説明

バルブカップリング

本発明は、排出部(2.1)と、これに連結可能な受入部と、連結状態において液状又はペースト状の材料を排出部から受入部に伝達することができるバルブ機能と、を有し、連結解除状態では、排出部及び受入部が液漏れしないように閉じられており、排出部は排出バルブを有し、受入部(3.1)は受入バルブを有しているバルブカップリングに関する。連結又は連結解除時に、弾性変形によりバルブの開又は閉が行われ、連結時は、排出部が液漏れしないように受入部と接続されたときのみにバルブが開けられ、連結解除時は、液漏れしない接続が外される前にバルブが閉められる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状又はペースト状の材料を伝達するための排出部と、受入部とを有するバルブカップリングに関する。本発明は、更に、ハンドル部及びこれに接続可能なブラシヘッドとの間に液漏れしない分離箇所を有する、電気かみそり、又は電動歯ブラシなどの口腔内ケア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
該当するバルブカップリングは、DE 19704920 A1から知られている。液状又はペースト状の材料を問題なく伝達し、引き続き排出部を受入部から分離した後では、構造上の理由から、材料の残滓が排出部及び受入部に付着したまま乾燥してしまうことがある。そのため、後で排出部と受入部とを連結する際、液状又はペースト状の材料の伝達がブロックされるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】DE 19704920 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに対して、本発明は、バルブカップリングの機能が損なわれない、改良されたバルブカップリングを提供するという課題に基づいている。更に、ハンドル部及びこれに接続可能なブラシヘッドとの間の液漏れしない分離箇所に関して改良された、電気かみそり、又は電動歯ブラシなどの電動式口腔内ケア装置を提供することも本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本課題は、請求項1に基づいて、排出部と、排出部に連結可能な受入部と、連結状態において、液状又はペースト状の材料を排出部から受入部を介して伝達することができるバルブ機能とを有し、連結解除状態では排出部及び受入部が液漏れしないように閉じられているバルブカップリングにおいて、排出部が排出バルブを有し、受入部が受入バルブを有し、連結又は連結解除時に、弾性変形によりバルブの開又は閉が行われ、連結時は、排出部が液漏れしないように受入部と接続されたときのみにバルブが開けられ、連結解除時は、液漏れしない接続が外される前にバルブが閉められることによって解決される。本発明の更なる有利な実施形態は、従属請求項に示されている。
【0006】
第1の実施例においては、排出部が指の形状の中空構造になっており、少なくとも1つの排出部の丸形端部は弾性素材からなるとともにバルブスリットを有している。受入部は、バルブスリット付き丸形端部を備える膨張部を有するとともに弾性素材から作られている。また、連結状態においては、排出部の丸形端部の外面と受入部の丸形端部の内面とが、摩擦によるロック又はポジティブロックによって相互に接合され、それによって、中空部では、排出部及び受入部への流動性材料の残滓の付着、硬化、乾燥又はこびりつきが防止されることから、バルブカップリング機能が確実に行われる。
【0007】
排出部の丸形端部は、例えば、指の形状の中空構造で一体形成された成形部品によって形成されており、この成形部品は、丸形端部の下方で、剛性のスリーブを備えている。これによって、一方では、排出部が機械的な安定性をもち、他方で、丸形端部の部分は形状弾性が保持される。受入部には、好ましくは、対向する2つの外面上に、第2のバルブスリットの全長を横切るよう、2つの伸張リブが設けられ、これによって、バルブ機能(閉機能)に関して、素材の疲れ作用が補正される。受入部には、一体形成でフランジを形成することができ、このフランジは、取付けを簡単にするために、サポートリングにより補強されている。受入部を液漏れなく固定するため、フランジには、シールリングを設けることができる。
【0008】
第2の実施例においては、排出部が指の形状の中空構造になっており、排出部の丸形端部は弾性素材からなるとともにバルブスリットを有している。受入部は、バルブスリット付き凹形の丸形端部を有するとともに弾性素材から作られ、軸方向に弾性があるように形成されている。また、連結状態においては、排出部の丸形端部の外面と受入部の凹形の丸形端部の外面とが、摩擦によるロック又はポジティブロックによって相互に接合され、それによって、中空部では、排出部及び受入部への材料の残滓の付着、硬化、乾燥又はこびりつきが防止されることから、バルブカップリング機能が確実に行われる。
【0009】
排出部の丸形端部は、好ましくは、指の形状の中空構造で一体形成された成形部品によって形成されており、この成形部品は、丸形端部の下方で、剛性のスリーブを備えている。これによって、一方では、排出部が機械的な安定性をもち、他方で、丸形端部の部分は形状弾性が保持される。受入部は、軸方向に弾性のあるゾーンを有し、このゾーンは、回転対称の圧縮部によって形成されている。これによって、連結状態において、丸形端部の外面と凹形の丸形端部の外面とは、摩擦によるロック又はポジティブロックによって相互に接合される。
【0010】
第3の実施例においては、排出部が丸形端部をもつ中空針を有し、この中空針には、丸形端部の下方で横穴が設けられ、この横穴は、ラバースリーブによって覆われている。受入部は、弾性素材からなる構成部品を有するとともにスリットが取り付けられている。また、連結状態においては、横穴をもつ中空針がスリットを通るよう挿入され、その際、ラバースリーブは、横穴が露出するように、構成部品によって逆方向に引き戻されるようになっている。これによって、中空部では、排出部及び受入部への材料の残滓の付着、硬化、乾燥又はこびりつきが防止されることから、バルブカップリング機能が確実に行われる。
【0011】
ラバースリーブは、その自由端に、剛性の素材からなる補強リングを有し、この補強リングが、ラバースリーブの軸方向への移動に対するストップ面として機能するのが好ましい。その際、受入部は、軸方向の移動に対する補強リングと対応する、剛性の素材からなるサポートリングを有している。中空針は、隙間を設けて、ラバースリーブにより覆われているのが好ましく、このことによって、中空針を覆うラバースリーブの軸方向への移動がスムーズに行われる。このラバースリーブは、好ましくは内部シールリングを有しており、このシールリングが、非連結状態において外側への中空針の横穴を塞いでいることから、中空針又は横穴の外には、材料の残滓の形成、付着及び硬化又はこびりつきは生じないと考えられる。
【0012】
適用例においては、このバルブカップリングが、電気かみそり、又は電動歯ブラシなどの電動式口腔内ケア装置におけるハンドル部とこれに接続可能なブラシヘッドとの分離箇所として配置されている。
【0013】
本発明を、3つの実施例を用いて、更に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】バルブカップリングの第1の実施形態としての排出部及び受入部の側面断面図。
【図2】排出部の側面断面図。
【図3】受入部の側面断面図。
【図4】ハンドル部及びこれに接続可能な歯ブラシのブラシヘッドを有する電動歯ブラシにおける、図1〜3のバルブカップリングの側面の部分断面図。
【図5】図2による排出部の側面透視図。
【図6】図3による受入部の側面透視図。
【図7】図1によるバルブカップリングの側面透視図。対向して配置されている2つのリブを有している。
【図8】バルブカップリングの第2の実施形態としての排出部及び受入部の側面断面図。
【図9】図8によるバルブカップリングの側面透視図。
【図10】図8による丸形端部付近の拡大図。
【図11】バルブカップリングの第3の実施形態としての排出部及び受入部の側面断面図。
【図12】連結状態にある図11によるバルブカップリング。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、自動閉鎖のバルブカップリング1.1の側面断面図であり、このバルブカップリング1.1は、排出部2.1及び受入部3.1を有しており、液状又はペースト状の材料35を伝達するための連結状態のほぼ最終位置にある。排出部2.1は、指の形状の中空構造になっており、少なくとも1つの排出部2.1の丸形端部5.1は弾性素材37からなるとともに排出バルブ101(図2)である第1のスリットバルブ4.1のバルブスリット6.1を有している。指頭形の受入部3.1は、受入バルブ102(図3)である第2のスリットバルブ4.2のバルブスリット6.2付き丸形端部5.2を備える膨張部7を有するとともに弾性素材37からなる。連結状態においては、排出部の丸形端部5.1の外面8.1(図2)と受入部の丸形端部5.2の内面9(図3)とが、摩擦によるロック又はポジティブロックによって相互に接合され、その際、材料35の圧力が、広げられた外面8.1から丸形端部5.2の内面9に伝わり、それによって、バルブスリット6.2及びそれに伴ってスリットバルブ4.2を開く。このことから、中空部では、排出部及び受入部への材料の残滓の固着が防止される。排出部のスリーブ16のエンドピースのリング面43及び受入部の内側の丸形端部5.2のリング面44はストッパを形成する。
【0016】
例えば、図4による歯ブラシのブラシヘッド33において、矢印34は、排出部2.1の中へ材料35が流入する方向(インレット)を示し、矢印38は、受入部3.1から材料35が流出する方向(アウトレット)を示している。
【0017】
図2は、排出部2.1の側面断面図であり、この排出部2.1は、指の形状の中空構造で弾性素材37からなる、一体形成された成形部品15と、硬質素材(好ましくは防錆の金属)からなる剛性のスリーブ16とを有している。この場合、成形部品15は、補強のため及び排出部2.1が動かないように固定するために、丸形端部5.1の下方で、好ましくは加硫反応によりスリーブ16にしっかりと接続されている。これによって、排出部2.1は、バルブスリット6.1を備える丸形端部5.1の範囲だけが、形状弾性をもち、受入部3.1の内面9に接触することができるようになっている。柔軟な成形部品15の丸形端部5.1は、外側へ凸状に膨らんでいるため、内側から生じる材料35の圧力が、丸形端部5.1を外側へ広げ、それによりバルブスリット6.1と、それに伴ってスリットバルブ4.1とを開く。
【0018】
図3は、受入部3.1の側面断面図である。この受入部3.1は、膨張部7の開始部分に、半径方向に取り囲むフランジ21と、フランジ21に固定されている剛性のサポートリング22とを有している。フランジ21に設けられたシールリング36は、受入部3.1を液漏れなく取り付けるために作用し、その際、剛性のサポートリング22は、取付けサポートとして、フランジ21を安定させる。受入部3.1は、例えば交換可能な部品、特に、電動歯ブラシのブラシヘッド33(図4)の中に取り付けることができる。
【0019】
図2及び3は、ともに、排出部2.1を受入部3.1と連結する前又は後のバルブカップリング1.1を示している。
【0020】
図4に示されるように、排出部2.1は、電動歯ブラシのハンドル部32からの液体ダクトの出口に配置され、受入部3.1は、ブラシヘッド33への液体ダクトの入口に配置することができる。連結状態での材料35の流出及び切離し状態での乾燥を防止するため、排出部2.1の丸形端部5.1にはバルブスリット6.1が設けられ、受入部3.1の丸形端部5.2にはバルブスリット6.2が設けられている。スリットバルブ4.1、4.2は、チェックバルブと同様に、一方向をシールする。ポンプによって材料35に加えられる圧力が排出部2.1の丸形端部5.1に伝わり、第1のスリットバルブ4.1のバルブスリット6.1が広がって開く。
【0021】
ブラシヘッド33内の受入部3.1は、同様に、材料35を通過させるためのバルブスリット6.2を備える丸形端部5.2の形状を有している。この丸形端部5.2は、補足的に、第1のスリットバルブ4.1の丸形端部5.1が、ぴったりと嵌るような内径を有している。スリットバルブ4.1の小さな突出部、例えば、外部にある小さなリブによって、接合後に、半径方向又は軸方向に、内側から圧力がスリットバルブ4.2に加えられる。それによって、両方のスリットバルブ4.1、4.2が接合されると、すぐに、丸形端部5.2のバルブスリット4.2が開く。スリットバルブ4.1は、内側から生じる材料35の圧力によって開けられ、スリットバルブ4.2は、相互に接合した後、スリットバルブ4.1がスリットバルブ4.2に加える圧力によって開けられる。バルブカップリング1.1を切り離した後、両方のスリットバルブ4.1、4.2は、材料37の残留応力によって閉まる。
【0022】
図4は、ハンドル部32及びハンドル部から取外し可能なブラシヘッド33を有する電動歯ブラシ31における、図1〜3によるバルブカップリング1.1の側面の部分断面図である。ハンドル部32の中には、材料35の補給容器が、ポンプ及び排出部2.1への液体ダクト51と一緒に配置されており、この場合、材料35として、例えば歯のケア剤が用いられ、このケア剤を、バルブカップリング1.1及び液体ダクト52を介して、ブラシヘッド33に伝達することができる。ポンプは、バルブカップリングを介してブラシヘッド33に材料35を伝達又は送り込むために必要な圧力形成に働く。
【0023】
個人使用の電気機器の場合、機器の使用中に供給される液体材料によって、機器の機械的作用をサポートすることができるのは有利である。電気かみそりの場合、かみそり中に、皮膚の滑りを良くし、皮膚への刺激を緩和するプリシェーブローションを塗布することは有利である。特に、電動歯ブラシの場合、歯磨き前及び歯磨き中にハンドル部のリザーバからブラシヘッドに歯のケア剤をポンプで送り、常に最適な量の新しいケア剤を後から供給できるようにすることは有利である。
【0024】
図5は、図1による排出部2.1の側面透視図である。図6は、図3による受入部3.1の側面透視図である。
【0025】
図7は、図1によるバルブカップリングの側面透視図であり、この場合、受入部3.1は、対向する2つの外面上に17、18に、第2のバルブスリット6.2の全長を横切るよう、2つの伸張リブ19、20を補助的に有している。
【0026】
受入部3.1は、連結状態において、常に応力を受けているため、弾性素材37の劣化作用によって、バルブスリット6.2が完全に閉まらなくなり、スリットバルブ4.2に漏れが生じてくる可能性がある。このことを防止するため、スリットバルブ4.2は、外側から軽いプリテンションをかけられている。そのために、受入部3.1には、外面に2つ又それより多い数の、対向して配置された小さなリブ19、20が形成されている。このことにより、接合のために設けられている膨張部7の中に丸形端部5.1を接合する際に、丸形端部5.2は内側へプリテンションをかけられるため、このプリテンションが第2のバルブスリット6.2を更に固く閉める。したがって、材料37の疲れ作用が補正される。
【0027】
ドーム形に形成された2つのスリットバルブ6.1、6.2は、連結状態において、互いに緊密に接触しているため、2つのスリットバルブ6.1、6.2の間の中間スペースに漏れ出る可能性のある材料35又は練り歯磨きの量は、極めて少量であり、詰まり又は固着のおそれを実質的に排除することができる。交換可能なブラシヘッド33の中では、排出部2.1によって、受入部3.1に軸方向へ常にプリテンションをかけるのが有利であると判明した。これによって、丸形端部5.1、5.2の接触面は、常に緊密な接触が行われるため、実際に、接触面が材料35で充満してしまうような量が生じることはない。数十分の1ミリメータから2ミリメータ又はそれよりも多い範囲で変更することのできる、接合後の軸方向へのプリテンションにより、位置決めの許容誤差の影響がある場合でも、外部への確実な密閉が可能となり、受入部3.1のバルブが開けられる。
【0028】
連結状態において、液状又はペースト状の材料35を伝達するために、排出部2.1及び受入部3.1を有するバルブカップリング1.2の第2の実施例が、図8の側面断面図に示されている。排出部2.2は、指の形状の中空構造になっており、排出部2.2の丸形端部5.3は弾性素材37からなるとともに排出バルブ103(図2)であるスリットバルブ4.3のバルブスリット6.3を有している。受入部3.2は受入バルブ104のスリットバルブ4.4のバルブスリット6.4付き凹形の丸形端部5.5を有するとともに弾性素材37からなる。この受入部3.2は、軸方向に弾性があるように形成されている。連結状態においては、丸形端部5.3の外面8.2と凹形の丸形端部5.5の外面8.3とが、摩擦によるロック又はポジティブロックにより相互に接合され、この場合、凹形の丸形端部5.5の周りを囲むシールリング47が、外側のシール部において、スリーブ24の端部48と接触している。
【0029】
排出部2.2の丸形端部5.3は、指の形状の中空構造で一体形成された成形部品23によって形成されており、この成形部品23は、丸形端部5.3の下方で、硬質素材(好ましくは防錆の金属)からなる剛性のスリーブ24を備えている。スリーブ24は、成形部品23を補強するため及び動かないように固定するために作用し、好ましくは加硫反応により成形部品23にしっかりと接続されている。これによって、排出部2.2は、バルブスリット6.3を備える丸形端部5.3の範囲だけが、形状弾性をもつようになっている。
【0030】
受入部3.2は、軸方向に弾性のあるゾーン25を有し、このゾーン25は、回転対称の圧縮部26によって形成されている。これにより、受入部3.2と排出部2.2とで、弾性のある連結が可能となる。
【0031】
図9は、図8によるバルブカップリング1.2の側面透視図である。
【0032】
図10は、図8による丸形端部5.3及び凹形の丸形端部5.5の部分を拡大した図である。先端部分41には、スリーブ24と排出部2.2との間に環状の隙間40が配置されていることによって、丸形端部5.3の非常に高い弾性が得られるため、成形部品23は、直径内で軸方向に圧力がかかった場合に、半径方向に外側へ(圧縮)動くことができる。また、これにより、スリーブ24によって、柔軟な成形部品23の機械的保護も得られる。
【0033】
弾性のある両方の丸形端部5.3、5.5は、前面で、はみ出し部分を伴い、重なり合って接合され、この場合、丸形端部5.3、5.5の前面は、補助的に膨らみがつけられている。受入部3.2は、変形によって、僅かに軸方向へ柔軟に圧縮するように形成されている。接合状態において、両方の丸形端部5.3、5.5が凸形の前面に加えられる圧力によって、素材に応力が形成される。このことにより、凸形に形成された部分のバルブスリット6.3が開けられる。したがって、排出バルブ103であるスリットバルブ4.3は、接合後にすでに開いており、材料35の圧力形成によって開けられる必要はない。
【0034】
液状又はペースト状の材料35を伝達するために、排出部2.3及び受入部3.3を有するバルブカップリング1.3の第3の実施例が、図11の側面断面図に示されている。排出部2.3は、丸形端部5.4をもつ中空針10を有し、中空針10には、丸形端部5.4の下方で横穴11が設けられ、この横穴11は、柔軟なスリーブ、例えばラバースリーブ12などによって覆われ、このラバースリーブ12は、非接合状態において、外側への横穴11を密閉する。したがって、中空針10の中空管42の中にある液体35が乾燥しないような、又は漏れ出ることがないような排出バルブ105が形成される。図11は、接合直前の状態を示している。受入部3.3は、弾性素材からなる構成部品13を有するとともにスリット14が取り付けられており、受入バルブ106を形成する。スリット14を取り囲んで、くぼみ49が内側に配置されている。連結状態において(図12)、横穴11をもつ中空針10は、スリット14を通って突き出ている。その際、ラバースリーブ12は、横穴11が露出するように、構成部品13によって逆方向に引き戻されるようになっている。
【0035】
ラバースリーブ12は、その自由端に、剛性の素材からなる補強リング27を有し、この補強リング27が、ラバースリーブ12の軸方向への移動に対するストップ面として作用し、その際、受入部3.3は、軸方向の移動に対する補強リング27と対応する、剛性の素材によるサポートリング28を有している。ラバースリーブ12は、隙間を設けて中空針10を覆っているのが好ましく、このことによって、中空針10を覆うラバースリーブ12の軸方向への移動がスムーズに行われる。
【0036】
ラバースリーブ12は、内部シールリング30を有しており、このシールリング30が、連結解除状態において外部からの横穴を塞いでいる。横穴11の下方には、ラバースリーブ12のもう1つのシールリング50が内部にあり、材料35が横穴11の部分から外へ漏れ出て、中空針10の外側に達することができないようにしている。
【0037】
図12は、図11によるバルブカップリング1.3を示しているが、このバルブカップリング1.3は、液状又はペースト状の材料35を伝達する際の連結状態にある。中空針10は、構成部品13のスリット14を介して沈められ、その際、材料35が、横穴11からくぼみ48を介して流出する。ラバースリーブ12が圧縮される際、ラバースリーブ12は外側へ変形する。
【0038】
横穴11をもつ、端部を閉じられた中空針10は、シリンダー形のラバースリーブ12の中にある。このラバースリーブ12は、力のかかっていない状態において、スチール製中空管42の外部への横穴11を塞いでいる。その対応物は、中央にスリット14を有する、柔軟な構成部品13である。第3の排出部2.3と受入部3.3とを接合する間、リング面45は、リング面46をもつラバースリーブ12の終端部として、スリット14の周囲にあり、半径方向へ外側に対して密閉している。(スチール製の)中空針10がスリット14を通して、対応物である柔軟な構成部品13の中を通り抜けると、同時に、中空針10の周りのラバースリーブ12が圧縮され、変形する。接合状態においては、中空管42の中の横穴11は、柔軟な構成部品13のシールリング36の下方にある。これによって、中空管42の外部への密閉性が保証される。バルブカップリング1.3が再び切り離されると、中空針10が引き出された後に、再びスリット14が閉じ、ラバースリーブ12は、その初期の形状に戻る。これによって、柔軟な構成部品13を密閉し、シリンダー形ラバースリーブ12の中にあるシールリング30は、再び横穴11の上に移動し、システム(排出部2.3及び受入部3.3)を再び密閉する。
【0039】
したがって、本発明は、液体流の連結部(バルブカップリング1.1〜1.3)に取り付ける2つのバルブ4.1〜4.4の一連の組合せを含んでいる。コンポーネントを切り離した後に開いている、2つの液体ダクトの端部には、それぞれバルブが設けられている。これらのバルブ(スリットバルブ4.1〜4.4)は、連結状態において、外側部分に対してシールしているため、流動する材料35が液体ダクトから出ることはできない。これらのバルブは、連結部の切離し後も、開いているダクトを外部に対して密閉することから、材料35は漏れ出ることができないか、又はダクトが水分を失って急速に乾くことはない。バルブ4.1〜4.4の適切な形状により、材料35は、バルブ4.1〜4.4が切り離された後も、実際に、完全に密閉された範囲にとどまっているため、外部へ漏れ出ることはない。材料35の乾燥した残滓が連結部又はバルブをブロックするというリスクは、これによって実質的に排除される。バルブ4.1〜4.4は、小さな取付けスペースに問題なく取り付けられるように作られ、配置されている。
【符号の説明】
【0040】
1.1 バルブカップリング
1.2 バルブカップリング
1.3 バルブカップリング
2.1 排出部
2.2 排出部
2.3 排出部
3.1 受入部
3.2 受入部
3.3 受入部
4.1 スリットバルブ
4.2 スリットバルブ
4.3 スリットバルブ
4.4 スリットバルブ
5.1 丸形端部
5.2 丸形端部
5.3 丸形端部
5.4 丸形端部
5.5 凹形の丸形端部
6.1 バルブスリット
6.2 バルブスリット
6.3 バルブスリット
6.4 バルブスリット
7 膨張部
8.1 外面
8.2 外面
9 内面
10 中空針
11 横穴
12 ラバースリーブ
13 構成部品
14 スリット
15 成形部品
16 スリーブ
17 外面
18 外面
19 伸張リブ
20 伸張リブ
21 フランジ
22 サポートリング
23 成形部品
24 スリーブ
25 弾性のあるゾーン
26 回転対称の圧縮部
27 補強リング
28 サポートリング
29 隙間
30 シールリング
31 電動歯ブラシ
32 ハンドル部
33 歯ブラシのブラシヘッド
34 矢印/流入する方向(インレット)
35 材料
36 シールリング
37 弾性素材
38 矢印/流出する方向(アウトレット)
39 フランジ
40 環状のすき間
41 先端部分
42 中空管
43 リング面
44 リング面
45 リング面
46 リング面
47 シールリング
48 端部/スリーブ24
49 くぼみ
50 シールリング
51 ダクト
52 ダクト
101、103、105 排出バルブ
102、104、106 受入バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排出部と、該排出部に連結可能な受入部と、連結状態において液状又はペースト状の材料を前記排出部から前記受入部に伝達することができるバルブ機能と、を有し、連結解除状態では前記排出部及び前記受入部が液漏れのないように閉じられているバルブカップリングであって、前記排出部(2.1〜2.3)が排出バルブ(101、103、105)を有し、前記受入部(3.1〜3.3)が受入バルブ(102、104、106)を有し、連結又は連結解除時に、弾性変形により前記排出バルブ及び前記受入バルブ(101〜106)の開又は閉が行われ、連結時は、前記排出部(2.1〜2.3)が液漏れしないように前記受入部(3.1〜3.3)と接続されたときのみに前記バルブ(101〜106)が開けられ、連結解除時は、液漏れしない接続が外される前に前記バルブ(101〜106)が閉められることを特徴とする、バルブカップリング。
【請求項2】
前記排出部(2.1)が、指の形状の中空構造になっており、該排出部(2.1)の丸形端部(5.1)は弾性素材(37)からなるとともにバルブスリット(6.1)を有し、前記受入部(3.1)はバルブスリット(6.2)付き丸形端部(5.2)を備える膨張部(7)を有するとともに弾性素材(37)からなり、連結状態においては、前記丸形端部(5.1)の外面(8.1)と前記丸形端部(5.2)の内面(9)とが、摩擦によるロック又はポジティブロックによって相互に接合されることを特徴とする、請求項1に記載のバルブカップリング。
【請求項3】
前記排出部(2.1)の前記丸形端部(5.1)が、指の形状の中空構造で一体形成された成形部品(15)によって形成されており、該成形部品(15)は、前記丸形端部(5.1)の下方で、剛性のスリーブ(16)を備えていることを特徴とする、請求項2に記載のバルブカップリング。
【請求項4】
前記受入部(3.1)が、対向する2つの外面(17、18)上に、前記バルブスリット(6.2)の全長を横切るよう、2つの伸張リブ(19、20)を有していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブカップリング。
【請求項5】
前記受入部(3.1)が、好ましくは成形されたシールリング(36)が設けられたフランジ(21)を有していることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のバルブカップリング。
【請求項6】
前記受入部(3.1)が、フランジ(21)と、サポートリング(22)と、を有していることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のバルブカップリング。
【請求項7】
前記排出部(2.2)が、指の形状の中空構造になっており、該排出部(2.2)の丸形端部(5.3)は弾性素材(37)からなるとともにバルブスリット(6.3)を有し、前記受入部(3.2)はバルブスリット(6.4)付き凹形の丸形端部(5.5)を有するとともに弾性素材(37)からなり、前記受入部(3.2)が、軸方向に弾性があるように形成され、連結状態においては、前記丸形端部(5.3)の外面(8.2)と前記凹形の丸形端部(5.5)の外面(8.3)とが、摩擦によるロック又はポジティブロックによって相互に接合されることを特徴とする、請求項1に記載のバルブカップリング。
【請求項8】
前記排出部(2.2)の前記丸形端部(5.3)が、指の形状の中空構造で一体形成された成形部品(23)によって形成されており、該成形部品(23)は、前記丸形端部(5.3)の下方で、剛性のスリーブ(24)を備えていることを特徴とする、請求項7に記載のバルブカップリング。
【請求項9】
前記受入部(3.2)が、軸方向に弾性のあるゾーン(25)を有していることを特徴とする、請求項7又は8に記載のバルブカップリング。
【請求項10】
軸方向に弾性のある前記ゾーン(25)が、回転対称の圧縮部(26)によって形成されていることを特徴とする、請求項9に記載のバルブカップリング。
【請求項11】
前記排出部(2.3)が、丸形端部(5.4)をもつ中空針(10)を有し、該中空針(10)には、前記丸形端部(5.4)の下方で横穴(11)が設けられ、該横穴(11)は、柔軟なスリーブ(12)によって覆われ、前記受入部(3.3)は、弾性素材(37)からなる構成部品(13)を有するとともにスリット(14)が取り付けられ、連結状態においては、前記横穴(11)をもつ前記中空針(10)が前記スリット(14)を通るよう挿入され、その際、柔軟な前記スリーブ(12)が、前記横穴(11)が露出するように、前記構成部品(13)によって逆方向に引き戻されることを特徴とする、請求項1に記載のバルブカップリング。
【請求項12】
柔軟な前記スリーブ(12)が、その自由端に、剛性の素材からなる補強リング(27)を有していることを特徴とする、請求項11に記載のバルブカップリング。
【請求項13】
前記受入部(3.3)が、剛性の素材からなるサポートリング(28)を有していることを特徴とする、請求項11又は12に記載のバルブカップリング。
【請求項14】
柔軟な前記スリーブ(12)が、隙間(29)を設けて前記中空針(10)を覆っていることを特徴とする、請求項11〜13のいずれか一項に記載のバルブカップリング。
【請求項15】
柔軟な前記スリーブ(12)が、少なくとも1つの内部シールリング(30、50)を有し、該シールリングが、連結解除状態において外部からの前記横穴(11)を塞いでいることを特徴とする、請求項11〜14のいずれか一項に記載のバルブカップリング。
【請求項16】
ハンドル部(32)と、該ハンドル部(32)に接続可能なブラシヘッド(33)と、請求項1〜15のいずれか一項に記載のバルブカップリング(1.1、1.2、1.3)と、を有する、電気かみそり、又は電動歯ブラシなどの電動式口腔内ケア装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2010−531686(P2010−531686A)
【公表日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513719(P2010−513719)
【出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【国際出願番号】PCT/EP2008/004856
【国際公開番号】WO2009/003580
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(591027846)ブラウン、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツング (50)
【氏名又は名称原語表記】Braun GmbH
【Fターム(参考)】