説明

パッケージング及び分配装置とその製造方法

【課題】 パッケージング及び分配装置を構造的にかなりシンプルで、実用的且つ有利なものにすること。
【解決手段】 本発明は、物質(P)をパッケージングし且つ、分配する装置に関連するもので、物質を収容するハウジング(9)と、スクリーンを備え、スクリーンを介して物質を得る。パッケージング装置は、第一要素(5;5´)と第二要素(6;6´)を備え、前記物質で充填する前の装置の第一状態で、一方の要素を他方の要素に関して予定された位置に予め配置させることができ、装置の次の状態で、ハウジングの容量を減少させるため摺動させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばパウダー状または半固体状で作られた物質、特に化粧品をパッケージング、分配する装置に関連する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、更に物質を収容するハウジングと、スクリーンを備え、そのスクリーンを介して物質が得られる装置に特に関連する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それには、構造的にかなりシンプルで、実用的な装置による利点を得る必要がある。
【0004】
また簡単に物質で充填することができる装置から利点を得る必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による新しい装置は、第一要素と第二要素を備え、それらの要素は、前記物質で充填される前の装置の第一状態で、一方の要素を他方の要素に関する予定の位置に予め配置することができ、装置の次の状態で、ハウジングの容量の減少させるように摺動できる。
【0006】
従って本発明によって、ハウジングが予定量を与えることができ、その際他方に関連して一方の要素を正確に配置するため、装置の外部に手段を備える必要もなく、ハウジングが充填される。装置を物質で充填する動作は、従って簡略化される。
【0007】
特別な実施形態において、装置が少なくとも二つの突出した共働部分を、一方の要素を他方の要素に関して予め配置させることができるように具備する。
【0008】
また特別な実施形態では、二つの要素が前記予定の位置にスナップ固定して、共働するように配置される。
【0009】
第一要素がハウジングの端壁を具備し得、別の要素がハウジングの側壁を具備する。
【0010】
特別な実施形態において、スクリーンが第二要素、すなわち側壁を有した要素によって指示される。有利には、一方の要素によって支持されたシール手段が、別の要素を押して、二つの要素の間にある摺動クリアランスを介する、物質または物質の構成成分の漏れを防止する。摺動手段は一方の要素、特に第一要素の壁、または要素の一方の壁に形成された溝に受容されるOリングに、組み込むように作られたシールリップを備え得る。
【0011】
第一要素は、内部スカートと外部スカートを有し得、それらの間に溝を画定し、そこに第二要素が嵌め込まれて自由に摺動する。
【0012】
有利には外部スカートが、外ネジを有し、装置は前記外部スカートにねじ込むのに適切な蓋を具備する。
【0013】
第一及び第二要素が、上記の予定位置にある時、そして蓋がそこにねじ込まれる間、蓋が一方の要素を他方の要素に関して移動して、物質含有ハウジングの容量を変えるように配置され得る。特に、第二要素が第一要素に関して前記予定の位置にある時、蓋はスクリーンの外周に対して当接する適切な肩部を具備し得る。
【0014】
装置は、蓋の下、すなわちスクリーンの上に収納されたパウダーパフを具備し得る。
【0015】
スクリーンは、スクリーン上にオーバー成形された支持部によって保持され得る。
【0016】
また本発明は、物質を収容するハウジングと、物質を通過させ得るスクリーンとを有し、互いに摺動することができる二つの要素を備えた、パッケージング及び分配装置を製造する方法も提供し、二つの要素の関連動作は、前記ハウジングの容量を変化させる際に行われ、その方法は、
二つの要素を予定の位置にもっていくステップと、
前記ハウジングを物質で充填するステップと、
を含む。
【0017】
本発明による特別な実施形態において、本方法は更に、装置が物質で充填された後、スクリーンを適所に配置すること行うステップを含む。
【0018】
また本発明の特別な実施形態では、一方の要素が、蓋を一方の要素に取り付けることによって、他方の要素に関して移動され、他方の要素は、蓋がその要素に当接することができ、適所に置いている間、他方の要素を動かすように、配置される。蓋はねじ込むことによって適所に配置され得る。二つの要素は、二つの要素上に突出した部分を共動させることによって、前記予定の位置に持っていかれ得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明による別の特徴及び利点は、それに限定されない実施形態に関する以下の詳細な記載を読み、添付図面を考察することによって明らかになるであろう。
【実施例】
【0020】
図1に示されているパッケージング及び分配装置1は、ベース2、パウダーパフ3、蓋4を備えている。
【0021】
ベース2は、第一要素5と、一定の状態で、第一要素5に関し軸線Xに沿って摺働できる、第二要素6を有している。
【0022】
記載の実施例において、第一要素5は、本体7と端壁8を構成する組立体によって形成されている。第一要素5は、物質P例えば、ファウンデーションメイクアップのような、半固体状の化粧品の供給部を構成するハウジング9を画定するため、第二要素6と共働する。本体7は、ハウジング9の端壁を画定する壁10を有し、第二要素6は、ハウジング9の側部を画定する壁12を具備した、環状部分11を有している。壁10は、その頂部分に形成され、且つ本例では、壁12に対し漏れ防止方法により当接するシールガスケット17を嵌め込む、環状溝15を有した、内部スカート14に接続されている。
【0023】
また本発明は、ネジ20を備えた外部スカート19を有している。
【0024】
内部スカート14及び外部スカート19は、壁21によって互いに結合されており、それらの間に環状溝22を画定しており、そこを第二要素6が摺動できる。
【0025】
蓋14がベース2に配置された時、ネジ20は、蓋14の表面に対し、漏れ防止方法で押す環状シールリップに配置されている。
【0026】
本体7は、図1に示されているように、分離した端壁8用のハウジングを画定する周辺リム25を備えている。端壁8が、その中心をオリフィス39によって貫通されている。
【0027】
上記の例において、第二要素6が、部分11だけでなく、その外周でリング27によって支持されているスクリーン26を備えている。リングは、部分11の壁12の頂端縁部上と、部分11上に固定された支持部28の内向きのフランジ29上で止まっている。リング27は、それを支持部28上に配置させることができるリブ30を有している。部分11は、壁12と同軸で、嵌め合わせるための支持部28を具備した組立部分32を有している。また部分11は、その外周に外部スカート19の内面と共働するための環状リップ34も有し、上記のようにハウジング9が物質Pで充填される間、第二要素6を第一要素5に関して、予定の位置に保持するようになっている。別の実施形態において、環状リップ34が、連続していないか、またはタブに取り替えられる。リップ34は、その放射状外側部に、図6において拡大寸法で示されているように、突出した一つ以上の部分38に対して当接することができるビード37を備えている。突出した特定のまたは各部分38は、環状リブ部分の形で、外部スカート19の放射状内面に作られ得、リップ34を弾性的に変形させることによって、突出した部分を通過してビード37を動かすことができる。変形例では、リブ部分38が溝38´と交換することができ、その中にビード37が図7に示したように、スナップ固定することができる。ビード37は、図8に示したように、溝37´と取り替えられ得る。
【0028】
パウダーパフ3は、種々の方法で作ることができ、例えば一個の発泡体によって構成され、任意にその表面をフロック加工することができる。
【0029】
蓋4は、スカート41を有し、その底部分が内ネジ42を有し、その頂部分は、蓋がねじ込まれている間、第二要素6に対して当接する肩部42を画定するため段状をしている。肩部43の上には、蓋4がパウダーパフ3を受容するハウジング44がある。
【0030】
装置1は、以下のように組立てられ且つ充填される。
【0031】
第一に、端壁8を本体7に固定し、Oリング17が対応する溝15に配置され、その後に、ビード37がリブ部分38に対して当接するまで、第二要素6が第一要素に差し込まれ、それによって、第二要素6を第一要素5に関して、ハウジング9の予定量を画定するため予定の位置に、保持することができる。ハウジング9は、物質の頂面Sのレベルが壁12の頂縁部18の下に残るように、選択された物質Pの量を充填される。その後、スクリーンに支持され且つ支持部28にねじ込まれたリング27が、図3に示されたように、部分11に配置される。そしてパウダーパフ3がスクリーン26に配置され、そして図4に示されたように、蓋4が外部スカート19にねじ込まれる。蓋がねじ込まれている間、肩部43がリング27に対して当接し、連続してネジ締めすると、第二要素6を第一要素5に関して下方へ動かし、それによってビード37をリブ部分38を通過させる。蓋が充分にねじ込まれると、蓋4のスカートの底縁部が、リム25に対して当接する。蓋4がねじ込まれる間、第二要素6を下方へ動かすストロークは、スクリーンが部分11上に固定された後、実質的に物質Pの表面Sとスクリーン26との間の距離dに対応し、そのストロークは前記距離よりも、幾分か小さくなる。リップ23が蓋のスカート41の内面に対し、耐漏方法で当接する。
【0032】
連続して多くの物質を使用する場合、物質Pが、壁10とスクリーン26との間に介在することによって、第二要素6が下方へ動かないようにして、第二要素6が第一要素5に関して下方へ動くことができる。リブ部分38は、例えば装置が偶発的に逆さまになった場合、本体7に第二要素6を保持するために作用する。
【0033】
図5は、全ての物質が使用された後の装置1を示している。スクリーン26は壁10に対して止まっていることは明らかであろう。したがって本発明は、実用的にパッケージングされた物質を全て使用することが可能にする。
【0034】
別のシール手段を、Oリング17の代わりに二つの要素の間に備えることができる。一例として、図9に示されているベース2´は第一要素5´と、上記のものとは異なってOリング17及び対応する溝15がなく、それらを環状リップ17´に代えた第二要素6´とを有している。第一要素5´では、端壁10が前例の壁10よりも直径の小さな端壁10´に代えられており、それは端壁10´がリップ17´によって囲まれているからである。リップ17´は環状溝によって端壁10´から分離されており、第一要素5´の内部スカートの頂部分に接続されている。ベース2´はベース2とも異なって、スクリーン26がスクリーン上でオーバー成形することによって、組立てられると、第二要素6´の一部分11及びリング27が、単一部分11´を構成する。したがって、スクリーン26及び部分11´が、単一構成要素を形成し、それが第二要素6´の残りの部分に配置される。組立スカート32は、図9の実施例には存在しない。
【0035】
当然ながら、本発明は上記の実施例に限定されるものではない。特に、ハウジングが物質Pで充填される間、第二要素を第一要素に関して予定された位置に保持することができる、その手段は、多くのほかの方法で実行することができる。二つの要素において突出した共働部分に関して、互いに組み込んで形成されることが利点であるが、例えば一滴の接着剤を付けることによって、一方の要素上に突出した部分を作ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明による実施例を構成する装置の概略的な軸線方向断面図。
【図2】予定の位置にある図1の装置であり、物質で充填し得た状態を示した図。
【図3】スクリーンが適所に配置した状態の図。
【図4】蓋をねじ込んだ後の装置を示した図。
【図5】一度物質を使い終えた装置を示した図4に類似の図。
【図6】図1の詳細図。
【図7】突出した共働部分の別の実施例。
【図8】突出した共働部分のまた別の実施例。
【図9】別の実施例を構成するベース。
【符号の説明】
【0037】
1 パーッケージ及び分配装置
2 ベース
2´ ベース
3 パウダーパフ
4 蓋
5 第一要素
5´ 第一要素
6 第二要素
6´ 第二要素
7 本体
8 端壁
9 ハウジング
10 壁
10´端壁
11 環状部分
11´単一部分
12 壁
14 内部スカート
15 環状溝
17 シールガスケット/Oリング
17´環状リップ
18 頂縁部
19 外部スカート
20 ネジ
22 環状溝
25 リム
26 スクリーン
27 リング
28 支持部
30 リブ
34 環状リップ
37 ビード
37´溝
38 部分
38´溝
39 オリフィス
41 スカート
42 内ネジ
43 肩部
44 ハウジング


【特許請求の範囲】
【請求項1】
物質(P)をパッケージングし且つ、分配するため、物質を収容するハウジング(9)と、スクリーンを備え、スクリーンを介して物質を得る装置において、
第一要素(5;5´)と第二要素(6;6´)を備え、前記物質で充填する前の装置の第一状態で、一方の要素を他方の要素に関して予定された位置に予め配置させることができ、装置の次の状態で、ハウジングの容量を減少させるため摺動させることができることを特徴とする装置。
【請求項2】
一方の要素を他方の要素に関して予め配置できるように、少なくとも二つの突出した共動部分(37、38;37、38´;37´、38)を具備することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
二つの要素(5、6;5´、6´)が、前記予定の位置にスナップ固定することによって、共働するように配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
第一要素(5;5´)が、ハウジングの端壁(10)を具備し、第二要素(6;6´)が、ハウジングの側壁(12)を具備することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
スクリーン(26)が、第二要素(6;6´)によって支持されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
一方の要素(5;5´)によって支持されるシール手段(17;17´)が、他方の要素(6;6´)に対して当接することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
シール手段が、第一要素(5;5´)の壁に組み込むように形成されたシールリップ(17´)を備えることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
シール手段が、一方の要素の壁(14)に形成された溝(15)に収容されることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項9】
第一要素が、内部スカート(14)及び外部スカート(19)を有し、それらの間に第二要素(6;6´)が嵌め込まれて、自由に摺動する溝(22)を画定することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
外部スカートが外部にネジが付いていること、装置が前記外部スカートにねじ込むのに適した蓋(4)を具備することを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第一要素及び第二要素が、前記予定の位置にある時に配置される蓋(4)を具備し、一方の要素(5;5´)を他方の要素(6;6´)に関して動かして、物質を収容するハウジング(9)の容量を変化させるため、蓋がねじ込まれることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
第二要素が、第一要素に関して前記予定の位置にある時、蓋(4)が、スクリーン(26)の外周に対して当接するのに適切な肩部(43)を有することを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
蓋の下で、且つスクリーンの上に収納されたパウダーパフ(3)を具備することを特徴とする請求項11または12に記載の装置。
【請求項14】
スクリーン(16)が、スクリーン上にオーバー成形される支持部(11´)によって保持されることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
物質(P)をパッケージングし且つ、分配するため、物質を収容するハウジング(9)と、スクリーンを備え、スクリーンを介して物質を得るため、互いに摺動できる二つの要素(5、6;5´、6´)を備え、その関連した動作によって、前記ハウジングの容量を変えられる、装置を製造する方法において、
二つの要素を予定の位置に持っていくステップと、
前記ハウジングを物質(P)で充填するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
更にハウジングを物質で充填した後、スクリーン(26)を配置するステップを含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
一方の要素は、蓋(4)を一方の要素に取り付けることによって、他方の要素に関して動かされ、他方の要素は、蓋が他方の要素に対して当接することができ、蓋を適所に配置した第一の場合で変位する際に、他方の要素を動かすことができるように配置される、ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
蓋を、ねじ込むことによって適所に配置することを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
二つの要素が、前記二つの要素の突出した部分(37、38;37´、38;37、38´)を共動させることによって、前記予定位置に持ってこられることを特徴とする請求項15〜18のいずれか一項に記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−212450(P2006−212450A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−118979(P2006−118979)
【出願日】平成18年4月24日(2006.4.24)
【分割の表示】特願2002−208576(P2002−208576)の分割
【原出願日】平成14年7月17日(2002.7.17)
【出願人】(592163240)ロレアル (23)
【Fターム(参考)】