パチスロ用ステップモータの制御方法
【課題】本発明は、ステップモータを停止させるための全相短絡及び全相励磁を行う停止指令の直前の直前相及び励磁時間からなる制御要素を変更することにより、停止位置を自在に制御することを目的とする。
【解決手段】本発明によるパチスロ用ステップモータの制御方法は、全相短絡又は全相励磁を行うための停止指令(40)直前の直前相を励磁すると共に励磁時間(T)を可変制御することにより、各リールに対してステップモータを共用することができる方法である。
【解決手段】本発明によるパチスロ用ステップモータの制御方法は、全相短絡又は全相励磁を行うための停止指令(40)直前の直前相を励磁すると共に励磁時間(T)を可変制御することにより、各リールに対してステップモータを共用することができる方法である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチスロ用ステップモータの制御方法に関し、特に、ステップモータを停止させるための全相短絡及び全相励磁を行う停止指令の直前の直前相及び励磁時間からなる制御要素を変更することによって停止位置を制御するための新規な改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用いられていたこの種のステップモータの停止制御方法としては、特許文献1及び特許文献2の方法を挙げることができる。
まず、特許文献1の方法においては、特定の励磁相の励磁を停止制御開始時からモータの回転停止まで保持する方法である。
また、特許文献2の方法においては、全相励磁より強い制動力が得られる励磁方法による前段階の停止制御を実行した後に、全相励磁による停止制御を実行して、ステップモータを停止させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−271127号公報
【特許文献2】特開2002−159627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のステップモータの停止制御方法は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、特許文献1の方法では、特定の励磁相の励磁を停止制御開始時から回転停止まで保持しているため、パチスロのように複数のリールを同一位置で停止し、絵柄の位置を一致させる必要がある場合、各ステップモータを一様の停止制御とすると、各リールの回転イナーシャが異なっている場合には、各絵柄を一致させることは困難であった。
また、特許文献2の方法では、全相励磁より強い制動力が得られる励磁方法による前段階の停止制御を実行した後に、全相励磁による停止制御を実行してステップモータを停止させているため、特許文献1の場合と同様の課題が存在していた。
また、前述の従来方法のように、ステップモータの停止方法により停止制御を行う場合、モータ停止相とソフト起動相の合わせ込みは、各リール毎にそのステップモータのモータトルクを増減させてモータ停止相とソフト起動相の合わせ込みを行っていたため、イナーシャの異なる各リールに対して共通のステップモータを用いることはできず、各リールに対するステップモータの合わせ込みに多大のコストと労力を必要とした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるパチスロ用ステップモータの制御方法は、パチスロ用ステップモータの制御において、全相短絡又は全相励磁を行うための停止指令直前の直前相を励磁すると共に、励磁時間を可変制御する方法であり、また、前記パチスロ用ステップモータとソフトの起動相を合わせ込む方法であり、また、前記直前相は、1相、2相、3相のうちの何れかである方法であり、また、前記パチスロ用ステップモータの駆動を行う励磁相は、1相励磁と2相励磁の組合わせ、又は、常時2相励磁である方法である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によるパチスロ用ステップモータの制御方法は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、パチスロ用ステップモータの制御において、全相短絡又は全相励磁を行うための停止指令直前の直前相を励磁すると共に、励磁時間を可変制御することにより、ステップモータの停止位置すなわち停止相を自在に調整することができ、同一のステップモータを用いることができる。
また、前記パチスロ用ステップモータとソフトの起動相を合わせ込むことにより、同一モータでパチスロを組むことができ、モータの共通化ができる。
また、前記直前相は、1相、2相、3相のうちの何れかであることにより、停止制御の自由度を広げることができる。
また、前記パチスロ用ステップモータの駆動を行う励磁相は、1相励磁と2相励磁の組合わせ、又は、常時2相励磁であることにより、駆動形式を多様化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明によるパチスロ用ステップモータの制御方法に適用するステップモータの駆動回路の一例を示す構成図である。
【図2】本発明によるパチスロの制御の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明に適用する駆動回路の構成図である。
【図4】本発明によるパチスロ用ステップモータの1−2相ONの場合の制御方法を示す制御パターン図である。
【図5】図4の他側の制御パターン図である。
【図6】図4の他側の制御パターン図である。
【図7】図4の他側の制御パターン図である。
【図8】図4の他側の制御パターン図である。
【図9】本発明によるパチスロ用ステップモータの2相ONの場合の制御方法を示す制御パターン図である。
【図10】図9の他側の制御パターン図である。
【図11】図9の他側の制御パターン図である。
【図12】図9の他側の制御パターン図である。
【図13】図9の他側の制御パターン図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、ステップモータを停止させるための全相短絡及び全相励磁を行う停止指令の直前の直前相及び励磁時間からなる制御要素を変更することによって停止位置を制御するようにしたパチスロ用ステップモータの制御方法を提供することを目的とする。
【実施例】
【0009】
以下、図面と共に本発明によるパチスロ用ステップモータの制御方法の好適な実施の形態について説明する。
図1は、本発明によるパチスロ用ステップモータに用いる駆動回路の一例であるバイポーラ定電圧駆動回路を示し、このバイポーラ定電圧駆動回路は、A相用とB相用の周知の各Hブリッジ1,2で構成され、前記各Hブリッジ1は、VDDに接続されたHアーム3側の素子AH及びAバーHと接地側であるAGに接続されたLアーム4側のAバーL及びALとからなり、ステップモータ5のA相巻線6が前記Hアーム3とLアーム4間のA及びAバー間に接続されている。
【0010】
前記B相用のHブリッジ2は、VDDに接続されたHアーム7側の素子BH及びBバーHと接地側であるAGに接続されたLアーム側8のBバーL及びBLとからなり、前記ステップモータ5のB相巻線9が前記Hアーム7とLアーム8間のB及びBバー間に接続されている。
尚、前述のA相巻線6及びB相巻線9はステップモータ5をバイポーラ定電圧駆動するための二相巻線10を形成している。
【0011】
次に、前述のバイポーラ定電圧駆動回路を用いてスロットマシーン等の遊技機のリール(図示せず)をステップモータ5によって駆動・停止する場合について説明する。
前記A相巻線6及びB相巻線9に接続された前記各ブリッジ1,2の各スイッチングトランジスタであるAH,AL,BH,BL,AバーH,AバーL,BバーH,BバーLを次の表1の第1表で示される各パターン0〜7に沿って、図2に示すコントローラとしての制御部20によって駆動制御することにより、前記ステップモータ5を介して遊技機のリール(図示せず)の回転駆動と停止を行うことができる。
【0012】
【表1】
【0013】
尚、図2に示される制御部20は、図示しないパチスロの操作部21のスタートレバー30操作後の各ストップボタンA,B,Cの操作により、各RAM24及びROM25とマイコン23との情報交換により選択された制御情報23aがI/O27を経てモータ駆動部26に供給され、各リール用のモータ5の制御を行い、各モータ5の駆動又は停止を行うことができる。尚、後述の停止指令40は、各リール毎のストップボタン31〜33の操作により発生する。
【0014】
図4から図8は1−2相駆動を行う場合を示し、図4は、直前1相励磁後、全相短絡する場合で、1−2相駆動によって各モータ5を駆動している場合において、全相短絡を行うための停止開始位置すなわち停止指令40を指令する直前の直前相(A相)を励磁すると共に、この励磁時間Tを可変的に制御(例えば、1msec〜2msecの間で前記制御部20によって制御)することにより、そのステップモータ5に接続したパチスロのリールの質量のバラツキによるイナーシャのバラツキに合わせた励磁時間Tとすることで、所要の回転位置にステップモータ5の停止を行うことができる。
尚、前述の場合、前記直前相の励磁時間Tは、当該リールの絵柄であるソフト起動相とモータ停止相とが一致するように予め各リール毎に合わせ込みを行い、その励磁時間Tが制御部20に格納されることが必要である。
従って、イナーシャの異なる複数のリールに対して、前述の制御要素(励磁相や励磁時間T)の制御によりステップモータ5を共通化することが可能となる。
【0015】
図5では、直前2相(A−B相)励磁後、全相短絡する場合で、直前A−B相の励磁時間Tの可変制御を行った後に、全相短絡によりステップモータ5及びリール停止を行うことができる。
【0016】
図6では、直前1相(A相)励磁後、全相励磁する場合で、直前A相の励磁時間Tの可変制御を行った後に、全相励磁によりステップモータ5及びリールの停止を行うことができる。
【0017】
図7では、直前2相(A相、B相)励磁後、全相励磁する場合で、直前A−B相の励磁時間Tの可変制御を行った後に、全相励磁によりステップモータ及びリールの停止を行うことができる。
【0018】
図8、本事例に関しては、図3のユニポーラ駆動に限るもので、表2のパターンに示されるように、直前3相(A−B−Aバー)励磁後、全相励磁する場合で、直前A−B−Aバー相の励磁時間Tの可変制御を行った後に、全相励磁によりステップモータ及びリールの停止を行うことができる。
【0019】
【表2】
【0020】
図9から図13は、2相ONによる駆動を行う場合で、図9では、直前1相(A相)励磁後、全相短絡する場合で、直前A相の励磁時間Tの可変制御を行った後に、全相短絡によりステップモータ及びリールの停止を行うことができる。
【0021】
図10では、直前2相(A−B相)励磁後、全相短絡する場合で、直前A−B相の励磁時間Tの可変制御を行った後に、全相短絡によりステップモータ及びリールの停止を行うことができる。
【0022】
図11では、直前1相(A相)励磁後、全相励磁する場合で、直前A相の励磁時間Tの可変制御を行った後に、全相励磁によりステップモータ及びリールの停止を行うことができる。
【0023】
図12では、直前2相(A−B相)励磁後、全相励磁する場合で、直前A−B相の励磁時間Tの可変制御を行った後に、全相励磁によりステップモータ及びリールの停止を行うことができる。
【0024】
図13、本事例に関しては、図3のユニポーラ駆動に限るもので、表2のパターンに示されるように、直前3相(A−B−Aバー相)励磁後、全相励磁する場合で、直前A−B−Aバー相の励磁時間Tの可変制御を行った後に、全相励磁によりステップモータ及びリールの停止を行うことができる。
【0025】
前述のように、本発明によるパチスロ用ステップモータの制御方法によれば、停止指令40(全相短絡及び全相励磁)直前の制御要素(励磁相や励磁時間T)を予めリールの特性に合わせて自在に制御して前記制御部20に格納することで、ステップモータ5の停止相とソフトであるリールの絵柄の起動相を合わせ込むことにより、共通の特性を有するステップモータ5を種々のイナーシャを有するリール駆動用として共通して用いることができ、従来のように、モータ停止相とソフト起動相の合せ込みを、リール毎にそのステップモータのモータトルクを個々に増減させて行う作業を省略することができる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明によるパチスロ用ステップモータの制御方法は、パチスロのリール回転停止制御のみではなく、ロボット、工作機械等の回転停止制御にも適用できる。
【符号の説明】
【0027】
5 ステップモータ
6 A相巻線(A相、Aバー相)
9 B相巻線(B相、Bバー相)
10 二相巻線
20 制御部
21 操作部
26 モータ駆動部
31〜33 ストップボタンA,B,C
40 停止指令
T 励磁時間
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチスロ用ステップモータの制御方法に関し、特に、ステップモータを停止させるための全相短絡及び全相励磁を行う停止指令の直前の直前相及び励磁時間からなる制御要素を変更することによって停止位置を制御するための新規な改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用いられていたこの種のステップモータの停止制御方法としては、特許文献1及び特許文献2の方法を挙げることができる。
まず、特許文献1の方法においては、特定の励磁相の励磁を停止制御開始時からモータの回転停止まで保持する方法である。
また、特許文献2の方法においては、全相励磁より強い制動力が得られる励磁方法による前段階の停止制御を実行した後に、全相励磁による停止制御を実行して、ステップモータを停止させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−271127号公報
【特許文献2】特開2002−159627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のステップモータの停止制御方法は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、特許文献1の方法では、特定の励磁相の励磁を停止制御開始時から回転停止まで保持しているため、パチスロのように複数のリールを同一位置で停止し、絵柄の位置を一致させる必要がある場合、各ステップモータを一様の停止制御とすると、各リールの回転イナーシャが異なっている場合には、各絵柄を一致させることは困難であった。
また、特許文献2の方法では、全相励磁より強い制動力が得られる励磁方法による前段階の停止制御を実行した後に、全相励磁による停止制御を実行してステップモータを停止させているため、特許文献1の場合と同様の課題が存在していた。
また、前述の従来方法のように、ステップモータの停止方法により停止制御を行う場合、モータ停止相とソフト起動相の合わせ込みは、各リール毎にそのステップモータのモータトルクを増減させてモータ停止相とソフト起動相の合わせ込みを行っていたため、イナーシャの異なる各リールに対して共通のステップモータを用いることはできず、各リールに対するステップモータの合わせ込みに多大のコストと労力を必要とした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるパチスロ用ステップモータの制御方法は、パチスロ用ステップモータの制御において、全相短絡又は全相励磁を行うための停止指令直前の直前相を励磁すると共に、励磁時間を可変制御する方法であり、また、前記パチスロ用ステップモータとソフトの起動相を合わせ込む方法であり、また、前記直前相は、1相、2相、3相のうちの何れかである方法であり、また、前記パチスロ用ステップモータの駆動を行う励磁相は、1相励磁と2相励磁の組合わせ、又は、常時2相励磁である方法である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によるパチスロ用ステップモータの制御方法は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、パチスロ用ステップモータの制御において、全相短絡又は全相励磁を行うための停止指令直前の直前相を励磁すると共に、励磁時間を可変制御することにより、ステップモータの停止位置すなわち停止相を自在に調整することができ、同一のステップモータを用いることができる。
また、前記パチスロ用ステップモータとソフトの起動相を合わせ込むことにより、同一モータでパチスロを組むことができ、モータの共通化ができる。
また、前記直前相は、1相、2相、3相のうちの何れかであることにより、停止制御の自由度を広げることができる。
また、前記パチスロ用ステップモータの駆動を行う励磁相は、1相励磁と2相励磁の組合わせ、又は、常時2相励磁であることにより、駆動形式を多様化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明によるパチスロ用ステップモータの制御方法に適用するステップモータの駆動回路の一例を示す構成図である。
【図2】本発明によるパチスロの制御の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明に適用する駆動回路の構成図である。
【図4】本発明によるパチスロ用ステップモータの1−2相ONの場合の制御方法を示す制御パターン図である。
【図5】図4の他側の制御パターン図である。
【図6】図4の他側の制御パターン図である。
【図7】図4の他側の制御パターン図である。
【図8】図4の他側の制御パターン図である。
【図9】本発明によるパチスロ用ステップモータの2相ONの場合の制御方法を示す制御パターン図である。
【図10】図9の他側の制御パターン図である。
【図11】図9の他側の制御パターン図である。
【図12】図9の他側の制御パターン図である。
【図13】図9の他側の制御パターン図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、ステップモータを停止させるための全相短絡及び全相励磁を行う停止指令の直前の直前相及び励磁時間からなる制御要素を変更することによって停止位置を制御するようにしたパチスロ用ステップモータの制御方法を提供することを目的とする。
【実施例】
【0009】
以下、図面と共に本発明によるパチスロ用ステップモータの制御方法の好適な実施の形態について説明する。
図1は、本発明によるパチスロ用ステップモータに用いる駆動回路の一例であるバイポーラ定電圧駆動回路を示し、このバイポーラ定電圧駆動回路は、A相用とB相用の周知の各Hブリッジ1,2で構成され、前記各Hブリッジ1は、VDDに接続されたHアーム3側の素子AH及びAバーHと接地側であるAGに接続されたLアーム4側のAバーL及びALとからなり、ステップモータ5のA相巻線6が前記Hアーム3とLアーム4間のA及びAバー間に接続されている。
【0010】
前記B相用のHブリッジ2は、VDDに接続されたHアーム7側の素子BH及びBバーHと接地側であるAGに接続されたLアーム側8のBバーL及びBLとからなり、前記ステップモータ5のB相巻線9が前記Hアーム7とLアーム8間のB及びBバー間に接続されている。
尚、前述のA相巻線6及びB相巻線9はステップモータ5をバイポーラ定電圧駆動するための二相巻線10を形成している。
【0011】
次に、前述のバイポーラ定電圧駆動回路を用いてスロットマシーン等の遊技機のリール(図示せず)をステップモータ5によって駆動・停止する場合について説明する。
前記A相巻線6及びB相巻線9に接続された前記各ブリッジ1,2の各スイッチングトランジスタであるAH,AL,BH,BL,AバーH,AバーL,BバーH,BバーLを次の表1の第1表で示される各パターン0〜7に沿って、図2に示すコントローラとしての制御部20によって駆動制御することにより、前記ステップモータ5を介して遊技機のリール(図示せず)の回転駆動と停止を行うことができる。
【0012】
【表1】
【0013】
尚、図2に示される制御部20は、図示しないパチスロの操作部21のスタートレバー30操作後の各ストップボタンA,B,Cの操作により、各RAM24及びROM25とマイコン23との情報交換により選択された制御情報23aがI/O27を経てモータ駆動部26に供給され、各リール用のモータ5の制御を行い、各モータ5の駆動又は停止を行うことができる。尚、後述の停止指令40は、各リール毎のストップボタン31〜33の操作により発生する。
【0014】
図4から図8は1−2相駆動を行う場合を示し、図4は、直前1相励磁後、全相短絡する場合で、1−2相駆動によって各モータ5を駆動している場合において、全相短絡を行うための停止開始位置すなわち停止指令40を指令する直前の直前相(A相)を励磁すると共に、この励磁時間Tを可変的に制御(例えば、1msec〜2msecの間で前記制御部20によって制御)することにより、そのステップモータ5に接続したパチスロのリールの質量のバラツキによるイナーシャのバラツキに合わせた励磁時間Tとすることで、所要の回転位置にステップモータ5の停止を行うことができる。
尚、前述の場合、前記直前相の励磁時間Tは、当該リールの絵柄であるソフト起動相とモータ停止相とが一致するように予め各リール毎に合わせ込みを行い、その励磁時間Tが制御部20に格納されることが必要である。
従って、イナーシャの異なる複数のリールに対して、前述の制御要素(励磁相や励磁時間T)の制御によりステップモータ5を共通化することが可能となる。
【0015】
図5では、直前2相(A−B相)励磁後、全相短絡する場合で、直前A−B相の励磁時間Tの可変制御を行った後に、全相短絡によりステップモータ5及びリール停止を行うことができる。
【0016】
図6では、直前1相(A相)励磁後、全相励磁する場合で、直前A相の励磁時間Tの可変制御を行った後に、全相励磁によりステップモータ5及びリールの停止を行うことができる。
【0017】
図7では、直前2相(A相、B相)励磁後、全相励磁する場合で、直前A−B相の励磁時間Tの可変制御を行った後に、全相励磁によりステップモータ及びリールの停止を行うことができる。
【0018】
図8、本事例に関しては、図3のユニポーラ駆動に限るもので、表2のパターンに示されるように、直前3相(A−B−Aバー)励磁後、全相励磁する場合で、直前A−B−Aバー相の励磁時間Tの可変制御を行った後に、全相励磁によりステップモータ及びリールの停止を行うことができる。
【0019】
【表2】
【0020】
図9から図13は、2相ONによる駆動を行う場合で、図9では、直前1相(A相)励磁後、全相短絡する場合で、直前A相の励磁時間Tの可変制御を行った後に、全相短絡によりステップモータ及びリールの停止を行うことができる。
【0021】
図10では、直前2相(A−B相)励磁後、全相短絡する場合で、直前A−B相の励磁時間Tの可変制御を行った後に、全相短絡によりステップモータ及びリールの停止を行うことができる。
【0022】
図11では、直前1相(A相)励磁後、全相励磁する場合で、直前A相の励磁時間Tの可変制御を行った後に、全相励磁によりステップモータ及びリールの停止を行うことができる。
【0023】
図12では、直前2相(A−B相)励磁後、全相励磁する場合で、直前A−B相の励磁時間Tの可変制御を行った後に、全相励磁によりステップモータ及びリールの停止を行うことができる。
【0024】
図13、本事例に関しては、図3のユニポーラ駆動に限るもので、表2のパターンに示されるように、直前3相(A−B−Aバー相)励磁後、全相励磁する場合で、直前A−B−Aバー相の励磁時間Tの可変制御を行った後に、全相励磁によりステップモータ及びリールの停止を行うことができる。
【0025】
前述のように、本発明によるパチスロ用ステップモータの制御方法によれば、停止指令40(全相短絡及び全相励磁)直前の制御要素(励磁相や励磁時間T)を予めリールの特性に合わせて自在に制御して前記制御部20に格納することで、ステップモータ5の停止相とソフトであるリールの絵柄の起動相を合わせ込むことにより、共通の特性を有するステップモータ5を種々のイナーシャを有するリール駆動用として共通して用いることができ、従来のように、モータ停止相とソフト起動相の合せ込みを、リール毎にそのステップモータのモータトルクを個々に増減させて行う作業を省略することができる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明によるパチスロ用ステップモータの制御方法は、パチスロのリール回転停止制御のみではなく、ロボット、工作機械等の回転停止制御にも適用できる。
【符号の説明】
【0027】
5 ステップモータ
6 A相巻線(A相、Aバー相)
9 B相巻線(B相、Bバー相)
10 二相巻線
20 制御部
21 操作部
26 モータ駆動部
31〜33 ストップボタンA,B,C
40 停止指令
T 励磁時間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パチスロ用ステップモータ(5)の制御において、全相短絡又は全相励磁を行うための停止指令(40)直前の直前相を励磁すると共に、励磁時間(T)を可変制御することを特徴とするパチスロ用ステップモータの制御方法。
【請求項2】
前記パチスロ用ステップモータ(5)とソフトの起動相を合わせ込むことを特徴とする請求項1記載のパチスロ用ステップモータの制御方法。
【請求項3】
前記直前相は、1相、2相、3相のうちの何れかであることを特徴とする請求項1又は2記載のパチスロ用ステップモータの制御方法。
【請求項4】
前記パチスロ用ステップモータ(5)の駆動を行う励磁相は、1相励磁と2相励磁の組合わせ、又は、常時2相励磁であることを特徴とする請求項1ないし3の何れかであることを特徴とするパチスロ用ステップモータの制御方法。
【請求項1】
パチスロ用ステップモータ(5)の制御において、全相短絡又は全相励磁を行うための停止指令(40)直前の直前相を励磁すると共に、励磁時間(T)を可変制御することを特徴とするパチスロ用ステップモータの制御方法。
【請求項2】
前記パチスロ用ステップモータ(5)とソフトの起動相を合わせ込むことを特徴とする請求項1記載のパチスロ用ステップモータの制御方法。
【請求項3】
前記直前相は、1相、2相、3相のうちの何れかであることを特徴とする請求項1又は2記載のパチスロ用ステップモータの制御方法。
【請求項4】
前記パチスロ用ステップモータ(5)の駆動を行う励磁相は、1相励磁と2相励磁の組合わせ、又は、常時2相励磁であることを特徴とする請求項1ないし3の何れかであることを特徴とするパチスロ用ステップモータの制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−189056(P2011−189056A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−59297(P2010−59297)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(000203634)多摩川精機株式会社 (669)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(000203634)多摩川精機株式会社 (669)
【Fターム(参考)】
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