説明

パソコンシステム

【目的】 パソコンに明るくないユーザでも容易に操作し得る、汎用のアプリケーションソフト(例えば、表計算ソフト、データベースソフト、ワープロソフト)を混在させたパソコンシステムを提供するものである。
【構成】 起動に当って、具体的な業務名(例えば、収支計画・名簿管理等)の一覧を通常語で表示するメニュー表示手段と、汎用ソフト選択手段と、業務起動手段と、各業務内の操作手段を有する、通常語による系統的なメニュー及び通常語による画面上の操作指示によって操作することを特徴とするシステムである。
【効果】 パソコンに明るくないユーザでも、容易に操作し得るものである。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パソコンの利用に於て複数の汎用ソフトを組込み、且つそれぞれの汎用ソフトを複数の業務に使用する際に、パソコンの技術に明るくない人々が容易に操作できるシステムに関するものである。これによって企業の経営者などいろいろな業務をパソコンで処理し、作業効率を挙げたいと思っている人々が容易にパソコンを利用することが出来る。
【0002】
【従来の技術】パソコンのソフトの進展はめざましく、汎用ソフトや特定の業務用ソフトが多数提供される状況になった。しかし複数の汎用ソフトを使用して種々の業務を行う場合は、図1に示すように汎用ソフトの名称の一覧表を表示し、その中から希望するもの例えば表計算ソフトを選び出し、それを起動させてから数種類のオペレーションを行って目的とする業務例えば収支計画に進むのが通例である。またその業務に進んだ後の操作も通常は専門的なコンピュータ用語によるので、作業は容易ではなかった。このような構成に於いては、仕事に忙殺されている人々例えば経営者等にとって、自らパソコンを使用することはほとんど不可能なことであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のシステムに於ける前項のような困難を解決し、パソコンに不慣れな一般の人々が、複数の汎用ソフトを利用し、それによって種々の業務を行おうとするとき、容易にパソコンを操作することを可能とするために、通常語を介して操作ができるシステムを提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のシステムは、汎用のアプリケーションソフト、例えば表計算ソフト、データベースソフト、ワープロソフトなど(以下、汎用ソフトと言う)を混在させ、それぞれの汎用ソフトを種々の業務に使用することのできるパソコンシステムに於いて、その起動に当たって、前記各汎用ソフトの名称をメニュー表示する通常のやり方に代わって、例えば収支計画、名簿管理、メモ管理などのような具体的な業務名の一覧を通常語により表示する、パソコンのOSの基本コマンドの組合せによるメニュー表示手段と、実行しようとする業務とそれに対応する汎用ソフトを選択するための、パソコンの基本コマンドの組合せによる汎用ソフト選択手段と、選択された特定の汎用ソフトを起動して、その業務に適応した動作を行わせるための、パソコンの基本コマンドの組合せ及び特定汎用ソフトの基本コマンドの組合せによる業務起動手段と、個々の業務に入った段階に於いて特定形式の画面を表示し、且つその中に於ける種々の操作例えばタイトル表示、行・列の挿入・削除、辞書参照、ファイルへの書き込みなどの機能を、特定汎用ソフトの基本コマンド及び操作コマンドの組合せによって実現する通常語による各業務内の操作手段を有する、複数の汎用ソフトを利用するパソコンシステムに於ける通常語による系統的なメニュー及び通常語による画面上の操作指示によって操作することを特徴とするものである。本発明のシステムの流れを図2に示す。
【0005】以下、前記の■起動時のメニュー表示手段、■汎用ソフト選択手段、■業務起動手段、■通常語による業務内の操作手段を図3ないし図5のフローチャートを用いて示す。本発明のシステムはハード的にはパソコンの中央処理装置、ハードディスク装置等の大容量記憶装置、表示装置及びプリンター等から構成される。ソフト的にはパソコンのOS、表計算ソフト、データベースソフト及びワープロソフト等の汎用ソフトから構成される。これらのハード及びソフトは市販されているものを利用することができるが、全体を統合するために、それぞれの有するコマンドを組合せて、いわゆるマクロを作成し、通常語による系統的なメニュー及び通常語による画面上の操作指示に従って操作できる方式を確立している。
【0006】
【構成、作用】(1) 業務選択メニュー表示手段と汎用ソフト選択手段パソコンの最も基本的な起動方法は、電源を入れたあと記憶装置に登録されているプログラム名を入力するものである(例えばMS−DOSにおけるA>PROG1)。やや進んだものは図1に示すように、汎用ソフト名の一覧表を表示し、その中から希望のものを選択する方法である。本発明では、図6に示すように通常語による具体的な業務名の一覧表を表示する。これはOSのコマンドの組合せによるもので形式は前述の従来のもの(図1)に似ているが、図1では汎用ソフト名を指定し汎用ソフトの動作に移ってから具体的な業務名に対応するファイル名を入力する等数回の操作を必要とするのに対し、本発明では最初に具体的で分かりやすい業務名を指定し、その業務に対応した汎用ソフトを自動的に選択し業務を起動する。このため中間的に汎用ソフト名を指定しないで済む。
【0007】(2) 業務起動手段(1)で業務が選択されたとき自動的にその業務に適した汎用ソフトが選択されると述べたが、汎用ソフトが選択されると同時に、業務毎にあらかじめ指定された画面を表示する機能と、必要に応じて特定ファイルを読み込む機能と、その他の作業のための通常語による操作指示を表示する機能を、OSや汎用ソフトの基本コマンドの組合せによって実現している。
【0008】(3) 通常語による操作手段汎用ソフトは通常の場合それぞれの基本的な操作コマンドによって操作されるが、それらはコンピュータ特有の言語のために一般の人には分かりにくい。本発明では、業務に応じて選択された汎用ソフトの基本コマンドや操作コマンドを組合せ、業務に応じた通常語による分かりやすい表現の操作コマンドを作り出している。例えば表の中に1行挿入するには通常のやり方では数回の操作を要するが、本発明のシステムに於いては所定の位置にカーソルを移動した後は1回の「行挿入」というコマンドの操作で可能になっている。(図7の上段の行参照)
【0009】
【実施例】本発明のシステムの実施例の1つを、図6および図7に示す。(システムの構成)システムは次のようなハード及びソフトで構成される。
(1) ハード:パソコン本体、内部増設メモリー、内部増設ハードディスク、プリンター。(図8参照)
(2) ソフト:OS、汎用表計算ソフト、汎用データベースソフト、ワープロソフト。
(3) 以上のハード及びソフトを、ユーザーが導入後ただちに使用できるようにする、あらかじめメモリーの適正配置及びコマンド連鎖(いわゆるマクロ)等によって構築されたソフト。
(通常語による系統的でわかりやすいメニュー)図6に示すように通常語による系統的で分かり易いメニューを備えている。これは経営者、管理者のためのシステムの一例である。これらのメニューは通常の言葉を使用しており、はじめてこのシステムに取り組む人に、抵抗感をできるだけ持たせないようにしている。メニューにより業務が選択された時には、その業務に対応する画面(例えば図7に示す収支計画)が表示される。一般のアプリケーションにおいては図7の上段に示す作業指示の内、例えば「行挿入」は、当システムと違って一つの動作では行われず、例えば「作業コマンドを選択する」「挿入を選ぶ」「行か列かのどちらかを指定する」「何行挿入するか入力する」「リターンキーを押す」のようにたくさんの操作をしなければならない。当システムでは図7に示すように、「行挿入」というコマンドを入力すればよい。このほか主要な作業をすべてマクロ化して容易に操作できるようにしている。
(具体的な業務の例)
収支計画:本発明のシステムによる収支計画の表の例を図7に示す。この業務では項目の名称の変更および項目数の追加・削除がポイントであるが、項目名の自由な設定と行の追加および削除には特にオペレーション上の考慮を加えている。たとえば項目が増えて行を挿入しようとした場合、自動的にその行の各項目が持つべきデータ形式や計算式を自動的に設定するようになっている。
【0010】なお表計算ソフト固有の分かりにくいコマンドをなるべく使わなくてすむようにマクロ化してオペレーションを分かり易くしている。
【0011】
【発明の効果】
(1) 従来の汎用アプリケーションソフトまたは統合型ソフトといわれたものは、実際の業務に必要ないメッセージが出たり、操作を選択するのにも「バックアップ」とか、「検索選択」などのコンピュータ専門用語的なコマンド処理が主である。これに対して本発明はあくまで通常語による業務の選択と進行を基準にし、且つ不必要な表現を削除しており、通常語による系統的メニューと通常語による画面上の操作指示によって操作できるので、トップ経営者のように、コンピュータ業務に不慣れなユーザーでも容易に使用できる。
【0012】(2) 本発明のシステムは、例えば経営者個人の使用に焦点を当て適用業務を選定する等、使用目的に応じて構成することができる。
【0013】(3) 経営者の例で言うと図6に示されている機能の一つまたは複数を任意に利用できるので、無理なくパソコン活用の恩恵を受けることができる。一部分(例えば収支計画)だけの利用であっても、現在のパソコンの価格水準から考えると費用対効果は十分採算に合うものである。
【0014】(4) 前記のように部分的に必要なところから始めることができるので当システムの導入はきわめて容易である。
【0015】(5) 前項の特徴がある一方、当システムは基本的に表計算機能、データベース機能、文章作成機能等を自由に扱える汎用の統合型ソフトとしても使用できるので、経験を積んだ後にはいろいろな方面への応用が可能である。
【0016】(6) パソコンの普及にもかかわらず、例えば経営者のための使いやすいシステムが出現していないのは、思うに経営は千差万別であり共通的なシステムなど思いもよらなかったからであると考えられる。しかしながら経営者の本来の仕事は基本的に同じような性格を持ったものが多くあり、本発明はこの点に着目して実現したものである。
【0017】社会のあらゆる分野にコンピュータの利用が進んでいるのに、経営者だけはその恩恵に浴してこなかったのが、本発明によって大きく改善される。
【0018】(7) 本発明のきっかけは、主として経営者のためのパソコンということを念頭に置いたものではあるが、本発明が特徴とする機能はパソコンに関して深い技術を持たない人達のためのいろいろな用途を持ったパソコンシステムに適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来から使用されている汎用ソフトの選択メニューを示す。
【図2】本発明のシステムの流れを示すブロック図である。
【図3】本発明のシステムにおける起動表示手段の代表例を示すフローチャートである。
【図4】本発明のシステムにおける汎用ソフト選択手段および業務起動手段の代表例を示すフローチャートである。
【図5】本発明のシステムにおける通常語による各業務内の操作手段の代表例を示す。
【図6】本発明のシステムの業務選択メニューの1例を示す。
【図7】本発明のシステムにおける収支計画の画面の1例を示す。
【図8】本発明のシステムのハード構成の概要を示すブロック図の1例である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 汎用のアプリケーションソフト、例えば表計算ソフト、データベースソフト、ワープロソフトなど(以下、汎用ソフトと言う)を混在させ、それぞれの汎用ソフトを種々の業務に使用することのできるパソコンシステムに於いて、その起動に当たって、前記各汎用ソフトの名称をメニュー表示する通常のやり方に代わって、例えば収支計画、名簿管理、メモ管理などのような具体的な業務名の一覧を通常語により表示する、パソコンのOSの基本コマンドの組合せによるメニュー表示手と、実行しようとする業務とそれに対応する汎用ソフトを選択するための、パソコンの基本コマンドの組合せによる汎用ソフト選択手段と、選択された特定の汎用ソフトを起動して、その業務に適応した動作を行わせるための、パソコンの基本コマンドの組合せ及び特定汎用ソフトの基本コマンドの組合せによる業務起動手段と、個々の業務に入った段階に於いて特定形式の画面を表示し、且つその中に於ける種々の操作例えばタイトル表示、行・列の挿入・削除、辞書参照、ファイルへの書き込みなどの機能を、特定汎用ソフトの基本コマンド及び操作コマンドの組合せによって実現する通常語による各業務内の操作手段を有する、複数の汎用ソフトを利用するパソコンシステムに於ける通常語による系統的なメニュー及び通常語による画面上の操作指示によって操作することを特徴としたシステム。

【図2】
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【図4】
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【図1】
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【図3】
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【図8】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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