説明

バータイプの支持用フレームワーク

【課題】本願発明の目的は、高強度を有し、さらに実装が容易な上述のタイプのバータイプ支持用フレームワークを提供することである。
【課題を解決するための手段】接合部(10、12、14)およびバー(16、18、20)が、嵌合手段(34)により該接合部の間でその長手方向に対して交差する方向でインターロックされて保持されるバータイプの支持用フレームワークであって、少なくとも一つのバー(20)および/または少なくとも二つの接合部(14)は、複数の部材(24、26;30、32)からなり、該複数の部材は、該バーおよび該接合部の嵌合要素(34)がバーの長手方向の軸に対して回転することにより互いにインターロックされて一緒に保持されるバータイプの支持用フレームワーク。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、節点と、嵌合要素の手段によりその長手方向に対して少なくとも交差する方向に形状適合するように節点と節点の間に保持されるバーと、を有するバータイプの支持用フレームワークに関する。
【背景技術】
【0002】
バーと節点との間に固い接合点を有するバータイプの支持用フレームワークは、従来、バーの端部を節点に差し込むか、もしくは固定された節点の間に横方向にバー全体が挿入できるようにするフランジ、固定パネルなどの手段により実装されている。バー/節点の接合点の実質的に低い剛性もしくは屈曲性を向上し、さらに捻れ応力を向上するためには、負荷の多いフレームワークの間の接合点は、よく、屈曲型接合点として構成されている。すなわち、フレームワークは骨組みとして構成されているのであって、網目の剛性、したがって全体としてのフレームワークの剛性が、対角要素のみから達成される。
【0003】
本願において、「バー」という単語は、標準的な該単語の意味に限定されるわけではなく、例えば、チューブや、ガラス窓枠や閉じられたカバーなどの二次元的に伸びる要素なども含む。正確な分類としては、基本的には節点を通って、力が隣接するバーに伝わるということである。
【0004】
接合点の強度および剛度は、一方では、例えば、のり付け、溶接、もしくはプレスフィットなどの接合点の種類に依存し、もう一方では、バーおよび節点の材料特性に依存している。バーおよび節点の嵌合要素間における形状の重複が、重要な要因となる。
【0005】
DE 102 18 597 A1には、差し込み接続を通して節点間で保持される木材もしくは竹材で作られたバーを有するバータイプの支持用フレームワークが記載されている。差し込み接続は、バーの端部表面にある丸い突起と、節点にある相補的で回転対称的な受座から形成されている。一度、該要素が嵌合されれば、該接合点は、のり付けやクランプなどにより固定できる。
【0006】
このような差し込むタイプのフレームワークにおいて、差し込み接続を形成するには、嵌合要素が互いに挿入できるようにするために、バーの反対側の端部に配置されている節点を、バーに対して該バーの長手方向に動かす必要があるという欠点があった。
【0007】
フレームワークの一部がすでに出来ている場合、節点に必要な動きを可能にするためには、節点と組まれている他のバーが、予め屈曲変形を対象としている場合に限りこれらは可能である。バー/節点の接合点の(ねじれ)応力が強い必要があればあるほど、嵌合要素間の重複が大きくならなければならず、さらに、その他のバーの屈曲変形が大きくなり、結果としてこれらのバーの屈曲強度を制限する。
【0008】
DE 200 16 876 U1には、節点がそれぞれ2つの部材からなり、さらにバーの端部のための凹状受座が、それぞれ半分ずつ該節点の双方のパーツに形成されているバータイプの支持用フレームワークが記載されている。ここでは、バーと節点の接合点の間におけるより大きな重複を、フレームワークが実装された際に、バーを曲げる必要なく達成することができる。しかしながら、この場合、それぞれ節点の2つの部材は、例えば、ねじなどの追加の固定手段により互いに保持されなければならない。このようにすると、フレームワーク全体としての強度が、これらの追加の固定要素の強度にかなり依存することになる。これは、高い剛性が必要とされる場合、節点の材料および形状配置という点において、制限してしまうことになる。
【発明の概要】
【0009】
本願発明の目的は、高強度を有し、さらに実装が容易な上述のタイプのバータイプ支持用フレームワークを提供することである。
【0010】
本願発明によれば、少なくとも一つのバーおよび/またはこのバーにより接続される少なくとも2つの節点が、該バーの長手方向に伸びる軸を中心に、該バーおよび節点の嵌合要素の相対的な回転により形状適合して一緒に保持される複数の部材からなる特徴により上述の目的を達成する。
【0011】
バーがいくつかの部材からなる場合、異なる部材は、順次二つの節点の間のすきまに挿入されてもよく、この時、これらの節点の間の距離を長くする必要はない。いくつかの部材からなるバーが、その長手方向の軸を中心に順番に回転された場合、節点と共に接合点を形成する嵌合要素は、バイヨネットキャッチのように作用し、節点とバーを接続するだけでなく、バーのいくつかの部材が節点により互いに形状適合して保持される。
【0012】
二つの節点のそれぞれが複数の部材からなる場合、バーは、該二つの節点の部材の対応する受座にまず置くことができ、そして節点は、対応する他の部材を足すことで完成する。しかしながら、そのあと、互いにそれぞれ相対する節点の部材の固定を、追加の固定手段により達成することはせずに、バーをその長手方向の軸を中心にさらに回転させることにより達成する。この回転は、バーの嵌合要素を、節点の両方の部材の嵌合要素と相補的に嵌合させ、これにより節点の部材を保持する。
【0013】
バーおよび節点の双方が複数の部材からなる場合、上述の二つの効果が組み合わせて発揮される。
【0014】
いずれにしても、すべての関連する部材の、すなわちバーおよび節点の部材の、形状適合による固定の有利な点は、追加の固定手段なしに達成でき、これにより容易な実装が達成され、これには、差し込み接続の場合は必要であった節点を接続するバーの長手方向の節点の移動は必要ない。結果として、本願発明に係るフレームワークでは、バーおよび節点と、それらの間の接合点は、本質的には、所望するだけ固く構成することができ、さらに節点とバーの嵌合要素の間の重複の量に制約はない。結果的に、簡単な手段と比較的小さな節点により非常に安定なフレームワークが提供される。
【0015】
本願発明の有用な詳細およびさらなる成果は、従属請求項に記載されている。
【0016】
本願発明は、高い引長強度を提供する長手方向に伸びる繊維を有するバーを有するフレームワークに特に有用である。例えば、木材、竹材、繊維強化されたプラスチックなどから形成されるバーを有するフレームワーク、同様に、例えばラミネートされた木材などの繊維材料から形成された節点を有するフレームワークなどである。ネジ、ロックピンなどの従来の固定手段と比較して、本願発明に係る嵌合要素は、材料の弱化や繊維方向に該材料が裂けるといったことが起きない。さらには、接合点が接着剤により固定されている場合、引張歪みは、のり付けされた部分の繊維質材料に対してのみ剪断歪みを起こす。そして、本願発明により拡大した重複と、したがって拡大した接着表面は、実質的に引っ張り強度の向上に貢献している。
【0017】
バーは、異なる材料から形成される混合部材でもよく、例えば、竹材のバーと嵌合要素を形成する金属などから形成される端部キャップなどである。
【0018】
当然ながら、節点および/またはバーの部材は、追加でそれぞれ互いに固定されてもよく、例えば、のり付け、クランピング、包帯、もしくは異なるバーの追加の架橋などである。接着性接合点の場合、バーの部材と節点の部材が互いにのり付けされるだけでなく、バーおよび節点の嵌合要素の間の接触表面も、それらが最終的な位置まで回転された後のり付けされる。例えば、部材を実装する前に、これらの表面にのりを塗布してもよく、こののりは、バーがその最終的なロック位置に到達するまで回された後でなければ硬化しない。もしくは、嵌合要素の接触表面に接着剤がカプセルの形状で適用されてもよく、これは、嵌合要素が互いに嵌合し合うと、破裂してのりもしくは接着剤を放出する。また、相補的な嵌合要素が若干非円形の形状を有するようにすることも可能で、このようにすることで相対的な回転に半径方向のプレス嵌合が伴うことになる。この場合、安定したプレス嵌合および/または圧力補助を受けた、従ってより強い接着接合部を得ることができる。
【0019】
節点が複数の部材からなり、さらに木材から形成されている場合、合板と同様に、節点の異なる部材の繊維が、のりづけされている接合部表面において互いに交差するように配置されていると、強度の観点において好適である。
【0020】
また、嵌合要素は、バーと節点の間の接合部においてバーの交差する方向に形状適合するだけでなく、その長手方向にも形状適合するように構成されてもよい。この場合、節点とバーの相対的な回転は、反対側の端部にある節点の間のバーをきつく締めるのに利用されてもよい。もしくは、そのような締め付けは、埋め込まれた下層ネットワークにより達成されてもよい。例えば、バー内を貫通する空洞を通り、さらにフレームワークの節点の内部において互いに接続している引っ張り強度を有する紐やワイヤーなどで形成される網目構造である。バーと節点の双方が複数の部材で形成されている、もしくは少なくともスロットが形成されている場合、大部分が予め加工された下層ネットワークを実装工程において埋め込むことが出来る。
【0021】
本願発明に係るフレームワークの嵌合要素は、いずれにしても、その相対的な回転を許容する程度の対称性を有していなければならず、したがって、これらの嵌合要素が環状もしくは部分的に環状の形であると好適である。そして、バーを空洞に構成することが可能であり、バーの端部でこの空洞は、節点内の空洞により互いに接続している。このようにすることにより、支持用フレームワークの内部に、電気的配線、信号用配線、ガスもしくは液体用のパイプなどのために使用できるネットワークラインを得ることができる。支持用フレームワークの嵌合要素をのり付けもしくはプレスフィットすることにより、バーおよび節点の内部に形成された空洞のネットワークは、外界から密閉され、このようにすることにより液体媒体用のパイプとして直接使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本願の実施形態は、以下の図面と合わせて説明される。
【図1】図1は、部分的に実装されている本願発明に係るバータイプの支持用フレームワークの斜視図である。
【図2】図2は、本願発明に係るフレームワークにおける嵌合要素の詳細の斜視図である。
【図3】図3は、実装工程における異なる位置の図2の嵌合要素を示す。
【図4】図4は、実装工程における異なる位置の図2の嵌合要素を示す。
【図5】図5は、本願発明に係るフレームワークのバーの斜視図である。
【図6】図6は、図5に示すバーを有するフレームワークの嵌合部分の断面図である。
【図7】図7は、該フレームワークにおける異なる構成の例を示す。
【図8】図8は、該フレームワークにおける異なる構成の例を示す。
【図9】図9は、該フレームワークにおける異なる構成の例を示す。
【図10】図10は、該フレームワークにおける異なる構成の例を示す。
【図11】図11は、他の実施形態に係るフレームワークの節点の斜視図を示す。
【図12】図12は、本願発明の他の実施形態に係るフレームワークの取実装工程における異なる段階を示す。
【図13】図13は、本願発明の他の実施形態に係るフレームワークの取実装工程における異なる段階を示す。
【図14】図14は本願発明の他の実施形態に係るフレームワークの取実装工程における異なる段階を示す。
【図15】図15は、本願発明の他の実施形態に係るフレームワークの取実装工程における異なる段階を示す。
【図16】図16は、本願発明に係るフレームワークの一部分の断面図を示す。
【図17】図17は、引っ張りメカニズムを有する一つのバーの断面図である。
【図18】図18は、実装工程における、プレート状充填要素を有するバータイプの支持用フレームワークの組み立て図である。
【図19】図19は、実装工程が完了した図18に記載のフレームワークの組み立て図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
球体の節点10、12、14が、バー16、18、20で接続された四面体の形状を有する支持用フレームワークの簡単な例を図1に示す。このフレームワークが実装されると、バー16は、一般的に知られているように、節点10、12、14の対応する差し込み受座に挿入されてもよい。しかしながら、低いところにあるバー18および20を挿入するとき、このような差し込み接続では、節点12、14の間に十分な空間を作るためには、バー16を一時的に曲げずに行うことは不可能である。
【0024】
このような理由から、ここで述べるフレームワークには、節点12および14と、これらを繋ぐバー18、20は、2つの部材からなっている。節点12、14は、分割面22において水平な2つの部材(半球)24、26に分けられている。これに対応して、バー18、20は、分割面28において長手方向に半割バー30、32に分けられている。バー18の場合、分割面28は、垂直に配向されている。しかしながら、図1で示す節点14は、完全な節点を形成するための二つの半球24、26が固定されておらず、また完全なバー20を形成するための半割バー30、32も固定されていないため、完全に実装された段階ではない。
【0025】
各半割バー30、32は、嵌合要素34の手段より対応する半球24、26に繋がる端部を有する。嵌合要素34の構成の詳細は後述する。これらの嵌合要素は、半割バー30を半球24の間に配置するのを、半球間の距離を大きくする必要なく可能にしている。ここで、半球26と半割バー32を、接点14およびバー20を完成させるために配置すると、続いてバー20は、その長手方向の軸を中心に90度回転し、それにより、分割面28は、バー18に示すように直角に配向することになる。この工程において、半割バー30および32の端部にある嵌合要素34は、対応する半球24、26の双方の嵌合要素(図1には図示していない)と嵌合し、これにより各節点の半球24、26と、各バーの半割バー30、32は、互いに形状適合しながら内部でロックされるためバラバラになることはない。このようにすることで、本質的には、接着剤、または固定するためのネジ、クランプなどの固定手段のいかなるものも必要としない非常に安定で、強固なフレームワークを得ることができる。
【0026】
また、当然ながら、半割バー30、32および半球24、26を例えばのり付けなどにより別途フレームワークを固定することも可能である。同様に、嵌合要素34の接触表面は、半球の対応する嵌合要素に接着剤で固定されてもよく、これは、特にバーが非ロック状態に回転して戻ることを防止する。もしくは、バーが回転しないようにするのはどのような手段でもよく、例えば、嵌合要素34と対応する節点の受座の内蔵されたストップやバルブなどの手段でもよく、このストップやバルブは、バーの回転角度を制限し、さらに反対方向に回転するのを防止する。同様に、節点の嵌合要素に挿入されたロックピンなどの手段により回転しないようにバーをロックしてもよい。しかしながら、これらのロックピンは、回転を防止するためだけに役立ち、必ずしもフレームワークの基本的な安定性を提供するものではない。
【0027】
嵌合要素の可能な構成を示すために、図2には節点14の斜視図を示し、この場合の節点14は、四角形であり、図1の半球に対応する二つの部材24、26からなっている。部材24は、仮想線のみで示す。
【0028】
バー20のうち、半割バー32の切断端部のみが実線で示されているのに対し、相補的な半割バー30は仮想線のみで示されている。この例では、各半割バーの嵌合要素34が、半割バーに対応する半筒状の空洞の延長となるように形作られており、この延長は先端で開放されている。したがって、半割バー30および32の双方の半筒状延長部は、完全な空洞の筒状体を形成する。節点14の部材24、26では、嵌合要素34に相補的な嵌合要素36は、半筒状の溝の形を有しており、これは、複数の部材を固定すると、環状の溝を形成する。
【0029】
図2では、嵌合要素34および36は、それぞれ角度方向の位置に図示されており、これは、それらの嵌合位置に対応しているが、それらの形がより明確に見えるように軸方向にずらして示している。
【0030】
図3および図4は、半割バー32と節点の部分26との接合部分がどのように形成されているかを示す。半割バーはまず、分割面28に対応する表面が分割面22に対応する部分26の表面に向き合うように保持され、嵌合要素34および36は互いにに同一の高さとなる(図3)。続いて、半割バー32を、形成される完成したバー20の中心軸を中心に矢印Aの方向に回転させることにより、嵌合要素34が溝の形状をした嵌合要素36に入るようにする。半割バーを、まず、180°回転させることにより、嵌合要素34が嵌合要素36に完全に収納され、さらに分割面22および28が一致する。この状態は、図3および4には図示されていないが、図1の状態に対応している。
【0031】
同様の工程が、他の半割バー30および節点の対応する部分24にも適用されている。節点14およびバー20の部材が、互いに嵌合され、もしくは互いにのり付けされ、最終的には、完成したバー20は、90°回転し戻され、そのようにすることにより、図4に示す半割バー32の位置に到達する。この状態では、嵌合要素34、36は、まだ互いに嵌合しているが、180°の弧の上ではなく、90°の弧の上で嵌合している。一方で、半割バー32の嵌合要素34は、ここで、図4では図示されていないが、節点の部分24の溝の形状をした嵌合要素とも嵌合する。半筒状の嵌合要素34は、空洞の完全な筒状体を形成するために互いに補助し合う。この空洞の完全な筒状体は、溝の形状をした嵌合要素36により規定される筒状のペグ(peg)を囲んでおり、この筒状のペグは、半分が部材24に形成されており、残りの半分が部材26に形成されている。このようにすることで、節点の二つの部材24、26は、バー20の長手方向に対して横方向に形状適合して共に保持される。また、これらの部分がのり付けされているかは重要なことではない。逆に、二つの部材30および32は、節点の嵌合要素36により形状適合して一緒に保持されている。
【0032】
また、嵌合要素34(および/または36)の内表面および外表面は、上述した実装工程が行われる前に、接着剤を塗布されていてもよく、それにより、バー20は、接着剤が硬化した後、角度方向に固定される。部材の形状適合インターロック機構は、その後、持続的に保たれ、そして節点/バーの接合部の強度、特に引っ張り強度は、嵌合要素34の強度(厚みと長さ)に依存するが、異なる部材がのり付けされている接着力には依存しない。バー/節点の接合部が差し込み接続により形成されているわけではないため、嵌合要素34および36の間の重複の量は、この場合は半筒状構造の長さであるが、フレームワークの実装工程を犠牲にすることなく、所望の強度を達成できる長さだけ選択できる。重複の量が増えれば、接着性接合部の表面領域が広くなり、そのため、特に、引張強度が増加する。
【0033】
フレームワークのバーは、必ずしもその中心面で二つに分割されている必要はない。図5は、バー20aの中央部が丸い完全なバーとして構成されている例を図示している。バー20aは、二つの端部分に相補的な部材により選択的に、完成されてもよく、その結果、上述のバー20と同様に節点14の間で完成しているバーとなる。
【0034】
強度の必要性がそんなに高くない場合、追加の相補的な部材の使用はせずに、図5に図示するバーのみを使用することも可能である。この場合、中央部分の完全な筒状体は、節点の間の空間に完璧に嵌るように半筒状の嵌合要素34に直接到達するべきである。図6は、このようなバーの嵌合要素34と、節点の部材24、26の嵌合状態での断面図を示している。このような場合でも、バーの単一の嵌合要素34は、節点の両方の部材の嵌合要素36を嵌合し、そしてそれらを形状適合し保持している。
【0035】
同様に、後述の種々の変形例は、一体的なバーもしくは複数の部材からなるバーにより選択的に実現することができる。
【0036】
図7は、図2〜4の実施形態に似ているものの、嵌合要素34、36は、相補的なダブテイル型を有している。図7は、分割面22と一致している部材26の表面を観ている図を示し、さらに分割面の反対方向を向いている半割バー32の背面側を図示している。ダブテイル型嵌合要素34および36は、バーと隣接する節点の形状適合を、バー20もしくは半割バー32の長手方向においても達成している。
【0037】
図8は、図7と同様の視点からの図であり、ダブテイル型により形状適合していないが、むしろ嵌合要素34のつば38と嵌合要素36の環状の溝40により形状適合している。
【0038】
図9に示す実施形態では、嵌合要素34、36は、ネジ回し型構造を有し、バーの長手方向に形状適合するだけでなく、バーをこの方向に対して節点に締めることができる。ここに図示されているのは、分割面22を上から見る節点の両方の部材24、26と両方の半割バー30、32であり、それぞれ分割面28の反対側の面を上から見ている。180°の弧を超えて伸びるその外周面には、半割バー32の嵌合要素34は、ネジ状突部42を有し、節点の部材26の嵌合要素36は、ネジ状溝44、46を有し、このネジ状溝44、46の双方とも出っ張り42に相補的な内部ネジの一部を形成する。半割バー30の場合、嵌合要素34は、突部42に対して軸上にずれて位置する対応する突部48を有し、そして節点の部材24は、その嵌合要素36に、それに相補的な溝50を有する。
【0039】
半割バー32を部材26に接続するために、嵌合要素34を、図面において上方端部を形成する突部42の端部が、溝44の上方端部に埋め込まれる位置におかれる。続いて、半割バー32を、180度時計回りに回転し、嵌合要素34が嵌合要素36にねじ込まれるようにする。半割バー30および部材24も同様に操作する。そして、節点の二つの部材が互いに嵌合する。図においては、このことは、部材24が、図9のX軸を対称として部材26の上に反転するということである。そのようにすることで、図9の溝50の上方端部は、溝44の下方端部に埋め込まれる位置にくる。ここで、二つの半割バー30および32から形成されるバーをねじ込み方向にさらに回転すると、突部42が部材24の溝50に入り、そして同時に突部48の一部が溝50から出て行き(このようにすることにより突部42の浸入路を開ける)、そして部材26の溝46へと入る。このねじ込み挿入の結果、二つの半割バー30および32は、節点の部材24および26に対してきつく締められる。これには、突部42および48と、溝44、46および50の軸の位置を正しく選択することが要求される。特に、図9に示す長さd1は、長さc1と等しくなければならず、さらに長さd2は長さc2と等しくなければならない。長さc1およびc2は、それぞれ嵌合要素34の底部に対応し、突部48および42の先端部の軸位置を示し、長さd1およびd2は、それぞれ溝46および50内のねじ込み状態に相補的な突部48および42の先端部の軸位置を示す。
【0040】
図10は、嵌合要素34および36が、それぞれ対応する軸位置に、表面溝52および54をその内側と外側の半円筒状外周面に有する実施形態を示す。この嵌合要素が嵌合するように回転するとき、半環状のワイヤーもしくはストリップ56および58を、軸方向に形状適合するためにさらに挿入してもよい。
【0041】
図11は、節点14の他の実施形態を示す。この節点は、立方体であり、バーのための嵌合要素36をその各六面に有し、そのようにすることで、節点が三次元的なフレームワークの中心の位置で使用することができ、ここでは、バーは全六方向の空間に節点から伸びる。これらの全てのバーを上述したように実装するために、図11に示す節点は、基部24’および六個のスライド部材26’を有し、これらの各々が立方体の表面の一つに配置され、スライド部分と基部の間にある分割線が嵌合要素36の中心を通過するようになっている複数の部材から成っている。図11の矢印で図示されているように、スライド部材26は、基部24’から分割線に対して交差する方向に引いてもよく、さらに半割バーが基部24’およびスライド部材26’に挿入されたあと、これらは、半割バーを嵌合して完全なバーを形成するために反対方向に押してもよい。
【0042】
同様に、複数の部材から成る混合節点は、違ったフレームワークの構造のために、実質的に任意の幾何学的な形状であってよい。
【0043】
図12から15は、組込型節点14’および少なくとも2つの部材から形成されるバー20を有するフレームワークの実装工程を示している。節点の嵌合要素36は、また環状の溝から形成されており、この場合、しかしながら、挿入溝60により節点の側面に接続している。バー20は、また二つの相補的な半割バー30、32により形成されているが、嵌合要素34は、この場合は半円筒状ではなく、偏心する突出ペグにより形成されている。半割バー30、32の形状は、模式線でしか示されておらず、さらに嵌合要素34として機能するペグは、断面図で示されている。
【0044】
図12では、どの半割バーも節点14’には接続していない。そして、半割バー30は、節点14および半割バーの反対側の端部にある対応する節点の間に挿入される。この工程において、嵌合要素34は、図13の構成に到達するまで挿入溝60の中で動かされる。
【0045】
その後、半割バー30を環状の嵌合要素36の中心軸を中心に180度回転し(すなわち、形成される完全なバーの中心軸を中心に)、それにより、嵌合要素34が環状溝の中を動き、そして二番目の半割バー32が挿入溝60を通って対応するように実装され、図14に示すようなバー20を完成する。そして、バー20を、図15に示す位置になるように90度だけ、バー20の全体で回転させ、そのようにすることにより、嵌合要素34は図15に示す位置に到達し、そして半割バーを共に保持するための嵌合要素36と一緒に形状適合を達成する。
【0046】
任意で、半割バーは、接着剤により一緒にくっつけることができ、それにより半割バーが後に挿入溝60を通って外れるのを防ぐ。
【0047】
この実施例では、挿入溝60の入り口に弾性突起の形状で一方向止めが形成されている。ペグ形状の嵌合要素34が挿入された場合、前記突起は嵌合要素34が入ってくることを許容したとしても、その後、該ペグが挿入溝60に戻ってくるのは防ぐ。
【0048】
もしくは、挿入溝60は、プラグにより塞いでも良く、または嵌合要素36を形成している挿入溝および/または環状溝もしくはそれらの一部分が、キャスト成形物で満たされていてもよい。
【0049】
図12から図15に図示された基本的な原理は、嵌合要素の近距離において三つ以上の部材(セクターの形状)により形成されるバーの枠組みに一般的に適用できる。
【0050】
図16は、節点14と、バー20とから形成されている三角形のフレームワークの断面図を示し、さらにこれはより大きいフレームワークの一部を形成していてもよい。この場合、節点14は、少なくとも三つの部材からなっており、それによりバー20を上述したような状態で挿入することができる。この実施形態の特別な特徴は、嵌合要素を含むバー20がチューブで形成され、それにより軸方向に通過する中心通路64を形成することである。節点14には、内部空洞66が形成され、これは、異なるバーの通路64と互いに接続し、そのようにすることで、継続した空洞のネットワークが形成されるようにし、これはフレームワーク全体に伸びてもよく、もしくはそれらの一部だけに伸びてもよい。これらの空洞は、例えば電気的リード線、信号用リード線などに利用されてもよい。バー20および節点14を形成する部材が、例えばのり付けや溶接などにより、互いに液体を通過させないように接続されている場合、該空洞のネットワークは、気密密閉されるため、液体もしくは気体媒体のためのパイプネットワークとして使用することもできる。
【0051】
図16に示す実施例では、空洞のネットワークは、例えば引張ロープもしくは他の引張要素68により形成されるアーマ(armor)を収納するのに機能する。これらの引張要素68の端部が、形状適合するように対応する節点に固定されている場合、これは、バー20とそれに対応する節点の間に形成された接合部の引張強さを著しく増す。引張要素に張力が加えられた状態では、節点およびその間にあるバーは互いにきつく締められる。
【0052】
図示された例では、各バー20の引張要素68は、節点14の中で互いに接続し、それにより図16では三角形の網目を形成し、そして、一般的には、通路64および空洞66により形成される空洞のネットワークに対応するネットワークである。引張要素68により形成されるネットワークの各網目は、一つの箇所にだけ張力を加える必要があり、これによりこの網目に属するすべての節点14およびバー20が互いにきつく締められる結果となる。
【0053】
アーマによりこのようにして強化されたフレームワークを実装する方法は、節点14の一部およびバー20の一部例えば半割バーを接続してフレームワークの一部を形成する第一ステップを有しても良い。このフレームワークの一部では、通路64および空洞66は開き、そのようにすることでアーマを中に置くことができる。アーマは、図16の引張要素68により形成される三角形の網目に似ている予め作られた閉じた網目で構成されていてもよい。
【0054】
フレームワークの構成によっては、該ネットワークは、ネットワークの全体構造を作っても良く、そしてその後、フレームワークの一部に置かれてもよい。このようにすることで、ネットワークの網目は通路64および空洞66の中に収容する。アーマを形成するネットワークが、張力に対し弾性を有していたり、もしくは温度を下げることにより縮んだりする場合、予張力を作り出すのに使用してもよい。最後に、フレームワークは、節点の相補的な部材およびすでに互いに接続しているバーの相補的な部材を実装することにより完成し、そしてバー20を回転することによりフレームワークをロックする。
【0055】
図17は、フレームワークが実装された後、張力が負荷されたバー70の内部を通過する引張要素68を配置する可能性を図示している。図17は、関連する節点およびフレームワークのその他の部材を除いた単一のバー70のみを図示している。例えばスチールロープなどの、引張装置68は、天然繊維のロープなど、ここでは図示されていない接点に固定されているプラグ72がその端部に形成されている。(他の実施形態として、該プラグは、少なくとも一つの節点を介して接続するバーに固定されていてもよい。)
【0056】
バー70は、二つの半割バーからなり、さらに筒状の嵌合要素34とともに形成される空洞且つ一体になっているバー16およびバー20になるように、長手方向に分断されている。バー16およびバー20は、節点74により接続されており、この節点74は、上述の節点14と同様に、二つの部材からなり、バー20の嵌合要素34と相補的な嵌合要素を形成する。
【0057】
一方で、バー16は、通常の差し込み型接合部により節点74と、反対側の端部の節点とに、接続することはできる。フレームワークが実装されると、差し込み型接合部がまず完成され、図1と同様に、その後バー20が、上述のような方法で、混合節点74と他の混合節点14(図示されていない)の間に挿入され、そしてロックされる。節点74の一部およびバー20を形成する半割バーは共にのり付けされてもいいが、嵌合要素34の接続表面は節点74にはのり付けされず、そのようにすることで、節点74はバー20の長手方向の軸を中心に回転可能なままでいることが可能である。
【0058】
バー16および20と、節点24は共に、引張要素68を収容する貫通した通路64を形成する。しかしながら、公知の構造を有する引張装置76は、節点74の中に固定されており、そのようにすることで、引張要素を引っ張ることができる。例えば、引張装置は、節点24の中に固定して保持されるスリーブでもよく、一方の端部に右回りのネジを有し、もう一方の端部に左回りのネジを有しており、ねじこまれた引張要素68の対応する端部にネジボルトが固定されており、このようにすることで、節点74を回転して引張要素に張力を加えることができる。
【0059】
引張要素68が、ねじることにより長さを縮めるタイプのものであれば、これは例えばロープの場合などであるが、この場合の引張装置は、節点74を通るロープの一部をこの節点に固定することで形成してもよく、このようにすることにより、節点が回転する時、節点の反対側にあるロープの一部が反対方向にねじれる。場合によっては、ロープに張力が加えられているときに、節点74が回転し戻らないように回転止めが提供されてもよい。回転止めは、例えば、節点74と、バー16、20のうちの一つと貫通する交差ピン、節点74とバーのうちの一つの間に形成されるラチェットメカニズムなどにより形成されてよい。
【0060】
本願発明に係るフレームワークの変形例として、二次元的に伸びる伸長要素により形成されるバーであってもよい。例えば、図18および図19は、四つの節点14(ここでは、四つのうち二つしか図示していない)、三つのバー20’と、一つのバー20”を有するフレームワークの長方形フレーム78の断面図を示しており、それぞれ半割バー30’、32’および30”、32”からなっている。バー20”は、対応する節点の間に回転可能に保持されており、さらにその半割バー30”は、全フレーム78を満たすフラップ80を形成する。
【0061】
図18では、フラップ80は、開いた状態である。嵌合要素が図2に記載しているように構成されているとき、例えば、図18で示す位置では、節点の部材は、これらの嵌合要素によって共に形状適合してロックされていない位置でもある。フラップ80が傾斜し、図19に示す閉じた位置きたとき、節点14の部材の間にあるロック嵌合が達成される。
【0062】
各その他のバー20’は、フラップ80のためのストップ82を形成する。このストップは、それぞれ半割バー32’に形成され、半割バー30’と32’が回転してロック位置にくると、回転して作動位置に入る。最後に、フラップ80の自由端部(図19の右端部)は、同じ方法でストップ82に機械的にロックされ、反対側にあるバー20”およびバー20’は、ロック状態に固定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
節点(14、14’、74)と、バー(20、20’、20”)を有するバータイプの支持用フレームワークで、前記バーは、嵌合要素(34、36)の手段により前記バーの長手方向に対して少なくとも交差する方向に形状適合されて前記節点の間に保持され、
少なくとも一つのバー(20)および/またはバーにより接続される少なくとも二つの節点(14、14’、74)は、前記バーの長手方向に伸びる軸を中心に前記バーおよび節点の嵌合要素(34、36)に相対的な回転をさせることにより形状適合して保持される複数の部材(24,26;30、32)からなるバータイプの支持用フレームワーク。
【請求項2】
前記バーおよび/または節点における嵌合要素(34、36)は、回転対称構造を形成するために互いに補足しあう複数の部材(30、32;24、26)により形成されている請求項1に記載のフレームワーク。
【請求項3】
少なくとも一つのバー(20)は、長手方向に伸びる分離面(28)において互いに嵌合する二つの半割バー(30、32)からなる請求項1もしくは2に記載のフレームワーク。
【請求項4】
前記嵌合要素(34、36)は、前記バー(20)および前記節点(14)が前記バーの長手方向においても互いに形状適合してロックされる構成となっている請求項1〜3のいずれかに記載のフレームワーク。
【請求項5】
前記嵌合要素(34、36)は、前記バーが回転した時、前記バー(20)の端部に対して軸方向に節点(14)を締めるようになっているネジ状構造(42、44、46、48、50)を有する請求項4に記載のフレームワーク。
【請求項6】
前記バー(20)が、内部通路(64)を有し、さらに空洞のネットワークを形成するために前記通路(64)を繋げる内部空洞(66)を前記節点(14)が有している請求項1〜5のいずれかに記載のフレームワーク。
【請求項7】
前記空洞のネットワークがアーマ(68)を収容する請求項6に記載のフレームワーク。
【請求項8】
前記アーマは、少なくとも一つのバー(16、20)もしくは節点(14)を通過し、さらに前記フレームワークの複数の要素を、すなわち前記バーもしくは前記節点を、張力により接続する引張要素(68)含む請求項7に記載のフレームワーク。
【請求項9】
より長いバー(70)を形成するために、二つのバー(16、20)を、これらのバーに対して回転可能な節点(24)を用いて接続し、前記引張要素(68)は前記節点を通過し、さらに前記節点(74)は、前記引張要素を引っ張る引張メカニズム(76)を含む請求項8に記載のフレームワーク。
【請求項10】
前記通路(64)および空洞(66)は、外界から液体密閉に密封され、さらにパイプのネットワークの一部を形成するようになっている請求項6に記載のフレームワーク。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公表番号】特表2011−503399(P2011−503399A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533466(P2010−533466)
【出願日】平成20年11月5日(2008.11.5)
【国際出願番号】PCT/EP2008/009321
【国際公開番号】WO2009/062618
【国際公開日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(510130516)
【氏名又は名称原語表記】LEISEDER,Ulrich
【住所又は居所原語表記】Kreutzkamp 65,21465 Reinbeck(DE)