説明

パターンドメディアのクロック抽出方法及び回路

【課題】パターンドメディアの磁性ドットにクロック信号のタイミングを合わせることである。
【解決手段】パターンドメディアの再生波形の振幅がゼロとなる点を検出し、ゼロレベル検出信号をクロック生成回路に出力する。クロック生成回路は、ゼロレベル検出信号にクロック信号を同期させる。これにより磁性ドットにクロック信号のタイミングを合わせることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターンドメディアのクロック抽出方法、パターンドメディアからクロックを抽出する回路に関する。
【背景技術】
【0002】
データのビットに対応する磁性ドットパターンを有するパターンドメディアは、磁性連続膜で構成されるハードディスクに比べて記録密度を高めることができるという特徴を持っている。
【0003】
パターンドメディアは磁性ドットを所定間隔毎に形成する必要があるが、その磁性ドットがメディア基板の表面と同一平面となるように磁性ドットの表面を平坦化する必要がある。そのため、従来は、メディアの製造工程の最後に化学機械研磨と呼ばれる研磨工程を設けメディアの表面を平坦化していた。
【0004】
特許文献1には、パターンドメディアの製造工程で、上記の化学機械研磨の工程を省略する方法について記載されている。その製造方法は以下の通りである。
(a)ガラス基板とレジスト膜の間に磁性体ビットを取り囲むマトリックスの役割をするマトリックス薄膜を介在させる。マトリックス薄膜の厚さは磁性体ビットが必要とする厚さに合わせておく。
(b)ビットパターンに従って電子線露光を行い、現像処理を行うことでパターンドマスクを形成する。
(c)反応性イオンエッチングによりビット配列パターンをマトリックス薄膜に転写する。基板の表面が露出するまでエッチングを行う。
(d)真空蒸着等により磁性体薄膜を形成する。その厚さはマトリックス薄膜に刻み込んだトレンチ配列の深さと厳密に合わせることが望ましい。
(e)有機溶剤を用いてパターンドマスクを溶解除去すると平坦な表面を有する磁性体ビット配列が形成される。
(f)表面を保護するために表面潤滑層で被覆する。
【0005】
磁気ディス装置においては、データの書き込み及び読み出しはクロック信号に同期して行われる。パターンドメディアではデータが記録される磁性ドットの位置が決められているのでクロック信号を磁性ドットの位置に合わせる必要がある。
【0006】
しかしながら、従来、パターンドメディア用の磁気ディスク装置において、クロック信号を磁性ドットの位置に正確に合わせる方法は実現されていなかった。
【特許文献1】特開2001−110050号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、パターンドメディアの磁性ドットにクロック信号のタイミングを合わせることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、パターンドメディアに対するデータの書き込みまたは読み出しタイミングを決めるクロック信号を抽出するクロック信号抽出方法であって、磁気信号を記録する磁性ドットが所定間隔毎に配置されたパターンドメディアに記録された磁気信号を磁気検出手段により検出し、前記磁気検出手段により検出される前記磁気信号の振幅の絶対値が所定値以下となるタイミングを検出し、前記タイミングに前記クロック信号を同期させる。
【0009】
この発明によれば、磁気信号の振幅が所定値以下となるタイミングにクロック信号を同期させることで、クロック信号を磁性ドットの間の非磁性部が検出されるタイミングに同期させることができる。非磁性部のゼロレベルが検出される位置は磁性ドットの中心間距離により定まるので、クロック信号を非磁性部に同期させることで、クロック信号を磁性ドットの位置に同期させることができる。従って、クロック信号に同期したタイミングでデータの書き込みまたは読み出しを行うことで、パターンドメディアの磁性ドットの位置でデータの書き込みまたは読み出しを行うことができる。
【0010】
上記の発明のパターンドメディアのクロック抽出方法において、前記振幅の絶対値が所定値以下となるタイミングとして、前記磁気信号の振幅がゼロを中心とする所定範囲内の値となるタイミングを検出する。
【0011】
このように構成することで、磁気信号の振幅が正の基準値以下または負の基準値以上となるタイミングを振幅のゼロレベルとして検出することができる。
本発明の他のパターンドメディアのクロック抽出方法は、パターンドメディアに対するデータの書き込みまたは読み出しタイミングを決めるクロック信号を抽出するクロック信号抽出方法であって、磁気信号を記録する磁性ドットが所定間隔毎に配置されたパターンドメディアに記録された磁気信号を磁気検出手段により検出し、前記磁気検出手段により検出される前記磁気信号の振幅が正から負または負から正に変化するゼロクロス点を検出し、前記ゼロクロス点に前記クロック信号を同期させる。
【0012】
この発明によれば、磁気信号の振幅のゼロクロス点にクロック信号を同期させることで、クロック信号を非磁性部のゼロクロス点に同期させることができる。非磁性部のゼロクロス点の位置は磁性ドットの中心間距離により定まるので、クロック信号を非磁性部のゼロクロス点に同期させることで、クロック信号を磁性ドットに同期させることができる。従ってクロック信号に同期したタイミングでデータの書き込みまたは読み出しを行うことで、パターンドメディアの磁性ドットの位置でデータの書き込みまたは読み出しを行うことができる。
【0013】
上記の発明のパターンドメディアのクロック抽出方法において、前記ゼロクロス点を示すゼロクロス検出信号をPLL回路に基準信号として供給し、前記クロック信号を前記ゼロクロス検出信号に同期させる。
【0014】
このように構成することで、PLL回路で生成するクロック信号をゼロクロス検出信号に同期させることができる。これにより、クロック信号のタイミングを磁性ドットの位置に合わせることができる。
【0015】
上記の発明のパターンドメディアのクロック抽出方法において、前記クロック信号の波長を前記磁性ドットの中心間距離と等しく設定した。
このように構成することで、クロック信号を非磁性部が検出されるタイミングに同期させたときに、磁性ドットの中心位置にクロック信号を同期させることができる。
【0016】
本発明のパターンドメディアのクロック抽出回路は、パターンドメディアに対するデータの書き込みまたは読み出しタイミングを決めるクロック信号を生成するクロック信号生成回路と、磁気信号を記録する磁性ドットが所定間隔毎に配置されたパターンドメディアに記録された磁気信号を検出する磁気検出手段と、前記磁気検出手段により検出される前記磁気信号の振幅の絶対値が所定値以下となるゼロレベルを検出するゼロレベル検出回路を有し、前記ゼロレベルが検出されるタイミングに前記クロック信号を同期させる。
【0017】
この発明によれば、クロック信号を磁性ドットの間の非磁性部のゼロレベルが検出されるタイミングに同期させることができる。非磁性部のゼロレベルとなる点は磁性ドットの中心間距離により定まるので、クロック信号を非磁性部のゼロレベルが検出されるタイミングに同期させることで、クロック信号を磁性ドットに同期させることができる。従ってクロック信号に同期したタイミングでデータの書き込みまたは読み出しを行うことで、パターンドメディアの磁性ドットの位置でデータの書き込みまたは読み出しを行うことができる。
【0018】
上記の発明のクロック抽出回路において、前記ゼロレベル検出回路は、前記磁気信号の振幅が正の基準値以下か否かを判定する第1の比較器と、前記磁気信号の前記振幅が負の基準値以上か否かを判定する第2の比較器と、前記第1及び第2の比較器で前記振幅が前記正の基準値以下で、かつ前記負の基準値以上と判定されたとき、ゼロレベル検出信号を前記クロック信号生成回路に出力する出力回路を有する。
【0019】
このように構成することで、磁気信号の振幅がゼロを中心とする所定範囲内の値となるゼロレベルを検出してクロック信号を非磁性部のゼロレベルが検出されるタイミングに同期させることができる。
【0020】
本発明の他のパターンドメディアのクロック抽出回路は、パターンドメディアに対するデータの書き込みまたは読み出しタイミングを決めるクロック信号を生成するクロック信号生成回路と、磁気信号を記録する磁性ドットが所定間隔毎に配置されたパターンドメディアに記録された磁気信号を検出する磁気検出手段と、前記磁気検出手段により検出される前記磁気信号の振幅が正から負、または負から正に変化するゼロクロス点を検出するゼロクロス検出回路を有し、前記ゼロクロス点に前記クロック信号を同期させる。
【0021】
この発明によれば、磁気信号の振幅のゼロクロス点にクロック信号を同期させることでクロック信号を非磁性部が検出されるタイミングに同期させることができる。非磁性部のゼロクロス点は磁性ドットの中心間距離により定まるので、クロック信号を非磁性部のゼロクロス点に同期させることで、クロック信号のタイミングを磁性ドットが検出されるタイミングに同期させることができる。
【0022】
上記の発明のクロック抽出回路において、前記ゼロクロス検出回路は、前記磁気信号の振幅が正から負に変化したか否かを検出する第1の比較器と、前記第1の比較器の出力信号をトリガにして信号を生成する第1の信号生成回路と、前記磁気信号の振幅が負から正に変化したか否かを検出する第2の比較器と、前記第2の比較器の出力信号をトリガにして信号を生成する第2の信号生成回路と、前記第1の信号生成回路の出力信号と前記第2の信号生成回路の出力信号を前記ゼロクロス点を示すゼロクロス検出信号として前記クロック信号生成回路に出力する出力回路とからなる。
【0023】
このように構成することで、第1及び第2の比較器を用いて非磁性部のゼロクロス点を検出することができる。
上記の発明のクロック抽出回路において、前記クロック信号生成回路は、少なくとも電圧制御発振器と分周器と位相比較器とからなるPLL回路であり、前記位相比較器は、前記ゼロレベル検出信号または前記ゼロクロス検出信号と前記クロック信号の位相差に応じた制御電圧を前記電圧制御発振器に供給して前記クロック信号を前記ゼロレベル検出信号または前記ゼロクロス検出信号に同期させる。
【0024】
このように構成することで、クロック信号のタイミングを磁性ドットに合わせることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、パターンドメディアの磁性ドットにクロック信号のタイミングを合わせることができるので、磁性ドットの位置に合わせてデータの書き込みまたは読み出しを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態のパターンドメディア11の構造を示す図である。
図1は、パターンドメディア11と、その部分拡大図11aと、データ領域14の部分拡大図11bを示している。パターンドメディア(ディスク)11は、同心円状に複数のトラック12が形成され、各トラック12にはデータの書き込み及び読み出し位置の制御に用いられる制御データが記録されるサーボ領域13と、データが記録されるデータ領域14が一定間隔毎に配置されている。
【0027】
データ領域14には、磁気信号が記録される磁性ドット15が所定間隔毎に配置されている。なお、パターンドメディア11の製造方法は従来の製造方法を用いることができる。
【0028】
図2は、第1の実施の形態のクロック抽出回路21の回路図である。クロック抽出回路21は、ゼロレベル検出回路22とPLL回路(クロック信号生成回路に対応する)23とからなる。クロック抽出回路21は磁気ディスク装置に内蔵されており、磁気ディスク装置の他の回路構成は、一般的なハードディスク装置の回路構成と同じである。
【0029】
磁気ディスク装置は、データの書き込みまたは読み出しを行うための磁気センサを有する磁気ヘッド(磁気検出手段に対応する)を有する。磁気ヘッドは、パターンドメディア11に記録されている磁気信号を検出して電気信号に変換する。
【0030】
ゼロレベル検出回路22は、磁気ヘッドの出力信号(これを再生波形と呼ぶ)の振幅が、「0」を中心にした正の所定値と負の所定値とで定まる所定範囲内にあるか否かを検出する回路である。このゼロレベル検出回路22は、再生波形の振幅が正の所定値以下で、かつ負の所定値以上のときはゼロレベル検出信号としてハイレベルの信号を出力し、それ以外のときはローレベルの信号を出力する。
【0031】
PLL(Phase Locked Loop)回路23は、データの書き込み及び読み出しタイミングを決めるクロック信号を生成する回路であり、電圧制御発振器、分周回路、位相比較器等で構成され、電圧制御発振器で生成される発振信号を基準信号に同期させる位相制御を行う。
【0032】
図3は、ゼロレベル検出回路22の一例を示す図である。ゼロレベル検出回路22は、基準電圧発生回路31と、コンパレータ32、33と、ANDゲート34とからなる。
基準電圧発生回路31は、接地電位より僅かに大きい正の基準電圧+V0と、接地電位より僅かに小さい負の基準電圧−V0を生成する。これら正の基準電圧+V0と負の基準電圧−V0により定まる電圧範囲が、再生波形の振幅のゼロレベル検出範囲となる。
【0033】
コンパレータ32の反転入力端子には再生波形が入力し、非反転入力端子には正の基準電圧+V0が入力している。コンパレータ32は、再生波形と正の基準電圧+V0を比較し、再生波形の振幅が正の基準電圧+V0より大きいときにはローレベルの信号を出力し、再生波形の振幅が正の基準電圧+V0以下のときにはハイレベルの信号を出力する。このコンパレータ32は、振幅が正の基準値以下か否かを判定する第1の比較器に対応する。
【0034】
コンパレータ33の非反転入力端子には再生波形が入力し、反転入力端子には負の基準電圧−V0が入力している。コンパレータ33は、再生波形と負の基準電圧−V0を比較し、再生波形の振幅が負の基準電圧−V0以上のときにはハイレベルの信号を出力し、再生波形の振幅が負の基準電圧−V0未満のときにはローレベルの信号を出力する。このコンパレータ33は、振幅が負の基準値以上か否かを判定する第2の比較器に対応する。
【0035】
ANDゲート(出力回路に対応する)34は、コンパレータ32とコンパレータ33の出力の論理積を取った信号をゼロレベル検出信号として出力する。従って、ANDゲート34からは、再生波形の振幅が正の基準電圧+V0以下で、負の基準電圧−V0以上のときハイレベルとなり、再生波形の振幅が基準電圧+V0より大きいとき、あるいは負の基準電圧−V0より小さいときローレベルとなる信号がゼロレベル検出信号として出力される。
【0036】
図4は、一般的なPLL回路23の回路図である。PLL回路23は、電圧制御オシレータ41と分周回路42と位相コンパレータ43とからなる。
分周回路42は、電圧制御オシレータ41の発振信号を分周し、分周した信号を位相コンパレータ43に出力する。位相コンパレータ43には、ゼロレベル検出回路22から出力されるゼロレベル検出信号が基準信号として与えられており、そのゼロレベル検出信号と分周回路42で分周された信号との位相差を検出し、位相の進みまたは遅れに応じた制御電圧を電圧制御オシレータ41に出力する。電圧制御オシレータ41は制御電圧に応じた周波数の信号を発振する。
【0037】
PLL回路23において上記の動作が繰り返されて電圧制御オシレータ41から、ゼロクロス検出信号に同期したクロック信号が出力される。ゼロレベル検出信号の立ち上がりタイミングは、磁性ドット15の間の非磁性部のほぼ中心位置と一致するので、ゼロレベル検出信号の立ち上がりタイミングにクロック信号の立ち上がりを同期させることで、磁性ドット15の位置とクロック信号の立ち下がり(または立ち上がり)タイミングを合わせることができる。なお、磁性ドット15の中心位置とクロック信号のタイミングが一致する前提として、例えば、クロック信号の波長を隣接する磁性ドット15の中心間距離の1/nまたはn倍に設定しておく必要がある。実施の形態では、クロック信号の波長を磁性ドット15の中心間距離と等しく設定してある。
【0038】
ここで、図5を参照して第1の実施の形態のクロック抽出方法を説明する。図5は、パターンドメディア11の磁性ドット15の配置を示す磁性ドットパターンと、その磁性ドット15に記録された磁気信号の再生波形と、クロック信号を示す図である。図5の磁性ドットパターンの水平方向の矢印はパターンドメディア11のトラック方向を示す。
【0039】
この実施の形態は、「1」または「0」のデータに対応させて磁性ドット15を正の極性または負の極性に磁化し、さらに走長制限符号である(1,7)RLL(Run-Length Limiting)でデータを符号化して記録している。走長制限符号コードを用いることで磁性ドット15が一定以上連続して同じ極性に磁化されことがなくなるので、正の極性に磁化された磁性ドット15と負の極性に磁化された磁性ドット15の間の磁気信号の振幅がゼロとなるゼロレベルを正確に検出することができる。なお、走長制限符号コード以外の他の符号コードを用いても良い。
【0040】
図5に示す再生波形は、1番左側(図5の正面から見て、以下同じ)の磁性ドット15が正の極性に磁化され、その右隣の2番目の磁性ドット15が負の極性に磁化され、3番目、4番目の2個の磁性ドット15が同じ正の極性に磁化され、その右隣の磁性ドット15が負の極性に磁化され、その右隣の磁性ドット15が正の極性に磁化されている場合の信号波形を示している。
【0041】
磁性ドット15が上記のように磁化されている場合に、パターンドメディア11を回転させて磁気ヘッドで磁気信号を検出したときの再生波形は、図5に示すように、磁性ドット15の中心位置で振幅が正または負のピーク値となり、非磁性部16の中心位置で振幅がほぼゼロになる。
【0042】
ゼロレベル検出回路22で上記の再生波形のゼロレベルを検出すると、磁性ドット15と磁性ドット15の間の非磁性部16の中心付近で、再生信号の振幅が正の基準電圧+V0以下、または負の基準電圧−V0以上となり、その間ハイレベルのゼロレベル検出信号が出力される。
【0043】
上記のゼロレベル検出信号を基準信号としてPLL回路23に供給することで、PLL回路23のクロック信号をゼロレベル検出信号の立ち上がりタイミング、つまり非磁性部16の中心位置が検出されるタイミングに同期させることができる。
【0044】
例えば、クロック信号の1周期を、1つの磁性ドット15の磁気信号のピーク値が検出されてから次の磁性ドット15の磁気信号のピーク値が検出されるまでの時間(回転速度と隣接する磁性ドット15の中心間距離により定まる時間)と等しくなるように設定しておけば、ゼロレベル検出信号の立ち上がり(または立ち下がり)にクロック信号の立ち上がり(または立ち下がり)を同期させることで、クロック信号の立ち上がり(または立ち下がり)を磁性ドット15の検出タイミングと同期させることができる。なお、パターンドメディア11を一定の回転数で回転させた場合、内周部と外周部では回転速度が異なるので、パターンドメディア11の半径方向で複数のゾーンに分け、ゾーン毎にクロック信号の周波数を変化させている。
【0045】
上述した第1の実施の形態によれば、パターンドメディア11を回転させてデータの書き込み及び読み出しを行う場合に、磁気信号を検出することで磁性ドット15が存在しない非磁性部16の位置を検出し、その検出信号(ゼロレベル検出信号)にクロック信号を同期させることで、非磁性部16の中心位置が検出されるタイミングにクロック信号を同期させることができる。例えば、クロック信号の波長を磁性ドット15の中心間距離と等しく設定しておくことで、クロック信号を磁性ドット15が検出されるタイミングに同期させることができる。
【0046】
従って、クロック信号に同期したタイミングでデータの書き込みまたは読み出しを行うことで、パターンドメディア11の磁性ドット15の存在する位置に正確にデータの書き込みまたは読み出しを行うことができる。
【0047】
次に、図6は、第2の実施の形態のクロック抽出回路51のブロック図である。
クロック抽出回路51は、ゼロクロス検出回路53と、PLL回路23とからなる。PLL回路23の構成は図4の回路と同じである。
【0048】
ゼロクロス検出回路52は、再生波形の振幅が正の値から負の値に変化する、あるいは振幅が負の値から正の値に変化するゼロクロス点を検出する回路である。
図7は、ゼロクロス検出回路52の回路図である。ゼロクロス回路52は、コンパレータ53、54と、単安定マルチバイブレータ(Mono Multi-Vibrator)55、56と、ORゲート57とからなる。
【0049】
コンパレータ53の非反転入力端子には再生波形が入力し、反転入力端子は接地されている。コンパレータ53は、再生波形の振幅と接地電位を比較し、再生波形の振幅が接地電位未満のときローレベルの信号を出力し、再生波形の振幅が接地電位以上のときハイレベルの検出信号を出力する。従って、コンパレータ53の出力信号は、再生波形の振幅が負の値から正(接地電位以上)の値に変化するとき、ローレベルからハイレベルに変化する。
【0050】
単安定マルチバイブレータ55は、コンパレータ53の出力信号の立ち上がりをトリガにして一定幅のパルスを出力する。
上記のコンパレータ(第1の比較器に対応する)53と単安定マルチバイブレータ(第1の信号生成回路に対応する)55は、再生波形の振幅が負の値から正の値に変化するゼロクロス点に同期したパルス信号を生成する回路を構成している。
【0051】
コンパレータ54の反転入力端子には再生波形が入力し、非反転入力端子は接地されている。コンパレータ54は、再生波形の振幅と接地電位を比較し、再生波形の振幅が接地電位以上のときローレベルの信号を出力し、振幅が負のときハイレベルの検出信号を出力する。従って、コンパレータ54の出力信号は、再生波形の振幅が正の値から接地電位未満の負の値に変化したとき、ローレベルからハイレベルに変化する。
【0052】
単安定マルチバイブレータ56は、コンパレータ54の出力信号の立ち上がりをトリガにして一定幅のパルスを出力する。
上記のコンパレータ(第2の比較器に対応する)54と単安定マルチバイブレータ(第2の信号生成回路に対応する)56は、再生波形の振幅が正の値から負の値に変化するゼロクロス点に同期したパルス信号を生成する回路を構成している。
【0053】
ORゲート(出力回路に対応する)75は、単安定マルチバイブレータ73の出力信号と、単安定マルチバイブレータ74の出力信号の論理和を出力する。ORゲート57から出力される信号をゼロクロス検出信号と呼ぶ。
【0054】
従って、単安定マルチバイブレータ55、56からは、それぞれ再生波形の振幅が負の値からゼロを横切るゼロクロス点と、振幅が正の値からゼロを横切るゼロクロス点に同期したタイミングで一定幅のパルス信号が出力される。このパルス信号はPLL回路23に基準信号として供給される。
【0055】
ここで、第1の実施の形態の説明で用いた図5を参照して第2の実施の形態のクロック抽出方法を説明する。
例えば、図5に示すように左から1番目の磁性ドット15における再生波形の振幅が正のピーク値で、2番目の再生ドット15における再生波形の振幅が負のピーク値であったとすると、再生波形の振幅は1番目と2番目の磁性ドット15の間の非磁性部16の中心位置で正から負に変化する。再生波形の振幅が正の値から負の値に変化すると、図7のコンパレータ53が、再生波形の振幅が正から負に変化するゼロクロス点を検出し、その出力信号がローレベルからハイレベルに変化する。そして、単安定マルチバイブレータ56が、コンパレータ54の出力信号の立ち上がりをトリガにして一定幅のパルス信号を出力する。そのパルス信号は、ORゲート57からゼロクロス検出信号としてPLL回路23に出力される。PLL回路23は、クロック信号をゼロクロス検出の立ち上がりに同期させることで、図5に示すように再生波形のゼロクロス点で立ち上がるクロック信号を生成することができる。
【0056】
次に、図5に示すように左から2番目の磁性ドット15の再生波形が負のピーク値で、3番目の磁性ドット15の再生波形が正のピーク値であったとすると、再生波形の振幅は、2番目と3番目の磁性ドット15の間の非磁性部16の中心位置で負から正に変化する。再生波形の振幅が負の値から正の値に変化すると、図7のコンパレータ53が、再生波形の振幅が負から正に変化するゼロクロス点を検出し、その出力信号がローレベルからハイレベルに変化する。そして、単安定マルチバイブレータ55がコンパレータ53の出力信号の立ち上がりをトリガにして一定幅のパルス信号を出力する。そのパルス信号はゼロクロス検出信号としてPLL回路23に出力される。PLL回路23は、電圧制御オシレータ41で生成されるクロック信号をゼロクロス検出信号の立ち上がりに同期させることで、再生波形の振幅のゼロクロス点にクロック信号を同期させることができる。
【0057】
上述した第2の実施の形態によれば、非磁性部16の再生波形の振幅のゼロクロス点を検出し、そのゼロクロス点にクロック信号を同期させることで、非磁性部16の中心位置にクロック信号を同期させることができる。例えば、クロック信号の波長を磁性ドット15の中心間距離と等しく設定しておくことで、クロック信号のタイミングを磁性ドット15の位置に同期させることができる。
【0058】
従って、クロック信号に同期したタイミングでデータの書き込みまたは読み出しを行うことで、パターンドメディア11の磁性ドット15の位置に正確にデータの書き込みまたは読み出しを行うことができる。
【0059】
さらに、第2の実施の形態は、再生波形のゼロクロス点を検出しているので、再生波形の振幅がほぼゼロとなる点を検出する場合に検出精度を高めることができる。例えば、検出される磁気信号の信号レベルが非常に小さいときには、振幅がゼロレベルとなる位置が非磁性部16の中心位置と必ずしみ一致しない可能性があるが、第2の実施の形態のクロック抽出方法は、非磁性部16の再生波形が正から負、あるいは負から正に変化するゼロクロス点を検出しているので振幅のゼロクロス点、つまり非磁性部16の中心位置をより正確に検出することができる。
【0060】
第2の実施の形態は、再生波形の振幅が正から負、あるいは負から正に変化するゼロクロス点を検出することから、同じ極性の信号が一定数以上連続しないように制限する走長制限符号化を行った方が望ましいが、走長制限符号を用いずに実現することもできる。
【0061】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、例えば、以下のように構成しても良い。
非磁性部16を検出する回路は、実施の形態に述べたアナログのゼロレベル検出回路22、ゼロクロス検出回路53等に限らず、他のアナログの検出回路、あるいは再生波形をA/D変換してデジタル回路によりゼロレベル及またはゼロクロス点を検出するようにしても良い。
【0062】
(付記1) パターンドメディアに対するデータの書き込みまたは読み出しタイミングを決めるクロック信号を抽出するクロック信号抽出方法であって、
磁気信号を記録する磁性ドットが所定間隔毎に配置されたパターンドメディアに記録された磁気信号を磁気検出手段により検出し、
前記磁気検出手段により検出される前記磁気信号の振幅の絶対値が所定値以下となるタイミングを検出し、
前記タイミングに前記クロック信号を同期させるパターンドメディアのクロック信号抽出方法。
(付記2) 前記振幅の絶対値が所定値以下となるタイミングとして、前記磁気信号の振幅がゼロを中心とする所定範囲内の値となるタイミングを検出する付記1記載のパターンドメディアのクロック抽出方法。
(付記3) パターンドメディアに対するデータの書き込みまたは読み出しタイミングを決めるクロック信号を抽出するクロック信号抽出方法であって、
磁気信号を記録する磁性ドットが所定間隔毎に配置されたパターンドメディアに記録された磁気信号を磁気検出手段により検出し、
前記磁気検出手段により検出される前記磁気信号の振幅が正から負または負から正に変化するゼロクロス点を検出し、
前記ゼロクロス点に前記クロック信号を同期させるパターンドメディアのクロック信号抽出方法。
(付記4) 前記ゼロクロス点を示すゼロクロス検出信号を、前記クロック信号を生成するPLL回路に基準信号として供給し、前記クロック信号を前記ゼロクロス検出信号に同期させる付記3記載のパターンドメディアのクロック抽出方法。
(付記5) 前記クロック信号の波長を前記磁性ドットの中心間距離と等しく設定した付記1、2、3または4記載のパターンドメディアのクロック抽出方法。
(付記6) パターンドメディアに対するデータの書き込みまたは読み出しタイミングを決めるクロック信号を生成するクロック信号生成回路と、
磁気信号を記録する磁性ドットが所定間隔毎に配置されたパターンドメディアに記録された磁気信号を検出する磁気検出手段と、
前記磁気検出手段により検出される前記磁気信号の振幅の絶対値が所定値以下となるゼロレベルを検出するゼロレベル検出回路を有し、
前記ゼロレベルが検出されるタイミングに前記クロック信号を同期させるパターンドメディアのクロック抽出回路。
(付記7) 前記ゼロレベル検出回路は、前記磁気信号の振幅が正の基準値以下か否かを判定する第1の比較器と、前記磁気信号の前記振幅が負の基準値以上か否かを判定する第2の比較器と、前記第1及び第2の比較器で前記振幅が前記正の基準値以下で、かつ前記負の基準値以上と判定されたとき、ゼロレベル検出信号を前記クロック信号生成回路に出力する出力回路を有する付記6記載のパターンドメディアのクロック抽出回路。
(付記8) パターンドメディアに対するデータの書き込みまたは読み出しタイミングを決めるクロック信号を生成するクロック信号生成回路と、
磁気信号を記録する磁性ドットが所定間隔毎に配置されたパターンドメディアに記録された磁気信号を検出する磁気検出手段と、
前記磁気検出手段により検出される前記磁気信号の振幅が正から負、または負から正に変化するゼロクロス点を検出するゼロクロス検出回路を有し、
前記ゼロクロス点に前記クロック信号を同期させるパターンドメディアのクロック抽出回路。
(付記9) 前記ゼロクロス検出回路は、前記磁気信号の振幅が正から負に変化したか否かを検出する第1の比較器と、前記第1の比較器の出力信号をトリガにして信号を生成する第1の信号生成回路と、前記磁気信号の振幅が負から正に変化したか否かを検出する第2の比較器と、前記第2の比較器の出力信号をトリガにして信号を生成する第2の信号生成回路と、前記第1の信号生成回路の出力信号と前記第2の信号生成回路の出力信号を前記ゼロクロス点を示すゼロクロス検出信号として前記クロック信号生成回路に出力する出力回路とからなる付記8記載のパターンドメディアのクロック抽出回路。
(付記10) 前記クロック信号生成回路は、少なくとも電圧制御発振器と分周器と位相比較器とからなるPLL回路であり、前記位相比較器は、前記ゼロレベル検出信号または前記ゼロクロス検出信号と前記クロック信号の位相差に応じた制御電圧を前記電圧制御発振器に供給して前記クロック信号を前記ゼロレベル検出信号または前記ゼロクロス検出信号に同期させる付記7または9記載のパターンドメディアのクロック抽出回路。
(付記11) パターンドメディアに対するデータの書き込みまたは読み出しタイミングを決めるクロック信号を生成するクロック信号生成回路と、
磁気信号を記録する磁性ドットが所定間隔毎に配置されたパターンドメディアに記録された磁気信号を検出する磁気検出手段と、
前記磁気検出手段により検出される前記磁気信号の振幅の絶対値が所定値以下となるゼロレベルを検出するゼロレベル検出回路を有し、
前記ゼロレベルが検出されるタイミングに前記クロック信号を同期させる磁気ディスク装置。
(付記12) 前記ゼロレベル検出回路は、前記磁気信号の振幅が正の基準値以下か否かを判定する第1の比較器と、前記磁気信号の前記振幅が負の基準値以上か否かを判定する第2の比較器と、前記第1及び第2の比較器で前記振幅が前記正の基準値以下で、かつ前記負の基準値以上と判定されたとき、ゼロレベル検出信号を前記クロック信号生成回路に出力する出力回路を有する付記11記載の磁気ディスク装置。
(付記13) パターンドメディアに対するデータの書き込みまたは読み出しタイミングを決めるクロック信号を生成するクロック信号生成回路と、
磁気信号を記録する磁性ドットが所定間隔毎に配置されたパターンドメディアに記録された磁気信号を検出する磁気検出手段と、
前記磁気検出手段により検出される前記磁気信号の振幅が正から負、または負から正に変化するゼロクロス点を検出するゼロクロス検出回路を有し、
前記ゼロクロス点に前記クロック信号を同期させる磁気ディスク装置。
(付記14) 前記ゼロクロス検出回路は、前記磁気信号の振幅が正から負に変化したか否かを検出する第1の比較器と、前記第1の比較器の出力信号をトリガにして信号を生成する第1の信号生成回路と、前記磁気信号の振幅が負から正に変化したか否かを検出する第2の比較器と、前記第2の比較器の出力信号をトリガにして信号を生成する第2の信号生成回路と、前記第1の信号生成回路の出力信号と前記第2の信号生成回路の出力信号を前記ゼロクロス点を示すゼロクロス検出信号として前記クロック信号生成回路に出力する出力回路とからなる付記13記載の磁気ディスク装置。
(付記15) 前記クロック信号生成回路は、少なくとも電圧制御発振器と分周器と位相比較器とからなるPLL回路であり、前記位相比較器は、前記ゼロレベル検出信号または前記ゼロクロス検出信号と前記クロック信号の位相差に応じた制御電圧を前記電圧制御発振器に供給して前記クロック信号を前記ゼロレベル検出信号または前記ゼロクロス検出信号に同期させる付記12または14記載の磁気ディスク装置。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】実施の形態のパターンドメディアの構造を示す図である。
【図2】第1の実施の形態のクロック抽出回路の回路図である。
【図3】ゼロレベル検出回路の回路図である。
【図4】PLL回路の回路図である。
【図5】第1の実施の形態のクロック抽出方法の説明図である。
【図6】第2の実施の形態のクロック抽出回路の回路図である。
【図7】ゼロクロス検出回路の回路図である。
【符号の説明】
【0064】
11 パターンドメディア
15 磁性ドット
16 非磁性部
21、51 クロック抽出回路
22 ゼロレベル検出回路
23 PLL回路
31 基準電圧発生回路
41 電圧制御発振器
42 分周回路
43 位相コンパレータ
52 ゼロクロス検出回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターンドメディアに対するデータの書き込みまたは読み出しタイミングを決めるクロック信号を抽出するクロック信号抽出方法であって、
磁気信号を記録する磁性ドットが所定間隔毎に配置されたパターンドメディアに記録された磁気信号を磁気検出手段により検出し、
前記磁気検出手段により検出される前記磁気信号の振幅の絶対値が所定値以下となるタイミングを検出し、
前記タイミングに前記クロック信号を同期させるパターンドメディアのクロック信号抽出方法。
【請求項2】
前記振幅の絶対値が所定値以下となるタイミングとして、前記磁気信号の振幅がゼロを中心とする所定範囲内の値となるタイミングを検出する請求項1記載のパターンドメディアのクロック抽出方法。
【請求項3】
パターンドメディアに対するデータの書き込みまたは読み出しタイミングを決めるクロック信号を抽出するクロック信号抽出方法であって、
磁気信号を記録する磁性ドットが所定間隔毎に配置されたパターンドメディアに記録された磁気信号を磁気検出手段により検出し、
前記磁気検出手段により検出される前記磁気信号の振幅が正から負または負から正に変化するゼロクロス点を検出し、
前記ゼロクロス点に前記クロック信号を同期させるパターンドメディアのクロック信号抽出方法。
【請求項4】
前記ゼロクロス点を示すゼロクロス検出信号を、前記クロック信号を生成するPLL回路に基準信号として供給し、前記クロック信号を前記ゼロクロス検出信号に同期させる請求項3記載のパターンドメディアのクロック抽出方法。
【請求項5】
前記クロック信号の波長を前記磁性ドットの中心間距離と等しく設定した請求項1、2、3または4記載のパターンドメディアのクロック抽出方法。
【請求項6】
パターンドメディアに対するデータの書き込みまたは読み出しタイミングを決めるクロック信号を生成するクロック信号生成回路と、
磁気信号を記録する磁性ドットが所定間隔毎に配置されたパターンドメディアに記録された磁気信号を検出する磁気検出手段と、
前記磁気検出手段により検出される前記磁気信号の振幅の絶対値が所定値以下となるゼロレベルを検出するゼロレベル検出回路を有し、
前記ゼロレベルが検出されるタイミングに前記クロック信号を同期させるパターンドメディアのクロック抽出回路。
【請求項7】
前記ゼロレベル検出回路は、前記磁気信号の振幅が正の基準値以下か否かを判定する第1の比較器と、前記磁気信号の前記振幅が負の基準値以上か否かを判定する第2の比較器と、前記第1及び第2の比較器で前記振幅が前記正の基準値以下で、かつ前記負の基準値以上と判定されたとき、ゼロレベル検出信号を前記クロック信号生成回路に出力する出力回路を有する請求項6記載のパターンドメディアのクロック抽出回路。
【請求項8】
パターンドメディアに対するデータの書き込みまたは読み出しタイミングを決めるクロック信号を生成するクロック信号生成回路と、
磁気信号を記録する磁性ドットが所定間隔毎に配置されたパターンドメディアに記録された磁気信号を検出する磁気検出手段と、
前記磁気検出手段により検出される前記磁気信号の振幅が正から負、または負から正に変化するゼロクロス点を検出するゼロクロス検出回路を有し、
前記ゼロクロス点に前記クロック信号を同期させるパターンドメディアのクロック抽出回路。
【請求項9】
前記ゼロクロス検出回路は、前記磁気信号の振幅が正から負に変化したか否かを検出する第1の比較器と、前記第1の比較器の出力信号をトリガにして信号を生成する第1の信号生成回路と、前記磁気信号の振幅が負から正に変化したか否かを検出する第2の比較器と、前記第2の比較器の出力信号をトリガにして信号を生成する第2の信号生成回路と、前記第1の信号生成回路の出力信号と前記第2の信号生成回路の出力信号を前記ゼロクロス点を示すゼロクロス検出信号として前記クロック信号生成回路に出力する出力回路とからなる請求項8記載のパターンドメディアのクロック抽出回路。
【請求項10】
前記クロック信号生成回路は、少なくとも電圧制御発振器と分周器と位相比較器とからなるPLL回路であり、前記位相比較器は、前記ゼロレベル検出信号または前記ゼロクロス検出信号と前記クロック信号の位相差に応じた制御電圧を前記電圧制御発振器に供給して前記クロック信号を前記ゼロレベル検出信号または前記ゼロクロス検出信号に同期させる請求項7または9記載のパターンドメディアのクロック抽出回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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