説明

バージ船、ROモジュールの組み立てシステム、ROモジュールの組み立て方法

【課題】バージ船、ROモジュールの組み立てシステム、ROモジュールの組み立て方法を提供する。
【解決手段】ROモジュール10を構成する複数のROユニット12を一の港湾で積載するとともに、他の港湾まで曳航されるバージ船20であって、前記バージ船20(甲板22)上を移動可能とされ、前記他の港湾において前記ROユニット12を吊り上げて前記ROモジュール10を前記バージ船20(甲板22)上で組み立てる門型クレーン28を有することを特徴とする。また前記バージ船20(甲板22)上に前記複数のROユニット12を覆う内部空間54を形成するとともに、前記内部空間54の温度調整が可能な幌52が設けられたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海水淡水化用の逆浸透(Reverse Osmosis、以下ROと称す)膜を用いたROモジュールを、搬送中の負荷を回避しつつバージ船で目的地に搬出可能な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
砂漠化した地域等においては、海水の淡水化設備が設置されている。現状の淡水化設備の組み立ては、ROモジュール、架構、配管、機器等の部品を工場で製作し、これらの部品をバージ船に積載して現地へ輸送する。現場での施工は大型揚重機を用いて所定の位置にROモジュールを配置させ、配管等を接続して淡水化装置を形成する。
【0003】
ここでバージ船は、重量物などの海上輸送船としてそれ自身は推進装置を持たず、曳き船や押し舟により航行するものである。これらバージ船は、積載甲板を平坦とすることにより、任意の貨物を積載できるようにした汎用型のものや、貨物の種類に応じて積載甲板や船倉の構造を設計したものなどがある(特許文献1参照)。またこのようなバージ船に積載した積載物を輸送するとともに搬出する構成及び方法も開示されている(特許文献2参照)。
【0004】
ところで、ROモジュールは工場において複数のROユニットを互いに接続することにより形成される。そして最近の淡水化装置においてはROモジュールが大型化され、バージ船への搬入時及びバージ船からの搬出時には超大型揚重機が必要となる。また一部の淡水化設備では大型のROモジュールを一体で現場内へ搬入する工法も実施されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−27299号公報
【特許文献2】特開平7−208650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、このようなROモジュールをバージ船に搭載して海上輸送すると、ROモジュールに波による加速度や重力の方向と異なる方向からの荷重が掛かり、最悪の場合、損傷する虞がある。これを回避するためにはROモジュールを補強する仮設補強材を取り付けることが考えられるがコストがかかるといった問題がある。
【0007】
そこで本発明は上記問題点に着目し、輸送中の負荷を抑制しつつROモジュールを組み立てることが可能なバージ船、ROモジュールの組み立てシステム、ROモジュールの組み立て方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係るバージ船は、第1には、ROモジュールを構成する複数のROユニットを一の港湾で積載するとともに、他の港湾まで曳航されるバージ船であって、前記バージ船上を移動可能とされ、前記他の港湾において前記ROユニットを吊り上げて前記ROモジュールを前記バージ船上で組み立てる門型クレーンを有することを特徴とする。
【0009】
上記構成によりバージ船を輸送先の他の港湾に寄港させたのちROモジュールを組み立てることになるので、ROモジュールにかかる不要な外部力を回避しつつ輸送先に搬出することが可能なバージ船となる。
【0010】
第2には、前記バージ船上に前記複数のROユニットを覆う内部空間を形成するとともに、前記内部空間の温度調整が可能な幌が設けられたことを特徴とする。
上記構成により、ROユニットの適正温度を維持した状態で輸送できるのでROユニットの性能の劣化を抑制することが可能なバージ船となる。
【0011】
第3には、前記複数のROユニットは、前記バージ船上において前記ROユニットを組み立てる順に並べられ、前記門型クレーンの高さ及び前記幌の高さは、前記バージ船の曳航時において前記ROモジュールの組み立て時より低くなるようにそれぞれ調整が可能とされ、前記幌は、前記ROモジュールの組み立て時に前記ROユニットを並べた方向に移動可能且つ伸縮自在とされ、前記ROモジュールの組み立てに対応して移動若しくは折り畳むことにより前記複数のROモジュールを前記内部空間から順次露出可能とすることを特徴とする。
【0012】
上記構成により、輸送中において幌が形成する内部空間の容積を小さくすることにより温度調整を行う容積を小さくし、温度調整に用いる電力を削減することができる。またROモジュールの組み立て時においても、バージ船から搬出直前のROモジュール及び組み立てられる前のROユニットの温度調整を行い、搬出するROモジュールのみを外部に露出することになる。よってROモジュールの性能の劣化を高精度に抑制することができるとともに、幌がバージ船を覆う面積をROモジュールの搬出とともに小さくすることができるので、温度調整に用いる電力をROモジュールの組み立て及び搬出時においても削減することが可能なバージ船となる。
【0013】
また、本発明のROモジュールの組み立てシステムは、第1には、ROモジュールを構成する複数のROユニットと、前記複数のROユニットを一の港湾で積載するとともに、他の港湾まで曳航されるバージ船と、前記バージ船上を移動可能とされ、前記他の港湾において前記ROユニットを吊り上げて前記ROモジュールを前記バージ船上で組み立てる門型クレーンと、を有することを特徴とする。
【0014】
上記構成により、バージ船を輸送先の他の港湾に寄港させたのちROモジュールを組み立てることになるので、ROモジュールにかかる不要な外部力を回避しつつ輸送先に搬出することが可能なROモジュールの組み立てシステムとなる。
【0015】
第2には、前記バージ船上に前記複数のROユニットを覆う内部空間を形成するとともに、前記内部空間の温度調整が可能な幌が設けられたことを特徴とする。
上記構成により、ROユニットの適正温度を維持した状態で輸送できるのでROユニットの性能の劣化を抑制することが可能なROモジュールの組み立てシステムとなる。
【0016】
第3には、前記複数のROユニットは、前記バージ船上において前記ROユニットを組み立てる順に並べられ、前記門型クレーンの高さ及び前記幌の高さは、前記バージ船の曳航時において前記ROモジュールの組み立て時より低くなるようにそれぞれ調整が可能とされ、前記幌は、前記ROモジュールの組み立て時に前記ROユニットを並べた方向に移動可能且つ伸縮自在とされ、前記ROモジュールの組み立てに対応して移動若しくは折り畳むことにより前記複数のROモジュールを前記内部空間から順次露出可能とすることを特徴とする。
【0017】
上記構成により、輸送中において幌が形成する内部空間の容積を小さくすることにより温度調整を行う容積を小さくし、温度調整に用いる電力を削減することができる。またROモジュールの組み立て時においても、バージ船から搬出直前のROモジュール及び組み立てられる前のROユニットの温度調整を行い、搬出するROモジュールのみを外部に露出することになる。よってROモジュールの性能の劣化を高精度に抑制することができるとともに、幌が形成する内部空間の容積をROモジュールの搬出とともに小さくすることができるので、温度調整に用いる電力をROモジュールの組み立て及び搬出時においても削減することが可能なROモジュールの組み立てシステムとなる。
【0018】
第4には、前記バージ船は、前記門型クレーンの前記ROモジュールの組み立てに伴い進行する方向に複数段連結されるとともに、連結された複数のバージ船のうち、前記ROモジュールを搬出済みのバージ船を次段のバージ船から分離可能とされ、前記門型クレーン及び前記幌は、前記ROモジュールを搬出済みのバージ船から次段のバージ船に移動可能としたことを特徴とする。
上記構成により、ROモジュールの組み立てるバージ船を接岸させることができるので、ROモジュールの搬出を効率よく行なうことができる。
【0019】
第5には、前記バージ船上と前記バージ船の接岸先との間を行き来可能とされ、前記ROモジュールを前記バージ船から搬出する搬送台車を有することを特徴とする。
上記構成により、淡水化設備の設置先に効率よくROモジュールを搬送することができる。
【0020】
さらに、本発明に係るROモジュールの組み立て方法は、第1には複数のROユニットを用いてROモジュールを組み立てるROモジュールの組み立て方法であって、一の港湾に接岸され前記ROユニットを吊り上げる門型クレーンを搭載したバージ船に前記複数のROユニットを積載し、前記バージ船を他の港湾まで曳航し、前記門型クレーンにより前記ROユニットを吊り上げて前記ROモジュールを前記バージ船上で組み立てることを特徴とする。
【0021】
上記方法により、バージ船を輸送先の他の港湾に寄港させたのちROモジュールを組み立てることになるので、ROモジュールにかかる不要な外部力を回避しつつ輸送先に搬出することができる。
【0022】
第2には、前記バージ船上に積載された前記複数のROユニットを前記バージ船上に設けられた幌で覆うとともに、前記幌により形成され前記複数のROユニットを包含する内部空間の温度調整を行うことを特徴とする。
上記方法により、ROユニットの適正温度を維持した状態で輸送できるのでROユニットの性能の劣化を抑制することができる。
【0023】
第3には、前記バージ船上において前記複数のROユニットを、前記ROモジュールを組み立てる順に並べ、前記バージ船の曳航時において前記門型クレーンの高さ及び前記幌の高さを、前記ROモジュールの組み立て時より低くなるようにそれぞれ調整し、前記幌を、前記ROユニットを並べた方向に移動可能且つ伸縮自在に形成し、前記ROモジュールの組み立てに対応して前記幌を移動若しくは折り畳むことにより前記複数のROモジュールを前記内部空間から順次露出させることを特徴とする。
【0024】
上記方法により、輸送中において幌が形成する内部空間の容積を小さくすることにより温度調整を行う容積を小さくし、温度調整に用いる電力を削減することができる。またROモジュールの組み立て時においても、バージ船から搬出直前のROモジュール及び組み立てられる前のROユニットの温度調整を行い、搬出するROモジュールのみを外部に露出することになる。よってROモジュールの性能の劣化を高精度に抑制することができるとともに、幌がバージ船を覆う面積をROモジュールの搬出とともに小さくすることができるので、温度調整に用いる電力をROモジュールの組み立て及び搬出時においても削減することができる。
【0025】
第4には、前記バージ船を、前記門型クレーンの前記ROモジュールの組み立てに伴い進行する方向に複数段連結させ、前記門型クレーン及び前記幌を次段のバージ船上に移動させたのち、前記ROモジュールを搬出済みのバージ船を前記次段のバージ船から分離することを特徴とする。
上記方法により、ROモジュールの組み立てるバージ船を接岸させることができるので、ROモジュールの搬出を効率よく行なうことができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係るバージ船、ROモジュールの組み立てシステム、ROモジュールの組み立て方法によれば、ROモジュールに負荷を掛けることなく、かつ輸送コストを削減してROモジュールを組み立てて搬出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施形態のバージ船の模式図を示し、図1(a)は最初に接岸先に接岸させたバージ船においてROモジュールを組み立てる模式図、図1(b)は次段のバージ船においてROモジュールを組み立てる模式図、図1(c)はバージ船の搬送時の模式図である。
【図2】本実施形態のROユニット及びROモジュールの模式図を示し、図2(a)はROユニット、図2(b)はROモジュールの模式図である。
【図3】本実施形態の門型クレーンの模式図を示し、図3(a)は正面図、図3(b)は側面図である。
【図4】本実施形態の幌を伸縮させた場合の模式図を示し図4(a)は畳んだ状態、図4(b)は伸ばした状態を示す。
【図5】本実施形態の幌の高さを変えた場合の模式図を示し、図5(a)は低くした場合、図5(b)は高くした場合を示す。
【図6】本実施形態におけるROモジュールの搬出の際の模式図を示す。
【図7】本実施形態のROモジュールの組み立て手順のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0029】
図1に本実施形態のバージ船20の模式図を示し、図1(a)は最初に接岸先に接岸させたバージ船においてROモジュールを組み立てる模式図、図1(b)は次段のバージ船においてROモジュールを組み立てる模式図、図1(c)はバージ船の搬送時の模式図である。本実施形態に係るバージ船20は、ROモジュール10を構成する複数のROユニット12を一の港湾で積載するとともに、他の港湾まで曳航されるバージ船20であって、前記バージ船20(甲板22)上を移動可能とされ、前記他の港湾において前記ROユニット12を吊り上げて前記ROモジュール10を前記バージ船20(甲板22)上で組み立てる門型クレーン28を有するものである。また、前記バージ船20(甲板22)上に前記複数のROユニット12を覆う内部空間54を形成するとともに、前記内部空間54の温度調整が可能な幌52が設けられたものである。
【0030】
さらに、前記複数のROユニット12は、前記バージ船20(甲板22)上において前記ROユニット10を組み立てる順に並べられ、前記門型クレーン28の高さ及び前記幌52の高さは、前記バージ船20の曳航時において前記ROモジュール10の組み立て時より低くなるようにそれぞれ調整が可能とされ、前記幌52は、前記ROモジュール10の組み立て時に前記ROユニット12を並べた方向に移動可能且つ伸縮自在とされ、前記ROモジュール10の組み立てに対応して移動若しくは折り畳むことにより前記複数のROモジュールを前記内部空間54から順次露出可能とするものである。
【0031】
よって上述のバージ船20を包含するROモジュールの組み立てシステムは、ROモジュール10を構成する複数のROユニット12と、前記複数のROユニット12を一の港湾で積載するとともに、他の港湾まで曳航されるバージ船20と、前記バージ船20(甲板22)上を移動可能とされ、前記他の港湾において前記ROユニット12を吊り上げて前記ROモジュール10を前記バージ船20(甲板22)上で組み立てる門型クレーン28と、を有するものである。また前記バージ船20(甲板22)上に前記複数のROユニット12を覆う内部空間を54形成するとともに、前記内部空間54の温度調整が可能な幌52が設けられたものである。
【0032】
さらに、前記複数のROユニット12は、前記バージ船20(甲板22)上において前記ROユニット12を組み立てる順に並べられ、前記門型クレーン28の高さ及び前記幌52の高さは、前記バージ船20の曳航時において前記ROモジュール10の組み立て時より低くなるようにそれぞれ調整が可能とされ、前記幌52は、前記ROモジュール10の組み立て時に前記ROユニット12を並べた方向に移動可能且つ伸縮自在とされ、前記ROモジュール10の組み立てに対応して移動若しくは折り畳むことにより前記複数のROモジュール10を前記内部空間54から順次露出可能とするものである。
【0033】
そして、前記バージ船20は、前記門型クレーン28の前記ROモジュール10の組み立てに伴い進行する方向に複数段連結されるとともに、連結された複数のバージ船20のうち、前記ROモジュール10を搬出済みのバージ船20を次段のバージ船20から分離可能とされ、前記門型クレーン28及び前記幌52は、前記ROモジュール10を搬出済みのバージ船20から次段のバージ船20に移動可能とするものである。
【0034】
図2に本実施形態のROユニット及びROモジュールの模式図を示し、図2(a)はROユニット、図2(b)はROモジュールの模式図である。ROモジュール10を構成するROユニット12は、水を通す一方、塩化ナトリウムやイオン、塩類など水以外の不純物を透過しない性質を有する逆浸透膜であり、その孔の大きさは1〜2nm程度である。ROユニット12は、逆浸透膜のセル(不図示)を内蔵し、セル(不図示)に被濾過水を導入する導入口(不図示)、セル(不図示)からの濾過水を出力する出力口(不図示)、セル(不図示)からの濃縮水を排出する排出口(不図示)を有する筐体14をフレーム16に固定したものであり、さらに導入口(不図示)、出力口(不図示)、排出口(不図示)には配管(不図示)が接続されている。
【0035】
ROモジュール10は、ROユニット12をアレイ状に組み立てたものである。本実施形態においては16個のROユニット12を4行4列のアレイ状に積み上げてROモジュール10を形成している。ROモジュール10においては、各ROユニット12の導入口(不図示)から延びた配管(不図示)ごと、出力口(不図示)から延びた配管(不図示)ごと、排出口(不図示)から延びた配管(不図示)ごとに互いに並列になるように分岐管(不図示)に溶接またはクランプ(フランジ接続)で接続し、隣り合うフレーム16同士を溶接等により接続することにより形成される。
【0036】
図1に示すように、バージ船20は、それ自体は動力を有さず、貨物(ROユニット12等)を積載した状態で船舶18等により曳航される船である。バージ船20は甲板22が平坦に形成されるとともに甲板22上にROユニット12が載置され、そしてROモジュール10が組み立てられる。また作業効率を向上させるため、ROユニット12は組み立てられる順に並べられている。
【0037】
さらにバージ船20は、進行方向(Y方向)に向かって複数段接続され、輸送中はロープなどで隣同士のバージ船20を接続する。そして各バージ船20の甲板22には後述の門型クレーン28を構成する車輪36が走行するレール24(図1(a)、図1(b))、幌52を構成する車輪60が走行するレール26(図1では記載を省略、図3、図4参照)がそれぞれ敷設されている。レール24、26は、それぞれ各バージ船20のX方向の両端においてY方向に延びて敷設されている。この場合幌52に用いられるレール26の内側に門型クレーン28に用いられるレール24が敷設される。そして、ROモジュール10の組み立て時には隣り合うバージ船20同士を直接接触させ、各バージ船20のレール24、26の端部を隣のバージ船20のレール24、26の端部にそれぞれ連結させ、多段に連結された複数のバージ船20(甲板22)上でレール24、26をそれぞれY方向に一直線に連結させる。これにより門型クレーン28及び幌52は他段階に接続されたバージ船20を跨いでY方向に移動することができる。
【0038】
図3に本実施形態の門型クレーンの模式図を示し、図3(a)は正面図、図3(b)は側面図である。門型クレーン28は、ROユニット12を吊り上げてROモジュール10を組み立てるものである。門型クレーン28は、Y方向からみてレール24の幅と同一の間隔で配置され、下端に車輪36を有し、高さ調整が可能な2つの脚部30と、2つの脚部30を連結し水平方向(X方向)に伸びたビーム部48と、ビーム部48に接続されるとともに長手方向(X方向)にスライド可能とされROユニット12を吊り上げ可能なクレーン部50とを有する。ここで、脚部30及びビーム部48との間は、クレーン部50がROユニット12を持ち上げても充分耐えうる剛性を獲得しているものとする。またビーム部48の長さ(レール24の幅)は、バージ船20のX軸方向の幅よりやや小さい程度の寸法を有し、門型クレーン28のY方向の移動に際し、積載されたROユニット12に干渉しないものとする。
【0039】
脚部30は、上部を構成する支柱32と、下部を構成し脚部30の高さ方向の調整を行う上下調整機構34が設けられている。上下調整機構34は、下端に車輪36を有し上端が開口した中空の角柱(円柱でも良い)構造を有し、鉛直方向(Z方向)に長手方向を向けY軸方向に並べられた2つの下部部材38と、Y方向に長手方向を有し2つの下部部材38を連結する第1の連結部材40と、下部部材38の開口に倣った形状の断面を有し下部部材38にそれぞれ挿入可能な2つの上部部材42と、Y方向に長手方向を有し上部部材42とを連結するとともに支柱32を支持する第2の連結部材44と、第1の連結部材に固定され第2の連結部材44を持ち上げるジャッキ46とを有する。よってジャッキ46の繰り出し量を調整することにより第2の連結部材44、及びこれに接続する上部部材42、支柱32の高さ位置を調整することができる。
【0040】
また下部部材38にはボルト孔38aが複数設けられ、上部部材42にも下部部材38との相対位置の変化に対応し、下部部材38のボルト孔38aに連通可能な高さ方向に並んだ複数のボルト孔(不図示)を有する。よってジャッキ46により高さ調整を行ったのちボルト孔38aにボルト(不図示)を挿入してボルト締めを行なうことにより、門型クレーン28の高さ方向(Z方向)の調整が可能であるとともに高さ位置が固定される。門型クレーン28の高さは、輸送時及び組み立て時いずれの場合においても後述の幌52のより低くなるように調整される。ROユニット12の輸送時にはROユニット12と同程度の高さとなるように上下調整機構34を用いて低くする。またROモジュール10の組み立て時にはクレーン部50の下端がROモジュールの上端(後述の台座の高さを含む)より高くなるように上下調整機構34を用いて高くする。
【0041】
また車輪36はレール24上を走行できるように配置されている。これにより門型クレーン28全体はレール24に沿ってY方向に移動させることができる。また上下調整機構34において下部部材38がY方向に一定の間隔を有して固定されるため門型クレーン28のY方向の安定性を向上させることができる。
【0042】
図4に本実施形態の幌を伸縮させた場合の模式図を示し、図4(a)は伸ばした状態、図4(b)は畳んだ状態を示す。また図5に本実施形態の幌の高さを変えた場合の模式図を示し、図5(a)は低くした場合、図5(b)は高くした場合を示す。
【0043】
幌52はバージ船20上に搭載され、Z方向に伸縮自在な蛇腹構造を有するものであり、バージ船20に積載したROユニット12及びROモジュール10を包含する内部空間54を形成するものである。幌52はY方向から見てレール26の幅と同一の幅の逆U字型の形状を有しY方向に並んで配置された複数のフレーム56と、不織布等で形成されるとともに複数のフレーム56全体を覆う態様で各フレーム56に接続して内部空間54を形成し、Y方向に伸縮自在な蛇腹構造を有する幌布58を有する。またフレーム56の下端には車輪60が設けられ、レール26上を走行することができる。またレール26はレール24と同様に多段に接続されたバージ船20(甲板22)上に一直線に接続されるので、幌52はレール26を通じて多段に接続されたバージ船20を跨いで移動することができる。
【0044】
そして、Y方向に長手方向を有するとともに長手方向に伸縮自在なテレスコープ構造を有する横棒62がフレーム56に取り付けられている。横棒62の両端はY方向の両端のフレーム56の所定に高さ位置に固定されている。一方、Y方向の両端のフレーム56以外のフレーム56には所定の高さ位置に横棒62を挿通するリング(不図示)が取り付けられ、これらのフレーム56はリング(不図示)に挿通した横棒62によりY方向の支持がなされる。さらに横棒62はフレーム56の二つの高さ位置において上述の固定方法で固定されている。これによりフレーム56はY方向の安定性が向上するとともにフレーム56及び幌布58をY方向に折り畳むと同時に横棒62も縮めることができる。
【0045】
また、例えば各フレーム56の高さ方向から2段目の3段目の横棒62に挟まれた部分は、上述の横棒62同様に高さ方向(Z方向)に伸縮自在なテレスコープ構造(不図示)を有している。よって複数のフレーム56の間隔及び幌布58をY方向に伸ばし切ったときに、図5(a)に示すように幌布58を高さ方向に容易に折り畳むことができ、これにより幌52全体を低くすることができる。なお上述のテレスコープ構造により各フレーム56の高さ方向の強度が不足する場合は、ROモジュール10の組み立て時にY方向に所定の間隔で2つの横棒62の間に支持棒(不図示)を介装して横棒62同士を連結固定してもよい。
【0046】
また幌52の内部には空調器(不図示)が設けられ、幌52が形成する内部空間54を一定の温度に保つことができる。なお空調器(不図示)は幌52に取り付けられ、幌52の移動とともに移動可能とする。本実施形形態において幌52のY方向の長さは、一のバージ船20のY方向の長さ程度の寸法を有すれば十分である。そして他のバージ船20には、例えばバージ船20全体または積載したROユニット12全体を覆うシート(不図示)を被せ、幌52が形成する内部空間54とシート(不図示)が形成する内部空間55とを接続するフレキシブルダクト(不図示)を設けることにより幌52のないバージ船20に積載されたROユニット12の温度調整を行うことができる。なおROユニット12は輸送時及び組み立て時において40度を超えないように温度調整をすることが望ましい。これにより膜素材の高分子繊維の物理化学的変化を抑制し、ROユニット12の性能の劣化を抑制することができる。
【0047】
このように、バージ船20を輸送先の他の港湾に寄港させたのちROモジュール10を組み立てることになるので、ROモジュール10に対する負荷を回避しつつ輸送先に搬出することが可能となる。また、ROユニット12の適正温度を維持した状態で輸送できるのでROユニット12の性能の劣化を抑制することが可能となる。
【0048】
図6に本実施形態におけるROモジュールの搬出の際の模式図を示す。ROモジュール10の組み立ては、甲板22上に配置され平面視してROモジュール10の下面と同程度の寸法を有する台座(不図示)上で行なわれる。台座(不図示)は、台座(不図示)とともにROモジュール10を持ち上げるジャッキ(不図示)を挿入可能な第1の隙間(不図示)と、ジャッキアップすることにより搬送台車64を入れ込むことが可能な第2の隙間(不図示)を有している。
【0049】
搬送台車64は、バージ船上(甲板22上)とバージ船20の接岸先との間を行き来可能(自走可能)とされ、ROモジュール10をバージ船20から搬出するものである。またバージ船20と接岸先とは搬送台車64が渡ることが可能なブリッジ(不図示)が掛けられる。よってROモジュール10を台座(不図示)上で組み立てたのち、ジャッキ(不図示)を第1の隙間(不図示)に挿入して台座(不図示)とともにROモジュール10をジャッキアップし、新たに形成された第2の隙間(不図示)に搬送台車64を入れ込み、ジャッキ(不図示)をはずして搬送台車64上に台座(不図示)とROモジュール10を載せ、ブリッジ(不図示)を介して接岸先にROモジュール10を搬出することができる。なお、接岸先の港湾には搬送台車64による搬送を容易にするため、搬送台車64が走行する搬送台車用軌道66を設けてもよい。
【0050】
図7に本実施形態のROモジュールの組み立て手順のフロー図を示す。本実施形態のROモジュールの組み立て手順について説明する。本実施形態のROモジュールの組み立て方法は、複数のROユニット12を用いてROモジュール10を組み立てるROモジュール10の組み立て方法であって、一の港湾に接岸され前記ROユニット12を吊り上げる門型クレーン28を搭載したバージ船20に前記複数のROユニット12を積載し、前記バージ船20を他の港湾まで曳航し、前記門型クレーン28により前記ROユニット12を吊り上げて前記ROモジュール10を前記バージ船20上で組み立てるものである。また、前記バージ船20上に積載された前記複数のROユニット12を前記バージ船20上に設けられた幌52で覆うとともに、前記幌52により形成され前記複数のROユニット12を包含する内部空間54の温度調整を行うものである。
【0051】
さらに、前記バージ船20上において前記複数のROユニット12を、前記ROモジュール10を組み立てる順に並べ、前記バージ船20の曳航時において前記門型クレーン28の高さ及び前記幌52の高さを、前記ROモジュール10の組み立て時より低くなるようにそれぞれ調整し、前記幌52を、前記ROユニット12を並べた方向に移動可能且つ伸縮自在に形成し、前記ROモジュール10の組み立てに対応して前記幌52を移動若しくは折り畳むことにより前記複数のROモジュール10を前記内部空間54から順次露出させるものである。
【0052】
そして、前記バージ船20を、前記門型クレーン28の前記ROモジュール10の組み立てに伴い進行する方向に複数段連結させ、前記門型クレーン28及び前記幌52を次段のバージ船20上に移動させたのち、前記ROモジュール10を搬出済みのバージ船20を前記次段のバージ船20から分離するものである。
【0053】
まず工場にてROユニット12を製造する。そしてROユニット12を港湾に輸送してバージ船20に積載し、積載したROユニット20を幌52で覆い温度調整を行う。このとき幌52のないバージ船20上のROユニット12には、例えばバージ船20全体を覆うシート(不図示)を被せ、幌52が形成する内部空間54とシート(不図示)が形成する内部空間55とをフレキシブルダクト(不図示)で接続する。また幌52は幌52が形成する内部空間54を小さくするために高さ方向に畳みこみ、門型クレーン28は畳み込まれた幌52に干渉しないように高さ方向に畳み込む。そして、この状態でバージ船20をロープ等で一列に接続し、船舶18によりバージ船20を曳航して輸送先の港湾(設置現場付近の港湾)まで海上輸送する。このように、輸送中において幌52が形成する内部空間54の容積を小さくすることにより温度調整を行う容積を小さくし、温度調整に用いる電力を削減することができる。
【0054】
次に、輸送先の港湾に到着すると、バージ船20を曳航してきた船舶18若しくは他の船舶を用いてバージ船20を接岸方向に押し、幌52および門型クレーン28を載せたバージ船20を接岸先に接岸させる。そして隣あったバージ船20同士を当接させるとともに、バージ船20ごとに設けられたレール24、26を一直線に接続する。一方、幌52及び門型クレーン28を、ROモジュール10を組み立てるための高さ位置にまで高くし、接岸したバージ船20上のROユニット12を門型クレーン28で吊り上げ、甲板22上に載置された台座(不図示)上でROモジュール10を(内部空間内54で)組み立てる。
【0055】
ROモジュール10を組み立てたのち、幌52をY方向(沖合い側)に収縮させROモジュール10を内部空間54から露出させる。そして台座(不図示)にジャッキ(不図示)を挿入して台座(不図示)とともにROモジュール10を持ち上げ、台座(不図示)の下に搬送台車64を入れ込む。ジャッキ(不図示)を台座(不図示)から外してROモジュール10を台座(不図示)とともに搬送台車64にのせ、接岸先とバージ船20との間に掛けたブリッジ(不図示)を通じてROモジュール10を搬出し、接岸先にある淡水化施設の設置先に移動させる。このような搬送台車64を用いることにより、淡水化設備の設置先に効率よくROモジュール10を搬送することができる。
【0056】
次にROユニット12が空となったバージ船20から幌52および門型クレーン28を、それぞれレール26、24を介して次段のバージ船20に移動させ、ROユニット12が空になったバージ船20を接岸先から撤去し、次段のバージ船20を接岸させる。これにより、ROモジュール10の組み立てるバージ船20を接岸させることができるので、ROモジュール10の搬出を効率よく行なうことができる。
【0057】
そして、次段のバージ船20を覆うシート(不図示)を撤去するとともに幌52をY方向に再び広げ、次段のバージ船20上のROユニット12及び門型クレーン28を覆う内部空間54を再び形成する。または幌52はY方向にいっぺんに広げず、ROモジュール10の組み立てに伴いシート(不図示)を徐々に剥がし、これに対応して幌52をY方向に徐々に広げる、若しくはシート(不図示)を剥がす方向に移動させてもよい。そして次段のバージ船20においてROモジュール10の組み立て及び搬出を行い。以後最後段のバージ船20の組み立て及び搬出が完了するまで繰り返す。
【0058】
よって、ROモジュール10の組み立て時においても、バージ船20から搬出直前のROモジュール10及び組み立てられる前のROユニット12の温度調整を行い、搬出するROモジュール10のみを外部に露出することになる。よってROモジュール10の性能の劣化を高精度に抑制することができるとともに、幌52が形成する内部空間54の容積(シートが形成する内部空間を含む)をROモジュール1の搬出とともに小さくすることができるので、温度調整に用いる電力をROモジュール10の組み立て及び搬出時においても削減することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
低コストでROモジュールに負荷をかけることなく、輸送先にROモジュールを輸送することが可能なバージ船、ROモジュールの組み立てシステム、ROモジュールの組み立て方法として利用できる。
【符号の説明】
【0060】
10………ROモジュール、12………ROユニット、14………筐体、16………フレーム、18………船舶20………バージ船、22………甲板、24………レール、26………レール、28………門型クレーン、30………脚部、32………支柱、34………上下調整機構、36………車輪、38………下部部材、38a………ボルト孔、40………第1の連結部材、42………上部部材、44………第2の連結部材、46………ジャッキ、48………ビーム部、50………クレーン部、52………幌、54………内部空間、55………内部空間、56………フレーム、58………幌布、60………車輪、62………横棒、64………搬送台車、66………搬送台車用軌道。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ROモジュールを構成する複数のROユニットを一の港湾で積載するとともに、他の港湾まで曳航されるバージ船であって、
前記バージ船上を移動可能とされ、前記他の港湾において前記ROユニットを吊り上げて前記ROモジュールを前記バージ船上で組み立てる門型クレーンを有することを特徴とするバージ船。
【請求項2】
前記バージ船上に前記複数のROユニットを覆う内部空間を形成するとともに、前記内部空間の温度調整が可能な幌が設けられたことを特徴とする請求項1に記載のバージ船。
【請求項3】
前記複数のROユニットは、前記バージ船上において前記ROユニットを組み立てる順に並べられ、前記門型クレーンの高さ及び前記幌の高さは、前記バージ船の曳航時において前記ROモジュールの組み立て時より低くなるようにそれぞれ調整が可能とされ、前記幌は、前記ROモジュールの組み立て時に前記ROユニットを並べた方向に移動可能且つ伸縮自在とされ、前記ROモジュールの組み立てに対応して移動若しくは折り畳むことにより前記複数のROモジュールを前記内部空間から順次露出可能とすることを特徴とする請求項2に記載のバージ船。
【請求項4】
ROモジュールを構成する複数のROユニットと、
前記複数のROユニットを一の港湾で積載するとともに、他の港湾まで曳航されるバージ船と、
前記バージ船上を移動可能とされ、前記他の港湾において前記ROユニットを吊り上げて前記ROモジュールを前記バージ船上で組み立てる門型クレーンと、を有することを特徴とするROモジュールの組み立てシステム。
【請求項5】
前記バージ船上に前記複数のROユニットを覆う内部空間を形成するとともに、前記内部空間の温度調整が可能な幌が設けられたことを特徴とする請求項4に記載のROモジュールの組み立てシステム。
【請求項6】
前記複数のROユニットは、前記バージ船上において前記ROユニットを組み立てる順に並べられ、
前記門型クレーンの高さ及び前記幌の高さは、前記バージ船の曳航時において前記ROモジュールの組み立て時より低くなるようにそれぞれ調整が可能とされ、
前記幌は、前記ROモジュールの組み立て時に前記ROユニットを並べた方向に移動可能且つ伸縮自在とされ、前記ROモジュールの組み立てに対応して移動若しくは折り畳むことにより前記複数のROモジュールを前記内部空間から順次露出可能とすることを特徴とする請求項5に記載のROモジュールの組み立てシステム。
【請求項7】
前記バージ船は、前記門型クレーンの前記ROモジュールの組み立てに伴い進行する方向に複数段連結されるとともに、連結された複数のバージ船のうち、前記ROモジュールを搬出済みのバージ船を次段のバージ船から分離可能とされ、
前記門型クレーン及び前記幌は、前記ROモジュールを搬出済みのバージ船から次段のバージ船に移動可能としたことを特徴とする請求項6に記載のROモジュールの組み立てシステム。
【請求項8】
前記バージ船上と前記バージ船の接岸先との間を行き来可能とされ、前記ROモジュールを前記バージ船から搬出する搬送台車を有することを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載のROモジュールの組み立てシステム。
【請求項9】
複数のROユニットを用いてROモジュールを組み立てるROモジュールの組み立て方法であって、
一の港湾に接岸され前記ROユニットを吊り上げる門型クレーンを搭載したバージ船に前記複数のROユニットを積載し、前記バージ船を他の港湾まで曳航し、前記門型クレーンにより前記ROユニットを吊り上げて前記ROモジュールを前記バージ船上で組み立てることを特徴とするROモジュールの組み立て方法。
【請求項10】
前記バージ船上に積載された前記複数のROユニットを前記バージ船上に設けられた幌で覆うとともに、前記幌により形成され前記複数のROユニットを包含する内部空間の温度調整を行うことを特徴とする請求項9に記載のROモジュールの組み立て方法。
【請求項11】
前記バージ船上において前記複数のROユニットを、前記ROモジュールを組み立てる順に並べ、
前記バージ船の曳航時において前記門型クレーンの高さ及び前記幌の高さを、前記ROモジュールの組み立て時より低くなるようにそれぞれ調整し、
前記幌を、前記ROユニットを並べた方向に移動可能且つ伸縮自在に形成し、
前記ROモジュールの組み立てに対応して前記幌を移動若しくは折り畳むことにより前記複数のROモジュールを前記内部空間から順次露出させることを特徴とする請求項10に記載のROモジュールの組み立て方法。
【請求項12】
前記バージ船を、前記門型クレーンの前記ROモジュールの組み立てに伴い進行する方向に複数段連結させ、
前記門型クレーン及び前記幌を次段のバージ船上に移動させたのち、前記ROモジュールを搬出済みのバージ船を前記次段のバージ船から分離することを特徴とする請求項11に記載のROモジュールの組み立て方法。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図1】
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【図2】
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【図6】
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