説明

パイプ製品気密検査シール装置及びパイプ製品気密検査シール方法

【課題】構造を簡素化したパイプ製品気密検査シール装置及びこのパイプ製品気密検査シール装置を利用するパイプ製品気密検査シール方法を提供すること。
【解決手段】 ヘッダー3、該ヘッダー3に対して相対的に移動可能なヘッダーガイド7及びヘッダー3とヘッダーガイド7との間に配設したシール部材11からなる組立体2と、該組立体2を移動させるアクチュエータ14と、を備えたパイプ製品気密検査シール装置1を準備して、組立体2をパイプ製品Pの一端部に向けて移動させて、ヘッダー3の係合部6をパイプ製品Pの一端部に係合させ、さらに、ヘッダーガイド7をヘッダー3に対してパイプ製品Pの一端部に向けてさらに移動させることにより、シール部材11を圧縮・拡径させて、シール部材11の外周部をパイプ製品Pの一端部の内側に密着させてパイプ製品Pを気密状態にシールする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の発明は、例えば、パイプ製品の気密性を検査する際に、パイプ製品の一端部の開口を気密状態にシールするために使用するパイプ製品気密検査シール装置及びパイプ製品気密検査シール方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パイプ製品は、流体の連通、搬送、保管その他の用途に広く用いられている。特に、ハイドロフォーミング法によって成形されるパイプ製品は、パイプ製品の外形形状を適宜形状に成形するキャビティを備える金型にパイプ材を保持した状態で、パイプ材の内側に比較的高圧の圧力媒体(水、油など)を封入すると共に、圧力媒体の加圧力を利用して、パイプ材自体を膨張させて成形するため、肉眼では判定困難な微小なクラック(割れ)が発生するおそれがある。
このハイドロフォーミング法によりパイプ材を成形した際にパイプ製品に発生するクラックは、パイプ製品としての品質を損なうことになり、さらに、クラックが発生したパイプ製品は、クラックを起点としてパイプ製品を損傷させる可能性があり、パイプ製品としての機能を果たすことが困難になってしまうおそれがある。
【0003】
そこで、従来から一般的に、パイプ製品としての品質を保障するために、パイプ製品気密検査装置を利用して、製造後のパイプ製品の気密性を検査する気密検査が実施されている。また、この気密検査に関連する先行文献として、特許文献1には、被テストパイプのフランジに固定する盲フランジと、この盲フランジと一体の中心パイプの先に固着した円板と、この円板の中心孔より中心パイプを経て、盲フランジの中心孔を貫通して延びる螺杆を有する挟圧円板と、円板と挟圧円板の周辺に挟まれ被テストパイプの内面に密着する弾性密着環とからなり、円板と挟圧円板に、弾性密着環の接触傾斜面を設け、盲フランジにテスト流体の送入口を設けた配管フランジ部の気密テスト装置を利用して、配管フランジ部の気密検査を行うことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭59−012034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記したパイプ製品気密検査装置に使用される従来のパイプ製品気密検査シール装置には、以下のような解決すべき課題が残されている。以下、図6及び図7を参照して、従来のパイプ製品気密検査シール装置の課題について説明する。
図6(a)、(b)は、従来のパイプ製品気密検査シール装置1aと、このパイプ製品気密検査シール装置1aによって、パイプ製品Pの一端部の開口Poを気密状態にシールする過程を示す側面図である。なお、パイプ製品Pについては便宜上断面図で示している(以下、他の図面も同様)。
また、図7は、従来のパイプ製品気密検査シール装置1aによりパイプ製品Pの一端部の開口Poを気密状態にシールする前後の状態を示す断面図であり、この図7において、一点鎖線で示す中心線Pcの上半分がパイプ製品Pの一端部の開口Poを気密状態にシールする前の状態を示しており、また、図7の中心線Pcの下半分が、パイプ製品Pの一端部の開口Poを気密状態にシールした後の状態を示している。
【0006】
まず、図6(a)、(b)を参照して、パイプ製品気密検査装置に使用される従来のパイプ製品気密検査シール装置1aについて説明する。
従来のパイプ製品気密検査シール装置1aは、ヘッダー3a、環状のシール部材11a、ヘッダーガイド7a及び支持部材12aを含む組立体2aと、ヘッダー3aを駆動する第2アクチュエータ14bと、組立体2aと第2アクチュエータ14bを一体に移動させる第1アクチュエータ14aと、を備えており、これらの各部材は基台18a上に配置して構成されている。
【0007】
そして、図6(a)に示すように、従来のパイプ製品気密検査シール装置1aを利用してパイプ製品Pの一端部の開口Poを気密状態にシールする場合、組立体2aのヘッダー3aを、パイプ製品Pの一端部の開口Poに対向させて位置決めする。この際、パイプ製品Pの他端部(図示省略)は、該パイプ製品Pが軸方向に移動しないように固定されている。
次に、第1アクチュエータ14aを駆動させて第1駆動シャフト15aを矢印Aの方向に向けて伸長させて、組立体2aと第2アクチュエータ14bを一体にパイプ製品Pの一端部の開口Poに向けて矢印A方向に移動させる。すると、図6(b)に示すように、組立体2aの先端側、すなわち、ヘッダー3a、シール部材11a及びヘッダーガイド7aの先端側が、パイプ製品Pの一端部の開口Poからパイプ製品Pの一端部の内側に挿入される。そして、組立体2aと共に第2アクチュエータ14bを矢印Aの方向に移動させて、組立体2aをパイプ製品Pの一端部の開口Poからパイプ製品Pの一端部に一定の深さまで挿入させた後、第1アクチュエータ14aの第1駆動シャフト15aの矢印A方向への伸長動作を停止する(図6(b)参照)。
【0008】
続いて、図6(b)及び図7に示すように、第1アクチュエータ14aの駆動シャフト15aの動作を停止させて、組立体2aと第2アクチュエータ14bを一定位置に保持した状態で、第2アクチュエータ14bを駆動させて第2駆動シャフト15bを矢印B方向に向けて後退させる。すると、第2駆動シャフト15bに連結されたヘッダー3aが第2駆動シャフト15bの後退動作に連動して矢印B方向に移動するため、ヘッダー3aとヘッダーガイド7aとの間に挟持された環状のシール部材11aが圧縮されると共に拡径される。その結果、図7の中心線Pcの下半分に示すように、圧縮されると共に拡径されたシール部材11aの外周部がパイプ製品Pの一端部の内側に密着されるため、パイプ製品Pの一端部の開口Poがシール部材11aで気密状態にシールされる。
【0009】
その後、パイプ製品Pの一端部の開口Poをシール部材11aで気密状態にシールした状態で、パイプ製品Pの気密検査が実施される。この場合、例えば、図示しないパイプ製品気密検査装置をパイプ製品Pの他端部の開口に接続して、パイプ製品Pの内部を不活性ガスで充填し、その後、パイプ製品気密検査装置を用いてパイプ製品Pに充填された不活性ガスのガス漏れの有無を検査することにより、パイプ製品Pの気密性、すなわち、パイプ製品Pにクラックや貫通孔が存在するかどうかを的確に判定することができる。
【0010】
ところで、図6及び図7を参照して説明したように、従来のパイプ製品気密検査シール装置1aは、組立体2aを移動させる第1アクチュエータ14aとヘッダー3aを移動させる第2アクチュエータ14bの2個のアクチュエータが必要であり、また、これらの2個のアクチュエータ14a,14bが上下方向に配置されているため、パイプ製品気密検査シール装置1a自体が大型となり、さらに、2個のアクチュエータ14a,14bを別々に駆動させる必要があるため、関連する部材が多くなり、構造も複雑になってしまうという問題があった。また、従来のパイプ製品気密検査シール装置1aは、気密検査を行うパイプ製品が多種にわたる場合、各パイプ製品毎に専用の組立体2aに段替えする必要があった。
一方、特許文献1には、円板と挟圧円板とにより弾性密着環を圧縮すると共に拡径させて、弾性密着環を被テストパイプの内面に密着させた状態で、盲フランジにテスト流体の送入口を設けた配管フランジ部の気密テスト装置を利用して、配管フランジ部の気密検査を行うことが開示されているが、この気密テスト装置は、フランジ付きのパイプ製品を対象としており、一般的なパイプ製品の気密性を検査することは考慮されていない。
【0011】
本願の発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、パイプ製品気密検査シール装置のアクチュエータの個数を減少させることにより、関連する部材も減少させて、構造を簡素化したパイプ製品気密検査シール装置を提供することを目的とする。
また、本願の発明は、複数種類のパイプ製品に対応させることができるパイプ製品気密検査シール装置を提供することを目的とする。
さらに、本願の発明は、構造を簡素化したパイプ製品気密検査シール装置を利用して、パイプ製品の気密性を的確に検査することができるパイプ製品気密検査シール方法を提供することを目的とする。
また、本願の発明は、複数種類のパイプ製品に対応させることができるパイプ製品気密検査シール方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決するために、本願の請求項1のパイプ製品気密検査シール装置に係る発明は、先端側部材、該先端側部材に対して相対的に移動可能に組み付けられた後端側部材、及び、前記先端側部材と前記後端側部材との間に配設した環状のシール部材から構成される組立体と、該組立体を移動させる駆動部と、を備えたパイプ製品気密検査シール装置であって、前記先端側部材は、ヘッド部と、該ヘッド部から後方に所定間隔をあけて設けられ前記パイプ製品の一端部に係合可能な係合部と、を備えており、前記後端側部材は、前記ヘッド部との間で前記シール部材を挟持する先端部と、該先端部の後方に形成され前記係合部が移動自在に配置される溝部と、を備えており、前記駆動部を駆動させて、前記組立体を前記パイプ製品の一端部に向けて移動させることにより、前記先端側部材の係合部を前記パイプ製品の一端部に係合させ、さらに、前記後端側部材を前記先端側部材に対して前記パイプ製品の一端部に向けて移動させて、前記先端側部材のヘッド部と前記後端側部材の先端部との間で前記シール部材を圧縮・拡径させて、前記シール部材の外周部を前記パイプ製品の一端部の内側に密着させてパイプ製品を気密状態にシールすることを特徴とする。
本願の請求項1のパイプ製品気密検査シール装置に係る発明によれば、パイプ製品気密検査シール装置の駆動部(アクチュエータ)の個数を減少させることで、関連する部材も減少させて、構造を簡素化したパイプ製品気密検査シール装置を提供することができる。
また、上述した課題を解決するために、本願の請求項3のパイプ製品気密検査シール方法に係る発明は、パイプ製品の一端部に係合可能な係合部を備えた先端側部材、該先端側部材に対して相対的に移動可能に組み付けられた後端側部材、及び、前記先端側部材と前記後端側部材との間に配設した環状のシール部材から構成される組立体と、該組立体を移動させる駆動部と、を備えたパイプ製品気密検査シール装置を準備して、まず、前記駆動部を駆動させて、前記組立体をパイプ製品の一端部に向けて移動させて、前記先端側部材の係合部を前記パイプ製品の一端部に係合させ、次に、前記後端側部材を前記先端側部材に対して前記パイプ製品の一端部に向けてさらに移動させることにより、前記先端側部材と前記後端側部材との間で前記シール部材を圧縮・拡径させて、前記シール部材の外周部を前記パイプ製品の一端部の内側に密着させてパイプ製品を気密状態にシールする、ことを特徴とする。
本願の請求項3のパイプ製品気密検査シール方法に係る発明によれば、構造を簡素化したパイプ製品気密検査シール装置を利用して、パイプ製品の気密性を的確に検査することができるパイプ製品気密検査シール方法を提供することができる。
【0013】
(発明の態様)
以下、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、請求可能発明と称する)の態様を例示し、例示された各態様について説明する。ここでは、各態様を、特許請求の範囲と同様に、項に区分すると共に各項に番号を付し、必要に応じて他の項の記載を引用する形式で記載する。これは、請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施形態の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得る。
本願の発明は、以下の(1)〜(7)項の態様で構成される。(1)、(2)項の態様が請求項1,2に相当しており、また、(5)〜(7)項が請求項3〜5に相当している。
【0014】
(1) 先端側部材、該先端側部材に対して相対的に移動可能に組み付けられた後端側部材、及び、前記先端側部材と前記後端側部材との間に配設した環状のシール部材から構成される組立体と、該組立体を移動させる駆動部と、を備えたパイプ製品気密検査シール装置であって、前記先端側部材は、ヘッド部と、該ヘッド部から後方に所定間隔をあけて設けられ前記パイプ製品の一端部に係合可能な係合部と、を備えており、前記後端側部材は、前記ヘッド部との間で前記シール部材を挟持する先端部と、該先端部の後方に形成され前記係合部が移動自在に配置される溝部と、を備えており、前記駆動部を駆動させて、前記組立体を前記パイプ製品の一端部に向けて移動させることにより、前記先端側部材の係合部を前記パイプ製品の一端部に係合させ、さらに、前記後端側部材を前記先端側部材に対して前記パイプ製品の一端部に向けて移動させて、前記先端側部材のヘッド部と前記後端側部材の先端部との間で前記シール部材を圧縮・拡径させて、前記シール部材の外周部を前記パイプ製品の一端部の内側に密着させてパイプ製品を気密状態にシールすることを特徴とするパイプ製品気密検査シール装置。
【0015】
(1)項に係るパイプ製品気密検査シール装置は、例えば、パイプ製品気密検査装置に外付け又は包含されて使用される。
そして、(1)項のパイプ製品気密検査シール装置によれば、駆動部(アクチュエータ)を駆動して、組立体をパイプ製品の一端部に向けて「一方向」に移動させて、先端側部材(ヘッダー)の係合部をパイプ製品の一端部に係合させ、さらに、後端側部材(ヘッダーガイド)を先端側部材(ヘッダー)に対して、組立体の移動方向と同じ「一方向」に移動させて、先端側部材のヘッド部と後端側部材の先端部との間でシール部材を圧縮・拡径させて、シール部材の外周部をパイプ製品の一端部の内側に密着させてパイプ製品を気密状態にシールすることができる。そのため、1個の駆動部(アクチュエータ)により、組立体と後端側部材(ヘッダーガイド)を同一の方向に移動させることが可能となり、パイプ製品気密検査シール装置の構造を簡素化することができる。
ここで、(1)項の気密検査の対象とするパイプ製品は、上記したハイドロフォーム法によって製造されるパイプ製品を一例とするがこれに限定されない。例えば、種々の実験や試験器具のためのパイプ製品、プラントや機械装置内に用いられるパイプ製品も対象とする。また、合成樹脂製のパイプ製品や金属製のパイプ製品も対象とする。さらに、パイプ製品には、チューブと称されるカテゴリのパイプ製品も含む。
また、(1)項では、パイプ製品の気密検査を代表例とするが、パイプ製品の寿命検査その他の検査も含む。
【0016】
(2) 複数種類の前記パイプ製品に対応させて、複数の前記組立体を備えることを特徴とする(1)項に記載のパイプ製品気密検査シール装置。
(2)項のパイプ製品気密検査シール装置によれば、例えば、内径の異なる複数のパイプ製品の気密検査を同時に実施することができる。
【0017】
(3) 複数の前記組立体は、並列に配置されていることを特徴とする(2)項に記載のパイプ製品気密検査シール装置。
(3)項のパイプ製品気密検査シール装置によれば、例えば、組立体を段替えすることなく、内径の異なる複数のパイプ製品の気密検査を同時に実施することができる。
【0018】
(4) 複数の前記組立体は、直列に配置されていることを特徴とする(2)項に記載のパイプ製品気密検査シール装置。
(4)項のパイプ製品気密検査シール装置によれば、例えば、組立体を段替えすることなく、内径の異なる複数のパイプ製品の気密検査を順次実施することができる。
【0019】
(5) パイプ製品の一端部に係合可能な係合部を備えた先端側部材、該先端側部材に対して相対的に移動可能に組み付けられた後端側部材、及び、前記先端側部材と前記後端側部材との間に配設した環状のシール部材から構成される組立体と、該組立体を移動させる駆動部と、を備えたパイプ製品気密検査シール装置を準備して、まず、前記駆動部を駆動させて、前記組立体をパイプ製品の一端部に向けて移動させて、前記先端側部材の係合部を前記パイプ製品の一端部に係合させ、次に、前記後端側部材を前記先端側部材に対して前記パイプ製品の一端部に向けてさらに移動させることにより、前記先端側部材と前記後端側部材との間で前記シール部材を圧縮・拡径させて、前記シール部材の外周部を前記パイプ製品の一端部の内側に密着させてパイプ製品を気密状態にシールする、ことを特徴とするパイプ製品気密検査シール方法。
(5)項のパイプ製品気密検査シール方法によれば、駆動部(アクチュエータ)を駆動して、組立体をパイプ製品の一端部に向けて「一方向」に移動させて、先端側部材(ヘッダー)の係合部をパイプ製品の一端部に係合させ、さらに、後端側部材(ヘッダーガイド)を先端側部材(ヘッダー)に対して、組立体の移動方向と同じ「一方向」に移動させて、先端側部材のヘッド部と後端側部材の先端部との間でシール部材を圧縮・拡径させて、シール部材の外周部をパイプ製品の一端部の内側に密着させてパイプ製品を気密状態にシールすることができる。そのため、1個の駆動部(アクチュエータ)により、組立体と後端側部材(ヘッダーガイド)を同一の方向に移動させることが可能となり、パイプ製品の気密検査工程を簡素化することができる。
【0020】
(6) 前記パイプ製品気密検査シール装置は、複数種類の前記パイプ製品に対応させて、複数の前記組立体を備えており、複数の前記組立体を並列に配置することにより、複数の前記パイプ製品を、同時に気密状態にシールする、ことを特徴とする(5)項に記載のパイプ製品気密検査シール方法。
(6)項のパイプ製品気密検査シール方法によれば、組立体を段替えすることなく、内径の異なる複数のパイプ製品の気密検査を同時に実施することができる。
【0021】
(7) 前記パイプ製品気密検査シール装置は、複数種類の前記パイプ製品に対応させて、複数の前記組立体を備えており、複数の前記組立体を直列に配置することにより、複数の前記パイプ製品を、順次気密状態にシールする、ことを特徴とする(5)項に記載のパイプ製品気密検査シール方法。
(7)項のパイプ製品気密検査シール方法によれば、組立体を段替えすることなく、内径の異なる複数のパイプ製品の気密検査を順次実施することができる。
【発明の効果】
【0022】
本願の発明によれば、パイプ製品気密検査シール装置の駆動部(アクチュエータ)の個数を減らすことにより、関連する部材も減少させて、構造を簡素化したパイプ製品気密検査シール装置を提供することができる。
また、本願の発明によれば、複数種類のパイプ製品に対応させることが可能なパイプ製品気密検査シール装置を提供することができる。
さらに、本願の発明によれば、構造を簡素化したパイプ製品気密検査シール装置を利用して、パイプ製品の気密性を的確に検査することが可能なパイプ製品気密検査シール方法を提供することができる。
また、本願の発明のよれば、複数種類のパイプ製品に対応させることが可能なパイプ製品気密検査シール方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、本願の発明の実施の形態に係るパイプ製品気密検査シール装置の側面図である。
【図2】図2は、本願の発明の実施の形態に係るパイプ製品気密検査シール装置の組立体をパイプ製品の一端部の開口に挿入した状態を示す一部断面側面図であり、中心線Pcの上半分に、シール部材の圧縮前の状態を示しており、また、中心線Pcの下半分に、シール部材を圧縮・拡径させた状態を示している。
【図3】図3は、パイプ製品気密検査シール装置の組立体を構成する部材を分解して示す斜視図(a)と、組立体を構成する部材を組み立てた状態を示す斜視図(b)である。
【図4】図4は、本願の発明の他の実施の形態に係るパイプ製品気密検査シール装置を示す側面図であり、並列に配置した2つの組立体を備えたパイプ製品気密検査シール装置を示している。
【図5】図5は、本願の発明のさらに他の実施の形態に係るパイプ製品気密検査シール装置を示す側面図であり、直列に配置した2つの組立体を備えたパイプ製品気密検査シール装置を示しており、(a)は、小径の組立体を小径のパイプ製品の一端部の開口に挿入した状態を示しており、また、(b)は、大径の組立体を大径のパイプ製品の一端部の開口に挿入した状態を示している。
【図6】図6は、従来のパイプ製品気密検査シール装置の側面図であり、(a)は、組立体をパイプ製品の一端部の開口に挿入する前の状態を示しており、また、(b)は、組立体をパイプ製品の一端部の開口に挿入した後の状態を示している。
【図7】図7は、従来のパイプ製品気密検査シール装置の組立体をパイプ製品の一端部の開口に挿入した状態を示す一部断面側面図であり、中心線Pcの上半分に、シール部材の圧縮前の状態を示しており、また、中心線Pcの下半分に、シール部材を圧縮・拡径させた状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本願の発明に係る好適な実施の形態を、添付図面を参照しながら説明するが、以下に記載される装置及びその各構成要素、各部品、各箇所、各材料は、本願の発明の実施の形態の一例であり、これに限られるものではない。また、図中、同一の符号を付した部分は同一物、同一部材を表し、装置や部材の各寸法、各比率は実際のものを反映したものではなく、概略的に示したものである。
【0025】
図1は、パイプ製品Pの一端部の開口Poを気密状態にシールすることが可能なパイプ製品気密検査シール装置1を示す。
図1を参照して、本願の発明に係る実施の形態について説明するが、パイプ製品気密検査シール装置1は、パイプ製品Pの気密検査装置(図示省略)に外付け又は含むようにして使用される。
図1に示すように、パイプ製品気密検査シール装置1は、係合部6を備えたヘッダー(先端側部材)3、ヘッダーガイド(後端側部材)7、シール部材11及び支持部材12から構成される組立体2を含んでおり、また、この組立体2を移動自在に支持する支持部材用基台17と、この支持部材用基台17を移動させるアクチュエータ(駆動部)14を取り付けるアクチュエータ用基台16を含んでおり、パイプ製品Pの気密検査をする際に、アクチュエータ14を駆動させることにより、組立体2をパイプ製品Pの一端部の開口Poに挿入して、パイプ製品Pの一端部の開口Poを気密状態にシールする装置である。
【0026】
アクチュエータ用基台16と支持部材用基台17を支持する基台18は、平坦な床面に支持されており、基台18の上面も平坦面に設定されている。この基台18は、例えば、ステンレス製の基台で構成することができる。
また、基台18の上面には、アクチュエータ用基台16が固定状態で載置されている。さらに、基台18の上面には直線移動可能な案内部(図示省略)が設けられており、組立体2、すなわち、支持部材12に取り付けられたヘッダー3、ヘッダーガイド7及びシール部材11が支持部材用基台17と共に案内部に沿って直線状に移動できるように構成されている。
アクチュエータ14は、従来の第1、第2アクチュエータ14a、14bと同等のもの或いは必要に応じて異なる大きさ・性能のものでもよく、基台18上に支持されているアクチュエータ用基台16に取り付けられている。
【0027】
次に、図3を参照して、ヘッダー3、ヘッダーガイド7、シール部材11及び支持部材12並びにこれらを含む組立体2について以下に説明する。
図3において、(a)はパイプ製品気密検査シール装置1の組立体2の構成要素である、ヘッダー3、シール部材11、ヘッダーガイド7及び支持部材12を分解して示しており、また、(b)はこれらの各部材を組み立てた組立体2を示している。
図3(a)に示すように、組立体2の先端側部材であるヘッダー3は、所定長さの円柱部5と、この円柱部5の先端に一体に形成されたヘッド部4と、円柱部5の周面から互いに外側に突出するように形成された一対の係合部6、6と、から構成されている。ヘッド部4は円柱部5の外径よりも大径の円板状に形成されている。また、一対の係合部6、6は、円柱部5の周面から外側に突出するように略180度の間隔で形成されており、組立体2のヘッド部4をパイプ製品Pの一端部の開孔Po内に挿入した際に、各係合部6、6の先端部がパイプ製品Pの一端部(開口Poの端部)に当接して係合されるように形成されている(図2参照)。
【0028】
この実施の形態では、円柱部5の周囲に一対の係合部6,6を形成しているが、係合部6の個数は2つに限られず、1つでもよいし3つ以上でもよい。ただし、組立体2のヘッド部4をパイプ製品Pの一端部の開口Poに挿入して、係合部6をパイプ製品Pの一端部に当接させて係合させることを考慮すると、係合部6の個数は偶数とすることが望ましく、また円柱部5の中心軸(Pc)に対して対称に配置することが望ましい。
ヘッド部4は、円柱部5の外径よりも大径に形成され、さらに、パイプ製品Pの一端部の開口Po内に挿入する際に、パイプ製品Pの一端部の開口Po内に挿入し易いように先端面に向うにつれて先細り状に形成されている。
【0029】
組立体2の後端側部材であるヘッダーガイド7は、円筒部9とこの円筒部9の後端部に一体に形成されたフランジ部8とから構成されている。円筒部9は、その内径がヘッダー3の円柱部5の外径よりもわずかに大径に形成されており、また、円筒部9の先端部には、この円筒部9の軸線方向に沿って、所定長さの一対の溝部10,10が形成されている。これらの一対の溝部10、10は、ヘッダー3の一対の係合部6,6に対応させて形成されており、ヘッダー3の一対の係合部6,6の案内手段として機能して、ヘッダー3とヘッダーガイド7とを相対的に移動可能に組み付けることができる。なお、溝部10は、係合部6の数に合わせて形成されている。
【0030】
また、ヘッダーガイド7は、フランジ部8を介して支持部材12に取り付けられて固定される。このとき、ヘッダーガイド7の円筒部9の開口部が、支持部材12に形成された開口部13に対して、軸線方向に芯合わせされた状態で固定される。ここで、支持部材12の開口部13の内径は、円筒部9の開口部の内径と略同じ内径に形成されているが、ヘッダー3をヘッダーガイド7及び支持部材12に組み付けた際に、ヘッダー3の円柱部5の後端部が支持部材12の開口部13内で移動できる程度の内径に設定されている。
【0031】
シール部材11は、弾性変形自在の環状の弾性部材、好ましくは、シリコン製の環状のシールゴムから形成されている。また、このシール部材11は、その幅が、ヘッダー3のヘッド部4と係合部6との間の間隔よりも小さい幅に設定されている。そして、シール部材11は、組立体2に組み付けられた状態で、ヘッダー3のヘッド部4とヘッダーガイド7の円筒部9の先端部との間に配設される(図2参照)。
【0032】
そして、組立体2は、支持部材12に固定されたヘッダーガイド7の円筒部9に、ヘッド部4と係合部6との間にシール部材11を装着したヘッダー3の円柱部5を挿入すると共に、ヘッダー3の一対の係合部6、6をヘッダーガイド7の円筒部9の一対の溝部10、10に嵌合することにより、図3(b)に示すように組み付けられる。
【0033】
そして、この組立体2の支持部材12は、図1に示されるように、基台18の上面に移動自在に配置された支持部材用基台17に取り付けられているので、組立体2は、支持部材12と共に支持部材用基台17の上面に対して垂直に保持され、基台18の上面に形成した案内部に沿って矢印A方向に直線状に移動することができる。
【0034】
次に、図1及び図2を参照して、上記した組立体2を備えたパイプ製品気密検査シール装置1の動作について、以下に説明する。
(準備段階)
準備段階では、図1に示すように、パイプ製品Pの一端部に係合可能な係合部6を備えたヘッダー(先端側部材)3、このヘッダー3に対して相対的に移動可能なヘッダーガイド(後端側部材)7、ヘッダー3とヘッダーガイド7との間に配設したシール部材11及び支持部材12を組み付けた組立体2を準備する。
【0035】
(第1移動段階)
この第1移動段階では、アクチュエータ14の駆動シャフト15を矢印Aの方向に伸長させて、支持部材用基台17上に配置した組立体2、すなわち、係合部6を備えたヘッダー3、シール部材11、ヘッダーガイド7及び支持部材12を含む組立体2をパイプ製品Pの一端部の開口Poに接近させるように移動させる。
そして、図2の中心線Pcの上半分に示すように、組立体2のヘッダー3、シール部材11及びヘッダーガイド7の先端部を、パイプ製品Pの一端部の開口Po内に挿入して、一対の係合部6、6をパイプ製品Pの一端部に当接させて係合させる。この一対の係合部6、6をパイプ製品Pの一端部に係合させる段階では、ヘッダー3とヘッダーガイド7との相対位置は変更されていないので、シール部材11の形状は変化していない。
【0036】
(第2移動段階)
次に、ヘッダー3の一対の係合部6、6をパイプ製品Pの一端部に係合させた状態で、アクチュエータ14の駆動シャフト15をさらに矢印Aの方向に伸長させて、支持部材12を介してヘッダーガイド7をヘッダー3に接近させるように移動させる。すると、図2の中心線Pcの下半分に示すように、停止しているヘッダー3のヘッド部4とヘッダーガイド7の円筒部9の先端部との間に配置されているシール部材11は、軸方向に圧縮されると共に、径方向に膨張するように拡径される。
その結果、シール部材11は、軸方向に圧縮されると共に径方向に膨張して拡径されるため、シール部材11の外周部がパイプ製品Pの一端部の内側に密着され、パイプ製品Pの一端部の開口Poが良好に気密状態にシールされる。
そして、パイプ製品Pの一端部の開口Poを組立体2により気密状態にシールした状態で、パイプ製品Pの他端部の開口(図示省略)に、例えば気密検査装置(図示省略)を気密状態にシールして装着することにより、パイプ製品Pの気密性を好適に検査することができる。
【0037】
以上、本願の発明の実施の形態に係るパイプ製品気密検査シール装置1によれば、単一のアクチュエータ14をパイプ製品気密検査シール装置1に組み込むだけで、パイプ製品Pの一端部の開口Poを気密状態に適切にシールすることができるので、パイプ製品気密検査シール装置1自体の構造を簡素化することができ、併せてパイプ製品気密検査シール装置1の設置スペースを減少させることができる。
【0038】
次に、本願の発明の他の実施の形態について、図4及び図5を参照して説明する。
まず、図4は、本願の発明の他の実施の形態に係るパイプ製品気密検査シール装置1Aを示しており、このパイプ製品気密検査シール装置1Aでは、内径の異なる2本のパイプ製品PA、PBを同時に気密状態にシールすることができるように構成されている。
【0039】
図4に示すように、本願の発明の他の実施の形態に係るパイプ製品気密検査シール装置1Aは、上述したパイプ製品気密検査シール装置1と比較して、並列に配置した内径の異なる2本のパイプ製品PA、PBに対応させて、大小径2つの組立体2A、2Bを1つの支持部材12Aに並列に配置して構成されている。各組立体2A、2Bは、パイプ製品PA,PBの内径に対応させて、大小径2つのヘッダー3A、3B、大小径2つのヘッダーガイド7A、7B及び大小径2つのシール部材11A、11Bを備えている。そして、1つの支持部材12Aに並列に配置した大小径2つの組立体2A,2Bは、1つの支持部材12Aを1個のアクチュエータ14で駆動することにより、内径の異なる2本のパイプ製品PA,PBの一端部の開口を同時に気密状態にシールすることができる。
【0040】
上述したパイプ製品気密検査シール装置1Aでは、1個のアクチュエータ14を駆動することにより、大小径2つの組立体2A、2Bで内径の異なる2本のパイプ製品PA,PBの一端部の開口を同時に気密状態にシールする形態について説明したが、気密検査する対象のパイプ製品Pの内径に合わせて、複数の組立体2を準備しておくことにより、パイプ製品Pの内径に対応させて、適宜の組立体2を選択して、内径の異なる2本のパイプ製品Pを気密状態にシールすることができる。また、内径の異なる2本のパイプ製品Pだけでなく、同径の2本のパイプ製品Pも同様に同時に気密状態にシールすることができる。また、支持部材12Aに大小径2つの組立体2A、2Bを設置する形態について説明したが、2つ以上の組立体2を支持部材12Aに設置することもできる。
【0041】
また、図示を省略するが、支持部材12Aをターレット状に回転できるように構成して、複数の、例えば、3つまたは4つの組立体2A、2B、…を配置するように構成することもできる。このように構成することにより、内径の異なる、または、同径の2本のパイプ製品PA,PBの気密検査を実施している間に、次に気密検査するパイプ製品Pの内径に対応させて選択した組立体2A、2B、…を予め配置しておいて気密検査をより迅速に行うことができる。
【0042】
さらに、図5に示すように、本願の発明のさらに他の実施の形態に係るパイプ製品気密検査シール装置1Bは、上述したパイプ製品気密検査シール装置1,1Aと比較して、2本のパイプ製品PA、PBに対応させて、大小径2つの組立体2A、2Bを1つの支持部材12Bに直列に配置している。各組立体2A、2Bは、パイプ製品PA,PBの内径に対応させて、大小径2つのヘッダー3A、3B、大小径2つのヘッダーガイド7A、7B及び大小径2つのシール部材11A、11Bを備えている。そして、1つの支持部材12Bに直列に設置された大小径2つの組立体2A,2Bは、1つの支持部材12Bを1個のアクチュエータ14で駆動することにより、内径の異なる2本のパイプ製品PA,PBの一端部の開口を気密状態にシールすることができる。
そして、図5に示すパイプ製品気密検査シール装置1Bは、大径の組立体2Aの先端側に小径の組立体2Bを配置して、すなわち、小径のヘッダー3B、小径のシール部材11B及び小径のヘッダーガイド7Bから構成した組立体2Bを、大径のヘッダー3A、大径のシール部材11A及び大径のヘッダーガイド7Aから構成した組立体2Aの先端側に配置して、組立体2Bと組立体2Aを同軸状に組み付けて構成されている。
【0043】
図5に示す本願の発明のさらに他の実施の形態に係るパイプ製品気密検査シール装置1Bの動作は、パイプ製品気密検査シール装置1,1Aの動作と基本的に同様であるため説明は省略するが、パイプ製品気密検査シール装置1Bを上記のように構成することにより、大小径の2本のパイプ製品PA、PBを、1つのアクチュエータ14を駆動させることにより、順次気密状態にシールすることができる。
【0044】
なお、本願の発明の実施の形態では、パイプ製品P、PA,PB及びパイプ製品シール装置1、1A、1Bを水平方向に配置しているが、水平以外の方向、例えば、水平面に対して適宜傾斜させた方向に沿って配置してもよい。その際には、ヘッダー、ヘッダーガイド及びシール部材を含む組立体2、2A、2Bの中心軸を傾斜させた方向に沿うように合わせることになる。
【符号の説明】
【0045】
1 パイプ製品気密検査シール装置
2 組立体
3 ヘッダー(先端側部材)
4 ヘッド部(先端側部材)
5 円柱部(先端側部材)
6 係合部(先端側部材)
7 ヘッダーガイド(後端側部材)
8 フランジ部(後端側部材)
9 円筒部(後端側部材)
10 溝部(後端側部材)
11 シール部材
12 支持部材
13 開口部
14 アクチュエータ(駆動部)
15 駆動シャフト(駆動部)
16 アクチュエータ用基台
17 支持部材用基台
18 基台
P パイプ製品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端側部材、該先端側部材に対して相対的に移動可能に組み付けられた後端側部材、及び、前記先端側部材と前記後端側部材との間に配設した環状のシール部材から構成される組立体と、該組立体を移動させる駆動部と、を備えたパイプ製品気密検査シール装置であって、
前記先端側部材は、ヘッド部と、該ヘッド部から後方に所定間隔をあけて設けられ前記パイプ製品の一端部に係合可能な係合部と、を備えており、
前記後端側部材は、前記ヘッド部との間で前記シール部材を挟持する先端部と、該先端部の後方に形成され前記係合部が移動自在に配置される溝部と、を備えており、
前記駆動部を駆動させて、前記組立体を前記パイプ製品の一端部に向けて移動させることにより、前記先端側部材の係合部を前記パイプ製品の一端部に係合させ、さらに、前記後端側部材を前記先端側部材に対して前記パイプ製品の一端部に向けて移動させて、前記先端側部材のヘッド部と前記後端側部材の先端部との間で前記シール部材を圧縮・拡径させて、前記シール部材の外周部を前記パイプ製品の一端部の内側に密着させてパイプ製品を気密状態にシールすることを特徴とするパイプ製品気密検査シール装置。
【請求項2】
複数種類の前記パイプ製品に対応させて、複数の前記組立体を備えることを特徴とする請求項1に記載のパイプ製品気密検査シール装置。
【請求項3】
パイプ製品の一端部に係合可能な係合部を備えた先端側部材、該先端側部材に対して相対的に移動可能に組み付けられた後端側部材、及び、前記先端側部材と前記後端側部材との間に配設した環状のシール部材から構成される組立体と、該組立体を移動させる駆動部と、を備えたパイプ製品気密検査シール装置を準備して、
まず、前記駆動部を駆動させて、前記組立体をパイプ製品の一端部に向けて移動させて、前記先端側部材の係合部を前記パイプ製品の一端部に係合させ、
次に、前記後端側部材を前記先端側部材に対して前記パイプ製品の一端部に向けてさらに移動させることにより、前記先端側部材と前記後端側部材との間で前記シール部材を圧縮・拡径させて、前記シール部材の外周部を前記パイプ製品の一端部の内側に密着させてパイプ製品を気密状態にシールする、ことを特徴とするパイプ製品気密検査シール方法。
【請求項4】
前記パイプ製品気密検査シール装置は、複数種類の前記パイプ製品に対応させて、複数の前記組立体を備えており、複数の前記組立体を並列に配置することにより、複数の前記パイプ製品を、同時に気密状態にシールする、ことを特徴とする請求項3項に記載のパイプ製品気密検査シール方法。
【請求項5】
前記パイプ製品気密検査シール装置は、複数種類の前記パイプ製品に対応させて、複数の前記組立体を備えており、複数の前記組立体を直列に配置することにより、複数の前記パイプ製品を、順次気密状態にシールする、ことを特徴とする請求項3に記載のパイプ製品気密検査シール方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−40786(P2013−40786A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176036(P2011−176036)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】