説明

パチンコ遊技機の遊技盤取付装置

【課題】遊技盤の前面と窓パネルとの間の前後方向の寸法の一定化を図る。
【解決手段】枠側取付構造体9が盤収容室6から前方に横方向に回転され、遊技盤23の左側部が遊技機枠1の前方から内部に挿入され、盤側係合部25が枠側係合部12に上方から嵌め込まれたまま、遊技盤23が枠側係合部12と盤側係合部25との嵌合部分を中心として下方に回転され、盤側取付構造体24と枠側取付構造体9とが互いに組み合わせられた後、遊技盤23の右側部が前方から後方に押されて盤収容室6に固定されることによって、盤押出部13が遊技盤23を前方に押し、盤受止部8が遊技盤23の前面を受け止め、遊技盤23が盤受止部8と盤押出部13とで前後方向から挟まれ、遊技盤23の前面と閉じられた上前扉15の窓パネル19との間の前後方向の寸法が一定になる。盤押出部13は、盤収容室6に設けられてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技盤の前面と窓パネルとの間の前後方向の寸法が一定になるパチンコ遊技機の遊技盤取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図8は、特許文献1で開示されたパチンコ遊技機の遊技盤取付装置を示す。図8において、枠側取付構造体9が盤収容室6から可動枠3の前方に横方向に回転された状態において、遊技盤23の左側部が遊技機枠1の前方から内部に挿入され、盤側取付構造体24の上部の盤側係合部25が枠側取付構造体9の上部の枠側係合部12に上方から嵌め込まれたまま、遊技盤23が枠側係合部12と盤側係合部25との嵌合部分を中心として下方に回転され、盤側取付構造体24と枠側取付構造体9とが互いに組み合わせられた後、遊技盤23の右側部が前方から後方に押されて盤収容室6に固定される。しかしながら、盤側係合部25を枠側係合部12に嵌め込みやすくするために、盤側取付構造体24が前後方向に移動し得る構造になっている。このため、遊技盤23が盤収容室6に収容され、上前扉15が閉じられた場合、遊技盤23の前面と上前扉15の窓パネル19との間の前後方向の寸法が変化するという欠点がある。
【特許文献1】特開2006−166982号公報
【特許文献2】特開2006−167183号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
発明が解決しようとする問題点は、遊技盤の前面と上前扉の窓パネルとの間の前後方向の寸法が変化するという点である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係るパチンコ遊技機の遊技盤取付装置は、盤収容室が可動枠に設けられ、枠側取付構造体が盤収容室の左側部に前後方向に回転可能に取り付けられ、枠側取付構造体の上部には枠側係合部が設けられ、盤側取付構造体が遊技盤の左側部に固定され、盤側取付構造体の上部には盤側係合部が設けられ、枠側取付構造体が可動枠の前方に回転され、遊技盤の左側部が可動枠の前方から内部に挿入され、盤側係合部が枠側係合部に上方から嵌め込まれたまま、遊技盤が枠側係合部と盤側係合部との嵌合部分を中心として下方に回転され、盤側取付構造体と枠側取付構造体とが互いに組み合わせられた後、遊技盤の右側部が前方から後方に押されて盤収容室に固定されるパチンコ遊技機の遊技盤取付装置において、盤収容室の左側部には盤受止部が設けられ、盤側取付構造体または盤収容室には盤押出部が設けられ、遊技盤の右側部が前方から後方に押されて盤収容室に固定される場合に、盤押出部が遊技盤を前方に押し、盤受止部が遊技盤の前面を受け止めることによって、遊技盤が盤押出部と盤受止部とで前後方向から挟まれたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明に係るパチンコ遊技機の遊技盤取付装置は、盤側取付構造体と枠側取付構造体とが互いに組み合わされた後、遊技盤の右側部が前方から後方に押されて盤収容室に固定される場合において、遊技盤がばねで後方から前方に押され、遊技盤の前面が盤受止部に受け止められることによって、遊技盤の前面と閉じられた前扉の窓パネルとの間の前後方向の寸法が一定になるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1は、パチンコ遊技機の遊技盤取付装置を示す。図2は、枠側取付構造体9および盤側取付構造体24を示す。図3は、遊技盤23が盤押出部13と盤受止部8とで挟まれる工程を示す。図4は、遊技盤23の装着された可動枠3の正面を示す。図5は、盤側係合部25が枠側係合部12から解放される工程を示す。本明細書において、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」の方向は、図1の状態に遊技機枠1および遊技盤23を置いて矢印Sで示す前方から見た場合に特定される方向である。
【0007】
図1を参照し、パチンコ遊技機の遊技盤取付装置について説明する。パチンコ遊技機の遊技盤取付装置は、遊技機枠1に遊技盤23を取り付けたり取り外したりするための装置である。遊技機枠1は、固定枠2の前部に可動枠3を開閉可能に備える。固定枠2は、遊技機設置構造体に取り付けるための外枠とも呼ばれる。遊技機設置構造体は、遊技店のパチンコ遊技機を設置する島とも呼ばれる設備である。可動枠3は、左側部に位置するヒンジ4を中心とし、固定枠2の前部において前方に開かれかつ後方に閉じられるように片開き可能な前枠とも呼ばれる。
【0008】
可動枠3には、発射機構5、盤収容室6、中央開口部7、盤受止部8、枠側取付構造体9、盤ロック機構10などが設けられる。盤収容室6は、前方に開口し、前後方向に奥行の有る箱形に構成される。中央開口部7は、盤収容室6の背壁に前後方向への貫通孔として形成される。盤受止部8は、盤押出部13で前方に押された遊技盤23の前面を受け止める突起として、盤収容室6の左側部に設けられる。
【0009】
枠側取付構造体9は、盤収容室6の左側部にヒンジ11を中心として前後方向に回転可能に取り付けられる。枠側取付構造体9については図2で詳述するが、枠側取付構造体9には枠側係合部12や盤押出部13が設けられる。盤押出部13は、遊技盤23を前方に押すコイルばねまたは板ばねあるいはゴムなどの弾性体として構成されるが、板ばねであれば耐久性と構造簡単化との観点から最良である。盤ロック機構10は、盤収容室6の右側部の背壁から前方に突出する台座の中心にロック操作部14を回転可能に備える。ロック操作部14は、台座から前方に突出した操作軸の前部に固定された横長な形態である。
【0010】
可動枠3の前部には、上前扉15および下前扉16が開閉可能に設けられる。上前扉15および下前扉16は、左側部に位置するヒンジ17を中心とし、可動枠3の前部において個別に前方に開かれかつ後方に閉じられるように、片開き可能に構成される。上前扉15および下前扉16は、前扉として一体に構成されてもよい。上前扉15は、パネル枠とも呼ばれ、窓18や窓パネル19を備える。窓18は、前後方向への貫通孔として上前扉15に設けられる。窓パネル19は、板状のガラスのような透明体により構成され、窓18を後方から塞ぐように、上前扉15に取り付けられる。下前扉16の前部には、受皿20および発射操作機構21が設けられる。下前扉16の後部には、供給口部22が設けられる。
【0011】
遊技盤23の左側部には、盤側取付構造体24が設けられる。盤側取付構造体24には、盤側係合部25が前後方向への突起として設けられる。遊技盤23の右側部には、ロック受部26が前後方向への貫通孔として設けられる。遊技盤23の前面には、ガイドレール27や発射通路28が設けられる。遊技盤23の前面のガイドレール27で囲まれた部分には、アウト口29や図外の入賞部品および遊技釘などの遊技部品が設けられる。
【0012】
遊技盤23が作業者によって遊技機枠1に取り付けられる場合を例として説明する。可動枠3が固定枠2に開閉不能に支持され、上前扉15が前方に開けられ、枠側取付構造体9が作業者によって可動枠3の前方に回転されて停止された状態において、作業者が遊技盤23を手で持ち、遊技盤23の前面が前方に向けられ、遊技盤23の裏面が可動枠3の前面に対し斜めに向けられ、遊技盤23の左側部が可動枠3に前方から挿入され、盤側係合部25が枠側係合部12に上方から嵌め込まれる。
【0013】
次に、遊技盤23の左側部における下部が枠側取付構造体9の方向に近づけられるように、遊技盤23が枠側係合部12と盤側係合部25との嵌合部分を中心として下方に回転され、遊技盤23の左側部および下部が枠側取付構造体9に接触するように、枠側取付構造体9と盤側取付構造体24とが互いに組み合わせられる。これによって、遊技盤23の下縁部が盤収容室6の下縁部と平行な態様になり、遊技盤23の左側部が可動枠3の盤収容室6に配置される。
【0014】
引き続き、遊技盤23の右側部が作業者によって前方から可動枠3の方に押されると、ロック操作部14がロック受部26を経由して遊技盤23の前方に突出する。その状態において、作業者がロック操作部14を例えば左方向に90度回転操作すると、ロック操作部14が遊技盤23におけるロック受部26の周りの前面に係合し、遊技盤23が可動枠3の盤収容室6に取り付けられる。このように遊技盤23が盤収容室6に取り付けられた場合、遊技盤23の左側部が盤押出部13で後方から前方に弾性的に押され、この遊技盤23の左側部の前面が盤受止部8で受け止められる。
【0015】
その後、上前扉15が閉じられて可動枠3に開閉不能に支持されることによって、パチンコ遊技機が構成される。このパチンコ遊技機では、遊技盤23の前面と窓パネル19とが互いに平行になり、遊技盤23の前面と窓パネル19との間の前後方向の寸法は一定になるという利点があり、窓パネル19と遊技盤23の前面との間におけるガイドレール27で囲まれた部分が遊技領域として構成される。この遊技領域は、発射機構5から発射された球が飛び交う空間であるとともに遊技機枠1の前方から窓18および窓パネル19を通して視認し得る空間である。また、盤押出部13が枠側取付構造体9に設けられているので、盤押出部13を盤収容室6に設ける場合よりも、中央開口部7の横幅を広くすることができる。中央開口部7の横幅が広くなると、例えば、可動枠3の後部に20インチまたは21インチなどの大形の液晶表示器などの画像表示器を設け、この画像表示器の表示画面に映し出された画像を中央開口部7と遊技盤23のガイドレール27で囲まれた部分と窓18および窓パネル19を通して遊技者に見せる場合に有利になる。
【0016】
パチンコ遊技機におけるパチンコ遊技の一例について説明すると、遊技者が受皿20にパチンコ球と呼ばれる球を入れ、遊技者が発射操作機構21を操作するのに伴い、発射機構5が発射操作機構21の操作量に応じた発射力で駆動し、発射機構5が受皿20から供給口部22を経由して発射機構5に取り込まれた球を1個ずつ発射通路28に向けて発射する。発射通路28に発射された球は、発射通路28から遊技領域の上部に到達する。遊技領域に到達した球が、遊技領域を流下する過程において、図外の入賞部品に入賞すると、当該入賞部品に対応する図外の球検出器が入賞信号を図外の制御装置に出力し、図外の制御装置が図外の球払出機構を制御し、球払出機構が賞球としての球を図外の球通路を通して受皿20に払い出す。
【0017】
図2を参照し、枠側取付構造体9および盤側取付構造体24について説明する。枠側取付構造体9は、金属板から構成される。枠側取付構造体9には、縦骨格部31、後骨格部32、上骨格部33、下骨格部34、上案内部35、下案内部36、押出取付部37、分離支点部38、回転阻止受部39が設けられる。縦骨格部31は、上下方向に長い帯板状である。後骨格部32は、縦骨格部31の後縁部から右側に直角に折り曲げられて突出する。上骨格部33は、後骨格部32の上縁部から前側に直角に折り曲げられて突出する。
【0018】
上骨格部33には、ヒンジ11が上骨格部33から上方に直線的に突出した丸棒として設けられる。下骨格部34は、後骨格部32の下縁部から前側に直角に折り曲げられて突出する。下骨格部34には、ヒンジ11が下骨格部34から下方に直線的に突出した丸棒として設けられる。上案内部35は、縦骨格部31の前後縁の上部から右側に突出する。上案内部35には、枠側係合部12が上案内部35の上縁部から下方に向けて窪む半円弧状に設けられる。下案内部36は、下骨格部34の前後縁から上方に直角に折り曲げられて突出する。分離支点部38は、枠側係合部12よりも左側および上方に位置し、前後の上案内部35にわたって固定された部材として上案内部35に設けられる。
【0019】
押出取付部37は、上下に分かれ、後骨格部32の右縁部から後方に直角に折り曲げられて突出する。押出取付部37には、盤押出部13が固定される。盤押出部13は、押出取付部37に固定された部分の前縁部から右側に折り曲げられた弾性片の右端部に鉤部40を備える。回転阻止受部39は、上骨格部33に設けられ、枠側取付構造体9が作業者によって図1の可動枠3の前方にヒンジ11を中心として回転された場合、可動枠3の前方に回転された枠側取付構造体9をその位置に停止するように、可動枠3に設けられた図外の回転阻止体の突起を受容する凹部または孔として構成される。
【0020】
盤側取付構造体24は、遊技盤23の左側上部に固定される。盤側取付構造体24には、盤側係合部25および分離受部41が設けられる。盤側係合部25は、盤側取付構造体24から前後方向に直線的に突出した丸棒として構成される。分離受部41は、盤側係合部25よりも左側および上方に位置し、盤側取付構造体24の左縁部から右方に向けて窪む半円弧状に設けられる。枠側係合部12と盤側係合部25とが互いに嵌め合わされたまま、遊技盤23が枠側係合部12と盤側係合部25との嵌合部を中心として左側から右側に回転された場合、分離受部41が分離支点部38に右側から嵌め合わされるように対応する。遊技盤23の左側後部には、押出受部42が、上下に分かれ、遊技盤23の後面から前方に向けて窪む凹部として設けられる。遊技盤23における押出受部42よりも左側に位置する後面には、案内面42aが押出受部42から左側に行くにしたがって徐々に前方に向けて下り勾配となる斜面として設けられる。枠側係合部12と盤側係合部25とが互いに嵌め合わされたまま、遊技盤23が枠側係合部12と盤側係合部25との嵌合部を中心として右側から左側に回転された場合、押出受部42および案内面42aが盤押出部13の鉤部40に後側から嵌め合わされるように対応している。
【0021】
図3を参照し、遊技盤23が枠側取付構造体9と盤側取付構造体24とを介して盤収容室6に取り付けられる場合において、遊技盤23が盤押出部13で前方に押され、遊技盤23の前面が盤受止部8で受け止められるまでの動作について説明する。図3のa図において、枠側取付構造体9が可動枠3の前方に回転されて停止された状態において、図1の盤側係合部25が枠側係合部12に上方から嵌め込まれたまま、遊技盤23が枠側係合部12と盤側係合部25との嵌合部分を中心として下方に回転されるのに伴い、図3のa図に示すように、遊技盤23の左側部が前後方向における下案内部36の間から縦骨格部31の方に進入し、盤押出部13の鉤部40が遊技盤23の押出受部42に嵌め込まれ、盤押出部13の弾性によって遊技盤23が前方に押され、遊技盤23の前面が前方の下案内部36に近づくかまたは接触する。
【0022】
そして、遊技盤23が図3のa図に矢印X1で示すように後方に押されるのに伴い、図3のb図に示すように、遊技盤23の左側部の前面が盤受止部8で受け止められ、その反動として、盤押出部13の鉤部40の側が遊技盤23で前方から後方に押されて撓み、遊技盤23が後方の下案内部36に近づき、遊技盤23の左側部が盤押出部13で後方から前方に弾性的に押され、遊技盤23の前面が前方の下案内部36から後方に離れる。そして、図1の上前扉15が可動枠3に開閉不能に支持された場合、図3のb図に示すように、遊技盤23の前面と窓パネル19とが互いに平行になり、遊技盤23の前面と窓パネル19との間の前後方向の寸法H1は一定になる。
【0023】
図4を参照し、遊技盤23が盤収容室6に取り付けられた形態を可動枠3の前方から見た場合について説明する。枠側係合部12と盤側係合部25とが互いに嵌め合わされ、盤受止部8が遊技盤23の左側部の前面を受け止め、ロック操作部14が遊技盤23におけるロック受部26の周りの前面に係合している。そして、遊技盤23が可動枠3から取り外される場合について説明すると、ロック操作部14が例えば右方向に90度回転操作されてロック受部26と対応させられる。そして、作業者が遊技盤23の右側部を前方に引き出すのに伴い、枠側取付構造体9がヒンジ11を中心として可動枠3の前方に回転され、遊技盤23の右側部が可動枠3よりも前方に突出し、遊技盤23の左側部が盤収容室6に配置され、遊技盤23の裏面が可動枠3の前面に対し斜めに向けられた格好になる。その後、作業者が盤側係合部25が枠側係合部12から解放されるように遊技盤23を手で持って斜め前方に移動することによって、遊技盤23が可動枠3から取り外される。
【0024】
図5を参照し、遊技盤23が可動枠3から取り外される場合において、盤側係合部25が枠側係合部12から解放されるまでの動作について説明する。図5のa図において、矢印X2で示すように、遊技盤23が枠側係合部12と盤側係合部25との嵌合部分を中心として上方に回転される。この回転に伴い、図5のb図に示すように、分離受部41が分離支点部38に右側から嵌め込まれる。引き続き、図5のb図に矢印X3で示すように上方に回転されるのに伴い、遊技盤23が分離支点部38と分離受部41との嵌合部分を中心として上方に回転する。この回転に伴い、図5のc図に示すように、盤側係合部25が枠側係合部12から上方に解放される。このように盤側係合部25が枠側係合部12から上方に解放されたまま、作業者が遊技盤23を図5のc図に矢印X4で示す方向に移動することによって、盤側係合部25が上案内部35の上縁部の上に乗り、分離受部41が分離支点部38から解放される。
【0025】
要するに、分離支点部38が枠側取付構造体9に設けられ、分離受部41が盤側取付構造体24に設けられているので、遊技盤23が枠側係合部12と盤側係合部25との嵌合部分を中心として上方に回転されるのに引き続き、遊技盤23が分離支点部38と分離受部41との嵌合部分を中心として上方に回転されることによって、盤側係合部25を枠側係合部12から適切に解放することができるという利点がある。換言するならば、盤収容室6の左上奥に配置された盤側係合部25を枠側係合部12から上方に解放する場合、遊技者が遊技盤23を手で持ち上げる必要がなく、遊技盤23の右側部を右上方に回転するだけで、盤側係合部25を枠側係合部12から適切に解放することができる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
図6は、発明を実施するための異なる第1の形態を示す。図6では、盤押出部13を枠側取付構造体9に設けることなく盤収容室6の背壁の左側部に設けた構造が、最良の形態と異なる。具体的には、枠側取付構造体9のヒンジ11を中心とした前後方向への回転運動を阻害しないように、盤押出部13が盤収容室6の背壁から前側に突出するように設けられることから、中央開口部7の横幅が最良の形態よりも小さくなるものの、盤押出部13と対応する盤収容室6の背壁の後部に球通路などの部品を設けることができる。
【0027】
図7は、発明を実施するための異なる第2の形態を示す。図7では、コネクタ取付部43を枠側取付構造体9に設け、枠側コネクタ44をコネクタ取付部43に設け、コネクタ取付部45を遊技盤23に設け、盤側コネクタ46をコネクタ取付部45に設けた構造が、最良の形態と異なる。
【0028】
コネクタ取付部43は、枠側取付構造体9の後骨格部32の右縁部から後方に直角に折り曲げられて突出する。枠側コネクタ44は、コネクタ取付部43の前面にフローティング支持(遊動支持)される。つまり、図外の段付きねじ釘などの固着具が枠側コネクタ44の取付孔からコネクタ取付部43に取り付けられると、固着具の外周面と枠側コネクタ44の取付孔との間に隙間が形成され、固着具の頭部が枠側コネクタ44をコネクタ取付部43の前面と平行する方向に移動可能にかつコネクタ取付部43の前面と直交する方向に移動しないように枠側コネクタ44を支持する。これによって、固着具の外周面と枠側コネクタ44の取付孔との間の隙間だけ、枠側コネクタ44がコネクタ取付部43の前面と平行する方向に移動し得るように、枠側コネクタ44がコネクタ取付部43の前面にフローティング支持される。コネクタ取付部45は、遊技盤23の後面と直交するように遊技盤23の左側部から後方に突出する。盤側コネクタ46は、コネクタ取付部45の左面に固定される。そして、盤側係合部25が枠側係合部12に嵌め込まれ、遊技盤23が枠側係合部12と盤側係合部25との嵌合部分を中心として下方に回転されるのに伴い、盤側コネクタ46が枠側コネクタ44のコネクタ取付部43の前面と平行する方向への移動によって枠側コネクタ44に接続される。枠側コネクタ44がコネクタ取付部43に固定され、盤側コネクタ46がコネクタ取付部45にフローティング支持されてもよい。盤押出部13は、枠側取付構造体9に設けることなく、盤収容室6の背壁の左側部に設けられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】パチンコ遊技機の遊技盤取付装置の分解斜視図(最良の形態)。
【図2】枠側取付構造体および盤側取付構造体の分解斜視図(最良の形態)。
【図3】遊技盤が盤押出部と盤受止部とで挟まれる工程図(最良の形態)。
【図4】遊技盤の装着された可動枠の正面図(最良の形態)。
【図5】盤側係合部が枠側係合部から解放される工程図(最良の形態)。
【図6】パチンコ遊技機の遊技盤取付装置の分解斜視図(異なる第1形態)。
【図7】パチンコ遊技機の遊技盤取付装置の分解斜視図(異なる第2形態)。
【図8】パチンコ遊技機の遊技盤取付装置の分解斜視図(従来)。
【符号の説明】
【0030】
1は遊技機枠、2は固定枠、3は可動枠、4はヒンジ、5は発射機構、6は盤収容室、7は中央開口部、8は盤受止部、9は枠側取付構造体、10は盤ロック機構、11はヒンジ、12は枠側係合部、13は盤押出部、14はロック操作部、15は上前扉、16は下前扉、17はヒンジ、18は窓、19は窓パネル、20は受皿、21は発射操作機構、22は供給口部、23は遊技盤、24は盤側取付構造体、25は盤側係合部、26はロック受部、27はガイドレール、28は発射通路、29はアウト口、30は欠番、31は縦骨格部、32は後骨格部、33は上骨格部、34は下骨格部、35は上案内部、36は下案内部、37は押出取付部、38は分離支点部、39は回転阻止受部、40は鉤部、41は分離受部、42は押出受部、43はコネクタ取付部、44は枠側コネクタ、45はコネクタ取付部、46は盤側コネクタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
盤収容室が可動枠に設けられ、枠側取付構造体が盤収容室の左側部に前後方向に回転可能に取り付けられ、枠側取付構造体の上部には枠側係合部が設けられ、盤側取付構造体が遊技盤の左側部に固定され、盤側取付構造体の上部には盤側係合部が設けられ、枠側取付構造体が可動枠の前方に回転され、遊技盤の左側部が可動枠の前方から内部に挿入され、盤側係合部が枠側係合部に上方から嵌め込まれたまま、遊技盤が枠側係合部と盤側係合部との嵌合部分を中心として下方に回転され、盤側取付構造体と枠側取付構造体とが互いに組み合わせられた後、遊技盤の右側部が前方から後方に押されて盤収容室に固定されるパチンコ遊技機の遊技盤取付装置において、盤収容室の左側部には盤受止部が設けられ、盤側取付構造体または盤収容室には盤押出部が設けられ、遊技盤の右側部が前方から後方に押されて盤収容室に固定される場合に、盤押出部が遊技盤を前方に押し、盤受止部が遊技盤の前面を受け止めることによって、遊技盤が盤押出部と盤受止部とで前後方向から挟まれたことを特徴とするパチンコ遊技機の遊技盤取付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−56252(P2009−56252A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−228424(P2007−228424)
【出願日】平成19年9月4日(2007.9.4)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)
【Fターム(参考)】