説明

パッケージ、半導体装置、パッケージの製造方法及び半導体装置の製造方法

【課題】シリコン基板を用いて形成されるパッケージと、該パッケージに半導体素子が搭載されてなる半導体装置の実装の信頼性を良好とする製造方法を提供する。
【解決手段】シリコン基板101をエッチングして、シリコン基板101を貫通するビアホールを形成するエッチング工程と、前記ビアホールに導電材料を埋設してビアプラグ106を形成する工程と、を有するパッケージの製造方法であって、前記エッチング工程は、直線状に前記ビアホールが形成される第1のエッチング工程と、テーパー状に前記ビアホールが形成される第2のエッチング工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコン基板に半導体素子が実装されてなる半導体装置、および当該半導体装置を製造する製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子が基板に実装されてなる半導体装置の構造については、様々なタイプのものが提案されていた(特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
例えば、半導体素子を実装する場合にシリコン基板を用いると、基板に対する微細な加工が可能になるために、半導体装置の微細化が可能となる。また、シリコンはセラミックなどの焼結材料と比べた場合に熱伝導率が高いため、特に発光素子などの発熱量の多い素子を実装する場合には実装される素子の放熱性が良好となる利点があった。例えばシリコン基板に半導体素子を実装する場合の構造の一例としては、基板を貫通するビアプラグに半導体素子を接続して実装する構造があげられる。
【0004】
上記のビアプラグ形成する場合には、まずシリコン基板を貫通するビアホール(貫通穴)を形成し、該ビアホールに導電材料を埋設して形成する。上記のビアホールは、例えばプラズマ(ドライ)エッチングの手法を用いて、円筒状にシリコン基板を貫通するように形成される。
【特許文献1】特開2005−19609号公報
【特許文献2】特開2005−327820号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、シリコン基板を貫通するビアホールを形成する場合に、ビアホールの形状不良(形状のばらつき)が発生する場合があった。
【0006】
上記の形状不良は、ビアホールの開口部分に多く発生する場合がある。例えば、マスクパターンを用いたドライエッチングでは、マスクパターンの開口部付近の、シリコン基板とマスクパターンの界面で微細な剥離や形状不良などが発生しやすい問題があった。
【0007】
このため、上記のような開口部近傍のマスクパターンの問題に起因する様々なエッチングの形状不良が発生し、ビアホールの断面形状が開口部近傍では円形にならない場合があった。また、ビアホールの開口部分には応力が集中しやすくなるため、シリコン基板の損傷(欠け、クラックなど)が発生する懸念も生じていた。
【0008】
また、上記のビアホールの形状不良が発生することによって、ビアプラグの信頼性が低下してしまう問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、上記の問題を解決した、新規で有用なパッケージ、半導体装置、パッケージの製造方法及び半導体装置の製造方法を提供することを統括的課題としている。
【0010】
本発明の具体的な課題は、シリコン基板を用いて形成されるパッケージと、該パッケージに半導体素子が搭載されてなる半導体装置の実装の信頼性を良好とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の観点では、上記の課題を、シリコン基板をエッチングして、該シリコン基板を貫通するビアホールを形成するエッチング工程と、前記ビアホールに導電材料を埋設してビアプラグを形成する工程と、を有するパッケージの製造方法であって、前記エッチング工程は、直線状に前記ビアホールが形成される第1のエッチング工程と、テーパー状に前記ビアホールが形成される第2のエッチング工程とを含むことを特徴とするパッケージの製造方法により、解決する
本発明によれば、パッケージの信頼性を良好とすることが可能となる。
【0012】
また、前記エッチング工程では、前記ビアホールの開口側がテーパー状となるようにエッチングが行われると、前記ビアプラグの信頼性が良好となり、好適である。
【0013】
また、前記第1のエッチング工程では異方性ドライエッチングにより、前記第2のエッチング工程では等方性ドライエッチングにより、前記ビアホールが形成されると、容易に前記ビアホールを形成することが可能となる。
【0014】
また、前記第1のエッチング工程ではドライエッチングにより、前記第2のエッチング工程ではウェットエッチングにより、前記ビアホールが形成されると、容易に前記ビアホールを形成することが可能となる。
【0015】
また、前記シリコン基板に凹部を形成する工程をさらに有すると、半導体素子の搭載が容易となる。
【0016】
また、本発明の第2の観点では、上記の課題を、上記のパッケージの製造方法に、半導体素子を前記凹部に搭載する工程をさらに設けた半導体装置の製造方法により、解決する。
【0017】
また、本発明の第3の観点では、上記の課題を、シリコン基板と、該シリコン基板を貫通するビアプラグとを有するパッケージであって、前記ビアプラグは、直線状に形成される直線部と、テーパー状に形成されるテーパー部とを有することを特徴とするパッケージにより、解決する。
【0018】
本発明によれば、パッケージの信頼性を良好とすることが可能となる。
【0019】
また、前記テーパー部は、前記ビアプラグが前記シリコン基板から露出する側に形成されていると、前記ビアプラグの信頼性が良好となり、好適である。
【0020】
また、前記シリコン基板に半導体素子搭載用の凹部が設けられていると、半導体素子の搭載が容易となる。
【0021】
また、本発明の第4の観点では、上記の課題を、上記のパッケージにおいて、半導体素子を前記凹部に搭載した半導体装置により、解決する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、シリコン基板に半導体素子が実装されてなる半導体装置の実装の信頼性を良好とすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明によるパッケージの製造方法は、シリコン基板をエッチングして、該シリコン基板を貫通するビアホールを形成するエッチング工程と、前記ビアホールに導電材料を埋設してビアプラグを形成する工程と、を有するパッケージの製造方法であって、前記エッチング工程は、直線状に前記ビアホールが形成される第1のエッチング工程と、テーパー状に前記ビアホールが形成される第2のエッチング工程とを含むことを特徴とを特徴としている。
【0024】
上記の製造方法により形成されるパッケージでは、前記ビアプラグは、直線状に形成される直線部と、テーパー形状に形成されるテーパー部とを有することになる。
【0025】
上記のパッケージの製造方法によれば、シリコン基板にビアホールを形成する場合のエッチング形状のばらつきを抑制し、形成されるビアプラグの信頼性を良好とすることが可能となる。例えば、前記エッチング工程では、前記ビアホールの開口側がテーパー状となるようにエッチングを行うことで、当該開口側でのエッチング形状のばらつきの発生を抑制し、形成されるビアプラグの電気的な接続の信頼性を良好とすることができる。
【0026】
また、形成される前記ビアプラグは、前記テーパー部を有しているために所定の部分に応力が集中する影響が抑制され、破損や接続不良の発生が抑制されて信頼性が良好となる効果を奏する。例えば、前記テーパー部は、応力集中が生じやすい前記ビアプラグが前記シリコン基板から露出する側に形成されていることが好ましい。
【0027】
次に、上記のパッケージの製造方法と、製造されるパッケージの具体的な例について、図面に基づき説明する。
【実施例1】
【0028】
図1A〜図1Gは、本発明の実施例1によるパッケージ及び半導体装置の製造方法を手順を追って示す図である。また、図1Fは製造されるパッケージ、さらに図1Gは、当該パッケージを用いて製造される半導体装置の構造も示している。ただし、以下の図中では、先に説明した部分には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0029】
まず、図1Aに示す工程において、シリコンよりなる基板(例えばシリコンウェハ)101を用意する。例えば基板101がシリコンウェハよりなる場合、基板101の厚さは600乃至800μm程度である。また、基板101が所定の厚さになるように、基板101を研削して用いてもよい。
【0030】
次に、図1Bに示す工程において、基板101上に、開口部102Aを有するマスクパターン102を形成する。マスクパターン102を形成する場合には、フィルムの貼り付け、または、塗布によりレジスト層を形成し、該レジスト層を露光・現像することにより形成する。上記の開口部102Aは、後の工程で形成されるビアホール(ビアプラグ)が形成される位置に対応して形成される。
【0031】
次に、図1Cに示す工程において、マスクパターン102をマスクにして、例えばRIE(リアクティブ・イオン・エッチング)などのドライエッチング(プラズマエッチング)により、基板101を貫通するビアホール(貫通穴)103を形成する。
【0032】
上記のビアホール103を形成する場合には、例えばドライエッチングのレシピと呼ばれるエッチングの条件(プラズマ発生のための電力、処理空間の圧力、ガスの流量、ガスの組み合わせなど)を変更することで、ドライエッチングを等方性エッチングとするか異方性エッチングとするかを制御することができる。
【0033】
例えば、エッチングの開始直後は等方性エッチングが生じるようにしてビアホールをテーパー状に形成してテーパー部103Bを形成し、次に異方性エッチングが生じるようにしてビアホールを直線状に形成して直線部103Aを形成し、最後に再び等方性エッチングが生じるようにしてテーパー部103Bを形成するようにすればよい。
【0034】
すなわち、エッチング工程のうち、最初の工程Aを等方性エッチングとしてテーパー部103Bを形成し、当該工程Aの次の工程Bを異方性エッチングとして直線部103Aを形成し、さらに当該工程Bの次の工程Cを再び等方性エッチングとしてテーパー部103Bを形成すればよい。また、上記の「等方性エッチング」は、エッチングが等方性に行われるエッチングと、エッチングが異方性に行われるエッチングのうち、エッチングが等方性に行われるエッチングが支配的となっていることを意味している。同様に、上記の「異方性エッチング」は、エッチングが等方性に行われるエッチングと、エッチングが異方性に行われるエッチングのうち、エッチングが異方性に行われるエッチングが支配的となっていることを意味している。
【0035】
上記の工程A乃至工程Cによって、ビアホール103の両面の開口側がテーパー状(テーパー部103B)となり、2つのテーパー部103Bに挟まれる部分が直線状(直線部103A)に形成される。
【0036】
次に、図1Dに示す工程において、マスクパターン102を剥離した後、基板101上に新たに、開口部104Aを有するマスクパターン104を形成する。マスクパターン104は、マスクパターン102の場合と同様に形成すればよい。すなわち、フィルムの貼り付け、または、塗布によりレジスト層を形成し、該レジスト層を露光・現像することにより形成する。上記の開口部104Aは、後の工程で実装される半導体素子を収納する凹部に対応して形成される。
【0037】
次に、図1Eに示す工程において、マスクパターン104をマスクにしたエッチング(ドライエッチングまたはウェットエッチング)により、基板101の開口部104Aに対応する部分に、凹部105を形成する。この場合、図1Cの工程で形成されたビアホール103の長さは短くなり、ビアホール103Cとなる。また、ビアホール103Cにおいても、ビアホール103と同様に、開口部側がテーパー状となる形状が維持される。すなわち、ビアホール103Cの両面の開口側がテーパー状(テーパー部103b)となり、ビアホール103Cの2つのテーパー部103bに挟まれる部分が直線状(直線部103a)となっている。
【0038】
次に、図1Fの工程において、マスクパターン104を剥離した後、基板101の表面に、絶縁膜101Aを形成する。上記の絶縁膜101Aは、例えばシリコンを熱酸化することにより形成されるシリコン酸化膜よりなる。また、絶縁膜101Aは、ビアホール103Cの内壁面にも形成され、後に形成される導電性のビアプラグと基板101との絶縁が確保される。また、後の工程で蓋部が接合される凹部105の周囲の接合面101Cの絶縁膜101Aは剥離しておくことが好ましい。
【0039】
次に、例えばメッキ法により、ビアホール103Cを、例えばCuなどの導電材料で埋設し、ビアプラグ106を形成する。この場合、まず無電解メッキによってシード層(給電層)を形成した後でマスクパターンを形成し、当該シード層を給電層とする電解メッキによってビアプラグ106を形成する。また、電解メッキ終了後には、当該マスクパターンとシード層を剥離する。また、上記のメッキにおいては、ビアホール106の開口部側がテーパー状に形成されているため、メッキ液が浸透しやすく、ボイドやメッキの不良などの発生が抑制され、信頼性が良好なビアプラグを形成することができる。
【0040】
ビアプラグ106は、ビアホール103Cに対応した形状となり、直線状の直線部106Aと、テーパー状のテーパー部106Bを有する構造となる。すなわち、ビアプラグ106の、ビアホール103Cから露出する両端にはテーパー状のテーパー部106Bが形成され、2つのテーパー部106Bに挟まれる部分には直線状の直線部106Aが形成される。
【0041】
このようにして、本実施例によるパッケージを形成することができる。また、以下に説明するように、さらに上記のパッケージに半導体素子を搭載して、半導体装置を製造することも可能である。
【0042】
例えば、図1Gに示す工程において、凹部105に収納するように半導体素子110を実装する。この場合、半導体素子110とビアプラグ106とをバンプ111により電気的に接続し、半導体素子110を実装する。
【0043】
さらに、例えばガラスよりなる平板状の蓋部112を、基板101の接合面101Cに接合し、凹部105に半導体素子110を封止する。このように半導体素子110を所定の密閉空間(凹部105)に封止することにより、半導体素子110の劣化を抑制し、半導体素子110を安定に、かつ、長期間駆動させることが可能になる。特に、半導体素子110がMEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)素子よりなる場合、素子の封止によって素子の保護と安定駆動が図られることが好ましい。また、蓋部112と基板101の接合は、例えば陽極接合により行われる。上記の接合が陽極接合により行われると、接合が容易となるとともに凹部105への不純物の混入が抑制され、好ましい。
【0044】
このようにして、基板101の凹部に半導体素子110が実装(封止)されてなる半導体装置100を製造することができる。
【0045】
上記の製造方法によれば、シリコン基板101にビアホール103C(103)を形成する場合のエッチング形状のばらつきを抑制し、形成されるビアプラグ106の信頼性を良好とすることが可能となる。
【0046】
例えば、図1Cに示したエッチング工程では、ビアホール103(103C)の開口側がテーパー状となるようにエッチングを行うことで、当該開口側でのエッチング形状のばらつきの発生を抑制し、形成されるビアプラグの電気的な接続の信頼性を良好とすることができる。
【0047】
従来のエッチングでは、マスクパターンの開口部近傍と基板の間の界面での微細な剥離や形状不良が起因となって、エッチングの形状不良(ばらつき)が発生する場合があった。本実施例による製造方法では、このようなマスクパターンの開口部近傍のエッチング形状不良の発生を抑制し、形成されるビアプラグの信頼性が良好となっている。
【0048】
また、ビアプラグ106は、直線状に形成される直線部106Aと、テーパー状に形成されるテーパー部106Bとを有している。このため、ビアプラグ106は、従来のテーパー形状を有さないビアプラグと比較すると、所定の部分(ビアホールの開口部近傍)への応力集中の影響が緩和されており、破損や接続不良の発生が抑制されて信頼性が良好となっている。また、上記のテーパー部106Bは、応力が集中しやすい、ビアプラグ106がシリコン基板101から露出する側に形成されていることが好ましい。
【0049】
また、上記の実施例1では、ビアホールを形成する場合に、等方性ドライエッチングと異方性ドライエッチングを順次用いて形成する場合を例にとって説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば以下に示すように、ドライエッチングとウェットエッチングを組み合わせた方法で形成してもよい。
【実施例2】
【0050】
図2A〜図2Kは、本発明の実施例2によるパッケージ及び半導体装置の製造方法を手順を追って示す図である。また、図2Jは製造されるパッケージ、さらに図2Kは、当該パッケージを用いて製造される半導体装置の構造も示している。ただし、以下の図中では、先に説明した部分には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0051】
まず、図2Aに示す工程は実施例1の図1Aに示した工程に相当し、基板101に相当する、シリコンよりなる基板201を用意する。
【0052】
次に、図2Bに示す工程において、図1Bに示した工程と同様にして、基板201上に開口部202Aを有するマスクパターン202を形成する。上記の開口部202Aは、後の工程で形成されるビアホール(ビアプラグ)が形成される位置に対応して形成される。
【0053】
次に、図2Cに示す工程において、マスクパターン202をマスクにして、例えばRIEなどのドライエッチングにより、基板201を貫通するビアホール(貫通穴)203を形成する。上記のビアホール203を形成する場合には、例えばドライエッチングのレシピによってドライエッチングが異方性エッチングとなるように制御し、ビアホール203が直線状に形成されるようにする。本実施例においては、ビアホールのテーパー状となる部分は後の工程でウェットエッチングによって別途形成する。
【0054】
次に、図2Dに示す工程において、マスクパターン202を剥離した後、図1Dに示した工程と同様にして、基板201上に開口部204Aを有するマスクパターン204を形成する。上記の開口部204Aは、後の工程で実装される半導体素子を収納する凹部に対応して形成される。
【0055】
次に、図2Eに示す工程において、マスクパターン204をマスクにしたエッチング(ドライエッチングまたはウェットエッチング)により、基板201の開口部204Aに対応する部分に、凹部205を形成する。この場合、図2Cの工程で形成されたビアホール203の長さは短くなり、ビアホール203Aとなる。
【0056】
次に、図2Fに示す工程において、マスクパターン204を剥離した後、基板201の表面に、絶縁膜201Aを形成する。上記の絶縁膜201Aは、例えばシリコンを熱酸化することにより形成されるシリコン酸化膜よりなる。また、絶縁膜201Aは、ビアホール203Aの内壁面にも形成され、後に形成される導電性のビアプラグと基板201との絶縁が確保される。また、後の工程で蓋部が接合される凹部205の周囲の接合面201Cの絶縁膜201Aは剥離しておくことが好ましい。
【0057】
次に、図2Gに示す工程において、基板201(絶縁膜201A)の表面を覆うマスクパターン206を形成する。この場合、マスクパターン206は、ビアホール203Aの開口部周辺の絶縁膜201Aが露出する開口部206Aを有するようにパターニングされて形成される。また、開口部206Aは、基板201の凹部205が形成される側と、その反対側の双方に形成されるようにすることが好ましい。
【0058】
次に、図2Hに示す工程において、開口部206Aから露出した絶縁膜201Aをドライエッチングなどで除去した後、露出した基板201(シリコン)を、ウェットエッチングする。このウェットエッチングにより、ビアホールの開口部側がエッチングされてテーパー状となり、本図に示すビアホール203Cが形成される。
【0059】
すなわち、ビアホール203Cの両面の開口側がテーパー状(テーパー部203b)となり、2つのテーパー部203bに挟まれる部分が直線状(直線部203a)となっている。
【0060】
次に、図2Iに示す工程において、マスクパターン206を剥離した後、再び基板201の表面に絶縁膜201Bを形成する。これは、前の工程で絶縁膜201Aが除去された部分に、再び絶縁膜を形成するための処理である。また、先に説明したように、後の工程で蓋部が接合される凹部205の周囲の接合面201Cの絶縁膜201Bは剥離しておくことが好ましい。なお、基板201へ絶縁膜の形成は、図2Fの工程で実施せずに、本図に示す工程でのみ行うようにしてもよい。この場合、絶縁膜の局所的な剥離の工程(図2G)が不要となる。
【0061】
次に、図2Jに示す工程において、例えばメッキ法により、ビアホール203Cを、例えばCuなどの導電材料で埋設し、ビアプラグ206を形成する。この場合、まず無電解メッキによってシード層(給電層)を形成した後でマスクパターンを形成し、当該シード層を給電層とする電解メッキによってビアプラグ206を形成する。また、電解メッキ終了後には、当該マスクパターンとシード層を剥離する。また、上記のメッキにおいては、ビアホール206の開口部側がテーパー状に形成されているため、メッキ液が浸透しやすく、ボイドやメッキの不良などの発生が抑制され、信頼性が良好なビアプラグを形成することができる。
【0062】
ビアプラグ206は、ビアホール203Cに対応した形状となり、直線状の直線部206Aと、テーパー状のテーパー部206Bを有する構造となる。すなわち、ビアプラグ206の、ビアホール203Cから露出する両端にはテーパー状のテーパー部206Bが形成され、2つのテーパー部206Bに挟まれる部分には直線状の直線部206Aが形成される。
【0063】
このようにして、本実施例によるパッケージを形成することができる。また、以下に説明するように、さらに上記のパッケージに半導体素子を搭載して、半導体装置を製造することも可能である。
【0064】
例えば、図2Kに示す工程において、凹部205に収納するように半導体素子210を実装する。この場合、半導体素子210とビアプラグ206とをバンプ211により電気的に接続し、半導体素子210を実装する。
【0065】
さらに、例えばガラスよりなる平板状の蓋部212を、基板201の接合面201Cに接合し、凹部205に半導体素子210を封止する。このように半導体素子210を所定の密閉空間(凹部205)に封止することにより、半導体素子210の劣化を抑制し、半導体素子210を安定に、かつ、長期間駆動させることが可能になる。特に、半導体素子210がMEMS素子よりなる場合、素子を封止することによって素子の保護と安定駆動が図られることが好ましい。また、蓋部212と基板201の接合は、例えば陽極接合により行われる。上記の接合が陽極接合により行われると、接合が容易となるとともに凹部205への不純物の混入が抑制され、好ましい。
【0066】
このようにして、基板201の凹部に半導体素子210が実装(封止)されてなる半導体装置200を製造することができる。
【0067】
上記の製造方法は実施例1の場合と同様の効果を奏する。すなわち、シリコン基板201にビアホール203C(203)を形成する場合のエッチング形状のばらつきを抑制し、形成されるビアプラグ206の信頼性を良好とすることが可能となる。
【0068】
また、ビアプラグ206は、実施例1の場合と同様に、所定の部分(ビアホールの開口部近傍)への応力集中の影響が緩和されており、破損や接続不良の発生が抑制されて信頼性が良好となっている。
【0069】
なお、上記の実施例1,実施例2では、1個のパッケージを図示して説明しているが、実際のパッケージの製造においては、1枚の基板(ウェハ)上に複数のパッケージを形成し、後の工程において基板を切断して個片化してパッケージを製造する。
【0070】
例えば、1枚の基板上に複数の凹部やビアプラグを形成後、基板を切断し、個々のパッケージを形成する。その後、切断されて個片化された個々のパッケージに対して半導体素子を搭載し、半導体装置を製造する。
【0071】
以上、本発明を好ましい実施例について説明したが、本発明は上記の特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨内において様々な変形・変更が可能である。
【0072】
例えば、ビアホール103C(203C)を埋設する方法はメッキ法に限定されず、CVD法、スパッタリング法などを用いてもよい。また、ビアプラグ106(206)を構成する導電性材料は、Cuに限定されず、Al、W、または合金材料などを用いてもよい。
【0073】
また、実装される半導体素子は、MEMS素子に限定されず、他の様々な素子を実装することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明によれば、シリコン基板に半導体素子が実装されてなる半導体装置の実装の信頼性を良好とすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1A】実施例1によるパッケージ(半導体装置)の製造方法を示す図(その1)である。
【図1B】実施例1によるパッケージ(半導体装置)の製造方法を示す図(その2)である。
【図1C】実施例1によるパッケージ(半導体装置)の製造方法を示す図(その3)である。
【図1D】実施例1によるパッケージ(半導体装置)の製造方法を示す図(その4)である。
【図1E】実施例1によるパッケージ(半導体装置)の製造方法を示す図(その5)である。
【図1F】実施例1によるパッケージ(半導体装置)の製造方法を示す図(その6)である。
【図1G】実施例1によるパッケージ(半導体装置)の製造方法を示す図(その7)である。
【図2A】実施例2によるパッケージ(半導体装置)の製造方法を示す図(その1)である。
【図2B】実施例2によるパッケージ(半導体装置)の製造方法を示す図(その2)である。
【図2C】実施例2によるパッケージ(半導体装置)の製造方法を示す図(その3)である。
【図2D】実施例2によるパッケージ(半導体装置)の製造方法を示す図(その4)である。
【図2E】実施例2によるパッケージ(半導体装置)の製造方法を示す図(その5)である。
【図2F】実施例2によるパッケージ(半導体装置)の製造方法を示す図(その6)である。
【図2G】実施例2によるパッケージ(半導体装置)の製造方法を示す図(その7)である。
【図2H】実施例2によるパッケージ(半導体装置)の製造方法を示す図(その8)である。
【図2I】実施例2によるパッケージ(半導体装置)の製造方法を示す図(その9)である。
【図2J】実施例2によるパッケージ(半導体装置)の製造方法を示す図(その10)である。
【図2K】実施例2によるパッケージ(半導体装置)の製造方法を示す図(その11)である。
【符号の説明】
【0076】
100,200 半導体装置
101,201 基板
101A,201A,201B 絶縁膜
101C,201C 接合面
102,104,202,204 マスクパターン
102A,104A,202A,204A 開口部
103,103C,203,203C ビアホール
103A,103a,203A,203a 直線部
103B,103b,203B,203b テーパー部
105,205 凹部
106,206 ビアプラグ
106A,206A 直線部
106B,206B テーパー部
110,210 半導体素子
111,211 バンプ
112,212 蓋部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン基板をエッチングして、該シリコン基板を貫通するビアホールを形成するエッチング工程と、
前記ビアホールに導電材料を埋設してビアプラグを形成する工程と、を有するパッケージの製造方法であって、
前記エッチング工程は、直線状に前記ビアホールが形成される第1のエッチング工程と、テーパー状に前記ビアホールが形成される第2のエッチング工程とを含むことを特徴とするパッケージの製造方法。
【請求項2】
前記エッチング工程では、前記ビアホールの開口側がテーパー状となるようにエッチングが行われることを特徴とする請求項1記載のパッケージの製造方法。
【請求項3】
前記第1のエッチング工程では異方性ドライエッチングにより、前記第2のエッチング工程では等方性ドライエッチングにより、前記ビアホールが形成されることを特徴とする請求項1または2記載のパッケージの製造方法。
【請求項4】
前記第1のエッチング工程ではドライエッチングにより、前記第2のエッチング工程ではウェットエッチングにより、前記ビアホールが形成されることを特徴とする請求項1または2記載のパッケージの製造方法。
【請求項5】
前記シリコン基板に凹部を形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のパッケージの製造方法。
【請求項6】
請求項5記載のパッケージの製造方法に、半導体素子を前記凹部に搭載する工程をさらに設けたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
シリコン基板と、該シリコン基板を貫通するビアプラグとを有するパッケージであって、
前記ビアプラグは、直線状に形成される直線部と、テーパー状に形成されるテーパー部とを有することを特徴とするパッケージ。
【請求項8】
前記テーパー部は、前記ビアプラグが前記シリコン基板から露出する側に形成されていることを特徴とする請求項7記載のパッケージ。
【請求項9】
前記シリコン基板に半導体素子搭載用の凹部が設けられていることを特徴とする請求項7または8記載のパッケージ。
【請求項10】
半導体素子が、請求項9記載のパッケージの前記凹部に搭載されていることを特徴とする半導体装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図1G】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図2H】
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【図2I】
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【図2J】
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【図2K】
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【公開番号】特開2008−66481(P2008−66481A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−242021(P2006−242021)
【出願日】平成18年9月6日(2006.9.6)
【出願人】(000190688)新光電気工業株式会社 (1,516)