説明

パッケージの封止方法、電子デバイスの筐体及びセル

【課題】パッケージの内部と外部との間で流体が流通し易くしつつ、パッケージを容易に封止する。
【解決手段】開口部を有するパッケージと開口部を覆うリッドとの間に、貫通孔を有する封止材を設け、パッケージとリッドとを接合し、パッケージの内部と外部との間で、貫通孔を介して洗浄液やコーティング剤を流通させ、封止材を溶融させて貫通孔を封止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージを封止する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品や半導体のパッケージを封止する技術が知られている。例えば、引用文献1には、PDP(Plasma Display Panel)やFED(Field Emission Display)などの表示装置の製造において、通気孔に封着材料を配置し、レーザ光を照射して溶融させることにより、フロントパネルとリアパネルとの間の空間を封止する方法が記載されている。引用文献2には、容器の底部に設けられた貫通孔に封止部材を置き、レーザービーム照射によって封止部材を溶融することにより、貫通孔を封止する方法が記載されている。引用文献3には、筒状ガラス管の内部に細孔を形成し、この細孔を介して排気及びガスの封入を行った後、レーザ光線を細孔の周囲のガラスにあてて加熱溶融し、細孔を塞いで気密封止する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−103184号公報
【特許文献2】特開2008−57995号公報
【特許文献3】特開昭61−51746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、生体の心臓等から発せられる磁場を検出する装置として、光ポンピング式の磁気センサーが知られている。この磁気センサーには、アルカリ金属ガスが封入されたガスセルが用いられる。このガスセルを製造する場合、ガスセルの筐体(パッケージ)を形成した後に、筐体内にコーティング剤を流入させて、筐体の内面に膜を形成する。しかし、上述した特許文献1又は2に記載された方法では、封止材がパッケージの貫通孔を封止してしまうため、コーティング剤をパッケージの内部に流入させるのが難しい。また、上述した特許文献3に記載された方法では、筒状ガラス管の細孔を封止するには高温で加熱する必要があるため、パッケージを容易に封止することができない。
本発明は、パッケージの内部と外部との間で流体が流通し易くしつつ、パッケージを容易に封止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、開口部を有するパッケージと当該開口部を覆う蓋との間に、貫通孔を有する封止材を設け、当該パッケージと当該蓋とを接合する接合工程と、前記パッケージの内部と外部との間で、前記貫通孔を介して流体を流通させる流通工程と、前記封止材を溶融させて前記貫通孔を封止する封止工程とを備えることを特徴とするパッケージの封止方法を提供する。
この封止方法によれば、パッケージの内部と外部との間で流体が流通し易くしつつ、パッケージを容易に封止することができる。
【0006】
好ましい態様において、前記接合工程において、前記パッケージと前記蓋とが接合する面には、接合材料が塗布され、当該パッケージと当該蓋との間には、一端が外部に突出するように棒状部材が配置され、当該接合材料が溶融されることにより前記パッケージと前記蓋とが接合され、冷却後、当該棒状部材が引き抜かれることにより、当該接合材料により前記封止材が形成されてもよい。
この封止方法によれば、パッケージと蓋との間に容易に封止材を設けることができる。
【0007】
好ましい態様において、前記接合工程において、前記パッケージと前記蓋とが接合する面には、融点が第1の温度である接合材料が塗布され、前記パッケージと前記蓋との間には、融点が前記第1の温度よりも高い第2の温度である材料で形成され、貫通孔を有する封止材が配置され、前記接合材料は、前記第1の温度以上前記第2の温度未満の温度で加熱され、当該接合材料が溶融することにより、前記パッケージと前記蓋とが接合され、前記封止工程において、前記封止材は、前記第2の温度以上の温度で加熱されてもよい。
この封止方法によれば、パッケージと蓋との間に容易に封止材を設けることができる。
【0008】
好ましい態様において、前記接合工程において、前記パッケージ内には、アルカリ金属原子を収容する収容部が配置され、前記パッケージと前記蓋との間には、第1の貫通孔を有する第1の封止材と、第2の貫通孔を有する第2の封止材とが設けられ、前記流通工程において、前記パッケージの内部には、前記第1の貫通孔を介してコーティング剤が流入され、当該コーティング剤により当該パッケージの内面に膜が形成され、当該コーティング剤は、前記第2の貫通孔を介して外部に流出され、前記封止工程において、前記第1の封止材を溶融させ、前記第1の貫通孔を封止する第1の封止工程と、前記収容部にレーザ光を照射して、当該収容部を破壊する破壊工程と、前記封止工程において、前記収容部が破壊された後、決められた時間が経過してから、前記第1の封止材を溶融させ、前記第2の貫通孔を封止する第2の封止工程とを備えてもよい。
この封止方法によれば、コーティング剤により内面に膜が形成され、アルカリ金属原子を封入したパッケージを容易に製造することができる。
【0009】
好ましい態様において、前記接合工程において、前記パッケージは、複数並べられて一体に連結されており、前記パッケージと前記蓋との間には、隣接するパッケージを連通する第3の貫通孔を有する第3の封止材が設けられ、前記第2の封止工程において、前記第3の封止材は、前記第2の封止材から遠い順に加熱され、当該第3の封止材が溶融することにより、前記第3の貫通孔が順に封止され、前記第2の貫通孔は、当該第3の貫通孔が全て封止された後に封止されてもよい。
この封止方法によれば、コーティング剤により内面に膜が形成され、アルカリ金属原子を封入した複数のパッケージをまとめて製造することができる。
【0010】
また、本発明は、開口部を有するパッケージと、前記開口部を覆う蓋と、貫通孔を有し、前記パッケージと前記蓋との間に設けられ、加熱されると溶融して、当該貫通孔を封止する封止材とを備えることを特徴とする電子デバイスの筐体を提供する。
この電子デバイスの筐体によれば、パッケージの内部と外部との間で流体が流通し易くしつつ、パッケージを容易に封止することができる。
【0011】
また、本発明は、開口部を有するパッケージと、前記開口部を覆う蓋と、前記パッケージ内に配置され、アルカリ金属原子を収容し、レーザ光で破壊されると、当該アルカリ金属を放出する収容部と、第1の貫通孔を有し、前記パッケージと前記蓋との間に設けられ、加熱されると溶融して、当該第1の貫通孔を封止する第1の封止材と、第2の貫通孔を有し、前記パッケージと前記蓋との間に設けられ、加熱されると溶融して、当該第2の貫通孔を封止する第2の封止材とを備えることを特徴とするセルを提供する。
このセルによれば、パッケージの内部と外部との間で流体が流通し易くしつつ、パッケージを容易に封止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】磁気測定装置の構成を表すブロック図
【図2】第1実施形態に係るガスセルを示す斜視図
【図3】第1実施形態に係るガスセルの製造工程を示すフローチャート
【図4】第1実施形態に係るガスセルの製造工程を説明する図
【図5】第1実施形態に係るガスセルの製造工程を説明する図
【図6】第1実施形態に係るガスセルの製造工程を説明する図
【図7】第1実施形態に係るガスセルの製造工程を説明する図
【図8】第1実施形態に係るガスセルの製造工程を説明する図
【図9】第1実施形態に係るガスセルの製造工程を説明する図
【図10】第2実施形態に係るガスセルの製造工程を説明する図
【図11】第2実施形態に係るガスセルの製造工程を説明する図
【図12】第2実施形態に係るガスセルの製造工程を説明する図
【図13】第2実施形態に係るガスセルの製造工程を説明する図
【図14】第2実施形態に係るガスセルの製造工程を説明する図
【図15】第2実施形態に係るガスセルの製造工程を説明する図
【図16】変形例1に係るガスセルの製造工程を示すフローチャート
【図17】変形例1に係るガスセルの製造方法を説明する図
【図18】変形例1に係るガスセルの製造方法を説明する図
【図19】変形例1に係るガスセルの製造方法を説明する図
【図20】変形例1に係るガスセルの製造方法を説明する図
【図21】変形例2に係るガスセルアレイの断面図
【図22】変形例2に係るガスセルアレイの平面図
【図23】変形例3に係るパッケージの平面図
【図24】変形例3に係るガスセルの断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
1.第1実施形態
(1)構成
図1は、第1実施形態に係る磁気測定装置1の構成を表すブロック図である。磁気測定装置1は、心臓から発生する磁場(心磁)または脳から発生する磁場(脳磁)等、生体から発生する磁場を、生体の状態の指標として測定する磁気センサーである。磁気測定装置1は、ガスセルアレイ10と、ポンプ光照射ユニット20と、プローブ光照射ユニット30と、検出ユニット40とを有する。ガスセルアレイ10は、複数のガスセル11を有する。ガスセル11内には、アルカリ金属ガス(例えば、セシウム(Cs))が封入されている。ポンプ光照射ユニット20は、アルカリ金属原子と相互作用するポンプ光(例えば、セシウムのD1線に相当する波長894nmの光)を出力する。ポンプ光は円偏光成分を有する。ポンプ光が照射されると、アルカリ金属原子の最外殻電子が励起され、スピン偏極が生じる。スピン偏極したアルカリ金属原子は、被測定物が生じる磁場Bによって歳差運動をする。一つのアルカリ金属原子のスピン偏極は、時間の経過とともに緩和するが、ポンプ光がCW(Continuous Wave)光であるので、スピン偏極の形成と緩和は、同時平行的かつ連続的に繰り返される。その結果、原子の集団全体としてみれば、定常的なスピン偏極が形成される。
【0014】
プローブ光照射ユニット30は、直線偏光成分を有するプローブ光を出力する。ガスセル11の透過前後において、プローブ光の偏光面は、ファラデー効果により回転する。偏光面の回転角は、磁場Bの関数である。検出ユニット40は、プローブ光の回転角を検出する。検出ユニット40は、入射した光の光量に応じた信号を出力する光検出器と、信号を処理するプロセッサーと、データを記憶するメモリーとを有する。プロセッサーは、光検出器から出力された信号を用いて磁場Bの大きさを算出する。プロセッサーは、算出した結果を示すデータをメモリーに書き込む。こうして、ユーザーは、被測定物から発生する磁場Bの情報を得ることができる。
【0015】
図2は、ガスセル11を示す斜視図である。ガスセル11は、石英ガラスまたはホウケイ酸ガラス等、光透過性を有する材料を用いて形成されている。ガスセル11は、パッケージ12とリッド13とを有する。パッケージ12は、例えばガラス成型により製造される。なお、パッケージ12は、ガラス加工により形成されてもよい。パッケージ12は、アルカリ金属ガスが封入される主室14を有する。この主室14は、外部に向けて開口されている。つまり、パッケージ12は、開口部を有する。リッド13は、パッケージ12の上面を覆う蓋である。リッド13は、例えばガラスの平板である。
【0016】
パッケージ12には、主室14の隣に断面がV字型の凹部15が形成されている。この凹部15には、アルカリ金属が封入されたアンプル50が収容される。このアンプル50は、例えばガラス容器である。アンプル50は、アルカリ金属原子を収容する収容部として用いられる。パッケージ12の上面には、凹部15から主室14に向かって溝16が形成されている。この溝16も、例えばガラス成型で形成される。凹部15と主室14とは、この溝16を介して接続される。溝16の内径は、後述する洗浄液やコーティング剤を流通させることはできるが、主室14内でスピン偏極しているアルカリ金属原子が入り難いような大ききであるのが好ましい。図2に示す溝16では、主室14側の端部が、凹部15側の端部に比べて内径が小さくなっている。また、パッケージ12の上面には、主室14から外部へ向けて溝17が形成され、凹部15から外部へ向けて溝18が形成されている。さらに、パッケージ12の上面には、溝17と交わるように、断面がV字型の凹部19が形成されている。
【0017】
(2)製造方法
図3は、ガスセル11の製造工程を示すフローチャートである。図4〜9は、ガスセル11の製造工程を説明する図である。図4〜9では、図2に示すI−I線で切断したガスセル11の断面が示されている。ステップS110(結合工程)において、パッケージ12とリッド13とが接合する面に、ペースト状の低融点ガラス60を塗布する。具体的には、パッケージ12の上面とリッド13の下面の周辺部とに、ペースト状の低融点ガラス60を塗布する。この低融点ガラス60の塗布は、例えばスクリーン印刷やディスペンサを利用して行われる。低融点ガラス60を塗布した後、加熱により、低融点ガラス60に含まれる溶剤成分を蒸発させ、乾燥させる。次に、アンプル50をパッケージ12の凹部15に置く。アンプル50を置いた後、図4に示すように、棒状の金属ワイヤ61を溝17に入れる。このとき、金属ワイヤ61は、一端が外部に突出し、他端が凹部19内に突出するように配置される。また、棒状の金属ワイヤ62を溝18に入れる。このとき、金属ワイヤ62は、一端が外部に突出し、他端が凹部15内に突出するように配置される。なお、パッケージ12には、金属ワイヤ61,62の位置決めができるように、金属ワイヤ61,62が配置されるところに溝が形成されていてもよい。
【0018】
金属ワイヤ61,62を配置した後、パッケージ12の上にリッド13を重ねる。これにより、パッケージ12とリッド13との間に、低融点ガラス60を介して金属ワイヤ61,62が挟み込まれる。この金属ワイヤ61,62は、いずれも低融点ガラス60に接合し難い金属、例えばニッケル等の材料を用いて形成されている。次に、加圧しながら、低融点ガラス60が溶融するような温度、例えば400℃まで加熱する。この加熱には、例えばアニール炉が利用される。この加熱により、パッケージ12とリッド13との間の低融点ガラス60が溶融し、パッケージ12とリッド13とが接合される。
【0019】
また、溶融した低融点ガラス60は、溝17において金属ワイヤ61の円周面を覆う。ただし、溝17から溢れた低融点ガラス60は、凹部19内に落ちる。そうすると、金属ワイヤ61において、外部に突出している一端と、凹部19内に突出している他端とは、低融点ガラス60で覆われない。従って、金属ワイヤ61は、溝17内の低融点ガラス60を貫通する。同様に、溶融した低融点ガラス60は、溝18において金属ワイヤ62の円周面を覆う。ただし、溝18から溢れた低融点ガラス60は、凹部15内に落ちる。そうすると、金属ワイヤ62において、外部に突出している一端と、凹部15内に突出して他端とは、低融点ガラス60で覆われない。従って、金属ワイヤ62は、溝18内の低融点ガラス60を貫通する。冷却後、金属ワイヤ61,62を引き抜く。これにより、図5に示すように、パッケージ12とリッド13との間に、2つの貫通孔71,72が形成される。この場合、貫通孔71,72を形成する低融点ガラス60が、封止材として用いられる。
【0020】
ステップS120(コーティング工程)において、図5に示すように、洗浄液を貫通孔71から流入させ、貫通孔72からポンプで流出させる。このようにして、ガスセル11内の汚染物質を除去した後、コーティング剤を用いて、主室14の内面に膜70を形成する。このコーティング剤には、例えばパラフィンやシラン系炭化水素が使用される。また、コーティング剤には、ヘキサメチルジシランが使用されてもよい。膜70を形成する方法としては、液相成膜法と気相成膜法とがある。いずれの方法においても、図5に示すように、コーティング剤が貫通孔71から流入され、貫通孔72から流出される。ただし、液相成膜法を用いた場合には、コーティング剤が液体の状態でガスセル11内に流入される。一方、気相成膜法を用いた場合には、コーティング剤が気体の状態でガスセル11内に流入される。洗浄液やコーティング剤は、貫通孔71,72を介してガスセル11の内部と外部との間で流通する流体である。つまり、ステップS120(コーティング工程)は、ガスセル11の内部と外部との間で、貫通孔71,72を介して流体を流通させる流通工程に含まれる。
【0021】
ステップS130(第1の封止工程)において、図6に示すように、真空環境の下、貫通孔71を形成している低融点ガラス60にリッド13を介してレーザ光を照射し、加熱する。これにより、図7に示すように、低融点ガラス60が溶融し、貫通孔71が封止される。レーザ光の吸収を向上させるために、低融点ガラス60に光吸収材を添加してもよい。
【0022】
ステップS140(アンプル破壊工程)において、図7に示すように、真空環境の下、レーザ光の焦点をアンプル50に合わせ、リッド13を介してレーザ光をアンプル50に照射する。これにより、アンプル50に穴が開けられ、又はアンプル50が割断されて、アンプル50が破壊される。この「破壊」とは、アンプル50の形を崩して、アンプル50の内部と外部とを連通させることをいう。レーザ光の吸収を向上させるために、アンプルに光吸収材の膜を形成してもよい。また、超短パルスレーザを用いてアンプル50を破壊してもよい。アンプル50の破壊にあたり、気化成分が発生することがある。この気化成分は、貫通孔72から外部へ排気される。気化成分が貫通孔72から排気されるのに十分な時間が確保されるように、次のステップS150(第2の封止工程)は、アンプル50が破壊された後、決められた時間が経過してから行われる。
【0023】
ステップS150(第2の封止工程)において、図8に示すように、真空環境の下、貫通孔72を形成している低融点ガラス60にリッド13を介してレーザ光を照射し、加熱する。これにより、図9に示すように、低融点ガラス60が溶融し、貫通孔72が封止される。
【0024】
ステップS160(充填工程)において、ガスセル11内にアルカリ金属ガスを充填させる。具体的には、ガスセル11を加熱することにより、アンプル50内のアルカリ金属を気化させる。これにより、アンプル50からアルカリ金属ガスが放出される。図9に示すように、アンプル50から放出されたアルカリ金属ガスは、溝16を介して主室14に移動する。これにより、アルカリ金属ガスが拡散され、主室14内にアルカリ金属ガスが充填される。
【0025】
第1実施形態では、ガスセル11に貫通孔71,72が形成されるため、ガスセル11の内部と外部との間で洗浄液やコーティング剤を容易に流入、流出させることができる。また、この貫通孔71,72は、通常のガラスより溶融点の低い低融点ガラス60で形成されている。そのため、貫通孔71,72が通常のガラスで形成されている場合に比べて、低温で加熱しても貫通孔71,72を封止することができる。すなわち、第1実施形態によれば、ガスセル11の内部と外部との間で洗浄液やコーティング剤が流通し易くしつつ、ガスセル11を容易に封止することができる。
【0026】
2.第2実施形態
上述した第1実施形態では、金属ワイヤ61,62を用いて、低融点ガラス60により貫通孔71,72を有する封止材を形成していた。第2実施形態は、これらの封止材に代えて、予め貫通孔73,74を有する筒状の形状に成形された封止材81,82を用いる点で、第1実施形態と異なる。それ以外の点については、概ね第1実施形態と同様である。従って、第2実施形態では、ガスセル11の製造方法を中心に説明する。また、第2実施形態に係るガスセル11の構成は、第1実施形態で説明した構成と概ね同じである。ただし、パッケージ12には、凹部19は設けられていない。その他の第1実施形態と同様の構成部分については、先に説明した図2及び図4〜9と同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0027】
図10〜15は、第2実施形態に係るガスセル11の製造工程を説明する図である。上述したステップS110(結合工程)において、図10に示すように、パッケージ12の溝17には、金属ワイヤ61に代えて、筒状の封止材81が配置される。パッケージ12の溝18には、金属ワイヤ62に代えて、筒状の封止材82が配置される。この封止材81,82は、リッド13とパッケージ12に塗布された低融点ガラス60よりも融点が高い低融点ガラスや半田などの材料を用いて形成されている。ここでは、低融点ガラス60の融点が温度T1(第1の温度)であり、封止材81,82を形成する材料の融点が温度T2(第2の温度)である場合を想定する。この場合、パッケージ12とリッド13とを接合するときには、温度T1以上温度T2未満の温度で加熱され、リッド13とパッケージ12に塗布された低融点ガラス60だけが溶融される。このときの加熱温度は、封止材81,82の融点よりも低いため、封止材81,82は、溶融せずに筒状の形状を保つ。
【0028】
上述したステップS120(コーティング工程)において、図11に示すように、この筒状の封止材81,82の貫通孔73,74を介して洗浄液やコーティング剤を流入、流出させる。上述したステップS130(第1の封止工程)において、図12に示すように、レーザ光を照射して、低融点ガラス60とともに封止材81を温度T2以上の温度で加熱する。これにより、低融点ガラス60とともに封止材81が溶融して、貫通孔73が封止される。上述したステップS150(第2の封止工程)において、図14に示すように、レーザ光を照射して、低融点ガラス60とともに封止材82を温度T2以上の温度で加熱する。これにより、低融点ガラス60とともに封止材82が溶融して、貫通孔74が封止される。その他の工程は、上述した第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0029】
第2実施形態に係る方法であっても、上述した第1実施形態と同様に、ガスセル11の内部と外部との間で洗浄液やコーティング剤が流通し易くしつつ、ガスセル11を容易に封止することができる。
【0030】
3.変形例
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下の変形例のうち2つ以上のものが組み合わせて用いられてもよい。
【0031】
(1)変形例1
ガスセル11を製造するときに、複数のガスセル11をまとめて製造してもよい。
図16は、変形例1に係るガスセル11の製造方法を示すフローチャートである。図17〜20は、変形例1に係るガスセル11の製造方法を説明する図である。図17〜20では複数のガスセル11のI−I断面が示されている。図17〜20に示す例では、第2実施形態に係るガスセル11と同じ構成の4つのガスセル11A,11B,11C,11Dがまとめて製造される。以下の説明では、ガスセル11Aに関する構成については、符号に「A」という文字を付加する。同様に、ガスセル11B,11C,11Dに関する構成については、符号に「B」,「C」,「D」という文字を付加する。
【0032】
パッケージ12A〜12Dは、矢印x方向に並べられて一体に連結されている。同様に、リッド13A〜13Dは、矢印x方向に並べられて一体に連結されている。隣接するガスセル11Aとガスセル11Bとの間では、溝18Aと溝17Bとが連結されている。隣接するガスセル11Bとガスセル11Cとの間では、溝18Bと溝17Cとが連結されている。隣接するガスセル11Cとガスセル11Dとの間では、溝18Cと溝17Dとが連結されている。
【0033】
ステップS210(接合工程)において、図17に示すように、溝17Aには、筒状の封止材83Aが配置される。溝18A及び溝17Bには、筒状の封止材83Bが配置される。溝18B及び溝17Cには、筒状の封止材83Cが配置される。溝18C及び溝17Dには、筒状の封止材83Dが配置される。溝18Dには、筒状の封止材83Eが配置される。この封止材83A〜83Eは、上述した封止材81,82と同様に、予め貫通孔75A〜75Eを有する筒状の形状に成形されている。従って、封止材83Bが配置されることにより、隣接するガスセル11Aとガスセル11Bとが貫通孔75Bを介して連通する。同様に、封止材83C,83Dが配置されることにより、隣接するガスセル11B,11B,11Cが貫通孔75C,75Dを介して連通する。この貫通孔75B,75C,75Dは、隣接するガスセルを連通する第3の貫通孔として用いられる。封止材83Aの貫通孔75Aは、洗浄液やコーティング剤が流入される第1の貫通孔として用いられる。封止材83Eの貫通孔75Eは、洗浄液やコーティング剤が流出される第2の貫通孔として用いられるとともに、アンプル50の破壊において発生する気化成分を外部へ排気する役割を果たす。その他の処理は、第2実施形態に係るステップS110(接合処理)と同様である。
【0034】
ステップS220(コーティング工程)において、図17に示すように、筒状の封止材83A〜83Eを介して洗浄液やコーティング剤を流入、流出させる。その他の処理は、第1実施形態に係るS120(コーティング工程)と同様である。ステップS230(アンプル破壊工程)において、図18に示すように、アンプル50A,50B,50C,50Dという順番でレーザ光を照射して加熱する。この順番は、封止材83Eから遠い順である。これにより、アンプル50A,50B,50C,50Dが順番に破壊される。アンプル50A,50B,50C,50Dの破壊において発生した気化成分は、貫通孔75B、75C又は75Dを介して図中の矢印x方向へと移動し、貫通孔75Eから外部に排気される。その他の処理は、第1実施形態に係るS140(アンプル破壊工程)と同様である。
【0035】
ステップS240(封止工程)において、図19に示すように、レーザ光を照射して、封止材83Aを温度T2以上の温度で加熱する。これにより、封止材83Aが溶融し、貫通孔75Aが封止される。次に、封止材83B,83C,83Dという順番でレーザを照射して、温度T2以上の温度で加熱する。この順番は、封入材83Eから遠い順である。このとき、各々の封止材83B〜83Dについて、一端だけではなく両端を加熱する。これにより、封止材83B,83C,83Dが溶融し、貫通孔75B,75C,75Dが順番に封止される。このように貫通孔75B,75C,75Dを順番に封止することにより、上述した気化成分の移動を妨げずに、外部に排気することができる。貫通孔75B,75C,75Dを全て封止した後、封入材83Eにレーザを照射して、温度T2以上の温度で加熱する。これにより、封入材83Eが溶融し、貫通孔75Eが封止される。その他の処理は、第2実施形態に係るステップS130(第1の封止工程)又はステップS150(第2の封止工程)と同様である。なお、図19では、アンプル50A〜50Dを全て破壊した後、封止材83A〜83Eを順番に溶融させていたが、各ガスセルにおいて、アンプルを破壊し、封止材を溶融させるという動作を、ガスセル11A,11B,11C,11Dという順番で繰り返してもよい。
【0036】
ステップS250(充填工程)は、第1実施形態に係るステップS160(充填工程)と同様である。ステップS260(ダイシング工程)において、図20に示すように、隣接するガスセルの間を切断して、個別のガスセル11A,11B,11C,11Dに切り分ける。これにより、4つのガスセル11A,11B,11C,11Dがまとめて製造される。なお、図17〜20に示す例では、4つのガスセルを矢印x方向に並べてまとめて製造していたが、より多くのガスセルを矢印x方向に並べてまとめて製造してもよい。また、複数のガスセル11を2次元方向に並べてまとめて製造してもよい。また、図17〜20に示す例では、各ガスセルにアンプルが一つずつ設けられているが、アルカリ金属ガスを拡散させて各ガスセル内に充填させることができれば、アンプルの数を減らしてもよい。
【0037】
(2)変形例2
ガスセルアレイ10は、単に複数のガスセル11を並べたものに限らない。
図21は、変形例2に係るガスセルアレイEのI−I断面図である。このガスセルアレイ10Eは、ガスセル11に複数の主室14を設けたものと同様の構成を有している。ガスセルアレイ10Eは、パッケージ12Eとリッド13Eとを有している。パッケージ12Eは、4つの主室14A〜14Dを有している。このパッケージ12Eの上面には、上述した凹部15,19,溝16〜18に加えて、溝91〜93が形成されている。溝91は、主室14Aと主室14Bとを接続する。溝92は、主室14Bと主室14Cとを接続する。溝93は、主室14Cと主室14Dとを接続する。凹部15は、主室14Dの隣に形成される。溝17は、主室14Aから外部に向けて形成される。このガスセルアレイ10Eでは、アンプル50から放出されたアルカリ金属ガスは、溝16を介して主室14Dへと移動する。続いて、アルカリ金属ガスは、溝93,92,91を介して、主室14C,14B,14Aへと順に移動する。これにより、主室14A〜14Dにアルカリ金属ガスが充填される。
【0038】
また、ガスセルアレイ10において、複数のガスセル及びダミーセルを含むセル群が、xy平面上に2次元配置(マトリクス状に配置)されてもよい。
図22は、変形例2に係るガスセルアレイ10Fの断面図である。この断面は、図に示すxy平面に平行である。ガスセルアレイ10Fは、ガスセル110と、ガスセル120と、ガスセル140と、ガスセル150と、ダミーセル130とを有している。ガスセル110とダミーセル130との間には、貫通孔111が設けられている。ガスセル120とダミーセル130との間には、貫通孔121が設けられている。ガスセル140とダミーセル130との間には、貫通孔141が設けられている。ガスセル150とダミーセル130との間には、貫通孔151が設けられている。ダミーセル130にはアンプル50が収納される。アンプル50から放出されたアルカリ金属ガスは、ダミーセル130から、貫通孔111、貫通孔121、貫通孔141、および貫通孔151を介して、ガスセル110、ガスセル120、ガスセル140、およびガスセル150に拡散される。
【0039】
なお、図22は断面図であるため示されていないが、ダミーセル130の上面には、図2に示すガスセル11と同様に、ダミーセル130から外部へと向かう溝17及び溝18が形成されている。この溝17と溝18とは、例えば対向する位置に設けられる。なお、このガスセルアレイ10Fでは、アンプル50がダミーセル130に配置されるため、凹部15を設ける必要はない。ガスセルアレイ10Fを封止する方法については、上述したガスセル11を封止する方法と同様である。
【0040】
(3)変形例3
溝17,溝18の位置は、図2に示す位置に限定されない。
図23は、変形例3に係るパッケージ12Fの平面図である。図23に示す主室14の形状は、直方体である。この場合、主室14の角においては、アルカリ金属原子のスピン偏極が緩和しやすい。従って、溝17と溝18とは、パッケージ12Fの上面において、主室14の対角に設けられてもよい。なお、図23に示す溝17,18は、ガスセル11の側面と平行に延びるように形成されているが、主室14の角からガスセル11の角に向けて延びるように形成されていてもよい。
【0041】
図24は、変形例3に係るガスセル11Gを示すI−I断面図である。このガスセル11Gは、パッケージ12Gを有する。このパッケージ12Gには、溝18に代えて、主室14の下部と外部とを連通する貫通孔76が設けられている。この場合、この貫通孔76が、洗浄液やコーティング剤を流出させる第2の貫通孔として用いられる。なお、図24に示す貫通孔76は、主室14の底面と平行に延びるように形成されているが、洗浄液やコーティング剤が流出しやすいように、主室14の底面から下方向に延びるように形成されていてもよい。また、図24に示すガスセル11Gでは、溝18に代えて貫通孔76が設けられていたが、アンプル50から放出された気化成分を外部へ排気するために、溝18と貫通孔76とが両方とも設けられていてもよい。
【0042】
(4)変形例4
ガスセル11には、必ずしも2つの貫通孔を設ける必要はない。例えば、洗浄液やコーティング剤の流入と流出とを1つの貫通孔を用いて行う場合には、ガスセル11に1つの貫通孔だけが設けられてもよい。ただし、アンプル50から放出された気化成分を外部へ排気することを考えると、アンプル50側の貫通孔を設けるのが好ましい。また、パッケージ12とリッド13とを接合する前に、予めコーティング剤により主室14の内面に膜70を形成する場合には、貫通孔を使用せずに、パッケージ12の開口部から洗浄液やコーティング剤は流入、流出させることができる。ただし、パッケージ12とリッド13とを接合した後に、アンプル50から放出された気化成分を外部へ排気する必要がある。従って、この場合には、アンプル50側の貫通孔だけを設けてもよい。ガスセル11に1つの貫通孔だけが設けられる場合には、その貫通孔を封止するときに、アニール炉を利用してガスセル11全体を加熱してもよい。
【0043】
(5)変形例5
ガスセル11の形状は図2に示す形状に限定されない。図2に示すガスセル11は、直方体の形状をしている。しかし、ガスセル11の形状は、直方体以外の多面体、球体、または、円柱等、一部に曲面を有するものであってもよい。
【0044】
(6)変形例6
パッケージ12とリッド13とを接合する接合材料は、低融点ガラスに限定されない。例えば、半田であってもよい。また、パッケージ12とリッド13とをオプティカルコンタクトにより接合してもよい。この場合、溝17,18だけに接合材料が塗布される。また、接合材料は、パッケージ12とリッド13との両方に塗布されてもよいし、パッケージ12の上面だけに塗布されてもよい。
【0045】
(7)変形例7
封止材の形状は、貫通孔を有する筒状の形状に限定されない。例えば、封止材の形状は、立方体や直方体などの多面体、球体、円柱などの、貫通孔を有する筒状以外の立体形状であってもよい。この場合、第1実施形態では、封止材の形状に合わせた溝17,18が形成される。第2実施形態では、このような形状を有する封止材81,82が用いられる。また、封止材の材料は、低融点ガラスや半田に限定されない。例えば、樹脂であってもよい。
【0046】
(8)変形例8
パッケージ12とリッド13との間に配置される棒状部材は、ニッケルを用いて形成された金属ワイヤ61,62に限定されない。この棒状部材は、ニッケル以外の材料を用いて形成された棒状の部材に、ニッケルめっきを施したものであってもよい。また、この棒状部材は、パッケージ12とリッド13との接合に用いられる接合材料と接合し難い材料を用いて形成されるのが好ましい。棒状部材を引き抜き難い場合には、超音波振動を印加して、棒状部材と接合材料との接合界面を剥離させてもよい。
【0047】
(9)変形例9
アルカリ金属原子は、固体、液体、または気体のうち、どの状態でガスセル11に導入されてもよい。アルカリ金属は、少なくとも測定時にガス化していればよく、常にガス状態である必要はない。
【0048】
(10)変形例10
ガスセル11の用途は、磁気センサーに限定されない。例えば、ガスセル11は、原子発振器に用いられてもよい。
【0049】
(11)変形例11
本発明に係るパッケージの封止方法を用いて封止されるパッケージは、ガスセル11に限定されない。例えば、水晶やMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を用いたジャイロセンサー、加速度センサー、圧力センサー、傾斜センサー、水晶発振器などの電子デバイスの筐体には、気密封止パッケージが使われている。本発明に係るパッケージの封止方法は、この気密封止パッケージを封止するのに用いられてもよい。具体的には、上述した第1実施形態、第2実施形態又は変形例と同じ方法で、気密封止パッケージとリッドとの間に貫通孔を有する封止材を設け、気密封止パッケージとリッドとを接合し、気密封止パッケージの内部と外部との間で、この貫通孔を介して流体を流通させ、封止材を溶融させ、貫通孔を封止する。これにより、開口部を有するパッケージと、この開口部を覆う蓋と、貫通孔を有し、パッケージと蓋との間に設けられ、加熱されると溶融して、この貫通孔を封止する封止材とを備える電子デバイスの筐体が提供される。
【符号の説明】
【0050】
1…磁気測定装置、10…ガスセルアレイ、11…ガスセル、12…パッケージ、13…リッド、50…アンプル、61,62…金属ワイヤ、71,72…貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有するパッケージと当該開口部を覆う蓋との間に、貫通孔を有する封止材を設け、当該パッケージと当該蓋とを接合する接合工程と、
前記パッケージの内部と外部との間で、前記貫通孔を介して流体を流通させる流通工程と、
前記封止材を溶融させて前記貫通孔を封止する封止工程と
を備えることを特徴とするパッケージの封止方法。
【請求項2】
前記接合工程において、前記パッケージと前記蓋とが接合する面には、接合材料が塗布され、当該パッケージと当該蓋との間には、一端が外部に突出するように棒状部材が配置され、当該接合材料が溶融されることにより前記パッケージと前記蓋とが接合され、冷却後、当該棒状部材が引き抜かれることにより、当該接合材料により前記封止材が形成される
ことを特徴とする請求項1に記載のパッケージの封止方法。
【請求項3】
前記接合工程において、前記パッケージと前記蓋とが接合する面には、融点が第1の温度である接合材料が塗布され、前記パッケージと前記蓋との間には、融点が前記第1の温度よりも高い第2の温度である材料で形成され、貫通孔を有する封止材が配置され、前記接合材料は、前記第1の温度以上前記第2の温度未満の温度で加熱され、当該接合材料が溶融することにより、前記パッケージと前記蓋とが接合され、
前記封止工程において、前記封止材は、前記第2の温度以上の温度で加熱される
ことを特徴とする請求項1に記載のパッケージの封止方法。
【請求項4】
前記接合工程において、前記パッケージ内には、アルカリ金属原子を収容する収容部が配置され、前記パッケージと前記蓋との間には、第1の貫通孔を有する第1の封止材と、第2の貫通孔を有する第2の封止材とが設けられ、
前記流通工程において、前記パッケージの内部には、前記第1の貫通孔を介してコーティング剤が流入され、当該コーティング剤により当該パッケージの内面に膜が形成され、当該コーティング剤は、前記第2の貫通孔を介して外部に流出され、
前記封止工程において、前記第1の封止材を溶融させ、前記第1の貫通孔を封止する第1の封止工程と、
前記収容部にレーザ光を照射して、当該収容部を破壊する破壊工程と、
前記封止工程において、前記収容部が破壊された後、決められた時間が経過してから、前記第1の封止材を溶融させ、前記第2の貫通孔を封止する第2の封止工程とを備える
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかにパッケージの封止方法。
【請求項5】
前記接合工程において、前記パッケージは、複数並べられて一体に連結されており、前記パッケージと前記蓋との間には、隣接するパッケージを連通する第3の貫通孔を有する第3の封止材が設けられ、
前記第2の封止工程において、前記第3の封止材は、前記第2の封止材から遠い順に加熱され、当該第3の封止材が溶融することにより、前記第3の貫通孔が順に封止され、前記第2の貫通孔は、当該第3の貫通孔が全て封止された後に封止される
ことを特徴とする請求項4に記載のパッケージの封止方法。
【請求項6】
開口部を有するパッケージと、
前記開口部を覆う蓋と、
貫通孔を有し、前記パッケージと前記蓋との間に設けられ、加熱されると溶融して、当該貫通孔を封止する封止材と
を備えることを特徴とする電子デバイスの筐体。
【請求項7】
開口部を有するパッケージと、
前記開口部を覆う蓋と、
前記パッケージ内に配置され、アルカリ金属原子を収容し、レーザ光で破壊されると、当該アルカリ金属を放出する収容部と、
第1の貫通孔を有し、前記パッケージと前記蓋との間に設けられ、加熱されると溶融して、当該第1の貫通孔を封止する第1の封止材と、
第2の貫通孔を有し、前記パッケージと前記蓋との間に設けられ、加熱されると溶融して、当該第2の貫通孔を封止する第2の封止材と
を備えることを特徴とするセル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−41970(P2013−41970A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177645(P2011−177645)
【出願日】平成23年8月15日(2011.8.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)