中間突条を設けて補強することが好ましい。バランスレール用として前後曲げ加工を容易にするため、本体は、前後薄幅で上下広幅の平板状とし、本体の上端部に上側ブラケット用突条を、下端部にランナー用突条を、上側ブラケット用突条とランナー用突条の間に本体を補強する中間突条を、上側ブラケット用突条と中間突条の間に下側ブラケット用突条をそれぞれ設けることが好ましい。
【0007】
ランナー用突条は、ランナーの車輪が走行路から外れないように、先端が上方に曲がる形状とし、ブラケット用突条は、ブラケットの爪に掛け易くするため、先端が下方に曲がる形状とすることが好ましい。中間突条は先端が下方に曲がる形状とし、その先端とランナー用突条の先端との間隙をランナーの車輪径に略等しくしてランナーの脱落を防止することが好ましい。カーテンレール又はバランスレールとしての装飾性を高めるため、本体の表面には化粧シートを貼着する凹面を形成することが好ましい。
【実施例】
【0008】
本発明のバランスレール兼用カーテンレールを図面に示す実施例に基づいて説明する。図1は、実施例がカーテンレール用バランスレールとして使用される状態を示す側面図である。
【0009】
第1列の実施例カーテンレール1は、カーテンを取り付けないバランスレールとして使用される。カーテンレール1は、左右に延長する前後薄幅で上下広幅の平板状本体2と、その本体の垂直な裏面に植設する複数の突条とからなる。窓枠7に固定されたブラケット8の先端の爪9に掛け止めされる上側ブラケット用突条3は、本体2の垂直な裏面上端部から突出し先端は下方に曲がる。ランナーを走行路を形成するランナー用突条5は、本体の裏面下端部から突出し先端は上方に曲がる。本体2を補強する中間突条6は上側ブラケット用突条3とランナー用突条5の中間において本体2に裏面から突出し先端は下方に曲がる。ブラケットと係合可能な下側ブラケット用突条4は上側ブラケット用突条3と中間突条6の中間において本体2に裏面から突出し先端は下方に曲がる。本体2の垂直な表面には凹面10が形成され、凹面には化粧シート11が貼着される。
【0010】
第2及び第3列の従来例カーテンレール20には図外のカーテンが取り付けられる。カーテンレール20は、本体19の裏面の上端部にブラケット用突条21を、中間部に補強突条22を、下端部にランナー用突条23を備える。ブラケット用突条21はブラケット8の根元及び中間の爪9に掛け止めされ、ランナー用突条23にはランナー12が取り付けられ、そのランナーを介して図外のカーテンが取り付けられる。このカーテンを吊る複列のカーテンレール20は、カーテンレール1よりも上下幅が短い。
【0011】
カーテンレール1の上下広幅な表面に貼着される化粧シート11により、正面から見ると、3列のカーテンレールは完全に被覆されるから、カーテン全体の外観が向上する。後列のカーテンレールの上下幅がさらに小さいときは、上側ブラケット用突条3の代わりに、下側ブラケット用突条4を先端の爪9に掛け止めして第1列のカーテンレール1を一段高い位置に調整する。
【0012】
図2は、実施例カーテンレール1が屋内ブラインド用バランスレールとして使用される状態を示す側面図である。屋内ブラインド13のヘッドボックス14はブラケット15を介して窓枠7に固定され、カーテンレール1を支持するブラケット8はヘッドボックス14の直ぐ上で窓枠7に固定される。カーテンレール1の上側ブラケット用突条3はブラケット8の先端の爪9に掛け止めされる。本体2は、上下幅がヘッドボックス14の上下幅よりも長く、上面はヘッドボックス14の上面より高く、下面はヘッドボックス14の下面よりも低いから、正面から見ると、ヘッドボックス14はバランスレールとしてのカーテンレール1に完全に被覆される。その結果、屋内ブラインド14の外観が向上する。
【0013】
図3及び図4は、実施例カーテンレールが前列に従来例カーテンレールが後列に使用された複列のカーテンレールを示す側面図及び正面図である。後列のカーテンレール20は、本体19の裏面の上端部にブラケット用突条21を、中間部に補強突条22を、下端部にランナー用突条23を備える。カーテンレール20は、カーテンレール1の下側ブラケット用突条から上端までの長さだけ、カーテンレール1よりも上下幅が短い。
【0014】
前列のカーテンレール1は下側ブラケット用突条4が窓枠7に固定されたブラケット16の先端の爪9に掛け止めされ、後列のカーテンレール20はブラケット用突条21がブラケット16の中間の爪9に掛け止めされる。このとき、前後列のカーテンレール1、20のランナー用突条5、23は同一レベルとなるから、前後列のランナー12も図外のカーテンも高さが揃う。下側ブラケット用突条4の代わりに、上側ブラケット用突条3を先端の爪9に掛け止めすると、第1列のカーテンレール1は一段低くなり、前後列のランナーに高低差が生じる。
【0015】
前列のカーテンレール1の左右端部にはキャップ17が取り付けられ、上下広幅な表面の凹部10には、化粧シート11が貼着される。カーテンレール1の中間突条4の先端とランナー用突条5の先端との間隙はランナー12の車輪18の外径に略等しいから、ランナー12の脱落は未然に防止される。ブラケット16は、上下広幅な本体2の内側に入るため、正面からは見えない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明実施例がカーテンレール用バランスレールとして使用される状態を示す側面図、
【図2】本発明実施例が屋内用ブラインド用バランスレールとして使用される状態を示す側面図、
【図3】本発明実施例が従来例カーテンレールと共にカーテンレールとして使用される状態を示す側面図、
【図4】図3の実施例の正面図。
【符号の説明】
【0017】
1:カーテンレール
2:本体
3:ブラケット用上突条
4:ブラケット用下突条
5:ランナー用突条
6:中間突条
7:窓枠
8:ブラケット
9:爪
10:凹面
11:シート
12:ランナー
13:屋内ブラインド
14:ヘッドボックス
15:ブラケット
16:ブラケット
17:キャップ
18:車輪
19:本体
20:カーテンレール
21:ブラケット用突条
22:ランナー用突条
23:中間突条

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体がランナーを支持するランナー用突条とブラケットの各爪と係合可能な複数のブラケット用突条とを備えるカーテンレールにおいて、複数の前記ブラケット用突条は上下に離隔し、前記ブラケットに対する前記カーテンレールの高さは、前記ブラケットの先端の爪と係合する前記ブラケット用突条ごとに異なることを特徴としてなるバランスレール兼用カーテンレール。
【請求項2】
本体は、ランナー用突条とブラケット用突条の間に中間突条を備えることを特徴としてなる請求項1に記載のバランスレール兼用カーテンレール。
【請求項3】
本体は前後薄幅で上下広幅の平板状であり、前記本体の上端部に上側ブラケット用突条が、下端部にランナー用突条が、前記上側ブラケット用突条と前記ランナー用突条の間に前記本体を補強する中間突条が、前記上側ブラケット用突条と前記中間突条の間に下側ブラケット用突条がそれぞれ位置することを特徴としてなる請求項1又は2に記載のバランスレール兼用カーテンレール。
【請求項4】
ブラケット用突条は先端が下に曲がる形状であり、ランナー用突条は前記ブラケット用突条とは対称に先端が上に曲がる形状であることを特徴としてなる請求項1ないし3のいずれか1つに記載のバランスレール兼用カーテンレール。
【請求項5】
中間突条は先端が下に曲がる形状であることを特徴としてなる請求項2又は3に記載のバランスレール兼用カーテンレール。
【請求項6】
中間突条の先端とランナー用突条の先端との間隙はランナーの車輪径に略等しいことを特徴としてなる請求項5に記載のバランスレール兼用カーテンレール。
【請求項7】
本体の表面にはシートを貼着するための凹面が形成されることを特徴としてなる請求項3ないし6のいずれか1つに記載のバランスレール兼用カーテンレール。


















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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