説明

パチンコ遊技機

【課題】遊技者が賞球箱内の遊技球の偏在を容易に修正することができるパチンコ遊技機を提供する。
【解決手段】遊技球を貯留する下皿41と遊技機本体から前面側に突出して設けられた前記下皿を含む突出部とを備えたパチンコ遊技機であって、前記突出部の前面側の下部には、前記突出部の下方に置かれた前記下皿から排出された遊技球を収納する賞球箱5と前記突出部との間に、遊技者が手を挿入するための空間を確保する切り欠き46が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、この発明は、遊技球を貯留する下皿を備えるパチンコ遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パチンコ遊技の高度化および多様化が急速に進行しており、これに付随してパチンコ遊技機自体も多様な装飾が施されたり、演出のための種々の部材を備えたりしている。例えば、パチンコ遊技機の上皿や下皿を含む枠部材には多様な装飾が施されたり、演出に用いられるボタン等が配設されたりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−94653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、下皿は、遊技球を一時的に貯留するための受け皿であるが、当該下皿が遊技球で満杯になった場合は、遊技者が下皿に設けられた球抜きボタンを操作して、当該遊技球を下皿の下に置かれた賞球箱へ落下させることができるようになっている。
【0005】
しかし、遊技機の枠部材のうち下皿および上皿を含む遊技者側に突出する部分(以下、突出部と称する)に多様な装飾が施されたり演出のための部材が備えられたりすると、当該突出部が重厚化、大型化される。従って、当該突出部は遊技者に向けて大きく張り出した形状になるとともに、当該突出部の下端が、従来の遊技機の突出部等よりも下に位置することになる。このような場合、突出部等と賞球箱との間隔が狭く、遊技者は、当該間隔に手を挿入することができないため、賞球箱内の遊技球の偏在を修正し難い。
【0006】
それゆえ、本発明の目的は、遊技者が賞球箱内の遊技球の偏在を容易に修正することができるパチンコ遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、以下に述べる特徴を有する。
【0008】
本発明は、遊技球を貯留する上皿および下皿と遊技機本体から前面側に突出して設けられた前記上皿および前記下皿を含む突出部とを備えたパチンコ遊技機であって、前記突出部の前面側の下部には、前記突出部の下方に置かれた前記下皿から排出された遊技球を収納する賞球箱と前記突出部との間に、遊技者が手を挿入するための空間を確保する切り欠きが設けられる。
【0009】
また、本発明では、前記下皿は、前記遊技機の左右方向に関して所定位置に設けられ、前記切り欠きは、前記遊技機の左右方向に関して前記所定位置からずれた位置に設けられ、前記突出部には、前記下皿に貯留された遊技球を当該下皿から排出するための第1排出口と、前記第1排出口から排出された遊技球を前記賞球箱に排出するための第2排出口と、前記第1排出口から排出された遊技球を前記第2排出口に導く導通路と、前記下皿に貯留された遊技球を前記賞球箱に排出させるための球排出ボタンとが設けられ、前記第2排出口は、前記切り欠きが設けられた位置に配置されてもよい。
【0010】
また、本発明では、前記下皿は、前記遊技機の左右方向に関して中央よりも左側または右側に設けられ、前記切り欠きは、前記遊技機の左右方向に関して中央に設けられ、前記球排出ボタンは、前記遊技機の左右方向に関して中央に設けられ、前記第2排出口は、前記遊技機の左右方向に関して、略中央であって、前記下皿と前記球排出ボタンとの間に設けられてもよい。
【0011】
また、本発明では、前記下皿は、前記遊技機の左右方向に関して中央よりも左側に設けられ、前記球排出ボタンは、前記遊技機の左右方向に関して中央に設けられ、前記第2排出口は、前記下皿よりも右側、かつ、前記球排出ボタンよりも左側に設けられてもよい。
【0012】
また、本発明では、前記球排出ボタンは、前記切り欠きの上端に設けられてもよい。
【0013】
また、本発明では、遊技者からの入力を受け付けるための所定方向に可動する演出ボタンをさらに備え、前記突出部には、前記演出ボタンを含むボタンユニットが収納され、前記切り欠きは、前記突出部に、遊技者側から遊技機本体に向かって下降する傾斜部が形成されることによって設けられ、前記演出ボタンは、当該演出ボタンの可動方向が前記切り欠きの傾斜と略平行になるように、設けられてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、遊技者は、賞球箱内の遊技球の偏在を容易に修正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機1の概略正面図
【図2】パチンコ遊技機1の枠部材3の斜視図
【図3】演出ボタン36が飛び出していない状態におけるボタンユニット360の上面側を示す斜視図
【図4】演出ボタン36が飛び出した状態におけるボタンユニット360の上面側を示す斜視図
【図5】突出部4のうちの下皿41を含む部分を示す図
【図6】突出部4の一部を下面側から見た図
【図7】演出ボタン36を含む突出部4の一部の断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。
【0017】
[パチンコ遊技機1の概略構成]
まず、パチンコ遊技機1の概略構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1の概略正面図である。本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材3とを備えている。枠部材3は、遊技盤2の表面側(図1の紙面手前側)に遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行に配置された透明なガラス板(不図示)を支持する部材であり、遊技盤2に対して開閉可能に構成されている。
【0018】
枠部材3に支持されたガラス板と遊技盤2との間には、遊技球が移動する遊技領域20が形成されている。遊技者がハンドル31を握ってレバー32を時計方向へ回転させると、上皿37に溜められた遊技球が不図示の発射装置へ供給されて、ハンドル31の回転角度に応じた打球力で発射装置から遊技球が発射される。発射された遊技球は、不図示のガイド部材によって遊技領域20の上部位置へ案内され、遊技領域20に配置された不図示の遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤2の表面に沿って落下する。
【0019】
遊技領域20には、入賞や抽選に関する役物として、第1始動口201、第2始動口202、大入賞口203、普通入賞口204、およびゲート205が設けられている。また、遊技領域20における大入賞口203の下方には、始動口201、202、又は入賞口203、204に入らなかった遊技球を遊技領域20の外へ排出する排出口206が設けられている。
【0020】
第1始動口201および第2始動口202は、第1始動口201を第2始動口202の上側として所定の間隔を隔てて上下に並んで配置されている。パチンコ遊技機1では、第1始動口201又は第2始動口202に遊技球が入賞することで、上皿37に遊技球が払い出されると共に大当たり抽選が実行される。なお、以下の説明では、第1始動口201への遊技球の入賞を契機として実行される大当たり抽選を「第1特別図柄抽選」と呼び、第2始動口202への遊技球の入賞を契機として実行される大当たり抽選を「第2特別図柄抽選」と呼び、これらの抽選を総称して「特別図柄抽選」と呼ぶものとする。
【0021】
第1始動口201と第2始動口202との間には、チューリップの花を模した一対の羽根部材を有する電動チューリップ207が配置されている。電動チューリップ207は、一対の羽根部材が閉じた閉姿勢(図1参照)と、一対の羽根部材が開いた開姿勢(不図示)との間で姿勢変化可能に構成されており、不図示の電動ソレノイドが作動することによって閉姿勢から開姿勢に姿勢変化する。
【0022】
電動チューリップ207の一対の羽根部材が閉姿勢の状態では、第1始動口201を構成する部材および電動チューリップ207によって第2始動口202への遊技球の進入経路が塞がれており、遊技球が第2始動口202へ入ることはない。これに対して、遊技球がゲート205を通過すると、普通図柄抽選(電動チューリップ207の開閉抽選)が実行され、この普通図柄抽選に当選すると、電動チューリップ207の一対の羽根部材が規定時間だけ開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。このように、普通図柄抽選に当選することで、第2始動口202への遊技球の進入経路が開放されて、遊技球が第2始動口202に入賞可能となる。すなわち、第2特別図柄抽選の実行が可能な状態となる。ちなみに、普通入賞口204に遊技球が入賞した場合には抽選は実行されないが、第1始動口201や第2始動口202に遊技球が入賞した場合よりも多い遊技球が上皿37に払い出される。
【0023】
大入賞口203は、特別図柄抽選の結果に応じて開放される。大入賞口203の開口部には、大入賞口203を開閉するプレートが配置されている。特別図柄抽選に当選していない状態では、このプレートが遊技盤2の表面と同一平面を形成する姿勢となっているために、大入賞口203に遊技球が入らない状態となっている。これに対して、特別図柄抽選に当選すると、プレートの下端側を軸としてプレートの上端側が遊技盤2の前方へ傾倒して大入賞口203が開放され、遊技者が多量の遊技球を得ることが可能な大当たり遊技を楽しむことができる。
【0024】
遊技盤2の表面における遊技者により視認され易い位置に、各種演出のための画像を表示する画像表示器として機能する液晶表示器208が設けられている。液晶表示器208には、例えば、特別図柄抽選の結果を報知するための装飾図柄、予告演出を行うキャラクタやアイテム、特別図柄抽選が保留されていることを示す保留表示画像等の各種表示オブジェクトが表示される。
【0025】
液晶表示器208の上方に盤ランプ209が設けられている。盤ランプ209は、遊技者による遊技の進行に応じて発光することによって光による各種の演出を行う。液晶表示器208の側方に可動役物210が配置されている。可動役物210は、遊技盤2に対して可動に構成されており、例えば内蔵された発光素子を発光させながら回動することによって各種の演出を行う。
【0026】
上皿37と近接する位置に、演出ボタン36が設けられている。演出ボタン36は、遊技者が操作情報を入力するための操作手段として機能するものである。図には示されていないが、パチンコ遊技機1では、演出ボタン36の操作を促す画像が液晶表示器208に表示されると、演出ボタン36の内部に配設されたLEDが発光することにより、演出ボタン36全体が発光する。これに対して、遊技者が演出ボタン36を操作(例えば連打)することで、例えば液晶表示器208に表示されている演出画像の切り替えが行われる。
【0027】
スピーカ33は、楽曲や音声、効果音等を出力して音による演出を行う。枠ランプ34は、点灯又は点滅のパターンの変更、発光色の変更、光の照射方向の変更等の光による各種の演出を行う。
【0028】
表示器211は、上述した特別図柄抽選と普通図柄抽選の結果やこれらの抽選の保留数、パチンコ遊技機1の遊技状態等の情報を表示するものである。なお、この表示器211は、本発明とは直接関係しないので、ここではその詳細な説明は省略する。
【0029】
上皿37は、遊技球が入賞することによって払い出された遊技球を受け入れ、貯留する。上皿37が遊技球で満杯となった場合は、遊技球の払い出し通路が変更され、若しくは遊技者が上皿37と近接する位置に設けられている取り出しボタン35を操作することにより、上皿37の下面の一部が開口され、遊技球は、遊技機本体の内部に設けられた球通路(図示せず)を介して余剰球口38から下皿41に払い出される。
【0030】
[下皿の構成]
以下、本実施形態に係るパチンコ遊技機の下皿41およびその周辺について、図2〜図7を参照しつつ説明する。
【0031】
図2は、パチンコ遊技機1の枠部材3の斜視図である。図3は、演出ボタン36が飛び出していない状態におけるボタンユニット360の上面側を示す斜視図である。図4は、演出ボタン36が飛び出した状態におけるボタンユニット360の上面側を示す斜視図である。
【0032】
図2に示すように、枠部材3は、遊技機本体から前面に突出する突出部4を有する。枠部材3の突出部4は、上記演出ボタン36、上皿37、下皿41、球排出ボタン44等を含む。具体的には、突出部4は、演出ボタン36を含むボタンユニット360をその内部に収納し、突出部4の上面に設けられた開口部から演出ボタン36が露出される。
【0033】
図3および図4に示すように、ボタンユニット360は、演出ボタン36と、カバー361とを含む。演出ボタン36は、円筒形状のカバー361に収納される。演出ボタン36は、遊技者によって押下される押ボタンとして機能するものである。図3に示すように、演出ボタン36は、所定の演出が行われない間はカバー361に収納され、所定の演出が行われる場合には、図4に示すように、カバー361から飛び出すように構成される。飛び出された演出ボタン36が遊技者によって押されると、所定の演出が行われる。詳述はしないが、カバー361の内部には、演出ボタン36を上方に付勢するコイルバネ等の付勢部材や、演出を制御するための演出制御部(図示せず)からの信号に応じて発光するLED等が収納される。
【0034】
図5は突出部4のうちの下皿41を含む部分を示す図であり、図6は突出部4の一部を下面側から見た図であり、図7は演出ボタン36を含む突出部4の一部の断面図である。図5および図6に示すように、突出部4は、下皿41、余剰球口38、第1排出口42、導通路43、球排出ボタン44、および、第2排出口45を含む。
【0035】
下皿41は、枠部材3(遊技機1)の左右方向に関して中央よりも左側に配設される。下皿41は、例えば特別図柄抽選の結果が大当たりとなって遊技領域に打ち出された遊技球が大入賞口203に入賞した場合に、余剰球口38から払い出された遊技球(賞球)を貯留する。下皿41が遊技球で満杯となった場合、遊技者が当該突出部4の左右中央部分の前面に設けられた球排出ボタン44を操作することにより、第2排出口45を開閉するためのシャッターが開かれる。すると、遊技球は、下皿41の第1排出口42から排出されて、導通路43を通り、第2排出口45から排出される。当該第2排出口45から排出された遊技球は、突出部4の下方に置かれた賞球箱5に貯められる。
【0036】
より具体的には、図5に示すように、下皿41の内壁の右側に設けられた第1排出口42から遊技球が排出される。導通路43は、当該第1排出口42から排出された遊技球を枠部材3の突出部4の下面に設けられた第2排出口45(図6参照)へと導く。そして、遊技球は、当該第2排出口45から排出されて、突出部4の下方に置かれた賞球箱5に貯められる。第2排出口45は、枠部材3の左右方向に関して略中央に設けられる。より具体的には、第2排出口45は、枠部材3の左右方向に関して略中央であって、かつ、枠部材3の左右方向に関して中央に設けられた球排出ボタン44よりも左側に設けられる。
【0037】
本実施形態に係るパチンコ遊技機1の突出部4の左右中央部分には、図5〜図7に示すように、切り欠き46が設けられている。当該切り欠き46は、突出部4(遊技機1)の左右中央部分に、遊技者側から遊技機本体に向かって下降する傾斜面47を形成することにより設けられている。突出部4に切り欠き46を設けることにより、導通路43を通って第2排出口45から賞球箱5に落とされた遊技球が当該第2排出口45付近で山状に遍在した場合に、遊技者が突出部4と賞球箱5との間に手を挿入し、当該偏在を修正するための空間を確保している。
【0038】
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、下皿41を、パチンコ遊技機1の左右中央よりも左側に設けている。このため、パチンコ遊技機1に大型の演出ボタン36を設けても、当該演出ボタン36を含むボタンユニット360が下皿41等に干渉しない。すなわち、上記演出ボタン36は、ボタンユニット360から飛び出すような構造であるため、ボタンユニット360は上下(高さ)方向の長さ(円柱の中心軸方向の長さ)を十分に確保する必要がある。このようなボタンユニット360を突出部4の中央部分に収納して、当該ボタンユニット360の下側に下皿を設けると、下皿とボタンユニット360とが干渉してしまうことがある。しかしながら、本実施形態に係るパチンコ遊技機1では、演出ボタン36はパチンコ遊技機1の左右中央に設けられ、下皿41はパチンコ遊技機1の左右中央よりも左側に設けられる。このため、下皿41とボタンユニット360とが干渉しない。これにより、演出ボタン36を設けても下皿41の容量を十分確保することができ、演出ボタン36およびそれを含むボタンユニット360を大型化することができる。このため、より演出効果の高い演出ボタン36を設けつつ、十分な容量を有する下皿41を設けることができる。
【0039】
また、図7に示すように、切り欠き46を形成する傾斜面47は、遊技者側から遊技機本体に向かって斜め下方に傾斜している。また、演出ボタン36の可動方向(円柱の中心軸方向)は、垂直方向ではなく、斜めに傾斜している。具体的には、図7に示すように、演出ボタン36の可動方向が傾斜面47の傾斜角と略平行になるように、ボタンユニット360が突出部4に収納される。
【0040】
演出ボタン36を略垂直に設けた場合や傾斜面47の傾斜を図7よりも水平に近くなるようにした場合、演出ボタンを含むボタンユニット360の下方にスペースが確保できなかったり、ボタンユニット360が上記傾斜面47に干渉したりする。このため、ボタンユニット360と遊技機本体に設けられた演出ボタン36の動作を制御するための制御部とを電気的に接続するための配線や、その他の部品等を当該ボタンユニット360の下方に配置することができず、設計上の制約となったり、演出ボタン36を大きく飛び出させるためのストロークを確保することができなかったりする。しかしながら、本実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、演出ボタン36の可動方向が突出部4に設けた傾斜面47の傾斜と略平行になるように、演出ボタン36が設けられる。これにより、演出ボタン36が飛び出すストロークをより長く設けることができる。このため、より演出効果の高いパチンコ遊技機1を構成することができ、また、パチンコ遊技機1の設計上の自由度を向上させることができる。
【0041】
また、本実施形態では、下皿41は遊技機1の左右方向に関して左側に設けられ、切り欠き46は中央部分に設けられる。また、球排出ボタン44は、遊技機1の左右中央部分の前面(すなわち、切り欠き46の上端)に設けられる。さらに、突出部4の下面に設けられた遊技球を排出するための第2排出口45は、遊技機1の左右方向に関して、下皿41よりも右側であって、球排出ボタン44よりも左側に設けられる。これにより、遊技者は、下皿41から排出されて賞球箱5に山状にたまった遊技球をならし易くなる。すなわち、遊技球が下皿41から賞球箱5に排出される場合、遊技球は導通路43を通って第2排出口45から排出されるため、第2排出口45の真下よりも僅かに右側に落下して、第2排出口45の真下よりも僅かに右側にたまる傾向がある。従って、遊技球は、突出部4の下方に配置された賞球箱5のうち、球排出ボタン44のほぼ真下に山状にたまっていく。このため、遊技者は、球排出ボタン44を押して、当該球排出ボタン44の真下の切り欠き46から手を挿入し、球排出ボタン44のほぼ真下に形成された山状の遊技球をならし易い。
【0042】
また、球排出ボタン44は、切り欠き46の上端に設けられるため、遊技者は当該球排出ボタン44を押し易くなるとともに、賞球箱5にたまった遊技球をならし易くなる。すなわち、遊技者は、切り欠き46の手を挿入しつつ、球排出ボタン44を押すことができ、切り欠き46の下方にたまった遊技球をならし易い。
【0043】
なお、本実施形態では、下皿41を遊技機本体の左側に配置し、切り欠き46および球排出ボタン44を中央部分に配置した。他の実施形態では、下皿41は右側に設けられてもよい。この場合、第2排出口45は、左右中央よりも僅かに右側に設けられてもよい。
【0044】
また、下皿41、切り欠き46、球排出ボタン44、および、第2排出口45の位置は上述したものに限らず、どのようなものであってもよい。
【0045】
以上のように、本発明においては、以下の構成を採用してもよい。
【0046】
第1の構成では、遊技球を貯留する上皿および下皿(41)と遊技機本体から前面側に突出して設けられた前記上皿および前記下皿を含む突出部(4)とを備えたパチンコ遊技機(1)であって、前記突出部の前面側の下部には、前記突出部の下方に置かれた前記下皿から排出された遊技球を収納する賞球箱(5)と前記突出部との間に、遊技者が手を挿入するための空間を確保する切り欠き(46)が設けられる。
【0047】
この構成によれば、突出部4に切り欠き46が設けられることによって、空間が形成される。これにより、遊技者は、突出部4の下方に設けられた賞球箱5と突出部4との間に手を挿入することができ、賞球箱5にたまった遊技球をならし易くなる。
【0048】
第2の構成では、前記下皿は、前記遊技機の左右方向に関して所定位置に設けられ、前記切り欠きは、前記遊技機の左右方向に関して前記所定位置からずれた位置に設けられ、前記突出部には、前記下皿に貯留された遊技球を当該下皿から排出するための第1排出口(42)と、前記第1排出口から排出された遊技球を前記賞球箱に排出するための第2排出口(47)と、前記第1排出口から排出された遊技球を前記第2排出口に導く導通路(43)と、前記下皿に貯留された遊技球を前記賞球箱に排出させるための球排出ボタン(44)とが設けられ、前記第2排出口は、前記切り欠きが設けられた位置に配置される。
【0049】
この構成によれば、例えば、下皿41は、遊技機の左右方向に関して左側に設けられ、切り欠き46は、中央に設けられる。このため、切り欠き46を設けても下皿41の容量を十分に確保することができる。また、下皿41に貯留された遊技球を切り欠き46が設けられた位置に導いて、遊技機本体から賞球箱5に排出することができる。これによって、遊技者は、切り欠き46の下方に山状に形成された遊技球をならし易くなる。
【0050】
第3の構成では、前記下皿は、前記遊技機の左右方向に関して中央よりも左側または右側に設けられ、前記切り欠きは、前記遊技機の左右方向に関して中央に設けられ、前記球排出ボタンは、前記遊技機の左右方向に関して中央に設けられ、前記第2排出口は、前記遊技機の左右方向に関して、略中央であって、前記下皿と前記球排出ボタンとの間に設けられる。
【0051】
この構成によれば、切り欠き46は遊技機1の中央に設けられ、下皿41は左側または右側に設けられる。また、球排出ボタン44は、前記遊技機の左右方向に関して中央に設けられる。第2排出口45は、遊技機の左右方向に関して略中央であって、下皿41と球排出ボタン44との間に設けられる。これにより、下皿41に貯留された遊技球を切り欠き46が設けられた中央部分に導いて、遊技機本体の略中央から賞球箱5に排出することができる。また、下皿41に貯留された遊技球が賞球箱5に排出された場合に、球排出ボタン44のほぼ真下に遊技球が落下して、球排出ボタン44のほぼ真下に山状に遊技球がたまるため、遊技者は、より遊技球をならし易くなる。
【0052】
また、第4の構成では、前記下皿は、前記遊技機の左右方向に関して中央よりも左側に設けられ、前記球排出ボタンは、前記遊技機の左右方向に関して中央に設けられ、前記第2排出口は、前記下皿よりも右側、かつ、前記球排出ボタンよりも左側に設けられる。
【0053】
この構成によれば、下皿41は遊技機の左側に配置され、切り欠き46は遊技機の中央に配置されるため、遊技者は、右手でハンドル31を持ちながら、左手で下皿41内の遊技球をつかんだりならしたりし易くなる。
【0054】
また、第5の構成では、前記球排出ボタンは、前記切り欠きの上端に設けられる。
【0055】
この構成によれば、切り欠き46の上端に球排出ボタン44が設けられるため、遊技者は球排出ボタン44を押し易い。すなわち、遊技者は、切り欠き46内に手を挿入しつつ、球排出ボタン44を押すことができる。
【0056】
また、第6の構成では、遊技者からの入力を受け付けるための所定方向に可動する演出ボタン(36)をさらに備え、前記突出部には、前記演出ボタンを含むボタンユニット(360)が収納され、前記切り欠きは、前記突出部に、遊技者側から遊技機本体に向かって下降する傾斜部(47)が形成されることによって設けられ、前記演出ボタンは、当該演出ボタンの可動方向が前記切り欠きの傾斜と略平行になるように、設けられてもよい。
【0057】
この構成によれば、切り欠き46は、突出部4に、遊技者から遊技機本体に向かって斜め下方に傾斜する傾斜部が形成されることによって、設けられる。また、演出ボタンの可動方向と切り欠き46の傾斜とは、略平行になる。これにより、所定方向に飛び出す演出ボタン36を含むボタンユニット360を突出部4に収納し、突出部4に切り欠き46を設けた場合でも、演出ボタン36のボタンユニット360と傾斜面47とが干渉することがない。
【0058】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述の説明はあらゆる点において本発明の一例にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。また、本発明の範囲を逸脱することなく上記各実施形態を適宜組み合わせることや種々の改良を行うことができることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0059】
1 パチンコ遊技機
2 遊技盤
3 枠部材
20 遊技領域
201 第1始動口
202 第2始動口
203 大入賞口
204 普通入賞口
205 ゲート
206 排出口
207 電動チューリップ
208 液晶表示器
209 盤ランプ
210 可動役物
211 表示器
31 ハンドル
32 レバー
33 スピーカ
34 枠ランプ
35 取り出しボタン
36 演出ボタン
360 ボタンユニット
361 カバー
37 上皿
38 余剰球口
4 突出部
41 下皿
42 第1排出口
43 導通路
44 球排出ボタン
45 第2排出口
46 切り欠き
47 傾斜面
5 賞球箱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球を貯留する上皿および下皿と遊技機本体から前面側に突出して設けられた前記上皿および前記下皿を含む突出部とを備えたパチンコ遊技機であって、
前記突出部の前面側の下部には、前記突出部の下方に置かれた前記下皿から排出された遊技球を収納する賞球箱と前記突出部との間に、遊技者が手を挿入するための空間を確保する切り欠きが設けられる、パチンコ遊技機。
【請求項2】
前記下皿は、前記遊技機の左右方向に関して所定位置に設けられ、
前記切り欠きは、前記遊技機の左右方向に関して前記所定位置からずれた位置に設けられ、
前記突出部には、
前記下皿に貯留された遊技球を当該下皿から排出するための第1排出口と、
前記第1排出口から排出された遊技球を前記賞球箱に排出するための第2排出口と、
前記第1排出口から排出された遊技球を前記第2排出口に導く導通路と、
前記下皿に貯留された遊技球を前記賞球箱に排出させるための球排出ボタンとが設けられ、
前記第2排出口は、前記切り欠きが設けられた位置に配置される、請求項1に記載のパチンコ遊技機。
【請求項3】
前記下皿は、前記遊技機の左右方向に関して中央よりも左側または右側に設けられ、
前記切り欠きは、前記遊技機の左右方向に関して中央に設けられ、
前記球排出ボタンは、前記遊技機の左右方向に関して中央に設けられ、
前記第2排出口は、前記遊技機の左右方向に関して、略中央であって、前記下皿と前記球排出ボタンとの間に設けられる、請求項2に記載のパチンコ遊技機。
【請求項4】
前記下皿は、前記遊技機の左右方向に関して中央よりも左側に設けられ、
前記第2排出口は、前記下皿よりも右側、かつ、前記球排出ボタンよりも左側に設けられる、請求項3に記載のパチンコ遊技機。
【請求項5】
前記球排出ボタンは、前記切り欠きの上端に設けられる、請求項2から4の何れかに記載のパチンコ遊技機。
【請求項6】
遊技者からの入力を受け付けるための所定方向に可動する演出ボタンをさらに備え、
前記突出部には、前記演出ボタンを含むボタンユニットが収納され、
前記切り欠きは、前記突出部に、遊技者側から遊技機本体に向かって下降する傾斜部が形成されることによって設けられ、
前記演出ボタンは、当該演出ボタンの可動方向が前記切り欠きの傾斜と略平行になるように、設けられる、請求項1から5の何れかに記載のパチンコ遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−217634(P2012−217634A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86654(P2011−86654)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】