説明

バンド受板付結束バンド容器

【課題】 結束バンドを利用して、ケーブル配線工事、配管工事、又は園芸、農作業の巻き付け作業で、狭く、手が入りにくい場所において結束バンドの先端が掴めにくいことから結束作業に手間がかかるものである。
これらを解決するため結束バンド容器が開発されたが、容器内に結束バンドを納めることに時間を要していた。この問題を同時に解決する容器を提供するものである。
【解決手段】 容器の形状に問わない携帯できる容器の蓋に挿入孔を設ける。また結束バンドを容易に挿入できるように挿入孔内側に保持バンドを設けたバンド受板を設けることで結束バンドをまとめて容易に納めることができる。
よって結束バンドを挿入するU字状、あるいはL字状に納めて利用できるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性のプラスチック締付片の結束バンドを容器に納めて、携帯容器として利用しながら、容器より結束バンドを取出して電気配線、ケーブル工事において結束作業、また園芸、農作業等の結束作業の用治具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、結束バンドを用いて電線、信号、通信ケーブルの配線工事、又はエアコン配管、ドレン管あるいは、園芸や農作業の様ざまな結束作業において手が入りにくい狭い部分や、格子状の所にケーブル等を巻付けて取付ける工事において反対側に手が届かない所においては、結束バンドの先端を引き出すことが困難によって工事の手間が掛かることである。
【0003】
また、結束バンドは弾力性、あるいは滑りやすいため作業袋、衣類ポケット等に収めた状態でも、飛び出したりして落下することが多いことから不便であった。
【0004】
この改善策として、結束バンドを効率よく利用しようとするものに、以下のようなものが公報によって知られている。
従来には、円筒形容器の側面に結束バンドの挿入縦長孔一カ所以上設けて、容器の内周面に誘導板を設ける。あるいは半楕円体容器の着脱できる蓋に結束バンドの挿入横長孔を一カ所以上設けて、半楕円体容器の前記蓋の裏側に誘導板を設けた結束バンド容器がある。(例えば特許文献1参照)
また、ニッパーに似た形状をしたもので、夫々ハンドル部を有する2個一対の工具本体と、該本体を相対回動可能にハサミ形に連結する枢軸と、本体の先端部に夫々設けられたバンド枢軸が利用されている。(例えば特許文献2参照)
また、締付片代用自動銃なるもので、ケーブルのような束のまわりに、可撓性のプラスチック締付片を自動で巻きつける装置である。(例えば特許文献3参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4623411号広報
【特許文献2】特開平7−241781号広報
【特許文献3】特開平8−58712号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の工具にも下記のような問題がある。
特許文献1において、結束バンドを結束バンド容器内に挿入することに時間を要する。特に数多くの結束バンドを一度に纏めて挿入することが容易でないことから作業準備の効率が悪いものである。さらに容器の形状に制約があった。
【0007】
特許文献2、3において、携帯容器としては不向きである。
【0008】
また、特許文献2、又は3において、配線工事、配管工事、断熱巻工事でキヤタツ等を利用して高所の工事には使いずらく、並びに狭い所では使うことが困難である。
【0009】
そこで本発明は、上記の課題に鑑み、容器の形状によって、小さい形状で多くの結束バンドを多数納めることができる。また多数の結束バンドを容易に纏めて納めるように設けることで時間の短縮ができるものである。
さらに、結束バンド容器を衣服やバンドに付けることで携帯容器としても邪魔にならず、結束バンドが抜け落ちることもなく、使いやすくして、利用時に結束バンドを取出すとU字状、L字状に形成することで結束作業を効率よく、短時間にできるものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
容器に着脱自在にした蓋裏側のバンド挿入孔の前記蓋周縁側にバンド受板を一ヶ所以上を設ける。前記バンド受板に保持ベルトを一ヶ所以上設けて、結束バンド、及び他の板を拘持した状態で支持することを特徴とする。
【0011】
前記バンド受板の端側と前記蓋の裏側に着脱できる係着部を設けて、前記蓋と前記バンド受板を着脱自在にできることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されているような効果を奏する。
【0013】
本発明を利用することで、長さの異なる結束バンドを纏めて容器内に納めることが容易にできることで時間を短縮できる。
【0014】
また、請求項1,2より容器の形状の面を四面体の容器に形成することで、数多くの結束バンドを納めることができる。さらに外形も小さいことから腰周りに装着しても邪魔にならず、携帯に便利である。
【0015】
さらに、結束バンドによる結束作業で手が回らず、指が入りずらい場所、又は網状に他の物を巻付ける作業において、本発明の容器より取出した結束バンドはU字状、L字状であることから結束バンドの先端を回すことができることで結束が即座にできる。よってケーブル配線、エアコンの配管工事、屋根裏の作業、また農作業、園芸作業等の作業時間の短縮ができ、効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第一実施例を示す側面図である。
【図2】本発明の結束バンド容器の上面、下面を円形状の容器の斜視図である。
【図3】本発明の結束バンド容器を四面体の容器の斜視図である。
【図4】図1の蓋面の正面図である。
【図5】図4のA−Bにおける蓋一体の断面の側面図で、保持ベルトを設けていない図である。
【図6】円形状の容器における蓋一体の斜視図である。
【図7】バンド受板に保持ベルトを設けて、他のバンド受板と誘導板を拘持した状態の蓋一体の側面図である。
【図8】バンド挿入孔に結束バンドを纏めて挿入する要部側面図である。
【図9】本発明の第二実施例を示す図で、蓋裏側とバンド受板の端側に係着部を設けた側面図である。
【図10】蓋裏側とバンド受板端側の係着部に面ファスナーを夫々設けて係着した状態の要部側面図である。
【図11】蓋裏側、及びバンド受板の端側に設けた係着部の部分に磁石を設けた状態の要部側面図である。
【図12】結束バンドを蓋一体に納めた状態を、容器内に組込む側面図である。
【図13】結束バンドを容器内より取出し、L,U字状に形成された側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、及び図8は本発明に係るバンド受板付結束バンド容器の第一実施例の図である。
図1は本発明の第一実施例の全体の側面図である。図2は本発明の結束バンド容器の上面、及び下面を円形状の容器の斜視図である。図3は本発明の結束バンド容器を四面体の容器に設けた斜視図である。
図4は図2の円形蓋の正面図である。図5は蓋に結束バンドのバンドを挿入するバンド挿入孔の蓋裏側にバンドを受けるバンド受板とバンドを押える誘導板を設けた蓋一体の断面の側面図である。図6は円形蓋の裏側一体のバンド受板、及び誘導板を設けた斜視図である。
図7はバンド受板に保持ベルトを3ヶ所設けて、結束バンド、他のバンド受板、及び誘導板を拘持した状態で支持する蓋一体の側面図である。
図8はバンド挿入孔に結束バンドを数本纏めてバンド挿入孔に挿入する図で、要部側面図である。
図12は参照として、結束バンドを挿入した蓋一体を容器内に納める側面図である。
【0019】
1、1Aは結束バンド一体を収納する容器である。5、5Aは容器1、1Aの着脱できる蓋である。6、6Aは蓋5、5Aに複数設けたバンド挿入孔である。3は蓋6、6Aの中央側に設けたバンド挿入孔5、5Aの縁に沿って設けた誘導板、2は蓋6、6Aの周縁側に設けたバンド挿入孔5、5Aの縁の外側に沿って設けたバンド受板である。よってバンド受板2と誘導板3は図に示すように、バンド挿入孔6、6Aの縁に沿って対向するように設ける。またバンド受板2と誘導板3の長さは容器1、1Aの内周面に沿ってやや円周状に納まる長さである。
図においては、バンド受板2は2列と誘導板3は1列を設けた一例である。
4はバンド挿入孔6、6Aの蓋1、1Aの周縁側に設けたバンド受板2に設けた保持ベルトである。保持ベルト4は数ヶ所設けることで他のバンド受板2と誘導板3、及びバンド受板2と誘導板3の間に挿入した多数の結束バンド12を拘持した状態で支持しながら、結束バンドのバンド部11がはみ出さず、ずれないように保持するものである。
【0020】
8は容器1、1Aに蓋5、5Aを固定する留具で、9は係合部、よって容器1、1Aに蓋5、5Aを被せて留具8と係合部9によって固定するものである。7は作業衣のベルトに掛けるベルトホルダーである。10はバンド先端を示す、12は結束バンドのヘッド、11はバンド部である。
【0021】
容器1、1A内に納める結束バンドのバンド11の長さは、バンド受板2の全長までの長さまで納めることが可能である。
【0022】
したがって、上記の構成により容器1、1Aの蓋5、5Aを外すと、図7に示すように蓋5、5Aとバンド受板2と誘導板3に設けた保持ベルト4一体とした構造であるから、図8に示すように結束バンドを数本纏めてバンド部11の先端よりバンド挿入孔より挿入する。結束バンドを挿入にあたり、バンド部11の歯側を前記誘導板3側、背側を前記バンド受板2側にして挿入することは、結束バンドの歯側はバンド受板2、及び誘導板3が円形状となる内周側に向いて挿入する。よって結束バンドのバンド部11は前記誘導板3と前記バンド受板2、あるいは前記バンド受板2ともう一方の前記バンド受板2の間に沿って進む(図8のx、及びyの矢印方向)、結束バンドが進むときバンド部11は前記バンド受板2からはみ出ることを前記保持ベルト4によって拘持した状態で容器1、1Aに納まる。
【0023】
バンド挿入孔6、6Aに必要数を挿入して、前記バンド受板2と前記誘導板3を手動によって丸み状に整えながら前記容器1、1Aに納める。
丸み状にするときも前記保持ベルト4がバンド部11をはみ出さないように保ちながら容器1、1A内に押し込むように納めることで、図12に示すように容器1、1A内に納まる。
【0024】
また、図9、図10、図11、及び図12は本発明に係るバンド受板付結束バンド容器の第二実施例の図である。
図9は本発明の第二実施例を示す図で、蓋裏側と蓋裏側に設けたバンド受板の端側に係着部を設けた蓋一体の側面図である。図10は蓋裏側とバンド受板の端側に設けた夫々の係着部に面ファスナーループ側と面ファスナーフック側として設けて、係着した状態の要部側面図である。図11は蓋裏側、及びバンド受板の端側に設けた夫々の係着部の部分に磁石を設けた状態の要部側面図である。図12は結束バンドを蓋一体に納めた状態を、容器内に組込む側面図である。
【0025】
13は外側の前記バンド受板2のバンド受板先端10の外周面に設けた係着部、14は蓋5、5Aの裏側に設けた係着部である。13aは係着部13に面ファスナーループ側、14aは係着部14に面ファスナーフック側として設けたものである。15は係着部13、及び係着部14を磁石に設けたものである。
よって、前記蓋5、5Aの裏側に係着部13、係着部14を設けることで、前記蓋5、5Aと前記バンド先端10とを着脱自在にできるように設けたものである。
【0026】
図10に示すように、前記係着部13に面ファスナーループ側13a、前記係着部14に面ファスナーフック側14aを設けることで前記バンド受板2と前記誘導板3の間に収めたバンド部11の一体を手動で丸み状にして、その状態を維持するため、前記面ファスナーループ側13aと前記面ファスナーフック側14aを係着させ一体の丸み状を固定することで、図12に示すように前記容器1、1A内に前記蓋5内側の前記バンド受板2と前記誘導板3一体をzの矢印方向に入れることで、容易に納めることができる。
【0027】
なお、図11に示すように前記係着部13、前記係着部14に夫々に磁石15を設けることで、前記蓋5と前記ベルト受板先端10を着脱自在にできるものである。
【0028】
また、前記係着部13、前記係着部14にフック等を設けることも可能である。
【0029】
また、容器1、1Aの蓋5、5Aを取付けた状態であってもバンド挿入孔6、6Aより、結束バンドを挿入することもできるものである。
【0030】
以上記載の如く、バンド受板2、保持ベルト4、及び係着部13、係着部14を設けることで容器1の形状を円柱形、四面体、及び多角形にすることが可能である。
また、容器1、1Aの底面をやや弓状、あるいは平面であっても、利用の効果は同様である。
【0031】
本発明を利用するにあたり、蓋1、1Aに設けられたバンド受板2と誘導板3、及び保持ベルト4の組合せにより、挿入した結束バンドは強固に保持される。
よって、 容器1、1Aに納めた結束バンドは一定時間後、結束バンドヘッド12を摘まみ引き出すことで、図13に示すようにU字状、またはL字状に変形することで、結束作業において結束バンドの先端部が掴みずらい状況の作業においては、極めて効果的に結束作業ができる。
例として、狭い林立した被結束物の支持柱にケーブルを連続に結束して取付のとき、結束バンドがU字状、又はL字状であることで容易に回すことができ、結束ができる。
また、天吊等のエアコンの屋根裏配管の断熱材巻きの作業など、あるいは農作業、園芸等の狭く手先が入りにくい所においても容易に巻いてバンド先端を結束バンドヘッド12に挿入して結束ができる。
さらに、結束バンドが容器より抜け落ちず、携帯にも便利である。
【符号の説明】
【0032】
1、1Aは容器
2はバンド受板
3は誘導板
4は保持ベルト
5、5Aは蓋
6、6Aはバンド挿入孔
7、7Aはベルトホルダー
8、8Aは留具
9は係合部
10はバンド受板先端
11はバンド部
12は結束バンドヘッド
13は係着部
14は係着部
13aは面ファスナーループ側
14aは面ファスナーフック側
15は磁石

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に着脱自在にした蓋裏側のバンド挿入孔の前記蓋周縁側にバンド受板を一ヶ所以上を設ける。前記バンド受板に保持ベルトを一ヶ所以上設けて、結束バンド、及び他の板を拘持した状態で支持することを特徴とするバンド受板付結束バンド容器。
【請求項2】
前記バンド受板の端側と前記蓋の裏側に着脱できる係着部を設けて、前記蓋と前記バンド受板を着脱自在にできることを特徴とする請求項1記載のバンド受板付結束バンド容器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2013−71758(P2013−71758A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212759(P2011−212759)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(500268270)
【Fターム(参考)】