説明

バルブ開閉札

【課題】簡単な構造で開及び閉両方をワンタッチで表示可能な使いやすいバルブの開閉札を提供する。
【解決手段】表裏のいずれか1面に開の文字を他面に閉の文字を記載した大きさの異なる一対の札2、3と、該一対の札2、3の各々の側面に固定された該一対の札を回動自在に連結するヒンジ8と、重ねられた該一対の札2、3を固定可能な固定手段10、11、12、13と、を含み、該一対の札2、3は、札2、3が重ねられたとき開又は閉の文字同士が合わさるように該ヒンジ8で連結され、大きい札2の上部には紐を固定するための孔9が設けられ、該一対の札2、3が重ねられたとき、大きい札2の上部に設けられた該孔9が小さい札3で塞がれない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブの開閉状態を表示するために使用する開閉札に関し、特に一つの開閉札で開表示と閉表示とを表示することが可能なバルブの開閉札に関する。
【背景技術】
【0002】
発電所、化学工場などにおいては、多くの機器、装置、配管が有機的に結合されており、配管には多くのバルブが配設され使用されている。このバルブの開閉状態を外部からでも確認できるように、バルブのハンドルなどに開閉札が取り付けられていることは周知のところである。バルブの開閉状態を表示する開閉札の基本型は、合成樹脂などからなる小判型、角型の札の表及び裏に、開又は閉の文字を表示するものである。開閉札の上部に設けられた小孔を利用して、開閉札に針金などを結びこの針金をバルブのハンドルに結びつけることで使用される。このような開閉札にあっては、一枚の札は開又は閉を表示するので、2種類の開閉札を準備する必要がある。またバルブの開操作、又は閉操作に伴い開閉札を取り替える必要があり、手間がかかっていた。このため一つの札で開表示、又は閉表示を表示可能な開閉札が多く開発され、一部は市販されている。
【0003】
例えば特許文献1には、表裏いずれか一面に開の文字を記載し、他面に閉の文字を記載した2枚の札を背中合わせになるようにリングで結合し、両札の左右の間にそれぞれに2本のフックの基端をリングに結合してなる開閉札が開示されている。また非特許文献1には、表裏に開又は閉なる文字を記載した2枚の札を用いて、各々の札の上部に2つの小孔を設け、2枚の札を重ねた状態で2つの小孔に各々リングを通し、この2つのリングに紐を通した開閉札が開示されている。また、非特許文献2には、表と裏を折り返すことで簡単に開閉表示を切替え可能な開閉札が記載されている。
【特許文献1】実公平8−5435号公報
【非特許文献1】https://www.monotaro.com/c/013/999/
【非特許文献2】https://www.monotaro.com/p/0252/6413/
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術は、両札の左右の間にそれぞれに設けられた2本のフックのいずれか1を持ち上げると、札がリングに吊り下げられ、開を表示し、他のフックを持ち上げると、札がリングに沿って反転し閉を表示できるとする。また、非特許文献1に記載の技術は、二つのリングを利用して札を反転させることで開、又は閉を表示するもので、札を吊り下げるために二つのリングを利用し、これに紐を通すことで行われる。特許文献1及び非特許文献1に記載の技術は、リングを利用してワンタッチで2つの札の合わさる面を変更し、札を吊り下げることで開又は閉の表示を維持しようとするものである。
【0005】
特許文献1の技術では、2つの札が互いに固定されていないため、屋外など風の強い場所等でバルブから札が外れて落ちてしまうと、再度札を取り付ける際、フックを間違って取り付ける場合もある。札が落ちてしまうと、2つの札が互いに固定されていないため、札は開表示とも閉表示とも成り得る。バルブの開閉状態を外部から確認できる場合はともかく、バルブの開閉状態を目視で確認できない場合は、バルブの開閉を確認した後、開閉札をバルブに取り付ける必要があり、めんどうである。非特許文献1に記載の技術も同様の問題がある。
【0006】
非特許文献2に記載の技術は、特許文献1及び非特許文献1に記載の技術とは異なり、2つの札は固定して使用されるため、札が落ちたとき開表示、又は閉表示が入れ替わる心配はない。しかし非特許文献2に記載の開閉札は、札を吊り下げる吊下げ部が、札の上端に突出するように設けられているため、コストアップとなる。またデザイン的にもスマートとは言えない。
【0007】
本発明の目的は、簡単な構造で開及び閉両方をワンタッチで表示可能な使いやすいバルブの開閉札を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、表裏のいずれか1面に開の文字を他面に閉の文字を記載した大きさの異なる一対の札と、
該一対の札の各々の側面に固定された該一対の札を回動自在に連結するヒンジと、
重ねられた該一対の札を固定可能な固定手段と、を含み、
該一対の札は、札が重ねられたとき開又は閉の文字同士が合わさるように該ヒンジで連結され、大きい札の上部には紐を固定するための孔が設けられ、該一対の札が重ねられたとき、大きい札の上部に設けられた該孔が小さい札で塞がれないことを特徴とするバルブ開閉札である。
【0009】
また本発明は、表裏のいずれか1面に開の文字を他面に閉の文字を記載した同一の大きさを有する一対の札と、
該一対の札の各々の側面に固定された該一対の札を回動自在に連結するヒンジと、
重ねられた該一対の札を固定可能な固定手段と、を含み、
該一対の札は、札が重ねられたとき開又は閉の文字同士が合わさるように該ヒンジで連結され、一の札の上部には紐を固定するための孔が設けられ、他方の札の上部は一部が切り欠かれ、該一対の札が重ねられたとき、一の札の上部に設けられた該孔が他方の札で塞がれないことを特徴とするバルブ開閉札である。
【0010】
また本発明で、前記固定手段は、面ファスナであり、該面ファスナは、前記一対の札の各々の表裏に前記ヒンジで連結された側と反対側の端部に固着されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のバルブ開閉札である。
【0011】
また本発明で、前記固定手段は、前記一対の札の各々の表裏に前記ヒンジで連結された側と反対側の端部に設けられた凹部と該凹部に係止する係止部材とからなることを特徴する請求項1又は2に記載のバルブ開閉札である。
【発明の効果】
【0012】
本発明のバルブ開閉札は、表裏のいずれか1面に開の文字を他面に閉の文字を記載した大きさの異なる一対の札の側面に、一対の札を回動自在に連結するヒンジを有するとともに、一対の札を重ねたとき札を固定する固定手段を備え、一対の札は、札が重ねられたとき開又は閉の文字同士が合わさるようにヒンジで連結され、大きい札の上部には紐を固定するための孔が設けられ、一対の札が重ねられたとき、大きい札の上部に設けられた孔が小さい札で塞がれない構造を有するので、簡単な構造で、ワンタッチで開及び閉両方の表示をすることができる。
【0013】
本発明のバルブ開閉札は、一対の札を重ねたとき札を固定する固定手段を備えるので、仮にバルブ開閉札がバルブから落下しても、バルブ開閉札は、落下前の状態と同じ状態であり、開又は閉表示が入れ替わることがなく安心して使用することができる。さらに、大きい札の上部にのみ紐を固定するための孔が設けられ、一対の札が重ねられたとき、大きい札の上部に設けられた孔が小さい札で塞がれないので、バルブ開閉札を紐で吊り下げた状態で、開又は閉表示を替えることが可能で便利である。一対の札の大きさを変え、大きい札の上部にのみ紐を固定するための孔を設けることで、従来のバルブ開閉札のように上端部に紐を取り付けるための吊下げ部を設ける必要がなく、安価にまたデザイン的にも優れたバルブ開閉札を提供することができる。
【0014】
また本発明のバルブ開閉札は、表裏のいずれか1面に開の文字を他面に閉の文字を記載した同一の大きさを有する一対の札と、一対の札の各々の側面に固定された一対の札を回動自在に連結するヒンジと、重ねられた一対の札を固定可能な固定手段と、を含み、一対の札は、札が重ねられたとき開又は閉の文字同士が合わさるようにヒンジで連結され、一の札の上部には紐を固定するための孔が設けられ、他方の札の上部は一部が切り欠かれ、一対の札が重ねられたとき、一の札の上部に設けられた孔が他方の札で塞がれない構造を有するので、簡単な構造で、ワンタッチで開及び閉両方の表示をすることができる。
【0015】
本発明のバルブ開閉札は、一対の札を重ねたとき札を固定する固定手段を備えるので、仮にバルブ開閉札がバルブから落下しても、バルブ開閉札は、落下前の状態と同じ状態であり、開又は閉表示が入れ替わることがなく安心して使用することができる。さらに、一の札の上部には紐を固定するための孔が設けられ、他方の札の上部は一部が切り欠かれ、一対の札が重ねられたとき、一の札の上部に設けられた孔が他方の札で塞がれないので、バルブ開閉札を紐で吊り下げた状態で、開又は閉表示を替えることが可能で便利である。上記のような構成を採用することで、従来のバルブ開閉札のように上端部に紐を取り付けるための吊下げ部を設ける必要がなく、安価にまたデザイン的にも優れたバルブ開閉札を提供することができる。
【0016】
また本発明によれば、一対の札の固定手段は、面ファスナであり、面ファスナは、一対の札の各々の表裏にヒンジで連結された側と反対側の端部に固着されているので、簡単な構成で、一対の札を重ねたとき簡単にまた確実に一対の札を固定することができる。
【0017】
また本発明によれば、一対の札の固定手段は、一対の札の各々の表裏にヒンジで連結された側と反対側の端部に設けられた凹部と凹部に係止する係止部材とからなるので、簡単な構成で、一対の札を重ねたとき簡単にまた確実に一対の札を固定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は本発明の第一実施形態としてのバルブ開閉札1であり、図1(a)は、バルブ開閉札1を開いた状態での正面図、図1(b)は、バルブ開閉札1を開いた状態での背面図である。バルブ開閉札1は大きさの異なる一対の小判型の札2、3を有し、札2の一面4には開の文字が、札2の他の面5は閉の文字が記載されている。同様に札3の一面6には開の文字が、札3の他の面7は閉の文字が記載されている。札2、3は、一端に設けられたヒンジ8で連結されている。札2、3は、ヒンジ8を中心に裏表両方に回動することが可能であり、札2、3を重ね合わせたとき、合わさる面に開又は閉の文字同士が来るように連結されている。
【0019】
札2と札3とは大きさが異なり、大きい札2の上部にのみ、このバルブ開閉札1を紐で吊るすための小孔9が穿設されている。札2と札3との幅は同一で、札3の長さが若干短くなっており、札2と札3とを重ね合わせると、札の下端、側面は一致するものの、札2と札3の上端は一致しない。また大きい札2の上部に穿設された小孔9は、札2と札3を重ね合わせたとき、札3によって塞がれない位置に設けられている。これにより、後述のようにバルブ開閉札1をバルブに吊るしたまま、ワンタッチで開閉表示を変更することが可能となる。
【0020】
またヒンジ連結部とは反対側の端部には、面ファスナが固着されている。札2の面4の端部に固着された面ファスナ10、札3の面6の端部に固着された面ファスナ11を合わせることで札2、3を固定することができる。同様に札2の面5の端部に固着された面ファスナ12、札3の面7の端部に固着された面ファスナ13を合わせることで札2、3を固定することができる。札2、3は、従来のバルブ開閉札で使用されている合成樹脂製の札を使用することが可能である。
【0021】
このバルブ開閉札1を使用するときは、一対の札2、3を重ね合わせ、面ファスナ10、11又は面ファスナ12、13で一対の札2、3を固定して使用する。開表示の札として使用する場合は、札2の閉の文字が記載された面5及び札3の閉の文字が記載された面7が重なるように、面ファスナ12、13を連結させる。これによりバルブ開閉札1の表裏に開の文字が表示されるので、このバルブ開閉札1をバルブに吊し使用することができる。同様に閉表示の札として使用する場合は、札2の開の文字が記載された面4及び札3の開の文字が記載された面6が重なるように、面ファスナ10、11を連結させる。これによりバルブ開閉札1の表裏に閉の文字が表示される。
【0022】
本発明のバルブ開閉札1は、ヒンジ連結部とは反対側の端部に面ファスナ10、11、12、13が固着されているので、面ファスナ10、11又は12、13を合わせることで札2、3を固定して使用することができる。これによりバルブ開閉札1が落下したようなときでも、札2、3が開くことはない。よってバルブ開閉札1が落下しても、開表示から閉表示に、又は閉表示から開表示に表示が変わったり、札2、3が開くことにより開表示であったか、閉表示であったか分からなくなることもないので、安心して使用することができる。
【0023】
また、一対の札は大きさが異なり、バルブ開閉札1を吊るすための小孔9は、大きい札2の上部であって、札2、3を重ねたとき小さい札3が被さらない位置に設けられているので、バルブ開閉札1を吊るした状態で、ワンタッチで開閉表示を変更することが可能となり便利である。札2、札3を重ねたとき小孔9が札3で塞がれる位置にあると、小孔9に取り付けた紐がじゃまとなり、札2と札3とが隙間なく重ならず札2と札3とを固定することができないが、本発明ではこのような問題は生じない。また一対の札2、3の大きさを変え、紐を固定するための小孔9を大きい札2の上部にのみ設けることで、従来のバルブ開閉札のように札の上端部に紐を固定するための吊下げ部を設ける必要がなく、安価に製造することができる。またデザイン的にも優れたものとなる。
【0024】
図2は本発明の第二実施形態としてのバルブ開閉札20を開いた状態の斜視図である。図1(a)、図1(b)と同一の部材には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。第二実施形態に示すバルブ開閉札20は、第一実施形態に示すバルブ開閉札1と同様、バルブ開閉札1は大きさの異なる一対の小判型の札2、3を有し、札2の一面4には開の文字が、札2の他の面5(図示を省略)には閉の文字が記載されている。同様に札3の一面6には開の文字が、札3の他の面7(図示を省略)には閉の文字が記載されている。札2、3は、一端に設けられたヒンジ8で連結され、札2、3は、ヒンジ8を中心に裏表両方に回動することが可能であり、札2、3を重ね合わせたとき、合わさる面に開又は閉の文字同士が来るように連結されている。また、大きい札2の上部にのみ、このバルブ開閉札20を紐で吊るすための小孔9が穿設されている。
【0025】
第一実施形態に示すバルブ開閉札1と第二実施形態に示すバルブ開閉札20とでは、札2、札3を重ねたとき、札2、3が開かないように固定する固定手段が異なる。第一実施形態としてのバルブ開閉札1では、札2、3が開かないように固定する固定手段として、面ファスナ10、11、12、13を使用するが、第二実施形態としてのバルブ開閉札20では、札2、3が開かないように固定する固定手段として凹部21と突起体22とからなる係止手段を使用する。
【0026】
札3は、ヒンジ連結部とは反対側の端部近傍に、小さな凹部21を有する。一方札2は、ヒンジ連結部とは反対側の端部近傍に小さな弾力性を有する突起体22を備え、札2と札3とを重ね、一定以上の荷重を加えると、札2の突起体22が札3の凹部21に嵌まり込み、札2と札3とは固定される。固定した札2、3を開く方向に一定以上の負荷を加えると、突起体22が凹部21から外れ、札2、3を開くことができる。札2の面4と札3の面6とを合わせることで、閉の表示の札として使用することができる。札3の面7(図示を省略)にもヒンジ連結部とは反対側の端部近傍に、小さな凹部(図示を省略)が、札2の面5(図示を省略)にもヒンジ連結部とは反対側の端部近傍に小さな突起体(図示を省略)が設けられているので、札2の面5と札3の面7とを重ね力を加えると、札2の突起体が札3の凹部に嵌まり込み、札2と札3とは固定され開表示の札として使用することができる。バルブ開閉札20の使用方法、その効果はバルブ開閉札1と同様である。
【0027】
図3は本発明の第三実施形態としてのバルブ開閉札30を開いた状態の斜視図である。図1(a)、図1(b)及び図2と同一の部材には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。第三実施形態に示すバルブ開閉札30は、第一実施形態に示すバルブ開閉札1、第二実施形態に示すバルブ開閉札20と同様、バルブ開閉札1は大きさの異なる一対の小判型の札2、3を有し、札2の一面4には開の文字が、札2の他の面5(図示を省略)には閉の文字が記載されている。札3の一面6には開の文字が、札3の他の面7(図示を省略)には閉の文字が記載されている。札2、3は、一端に設けられたヒンジ8で連結され、札2、3は、ヒンジ8を中心に裏表両方に回動することが可能であり、札2、3を重ね合わせたとき、合わさる面に開又は閉の文字同士が来るように連結されている。また、大きい札2の上部にのみ、このバルブ開閉札20を紐で吊るすための小孔9が穿設されている。
【0028】
以上のように第三実施形態に示すバルブ開閉札30は、第一実施形態に示すバルブ開閉札1、第二実施形態に示すバルブ開閉札20と基本的には同じ構成であるが、札2、札3を重ねたとき、札2、3が開かないように固定する固定手段が異なる。第一実施形態としてのバルブ開閉札1では、札2、3が開かないように固定する固定手段として、面ファスナ10、11、12、13を、第二実施形態としてのバルブ開閉札20では、札2、3が開かないように固定する固定手段として凹部21と突起体22とからなる係止手段を使用するが、第三実施形態としてのバルブ開閉札30は、固定手段として凹部と断面がコの字型の固定部材とからなる係止手段を使用する。
【0029】
札2はヒンジ連結部とは反対側の端部に、小さな凹部31を有する。一方札3もヒンジ連結部とは反対側の端部に小さな凹部32を有する。さらにバルブ開閉札30は、凹部31、32に嵌まり込み、札2と札3とを固定する断面がコの字型の弾力性を有する固定部材33を備える。札2の面5(図示を省略)と札3の面7(図示を省略)とを重ね、固定部材33を札2及び札3の凹部31、32に押し込むと、固定部材33が札2及び札3の凹部31、32に嵌まり込み、札2と札3とは固定される。これにより開の表示の札として使用することができる。札2の面5(図示を省略)にもヒンジ連結部とは反対側の端部に、凹部(図示を省略)が、札3の面7(図示を省略)にもヒンジ連結部とは反対側の端部に凹部(図示を省略)が設けられているので、札2の面4と札3の面6とを重ね、固定部材33を札2及び札3の凹部に押し込むと、固定部材33が札2及び札3の凹部に嵌まり込み、札2と札3とは固定され、閉表示の札として使用することができる。なお、固定部材33は、ヒンジ連結部とは反対方向に一定以上の負荷を加えると、取外すことができる。バルブ開閉札30の使用方法、その効果はバルブ開閉札1、バルブ開閉札20と同様である。
【0030】
図4は本発明の第四実施形態としてのバルブ開閉札40を重ねた状態の斜視図である。図1(a)、図1(b)、図2及び図3と同一の部材には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。第四実施形態に示すバルブ開閉札40は、第一実施形態から第三実施形態に示すバルブ開閉札1、20、30と同様、バルブ開閉札1は大きさの異なる一対の小判型の札2、3を有し、札2の一面4(図示を省略)には開の文字が、札2の他の面5には閉の文字が記載されている。札3の一面6には開の文字が、札3の他の面7(図示を省略)には閉の文字が記載されている。札2、3は、一端に設けられたヒンジ8(図示を省略)で連結され、札2、3は、ヒンジ8(図示を省略)を中心に裏表両方に回動することが可能であり、札2、3を重ね合わせたとき、合わさる面に開又は閉の文字同士が来るように連結されている。また、大きい札2の上部にのみ、このバルブ開閉札20を紐で吊るすための小孔9が穿設されている。
【0031】
以上のように第四実施形態に示すバルブ開閉札40は、第一から第三実施形態に示すバルブ開閉札1、20、30と基本的には同じ構成であるが、札2、札3を重ねたとき、札2、3が開かないように固定する固定手段が異なる。第四実施形態としてのバルブ開閉札40は、固定手段として貫通孔41、42と押込ピン43とからなる係止手段を使用する。この押込ピン43は弾力性を有するので、直径が略同一の貫通孔41、42に一定の負荷を加えて押し込むと、貫通孔41、42に嵌り込む。貫通孔41、42に入り込んだ押込ピン43に対して、引き抜く方向に一定以上の負荷を加えると押込ピン43を貫通孔41、42から取り外すことができる。
【0032】
札2はヒンジ連結部とは反対側の端部近傍に、貫通孔41を有する。札3もヒンジ連結部とは反対側の端部近傍に貫通孔42を有する。この二つの貫通孔41、42は、札2と札3とを重ねたとき、同じ位置となるように穿設されている。さらにバルブ開閉札40は、この貫通孔41、42に嵌まり込み、札2と札3とを固定する押込ピン43を備える。札2と札3とを重ね、貫通孔41、42に押込ピン43を押し込むと、押込ピン43は、貫通孔41、42に嵌まり込み、札2と札3とは固定される。札2の面4(図示を省略)と札3の面6とを合わせることで、閉の表示の札として使用することができる。一方、札2の面5と札3の面7(図示を省略)とを重ね、押込ピン43を札2及び札3の貫通孔41、42に押し込むと、押込ピンが札2及び札3の貫通孔41、42に嵌まり込み、札2と札3とは固定され、開表示の札として使用することができる。バルブ開閉札40の使用方法、その効果はバルブ開閉札1、バルブ開閉札20、バルブ開閉札30と同様である。
【0033】
図5は本発明の第五実施形態としてのバルブ開閉札50を開いた状態の正面図である。図1(a)、図1(b)から図4と同一の部材には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。第一から第四実施形態に示すバルブ開閉札1、20、30、40が、大きさの異なる一対の札2、札3で構成されていたのに対し、第五実施形態に示すバルブ開閉札50は、同一の大きさ(略同一の大きさを含む)札2と札3とを有する。札2の一面4には開の文字が、札2の他の面5(図示を省略)は閉の文字が記載されている。同様に札3の一面6には開の文字が、札3の他の面7(図示を省略)は閉の文字が記載されている。札2、3は、一端に設けられたヒンジ8で連結されている。札2、3は、ヒンジ8を中心に裏表両方に回動することが可能であり、札2、3を重ね合わせたとき、合わさる面に開又は閉の文字同士が来るように連結されている。また、大きい札2の上部にのみ、このバルブ開閉札50を紐で吊るすための小孔9が穿設されている。またヒンジ連結部とは反対側の端部には、面ファスナ10、11、12(図示を省略)、13(図示を省略)が固着されている。
【0034】
第一実施形態のバルブ開閉札1と第五実施形態に示すバルブ開閉札50とを比較すると、基本的な構成は同一であるが、札3の大きさと札3の上部の一部が切り取られている点が第一実施形態のバルブ開閉札1とは異なる。札3の上部の切り欠き51により、札2と札3とを重ね合わせたとき、札3により札2の紐を吊るための小孔9が塞がれることがない。よって、第一実施形態に示したバルブ開閉札1と同様の方法で使用することが可能となり、第一実施形態に示したバルブ開閉札1と同様の効果を有する。
【0035】
以上、第一実施形態から第五実施形態に示すように本バルブ開閉札の特徴は、一対の札をヒンジで回動可能に連結し、一対の札を重ね合わせたとき、札が簡単に開かないように固定する固定手段と、一対の札を重ね合わせたとき、札を吊下げるための紐を固定する孔が塞がれない点に特徴がある。これによりバルブ開閉札を吊下げた状態で、ワンタッチで開閉表示を変更可能であるとともに、開閉表示を安定的に表示することができる。なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではないので、本発明のポイントを逸脱しない範囲でバルブ開閉札を変形して使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第一実施形態としてのバルブ開閉札1であり、図1(a)は、バルブ開閉札1を開いた状態での正面図、図1(b)は、バルブ開閉札1を開いた状態での背面図である。
【図2】本発明の第二実施形態としてのバルブ開閉札20を開いた状態の斜視図である。
【図3】本発明の第三実施形態としてのバルブ開閉札30を開いた状態の斜視図である。
【図4】本発明の第四実施形態としてのバルブ開閉札40を重ねた状態の斜視図である。
【図5】本発明の第五実施形態としてのバルブ開閉札50を開いた状態の正面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 バルブ開閉札
2 札
3 札
8 ヒンジ
9 小孔
10、11 面ファスナ
12、13 面ファスナ
20 バルブ開閉札
21 凹部
22 突起体
30 バルブ開閉札
31、32 凹部
33 固定部材
40 バルブ開閉札
41、42 貫通孔
43 押込ピン
50 バルブ開閉札
51 切り欠き

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表裏のいずれか1面に開の文字を他面に閉の文字を記載した大きさの異なる一対の札と、
該一対の札の各々の側面に固定された該一対の札を回動自在に連結するヒンジと、
重ねられた該一対の札を固定可能な固定手段と、を含み、
該一対の札は、札が重ねられたとき開又は閉の文字同士が合わさるように該ヒンジで連結され、大きい札の上部には紐を固定するための孔が設けられ、該一対の札が重ねられたとき、大きい札の上部に設けられた該孔が小さい札で塞がれないことを特徴とするバルブ開閉札。
【請求項2】
表裏のいずれか1面に開の文字を他面に閉の文字を記載した同一の大きさを有する一対の札と、
該一対の札の各々の側面に固定された該一対の札を回動自在に連結するヒンジと、
重ねられた該一対の札を固定可能な固定手段と、を含み、
該一対の札は、札が重ねられたとき開又は閉の文字同士が合わさるように該ヒンジで連結され、一の札の上部には紐を固定するための孔が設けられ、他方の札の上部は一部が切り欠かれ、該一対の札が重ねられたとき、一の札の上部に設けられた該孔が他方の札で塞がれないことを特徴とするバルブ開閉札。
【請求項3】
前記固定手段は、面ファスナであり、該面ファスナは、前記一対の札の各々の表裏に前記ヒンジで連結された側と反対側の端部に固着されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のバルブ開閉札。
【請求項4】
前記固定手段は、前記一対の札の各々の表裏に前記ヒンジで連結された側と反対側の端部に設けられた凹部と該凹部に係止する係止部材とからなることを特徴する請求項1又は2に記載のバルブ開閉札。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−206387(P2007−206387A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−25255(P2006−25255)
【出願日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】