パネル組立体構造
【課題】 喫煙ルーム、クリーンブース、避難所ブースなどに採用可能なパネル組立体構造に関し、組立て施工が簡単であり、かつ形態が簡素で経済性にも優れたパネル組立体構造を提供することを課題とする。
【解決手段】 床面に、長尺状の上面に長尺方向に溝部10又は突条部8を有する枠組37を方形状に組み、この枠組の上部に、パネル2とこのパネルの周囲四辺に取り付けられる枠材とからなり、下部の枠材には、上記溝部10と嵌合する突条部8又は上記突条部8と嵌合する溝部10が設けられたユニットパネル4を、上記突条部と溝部との嵌合により立設して、組立体の側面の周囲を組み立て、上記側面のユニットパネル4の上部に、パネル2とこのパネルの四辺の周囲に取り付けられる枠材とからなるユニットパネル4を載置して天井面を組み立てる構成である。
【解決手段】 床面に、長尺状の上面に長尺方向に溝部10又は突条部8を有する枠組37を方形状に組み、この枠組の上部に、パネル2とこのパネルの周囲四辺に取り付けられる枠材とからなり、下部の枠材には、上記溝部10と嵌合する突条部8又は上記突条部8と嵌合する溝部10が設けられたユニットパネル4を、上記突条部と溝部との嵌合により立設して、組立体の側面の周囲を組み立て、上記側面のユニットパネル4の上部に、パネル2とこのパネルの四辺の周囲に取り付けられる枠材とからなるユニットパネル4を載置して天井面を組み立てる構成である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙ルーム、クリーンブース、避難所ブースなどに採用可能なパネル組立体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、喫煙対策は社会的に重要視され、健康増進法では公共施設、企業、店舗などにおいても受動喫煙を防止するための措置を講ずることが求められている。このため、喫煙ルーム等を設置して分煙対策を行うことが具体策として一般に行われるようになっている。
【0003】
従来、例えば特許文献1には図27に示すように、支柱及び梁によって構成された骨組142の側面に側面パネル144を設けると共に、上面に天井パネル146を設けてなる箱形の構造体で、天井パネル146は排煙用開口部を備え、側面パネル144は下方部に吸気用開口部148を有し、この吸気用開口部から吸引された外気が上記排煙用開口部から排出される喫煙ルーム141が開示されている。この喫煙ルームによれば、ルーム内の煙草の煙を効率よく排出することができ、また排煙用開口部を有した天井パネルや吸気用開口部を有した側面パネルをそれぞれ骨組みに取付けるようにしたので、施工を容易にすることができるというものである。
【0004】
また、特許文献2には、多辺縁パネルの多辺縁又は多辺縁に囲まれた内側の何れか片方及び両方に、ブロックの第1面より延出した突起部、及びブロックの第2、第3、第4面に溝部が設けられた結合システムブロック(枠材)を具備した壁パネルを用いたパネル結合システムの記載があり、これは上記ブロックを用い、これと他のブロックの上記突起部と上記溝部とが密接するようにボルトで締め付けて結合し組立パネルを構成する。この結合システムブロックによれば、簡易、簡便にパネル組立が行えるというものである。
【0005】
特許文献3には、喫煙ブース内の空気を換気する換気手段と、前記喫煙ブース内空気を流入させる空気流入手段とを、前記喫煙ブースの中央を経てほぼ対向する位置に配置した喫煙ブースが開示されている。この喫煙ブースによれば、空気の流れが常に空気流入段から喫煙ブースの中央を経て換気手段に流れ、タバコの煙や臭いを効率的に除去できるというものである。
【0006】
【特許文献1】特開2005−220692公報
【特許文献2】特開2006−37621公報
【特許文献3】特開2005−207078公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
さて、上記特許文献1の喫煙ルームは、柱及び梁を骨組みとし、支柱間を室外側から被うようにして壁面ユニットを固定し、また透明パネルは、側面を支柱に固定しもう一方は反対側の支柱に固定された透明パネルと突合せ、リブを介して互いに固定する構成であるため、施工には多くの労力及び時間を必要とし、コストもかかるという問題がある。
また、特許文献2の結合システムブロックを用いた壁パネルは、このブロック自体にパネルを組み込むことは出来ず、また枠材同士をボルトで締め付ける形態であり、この際緊結金物挿入欠損部からボルトを挿入して締結するため作業性が悪いという問題がある。特許文献3の喫煙ブースは、パーテーション或いは天井カバー、側面カバーからなる簡易な構成であるため、耐久性及び強度に問題がある。
【0008】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、組立て施工が簡単であり、かつ形態が簡素で経済性にも優れたパネル組立体構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の技術的課題を解決するため、本発明に係るパネル組立体構造は、図1等に示すように、床面に、長尺状の上面に長尺方向に溝部10又は突条部8を有する枠組37を方形状に組み、この枠組の上部に、パネル2とこのパネルの周囲四辺に取り付けられる枠材とからなり、下部の枠材には、上記溝部10と嵌合する突条部8又は上記突条部8と嵌合する溝部10が設けられたユニットパネル4を、上記突条部と溝部との嵌合により立設して、組立体の側面の周囲を組み立て、上記側面のユニットパネル4の上部に、パネル2とこのパネルの四辺の周囲に取り付けられる枠材とからなるユニットパネル4を載置して天井面を組み立てる構成である。
【0010】
本発明に係るパネル組立体構造は、上記組立体の側面を形成し隣り合うユニットパネル4は、一方のユニットパネル4の枠材の接合面には長尺方向に溝部10又は突条部8が設けられ、他方のユニットパネル4の枠材には、上記溝部10に嵌合する突条部8又は上記突条部8に嵌合する溝部10が設けられ、これら突条部と溝部との嵌合により両者を接合した構成である。
【0011】
本発明に係るパネル組立体構造は、床面に、長尺状の上面に長尺方向に凹部を有する枠組を方形状に組み、この凹部に、パネル2とこのパネルの周囲四辺に取り付けられる枠材とからなるユニットパネル4を嵌入立設し、このユニットパネル4の左右の側面部にこれと隣接する他のユニットパネル4の枠材の長尺方向に設けられる溝部10又は突条部8とそれぞれ嵌合する突条部8又は溝部10を設け、上記突条部と溝部との嵌合により組立体の側面の周囲を組み立て、上記側面のユニットパネル4の上部に、パネル2とこのパネルの四辺の周囲に取り付けられる枠材とからなるユニットパネル4を載置して天井面を組み立てる構成である。
【0012】
本発明に係るパネル組立体構造は、上記組立体の側面を形成するユニットパネル4の上部の枠材の上面には長尺方向に溝部10又は突条部8が設けられる一方、上記天井面を形成するユニットパネル4の枠材の下面には、上記溝部10に嵌合する突条部8又は上記突条部8に嵌合する溝部10が設けられ、これら突条部と溝部との嵌合により両者を接合した構成である。
【0013】
本発明に係るパネル組立体構造は、上記ユニットパネル4に用いられる上記枠材は、押出し成形により形成されるとともに、中空状の四角筒からなり、一方の平面部に突条部が設けられ、背面側の他方の平面部に溝部が設けられた第一の枠材(A)、中空状の四角筒からなり、一方の平面部と背面側の他方の平面部にそれぞれ溝部が設けられた第二の枠材(B)、及び、中空状の四角筒からなり、一方の平面部とこれと隣接する他方の平面部にそれぞれ溝部が設けられた第三の枠材(C)の内から、二つ以上の種類の枠材を用いて上記ユニットパネルを形成した構成である。
【0014】
本発明に係るパネル組立体構造は、上記ユニットパネル4に用いられる上記枠材は、押出し成形により形成されるとともに、中空状の四角筒からなり、一方の平面部と背面側の他方の平面部にそれぞれ溝部が設けられた第一の枠材(A)、中空状の四角筒からなり、一方の平面部に突条部が設けられ、背面側の他方の平面部に溝部が設けられた第二の枠材(B)、及び、中空状の四角筒からなり、一方の平面部に溝部が設けられ、これと隣接する他方の平面部に突条部が設けられた第三の枠材(C)の内から、二つ以上の種類の枠材を用いて上記ユニットパネルを形成した構成である。
【0015】
本発明に係るパネル組立体構造は、上記ユニットパネル4を形成する各枠材の溝部10のうち、このユニットパネル4の内側に配置される溝部10は上記パネル2の一辺を嵌め込み保持するために用いられ、このユニットパネル4の外側に配置される溝部10は上記枠材の突条部8を嵌入するために用いられる構成である。
【0016】
本発明に係るパネル組立体構造は、上記各枠材において、上記平面部に設けられる上記溝部10を平行な2本の溝部10とする一方、上記平面部に設けられる上記突条部8を、上記2本の溝部10と嵌合可能な2本の突条部8とした構成である。
【0017】
本発明に係るパネル組立体構造は、上記ユニットパネル4の組み立てに際し、一方の枠材及びこれと直角に配置される他方の枠材を、上記一方の枠材に介入したビス30を上記他方の枠材に長手方向に形成された断面C字状の止着部12に螺着して両者を接合した構成である。
【0018】
本発明に係るパネル組立体構造は、床面に敷設される上記枠組の下部に、束を取付けて空気を取り入れる空間部を形成し、上記組立体の側面の一部にドアを設ける一方、上記天井面に空気排出用もしくは空気流入用の開口部35を設けた構成である。
【0019】
本発明に係るパネル組立体構造は、床面に敷設される上記枠組の下部に、キャスターを取付けて移動可能とするとともに空気を取り入れる空間部を形成し、上記組立体の側面の一部にドアを設ける一方、上記天井面に空気排出用もしくは空気流入用の開口部35を設けた構成である。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係るパネル組立体構造によれば、溝部又は突条部を有する枠組の上部に、下部の枠材には、突条部又は溝部が設けられたユニットパネルを嵌合により立設し、上部にユニットパネルを載置して天井面を組み立てた構成としたから、迅速かつ容易にパネル組立体構造の組み立てが行えて施工性に優れ、また経済性にも優れたパネル組立体構造が得られるという効果がある。
【0021】
本発明に係るパネル組立体構造によれば、組立体の側面を形成し隣り合うユニットパネルは、一方のユニットパネルと他方のユニットパネルの枠材同士を突条部と溝部との嵌合により接合した構成を採用したから、迅速かつ容易にパネル組立体構造の組み立てが行えて施工性に優れるという効果がある。
【0022】
本発明に係るパネル組立体構造によれば、長尺方向に凹部を有する枠組の凹部に、ユニットパネルを嵌入立設し、ユニットパネル同士を溝部と突条部の嵌合により接合して組立体の側面の周囲を組み立て、上部にユニットパネルを載置して天井面を組み立てた構成としたから、迅速かつ容易にパネル組立体構造の組み立てが行えて施工性に優れ、また経済性にも優れたパネル組立体構造が得られるという効果がある。
【0023】
本発明に係るパネル組立体構造によれば、組立体の側面を形成するユニットパネルと天井面を形成するユニットパネルとを突条部と溝部との嵌合により接合した構成を採用したから、パネル組立体構造の側面と天井面の各ユニットパネル同士の接合が迅速かつ容易に行えるという効果がある。
【0024】
本発明に係るパネル組立体構造によれば、ユニットパネルに用いられる枠材は、中空状の四角筒からなり、一方に突条部が他方に溝部が設けられた第一の枠材、平面部にそれぞれ溝部が設けられた第二の枠材、及び一方とこれと隣接する他方の平面部にそれぞれ溝部が設けられた第三の枠材を用いてユニットパネルを形成したから、これら3種類の枠材で効果的にパネル組立体構造の各部位におけるユニットパネルが形成でき、またこのようなユニットパネルを工場で大量生産でき、かつ現場においては各部のユニットパネルを組み合わせるのみで簡単かつ迅速にパネル組立体構造が構築できるという効果がある。
【0025】
本発明に係るパネル組立体構造によれば、ユニットパネルに用いられる枠材は、中空状の四角筒からなり、平面部にそれぞれ溝部が設けられた第一の枠材、一方に突条部が他方に溝部が設けられた第二の枠材、及び一方に溝部がこれと隣接する他方に突条部が設けられた第三の枠材の枠材を用いてユニットパネルを形成したから、これら3種類の枠材で効果的にパネル組立体構造の各部位におけるユニットパネルが形成でき、またこのようなユニットパネルを工場で大量生産でき、かつ現場においては各部のユニットパネルを組み合わせるのみで間単かつ迅速にパネル組立体構造が構築できるという効果がある。
【0026】
本発明に係るパネル組立体構造によれば、ユニットパネルの内側の溝部はパネルを嵌め込み保持するため、外側に配置される溝部は第一の枠材の突条部を嵌入するために用いられる構成を採用したから、各枠材が効率的に使用できて部品点数の削減にも寄与するという効果がある。
【0027】
本発明に係るパネル組立体構造によれば、各枠材に2本の溝部或いは2本の突条部を設けたから、断熱効果及び防音効果に優れたパネル組立体構造が得られるという効果がある。
【0028】
本発明に係るパネル組立体構造によれば、ユニットパネルの一方の枠材からビスを用いて他方の枠材の止着部に螺着して両者を接合したから、枠材同士の接合が簡単かつ効果的に行えるという効果がある。
【0029】
本発明に係るパネル組立体構造によれば、枠組の下部に束を取付けて空間部を形成し、組立体にドアを、天井面に通気用の開口部を設けた構成としたから、迅速、容易かつ低コストでパネル組立体構造による喫煙ボックス、クリーンブース等が得られるという効果がある。
【0030】
本発明に係るパネル組立体構造によれば、枠組の下部にキャスターを取付けて空間部を形成し、組立体にドアを、天井面に通気用の開口部を設けた構成としたから、迅速、容易かつ低コストでパネル組立体構造による移動可能な喫煙ボックス、クリーンブース等が得られるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明に係るパネル組立体構造の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、第一の実施の形態に係るパネル組立体構造の説明図である。このパネル組立体構造は、全体が直方体のボックス形状の構造体を構築するものであり、3種類の枠材(A,B,C)を用い、これら枠材により矩形状のパネル2を囲んで保持したユニットパネル4を用い、これらユニットパネル4を順に組み合わせかつ接合したものである。
【0032】
上記パネル組立体に使用する3種類の枠材は、図2(a)に示す第一の枠材(A)、図2(b)に示す第二の枠材(B)、図3(c)に示す第三の枠材(C)であり、何れもアルミニウム又はアルミニウム合金の押出成形による中空状の四角筒からなるものである。なお、これら枠材として、他に合成樹脂材或いは鋼板の成形によるものを用いることができる。
【0033】
上記第一の枠材(A)は、断面長方形の中空状の四角筒からなり、一方の平面部6の中央部には長尺方向に突条部8が設けられ、この平面部6の背面側の他方の平面部7の中央部には長尺方向に溝部10が設けられた形状である。また、上記平面部6の溝部10の両側にはそれぞれ断面C字状の止着部12,12が設けられている。
【0034】
上記第二の枠材(B)は、断面長方形の中空状の四角筒からなり、一方の平面部14の中央部には長尺方向に溝部10が設けられ、この平面部14の背面側の他方の平面部16の中央部にも長尺方向に溝部10が設けられた形状である。また、上記平面部14の溝部10の両側にはそれぞれ断面C字状の止着部12,12が設けられ、上記他方の平面部16の溝部10の両側にもそれぞれ断面C字状の止着部12,12が設けられている。
【0035】
上記第三の枠材(C)は、断面正方形の中空状の四角筒からなり、一方の平面部18とは直角向きに隣接する側面の平面部20には、それぞれ中央部には長尺方向に溝部10が設けられている。また、上記平面部18の溝部10の両側にはそれぞれ断面C字状の止着部12,12が設けられ、上記側面の平面部20の溝部10の両側にもそれぞれ断面C字状の止着部12,12が設けられている。
【0036】
図3は、上記第一の部材(A)の平面部に設けた突条部8と、上記第二の枠材(B)又は上記第三の枠材(C)の平面部に設けた溝部10との嵌合状態を示したものである。上記突条部8には、平面部6から頂部21の近傍部位にかけて山状の斜面部22,22が形成されている。また、上記溝部10には、平面部から溝部の側面24,24の中間部位にかけて斜面部26,26が形成されている。
【0037】
ここで例えば、上記第二の枠材(B)に第一の枠材(A)を接合する場合には、第二の枠材(B)の平面部に設けた溝部10に、第一の部材(A)の平面部に設けた突条部8を嵌入する。このとき、上記溝部10は上記斜面部26,26により嵌入口の幅が拡大されて、上記突条部8の嵌入を容易にしている。一方、突条部8は斜面部22,22により断面が山状に形成されているため、溝部10への嵌入が容易に行え、かつ嵌入途中には上記斜面部22,22、斜面部26,26の相互のガイドにより正確な位置(中央)で両者が嵌合する。
【0038】
また図4に示すように、上記第一の枠材(A)の溝部10、第二の枠材(B)の一方の溝部10、第三の枠材(C)の一方の溝部10は、それぞれパネル2を嵌め込むために用いられる。上記溝部10にパネル2を嵌め込む際には、押え材28を用いる。
【0039】
この押え材28は、硬質ゴムからなり、断面コの字状の長尺部材である。押え材28は、パネル2を保持する凹状の保持部29及び枠材の溝部10と同じ形状の嵌合部27からなる。押え材28は上記溝部10の内壁に密着するように、溝部10の斜面部26,26に対応する嵌合部27は斜面状に形成されている。通常、パネル2の一辺を押え材28の保持部29に嵌めた状態で、この押え材28とともにパネル2を枠材の溝部10に嵌める。このとき、溝部10の斜面部26,26がガイドとなって、押え材28及びパネル2の嵌め込みが容易に行える。
【0040】
図5,6等に示すように、上記枠材(A)(B)(C)を矩形状に組んで、パネル2を装着したユニットパネル4を組立てる。これら枠体(A)(B)(C)は、互いに直角に接合して組み立てられ各接合する箇所はビス30にて固定する。
【0041】
図5は、第三の枠材(C)に、第一の枠材(A)を接合する状態を示したものである。同図に示すように、予め第三の枠材(C)の外側の面部の所定位置に、ビス30の頭部31が通過する孔部32が設けられ、これと対向する内側の面部にビス30のネジ部33のみが挿通可能な止着孔部34が設けられている。そして、第三の枠材(C)の孔部32を通過させたビス30を、止着孔部34に介入させ、直交する第一の枠材(A)の止着部12に螺入する。隣接する他の止着部12についても、同様にしてビス30を螺設し、第三の枠材(C)に第一の枠材(A)を接合し固定する。
【0042】
図6は、第三の枠材(C)に、第二の枠材(B)を接合し、さらにこの第二の枠材(B)に他の第二の枠材(B)を接合する状態を示したものである。同図に示すように、予め第三の枠材(C)の外側の面部の所定位置に、ビス30が通過する孔部32が設けられ、これと対向する内側の面部にビス30のネジ部33のみが挿通可能な止着孔部34が設けられている。
【0043】
そして、第三の枠材(C)の孔部32を通過させたビス30を、止着孔部34に介入させ、直交する第二の枠材(B)の止着部12に螺入する。隣接する他の止着部12についても、同様にしてビス30を螺設し、第三の枠材(C)に第二の枠材(B)を接合する。第二の枠材(B)に、これと直交する他の第二の枠材(B)を接合する場合についても、第二の枠材(B)の孔部32を通過させたビス30を、止着孔部34に介入させ、直交する他の第二の枠材(B)の止着部12に螺入する。他の止着部12についても、同様にしてビス30を螺設し、第二の枠材(B)に他の第二の枠材(B)を接合する。
【0044】
図7は、第三の枠材(C)に、他の第三の枠材(C)を接合する状態を示したものである。この場合も、第三の枠材(C)の孔部32を通過させたビス30を、止着孔部34に介入させ、直交する他の第三の枠材(C)の止着部12に螺入する。
【0045】
図8は、第二の枠材(B)に、第一の枠材(A)及び他の第二の枠材(B)を接合する状態を示したものである。同図に示すように、予め第二の枠材(B)の外側の面部の所定位置に、ビス30の頭部31が通過する孔部32が設けられ、これと対向する内側の面部にビス30のネジ部33のみが挿通可能な止着孔部34が設けられている。そして、第二の枠材(B)の孔部32を通過させたビス30を、止着孔部34に介入させ、直交する第一の枠材(A)の止着部12に螺入する。
【0046】
第二の枠材(B)に、これと直交する他の第二の枠材(B)を接合する場合についても、第二の枠材(B)の孔部32を通過させたビス30を、止着孔部34に介入させ、直交する他の第二の枠材(B)の止着部12に螺入する。他の止着部12についても、同様にしてビス30を螺設し、第二の枠材(B)に他の第二の枠材(B)を接合する。
【0047】
図9は、第一の枠材(A)に、他の第一の枠材(A)及び第二の枠材(B)を接合する状態を示したものである。この場合も、第一の枠材(A)の孔部32を通過させたビス30を、止着孔部34に介入させ、直交する他の第一の枠材(A)の止着部12に螺入する。第一の枠材(A)に、これと直交する第二の枠材(B)を接合する場合についても、同様にしてビス30を螺設し、第一の枠材(A)に第二の枠材(B)を接合する。
【0048】
図10は、第三の枠材(C)に、第一の枠材(A)及び第二の枠材(B)を接合する状態を示したものである。同図に示すように、予め第三の枠材(C)の外側の面部の所定位置に、ビス30の頭部31が通過する孔部32が設けられ、これと対向する内側の面部にビス30のネジ部33のみが挿通可能な止着孔部34が設けられている。そして、第三の枠材(C)の孔部32を通過させたビス30を、止着孔部34に介入させ、直交する第一の枠材(A)の止着部12に螺入する。
【0049】
第三の枠材(C)に、これと直交する第二の枠材(B)を接合する場合についても、第三の枠材(C)の孔部32を通過させたビス30を、止着孔部34に介入させ、直交する第二の枠材(B)の止着部12に螺入する。上記、第一の枠材(A)、第二の枠材(B)及び第三の枠材(C)の3種類の枠材、又はこれらの内の2種類の枠材を用いて、パネル2を装着した矩形状のユニットパネル4を組立てる。
【0050】
図11は、第三の枠材(C)に第一の枠材(A)を取り付け、これに押え材28を介してパネル2を取り付ける状態を示したものである。通常、パネル2の各辺に押え材28を嵌め込み、このパネル2を押え材28とともに、第一の枠材(A)及び第三の枠材(C)の各溝部10に嵌入する。
【0051】
図12は、第三の枠材(C)に第二の枠材(B)を取り付け、これに押え材28を介してパネル2を取り付ける状態を示したものである。パネル2の各辺に押え材28を嵌め込み、このパネル2を押え材28とともに、第一の枠材(A)及び第三の枠材(C)の各溝部10に嵌入する。そして、上記パネル2の周囲を上記各枠体で囲んで所定のユニットパネル4を組立てる。
【0052】
図1に示すパネル組立体構造は、上記ユニットパネル4を組み合わせて組立てられる。これらユニットパネル4を構成する枠材の形態は、パネル組立体構造における側面、天井面など使用される面により異なり、また同じ側面或いは天井面においても位置により異なる。パネル組立体構造の組立てに際しては、組立体の側面として正面部、背面部、右側面及び左側面用のユニットパネル4、及び天井面用のユニットパネル4をそれぞれ用いる。通常、上記ユニットパネル4は工場で組み立て加工され、現場ではこれらユニットパネル4を組み合わせてパネル組立体構造のボックスを構築する。
【0053】
図13(a)(b)(c)は、パネル組立体構造の正面部に用いられるユニットパネル4を配置の順に示したものである。このうち、図13(a)(c)のユニットパネル4は、第一の枠材(A)、第二の枠材(B)及び第三の枠材(C)の3種類の枠材を用いた形態であり、図13(b)のユニットパネル4は第一の枠材(A)及び第二の枠材(B)の2種類の枠材を用いた形態である。何れのユニットパネル4についても、パネル2が嵌め込まれており、中間に横向きに設けられる第二の枠材(B)の上部と下部では種類の異なるパネル2、例えば上部には透明のパネル2を下部には白色に着色したパネル2等を装着することができる。
【0054】
ここでの第一の枠材(A)は、隣接するユニットパネル4との接合のために用いられる。第二の枠材(B)は、隣接するユニットパネル4との接合のため、及びパネル2同士の間に介在させるために用いられる。また、第三の枠材(C)はパネル組立体構造の角部に用いられる。他のユニットパネル4などについても、図1にA、B、Cで示される枠材を用いて組立てられる。
【0055】
図14(a)(b)(c)は、パネル組立体構造の天井面に用いられるユニットパネル4を配置の順に示したものである。何れの枠体についても、第一の枠材(A)、第二の枠材(B)及び第三の枠材(C)の3種類又は2種類の枠材を用いた形態である。このように、第一の枠材(A)は、隣接するユニットパネル4との接合のために用いられる。第二の枠材(B)は、隣接するユニットパネル4との接合のため、及びパネル2同士の間に介在させるために用いられる。また、第三の枠材(C)はパネル組立体構造の周囲の箇所に用いられる。
【0056】
上記何れのユニットパネル4についても、パネル2が嵌め込まれており例えば白色に着色したパネル2等を装着することができる。但し、天井面の中央に用いられるユニットパネル4の中央部には、横に平行に配置された2本の第二の枠材(B)及びこれら枠材間に縦に平行に配置された2本の第二の枠材(B)により矩形状の開口部35が形成されている。この開口部35は、内部の空気排出用或いは外部からの空気流入用の通気口として用いられる。
【0057】
上記パネル組立体構造は、側面として正面、背面、右側面、左側面及び天井面の5面からなっており、上記ユニットパネル4の枠組みに用いられる枠材の形態も上記各面毎に異なる。このパネル組立体構造は、基本的にはユニットパネル4同士を、突条部8と溝部10との嵌合により同一面方向及び直角方向に接合して組み立てる。下端部は、下記アジャスター38を取付ける関係で、第三の枠材(C)による枠組37を用いているが、この枠組み37と上部に配置されるユニットパネル4とは、突条部8と溝部10との嵌合により接続する形態としている。そして、嵌合のみでは外れる可能性のある接合箇所については、下記当て板68を取付けて固定する。
【0058】
さて、上記パネル組立体構造を組立てる場合には、図15(a)(b)に示すように、先ず、床面の上に第三の枠材(C)をコの字状に連結した枠組37を組む。この枠組37は2つ用い、両者を向かい合わせに配置し、一方の端部同士は接続し、他方の端部間は下記ドア81の設置のために所定の間隔を開けておく。この場合も、上述した方法によりビス30を用いて第三の枠材(C)同士を直角に接続する。またこの実施の形態では、上記第三の枠材(C)は、上部に溝部10が向けられるように配置する。
【0059】
上記枠組37の下部のコーナー部及び端部にアジャスター38を取り付ける。
図16は、上記アジャスター38の取付け形態を示すものである。このアジャスター38は、ゴム等の弾性材からなる台座40、この台座40にナット45で固定され立設された支持ボルト42及びこの支持ボルト42に螺着されるナット44,44を有する。
【0060】
図16(a)は上記アジャスター38の第一の取付け形態を示すものであり、この場合、一対の上部及び下部補助具50,51が用いられ、それぞれ断面コの字形状で中央部に孔部52,53が設けられている。上部補助具50の平面部の四隅部にはそれぞれ孔部54が設けられ、またフランジ部には螺子孔56が設けられている。下部補助具51のフランジ部には、孔部58が設けられている。
【0061】
上記上部補助具50を取付ける第三の枠材(C)の下面部には挿通孔部59が、またこの周辺の該当箇所には螺子孔60が設けられており、上部補助具50の孔部54から介入したビス55を上記螺子孔60に螺着して上部補助具50を固定する。そして、この上部補助具50の下方から下部補助具51を、フランジ部を上部にして両者のフランジ部同士を重ね、ビス55を下部補助具51の孔部58から介入し、上部補助具50の螺子孔56に螺着して下部補助具51を固定する。
【0062】
そして、下部補助具51と上部補助具50との間にナット44を介在させ、下部補助具51の孔部53の下方からアジャスター38の支持ボルト42を介入し、上記ナット44に螺入して上記挿通孔部59を挿通させ、所定の位置で下部補助具51の下方から別のナット44を締結して固定する。アジャスター38の高さはナット44,44を調整して変えることができる。
【0063】
このアジャスター38により、パネル組立体構造の下部と床面との間に、空気の取り入れなどが行える空間部が形成される。上記アジャスター38を取り付けた後、第三の枠材(C)の端部の開口部46は、小口フタ48を用いて閉塞する。この小口フタ48は、介在させたビス49を第三の枠材(C)の止着部12に螺着して固定する。なお、上記アジャスター38に代えてキャスターを取付けてもよく、この場合にはパネル組立体構造の移動が自在となる。
【0064】
図16(b)は、アジャスター38の第二の取付け形態を示すものであり、アジャスター38の取付けに際しては、断面ハット形状で中央部に孔部61が設けられた補助具62を用いる。上記補助具62のフランジ部にはそれぞれ螺子孔64が設けられている。上記補助具62は、上記第三の枠材(C)の下面部の内側に取り付けられる。この第三の枠材(C)の下面部の該当箇所には挿通孔部65が、またこの周辺の所定位置には孔部66が設けられ、この下面部の外側からビス55を上記螺子孔64に螺着し固定する。さらに、上記補助具62と第三の枠材(C)の下面部との間にナット44を回転不能に介在させる。
【0065】
そして、第三の枠材(C)の下面部の下方からアジャスター38の支持ボルト42を介入し上記ナット44に螺入して上記挿通孔部65を挿通させ、所定の位置で下面部の下方から別のナット44を締結して固定する。アジャスター38の高さはナット44,44を調整して変えることができる。このアジャスター38により、パネル組立体構造の下部と床面との間に、空気の取り入れなどが行える空間部が形成される。上記アジャスター38を取り付けた後、第三の枠材(C)の端部の開口部46は、小口フタ48を用いて閉塞する。上記第三の枠材(C)をコの字状に連結した枠体同士は、後述する当て板68を用いて連結する。
【0066】
次に、上記枠組37の上にユニットパネル4を組立てるが、上記パネル組立体構造を効率的に組立てるためには、正面からみて左側部、中央部、右側部と3つに分割した場合、一方側から例えば右側部、中央部、左側部の順に組み立てる。この右側部については、正面、右側面、背面、天井面の順にユニットパネル4を組立てる。
【0067】
先ず、上記枠組37の第三の枠材(C)の上部の溝部10に、正面用のユニットパネル4の下端部に設けられた第一の枠材(A)の突条部8を嵌合してユニットパネル4を立設する。上記枠組37のコーナー部は、上記ユニットパネル4とは直角に右側面用のユニットパネル4を配置する。これら両ユニットパネル4の枠体同士の縦方向の結合部は、一方には第三の枠材(C)が配置され、他方はこの第三の枠材(C)の溝部10に対して突条部8が向い合う状態に第一の枠材(A)が配置され、これら両者を嵌合し接合する。
【0068】
さらに、このユニットパネル4に連続して他のユニットパネル4を取り付け、続いてこれと直角に背面のユニットパネル4を取り付ける。そして、天井面用のユニットパネル4を上記側面用のユニットパネル4の上部に載置し、このユニットパネル4を構成する第三の枠材(C)の溝部10を、側面用の各ユニットパネル4の上部に設けられる第一の枠材(A)の突条部8に嵌合し接合する。これら各ユニットパネル4は、嵌合構造により組み立てる形態であるため、組み立て途中にユニットパネルを立設した状態においても仮固定がされるため安定がよく、一人の作業員でも楽にかつ簡単に組み立てが行える。
【0069】
次に、パネル組立体構造の中央部を組立てる。この場合は、上記正面用のユニットパネル4に他のユニットパネル4を連続して取り付け、また背面用のユニットパネル4に他のユニットパネル4を連続して取り付け、これらの上部に天井面用のユニットパネル4を取付ける。そして、パネル組立体構造の正面及び背面において、当て板68を用いてユニットパネル4同士を接続する。
【0070】
上記当て板68は、図17に示すように、長方形状の基部70の上下端部からそれぞれフランジ部72,73が屈曲形成され、下部側のフランジ部73は中央部の近傍を凹状に切り欠いた凹部74が形成されている。また、上記基部70の上部の左右両側にはそれぞれ2つの孔部76が設けられている。
【0071】
この当て板68は、天井面用のユニットパネル4同士及び正面用のユニットパネル4同士の接合部に用いる。そして、当て板68の上下のフランジ部72,73でユニットパネル4を構成する第三の枠材(C)及びこの下部に位置するユニットパネル4の第一の枠材(A)を合わせて挟む。これと併せて、正面用のユニットパネル4同士の接合部に位置する縦向きの第一の枠材(A)と第二の枠材(B)を当て板68の凹部74で挟んで両枠材同士を保持固定する。
【0072】
そして、各ユニットパネル4の第三の枠材(C)同士の間を当て板68で被い、基板の左右に設けられる孔部76にそれぞれボルト78を挿通し、この第三の枠材(C)に設けた孔部79を挿通させて裏面側でナット77を締結して固定する。これにより、1個の当て板68で、天井面用のユニットパネル4同士、及び正面用のユニットパネル4同士を接合し固定する。同様に当て板68を用い、天井面用のユニットパネル4同士、及び背面用のユニットパネル4同士を接合する。なお、上記当て板68は、上記形状に限られるものではなく、要は左右のユニットパネル同士を、少なくとも2本の止着具で固定可能な形態の板材であれば適用できる。また、当て板はユニットパネルの内側に取り付ける形態であっても良い。
【0073】
図18は、上記当て板68に代えて、ユニットパネル4同士を固定する押えアングル69を示したものである。この押えアングル69は、断面L字状の長尺材で一端部は直角に屈曲した保持部67が形成されている。押えアングル69は、パネル組立体構造の正面側の中間部から端部にかけて端部を保持部67で押えた状態で配置し、天井面のユニットパネル4の第三の枠材(C)に、押えアングル69の所定の箇所をボルト80等の止着具を用いて取り付ける。
【0074】
続いて、パネル組立体構造の左側部を組立てる。この場合は、上記右側部と略同様な手順で組立てる。また、上記と同様に当て板68或いは押えアングル69を用いてユニットパネル4同士を接合する。パネル組立体構造の角部には、必要によりL字形の当て板を取り付けるが、この当て板は補強のために用いられる。
【0075】
図19は、上記パネル組立体構造の上部近傍の水平断面図を示したものである。このようにユニットパネル4同士の接合部は、第一の枠材(A)の突条部8と第二の枠材(B)の溝部10との組合せ、又は第一の枠材(A)の突条部8と第三の枠材(C)の溝部10との組み合わせによる嵌合構造により接続される。
【0076】
図20は、上記パネル組立体構造の横方向垂直断面図を示したものである。このようにユニットパネル4同士の接合部は、第一の枠材(A)の突条部8と第二の枠材(B)の溝部10との組合せ、又は第一の枠材(A)の突条部8と第三の枠材(C)の溝部10との組み合わせによる嵌合構造により接続される。また、同一ユニットパネル4の中間部には、上部と下部のパネル2とを接合する第二の枠材(B)が配置されている。また、パネル組立体構造の下端部には、枠組37を構成する第三の枠材(C)にアジャスター38が取付けられている。
【0077】
図21(a)(b)は、パネル組立体構造の背面の中央に設けたユニットパネル4(パネル2の未装着箇所)の枠材の内側に、ドア81を設けた場合の形態を示したものである。このユニットパネル4は、図1に示すように上部近傍の第二の枠材(B)の下部はパネル2が取付けられてなく、また下端部には枠材のない形態である。なお、このユニットパネル4は、所定の当て板を用いて左右のユニットパネル4及び枠組37に固定する。
【0078】
上記ドア81については、上記第二の枠材(B)のみを用いて、上記ユニットパネル4と同様に押え材28とパネル2を装着したドア用のユニットパネルにより形成される。このドア81は、前面及び裏面の所定位置に取っ手84,85をそれぞれ取り付ける。このドア81用のユニットパネルは、一方の側部の上下にそれぞれ上記ユニットパネル4と開閉可能に連結する蝶番86を取付け、他方の側部にはストッパー88を取付ける。
【0079】
上記パネル組立体構造は、ユニットパネル同士の嵌合により組み立てが行え、当て板により必要な箇所を補強接合するのみで簡単に固定が行える。また、このパネル組立体構造は、簡易に組み立て及び解体が行えるものであり、当て板などの部材は、必要最小の箇所にのみ取り付けるようにすることで作業の簡単化が図れる。
なお、上記枠組37としてH形鋼を用い、この凹状の部位を上向きに配置して枠組みを構成し、この凹部にユニットパネルの下部を嵌入立設させる形態、或いは長尺方向に凹部を有する形態の長尺材により上記枠組みを構成することもできる。
【0080】
上記パネル組立体構造は、例えば喫煙ルーム、クリーンブース、避難所ブースなどの簡易ルームとして主に屋内に用いることができる。企業や公共施設などで喫煙ルームとして使用する場合には、天井面中央のユニットパネル4等に空気排出用の開口部35を設けてここにシロッコファンなどの送風機を取付け、排気ダクトを経由させ、換気扇等を介して建物等の外部にたばこの煙を排出する。このとき、喫煙ルーム内には、上記アジャスター38によってユニットパネル4の下端部と床面との間には適度の空気取り入れ用の隙間が形成されており、この空間部から新しい空気が取り込まれる。またクリーンブースとして使用する場合には、天井面の開口部35を空気流入口として利用し、ここにHEPAフィルター(防塵フィルター)などが取り付けられた空気清浄機を取り付け、ブースの室内にきれいな空気を取り込むこともできる。
【0081】
このパネル組立体構造の移動或いは撤去などにより、これを解体する場合には、上記組立てる手順とは逆の手順により作業を行う。先ず、ドア81及び当て板68などを取り外し、ユニットパネル4を天井面、側面の順に取り外し、枠組37を解体する。これら取り外した個々のユニットパネル4は、解体しないでそのまま保管管理することができる。新たに別の箇所にパネル組立体構造を設置する場合には、床面に枠組37を組み、上記取り外したユニットパネルを用いて、上記説明した順に組み立てを行う。
【0082】
図22(a)(b)(c)は、上記第一の枠材(A)の他の形態を示したものである。これら枠材は、第一の枠材(A)と比べて突条部及び溝部の形状が異なる。同図(a)は、突条部及び溝部にそれぞれ段部を設けた形状、同図(b)は、突条部及び溝部にそれぞれ段部を設け、突条部の頂部及び該当する溝部を半円状に形成した形状、同図(c)は突条部の頂部及び該当する溝部を半円状に形成した形状である。第二の枠材(B)及び第三の枠材(C)の突条部及び溝部についても、それぞれ上記と同様な形状に形成される。上記突条部及び溝部の形状は、嵌合の容易性、加工性、強度などの点を考慮し、使用目的、使用箇所により使い分けることとしても良い。なお、このような突条部及び溝部の形状は、下記第二の実施の形態に係る枠材及び第三の実施の形態に係る枠材にも採用することができる。
【0083】
従って、上記実施の形態によれば、パネル組立体構造の設置現場において、枠組の設置、ユニットパネルの組み付け、当て板の取り付け及びドアの取付けにより、迅速かつ容易にパネル組立体構造の組み立てが行え、また予め組立てられかつ量産化の可能なユニットパネルを用いることで経済性にも優れたパネル組立体構造が得られる。このため、熟練した施工業者などは不要であり、素人であっても僅かな時間でパネル組立体構造の組立が行えることが確認できており、またユニットパネルの生産コスト及び輸送コストを下げた低コスト化の実現が可能である。
【0084】
次に、第二の実施の形態に係るパネル組立体構造について説明する。
図23は、このパネル組立体構造で用いられる3種類の枠材(A,B,C)を示したものである。このパネル組立体構造についても、第一の実施の形態に係るパネル組立体構造と同様、全体が直方体のボックス形状の構造体を構築するものであり、3種類の枠材を用い、これら枠材により矩形状のパネル2を囲んで保持したユニットパネル4を用い、これらユニットパネル4を順に組み立て、互いに嵌合させ必要な箇所を接合したものである。
【0085】
上記3種類の枠材は、同図(a)に示す第一の枠材(A)、同図(b)に示す第二の枠材(B)、同図(c)に示す第三の枠材(C)があり、何れもアルミニウム又はアルミニウム合金の押出成形による中空状の四角筒からなるものである。
【0086】
上記第一の枠材(A)は、断面長方形状の中空の四角筒からなり、一方の平面部102の中央部には長尺方向に溝部10が設けられ、この平面部102の背面側の他の平面部104の中央部にも長尺方向に溝部10が設けられた形状である。また、上記他の平面部104の溝部10の両側にはそれぞれ断面C字状の止着部12,12が設けられている。
【0087】
上記第二の枠材(B)は、断面長方形状の中空の四角筒からなり、一方の平面部106の中央部には長尺方向に突条部8が設けられ、この平面部106の背面側の他の平面部108の中央部には長尺方向に溝部10が設けられた形状である。また、上記平面部106,108の溝部10の両側にはそれぞれ断面C字状の止着部12,12が設けられている。
【0088】
上記第三の枠材(C)は、断面正方形状の中空の四角筒からなり、一方の平面部110の中央部には長尺方向に溝部10が設けられ、この平面部110とは直角向きに隣接する側面部112の中央部には長尺方向に突条部8が設けられている。また、上記平面部110の溝部10の両側にはそれぞれ断面C字状の止着部12,12が設けられ、上記側面部112の突条部8の両側にもそれぞれ断面C字状の止着部12,12が設けられている。
【0089】
これら枠材(A,B,C)同士の突条部8と溝部10との嵌合形態、及び上記押え材28を用いた上記溝部10へのパネル2の嵌め込みの基本的な形態は第一の実施の形態と同様である。また、ここでのユニットパネル4は、パネル組立体構造の正面及び背面については、縦枠として第三の枠材(C)と第一の枠材(A)又は第二の枠材(B)との組み合わせ、横枠は上部、中間部及び下部は全て第一の枠材(A)を用いた形態であり、右側面及び左側面については、縦枠として第一の枠材(A)同士、又は第一の枠材(A)と第二の枠材(B)とを組み合せたものを用いた形態であり、それぞれ上記押え材28を用いてパネル2を装着したものである。
【0090】
このため、パネル組立体構造の側面に用いられるユニットパネル4は、その上部及び下部は第一の枠材(A)による溝部10が設けられた形状である。また、天井面に用いられるユニットパネル4は、第一の実施形態のユニットパネル4と同様、側面のユニットパネルと接する箇所には第三の枠材(C)を用いる。そして、ここでの第三の枠材(C)は下方側には突条部8が向くように配置する。
【0091】
さて、ここでパネル組立体構造を組立てる場合、基本的な組立手順は第一の形態と同様であるが、側面のユニットパネルと天井面のユニットパネル及び枠組37との嵌合形態において、天井面のユニットパネル及び枠組37側を突条部とし、側面のユニットパネルの上部及び下部側を溝部とした点が異なる。先ず、床面に組む枠組37は上面部に突条部8が向くように第三の枠材(C)を配置する。そして、この枠組37の上にユニットパネル4を立設するが、このときには枠組37の突条部8に、ユニットパネル4の下端部に設けた第一の枠材(A)の溝部10を嵌合し接合する。なお、この際には、ユニットパネル4の縦向きの枠材の下端部が当接する部位の上記枠組37の突条部8は、その部位を切除しておくか、或いは上記縦向きの枠材の下端部を切り欠いて上記突条部8が嵌合し得る溝部を設けておく。
【0092】
他のユニットパネル4についても、同様にして上記枠組37の上部に嵌合により立設する。上記立設したユニットパネル4の上部には天井面用のユニットパネル4を配置が、この際、このユニットパネル4を形成する第三の枠材(C)の下部に設けた突条部8と、側面のユニットパネル4の上部に設けた第一の枠材(A)の溝部10とを嵌合し接合する。これ以外の基本的手順は第一の実施の形態と同様であり、ここでの説明は省略する。図24は、このパネル組立体構造の中間部水平断面図を示したものであり、第一の実施の形態とは各枠材の突条部と溝部との嵌合関係が逆になるが、組立体構造の全体の形態は特に変わらない。
【0093】
この実施の形態においても、第一の実施の形態と同様に、パネル組立体構造の設置現場において、枠組の設置、ユニットパネルの組み付け、当て板の取り付け及びドアの取付けにより、迅速かつ容易にパネル組立体構造の組み立てが行え、また予め組立てられかつ量産化の可能なユニットパネルを用いることで経済性にも優れたパネル組立体構造が得られる。
【0094】
次に、第三の実施の形態に係るパネル組立体構造について説明する。
図25は、このパネル組立体構造で用いられる3種類の枠材(A,B,C)を示したものである。このパネル組立体構造についても、第一の実施の形態に係るパネル組立体構造と同様、全体が直方体のボックス形状の構造体を構築するものであり、上記3種類の枠材を用いてパネル2を囲み保持した側面用のユニットパネル、天井面用のユニットパネルを、順に嵌合し接合して組み立てる。
【0095】
上記パネル組立体構造に使用する3種類の枠材は、同図(a)に示す第一の枠材(A)、同図(b)に示す第二の枠材(B)、同図(c)に示す第三の枠材(C)であり、何れもアルミニウム又はアルミニウム合金の押出成形による中空状の四角筒からなるものである。これら枠材は、第一の実施の形態における枠材と比べて突条部8を同一面に2つ併設し、これと併せて両突条部8に対応して溝部10を同一面に2つ併設した形状である点で異なる。また、上記併設された溝部10の両側にはそれぞれ止着部12が形成されている。
【0096】
この形態に係るユニットパネルは、図26に示すように、各枠材の溝部10に押え材28を用いてそれぞれパネル2を装着し、他の箇所、及び他の枠材についても同様にしてパネル2を装着する。このようにユニットパネルにおいて、パネル2を一定間隔をおいて複層に配置しパネル2間に空気層を設ける形態とすることにより、ユニットパネルの断熱効果が高められる。
【0097】
この実施の形態においても、第一の実施の形態と同様に、パネル組立体構造の設置現場において、枠組の設置、ユニットパネルの組み付け、当て板の取り付け及びドアの取付けにより、迅速かつ容易にパネル組立体構造の組み立てが行え、また予め組立てられかつ量産化の可能なユニットパネルを用いることで経済性にも優れたパネル組立体構造が得られる。さらに、この実施の形態においては、パネルを複層に配置したから断熱効果、防音効果に優れたパネル組立体構造が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の実施の形態に係るパネル組立体構造を示す図である。
【図2】第一の実施の形態に係り、(a)は第一の枠材(A)を、(b)は第二の枠材(B)を、(c)は第三の枠材(C)をそれぞれ示す図である。
【図3】実施の形態に係り枠材同士の嵌合状態を示す図である。
【図4】実施の形態に係り枠材にパネルを装着す状態を示す図である。
【図5】実施の形態に係り、第三の枠材(C)に第一の枠材(A)を取付ける状態を示す図である。
【図6】実施の形態に係り、第三の枠材(C)に第二の枠材(B)を、第二の枠材(B)に他の第二の枠材(B)を取付ける状態を示す図である。
【図7】実施の形態に係り、第三の枠材(C)に他の第三の枠材(C)を取付ける状態を示す図である。
【図8】実施の形態に係り、第二の枠材(B)に他の第二の枠材(B)を、第二の枠材(B)に第一の枠材(A)を取付ける状態を示す図である。
【図9】実施の形態に係り、第一の枠材(A)に第二の枠材(B)及び他の第一の枠材(A)を取付ける状態を示す図である。
【図10】実施の形態に係り、第三の枠材(C)に第二の枠材(B)及び第一の枠材(A)を取付ける状態を示す図である。
【図11】実施の形態に係り、第三の枠材(C)及び第一の枠材(A)枠材にパネルを装着す状態を示す図である。
【図12】実施の形態に係り、第三の枠材(C)及び第二の枠材(B)にパネルを装着す状態を示す図である。
【図13】実施の形態に係り、パネル組立体構造の正面に用いられるユニットパネルを示す図(a)(b)(c)である。
【図14】実施の形態に係り、パネル組立体構造の天井面に用いられるユニットパネルを示す図(a)(b)(c)である。
【図15】実施の形態に係り、床面の上に配置される枠組を示す図(a)(b)である。
【図16】実施の形態に係り、アジャスターの取付け形態を示す図(a)(b)である。
【図17】実施の形態に係り、当て板の取付け構造を示す図である。
【図18】実施の形態に係り、押えアングルの取付け構造を示す図である。
【図19】実施の形態に係り、パネル組立体構造の上部近傍の水平断面を示す図である。
【図20】実施の形態に係り、パネル組立体構造の横方向の垂直断面を示す図である。
【図21】実施の形態に係り、パネル組立体構造にドアを設けた形態を示す図である。
【図22】実施の形態に係り、他の形態の突条部、溝部を有する枠材を示す図(a)(b)(c)である。
【図23】第二の実施の形態に係る枠材を示す図(a)(b)(c)である。
【図24】第二の実施の形態に係り、パネル組立体構造の中間部水平断面を示す図である。
【図25】第三の実施の形態に係る枠材を示す図(a)(b)(c)である。
【図26】第三の実施の形態に係り、第三の枠材(C)及び第一の枠材(A)にパネルを装着す状態を示す図である。
【図27】従来例に係る喫煙ルームを示す図である。
【符号の説明】
【0099】
A 枠材(第一の枠材)
B 枠材(第二の枠材)
C 枠材(第三の枠材)
2 パネル
4 ユニットパネル
8 突条部
10 溝部
12 止着部
30 ビス
35 開口部
37 枠組
38 アジャスター
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙ルーム、クリーンブース、避難所ブースなどに採用可能なパネル組立体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、喫煙対策は社会的に重要視され、健康増進法では公共施設、企業、店舗などにおいても受動喫煙を防止するための措置を講ずることが求められている。このため、喫煙ルーム等を設置して分煙対策を行うことが具体策として一般に行われるようになっている。
【0003】
従来、例えば特許文献1には図27に示すように、支柱及び梁によって構成された骨組142の側面に側面パネル144を設けると共に、上面に天井パネル146を設けてなる箱形の構造体で、天井パネル146は排煙用開口部を備え、側面パネル144は下方部に吸気用開口部148を有し、この吸気用開口部から吸引された外気が上記排煙用開口部から排出される喫煙ルーム141が開示されている。この喫煙ルームによれば、ルーム内の煙草の煙を効率よく排出することができ、また排煙用開口部を有した天井パネルや吸気用開口部を有した側面パネルをそれぞれ骨組みに取付けるようにしたので、施工を容易にすることができるというものである。
【0004】
また、特許文献2には、多辺縁パネルの多辺縁又は多辺縁に囲まれた内側の何れか片方及び両方に、ブロックの第1面より延出した突起部、及びブロックの第2、第3、第4面に溝部が設けられた結合システムブロック(枠材)を具備した壁パネルを用いたパネル結合システムの記載があり、これは上記ブロックを用い、これと他のブロックの上記突起部と上記溝部とが密接するようにボルトで締め付けて結合し組立パネルを構成する。この結合システムブロックによれば、簡易、簡便にパネル組立が行えるというものである。
【0005】
特許文献3には、喫煙ブース内の空気を換気する換気手段と、前記喫煙ブース内空気を流入させる空気流入手段とを、前記喫煙ブースの中央を経てほぼ対向する位置に配置した喫煙ブースが開示されている。この喫煙ブースによれば、空気の流れが常に空気流入段から喫煙ブースの中央を経て換気手段に流れ、タバコの煙や臭いを効率的に除去できるというものである。
【0006】
【特許文献1】特開2005−220692公報
【特許文献2】特開2006−37621公報
【特許文献3】特開2005−207078公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
さて、上記特許文献1の喫煙ルームは、柱及び梁を骨組みとし、支柱間を室外側から被うようにして壁面ユニットを固定し、また透明パネルは、側面を支柱に固定しもう一方は反対側の支柱に固定された透明パネルと突合せ、リブを介して互いに固定する構成であるため、施工には多くの労力及び時間を必要とし、コストもかかるという問題がある。
また、特許文献2の結合システムブロックを用いた壁パネルは、このブロック自体にパネルを組み込むことは出来ず、また枠材同士をボルトで締め付ける形態であり、この際緊結金物挿入欠損部からボルトを挿入して締結するため作業性が悪いという問題がある。特許文献3の喫煙ブースは、パーテーション或いは天井カバー、側面カバーからなる簡易な構成であるため、耐久性及び強度に問題がある。
【0008】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、組立て施工が簡単であり、かつ形態が簡素で経済性にも優れたパネル組立体構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の技術的課題を解決するため、本発明に係るパネル組立体構造は、図1等に示すように、床面に、長尺状の上面に長尺方向に溝部10又は突条部8を有する枠組37を方形状に組み、この枠組の上部に、パネル2とこのパネルの周囲四辺に取り付けられる枠材とからなり、下部の枠材には、上記溝部10と嵌合する突条部8又は上記突条部8と嵌合する溝部10が設けられたユニットパネル4を、上記突条部と溝部との嵌合により立設して、組立体の側面の周囲を組み立て、上記側面のユニットパネル4の上部に、パネル2とこのパネルの四辺の周囲に取り付けられる枠材とからなるユニットパネル4を載置して天井面を組み立てる構成である。
【0010】
本発明に係るパネル組立体構造は、上記組立体の側面を形成し隣り合うユニットパネル4は、一方のユニットパネル4の枠材の接合面には長尺方向に溝部10又は突条部8が設けられ、他方のユニットパネル4の枠材には、上記溝部10に嵌合する突条部8又は上記突条部8に嵌合する溝部10が設けられ、これら突条部と溝部との嵌合により両者を接合した構成である。
【0011】
本発明に係るパネル組立体構造は、床面に、長尺状の上面に長尺方向に凹部を有する枠組を方形状に組み、この凹部に、パネル2とこのパネルの周囲四辺に取り付けられる枠材とからなるユニットパネル4を嵌入立設し、このユニットパネル4の左右の側面部にこれと隣接する他のユニットパネル4の枠材の長尺方向に設けられる溝部10又は突条部8とそれぞれ嵌合する突条部8又は溝部10を設け、上記突条部と溝部との嵌合により組立体の側面の周囲を組み立て、上記側面のユニットパネル4の上部に、パネル2とこのパネルの四辺の周囲に取り付けられる枠材とからなるユニットパネル4を載置して天井面を組み立てる構成である。
【0012】
本発明に係るパネル組立体構造は、上記組立体の側面を形成するユニットパネル4の上部の枠材の上面には長尺方向に溝部10又は突条部8が設けられる一方、上記天井面を形成するユニットパネル4の枠材の下面には、上記溝部10に嵌合する突条部8又は上記突条部8に嵌合する溝部10が設けられ、これら突条部と溝部との嵌合により両者を接合した構成である。
【0013】
本発明に係るパネル組立体構造は、上記ユニットパネル4に用いられる上記枠材は、押出し成形により形成されるとともに、中空状の四角筒からなり、一方の平面部に突条部が設けられ、背面側の他方の平面部に溝部が設けられた第一の枠材(A)、中空状の四角筒からなり、一方の平面部と背面側の他方の平面部にそれぞれ溝部が設けられた第二の枠材(B)、及び、中空状の四角筒からなり、一方の平面部とこれと隣接する他方の平面部にそれぞれ溝部が設けられた第三の枠材(C)の内から、二つ以上の種類の枠材を用いて上記ユニットパネルを形成した構成である。
【0014】
本発明に係るパネル組立体構造は、上記ユニットパネル4に用いられる上記枠材は、押出し成形により形成されるとともに、中空状の四角筒からなり、一方の平面部と背面側の他方の平面部にそれぞれ溝部が設けられた第一の枠材(A)、中空状の四角筒からなり、一方の平面部に突条部が設けられ、背面側の他方の平面部に溝部が設けられた第二の枠材(B)、及び、中空状の四角筒からなり、一方の平面部に溝部が設けられ、これと隣接する他方の平面部に突条部が設けられた第三の枠材(C)の内から、二つ以上の種類の枠材を用いて上記ユニットパネルを形成した構成である。
【0015】
本発明に係るパネル組立体構造は、上記ユニットパネル4を形成する各枠材の溝部10のうち、このユニットパネル4の内側に配置される溝部10は上記パネル2の一辺を嵌め込み保持するために用いられ、このユニットパネル4の外側に配置される溝部10は上記枠材の突条部8を嵌入するために用いられる構成である。
【0016】
本発明に係るパネル組立体構造は、上記各枠材において、上記平面部に設けられる上記溝部10を平行な2本の溝部10とする一方、上記平面部に設けられる上記突条部8を、上記2本の溝部10と嵌合可能な2本の突条部8とした構成である。
【0017】
本発明に係るパネル組立体構造は、上記ユニットパネル4の組み立てに際し、一方の枠材及びこれと直角に配置される他方の枠材を、上記一方の枠材に介入したビス30を上記他方の枠材に長手方向に形成された断面C字状の止着部12に螺着して両者を接合した構成である。
【0018】
本発明に係るパネル組立体構造は、床面に敷設される上記枠組の下部に、束を取付けて空気を取り入れる空間部を形成し、上記組立体の側面の一部にドアを設ける一方、上記天井面に空気排出用もしくは空気流入用の開口部35を設けた構成である。
【0019】
本発明に係るパネル組立体構造は、床面に敷設される上記枠組の下部に、キャスターを取付けて移動可能とするとともに空気を取り入れる空間部を形成し、上記組立体の側面の一部にドアを設ける一方、上記天井面に空気排出用もしくは空気流入用の開口部35を設けた構成である。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係るパネル組立体構造によれば、溝部又は突条部を有する枠組の上部に、下部の枠材には、突条部又は溝部が設けられたユニットパネルを嵌合により立設し、上部にユニットパネルを載置して天井面を組み立てた構成としたから、迅速かつ容易にパネル組立体構造の組み立てが行えて施工性に優れ、また経済性にも優れたパネル組立体構造が得られるという効果がある。
【0021】
本発明に係るパネル組立体構造によれば、組立体の側面を形成し隣り合うユニットパネルは、一方のユニットパネルと他方のユニットパネルの枠材同士を突条部と溝部との嵌合により接合した構成を採用したから、迅速かつ容易にパネル組立体構造の組み立てが行えて施工性に優れるという効果がある。
【0022】
本発明に係るパネル組立体構造によれば、長尺方向に凹部を有する枠組の凹部に、ユニットパネルを嵌入立設し、ユニットパネル同士を溝部と突条部の嵌合により接合して組立体の側面の周囲を組み立て、上部にユニットパネルを載置して天井面を組み立てた構成としたから、迅速かつ容易にパネル組立体構造の組み立てが行えて施工性に優れ、また経済性にも優れたパネル組立体構造が得られるという効果がある。
【0023】
本発明に係るパネル組立体構造によれば、組立体の側面を形成するユニットパネルと天井面を形成するユニットパネルとを突条部と溝部との嵌合により接合した構成を採用したから、パネル組立体構造の側面と天井面の各ユニットパネル同士の接合が迅速かつ容易に行えるという効果がある。
【0024】
本発明に係るパネル組立体構造によれば、ユニットパネルに用いられる枠材は、中空状の四角筒からなり、一方に突条部が他方に溝部が設けられた第一の枠材、平面部にそれぞれ溝部が設けられた第二の枠材、及び一方とこれと隣接する他方の平面部にそれぞれ溝部が設けられた第三の枠材を用いてユニットパネルを形成したから、これら3種類の枠材で効果的にパネル組立体構造の各部位におけるユニットパネルが形成でき、またこのようなユニットパネルを工場で大量生産でき、かつ現場においては各部のユニットパネルを組み合わせるのみで簡単かつ迅速にパネル組立体構造が構築できるという効果がある。
【0025】
本発明に係るパネル組立体構造によれば、ユニットパネルに用いられる枠材は、中空状の四角筒からなり、平面部にそれぞれ溝部が設けられた第一の枠材、一方に突条部が他方に溝部が設けられた第二の枠材、及び一方に溝部がこれと隣接する他方に突条部が設けられた第三の枠材の枠材を用いてユニットパネルを形成したから、これら3種類の枠材で効果的にパネル組立体構造の各部位におけるユニットパネルが形成でき、またこのようなユニットパネルを工場で大量生産でき、かつ現場においては各部のユニットパネルを組み合わせるのみで間単かつ迅速にパネル組立体構造が構築できるという効果がある。
【0026】
本発明に係るパネル組立体構造によれば、ユニットパネルの内側の溝部はパネルを嵌め込み保持するため、外側に配置される溝部は第一の枠材の突条部を嵌入するために用いられる構成を採用したから、各枠材が効率的に使用できて部品点数の削減にも寄与するという効果がある。
【0027】
本発明に係るパネル組立体構造によれば、各枠材に2本の溝部或いは2本の突条部を設けたから、断熱効果及び防音効果に優れたパネル組立体構造が得られるという効果がある。
【0028】
本発明に係るパネル組立体構造によれば、ユニットパネルの一方の枠材からビスを用いて他方の枠材の止着部に螺着して両者を接合したから、枠材同士の接合が簡単かつ効果的に行えるという効果がある。
【0029】
本発明に係るパネル組立体構造によれば、枠組の下部に束を取付けて空間部を形成し、組立体にドアを、天井面に通気用の開口部を設けた構成としたから、迅速、容易かつ低コストでパネル組立体構造による喫煙ボックス、クリーンブース等が得られるという効果がある。
【0030】
本発明に係るパネル組立体構造によれば、枠組の下部にキャスターを取付けて空間部を形成し、組立体にドアを、天井面に通気用の開口部を設けた構成としたから、迅速、容易かつ低コストでパネル組立体構造による移動可能な喫煙ボックス、クリーンブース等が得られるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明に係るパネル組立体構造の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、第一の実施の形態に係るパネル組立体構造の説明図である。このパネル組立体構造は、全体が直方体のボックス形状の構造体を構築するものであり、3種類の枠材(A,B,C)を用い、これら枠材により矩形状のパネル2を囲んで保持したユニットパネル4を用い、これらユニットパネル4を順に組み合わせかつ接合したものである。
【0032】
上記パネル組立体に使用する3種類の枠材は、図2(a)に示す第一の枠材(A)、図2(b)に示す第二の枠材(B)、図3(c)に示す第三の枠材(C)であり、何れもアルミニウム又はアルミニウム合金の押出成形による中空状の四角筒からなるものである。なお、これら枠材として、他に合成樹脂材或いは鋼板の成形によるものを用いることができる。
【0033】
上記第一の枠材(A)は、断面長方形の中空状の四角筒からなり、一方の平面部6の中央部には長尺方向に突条部8が設けられ、この平面部6の背面側の他方の平面部7の中央部には長尺方向に溝部10が設けられた形状である。また、上記平面部6の溝部10の両側にはそれぞれ断面C字状の止着部12,12が設けられている。
【0034】
上記第二の枠材(B)は、断面長方形の中空状の四角筒からなり、一方の平面部14の中央部には長尺方向に溝部10が設けられ、この平面部14の背面側の他方の平面部16の中央部にも長尺方向に溝部10が設けられた形状である。また、上記平面部14の溝部10の両側にはそれぞれ断面C字状の止着部12,12が設けられ、上記他方の平面部16の溝部10の両側にもそれぞれ断面C字状の止着部12,12が設けられている。
【0035】
上記第三の枠材(C)は、断面正方形の中空状の四角筒からなり、一方の平面部18とは直角向きに隣接する側面の平面部20には、それぞれ中央部には長尺方向に溝部10が設けられている。また、上記平面部18の溝部10の両側にはそれぞれ断面C字状の止着部12,12が設けられ、上記側面の平面部20の溝部10の両側にもそれぞれ断面C字状の止着部12,12が設けられている。
【0036】
図3は、上記第一の部材(A)の平面部に設けた突条部8と、上記第二の枠材(B)又は上記第三の枠材(C)の平面部に設けた溝部10との嵌合状態を示したものである。上記突条部8には、平面部6から頂部21の近傍部位にかけて山状の斜面部22,22が形成されている。また、上記溝部10には、平面部から溝部の側面24,24の中間部位にかけて斜面部26,26が形成されている。
【0037】
ここで例えば、上記第二の枠材(B)に第一の枠材(A)を接合する場合には、第二の枠材(B)の平面部に設けた溝部10に、第一の部材(A)の平面部に設けた突条部8を嵌入する。このとき、上記溝部10は上記斜面部26,26により嵌入口の幅が拡大されて、上記突条部8の嵌入を容易にしている。一方、突条部8は斜面部22,22により断面が山状に形成されているため、溝部10への嵌入が容易に行え、かつ嵌入途中には上記斜面部22,22、斜面部26,26の相互のガイドにより正確な位置(中央)で両者が嵌合する。
【0038】
また図4に示すように、上記第一の枠材(A)の溝部10、第二の枠材(B)の一方の溝部10、第三の枠材(C)の一方の溝部10は、それぞれパネル2を嵌め込むために用いられる。上記溝部10にパネル2を嵌め込む際には、押え材28を用いる。
【0039】
この押え材28は、硬質ゴムからなり、断面コの字状の長尺部材である。押え材28は、パネル2を保持する凹状の保持部29及び枠材の溝部10と同じ形状の嵌合部27からなる。押え材28は上記溝部10の内壁に密着するように、溝部10の斜面部26,26に対応する嵌合部27は斜面状に形成されている。通常、パネル2の一辺を押え材28の保持部29に嵌めた状態で、この押え材28とともにパネル2を枠材の溝部10に嵌める。このとき、溝部10の斜面部26,26がガイドとなって、押え材28及びパネル2の嵌め込みが容易に行える。
【0040】
図5,6等に示すように、上記枠材(A)(B)(C)を矩形状に組んで、パネル2を装着したユニットパネル4を組立てる。これら枠体(A)(B)(C)は、互いに直角に接合して組み立てられ各接合する箇所はビス30にて固定する。
【0041】
図5は、第三の枠材(C)に、第一の枠材(A)を接合する状態を示したものである。同図に示すように、予め第三の枠材(C)の外側の面部の所定位置に、ビス30の頭部31が通過する孔部32が設けられ、これと対向する内側の面部にビス30のネジ部33のみが挿通可能な止着孔部34が設けられている。そして、第三の枠材(C)の孔部32を通過させたビス30を、止着孔部34に介入させ、直交する第一の枠材(A)の止着部12に螺入する。隣接する他の止着部12についても、同様にしてビス30を螺設し、第三の枠材(C)に第一の枠材(A)を接合し固定する。
【0042】
図6は、第三の枠材(C)に、第二の枠材(B)を接合し、さらにこの第二の枠材(B)に他の第二の枠材(B)を接合する状態を示したものである。同図に示すように、予め第三の枠材(C)の外側の面部の所定位置に、ビス30が通過する孔部32が設けられ、これと対向する内側の面部にビス30のネジ部33のみが挿通可能な止着孔部34が設けられている。
【0043】
そして、第三の枠材(C)の孔部32を通過させたビス30を、止着孔部34に介入させ、直交する第二の枠材(B)の止着部12に螺入する。隣接する他の止着部12についても、同様にしてビス30を螺設し、第三の枠材(C)に第二の枠材(B)を接合する。第二の枠材(B)に、これと直交する他の第二の枠材(B)を接合する場合についても、第二の枠材(B)の孔部32を通過させたビス30を、止着孔部34に介入させ、直交する他の第二の枠材(B)の止着部12に螺入する。他の止着部12についても、同様にしてビス30を螺設し、第二の枠材(B)に他の第二の枠材(B)を接合する。
【0044】
図7は、第三の枠材(C)に、他の第三の枠材(C)を接合する状態を示したものである。この場合も、第三の枠材(C)の孔部32を通過させたビス30を、止着孔部34に介入させ、直交する他の第三の枠材(C)の止着部12に螺入する。
【0045】
図8は、第二の枠材(B)に、第一の枠材(A)及び他の第二の枠材(B)を接合する状態を示したものである。同図に示すように、予め第二の枠材(B)の外側の面部の所定位置に、ビス30の頭部31が通過する孔部32が設けられ、これと対向する内側の面部にビス30のネジ部33のみが挿通可能な止着孔部34が設けられている。そして、第二の枠材(B)の孔部32を通過させたビス30を、止着孔部34に介入させ、直交する第一の枠材(A)の止着部12に螺入する。
【0046】
第二の枠材(B)に、これと直交する他の第二の枠材(B)を接合する場合についても、第二の枠材(B)の孔部32を通過させたビス30を、止着孔部34に介入させ、直交する他の第二の枠材(B)の止着部12に螺入する。他の止着部12についても、同様にしてビス30を螺設し、第二の枠材(B)に他の第二の枠材(B)を接合する。
【0047】
図9は、第一の枠材(A)に、他の第一の枠材(A)及び第二の枠材(B)を接合する状態を示したものである。この場合も、第一の枠材(A)の孔部32を通過させたビス30を、止着孔部34に介入させ、直交する他の第一の枠材(A)の止着部12に螺入する。第一の枠材(A)に、これと直交する第二の枠材(B)を接合する場合についても、同様にしてビス30を螺設し、第一の枠材(A)に第二の枠材(B)を接合する。
【0048】
図10は、第三の枠材(C)に、第一の枠材(A)及び第二の枠材(B)を接合する状態を示したものである。同図に示すように、予め第三の枠材(C)の外側の面部の所定位置に、ビス30の頭部31が通過する孔部32が設けられ、これと対向する内側の面部にビス30のネジ部33のみが挿通可能な止着孔部34が設けられている。そして、第三の枠材(C)の孔部32を通過させたビス30を、止着孔部34に介入させ、直交する第一の枠材(A)の止着部12に螺入する。
【0049】
第三の枠材(C)に、これと直交する第二の枠材(B)を接合する場合についても、第三の枠材(C)の孔部32を通過させたビス30を、止着孔部34に介入させ、直交する第二の枠材(B)の止着部12に螺入する。上記、第一の枠材(A)、第二の枠材(B)及び第三の枠材(C)の3種類の枠材、又はこれらの内の2種類の枠材を用いて、パネル2を装着した矩形状のユニットパネル4を組立てる。
【0050】
図11は、第三の枠材(C)に第一の枠材(A)を取り付け、これに押え材28を介してパネル2を取り付ける状態を示したものである。通常、パネル2の各辺に押え材28を嵌め込み、このパネル2を押え材28とともに、第一の枠材(A)及び第三の枠材(C)の各溝部10に嵌入する。
【0051】
図12は、第三の枠材(C)に第二の枠材(B)を取り付け、これに押え材28を介してパネル2を取り付ける状態を示したものである。パネル2の各辺に押え材28を嵌め込み、このパネル2を押え材28とともに、第一の枠材(A)及び第三の枠材(C)の各溝部10に嵌入する。そして、上記パネル2の周囲を上記各枠体で囲んで所定のユニットパネル4を組立てる。
【0052】
図1に示すパネル組立体構造は、上記ユニットパネル4を組み合わせて組立てられる。これらユニットパネル4を構成する枠材の形態は、パネル組立体構造における側面、天井面など使用される面により異なり、また同じ側面或いは天井面においても位置により異なる。パネル組立体構造の組立てに際しては、組立体の側面として正面部、背面部、右側面及び左側面用のユニットパネル4、及び天井面用のユニットパネル4をそれぞれ用いる。通常、上記ユニットパネル4は工場で組み立て加工され、現場ではこれらユニットパネル4を組み合わせてパネル組立体構造のボックスを構築する。
【0053】
図13(a)(b)(c)は、パネル組立体構造の正面部に用いられるユニットパネル4を配置の順に示したものである。このうち、図13(a)(c)のユニットパネル4は、第一の枠材(A)、第二の枠材(B)及び第三の枠材(C)の3種類の枠材を用いた形態であり、図13(b)のユニットパネル4は第一の枠材(A)及び第二の枠材(B)の2種類の枠材を用いた形態である。何れのユニットパネル4についても、パネル2が嵌め込まれており、中間に横向きに設けられる第二の枠材(B)の上部と下部では種類の異なるパネル2、例えば上部には透明のパネル2を下部には白色に着色したパネル2等を装着することができる。
【0054】
ここでの第一の枠材(A)は、隣接するユニットパネル4との接合のために用いられる。第二の枠材(B)は、隣接するユニットパネル4との接合のため、及びパネル2同士の間に介在させるために用いられる。また、第三の枠材(C)はパネル組立体構造の角部に用いられる。他のユニットパネル4などについても、図1にA、B、Cで示される枠材を用いて組立てられる。
【0055】
図14(a)(b)(c)は、パネル組立体構造の天井面に用いられるユニットパネル4を配置の順に示したものである。何れの枠体についても、第一の枠材(A)、第二の枠材(B)及び第三の枠材(C)の3種類又は2種類の枠材を用いた形態である。このように、第一の枠材(A)は、隣接するユニットパネル4との接合のために用いられる。第二の枠材(B)は、隣接するユニットパネル4との接合のため、及びパネル2同士の間に介在させるために用いられる。また、第三の枠材(C)はパネル組立体構造の周囲の箇所に用いられる。
【0056】
上記何れのユニットパネル4についても、パネル2が嵌め込まれており例えば白色に着色したパネル2等を装着することができる。但し、天井面の中央に用いられるユニットパネル4の中央部には、横に平行に配置された2本の第二の枠材(B)及びこれら枠材間に縦に平行に配置された2本の第二の枠材(B)により矩形状の開口部35が形成されている。この開口部35は、内部の空気排出用或いは外部からの空気流入用の通気口として用いられる。
【0057】
上記パネル組立体構造は、側面として正面、背面、右側面、左側面及び天井面の5面からなっており、上記ユニットパネル4の枠組みに用いられる枠材の形態も上記各面毎に異なる。このパネル組立体構造は、基本的にはユニットパネル4同士を、突条部8と溝部10との嵌合により同一面方向及び直角方向に接合して組み立てる。下端部は、下記アジャスター38を取付ける関係で、第三の枠材(C)による枠組37を用いているが、この枠組み37と上部に配置されるユニットパネル4とは、突条部8と溝部10との嵌合により接続する形態としている。そして、嵌合のみでは外れる可能性のある接合箇所については、下記当て板68を取付けて固定する。
【0058】
さて、上記パネル組立体構造を組立てる場合には、図15(a)(b)に示すように、先ず、床面の上に第三の枠材(C)をコの字状に連結した枠組37を組む。この枠組37は2つ用い、両者を向かい合わせに配置し、一方の端部同士は接続し、他方の端部間は下記ドア81の設置のために所定の間隔を開けておく。この場合も、上述した方法によりビス30を用いて第三の枠材(C)同士を直角に接続する。またこの実施の形態では、上記第三の枠材(C)は、上部に溝部10が向けられるように配置する。
【0059】
上記枠組37の下部のコーナー部及び端部にアジャスター38を取り付ける。
図16は、上記アジャスター38の取付け形態を示すものである。このアジャスター38は、ゴム等の弾性材からなる台座40、この台座40にナット45で固定され立設された支持ボルト42及びこの支持ボルト42に螺着されるナット44,44を有する。
【0060】
図16(a)は上記アジャスター38の第一の取付け形態を示すものであり、この場合、一対の上部及び下部補助具50,51が用いられ、それぞれ断面コの字形状で中央部に孔部52,53が設けられている。上部補助具50の平面部の四隅部にはそれぞれ孔部54が設けられ、またフランジ部には螺子孔56が設けられている。下部補助具51のフランジ部には、孔部58が設けられている。
【0061】
上記上部補助具50を取付ける第三の枠材(C)の下面部には挿通孔部59が、またこの周辺の該当箇所には螺子孔60が設けられており、上部補助具50の孔部54から介入したビス55を上記螺子孔60に螺着して上部補助具50を固定する。そして、この上部補助具50の下方から下部補助具51を、フランジ部を上部にして両者のフランジ部同士を重ね、ビス55を下部補助具51の孔部58から介入し、上部補助具50の螺子孔56に螺着して下部補助具51を固定する。
【0062】
そして、下部補助具51と上部補助具50との間にナット44を介在させ、下部補助具51の孔部53の下方からアジャスター38の支持ボルト42を介入し、上記ナット44に螺入して上記挿通孔部59を挿通させ、所定の位置で下部補助具51の下方から別のナット44を締結して固定する。アジャスター38の高さはナット44,44を調整して変えることができる。
【0063】
このアジャスター38により、パネル組立体構造の下部と床面との間に、空気の取り入れなどが行える空間部が形成される。上記アジャスター38を取り付けた後、第三の枠材(C)の端部の開口部46は、小口フタ48を用いて閉塞する。この小口フタ48は、介在させたビス49を第三の枠材(C)の止着部12に螺着して固定する。なお、上記アジャスター38に代えてキャスターを取付けてもよく、この場合にはパネル組立体構造の移動が自在となる。
【0064】
図16(b)は、アジャスター38の第二の取付け形態を示すものであり、アジャスター38の取付けに際しては、断面ハット形状で中央部に孔部61が設けられた補助具62を用いる。上記補助具62のフランジ部にはそれぞれ螺子孔64が設けられている。上記補助具62は、上記第三の枠材(C)の下面部の内側に取り付けられる。この第三の枠材(C)の下面部の該当箇所には挿通孔部65が、またこの周辺の所定位置には孔部66が設けられ、この下面部の外側からビス55を上記螺子孔64に螺着し固定する。さらに、上記補助具62と第三の枠材(C)の下面部との間にナット44を回転不能に介在させる。
【0065】
そして、第三の枠材(C)の下面部の下方からアジャスター38の支持ボルト42を介入し上記ナット44に螺入して上記挿通孔部65を挿通させ、所定の位置で下面部の下方から別のナット44を締結して固定する。アジャスター38の高さはナット44,44を調整して変えることができる。このアジャスター38により、パネル組立体構造の下部と床面との間に、空気の取り入れなどが行える空間部が形成される。上記アジャスター38を取り付けた後、第三の枠材(C)の端部の開口部46は、小口フタ48を用いて閉塞する。上記第三の枠材(C)をコの字状に連結した枠体同士は、後述する当て板68を用いて連結する。
【0066】
次に、上記枠組37の上にユニットパネル4を組立てるが、上記パネル組立体構造を効率的に組立てるためには、正面からみて左側部、中央部、右側部と3つに分割した場合、一方側から例えば右側部、中央部、左側部の順に組み立てる。この右側部については、正面、右側面、背面、天井面の順にユニットパネル4を組立てる。
【0067】
先ず、上記枠組37の第三の枠材(C)の上部の溝部10に、正面用のユニットパネル4の下端部に設けられた第一の枠材(A)の突条部8を嵌合してユニットパネル4を立設する。上記枠組37のコーナー部は、上記ユニットパネル4とは直角に右側面用のユニットパネル4を配置する。これら両ユニットパネル4の枠体同士の縦方向の結合部は、一方には第三の枠材(C)が配置され、他方はこの第三の枠材(C)の溝部10に対して突条部8が向い合う状態に第一の枠材(A)が配置され、これら両者を嵌合し接合する。
【0068】
さらに、このユニットパネル4に連続して他のユニットパネル4を取り付け、続いてこれと直角に背面のユニットパネル4を取り付ける。そして、天井面用のユニットパネル4を上記側面用のユニットパネル4の上部に載置し、このユニットパネル4を構成する第三の枠材(C)の溝部10を、側面用の各ユニットパネル4の上部に設けられる第一の枠材(A)の突条部8に嵌合し接合する。これら各ユニットパネル4は、嵌合構造により組み立てる形態であるため、組み立て途中にユニットパネルを立設した状態においても仮固定がされるため安定がよく、一人の作業員でも楽にかつ簡単に組み立てが行える。
【0069】
次に、パネル組立体構造の中央部を組立てる。この場合は、上記正面用のユニットパネル4に他のユニットパネル4を連続して取り付け、また背面用のユニットパネル4に他のユニットパネル4を連続して取り付け、これらの上部に天井面用のユニットパネル4を取付ける。そして、パネル組立体構造の正面及び背面において、当て板68を用いてユニットパネル4同士を接続する。
【0070】
上記当て板68は、図17に示すように、長方形状の基部70の上下端部からそれぞれフランジ部72,73が屈曲形成され、下部側のフランジ部73は中央部の近傍を凹状に切り欠いた凹部74が形成されている。また、上記基部70の上部の左右両側にはそれぞれ2つの孔部76が設けられている。
【0071】
この当て板68は、天井面用のユニットパネル4同士及び正面用のユニットパネル4同士の接合部に用いる。そして、当て板68の上下のフランジ部72,73でユニットパネル4を構成する第三の枠材(C)及びこの下部に位置するユニットパネル4の第一の枠材(A)を合わせて挟む。これと併せて、正面用のユニットパネル4同士の接合部に位置する縦向きの第一の枠材(A)と第二の枠材(B)を当て板68の凹部74で挟んで両枠材同士を保持固定する。
【0072】
そして、各ユニットパネル4の第三の枠材(C)同士の間を当て板68で被い、基板の左右に設けられる孔部76にそれぞれボルト78を挿通し、この第三の枠材(C)に設けた孔部79を挿通させて裏面側でナット77を締結して固定する。これにより、1個の当て板68で、天井面用のユニットパネル4同士、及び正面用のユニットパネル4同士を接合し固定する。同様に当て板68を用い、天井面用のユニットパネル4同士、及び背面用のユニットパネル4同士を接合する。なお、上記当て板68は、上記形状に限られるものではなく、要は左右のユニットパネル同士を、少なくとも2本の止着具で固定可能な形態の板材であれば適用できる。また、当て板はユニットパネルの内側に取り付ける形態であっても良い。
【0073】
図18は、上記当て板68に代えて、ユニットパネル4同士を固定する押えアングル69を示したものである。この押えアングル69は、断面L字状の長尺材で一端部は直角に屈曲した保持部67が形成されている。押えアングル69は、パネル組立体構造の正面側の中間部から端部にかけて端部を保持部67で押えた状態で配置し、天井面のユニットパネル4の第三の枠材(C)に、押えアングル69の所定の箇所をボルト80等の止着具を用いて取り付ける。
【0074】
続いて、パネル組立体構造の左側部を組立てる。この場合は、上記右側部と略同様な手順で組立てる。また、上記と同様に当て板68或いは押えアングル69を用いてユニットパネル4同士を接合する。パネル組立体構造の角部には、必要によりL字形の当て板を取り付けるが、この当て板は補強のために用いられる。
【0075】
図19は、上記パネル組立体構造の上部近傍の水平断面図を示したものである。このようにユニットパネル4同士の接合部は、第一の枠材(A)の突条部8と第二の枠材(B)の溝部10との組合せ、又は第一の枠材(A)の突条部8と第三の枠材(C)の溝部10との組み合わせによる嵌合構造により接続される。
【0076】
図20は、上記パネル組立体構造の横方向垂直断面図を示したものである。このようにユニットパネル4同士の接合部は、第一の枠材(A)の突条部8と第二の枠材(B)の溝部10との組合せ、又は第一の枠材(A)の突条部8と第三の枠材(C)の溝部10との組み合わせによる嵌合構造により接続される。また、同一ユニットパネル4の中間部には、上部と下部のパネル2とを接合する第二の枠材(B)が配置されている。また、パネル組立体構造の下端部には、枠組37を構成する第三の枠材(C)にアジャスター38が取付けられている。
【0077】
図21(a)(b)は、パネル組立体構造の背面の中央に設けたユニットパネル4(パネル2の未装着箇所)の枠材の内側に、ドア81を設けた場合の形態を示したものである。このユニットパネル4は、図1に示すように上部近傍の第二の枠材(B)の下部はパネル2が取付けられてなく、また下端部には枠材のない形態である。なお、このユニットパネル4は、所定の当て板を用いて左右のユニットパネル4及び枠組37に固定する。
【0078】
上記ドア81については、上記第二の枠材(B)のみを用いて、上記ユニットパネル4と同様に押え材28とパネル2を装着したドア用のユニットパネルにより形成される。このドア81は、前面及び裏面の所定位置に取っ手84,85をそれぞれ取り付ける。このドア81用のユニットパネルは、一方の側部の上下にそれぞれ上記ユニットパネル4と開閉可能に連結する蝶番86を取付け、他方の側部にはストッパー88を取付ける。
【0079】
上記パネル組立体構造は、ユニットパネル同士の嵌合により組み立てが行え、当て板により必要な箇所を補強接合するのみで簡単に固定が行える。また、このパネル組立体構造は、簡易に組み立て及び解体が行えるものであり、当て板などの部材は、必要最小の箇所にのみ取り付けるようにすることで作業の簡単化が図れる。
なお、上記枠組37としてH形鋼を用い、この凹状の部位を上向きに配置して枠組みを構成し、この凹部にユニットパネルの下部を嵌入立設させる形態、或いは長尺方向に凹部を有する形態の長尺材により上記枠組みを構成することもできる。
【0080】
上記パネル組立体構造は、例えば喫煙ルーム、クリーンブース、避難所ブースなどの簡易ルームとして主に屋内に用いることができる。企業や公共施設などで喫煙ルームとして使用する場合には、天井面中央のユニットパネル4等に空気排出用の開口部35を設けてここにシロッコファンなどの送風機を取付け、排気ダクトを経由させ、換気扇等を介して建物等の外部にたばこの煙を排出する。このとき、喫煙ルーム内には、上記アジャスター38によってユニットパネル4の下端部と床面との間には適度の空気取り入れ用の隙間が形成されており、この空間部から新しい空気が取り込まれる。またクリーンブースとして使用する場合には、天井面の開口部35を空気流入口として利用し、ここにHEPAフィルター(防塵フィルター)などが取り付けられた空気清浄機を取り付け、ブースの室内にきれいな空気を取り込むこともできる。
【0081】
このパネル組立体構造の移動或いは撤去などにより、これを解体する場合には、上記組立てる手順とは逆の手順により作業を行う。先ず、ドア81及び当て板68などを取り外し、ユニットパネル4を天井面、側面の順に取り外し、枠組37を解体する。これら取り外した個々のユニットパネル4は、解体しないでそのまま保管管理することができる。新たに別の箇所にパネル組立体構造を設置する場合には、床面に枠組37を組み、上記取り外したユニットパネルを用いて、上記説明した順に組み立てを行う。
【0082】
図22(a)(b)(c)は、上記第一の枠材(A)の他の形態を示したものである。これら枠材は、第一の枠材(A)と比べて突条部及び溝部の形状が異なる。同図(a)は、突条部及び溝部にそれぞれ段部を設けた形状、同図(b)は、突条部及び溝部にそれぞれ段部を設け、突条部の頂部及び該当する溝部を半円状に形成した形状、同図(c)は突条部の頂部及び該当する溝部を半円状に形成した形状である。第二の枠材(B)及び第三の枠材(C)の突条部及び溝部についても、それぞれ上記と同様な形状に形成される。上記突条部及び溝部の形状は、嵌合の容易性、加工性、強度などの点を考慮し、使用目的、使用箇所により使い分けることとしても良い。なお、このような突条部及び溝部の形状は、下記第二の実施の形態に係る枠材及び第三の実施の形態に係る枠材にも採用することができる。
【0083】
従って、上記実施の形態によれば、パネル組立体構造の設置現場において、枠組の設置、ユニットパネルの組み付け、当て板の取り付け及びドアの取付けにより、迅速かつ容易にパネル組立体構造の組み立てが行え、また予め組立てられかつ量産化の可能なユニットパネルを用いることで経済性にも優れたパネル組立体構造が得られる。このため、熟練した施工業者などは不要であり、素人であっても僅かな時間でパネル組立体構造の組立が行えることが確認できており、またユニットパネルの生産コスト及び輸送コストを下げた低コスト化の実現が可能である。
【0084】
次に、第二の実施の形態に係るパネル組立体構造について説明する。
図23は、このパネル組立体構造で用いられる3種類の枠材(A,B,C)を示したものである。このパネル組立体構造についても、第一の実施の形態に係るパネル組立体構造と同様、全体が直方体のボックス形状の構造体を構築するものであり、3種類の枠材を用い、これら枠材により矩形状のパネル2を囲んで保持したユニットパネル4を用い、これらユニットパネル4を順に組み立て、互いに嵌合させ必要な箇所を接合したものである。
【0085】
上記3種類の枠材は、同図(a)に示す第一の枠材(A)、同図(b)に示す第二の枠材(B)、同図(c)に示す第三の枠材(C)があり、何れもアルミニウム又はアルミニウム合金の押出成形による中空状の四角筒からなるものである。
【0086】
上記第一の枠材(A)は、断面長方形状の中空の四角筒からなり、一方の平面部102の中央部には長尺方向に溝部10が設けられ、この平面部102の背面側の他の平面部104の中央部にも長尺方向に溝部10が設けられた形状である。また、上記他の平面部104の溝部10の両側にはそれぞれ断面C字状の止着部12,12が設けられている。
【0087】
上記第二の枠材(B)は、断面長方形状の中空の四角筒からなり、一方の平面部106の中央部には長尺方向に突条部8が設けられ、この平面部106の背面側の他の平面部108の中央部には長尺方向に溝部10が設けられた形状である。また、上記平面部106,108の溝部10の両側にはそれぞれ断面C字状の止着部12,12が設けられている。
【0088】
上記第三の枠材(C)は、断面正方形状の中空の四角筒からなり、一方の平面部110の中央部には長尺方向に溝部10が設けられ、この平面部110とは直角向きに隣接する側面部112の中央部には長尺方向に突条部8が設けられている。また、上記平面部110の溝部10の両側にはそれぞれ断面C字状の止着部12,12が設けられ、上記側面部112の突条部8の両側にもそれぞれ断面C字状の止着部12,12が設けられている。
【0089】
これら枠材(A,B,C)同士の突条部8と溝部10との嵌合形態、及び上記押え材28を用いた上記溝部10へのパネル2の嵌め込みの基本的な形態は第一の実施の形態と同様である。また、ここでのユニットパネル4は、パネル組立体構造の正面及び背面については、縦枠として第三の枠材(C)と第一の枠材(A)又は第二の枠材(B)との組み合わせ、横枠は上部、中間部及び下部は全て第一の枠材(A)を用いた形態であり、右側面及び左側面については、縦枠として第一の枠材(A)同士、又は第一の枠材(A)と第二の枠材(B)とを組み合せたものを用いた形態であり、それぞれ上記押え材28を用いてパネル2を装着したものである。
【0090】
このため、パネル組立体構造の側面に用いられるユニットパネル4は、その上部及び下部は第一の枠材(A)による溝部10が設けられた形状である。また、天井面に用いられるユニットパネル4は、第一の実施形態のユニットパネル4と同様、側面のユニットパネルと接する箇所には第三の枠材(C)を用いる。そして、ここでの第三の枠材(C)は下方側には突条部8が向くように配置する。
【0091】
さて、ここでパネル組立体構造を組立てる場合、基本的な組立手順は第一の形態と同様であるが、側面のユニットパネルと天井面のユニットパネル及び枠組37との嵌合形態において、天井面のユニットパネル及び枠組37側を突条部とし、側面のユニットパネルの上部及び下部側を溝部とした点が異なる。先ず、床面に組む枠組37は上面部に突条部8が向くように第三の枠材(C)を配置する。そして、この枠組37の上にユニットパネル4を立設するが、このときには枠組37の突条部8に、ユニットパネル4の下端部に設けた第一の枠材(A)の溝部10を嵌合し接合する。なお、この際には、ユニットパネル4の縦向きの枠材の下端部が当接する部位の上記枠組37の突条部8は、その部位を切除しておくか、或いは上記縦向きの枠材の下端部を切り欠いて上記突条部8が嵌合し得る溝部を設けておく。
【0092】
他のユニットパネル4についても、同様にして上記枠組37の上部に嵌合により立設する。上記立設したユニットパネル4の上部には天井面用のユニットパネル4を配置が、この際、このユニットパネル4を形成する第三の枠材(C)の下部に設けた突条部8と、側面のユニットパネル4の上部に設けた第一の枠材(A)の溝部10とを嵌合し接合する。これ以外の基本的手順は第一の実施の形態と同様であり、ここでの説明は省略する。図24は、このパネル組立体構造の中間部水平断面図を示したものであり、第一の実施の形態とは各枠材の突条部と溝部との嵌合関係が逆になるが、組立体構造の全体の形態は特に変わらない。
【0093】
この実施の形態においても、第一の実施の形態と同様に、パネル組立体構造の設置現場において、枠組の設置、ユニットパネルの組み付け、当て板の取り付け及びドアの取付けにより、迅速かつ容易にパネル組立体構造の組み立てが行え、また予め組立てられかつ量産化の可能なユニットパネルを用いることで経済性にも優れたパネル組立体構造が得られる。
【0094】
次に、第三の実施の形態に係るパネル組立体構造について説明する。
図25は、このパネル組立体構造で用いられる3種類の枠材(A,B,C)を示したものである。このパネル組立体構造についても、第一の実施の形態に係るパネル組立体構造と同様、全体が直方体のボックス形状の構造体を構築するものであり、上記3種類の枠材を用いてパネル2を囲み保持した側面用のユニットパネル、天井面用のユニットパネルを、順に嵌合し接合して組み立てる。
【0095】
上記パネル組立体構造に使用する3種類の枠材は、同図(a)に示す第一の枠材(A)、同図(b)に示す第二の枠材(B)、同図(c)に示す第三の枠材(C)であり、何れもアルミニウム又はアルミニウム合金の押出成形による中空状の四角筒からなるものである。これら枠材は、第一の実施の形態における枠材と比べて突条部8を同一面に2つ併設し、これと併せて両突条部8に対応して溝部10を同一面に2つ併設した形状である点で異なる。また、上記併設された溝部10の両側にはそれぞれ止着部12が形成されている。
【0096】
この形態に係るユニットパネルは、図26に示すように、各枠材の溝部10に押え材28を用いてそれぞれパネル2を装着し、他の箇所、及び他の枠材についても同様にしてパネル2を装着する。このようにユニットパネルにおいて、パネル2を一定間隔をおいて複層に配置しパネル2間に空気層を設ける形態とすることにより、ユニットパネルの断熱効果が高められる。
【0097】
この実施の形態においても、第一の実施の形態と同様に、パネル組立体構造の設置現場において、枠組の設置、ユニットパネルの組み付け、当て板の取り付け及びドアの取付けにより、迅速かつ容易にパネル組立体構造の組み立てが行え、また予め組立てられかつ量産化の可能なユニットパネルを用いることで経済性にも優れたパネル組立体構造が得られる。さらに、この実施の形態においては、パネルを複層に配置したから断熱効果、防音効果に優れたパネル組立体構造が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の実施の形態に係るパネル組立体構造を示す図である。
【図2】第一の実施の形態に係り、(a)は第一の枠材(A)を、(b)は第二の枠材(B)を、(c)は第三の枠材(C)をそれぞれ示す図である。
【図3】実施の形態に係り枠材同士の嵌合状態を示す図である。
【図4】実施の形態に係り枠材にパネルを装着す状態を示す図である。
【図5】実施の形態に係り、第三の枠材(C)に第一の枠材(A)を取付ける状態を示す図である。
【図6】実施の形態に係り、第三の枠材(C)に第二の枠材(B)を、第二の枠材(B)に他の第二の枠材(B)を取付ける状態を示す図である。
【図7】実施の形態に係り、第三の枠材(C)に他の第三の枠材(C)を取付ける状態を示す図である。
【図8】実施の形態に係り、第二の枠材(B)に他の第二の枠材(B)を、第二の枠材(B)に第一の枠材(A)を取付ける状態を示す図である。
【図9】実施の形態に係り、第一の枠材(A)に第二の枠材(B)及び他の第一の枠材(A)を取付ける状態を示す図である。
【図10】実施の形態に係り、第三の枠材(C)に第二の枠材(B)及び第一の枠材(A)を取付ける状態を示す図である。
【図11】実施の形態に係り、第三の枠材(C)及び第一の枠材(A)枠材にパネルを装着す状態を示す図である。
【図12】実施の形態に係り、第三の枠材(C)及び第二の枠材(B)にパネルを装着す状態を示す図である。
【図13】実施の形態に係り、パネル組立体構造の正面に用いられるユニットパネルを示す図(a)(b)(c)である。
【図14】実施の形態に係り、パネル組立体構造の天井面に用いられるユニットパネルを示す図(a)(b)(c)である。
【図15】実施の形態に係り、床面の上に配置される枠組を示す図(a)(b)である。
【図16】実施の形態に係り、アジャスターの取付け形態を示す図(a)(b)である。
【図17】実施の形態に係り、当て板の取付け構造を示す図である。
【図18】実施の形態に係り、押えアングルの取付け構造を示す図である。
【図19】実施の形態に係り、パネル組立体構造の上部近傍の水平断面を示す図である。
【図20】実施の形態に係り、パネル組立体構造の横方向の垂直断面を示す図である。
【図21】実施の形態に係り、パネル組立体構造にドアを設けた形態を示す図である。
【図22】実施の形態に係り、他の形態の突条部、溝部を有する枠材を示す図(a)(b)(c)である。
【図23】第二の実施の形態に係る枠材を示す図(a)(b)(c)である。
【図24】第二の実施の形態に係り、パネル組立体構造の中間部水平断面を示す図である。
【図25】第三の実施の形態に係る枠材を示す図(a)(b)(c)である。
【図26】第三の実施の形態に係り、第三の枠材(C)及び第一の枠材(A)にパネルを装着す状態を示す図である。
【図27】従来例に係る喫煙ルームを示す図である。
【符号の説明】
【0099】
A 枠材(第一の枠材)
B 枠材(第二の枠材)
C 枠材(第三の枠材)
2 パネル
4 ユニットパネル
8 突条部
10 溝部
12 止着部
30 ビス
35 開口部
37 枠組
38 アジャスター
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面に、長尺状の上面に長尺方向に溝部又は突条部を有する枠組を方形状に組み、この枠組の上部に、パネルとこのパネルの周囲四辺に取り付けられる枠材とからなり、下部の枠材には、上記溝部と嵌合する突条部又は上記突条部と嵌合する溝部が設けられたユニットパネルを、上記突条部と溝部との嵌合により立設して、組立体の側面の周囲を組み立て、
上記側面のユニットパネルの上部に、パネルとこのパネルの四辺の周囲に取り付けられる枠材とからなるユニットパネルを載置して天井面を組み立てることを特徴とするパネル組立体構造。
【請求項2】
上記組立体の側面を形成し隣り合うユニットパネルは、一方のユニットパネルの枠材の接合面には長尺方向に溝部又は突条部が設けられ、他方のユニットパネルの枠材には、上記溝部に嵌合する突条部又は上記突条部に嵌合する溝部が設けられ、これら突条部と溝部との嵌合により両者を接合したことを特徴とする請求項1記載のパネル組立体構造。
【請求項3】
床面に、長尺状の上面に長尺方向に凹部を有する枠組を方形状に組み、この凹部に、パネルとこのパネルの周囲四辺に取り付けられる枠材とからなるユニットパネルを嵌入立設し、このユニットパネルの左右の側面部にこれと隣接する他のユニットパネルの枠材の長尺方向に設けられる溝部又は突条部とそれぞれ嵌合する突条部又は溝部を設け、上記突条部と溝部との嵌合により組立体の側面の周囲を組み立て、
上記側面のユニットパネルの上部に、パネルとこのパネルの四辺の周囲に取り付けられる枠材とからなるユニットパネルを載置して天井面を組み立てることを特徴とするパネル組立体構造。
【請求項4】
上記組立体の側面を形成するユニットパネルの上部の枠材の上面には長尺方向に溝部又は突条部が設けられる一方、上記天井面を形成するユニットパネルの枠材の下面には、上記溝部に嵌合する突条部又は上記突条部に嵌合する溝部が設けられ、これら突条部と溝部との嵌合により両者を接合したことを特徴とする請求項1,2又は3記載のパネル組立体構造。
【請求項5】
上記ユニットパネルに用いられる上記枠材は、押出し成形により形成されるとともに、中空状の四角筒からなり、一方の平面部に突条部が設けられ、背面側の他方の平面部に溝部が設けられた第一の枠材、中空状の四角筒からなり、一方の平面部と背面側の他方の平面部にそれぞれ溝部が設けられた第二の枠材、及び、中空状の四角筒からなり、一方の平面部とこれと隣接する他方の平面部にそれぞれ溝部が設けられた第三の枠材の内から、二つ以上の種類の枠材を用いて上記ユニットパネルを形成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のパネル組立体構造。
【請求項6】
上記ユニットパネルに用いられる上記枠材は、押出し成形により形成されるとともに、中空状の四角筒からなり、一方の平面部と背面側の他方の平面部にそれぞれ溝部が設けられた第一の枠材、中空状の四角筒からなり、一方の平面部に突条部が設けられ、背面側の他方の平面部に溝部が設けられた第二の枠材、及び、中空状の四角筒からなり、一方の平面部に溝部が設けられ、これと隣接する他方の平面部に突条部が設けられた第三の枠材の内から、二つ以上の種類の枠材を用いて上記ユニットパネルを形成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のパネル組立体構造。
【請求項7】
上記ユニットパネルを形成する各枠材の溝部のうち、このユニットパネルの内側に配置される溝部は上記パネルの一辺を嵌め込み保持するために用いられ、このユニットパネルの外側に配置される溝部は上記枠材の突条部を嵌入するために用いられることを特徴とする請求項5又は6に記載のパネル組立体構造。
【請求項8】
上記各枠材において、上記平面部に設けられる上記溝部を平行な2本の溝部とする一方、上記平面部に設けられる上記突条部を、上記2本の溝部と嵌合可能な2本の突条部としたことを特徴とする請求項5又は6に記載のパネル組立体構造。
【請求項9】
上記ユニットパネルの組み立てに際し、一方の枠材及びこれと直角に配置される他方の枠材を、上記一方の枠材に介入したビスを上記他方の枠材に長手方向に形成された断面C字状の止着部に螺着して両者を接合したことを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載のパネル組立体構造。
【請求項10】
床面に敷設される上記枠組の下部に、束を取付けて空気を取り入れる空間部を形成し、上記組立体の側面の一部にドアを設ける一方、上記天井面に空気排出用もしくは空気流入用の開口部を設けたことを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載のパネル組立体構造。
【請求項11】
床面に敷設される上記枠組の下部に、キャスターを取付けて移動可能とするとともに空気を取り入れる空間部を形成し、上記組立体の側面の一部にドアを設ける一方、上記天井面に空気排出用もしくは空気流入用の開口部を設けたことを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載のパネル組立体構造。
【請求項1】
床面に、長尺状の上面に長尺方向に溝部又は突条部を有する枠組を方形状に組み、この枠組の上部に、パネルとこのパネルの周囲四辺に取り付けられる枠材とからなり、下部の枠材には、上記溝部と嵌合する突条部又は上記突条部と嵌合する溝部が設けられたユニットパネルを、上記突条部と溝部との嵌合により立設して、組立体の側面の周囲を組み立て、
上記側面のユニットパネルの上部に、パネルとこのパネルの四辺の周囲に取り付けられる枠材とからなるユニットパネルを載置して天井面を組み立てることを特徴とするパネル組立体構造。
【請求項2】
上記組立体の側面を形成し隣り合うユニットパネルは、一方のユニットパネルの枠材の接合面には長尺方向に溝部又は突条部が設けられ、他方のユニットパネルの枠材には、上記溝部に嵌合する突条部又は上記突条部に嵌合する溝部が設けられ、これら突条部と溝部との嵌合により両者を接合したことを特徴とする請求項1記載のパネル組立体構造。
【請求項3】
床面に、長尺状の上面に長尺方向に凹部を有する枠組を方形状に組み、この凹部に、パネルとこのパネルの周囲四辺に取り付けられる枠材とからなるユニットパネルを嵌入立設し、このユニットパネルの左右の側面部にこれと隣接する他のユニットパネルの枠材の長尺方向に設けられる溝部又は突条部とそれぞれ嵌合する突条部又は溝部を設け、上記突条部と溝部との嵌合により組立体の側面の周囲を組み立て、
上記側面のユニットパネルの上部に、パネルとこのパネルの四辺の周囲に取り付けられる枠材とからなるユニットパネルを載置して天井面を組み立てることを特徴とするパネル組立体構造。
【請求項4】
上記組立体の側面を形成するユニットパネルの上部の枠材の上面には長尺方向に溝部又は突条部が設けられる一方、上記天井面を形成するユニットパネルの枠材の下面には、上記溝部に嵌合する突条部又は上記突条部に嵌合する溝部が設けられ、これら突条部と溝部との嵌合により両者を接合したことを特徴とする請求項1,2又は3記載のパネル組立体構造。
【請求項5】
上記ユニットパネルに用いられる上記枠材は、押出し成形により形成されるとともに、中空状の四角筒からなり、一方の平面部に突条部が設けられ、背面側の他方の平面部に溝部が設けられた第一の枠材、中空状の四角筒からなり、一方の平面部と背面側の他方の平面部にそれぞれ溝部が設けられた第二の枠材、及び、中空状の四角筒からなり、一方の平面部とこれと隣接する他方の平面部にそれぞれ溝部が設けられた第三の枠材の内から、二つ以上の種類の枠材を用いて上記ユニットパネルを形成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のパネル組立体構造。
【請求項6】
上記ユニットパネルに用いられる上記枠材は、押出し成形により形成されるとともに、中空状の四角筒からなり、一方の平面部と背面側の他方の平面部にそれぞれ溝部が設けられた第一の枠材、中空状の四角筒からなり、一方の平面部に突条部が設けられ、背面側の他方の平面部に溝部が設けられた第二の枠材、及び、中空状の四角筒からなり、一方の平面部に溝部が設けられ、これと隣接する他方の平面部に突条部が設けられた第三の枠材の内から、二つ以上の種類の枠材を用いて上記ユニットパネルを形成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のパネル組立体構造。
【請求項7】
上記ユニットパネルを形成する各枠材の溝部のうち、このユニットパネルの内側に配置される溝部は上記パネルの一辺を嵌め込み保持するために用いられ、このユニットパネルの外側に配置される溝部は上記枠材の突条部を嵌入するために用いられることを特徴とする請求項5又は6に記載のパネル組立体構造。
【請求項8】
上記各枠材において、上記平面部に設けられる上記溝部を平行な2本の溝部とする一方、上記平面部に設けられる上記突条部を、上記2本の溝部と嵌合可能な2本の突条部としたことを特徴とする請求項5又は6に記載のパネル組立体構造。
【請求項9】
上記ユニットパネルの組み立てに際し、一方の枠材及びこれと直角に配置される他方の枠材を、上記一方の枠材に介入したビスを上記他方の枠材に長手方向に形成された断面C字状の止着部に螺着して両者を接合したことを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載のパネル組立体構造。
【請求項10】
床面に敷設される上記枠組の下部に、束を取付けて空気を取り入れる空間部を形成し、上記組立体の側面の一部にドアを設ける一方、上記天井面に空気排出用もしくは空気流入用の開口部を設けたことを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載のパネル組立体構造。
【請求項11】
床面に敷設される上記枠組の下部に、キャスターを取付けて移動可能とするとともに空気を取り入れる空間部を形成し、上記組立体の側面の一部にドアを設ける一方、上記天井面に空気排出用もしくは空気流入用の開口部を設けたことを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載のパネル組立体構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
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【図22】
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【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2009−13704(P2009−13704A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−178166(P2007−178166)
【出願日】平成19年7月6日(2007.7.6)
【出願人】(000177139)三洋工業株式会社 (46)
【出願人】(000117607)安田金属工業株式会社 (4)
【出願人】(000107882)スワン商事株式会社 (6)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月6日(2007.7.6)
【出願人】(000177139)三洋工業株式会社 (46)
【出願人】(000117607)安田金属工業株式会社 (4)
【出願人】(000107882)スワン商事株式会社 (6)
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