バースト復調器
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばオフセットQPSK変調されたバースト信号を受信復調するバースト復調器に関し、特に、無変調信号(CW信号)及びビットタイミングリカバリ信号(BTR信号)から構成されるプリアンブル信号を受信して搬送波再生及びビットタイミング再生を実行するバースト復調器に関する。
【0002】
【従来の技術】オフセットQPSK変調されたバースト信号を送信する際には、例えば、CW信号及びBTR信号を含むプリアンブル信号を送信すべきバースト信号に付加する。受信側では、バースト信号の到来をプリアンブル信号、特にCW信号の到来として検出し(バースト検出)、このCW信号から搬送波を再生する。搬送波が再生されると、受信側の直交検波器等において使用する局部発振周波数が再生結果に応じて補正される。受信側では、さらに、BTR信号の到来タイミング(BTR位置)を検出し、送信側クロックに対する受信側クロック(直交検波器の出力をA/D変換するためのクロック)のタイミングのずれを補償する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これら搬送周波数オフセット推定やクロックタイミング推定に関する処理は、プリアンブル信号を受信している間の短い時間で終了させなければならない。搬送周波数オフセットをプリアンブル期間で終了させるためには、数十乃至数百の周波数点についてDFT(離散フーリエ変換)等によりパワーを求める処理を行わねばならず、大規模なハードウエアが必要となる。また、クロックタイミング推定をプリアンブル期間で終了させるためには、シンボルレートの十数倍の速度での高速サンプリングを行わねばならず、消費電力の増大や回路構成の困難化を招いていた。
【0004】本発明は、このような問題点を解決することを課題としてなされたものであり、パワーを検出する周波数点を更新していくことにより、数十乃至数百の周波数点についてパワーを求めることなく搬送周波数オフセットを推定可能にし、ひいてはハードウエア規模を縮小することを目的とする。本発明は、また、BTR信号の仕様に着目して粗推定及びしきい値判定を実行することにより、高速サンプリングを行うことなくクロックタイミングを推定可能にし、ひいては消費電力の低減等を実現することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成するために、本発明のクロックタイミングずれ時間推定方法は、バースト送信された位相変調信号にプリアンブル信号として付加されておりその値が所定の規則に従い送信側クロックに同期して交番的に変化するBTR信号の到来を検出するステップと、受信側クロックに同期したタイミングにて、1シンボル間隔におけるBTR信号値の変化を示す複数のパワー指標値及び当該複数のパワー指標値の大小関係を示す大小関係指標値を求めるステップと、BTR信号の値が変化するタイミングを上記パワー指標値同士の比較により粗推定するステップと、送信側クロックに対する受信側クロックのずれを、粗推定により得られたタイミング及び上記大小関係指標値に基づき求めるステップと、を有することを特徴とする。
【0006】また、本発明のバースト復調器は、プリアンブル信号としてCW信号及びこれに続くBTR信号を含みバースト送信される位相変調信号を、受信復調するバースト復調器において、ローカル信号を用いて受信信号を直交検波する手段と、受信側クロックをサンプリングクロックとして使用しながら、直交検波された受信信号をサンプリングし復調データとして出力する手段と、搬送波が採り得る周波数が属する周波数範囲を分割して得られる複数の帯域それぞれについて信号パワーを計算し、計算した信号パワーが所定条件を満たした場合にバースト信号が到来したと判定する手段と、受信信号値の挙動に基づき、検出したバースト信号がCW信号であるか否かを判定する手段と、CW信号であるとの判定に応じ、搬送波に対するローカル信号の周波数オフセットを推定し、その結果に基づき、搬送波の周波数と一致するようローカル信号の周波数を制御する手段と、本発明のクロックタイミングずれ時間推定方法を実行し、その結果に基づき、送信側クロックと一致するよう受信側クロックのタイミングを制御する手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】そして、本発明のバースト復調器は、更に、搬送波に対するローカル信号の周波数オフセットを推定しその結果に基づきローカル信号の周波数を制御する手段が、搬送波が採り得る周波数が属する周波数範囲内に初期設定されている複数の周波数点各々における信号パワーを、無変調信号の到来検出に応じ求め、求めた信号パワーが最大となる周波数点を選択し、選択した周波数点が含まれかつそれまでより狭い周波数範囲内に、信号パワーを求めるべき複数の周波数点をそれまでより狭い間隔で設定する動作を、周波数点の間隔が所定の周波数精度に相当する間隔になるまで繰り返し、この繰り返しを終えた時点で最大の信号パワーが求められた周波数点を、搬送波の周波数と判定することを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明のクロックタイミングずれ時間推定方法においては、まず、BTR信号の到来が検出される。次に、1シンボル間隔中にBTR信号の(各成分の)値がどの程度変化したかを示す複数のパワー指標値と、これら複数のパワー指標値の大小関係を示す大小関係指標値が、受信側クロックに同期したタイミングにて求められる。BTR信号は、所定の規則に従いその値が送信側クロックに同期して交番的に変化する信号であるから、当該BTR信号の値が変化するタイミングは、パワー指標値同士の比較により粗推定することができる。さらに、大小関係指標値を用いることによりBTR信号の(各成分の)値がどのような相互関係にあるかを知ることができるから、大小関係指標値に関ししきい値判定等の処理を実行し、その結果に基づき粗推定結果を補正することにより、送信側クロックに対する受信側クロックのずれをより高い精度で知ることができる。その結果得られるタイミングずれに応じて受信側クロックのタイミングを補正することにより、送信側クロックに対する受信側クロックのタイミングずれを補償することができる。また、この方法を実行するに当たって必要となるサンプリングレートは、高々、1シンボル間隔中にBTR信号の(各成分の)値がどの程度変化したかを知ることができる程度のレート、例えばシンボル速度の2倍程度で済むから、シンボル速度の十数倍といった高速サンプリングを行うことなく、クロックタイミングを推定でき、ひいては消費電力の低減等を実現できる。
【0009】本発明のバースト復調器においては、まず、受信信号が直交検波され、直交検波された受信信号がサンプリングされ、その結果が復調データとして出力される。次に、搬送波が採り得る周波数が属する周波数範囲を帯域分割して信号パワーを求める処理が実行される。求めた信号パワーが所定条件を満たした場合、例えば所定のしきい値を越えた場合、バースト信号が到来したと判定される。バースト信号到来検出後、上述の周波数オフセット推定やクロックタイミングずれ時間推定が実行され、その結果に応じてローカル信号の周波数や受信側クロックのタイミングが制御される。但し、バースト信号として検出されたのが振幅の大きなノイズであったりあるいはプリアンブル信号が欠落した変調信号であった場合に対処すべく、これら周波数オフセット推定やクロックタイミングずれ時間推定は、検出したバースト信号がCW信号である場合にのみ実行される。従って、このバースト復調器においては、上述の作用が発生する他、ノイズや変調信号がバースト信号として検出されることに伴う誤動作が好適に防止される。
【0010】そして、本発明のバースト復調器においては、周波数オフセットの推定を、好ましくは次のような方法に従い行う。まず、搬送波が採り得る周波数が属する周波数範囲内に複数の周波数点を初期設定しておく。その上で、これら複数の周波数点各々における信号パワーを無変調信号の到来検出に応じ求め、求めた信号パワーが最大となる周波数点を選択する。選択した周波数点は、他の周波数点に比べ、搬送波の周波数に近いとみなすことができる。更に、選択した周波数点が含まれかつそれまでより狭い周波数範囲内に、信号パワーを求めるべき複数の周波数点をそれまでより狭い間隔で設定する。これら、信号パワーの導出から周波数点の設定に至る動作を、周波数点の間隔が所定の周波数精度に相当する間隔になるまで繰り返す。そして、この繰り返しを終えた時点で最大の信号パワーが求められた周波数点は、搬送波の周波数であると推定できる。従って、本発明においては、搬送周波数が採り得る全ての周波数範囲について信号パワーを計算する場合に比べ、信号パワーを計算する周波数点数を少なくすることができ、ハードウエア規模を縮小できる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面に基づき説明する。
【0012】図1には、本発明の一実施例に係るバースト復調器の構成が示されている。この図に示される復調器は、バースト送信されるオフセットQPSK変調波を受信し復調する復調器である。
【0013】この図のバースト復調器は、ローカル発振器9から供給されるローカル信号を使用して入力信号を直交検波する直交検波器1を備えている。直交検波器1の出力は、アナログディジタル(A/D)変換器2によりサンプリングされ、後段の各回路に供給される。なお、各回路の入力部分に設けられている後述の遅延検波器は共用できる。サンプリングクロックは、シンボル周波数の倍の周波数を有しているから、1シンボル期間中に2個のサンプルデータが得られる。以下の説明では、そのうち最初に得られるデータをevenデータ、その次に得られるデータをoddデータと呼ぶこととする。
【0014】バースト信号が到来している場合、A/D変換器2からは、復調結果が得られる。バースト信号は、例えば、図2に示されるような構成を有している。この図においては、ユニークワード(UW)やデータの送信に先立ち、CW信号及びBTR信号から構成されるプリアンブル信号が送信されている。
【0015】A/D変換器2の出力は、図示しない回路に供給される他、ローカル信号の周波数制御やサンプリングクロックのタイミング制御のため、バースト検出部3に供給される。バースト検出部3は、図3に示されるように、それぞれ異なる周波数帯域に割り当てられたN個(N:2以上の整数)のバンドパワー計算・比較器11から構成されている。N個のバンドパワー計算・比較器11に周波数帯域を割り当てる際には、まず、直交検波器1に入力される信号の搬送波周波数がどの程度オフセットし得るかを想定し、想定した周波数オフセットの範囲をN個に帯域分割し、分割により得られた個別の周波数帯域を各バンドパワー計算・比較器11に割り当てるようにする。
【0016】各バンドパワー計算・比較器11は、図4に示されるように、複素乗算器21、移動平均加算器22、パワー計算器23及び比較器24から構成されている。複素乗算器21は、割り当てられている周波数帯域が直流近傍に周波数シフトするよう、A/D変換部2から供給される信号を複素回転させる。移動平均加算器22は、周波数シフト後の信号をMサンプル(M:2以上の整数)に亘って移動平均し、これにより高域ノイズ等を除去する。パワー計算器23は、移動平均値を二乗することにより、割り当てられている周波数帯域に存在する信号電力(バンドパワー)を求める。比較器24は、このバンドパワーを所定のしきい値と比較することにより、バンドパワーが所定値以上に大きくなった否かを判定し、判定が成立した場合にバースト検出信号を出力する。
【0017】N個設けられているバンドパワー計算・比較器11のうち少なくとも1個によりバースト検出信号が出力された場合には、バースト信号が到来したと見なす。そのため、比較器24において使用するしきい値には、予め、ノイズのみが直交検波器1に入力されている状態でのバンドパワー値に定数gを乗じた値を設定しておく。なお、通常は、変調波に先立ちCW信号が到来するためCW信号の到来によりバースト検出信号が発生するが、プリアンブル欠落時には変調波の到来によりバースト検出信号が発生する。また、バースト検出信号を出力しているバンドパワー計算・比較器11が1個しかないときにはバースト信号が到来したとは見なさない、という検出論理を付加してもよい。
【0018】図1に示されるように、バースト検出部3の後段には、CW判定部4及びバッファメモリ5が設けられている。CW判定部4は、バースト検出部3により到来が検出されたバースト信号がCW信号であるか否かを判定する。CW判定部4を設けCW信号の到来時にのみ周波数オフセット推定等を実行させることにより、変調波や大きな振幅のノイズがバースト信号として検出された場合であっても、後の処理における誤推定を防止することができる。また、バッファメモリ5は、後段の周波数オフセット推定部6が好適に処理を実行できるよう、CW判定の間例えばRシンボルに亘ってデータを記憶する(R:2以上の整数)。このバッファメモリ5を使用することにより、短時間しか継続しないプリアンブル信号到来期間を、有効活用することができる。
【0019】図5には、CW判定部4の構成が示されている。この図に示されるように、CW判定部4は遅延検波器31を有している。遅延検波器31は、A/D変換器2により得られるサンプリング結果を遅延検波し、その結果のうちevenデータのIチャネル(同相成分)遅延検波値eIを累積加算器32及びパワー計算器36に供給し、oddデータのIチャネル(同相成分)遅延検波値oIを累積加算器34及びパワー計算器36に供給する。
【0020】累積加算器32はeIをmサンプルに亘って累積加算する。累積加算器34はoIをmサンプルに亘って累積加算する。mサンプルに亘る累積加算をΣmで表すこととすると、累積加算器32により得られるのはΣmeIであり、累積加算器34により得られるのはΣmoIである。パワー計算器33はΣmeIを二乗することにより(ΣmeI)2を求め、パワー計算器35はΣmoIを二乗することにより(ΣmoI)2を求める。比較器38に対しては、両者の和(ΣmeI)2+(ΣmoI)2を示す比較器入力信号39が供給される。遅延検波値eI及びoIは、CW信号到来時には正の値に偏る傾向を見せるのに対し、変調波やノイズの到来時にはランダムに推移する傾向を見せるため、比較器入力信号39の値(ΣmeI)2+(ΣmoI)2は、CW信号到来時には大きな値となる。
【0021】一方、パワー計算器36は、1シンボル周期に亘るIチャネル値の遅延検波値のパワーeI2+oI2を求める。累積加算器37は、eI2+oI2をmサンプルに亘って累積加算し、得られた累積加算値Σm(eI2+oI2)を示す比較器入力信号40を比較器38に供給する。eI2+oI2の値は、到来した信号がCW信号であるか否かに依存しない。
【0022】従って、CW信号の到来に応じてバースト検出信号が発生した場合には、比較器入力信号40に対し比較器入力信号39が比較的大きくなり、逆に、CW信号の到来ではなく例えば変調波や振幅の大きなノイズの到来に応じてバースト検出信号が発生した場合には、比較器入力信号40の値が比較器入力信号39の値より大きくなる。そのため、比較器38では、予め定められているスケーリングファクタα,βを用いて、β・|(ΣmeI)2+(ΣmoI)2−α・Σm(eI2+oI2)|が計算され、その結果が(ΣmeI)2+(ΣmoI)2より小さければ、到来している信号がCW信号であると判定する。CW信号であると判定した場合、比較器38は、CW識別信号を出力する。
【0023】CW識別信号が出力されると、これに応じ、バッファメモリ5上のRシンボル分のデータが、図1R>1に示される周波数オフセット推定部6に入力される。周波数オフセット推定部6は、想定した周波数オフセットの範囲に亘って粗くかつ均等な周波数間隔Wにて、d個(d:2以上の整数)の周波数点(図6参照)を設定し、設定された周波数点について、入力したデータにDFT処理を施し、その結果最大のパワーが得られた周波数点F(0)を検出する。周波数オフセット推定部6は、最大パワーが得られた周波数点F(0)を中心に、DFTに係る周波数点を設定する周波数範囲を狭めた上で、同様の処理を実行する。例えば、パワーを演算済の周波数点F(0)の他、F(0)−W/2及びF(0)+W/2の2点を加えた合計3個の周波数点を設定し、設定された周波数点について、入力したデータにDFT処理を施し、その結果最大のパワーが得られた周波数点F(1)を検出する。これを、所定の周波数精度が得られるまで繰り返すことにより、最大パワーを有する周波数、すなわち周波数オフセットを精細に推定することができる。また、F(0)、F(0)−W/2及びF(0)+W/2の3点についてパワーを求めるようにしているため、ハードウエア規模を最小限にとどめることができる。なお、本発明はこのような設定点数及び間隔に限定されるものではない。周波数オフセット推定部6は、このようにして得られた周波数オフセットをローカル発振器9にフィードバックする。ローカル発振器9の発振周波数は、これに応じ、搬送波周波数と一致するよう修正される。
【0024】周波数オフセット推定部6の後段に設けられているBTR位置検出部7は、CW信号とBTR信号の境界、すなわちBTR信号の開始タイミングを検出し、これによりBTR位相推定部8の処理開始タイミングを決定する。ここではオフセットQPSKを想定しているため、BTR信号は、図7に示されるように、信号位置(I,Q)=(−1,1)と信号位置(I,Q)=(−1,−1)とを1シンボルおきに交互に採る信号とする。
【0025】図8には、BTR位置検出部7の構成が示されている。この図のBTR位置検出部7は、evenデータ及びoddデータについて遅延検波を実行する遅延検波器41を有している。遅延検波器41の遅延検波出力のうちeIは移動平均加算器42に、oIは移動平均加算器44に、それぞれ供給される。遅延検波器41の遅延検波出力のうちevenデータのQチャネル信号出力eQは移動平均加算器46に、oddデータのQチャネル信号出力oQは移動平均加算器48に、1シンボル毎に−1倍された上で、それぞれ供給される。移動平均加算器42、44、46及び48は、供給される信号をkサンプル(k:2以上の整数)に亘り移動平均し、高域等のノイズを除去する。
【0026】パワー計算器43、45、47及び49は、対応する移動平均加算器42、44、46又は48により得られる移動平均値を二乗することにより、odd,evenの別及びIチャネル、Qチャネルの別毎に、パワーを求める。後段の比較器50に入力される比較器入力信号51は、パワー計算器43による計算の結果とパワー計算器45による計算の結果とを加算した値であり、(ΣkeI)2+(ΣkoI)2を表している。比較器50に入力されるもう1個の比較器入力信号52は、パワー計算器47による計算の結果とパワー計算器49による計算の結果とを加算した値であり、(Σk(−1)keQ)2+(Σk(−1)koQ)2を表している。
【0027】従って、比較器入力信号51はCW信号到来時に大きな値を採り、比較器入力信号52はBTR信号到来時に大きな値を採る。後者は、BTR信号到来時のQチャネル信号振幅が2シンボルを1周期とする正弦波振幅となることによる。比較器50は、比較器入力信号51と52の比較によって、CW信号からBTR信号への移行を検出する。より詳細には、比較器50は、所定のスケーリングファクタγを用いてスケーリングした上で、
【数1】γ{(Σk(−1)keQ)2+(Σk(−1)koQ)2}>(ΣkeI)2+(ΣkoI)2が成立するに至った時点で、BTR検出信号をBTR位相推定部8に出力する。
【0028】図9には、BTR位相推定部8の構成が示されている。BTR位相推定部8は、evenデータ及びoddデータ双方を遅延検波する遅延検波器61を備えている。遅延検波器61は1シンボルおきに−1を乗じた上で、eQを累積加算器62に、eQ+oQを累積加算器64に、oQを累積加算器66に、oQ−eQを累積加算器68に、それぞれ供給する。累積加算器62、64、66及び68は、供給される信号をbサンプル(b:2以上の整数)に亘って累積加算する。得られた累積加算値は、対応するパワー計算器63、65、67又は69により二乗される。その結果は、パワー計算器63及び67の出力についてはそのまま、パワー計算器65及び69の出力については1/2が乗ぜられた上で、比較器入力信号71〜74として比較器70に入力される。
【0029】従って、比較器入力信号71の値R1は{Σj(−1)jeQ}2となり、比較器入力信号72の値R2は{Σj(−1)j(eQ+oQ)}2/2となり、比較器入力信号73の値R3は{Σj(−1)joQ}2となり、比較器入力信号74の値R4は{Σj(−1)j(oQ−eQ)}2/2となる。BTR信号を遅延検波した場合Qチャネル信号振幅は正弦波となるから、BTR位相(1シンボル間隔を360゜として位相値で表したBTR信号到来タイミング。すなわち送信側で使用しているサンプリングクロックのタイミング)に対し、R1〜R4は、図10に示されるような傾向で変化する。この図から明らかなように、R1は0゜で、R2は90゜で、R3は180゜で、R4は270゜で、それぞれ最大となる。R1〜R4がこのような挙動を有しているため、BTR位相は、比較器入力信号71〜74のうち最大の値を有しているのはどれか及びその次に大きな値を有しているのはどれかを検出することにより、BTR位相を粗推定することができる。すなわち、表1に示されているように、BTR位相を±45゜という粗い精度で推定することができる。比較器70は、このような粗推定を実行する。
【0030】
【表1】
このようにしてBTR位相の粗推定(クロック粗推定)を実行した後、比較器70は、粗推定した結果をしきい値判定することにより、推定精度を±45゜から±22.5゜に向上させ、その結果をクロックタイミングずれ時間としてA/D変換器2にフィードバックし、送信側と一致するようサンプリングクロックのタイミングを補正させる。
【0031】比較器70は、具体的にはまずR1〜R4のうち最も大きな値Rmaxとその次に大きな値R2ndの差分の絶対値
【数2】S1=|Rmax−R2nd|と、R2ndとその次に大きな値R3rdの差分の絶対値
【数3】S2=|R2nd−R3rd|を求める。これらの差分絶対値S1及びS2は、図11に示されるように、いずれも90゜毎に0となる。また、S1が0となるのは45゜、135゜、225゜、315゜であるのに対し、S2が0となるのは0゜、90゜、180゜、270゜である。従って、S1及びS2のいずれかが小さな値を採る場合にはBTR位相は45゜の整数倍付近の値を有していると見なすことができる。比較器70は、この点に着目し、S1及びS2をそれぞれしきい値判定する。しきい値としては、R1〜R4が等位相間隔の正弦波であるため定数となる値
【数4】RT=R1+R2+R3+R4に定数C1,C2を乗じた値C1・RT,C2・RTを用いる。比較器70は、このしきい値判定の結果に応じて粗推定の結果を補正する。例えば、粗推定の結果BTR位相が67.5゜とされている場合に、しきい値判定の結果としてS1<C1・RTかつS2>C2・RTが得られたとすると、BTR位相は実際には67.5゜より低い値であると認められるため、比較器70はこれに−22.5゜の補正を施した値である45゜を、クロックタイミングずれ時間として出力する。このように、しきい値判定の結果に応じて適宜+22.5゜又は−22.5゜の補正を施すことにより、推定精度を高めることができる。
【0032】なお、上述の構成では各部材にて遅延検波、累積加算、移動平均、パワー計算その他の処理を実行しているが、これらの処理を実行するためのハードウエア又はソフトウエアは、可能な限り共用化する方がよい。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のクロックタイミングずれ時間推定方法によれば、BTR信号の到来が検出された場合に、1シンボル間隔中にBTR信号の(各成分の)値がどの程度変化したかを示す複数のパワー指標値及びこれら複数のパワー指標値の大小関係を示す大小関係指標値を受信側クロックに同期したタイミングにて求め、BTR信号の値が変化するタイミングをパワー指標値同士の比較により粗推定し、大小関係指標値を用い粗推定結果を補正し送信側クロックに対する受信側クロックのずれをより高い精度で求めるようにしたため、高々、1シンボル間隔中にBTR信号の(各成分の)値がどの程度変化したかを知ることができる程度のサンプリングレート、例えばシンボル速度の2倍程度のレートにて、サンプリングを行うのみでよくなり、消費電力の低減等を実現できる。
【0034】また、本発明のバースト復調器によれば、上述の効果を得ることができ、また、ノイズや変調信号がバースト信号として検出されることに伴う誤動作を好適に防止できる。
【0035】そして、本発明のバースト復調器によれば、搬送波が採り得る周波数が属する周波数範囲内に信号パワーを求めるべき複数の周波数点を所定間隔で初期設定し、CW信号の到来が検出された後各周波数点における信号パワーを求め、最大信号パワーが得られた周波数点が含まれかつそれまでより狭い周波数範囲内に信号パワーを求めるべき複数の周波数点をそれまでより狭い間隔で設定して、所定の周波数精度が得られるまで同様の処理を繰り返すようにしたため、搬送周波数が採り得る全ての周波数範囲について信号パワーを計算する場合に比べ、信号パワーを計算する周波数点を少なくすることができる。これにより、ハードウエア規模を縮小できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係るバースト復調器の構成を示すブロック図である。
【図2】 バースト信号の一例構成を示す図である。
【図3】 バースト検出部の一例構成を示すブロック図である。
【図4】 バンドパワー計算・比較器の一例構成を示すブロック図である。
【図5】 CW判定部の一例構成を示すブロック図である。
【図6】 DFTによりパワーを計算する周波数点の配置を示す図である。
【図7】 オフセットQPSK変調されたBTR信号の変調ベクトルの軌跡を示す図である。
【図8】 BTR位置検出部の一例構成を示すブロック図である。
【図9】 BTR位相推定部の一例構成を示すブロック図である。
【図10】 1シンボルをBTR位相360゜とした場合のBTR位相に対する比較器入力信号の挙動を示す図である。
【図11】 BTR位相に対する差分絶対値の挙動を示す図である。
【符号の説明】
1 直交検波器、2 アナログディジタル変換器、3 バースト検出部、4CW判定部、5 バッファメモリ、6 周波数オフセット推定部、7 BTR位置検出部、8 BTR位相推定部、9 ローカル発振器、11 バンドパワー計算・比較器、21 複素乗算器、22、42、44、46、48 移動平均加算器、23、33、35、36、43、45、47、49、63、65、67、69 パワー計算器、24、38、50、70 比較器、31、41、61 遅延検波器、32、34、37、62、64、66、68 累積加算器、39、40、51、52、71〜74 比較器入力信号。
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばオフセットQPSK変調されたバースト信号を受信復調するバースト復調器に関し、特に、無変調信号(CW信号)及びビットタイミングリカバリ信号(BTR信号)から構成されるプリアンブル信号を受信して搬送波再生及びビットタイミング再生を実行するバースト復調器に関する。
【0002】
【従来の技術】オフセットQPSK変調されたバースト信号を送信する際には、例えば、CW信号及びBTR信号を含むプリアンブル信号を送信すべきバースト信号に付加する。受信側では、バースト信号の到来をプリアンブル信号、特にCW信号の到来として検出し(バースト検出)、このCW信号から搬送波を再生する。搬送波が再生されると、受信側の直交検波器等において使用する局部発振周波数が再生結果に応じて補正される。受信側では、さらに、BTR信号の到来タイミング(BTR位置)を検出し、送信側クロックに対する受信側クロック(直交検波器の出力をA/D変換するためのクロック)のタイミングのずれを補償する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これら搬送周波数オフセット推定やクロックタイミング推定に関する処理は、プリアンブル信号を受信している間の短い時間で終了させなければならない。搬送周波数オフセットをプリアンブル期間で終了させるためには、数十乃至数百の周波数点についてDFT(離散フーリエ変換)等によりパワーを求める処理を行わねばならず、大規模なハードウエアが必要となる。また、クロックタイミング推定をプリアンブル期間で終了させるためには、シンボルレートの十数倍の速度での高速サンプリングを行わねばならず、消費電力の増大や回路構成の困難化を招いていた。
【0004】本発明は、このような問題点を解決することを課題としてなされたものであり、パワーを検出する周波数点を更新していくことにより、数十乃至数百の周波数点についてパワーを求めることなく搬送周波数オフセットを推定可能にし、ひいてはハードウエア規模を縮小することを目的とする。本発明は、また、BTR信号の仕様に着目して粗推定及びしきい値判定を実行することにより、高速サンプリングを行うことなくクロックタイミングを推定可能にし、ひいては消費電力の低減等を実現することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成するために、本発明のクロックタイミングずれ時間推定方法は、バースト送信された位相変調信号にプリアンブル信号として付加されておりその値が所定の規則に従い送信側クロックに同期して交番的に変化するBTR信号の到来を検出するステップと、受信側クロックに同期したタイミングにて、1シンボル間隔におけるBTR信号値の変化を示す複数のパワー指標値及び当該複数のパワー指標値の大小関係を示す大小関係指標値を求めるステップと、BTR信号の値が変化するタイミングを上記パワー指標値同士の比較により粗推定するステップと、送信側クロックに対する受信側クロックのずれを、粗推定により得られたタイミング及び上記大小関係指標値に基づき求めるステップと、を有することを特徴とする。
【0006】また、本発明のバースト復調器は、プリアンブル信号としてCW信号及びこれに続くBTR信号を含みバースト送信される位相変調信号を、受信復調するバースト復調器において、ローカル信号を用いて受信信号を直交検波する手段と、受信側クロックをサンプリングクロックとして使用しながら、直交検波された受信信号をサンプリングし復調データとして出力する手段と、搬送波が採り得る周波数が属する周波数範囲を分割して得られる複数の帯域それぞれについて信号パワーを計算し、計算した信号パワーが所定条件を満たした場合にバースト信号が到来したと判定する手段と、受信信号値の挙動に基づき、検出したバースト信号がCW信号であるか否かを判定する手段と、CW信号であるとの判定に応じ、搬送波に対するローカル信号の周波数オフセットを推定し、その結果に基づき、搬送波の周波数と一致するようローカル信号の周波数を制御する手段と、本発明のクロックタイミングずれ時間推定方法を実行し、その結果に基づき、送信側クロックと一致するよう受信側クロックのタイミングを制御する手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】そして、本発明のバースト復調器は、更に、搬送波に対するローカル信号の周波数オフセットを推定しその結果に基づきローカル信号の周波数を制御する手段が、搬送波が採り得る周波数が属する周波数範囲内に初期設定されている複数の周波数点各々における信号パワーを、無変調信号の到来検出に応じ求め、求めた信号パワーが最大となる周波数点を選択し、選択した周波数点が含まれかつそれまでより狭い周波数範囲内に、信号パワーを求めるべき複数の周波数点をそれまでより狭い間隔で設定する動作を、周波数点の間隔が所定の周波数精度に相当する間隔になるまで繰り返し、この繰り返しを終えた時点で最大の信号パワーが求められた周波数点を、搬送波の周波数と判定することを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明のクロックタイミングずれ時間推定方法においては、まず、BTR信号の到来が検出される。次に、1シンボル間隔中にBTR信号の(各成分の)値がどの程度変化したかを示す複数のパワー指標値と、これら複数のパワー指標値の大小関係を示す大小関係指標値が、受信側クロックに同期したタイミングにて求められる。BTR信号は、所定の規則に従いその値が送信側クロックに同期して交番的に変化する信号であるから、当該BTR信号の値が変化するタイミングは、パワー指標値同士の比較により粗推定することができる。さらに、大小関係指標値を用いることによりBTR信号の(各成分の)値がどのような相互関係にあるかを知ることができるから、大小関係指標値に関ししきい値判定等の処理を実行し、その結果に基づき粗推定結果を補正することにより、送信側クロックに対する受信側クロックのずれをより高い精度で知ることができる。その結果得られるタイミングずれに応じて受信側クロックのタイミングを補正することにより、送信側クロックに対する受信側クロックのタイミングずれを補償することができる。また、この方法を実行するに当たって必要となるサンプリングレートは、高々、1シンボル間隔中にBTR信号の(各成分の)値がどの程度変化したかを知ることができる程度のレート、例えばシンボル速度の2倍程度で済むから、シンボル速度の十数倍といった高速サンプリングを行うことなく、クロックタイミングを推定でき、ひいては消費電力の低減等を実現できる。
【0009】本発明のバースト復調器においては、まず、受信信号が直交検波され、直交検波された受信信号がサンプリングされ、その結果が復調データとして出力される。次に、搬送波が採り得る周波数が属する周波数範囲を帯域分割して信号パワーを求める処理が実行される。求めた信号パワーが所定条件を満たした場合、例えば所定のしきい値を越えた場合、バースト信号が到来したと判定される。バースト信号到来検出後、上述の周波数オフセット推定やクロックタイミングずれ時間推定が実行され、その結果に応じてローカル信号の周波数や受信側クロックのタイミングが制御される。但し、バースト信号として検出されたのが振幅の大きなノイズであったりあるいはプリアンブル信号が欠落した変調信号であった場合に対処すべく、これら周波数オフセット推定やクロックタイミングずれ時間推定は、検出したバースト信号がCW信号である場合にのみ実行される。従って、このバースト復調器においては、上述の作用が発生する他、ノイズや変調信号がバースト信号として検出されることに伴う誤動作が好適に防止される。
【0010】そして、本発明のバースト復調器においては、周波数オフセットの推定を、好ましくは次のような方法に従い行う。まず、搬送波が採り得る周波数が属する周波数範囲内に複数の周波数点を初期設定しておく。その上で、これら複数の周波数点各々における信号パワーを無変調信号の到来検出に応じ求め、求めた信号パワーが最大となる周波数点を選択する。選択した周波数点は、他の周波数点に比べ、搬送波の周波数に近いとみなすことができる。更に、選択した周波数点が含まれかつそれまでより狭い周波数範囲内に、信号パワーを求めるべき複数の周波数点をそれまでより狭い間隔で設定する。これら、信号パワーの導出から周波数点の設定に至る動作を、周波数点の間隔が所定の周波数精度に相当する間隔になるまで繰り返す。そして、この繰り返しを終えた時点で最大の信号パワーが求められた周波数点は、搬送波の周波数であると推定できる。従って、本発明においては、搬送周波数が採り得る全ての周波数範囲について信号パワーを計算する場合に比べ、信号パワーを計算する周波数点数を少なくすることができ、ハードウエア規模を縮小できる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面に基づき説明する。
【0012】図1には、本発明の一実施例に係るバースト復調器の構成が示されている。この図に示される復調器は、バースト送信されるオフセットQPSK変調波を受信し復調する復調器である。
【0013】この図のバースト復調器は、ローカル発振器9から供給されるローカル信号を使用して入力信号を直交検波する直交検波器1を備えている。直交検波器1の出力は、アナログディジタル(A/D)変換器2によりサンプリングされ、後段の各回路に供給される。なお、各回路の入力部分に設けられている後述の遅延検波器は共用できる。サンプリングクロックは、シンボル周波数の倍の周波数を有しているから、1シンボル期間中に2個のサンプルデータが得られる。以下の説明では、そのうち最初に得られるデータをevenデータ、その次に得られるデータをoddデータと呼ぶこととする。
【0014】バースト信号が到来している場合、A/D変換器2からは、復調結果が得られる。バースト信号は、例えば、図2に示されるような構成を有している。この図においては、ユニークワード(UW)やデータの送信に先立ち、CW信号及びBTR信号から構成されるプリアンブル信号が送信されている。
【0015】A/D変換器2の出力は、図示しない回路に供給される他、ローカル信号の周波数制御やサンプリングクロックのタイミング制御のため、バースト検出部3に供給される。バースト検出部3は、図3に示されるように、それぞれ異なる周波数帯域に割り当てられたN個(N:2以上の整数)のバンドパワー計算・比較器11から構成されている。N個のバンドパワー計算・比較器11に周波数帯域を割り当てる際には、まず、直交検波器1に入力される信号の搬送波周波数がどの程度オフセットし得るかを想定し、想定した周波数オフセットの範囲をN個に帯域分割し、分割により得られた個別の周波数帯域を各バンドパワー計算・比較器11に割り当てるようにする。
【0016】各バンドパワー計算・比較器11は、図4に示されるように、複素乗算器21、移動平均加算器22、パワー計算器23及び比較器24から構成されている。複素乗算器21は、割り当てられている周波数帯域が直流近傍に周波数シフトするよう、A/D変換部2から供給される信号を複素回転させる。移動平均加算器22は、周波数シフト後の信号をMサンプル(M:2以上の整数)に亘って移動平均し、これにより高域ノイズ等を除去する。パワー計算器23は、移動平均値を二乗することにより、割り当てられている周波数帯域に存在する信号電力(バンドパワー)を求める。比較器24は、このバンドパワーを所定のしきい値と比較することにより、バンドパワーが所定値以上に大きくなった否かを判定し、判定が成立した場合にバースト検出信号を出力する。
【0017】N個設けられているバンドパワー計算・比較器11のうち少なくとも1個によりバースト検出信号が出力された場合には、バースト信号が到来したと見なす。そのため、比較器24において使用するしきい値には、予め、ノイズのみが直交検波器1に入力されている状態でのバンドパワー値に定数gを乗じた値を設定しておく。なお、通常は、変調波に先立ちCW信号が到来するためCW信号の到来によりバースト検出信号が発生するが、プリアンブル欠落時には変調波の到来によりバースト検出信号が発生する。また、バースト検出信号を出力しているバンドパワー計算・比較器11が1個しかないときにはバースト信号が到来したとは見なさない、という検出論理を付加してもよい。
【0018】図1に示されるように、バースト検出部3の後段には、CW判定部4及びバッファメモリ5が設けられている。CW判定部4は、バースト検出部3により到来が検出されたバースト信号がCW信号であるか否かを判定する。CW判定部4を設けCW信号の到来時にのみ周波数オフセット推定等を実行させることにより、変調波や大きな振幅のノイズがバースト信号として検出された場合であっても、後の処理における誤推定を防止することができる。また、バッファメモリ5は、後段の周波数オフセット推定部6が好適に処理を実行できるよう、CW判定の間例えばRシンボルに亘ってデータを記憶する(R:2以上の整数)。このバッファメモリ5を使用することにより、短時間しか継続しないプリアンブル信号到来期間を、有効活用することができる。
【0019】図5には、CW判定部4の構成が示されている。この図に示されるように、CW判定部4は遅延検波器31を有している。遅延検波器31は、A/D変換器2により得られるサンプリング結果を遅延検波し、その結果のうちevenデータのIチャネル(同相成分)遅延検波値eIを累積加算器32及びパワー計算器36に供給し、oddデータのIチャネル(同相成分)遅延検波値oIを累積加算器34及びパワー計算器36に供給する。
【0020】累積加算器32はeIをmサンプルに亘って累積加算する。累積加算器34はoIをmサンプルに亘って累積加算する。mサンプルに亘る累積加算をΣmで表すこととすると、累積加算器32により得られるのはΣmeIであり、累積加算器34により得られるのはΣmoIである。パワー計算器33はΣmeIを二乗することにより(ΣmeI)2を求め、パワー計算器35はΣmoIを二乗することにより(ΣmoI)2を求める。比較器38に対しては、両者の和(ΣmeI)2+(ΣmoI)2を示す比較器入力信号39が供給される。遅延検波値eI及びoIは、CW信号到来時には正の値に偏る傾向を見せるのに対し、変調波やノイズの到来時にはランダムに推移する傾向を見せるため、比較器入力信号39の値(ΣmeI)2+(ΣmoI)2は、CW信号到来時には大きな値となる。
【0021】一方、パワー計算器36は、1シンボル周期に亘るIチャネル値の遅延検波値のパワーeI2+oI2を求める。累積加算器37は、eI2+oI2をmサンプルに亘って累積加算し、得られた累積加算値Σm(eI2+oI2)を示す比較器入力信号40を比較器38に供給する。eI2+oI2の値は、到来した信号がCW信号であるか否かに依存しない。
【0022】従って、CW信号の到来に応じてバースト検出信号が発生した場合には、比較器入力信号40に対し比較器入力信号39が比較的大きくなり、逆に、CW信号の到来ではなく例えば変調波や振幅の大きなノイズの到来に応じてバースト検出信号が発生した場合には、比較器入力信号40の値が比較器入力信号39の値より大きくなる。そのため、比較器38では、予め定められているスケーリングファクタα,βを用いて、β・|(ΣmeI)2+(ΣmoI)2−α・Σm(eI2+oI2)|が計算され、その結果が(ΣmeI)2+(ΣmoI)2より小さければ、到来している信号がCW信号であると判定する。CW信号であると判定した場合、比較器38は、CW識別信号を出力する。
【0023】CW識別信号が出力されると、これに応じ、バッファメモリ5上のRシンボル分のデータが、図1R>1に示される周波数オフセット推定部6に入力される。周波数オフセット推定部6は、想定した周波数オフセットの範囲に亘って粗くかつ均等な周波数間隔Wにて、d個(d:2以上の整数)の周波数点(図6参照)を設定し、設定された周波数点について、入力したデータにDFT処理を施し、その結果最大のパワーが得られた周波数点F(0)を検出する。周波数オフセット推定部6は、最大パワーが得られた周波数点F(0)を中心に、DFTに係る周波数点を設定する周波数範囲を狭めた上で、同様の処理を実行する。例えば、パワーを演算済の周波数点F(0)の他、F(0)−W/2及びF(0)+W/2の2点を加えた合計3個の周波数点を設定し、設定された周波数点について、入力したデータにDFT処理を施し、その結果最大のパワーが得られた周波数点F(1)を検出する。これを、所定の周波数精度が得られるまで繰り返すことにより、最大パワーを有する周波数、すなわち周波数オフセットを精細に推定することができる。また、F(0)、F(0)−W/2及びF(0)+W/2の3点についてパワーを求めるようにしているため、ハードウエア規模を最小限にとどめることができる。なお、本発明はこのような設定点数及び間隔に限定されるものではない。周波数オフセット推定部6は、このようにして得られた周波数オフセットをローカル発振器9にフィードバックする。ローカル発振器9の発振周波数は、これに応じ、搬送波周波数と一致するよう修正される。
【0024】周波数オフセット推定部6の後段に設けられているBTR位置検出部7は、CW信号とBTR信号の境界、すなわちBTR信号の開始タイミングを検出し、これによりBTR位相推定部8の処理開始タイミングを決定する。ここではオフセットQPSKを想定しているため、BTR信号は、図7に示されるように、信号位置(I,Q)=(−1,1)と信号位置(I,Q)=(−1,−1)とを1シンボルおきに交互に採る信号とする。
【0025】図8には、BTR位置検出部7の構成が示されている。この図のBTR位置検出部7は、evenデータ及びoddデータについて遅延検波を実行する遅延検波器41を有している。遅延検波器41の遅延検波出力のうちeIは移動平均加算器42に、oIは移動平均加算器44に、それぞれ供給される。遅延検波器41の遅延検波出力のうちevenデータのQチャネル信号出力eQは移動平均加算器46に、oddデータのQチャネル信号出力oQは移動平均加算器48に、1シンボル毎に−1倍された上で、それぞれ供給される。移動平均加算器42、44、46及び48は、供給される信号をkサンプル(k:2以上の整数)に亘り移動平均し、高域等のノイズを除去する。
【0026】パワー計算器43、45、47及び49は、対応する移動平均加算器42、44、46又は48により得られる移動平均値を二乗することにより、odd,evenの別及びIチャネル、Qチャネルの別毎に、パワーを求める。後段の比較器50に入力される比較器入力信号51は、パワー計算器43による計算の結果とパワー計算器45による計算の結果とを加算した値であり、(ΣkeI)2+(ΣkoI)2を表している。比較器50に入力されるもう1個の比較器入力信号52は、パワー計算器47による計算の結果とパワー計算器49による計算の結果とを加算した値であり、(Σk(−1)keQ)2+(Σk(−1)koQ)2を表している。
【0027】従って、比較器入力信号51はCW信号到来時に大きな値を採り、比較器入力信号52はBTR信号到来時に大きな値を採る。後者は、BTR信号到来時のQチャネル信号振幅が2シンボルを1周期とする正弦波振幅となることによる。比較器50は、比較器入力信号51と52の比較によって、CW信号からBTR信号への移行を検出する。より詳細には、比較器50は、所定のスケーリングファクタγを用いてスケーリングした上で、
【数1】γ{(Σk(−1)keQ)2+(Σk(−1)koQ)2}>(ΣkeI)2+(ΣkoI)2が成立するに至った時点で、BTR検出信号をBTR位相推定部8に出力する。
【0028】図9には、BTR位相推定部8の構成が示されている。BTR位相推定部8は、evenデータ及びoddデータ双方を遅延検波する遅延検波器61を備えている。遅延検波器61は1シンボルおきに−1を乗じた上で、eQを累積加算器62に、eQ+oQを累積加算器64に、oQを累積加算器66に、oQ−eQを累積加算器68に、それぞれ供給する。累積加算器62、64、66及び68は、供給される信号をbサンプル(b:2以上の整数)に亘って累積加算する。得られた累積加算値は、対応するパワー計算器63、65、67又は69により二乗される。その結果は、パワー計算器63及び67の出力についてはそのまま、パワー計算器65及び69の出力については1/2が乗ぜられた上で、比較器入力信号71〜74として比較器70に入力される。
【0029】従って、比較器入力信号71の値R1は{Σj(−1)jeQ}2となり、比較器入力信号72の値R2は{Σj(−1)j(eQ+oQ)}2/2となり、比較器入力信号73の値R3は{Σj(−1)joQ}2となり、比較器入力信号74の値R4は{Σj(−1)j(oQ−eQ)}2/2となる。BTR信号を遅延検波した場合Qチャネル信号振幅は正弦波となるから、BTR位相(1シンボル間隔を360゜として位相値で表したBTR信号到来タイミング。すなわち送信側で使用しているサンプリングクロックのタイミング)に対し、R1〜R4は、図10に示されるような傾向で変化する。この図から明らかなように、R1は0゜で、R2は90゜で、R3は180゜で、R4は270゜で、それぞれ最大となる。R1〜R4がこのような挙動を有しているため、BTR位相は、比較器入力信号71〜74のうち最大の値を有しているのはどれか及びその次に大きな値を有しているのはどれかを検出することにより、BTR位相を粗推定することができる。すなわち、表1に示されているように、BTR位相を±45゜という粗い精度で推定することができる。比較器70は、このような粗推定を実行する。
【0030】
【表1】
このようにしてBTR位相の粗推定(クロック粗推定)を実行した後、比較器70は、粗推定した結果をしきい値判定することにより、推定精度を±45゜から±22.5゜に向上させ、その結果をクロックタイミングずれ時間としてA/D変換器2にフィードバックし、送信側と一致するようサンプリングクロックのタイミングを補正させる。
【0031】比較器70は、具体的にはまずR1〜R4のうち最も大きな値Rmaxとその次に大きな値R2ndの差分の絶対値
【数2】S1=|Rmax−R2nd|と、R2ndとその次に大きな値R3rdの差分の絶対値
【数3】S2=|R2nd−R3rd|を求める。これらの差分絶対値S1及びS2は、図11に示されるように、いずれも90゜毎に0となる。また、S1が0となるのは45゜、135゜、225゜、315゜であるのに対し、S2が0となるのは0゜、90゜、180゜、270゜である。従って、S1及びS2のいずれかが小さな値を採る場合にはBTR位相は45゜の整数倍付近の値を有していると見なすことができる。比較器70は、この点に着目し、S1及びS2をそれぞれしきい値判定する。しきい値としては、R1〜R4が等位相間隔の正弦波であるため定数となる値
【数4】RT=R1+R2+R3+R4に定数C1,C2を乗じた値C1・RT,C2・RTを用いる。比較器70は、このしきい値判定の結果に応じて粗推定の結果を補正する。例えば、粗推定の結果BTR位相が67.5゜とされている場合に、しきい値判定の結果としてS1<C1・RTかつS2>C2・RTが得られたとすると、BTR位相は実際には67.5゜より低い値であると認められるため、比較器70はこれに−22.5゜の補正を施した値である45゜を、クロックタイミングずれ時間として出力する。このように、しきい値判定の結果に応じて適宜+22.5゜又は−22.5゜の補正を施すことにより、推定精度を高めることができる。
【0032】なお、上述の構成では各部材にて遅延検波、累積加算、移動平均、パワー計算その他の処理を実行しているが、これらの処理を実行するためのハードウエア又はソフトウエアは、可能な限り共用化する方がよい。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のクロックタイミングずれ時間推定方法によれば、BTR信号の到来が検出された場合に、1シンボル間隔中にBTR信号の(各成分の)値がどの程度変化したかを示す複数のパワー指標値及びこれら複数のパワー指標値の大小関係を示す大小関係指標値を受信側クロックに同期したタイミングにて求め、BTR信号の値が変化するタイミングをパワー指標値同士の比較により粗推定し、大小関係指標値を用い粗推定結果を補正し送信側クロックに対する受信側クロックのずれをより高い精度で求めるようにしたため、高々、1シンボル間隔中にBTR信号の(各成分の)値がどの程度変化したかを知ることができる程度のサンプリングレート、例えばシンボル速度の2倍程度のレートにて、サンプリングを行うのみでよくなり、消費電力の低減等を実現できる。
【0034】また、本発明のバースト復調器によれば、上述の効果を得ることができ、また、ノイズや変調信号がバースト信号として検出されることに伴う誤動作を好適に防止できる。
【0035】そして、本発明のバースト復調器によれば、搬送波が採り得る周波数が属する周波数範囲内に信号パワーを求めるべき複数の周波数点を所定間隔で初期設定し、CW信号の到来が検出された後各周波数点における信号パワーを求め、最大信号パワーが得られた周波数点が含まれかつそれまでより狭い周波数範囲内に信号パワーを求めるべき複数の周波数点をそれまでより狭い間隔で設定して、所定の周波数精度が得られるまで同様の処理を繰り返すようにしたため、搬送周波数が採り得る全ての周波数範囲について信号パワーを計算する場合に比べ、信号パワーを計算する周波数点を少なくすることができる。これにより、ハードウエア規模を縮小できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係るバースト復調器の構成を示すブロック図である。
【図2】 バースト信号の一例構成を示す図である。
【図3】 バースト検出部の一例構成を示すブロック図である。
【図4】 バンドパワー計算・比較器の一例構成を示すブロック図である。
【図5】 CW判定部の一例構成を示すブロック図である。
【図6】 DFTによりパワーを計算する周波数点の配置を示す図である。
【図7】 オフセットQPSK変調されたBTR信号の変調ベクトルの軌跡を示す図である。
【図8】 BTR位置検出部の一例構成を示すブロック図である。
【図9】 BTR位相推定部の一例構成を示すブロック図である。
【図10】 1シンボルをBTR位相360゜とした場合のBTR位相に対する比較器入力信号の挙動を示す図である。
【図11】 BTR位相に対する差分絶対値の挙動を示す図である。
【符号の説明】
1 直交検波器、2 アナログディジタル変換器、3 バースト検出部、4CW判定部、5 バッファメモリ、6 周波数オフセット推定部、7 BTR位置検出部、8 BTR位相推定部、9 ローカル発振器、11 バンドパワー計算・比較器、21 複素乗算器、22、42、44、46、48 移動平均加算器、23、33、35、36、43、45、47、49、63、65、67、69 パワー計算器、24、38、50、70 比較器、31、41、61 遅延検波器、32、34、37、62、64、66、68 累積加算器、39、40、51、52、71〜74 比較器入力信号。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 バースト送信された位相変調信号にプリアンブル信号として付加されておりその値が所定の規則に従い送信側クロックに同期して交番的に変化するビットタイミングリカバリ信号の到来を検出するステップと、受信側クロックに同期したタイミングにて、1シンボル間隔におけるビットタイミングリカバリ信号値の変化を示す複数のパワー指標値及び当該複数のパワー指標値の大小関係を示す大小関係指標値を求めるステップと、ビットタイミングリカバリ信号の値が変化するタイミングを上記パワー指標値同士の比較により粗推定するステップと、送信側クロックに対する受信側クロックのずれを、粗推定により得られたタイミング及び上記大小関係指標値に基づき求めるステップと、を有することを特徴とするクロックタイミングずれ時間推定方法。
【請求項2】 プリアンブル信号として無変調信号及びこれに続くビットタイミングリカバリ信号を含みバースト送信される位相変調信号を、受信復調するバースト復調器において、ローカル信号を用いて受信信号を直交検波する手段と、受信側クロックをサンプリングクロックとして使用しながら、直交検波された受信信号をサンプリングし復調データとして出力する手段と、搬送波が採り得る周波数が属する周波数範囲を分割して得られる複数の帯域それぞれについて信号パワーを計算し、計算した信号パワーが所定条件を満たした場合にバースト信号が到来したと判定する手段と、受信信号値の挙動に基づき、検出したバースト信号が無変調信号であるか否かを判定する手段と、無変調信号であるとの判定に応じ、搬送波に対するローカル信号の周波数オフセットを推定し、その結果に基づき、搬送波の周波数と一致するようローカル信号の周波数を制御する手段と、しかる後、請求項1記載のクロックタイミングずれ時間推定方法を実行し、その結果に基づき、送信側クロックと一致するよう受信側クロックのタイミングを制御する手段と、を備えることを特徴とするバースト復調器。
【請求項3】 請求項2記載のバースト復調器において、搬送波に対するローカル信号の周波数オフセットを推定しその結果に基づきローカル信号の周波数を制御する手段が、搬送波が採り得る周波数が属する周波数範囲内に初期設定されている複数の周波数点各々における信号パワーを、無変調信号の到来検出に応じ求め、求めた信号パワーが最大となる周波数点を選択し、選択した周波数点が含まれかつそれまでより狭い周波数範囲内に、信号パワーを求めるべき複数の周波数点をそれまでより狭い間隔で設定する動作を、周波数点の間隔が所定の周波数精度に相当する間隔になるまで繰り返し、この繰り返しを終えた時点で最大の信号パワーが求められた周波数点を、搬送波の周波数と判定することを特徴とするバースト復調器。
【請求項1】 バースト送信された位相変調信号にプリアンブル信号として付加されておりその値が所定の規則に従い送信側クロックに同期して交番的に変化するビットタイミングリカバリ信号の到来を検出するステップと、受信側クロックに同期したタイミングにて、1シンボル間隔におけるビットタイミングリカバリ信号値の変化を示す複数のパワー指標値及び当該複数のパワー指標値の大小関係を示す大小関係指標値を求めるステップと、ビットタイミングリカバリ信号の値が変化するタイミングを上記パワー指標値同士の比較により粗推定するステップと、送信側クロックに対する受信側クロックのずれを、粗推定により得られたタイミング及び上記大小関係指標値に基づき求めるステップと、を有することを特徴とするクロックタイミングずれ時間推定方法。
【請求項2】 プリアンブル信号として無変調信号及びこれに続くビットタイミングリカバリ信号を含みバースト送信される位相変調信号を、受信復調するバースト復調器において、ローカル信号を用いて受信信号を直交検波する手段と、受信側クロックをサンプリングクロックとして使用しながら、直交検波された受信信号をサンプリングし復調データとして出力する手段と、搬送波が採り得る周波数が属する周波数範囲を分割して得られる複数の帯域それぞれについて信号パワーを計算し、計算した信号パワーが所定条件を満たした場合にバースト信号が到来したと判定する手段と、受信信号値の挙動に基づき、検出したバースト信号が無変調信号であるか否かを判定する手段と、無変調信号であるとの判定に応じ、搬送波に対するローカル信号の周波数オフセットを推定し、その結果に基づき、搬送波の周波数と一致するようローカル信号の周波数を制御する手段と、しかる後、請求項1記載のクロックタイミングずれ時間推定方法を実行し、その結果に基づき、送信側クロックと一致するよう受信側クロックのタイミングを制御する手段と、を備えることを特徴とするバースト復調器。
【請求項3】 請求項2記載のバースト復調器において、搬送波に対するローカル信号の周波数オフセットを推定しその結果に基づきローカル信号の周波数を制御する手段が、搬送波が採り得る周波数が属する周波数範囲内に初期設定されている複数の周波数点各々における信号パワーを、無変調信号の到来検出に応じ求め、求めた信号パワーが最大となる周波数点を選択し、選択した周波数点が含まれかつそれまでより狭い周波数範囲内に、信号パワーを求めるべき複数の周波数点をそれまでより狭い間隔で設定する動作を、周波数点の間隔が所定の周波数精度に相当する間隔になるまで繰り返し、この繰り返しを終えた時点で最大の信号パワーが求められた周波数点を、搬送波の周波数と判定することを特徴とするバースト復調器。
【図2】
【図3】
【図7】
【図1】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図3】
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【図1】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【特許番号】特許第3086144号(P3086144)
【登録日】平成12年7月7日(2000.7.7)
【発行日】平成12年9月11日(2000.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−4910
【出願日】平成7年1月17日(1995.1.17)
【公開番号】特開平8−195779
【公開日】平成8年7月30日(1996.7.30)
【審査請求日】平成8年12月17日(1996.12.17)
【出願人】(000004330)日本無線株式会社 (1,186)
【参考文献】
【文献】特開 平3−70206(JP,A)
【文献】特開 平3−165152(JP,A)
【文献】特開 平4−139938(JP,A)
【文献】特開 平4−351137(JP,A)
【文献】特開 平7−50700(JP,A)
【登録日】平成12年7月7日(2000.7.7)
【発行日】平成12年9月11日(2000.9.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成7年1月17日(1995.1.17)
【公開番号】特開平8−195779
【公開日】平成8年7月30日(1996.7.30)
【審査請求日】平成8年12月17日(1996.12.17)
【出願人】(000004330)日本無線株式会社 (1,186)
【参考文献】
【文献】特開 平3−70206(JP,A)
【文献】特開 平3−165152(JP,A)
【文献】特開 平4−139938(JP,A)
【文献】特開 平4−351137(JP,A)
【文献】特開 平7−50700(JP,A)
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