説明

パッケージ基板及び半導体パッケージ

【課題】半導体素子に内装されるコンデンサ及びプリント配線基板上に実装される半導体素子の高速動作に過渡電流を供給するために必要なデカップリング用のコンデンサの数を減少するパッケージ基板及び半導体パッケージを提供する。
【解決手段】半導体パッケージ1は、上面に金属層100Vと、金属層100Vの下に設けられた誘電体層101と、誘電体層101の下に設けられる金属層100Gとを有し、金属層100Vの半導体素子搭載領域に半導体素子11を実装し、コンデンサ素子搭載領域に、一端を金属層100Vと接続され、他端をビア102を介して金属層100Gと接続されたコンデンサ12を実装する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージ基板及び半導体パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体パッケージを実装するプリント配線基板であって内層にコンデンサを有するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
これに関連する技術として、特許文献1には、半導体パッケージ4が実装されるプリント配線基板6であって、その内層に金属層600G及び600Vと誘電層601とからコンデンサを構成するものが開示されている(図7)。このプリント配線基板6の金属層600G及び600Vと誘電層601とから構成されるコンデンサは、半導体素子11の動作に起因するノイズやそれに伴う放射電磁雑音(EMI)を抑制(以下、「デカップリング」という)するとともに半導体素子11に動作に必要な過渡電流を供給する。このプリント配線基板6は、半導体素子11の近傍にデカップリングのためのコンデンサを実装するスペースが確保できない場合に有効なものである。
【0004】
また、プリント配線基板6の金属層600G及び600Vと誘電層601とから構成されるコンデンサから半導体素子11に供給される電源は、コンデンサと半導体素子11との間に半導体素子11とパッケージ基板40の実装インピーダンス、半導体パッケージ4とプリント配線基板6の実装インピーダンス及びプリント配線基板6のビア602のインピーダンスを介しているため高周波特性が阻害される。
【0005】
そのため、半導体素子11は、計算動作等を実行する計算回路を有するセル以外の領域に設けられたセルに高速動作時に必要な過渡電流を供給するコンデンサを有する。このコンデンサを有するセルが占有する面積は、動作に必要となる過渡電流を全てこれから供給する場合は計算回路が占有する面積以上の面積となるため、半導体素子11の小型化を妨げると同時に大きなコスト上昇をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許2738590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、半導体素子に内装されるコンデンサ及びプリント配線基板上に実装される半導体素子の高速動作に過渡電流を供給するために必要なデカップリング用のコンデンサ素子の数を減少するパッケージ基板及び半導体パッケージを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、上記目的を達成するため、以下のパッケージ基板及び半導体パッケージを提供する。
【0009】
[1]上面に半導体素子搭載領域及びコンデンサ素子搭載領域を有する第1の金属層と、
前記第1の金属層の下に設けられた誘電体層と、
前記誘電体層の下に設けられ、前記第1の金属層の前記半導体素子搭載領域と前記コンデンサ素子搭載領域とを前記誘電体層中に設けられたビアによって電気的に接続する第2の金属層と、
下面に設けられ、前記第1の金属層及び前記第2の金属層とそれぞれビアによって電気的に接続される複数のバンプとを有するパッケージ基板。
【0010】
[2]前記[1]に記載のパッケージ基板と、
前記半導体素子搭載領域に搭載される半導体素子と、
前記コンデンサ素子搭載領域に搭載されて、一端を前記第1の金属層と接続され、他端を前記第2の金属層とビアを介して接続され、前記第1の金属層、前記誘電体層及び前記第2の金属層から構成されるコンデンサを伝送路として前記半導体素子に過渡電流を供給するコンデンサ素子とを備える半導体パッケージ。
【0011】
[3]前記コンデンサ素子から前記半導体素子の電源供給のための接点に至る前記伝送路のインピーダンスが、周波数2.0GHz以下において0.1Ω以下である前記[2]に記載の半導体パッケージ。
【0012】
[4]前記半導体素子は、ボンディングワイヤにて接続するよう設計された半導体素子の電源パッド及び電源配線層の少なくとも一方を変更して形成され、前記パッケージ基板の前記半導体素子搭載領域にフリップチップ接続により搭載される前記[2]又は[3]に記載の半導体パッケージ。
【発明の効果】
【0013】
請求項1又は2に係る発明によれば、半導体素子に内装されるコンデンサ及びプリント配線基板上に実装される半導体素子の高速動作に過渡電流を供給するために必要なデカップリング用のコンデンサの数を減少することができる。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、周波数2.0GHz以下において動作する半導体素子に対し、コンデンサ素子から過渡電流を十分に供給することができる。
【0015】
請求項4に係る発明によれば、ボンディングワイヤにて接続するよう設計された半導体素子に対して、半導体素子に内装されるコンデンサ及びプリント配線基板上に実装される半導体素子の高速動作に過渡電流を供給するために必要なデカップリング用のコンデンサの数を減少することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1A】図1Aは、本発明の実施の形態に係る半導体パッケージの構成の一例を示す断面図である。
【図1B】図1Bは、本発明の実施の形態に係る半導体パッケージの構成の一例を示す平面図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態に係る半導体パッケージのインピーダンス特性の一例を示すグラフ図である。
【図3】図3は、従来の半導体パッケージの構成の一例を示す断面図である。
【図4】図4は、従来の半導体パッケージのインピーダンス特性の一例を示すグラフ図である。
【図5】図5は、従来の半導体パッケージの構成の一例を示す断面図である。
【図6】図6は、従来の半導体パッケージのインピーダンス特性の一例を示すグラフ図である。
【図7】図7は、従来の半導体パッケージの構成の一例を示す断面図である。
【図8】図8(a)はワイヤボンド用に設計した半導体素子の構成の一例を示す平面図、図8(b)はB−Bにおける断面図である。
【図9】図9(a)はパッケージ基板に実装するために半導体素子の構成を一部変更した半導体素子の一例を示す平面図、図9(b)はC−Cにおける断面図である。
【図10】図10は、コンデンサを表面に実装したパッケージ基板に半導体素子を実装した半導体パッケージの構成の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(半導体パッケージの構成)
図1Aは、本発明の実施の形態に係る半導体パッケージの構成の一例を示す断面図であり、図1BのA−Aにおける断面を表す。また、図1Bは、本発明の実施の形態に係る半導体パッケージの構成の一例を示す平面図である。
【0018】
この半導体パッケージ1は、多層構造の基板であって一方の面に半導体素子搭載領域及びコンデンサ素子搭載領域を有する金属層100V、金属層100Vの下に設けられる誘電体層101、誘電体層101の下に設けられる金属層100Gを有するパッケージ基板10を備え、金属層100Vの半導体素子搭載領域にLSI(Large Scale Integration)等の集積回路を有する半導体素子11を、コンデンサ素子搭載領域に半導体素子11に過渡電流を供給するためのコンデンサ12等を備える。
【0019】
パッケージ基板10の金属層100V及び100Gは、銅等を用いて通常の積層方法によって形成される。また、誘電体層101は、例えば、ポリイミド等の樹脂薄膜、さらに埋め込みキャパシタ専用として市販されているFaradFlex BC12TM、BC8等を用いることができ、その厚さは、数μm〜数十μm程度であって、従来例のように内蔵デカップリングコンデンサとして実用化された例としては、例えば、比誘電率4.4で厚さ8μmのもの、比誘電率30で厚さ8μmのものがある。
【0020】
また、パッケージ基板10の下面には、パッド105及びバンプ103を有し、金属層100V及び100Gとそれぞれパッケージ基板10の内装に設けられたビア等によって電気的に接続される。
【0021】
また、この半導体パッケージ1は、図示しないプリント配線基板上に搭載され、バンプ103を介してプリント配線基板上のパッドに電気的に接続される。プリント配線基板は、電源回路を有し、電源回路供給される電力はバンプ103を介して金属層100V及び100Gに供給され、例えば、金属層100Vが電源の電位、金属層100Gが基準電位となる。
【0022】
半導体素子11は、複数のバンプ110を介してパッケージ基板10のパッドPv及びPgに実装される。パッドPv及びPgに金属層100V及び100Gから電源が供給され、半導体素子11は、電力の供給を受ける。また、半導体素子11は、図示しないパッド及び図示しないパッケージ基板10中の他の層と電気的に接続されて電源以外の信号を送受信する。
【0023】
コンデンサ12は、一端が金属層100Vに実装され、他端が金属層100Vのうちビア102を介して金属層100Gに接続されるパッド100gに実装される。また、コンデンサ12は、例えば、低ESLの積層セラミックコンデンサ素子であり、容量は後述するように0.25μF又は1μFであり、パッケージ基板10の半導体素子11搭載面に4つ搭載されるが、容量や個数等はこれに限られるものではない。
【0024】
つまり、以上の構成から、金属層100V、誘電体層101及び100Gは、コンデンサを形成するが、本実施の形態において、半導体素子11に過渡電流を供給する電荷を蓄電するために用いるのではなく、コンデンサ12から半導体素子11に過渡電流を供給するための伝送路として用いられる。
【0025】
また、半導体素子11は、図1Bに示すように、金属層100Vと連続的に形成されるパッドPv及び金属層100Gと接続されるパッドPgとバンプ110を介して電気的に接続されるが、PvとPgのペアは、一例として、20組であるとする。
【実施例1】
【0026】
誘電体層101として、比誘電率30で厚さ10μm、サイズ19.2mの条件において、金属層100G、100V及び誘電体層101とから構成されるコンデンサとしての静電容量Cは、3264pFであり、コンデンサ12と半導体素子11間の伝送路としてのインピーダンスZは、4.87Ω(10MHz)、0.487Ω(100MHz)となる。
【0027】
上記の条件において、静電容量0.25μF又は1μFのコンデンサ12(ESL=0.1nH、ESR=0.1Ω)を4つ、図1Bに示すように、パッケージ基板10上に配置した場合の、コンデンサ12と半導体素子11間の伝送路のインピーダンス特性を以下に示す。
【0028】
図2は、本発明の実施の形態に係る半導体パッケージ1のインピーダンス特性の一例を示すグラフ図である。
【0029】
半導体パッケージ1は、コンデンサ12の容量(0.25μF又は1μF)に関わらず、同様のインピーダンス特性を有し、0.5GHz付近に反共振のピークを有するものの2GHz以下の全域で0.3Ω以下という特性を示す。なお、この特性は金属層100V、100Gからの電源供給が20組の接点によって半導体素子11と接続される場合であり、例えば、100組の接点であればインピーダンス特性は1/5の0.1Ω以下となり、2GHz以下の高周波領域における動作において十分な値となる。
【0030】
なお、後述する比較例1及び図7に示す従来の例に比べて、コンデンサ12から供給される、放射電磁雑音の原因となる、過渡電流がプリント配線基板内に流れない。
【0031】
以下、本実施例と従来の構成におけるインピーダンス特性の比較を示す。
【0032】
[比較例1]
図3は、従来の半導体パッケージの構成の一例を示す断面図である。
【0033】
この半導体パッケージ2は、多層基板であって金属層200V及び200Gを有するパッケージ基板20並びに半導体素子11等を備え、コンデンサ12とともにプリント配線基板5に実装される。
【0034】
パッケージ基板20は、金属層200V及び200Gと、パッケージ基板20の下面に設けられたパッド205及びバンプ203とを有し、金属層200V及び200Gとパッド205の一部は、ビア202を介して電気的に接続されている。金属層200V及び200Gは、プリント配線基板5のパッド504を介して図示しない電源回路等から電源が供給され、金属層200Vが電源の電位、金属層200Gが基準電位となる。
【0035】
また、パッケージ基板20は、半導体素子11とバンプ110及びパッド204を介して電気的に接続される。パッド204の一部は、金属層200V及び200Gとビア202を介して電気的に接続される。
【0036】
プリント配線基板5は、図示しない電源回路と接続される金属層500G及び500Vと、下面のパッド505に実装されたコンデンサ12とを有し、金属層500G及び500Vとコンデンサ12とはビア502を介して電気的に接続されている。
【0037】
上記の構成において、静電容量1μFのコンデンサ12(ESR=0.1Ω)を30個、プリント配線基板5上に配置した場合にバンプ110及び203、パッド204、205、504及び505、ビア202及び502及びコンデンサ12自体の実装インダクタンスがESL=2nHとした場合のコンデンサ12と半導体素子11間の伝送路としてのインピーダンス特性を以下に示す。
【0038】
図4は、従来の半導体パッケージ2及びプリント配線基板5のインピーダンス特性の一例を示すグラフ図である。
【0039】
半導体パッケージ2及びプリント配線基板5のインピーダンス特性は、0.9GHz付近に反共振のピークを有し、その値は5.6Ωと、コンデンサ12の数を7倍以上にしているにもかかわらず、本実施例に比べて20倍の値となる。この場合、半導体素子11を高速動作させるためには、半導体素子11の計算回路を有するセル以外に、高速動作時に必要な過渡電流を供給するコンデンサを有するセル設ける必要がある。
【0040】
[比較例2]
図5は、従来の半導体パッケージの構成の一例を示す断面図である。
【0041】
この半導体パッケージ3は、多層基板であって金属層300V及び300Gを有するパッケージ基板30、パッケージ基板30に実装される半導体素子11及びコンデンサ12を有し、コンデンサ12は、パッド304及びビア302を介して一端が金属層300Vに接続され、他端が金属層300Gに接続される。
【0042】
またパッケージ基板30は、下面にパッド305及びバンプ303を有し、金属層300V及び300Gとパッド305とは、図示しないビアを介して電気的に接続されている。金属層300V及び300Gは、図示しない電源回路等から電源が供給され、金属層300Vが電源の電位、金属層300Gが基準電位となる。
【0043】
上記の構成において、静電容量1μFのコンデンサ12(ESR=0.1Ω)を4個、パッケージ基板30上に配置した場合にバンプ110、パッド304、ビア302及びコンデンサ12自体の実装インダクタンスがESL=0.1nHとした場合のコンデンサ12と半導体素子11間の伝送路としてのインピーダンス特性を以下に示す。
【0044】
図6は、従来の半導体パッケージのインピーダンス特性の一例を示すグラフ図である。
【0045】
半導体パッケージ3のインピーダンス特性は、1GHz付近に反共振のピークを有し、その値は3.4Ωと、本実施の形態と同様にパッケージ基板30上にコンデンサ12を配置したにもかかわらず本実施例に比べて10倍の値となる。この場合、半導体素子11を高速動作させるためには、半導体素子11の計算回路を有するセル以外に、高速動作時に必要な過渡電流を供給するコンデンサを有するセルを設ける必要がある。
【実施例2】
【0046】
以下、実施の形態において説明したコンデンサ12を表面に実装したパッケージ基板10にワイヤボンド用に設計した半導体素子を実装する実施例について説明する。
【0047】
図8(a)はワイヤボンド用に設計した半導体素子の構成の一例を示す平面図、図8(b)はB−Bにおける断面図である。
【0048】
半導体素子14は、シリコン基板140と、シリコン基板140上に形成されたトランジスタ層141と、トランジスタ層141を外部から絶縁する絶縁層142と、絶縁層142中に配されてトランジスタ層141に電力を供給する電源配線層143v及び143gと、電源配線層143v及び143gに電気的に接続されてワイヤボンド用のワイヤと接続される電源パッド144v及び144gとを有する。
【0049】
電源配線層143v及び143gは、一例として、平面視における半導体素子14の中央から四方向に向かって伸びており、断面視において階段状に複数の層で形成される。また、電源配線層143v及び143gは平面視において交互に配置される。
【0050】
電源パッド144v及び144gは、平面視において半導体素子14の表面の縁付近に交互に配置される。なお、図8(a)及び(b)においては、説明のため信号線については図示を省略し、電力供給に用いられる給電構造のみ図示している。
【0051】
図9(a)はパッケージ基板10に実装するために半導体素子14の構成を一部変更した半導体素子の一例を示す平面図、図9(b)はC−Cにおける断面図である。
【0052】
半導体素子13は、図8に示す半導体素子14に電源配線層133v及び133gと、電源パッド134v及び134gとを追加したものである。電源配線層133v及び133gは電源配線層143v及び143gから断面視において上方に配線を伸ばして設けられ、電源パッド134v及び134gは電源配線層133v及び133gに対応して半導体素子13の表面に設けられる。
【0053】
なお、電源配線層133v及び133g並びに電源パッド134v及び134gの配置は、トランジスタ層141への給電経路におけるインピーダンスが低減されるように、トランジスタ層141の電源配線層143v及び143gとの接点への経路がなるべく短くなるように配置することが好ましい。
【0054】
電源配線層133v及び133gは、図8の半導体素子14の電源配線層143v及び143gを形成した工程の後に形成してもよいし、フォトリソグラフィ等において新たなマスクを用意して電源配線層143v及び143gと同時に形成してもよい。
【0055】
電源パッド134v及び134gは、図8の半導体素子14の電源パッド144v及び144gを形成した工程の後に形成してもよいし、新たなマスクを用意して電源パッド144v及び144gと同時に形成してもよい。
【0056】
なお、図9(a)及び(b)においては、説明のため信号線については図示しておらず、電力供給に用いられる給電構造のみ図示しているが、電源配線層133v及び133g並びに電源パッド134v及び134gを電源配線層143v及び143g並びに電源パッド144v及び144gと同時に形成しなおす場合は、信号線についても信号経路におけるインピーダンスが軽減されるように再配線してもよい。
【0057】
また、電源配線層143v及び143g並びに電源パッド144v及び144gを利用せず、電源配線層133v及び133g並びに電源パッド134v及び134gのみ用いてトランジスタ層141への給電経路を再配線してもよい。
【0058】
図10は、コンデンサ12を表面に実装したパッケージ基板10Aに半導体素子13を実装した半導体パッケージの構成の一例を示す断面図である。
【0059】
この半導体パッケージ1Aは、半導体素子搭載領域及びコンデンサ素子搭載領域を有する金属層100V、金属層100Vの下に設けられる誘電体層101、誘電体層101の下に設けられる金属層100Gを有するパッケージ基板10Aと、半導体素子搭載領域に半導体素子13と、コンデンサ素子搭載領域に半導体素子11に過渡電流を供給するためのコンデンサ12とを備える。
【0060】
また、バンプ103を介して金属層100V及び100Gに電力が供給され、例えば、金属層100Vが電源の電位、金属層100Gが基準電位となる。
【0061】
半導体素子13は、複数のバンプ110を介してパッケージ基板10AのパッドPv及びPgに実装される。パッドPv及びPgに金属層100V及び100Gから電源が供給され、半導体素子13は、電力の供給を受ける。また、半導体素子13の図示しない信号線用のパッドは、図示しないパッド及び図示しないパッケージ基板10A中の他の層と電気的に接続されて電源以外の信号を送受信する。
【0062】
以上の構成から、金属層100V、誘電体層101及び100Gは、コンデンサを形成し、コンデンサ12から半導体素子13に過渡電流を供給するための伝送路として用いられる。
【0063】
上記した構成において、ワイヤボンド用に設計された半導体素子14のトランジスタ層141の設計を変更することなく、電源配線層133v及び133g並びに電源パッド134v及び134gを追加して半導体素子13とすることで、パッケージ基板10Aに半導体素子13を実装することができ、半導体素子13へ過渡電流を供給するための伝送路のインピーダンスを従来のパッケージ基板(20、30、40)に半導体素子13を実装する場合と比べて減少することができる。
【0064】
[他の実施の形態]
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々な変形が可能である。
【0065】
例えば、金属層100Vの表面のうちコンデンサ12及び半導体素子11が実装される領域以外に絶縁膜等を形成してもよい。
【符号の説明】
【0066】
1−4、1A 半導体パッケージ
5、6 プリント配線基板
10、10A、20、30、40 パッケージ基板
11、13、14 半導体素子
12 コンデンサ
100G、100V 金属層
100g パッド
101 誘電体層
102 ビア
103 バンプ
105 パッド
110 バンプ
133g、133v 電源配線層
134g、134v 電源パッド
140 シリコン基板
141 トランジスタ層
142 絶縁層
143g、143v 電源配線層
144g、144v 電源パッド
200G、200V 金属層
202 ビア
203 バンプ
204、205 パッド
300G、300V 金属層
302 ビア
303 バンプ
304、305 パッド
500G、500V 金属層
502 ビア
504、505 パッド
600G、600V 金属層
601 誘電層
602 ビア
Pg、Pv パッド




【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に半導体素子搭載領域及びコンデンサ素子搭載領域を有する第1の金属層と、
前記第1の金属層の下に設けられた誘電体層と、
前記誘電体層の下に設けられ、前記第1の金属層の前記半導体素子搭載領域と前記コンデンサ素子搭載領域とを前記誘電体層中に設けられたビアによって電気的に接続する第2の金属層と、
下面に設けられ、前記第1の金属層及び前記第2の金属層とそれぞれビアによって電気的に接続される複数のバンプとを有するパッケージ基板。
【請求項2】
請求項1に記載のパッケージ基板と、
前記半導体素子搭載領域に搭載される半導体素子と、
前記コンデンサ素子搭載領域に搭載されて、一端を前記第1の金属層と接続され、他端を前記第2の金属層とビアを介して接続され、前記第1の金属層、前記誘電体層及び前記第2の金属層から構成されるコンデンサを伝送路として前記半導体素子に過渡電流を供給するコンデンサ素子とを備える半導体パッケージ。
【請求項3】
前記コンデンサ素子から前記半導体素子の電源供給のための接点に至る前記伝送路のインピーダンスが、周波数2.0GHz以下において0.1Ω以下である請求項2に記載の半導体パッケージ。
【請求項4】
前記半導体素子は、ボンディングワイヤにて接続するよう設計された半導体素子の電源パッド及び電源配線層の少なくとも一方を変更して形成され、前記パッケージ基板の前記半導体素子搭載領域にフリップチップ接続により搭載される請求項2又は3に記載の半導体パッケージ。



【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−199533(P2012−199533A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−47950(P2012−47950)
【出願日】平成24年3月5日(2012.3.5)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)