説明

パラメータ設定システム、被設定装置、設定装置、及びプログラム

【課題】設定装置側で被設定装置の適用可能な設定値の情報の保持を不要とし、より簡便な構成で実現され、またユーザの意図する通りの設定を被設定装置に適用するパラメータ設定システム、被設定装置、設定装置、及びプログラムを提供する。
【解決手段】本発明に係るパラメータ設定システムは、被設定装置は、前記設定装置からパラメータを取得する設定取得手段と、取得したパラメータを自装置に設定可か否かを判定する設定可否判定手段と、設定可と判定されたパラメータを自装置に設定する設定適用手段と、設定否と判定されたとき、当該パラメータに代えて、自装置に設定可の代替パラメータを決定する代替設定決定手段と、前記設定装置からのパラメータの設定可否状況の情報と、決定された代替パラメータとを前記設定装置に通知する代替設定通知手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パラメータ設定システム、被設定装置、設定装置、及びプログラムの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数の被設定装置(アプリケーションサーバ)などに対し、ネットワークを介して同一の設定値をまとめて適用できる設定装置が知られている。多くのアプリケーションサーバが存在している場合、パラメータ(設定値)の設定作業に際し、個々にパラメータを設定していくのでは手間がかかるので、設定装置を用いるとまとめてアプリケーションサーバに対してパラメータの設定作業を行え、大変便利である。
【0003】
しかし、設定装置を用いてパラメータをまとめて適用できるのは、そのパラメータが各アプリケーションサーバの適用可能なパラメータと一致する場合だけであり、一致しない場合は、結局アプリケーションサーバ毎に設定作業を行わなければならない。
【0004】
これに関する技術として、複数の機器間において適用可能な設定値が一致しない場合でも同時に設定値を適用させる目的で、設定値が適用可能か否かを判断し、適用できない場合は、全ての機器に対して共通的に適用可能な設定値を判断させる手段が開示されている(例えば特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の発明は、管理サーバ側で、設定要求された設定値が、管理する複数の機器のそれぞれに適用できるか判定し、その設定値を適用できなかった場合、全ての機器において共通で適用可能な設定値を判断して設定しているため、予め管理サーバ側で各機器の設定しうる設定値や各種情報を記憶して管理しておく必要があった。また全て機器に共通の設定値を適用させるため、ユーザが設定を適用したい機器に対して意図しない設定が適用されてしまうこともあった。
【0006】
そこで本発明では上記のような問題に鑑みて、設定装置側で被設定装置の適用可能な設定値の情報の保持を不要とし、より簡便な構成で実現され、またユーザの意図する通りの設定を被設定装置に適用するパラメータ設定システム、被設定装置、設定装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係るパラメータ設定システムは、複数の被設定装置に対しパラメータの設定を行う設定装置と、前記設定装置からのパラメータを自装置に設定する複数の被設定装置と、がネットワークを介し接続されたパラメータ設定システムであって、前記被設定装置は、前記設定装置からパラメータを取得する設定取得手段と、取得したパラメータを自装置に設定可か否かを判定する設定可否判定手段と、設定可と判定されたパラメータを自装置に設定する設定適用手段と、設定否と判定されたとき、当該パラメータに代えて、自装置に設定可の代替パラメータを決定する代替設定決定手段と、前記設定装置からのパラメータの設定可否状況の情報と、決定された代替パラメータとを前記設定装置に通知する代替設定通知手段と、を有する。
【0008】
また上記課題を解決するため、上記パラメータ設定システムにおいては、前記設定装置は、前記被設定装置から、前記設定可否状況の情報及び前記代替パラメータを取得する設定状況取得手段と、前記被設定装置から、2以上の前記代替パラメータを取得したとき、前記被設定装置に対し設定を行うべき1の再設定パラメータを決定する再設定パラメータ決定手段と、決定された1の再設定パラメータを被設定装置に対し設定を行う設定手段と、を有し、前記被設定装置において、前記設定取得手段は、前記設定装置から当該再設定パラメータを取得し、前記設定適用手段は、当該再設定パラメータを自装置に設定する。
【0009】
また上記課題を解決するため、上記パラメータ設定システムにおいては、前記設定装置は、前記再設定パラメータ決定手段は、2以上の前記被設定装置から前記代替パラメータを取得したとき、当該2以上の被設定装置からの代替パラメータのうち、共通する1の代替パラメータを再設定パラメータとして決定する。
【0010】
また上記課題を解決するため、上記パラメータ設定システムにおいては、前記設定装置は、2以上の前記被設定装置から前記代替パラメータを取得したとき、当該2以上の被設定装置からの代替パラメータのうち、設定を行うべき1の代替パラメータをユーザ選択させる選択手段と、を有し、前記再設定パラメータ決定手段は、選択された1の代替パラメータを再設定パラメータとして決定する。
【0011】
なお、本発明の構成要素、表現または構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、などに適用したものも本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、設定装置側で被設定装置の適用可能な設定値の情報の保持を不要とし、より簡便な構成で実現され、またユーザの意図する通りの設定を被設定装置に適用するパラメータ設定システム、被設定装置、設定装置、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態に係るパラメータ設定システムの構成図である。
【図2】設定サーバ10の一実施形態の主要構成を示すハードウェア構成図である。
【図3】各装置の一実施形態の主要機能を示す機能ブロック図である。
【図4】設定サーバ10及びアプリケーションサーバ間の情報処理(前半部分)を示すシーケンス図である。
【図5】設定サーバ10及びアプリケーションサーバ間の情報処理(後半部分)を示すシーケンス図である。
【図6】選択画面の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態を各実施形態において図面を用いて説明する。
【0015】
[システム構成]
(全体構成)
はじめに、具体的な発明の内容を説明する前に、本発明を実施するにあたっての全体構成について説明する。図1は、本実施形態に係るパラメータ設定システムの構成図である。図に示されるように、本実施形態に係るパラメータ設定システム100は、設定サーバ10、アプリケーションサーバA20、アプリケーションサーバB30、アプリケーションサーバC40を含み構成され、ネットワークを介して相互に接続されている。説明の便宜上、アプリケーションサーバは3台のみ示すが、いうまでもなくこれらはこれ以上の複数台が接続されうる。
【0016】
設定サーバ10は、ユーザから入力されたパラメータ(設定値)を、複数のアプリケーションサーバそれぞれに対し、まとめて設定を行う設定装置である。ユーザは設定サーバ10を用いてまとめて各アプリケーションサーバに対してパラメータの設定作業を行うことができる。なおユーザが直接設定サーバ10を操作する代わりに、操作用端末といったクライアント端末(非図示)を用意し、ユーザがクライアント端末を介して設定サーバ10を操作することにより、設定サーバ10が、ユーザから入力されたパラメータ(設定値)を、複数のアプリケーションサーバそれぞれに対し、まとめて設定を行うようにすることも可能である。
【0017】
アプリケーションサーバA20は、ユーザから入力されたパラメータを設定サーバ10より受信し、自装置に対しそのパラメータ(値)の設定を行う被設定装置である。パラメータが設定されれば、アプリケーションサーバA20は、そのパラメータに従って自装置のアプリケーションを動作させる。アプリケーションサーバB30、アプリケーションサーバC40についてもアプリケーションサーバA20と同様のものである。
【0018】
なお、上記システム構成はあくまで一例であり、例えばさらに操作端末をネットワークに設け、各操作端末から設定サーバ10を操作できるような構成とすることも可能である。
【0019】
(ハードウェア)
ここで、設定サーバ10のハードウェア構成について簡単に説明しておく。図2は、設定サーバ10の一実施形態の主要構成を示すハードウェア構成図である。設定サーバ10は、主要な構成として、CPU101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、補助記憶装置104、記憶媒体読取装置105、入力装置106、表示装置107、及び通信装置108を含む構成である。なお、アプリケーションサーバA20、アプリケーションサーバB30、アプリケーションサーバC40についても設定サーバ10と同様のハードウェア構成により構成可能であるので、設定サーバ10のハードウェア構成に代え、その説明は割愛する。
【0020】
CPU101は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路から構成され、装置全体を制御する回路である。また、ROM102は、CPU101で実行される所定の制御プログラム(ソフトウェア部品)を格納するメモリであり、RAM103は、CPU101がROM102に格納された所定の制御プログラム(ソフトウェア部品)を実行して各種の制御を行うときの作業エリア(ワーク領域)として使用するメモリである。
【0021】
補助記憶装置104は、汎用のOS(Operating System)、各種プログラムを含む各種情報を格納する装置であり、不揮発性の記憶装置であるHDD(Hard Disk Drive)などが用いられる。
【0022】
入力装置106は、ユーザが各種入力操作を行うための装置である。入力装置106は、マウス、キーボード、表示装置107の表示画面上に重畳するように設けられたタッチパネルスイッチなどを含む。表示装置107は、各種データを表示画面に表示する装置である。例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)などから構成される。
【0023】
通信装置108は、ネットワークを介して他の機器との通信を行う装置である。有線ネットワークや無線ネットワークなど含む各種ネットワーク形態に応じた通信をサポートする。
【0024】
なお、アプリケーションサーバ(A20、B30、C40)のハードウェア構成についても、図2に示されるハードウェア構成を同様に適用できるため、あらためての図面の提示及び説明は省略する。
【0025】
(機能)
次に、設定サーバ10、アプリケーションサーバA20の主要機能構成についてそれぞれ簡単に説明する。なおアプリケーションサーバA20を、アプリケーションサーバB30、アプリケーションサーバC40に代表させて説明しているので、アプリケーションサーバB30及びアプリケーションサーバC40についてもまたアプリケーションサーバA20と同様の主要機能構成を備えている。
【0026】
図3は、各装置の一実施形態の主要機能を示す機能ブロック図である。設定サーバ10は、主要な機能として、設定部11、設定状況取得部12、再設定パラメータ決定部13、選択部14を有している。
【0027】
設定部11は、設定すべきパラメータをアプリケーションサーバに対し設定を行う機能を有している。具体的なパラメータ(設定値)は、ユーザにより与えられ、例えばユーザが設定サーバ10を操作することにより、パラメータをアプリケーションサーバに対し設定する。なお上述のように、ユーザがクライアント端末を介して設定サーバ10を操作する場合、クライアント端末が設定部11に対して指示(命令)を行うことにより、設定部11は、設定すべきパラメータをアプリケーションサーバに対し設定を行うことになる。
【0028】
設定状況取得部12は、アプリケーションサーバから、設定可否状況の情報及び代替パラメータを取得する機能を有している。設定可否状況の情報及び代替パラメータについては後述する。
【0029】
再設定パラメータ決定部13は、2以上の代替パラメータを取得したとき、アプリケーションサーバに対し設定を行うべき1の再設定パラメータを決定する機能を有している。具体的には、当該2以上のアプリケーションサーバからの代替パラメータのうち、共通する1の代替パラメータを再設定パラメータとして決定することができる。またもしくは、選択部14により選択された1の代替パラメータを再設定パラメータとして決定することができる。
【0030】
選択部14は、2以上のアプリケーションサーバから代替パラメータを取得したとき、当該2以上のアプリケーションサーバからの代替パラメータのうち、設定を行うべき1の代替パラメータをユーザ選択させる機能を有している。
【0031】
次いで、アプリケーションサーバA20は、主要な機能として、設定取得部21、設定可否判定部22、設定適用部23、代替設定決定部24、代替設定通知部25、パラメータ記憶部26を有している。
【0032】
設定取得部21は、設定サーバ10からパラメータを取得する機能を有している。また後述の再設定パラメータをも取得する。
【0033】
設定可否判定部22は、取得したパラメータを自装置に設定可か否かを判定する機能を有している。設定可の判定である場合、設定可と判定されたパラメータは、設定適用部23により自装置に設定される。一方、設定否の判定である場合、この旨、代替設定決定部24に伝達される。判定方法詳細については後述する。
【0034】
設定適用部23は、設定可否判定部22にて設定可と判定されたパラメータを自装置のパラメータ情報として設定する機能を有している。パラメータが設定されれば、アプリケーションサーバは、そのパラメータに従って自装置のアプリケーションを動作させる。
【0035】
代替設定決定部24は、設定可否判定部22にて設定否と判定されたとき、当該設定否と判定されたパラメータに代えて、自装置に設定可の代替パラメータを決定する機能を有している。パラメータ情報に基づき、当該設定否と判定されたパラメータについては自装置に適用できない(例えば未対応)ものの、このパラメータ以外に、設定可能な他のパラメータを代替パラメータとして決定する。この代替パラメータは、設定サーバ10に対して提案される。
【0036】
代替設定通知部25は、設定可否判定部22による設定サーバ10からのパラメータの設定可否状況の情報(設定可又は設定否)と、決定された代替パラメータとを設定サーバ10に通知する機能を有している。代替パラメータは、設定サーバ10からのパラメータは、自装置に対し設定否と判定された場合に通知される。
【0037】
パラメータ記憶部26は、自装置の各種パラメータ情報を記憶する機能部である。
【0038】
以上、設定サーバ10及びアプリケーションサーバの主要機能構成である。なおこれらの機能は、実際には各装置のCPUが実行するプログラムによりコンピュータに実現させるものである。
【0039】
[情報処理]
次いで、設定サーバ10及びアプリケーションサーバの行う情報処理について説明していく。図4及び図5は、設定サーバ10及びアプリケーションサーバ間の情報処理を示すシーケンス図である。便宜上、図4を前半部分、図5を後半部分の情報処理を示す。
【0040】
ここで説明上の具体例として、アプリケーションサーバA20、B30、C40は、自アプリケーションで用いる言語の種類(例えば日本語、英語、フランス語、スペイン語等)をサポート内の範囲で任意に設定できるようになっているものとする。そして、設定サーバ10は、全てのアプリケーションサーバA20、B30、C40に対しては、まず設定言語として日本語の設定を行うものとする。またシーケンス図上、アプリケーションサーバA20を、アプリケーションサーバB30、アプリケーションサーバC40に代表させて説明しているので、アプリケーションサーバB30及びアプリケーションサーバC40についてもまたアプリケーションサーバA20と同様の情報処理を行えることはいうまでもない。
【0041】
はじめに、設定サーバ10及びアプリケーションサーバの行う情報処理の全体概要について言及しておく。上述の通り、設定サーバ10は、全てのアプリケーションサーバA20、B30、C40に対して、設定言語として日本語の設定をまとめて行う。そしてアプリケーションサーバC40は、そのアプリケーション上日本語をサポート(対応)しているものとし、この設定の受け入れが可能となっている。この場合、アプリケーションサーバC40のパラメータ情報は、例えば、
(アプリケーションサーバC40)言語パラメータ:Jp
となっている。
【0042】
しかしながら、アプリケーションA20、アプリケーションB30は、いずれも日本語をサポートしていないものとし、この設定の受け入れが不可能である。そして例えば、アプリケーションA20は、そのアプリケーション上英語、フランス語をサポートしており、アプリケーションB30は、そのアプリケーション上英語、スペイン語をサポートしているものとする。
(アプリケーションA20)言語パラメータ:En,Fr
(アプリケーションB30)言語パラメータ:En,Sp
よって、設定サーバ10から指示された日本語の設定を行うことができないが、それぞれ自装置のサポートする言語を設定サーバ10に対して通知することができるようになっている。設定サーバ10は、この通知を受けて再度の設定を行う。具体的にこの場合、設定サーバ10は、この通知を受けて、再度の英語の言語設定をアプリケーションA20、アプリケーションB30に対して行うものである。以下図面を参照しながら説明していく。
【0043】
なお、ここでいうサポートとは、当業者では頻繁に用いられる用語であり、アプリケーションサーバ上のアプリケーションにおいて、ある機能が実現可能に「実装」されていることを意味する。従って例えば、アプリケーションサーバC40がそのアプリケーション上日本語をサポートしている、というとき、アプリケーションが利用される際、ユーザとのやり取り(ユーザ操作、ユーザへの何らかの情報通知・表示等)が日本語で行えるようになっていることを意味する。
【0044】
(前半部分)
再び図4(前半部分)を参照する。設定サーバ10において、まずユーザから、設定すべきパラメータの入力を受け付けると、設定部11は入力されたパラメータを取得する。そして設定部11は、この設定すべきパラメータをアプリケーションサーバA20、アプリケーションサーバB30、アプリケーションサーバC40のそれぞれに対しまとめて設定を行う(S1)。なおここで、ユーザから入力された言語設定のパラメータ(設定値)は、「日本語(jp)」であるものとする。
【0045】
アプリケーションサーバA20において、設定取得部21が設定サーバ10からパラメータを取得すると、このパラメータを設定可否判定部22に伝達する(S2)。
【0046】
設定可否判定部22は、取得したパラメータを自装置に設定可か否かを判定する(S3)。ここで設定可の判定である場合、設定可と判定されたパラメータは、設定適用部23に渡されてから(S4)、自装置に設定される(S5)。パラメータが設定されると、アプリケーションサーバは、そのパラメータに従って自装置のアプリケーションを動作させる。なお自装置への設定を完了した場合には、アプリケーションサーバA20から設定サーバ10へ設定完了通知がなされる(非図示)。
【0047】
一方、設定否の判定である場合、この旨、代替設定決定部24に伝達される(S6)。ここでは、上述したようにアプリケーションA20は、言語設定においてパラメータとして日本語をサポートしておらず、この設定の受け入れが不可能である。従って設定否の判定がなされ、この旨、代替設定決定部24に伝達される。
【0048】
代替設定決定部24は、設定可否判定部22にて設定否と判定されているので、設定否と判定されたパラメータに代えて、自装置に設定可の代替パラメータを決定する(S7)。上述したようにアプリケーションA20は、そのアプリケーション上英語、フランス語をサポートしているので、自装置に設定できる代替パラメータとして、「英語(en)」、「フランス語(fr)」を決定する。なお自装置に設定できる代替パラメータは、パラメータ記憶部26のパラメータ情報を読み出して自装置が保持(つまりサポート)している言語のパラメータに合致するか否かにより特定できる。代替設定決定部24は、決定した代替パラメータを代替設定通知部25に伝達する(S8)。
【0049】
代替設定通知部25は、代替設定決定部24より決定された代替パラメータを、先のパラメータの設定可否状況の情報(設定否)とともに設定サーバ10に通知する(S9)。ここでは、代替パラメータとして、「英語(en)」、「フランス語(fr)」が通知される。
【0050】
(後半部分)
次いで図5(後半部分)を参照する。設定サーバ10において、設定状況取得部12は、アプリケーションサーバA20から、設定可否状況の情報及び代替パラメータを取得する(S9)。取得された代替パラメータは、再設定パラメータ決定部13へ渡される(S10)。
【0051】
なおここで、設定状況取得部12は、アプリケーションサーバB30からも設定可否状況の情報及び代替パラメータを取得する。上述したようにアプリケーションB30は、そのアプリケーション上、英語、スペイン語をサポートしているので、アプリケーションサーバB30からの代替パラメータは、「英語(en)」、「スペイン語(sp)」である。一方アプリケーションサーバC40からは、設定サーバ10へ設定完了通知がなされる(S9−2)。上述の通りアプリケーションサーバC40は、言語設定のパラメータとして日本語をサポートしているからである。
【0052】
再設定パラメータ決定部13は、2以上の代替パラメータを取得したとき、アプリケーションサーバに対し設定を行うべき1の再設定パラメータを決定する(S11)。具体的に、当該2以上のアプリケーションサーバA20からは、「英語(en)」、「フランス語(fr)」の代替パラメータを取得し、またアプリケーションサーバB30からは、「英語(en)」、「スペイン語(sp)」の代替パラメータを取得している。そしてこれら代替パラメータのうち、共通する1の代替パラメータを再設定パラメータとして決定することができる。この場合、共通する1の代替パラメータは、「英語(en)」であるので、再設定パラメータ決定部13は、代替パラメータ「英語(en)」を再設定パラメータとして決定する。このように決定するには共通する代替パラメータであれば、設定サーバ10からアプリケーションサーバA20、B30に対してまとめて設定を行うことができるからである。
【0053】
なお変形例として、代替パラメータ「英語(en)」、「フランス語(fr)」、「スペイン語(sp)」の再設定パラメータ候補の中から、再設定パラメータとする代替パラメータをユーザによって決定できるようにすることもできる。この場合、再設定パラメータ決定部13は、選択部に対して再設定パラメータ決定部13へ渡す(S11−2)。
【0054】
選択部14は、代替パラメータを取得すると、代替パラメータを選択できるようにした選択画面を生成し(S11−3)、設定を行うべき1の代替パラメータをユーザ選択させる。ここでは、ユーザは「英語(en)」、「フランス語(fr)」、「スペイン語(sp)」の代替パラメータの中から、1つ再設定パラメータとする代替パラメータを選択できる。このようにすることでユーザが意図しないパラメータが設定されてしまうことを防止できる。
【0055】
ここでユーザは「英語(en)」を選択するものとする。選択画面には、共通に設定しうるパラメータは、「英語(en)」である旨があわせて表示されており、共通設定言語のパラメータである「英語(en)」が選択されれば、設定サーバ10は、アプリケーションサーバA20及びB20に対して、再びその「英語(en)」パラメータの設定を行う。もしも「英語(en)」が選択されなければ、アプリケーションサーバ個別のパラメータ設定の問題となる。つまり設定サーバ10を介し各アプリケーションサーバに対して個々にパラメータが設定されればよい。
【0056】
図6は、選択画面の一例を示す。図に示されるように、ユーザは選択画面を操作して、アプリケーションサーバA20、アプリケーションサーバB20に対し、共通する設定言語のパラメータ「英語(en)」を再度設定できる。また、アプリケーションサーバA20、アプリケーションサーバB20に対し、個別にも設定言語のパラメータを再度設定できる。
【0057】
さて、いずれかS11の再設定パラメータ決定処理を経て、この再設定パラメータが決定されると、この再設定パラメータは、設定部に渡される(S12)。設定部11は、再設定パラメータを入力されたパラメータとして取得すると(S13)、この再設定パラメータをアプリケーションサーバA20、アプリケーションサーバB30のそれぞれに対しまとめて設定を行う(再びS1へ)。ここで、「英語(en)」再設定パラメータは、アプリケーションサーバA20、アプリケーションサーバB30いずれにもサポートされているので、判定処理(S3)、パラメータ設定処理(S5)を経て各サーバに設定される(以下省略)。
【0058】
以上、本実施形態に係るアプリケーションサーバは、設定サーバ10からの設定パラメータの適用可否を判断し、これを適用できない場合には代替パラメータの設定を設定サーバ10に通知するので、設定サーバ10側で予め各アプリケーションサーバのパラメータ(設定値)や情報を記憶しておく必要がない。つまり、アプリケーションサーバが設定可能なパラメータはまずはアプリケーションサーバ自体が当然に認識しているものであるので、設定サーバ10側で予め各アプリケーションサーバのパラメータを記憶させることなく、本実施形態に係るアプリケーションサーバは、アプリケーションサーバ側から自装置で適用可能なパラメータを設定サーバ10側に通知(提案)できるようにしている。
【0059】
また、本実施形態に係る設定サーバ10は、複数のアプリケーションサーバからの通知内容(適用可能なパラメータ)を受けてから、設定サーバ10がアプリケーションサーバへ再び設定(適用)しうる適切なパラメータを判定したり、設定サーバ10からユーザへ再設定しうるパラメータを提案したりするので、ユーザの意図する通りの設定をアプリケーションサーバに適用できる(ユーザが意図しないパラメータが設定されてしまうことを防止できる)。
【0060】
[変形例1]
上述の実施例では、全てのアプリケーションサーバA20、B30、C40に対しては、まず設定言語として日本語の設定を行うものとし、アプリケーションA20は、そのアプリケーション上、英語、フランス語をサポートしており、アプリケーションB30は、そのアプリケーション上英語、スペイン語をサポートしているものとした。
【0061】
ここで、全てのアプリケーションサーバA20、B30、C40に対しては、まず設定言語として日本語の設定を行うものとし、アプリケーションA20は、そのアプリケーション上、英語、フランス語をサポートしており、アプリケーションB30は、そのアプリケーション上、英語、フランス語をサポートしているものとする。つまり、アプリケーションA20、アプリケーションB30いずれもが、英語、フランス語をサポートしているのである。即ちこの場合、設定サーバ10へ通知される代替パラメータは、アプリケーションサーバA20からは「英語」、「フランス語」、アプリケーションサーバB30からも「英語」、「フランス語」である。
【0062】
設定サーバ10は、この通知を受けて再度の設定を行う。再設定パラメータ決定部13は、これら代替パラメータのうち、共通する1の代替パラメータを再設定パラメータとして決定するが、「英語」、「フランス語」のいずれも再設定パラメータとして決定しうる。
【0063】
このように決定可能な代替パラメータが、複数ある場合、予めアプリケーションサーバ側でパラメータに対し優先度(優先値)を付しておくとよい。つまり、通知される代替パラメータにおいて、アプリケーションサーバA20からの代替パラメータは「英語」(優先度1)、「フランス語」(優先度2)、アプリケーションサーバB30からの代替パラメータは「英語」(優先度1)、「フランス語」(優先度2)といったように、代替パラメータとともに優先度が付されているものとする。この場合、共通する1の代替パラメータであって、より優先される再設定パラメータとして決定することができる。次に言語優先度情報を含むパラメータ情報の一例を示しておく。下記の例では括弧内の数値が優先度を示す。
(アプリケーションA20)言語パラメータ:En(1),Fr(2)
(アプリケーションB30)言語パラメータ:En(1), Fr(2)
またもしくは、一旦は再設定パラメータ決定部13に、代替パラメータのうち、共通する1の代替パラメータを再設定パラメータとして決定させ、上述のように「英語」、「フランス語」のいずれか1に決定できない場合は、ユーザに選択画面で「英語」、「フランス語」のいずれかを選択させるようにすることもできる。この場合、設定サーバ10がまず自動的に再設定パラメータを決定するようにしつつ、いずれのパラメータでも設定可能な再設定パラメータが複数あるような場合には、ユーザに選択画面で選択させるようにして、ユーザの意図しない設定がなされることを防止できる。
【0064】
[変形例2]
上述の実施例では、パラメータとして、言語の種類(例えば日本語、英語、フランス語、スペイン語等)を取り上げて説明した。ここでパラメータの具体例としてもう1例を示す。
【0065】
具体例としてログ(Log)に関する設定がある。Log設定の場合、パラメータとなりうるものは、保存期間日数(例えば10日、30日)や、最大保存容量(例えば100Gバイト)である。このようなパラメータの場合、言語のように所定パラメータのいずれかというよりは、具体的な数値が指定される。
【0066】
ここでは、アプリケーションサーバA20、B30、C40は、自アプリケーションで保存できるアプリケーションのログの最大保存容量は、任意に設定できるようになっているものとする。但しディスクや仕様の関係上、アプリケーションサーバA20の最大保存容量は50G、アプリケーションサーバB30の最大保存容量は100G、アプリケーションサーバC30の最大保存容量は200Gとする。
【0067】
そして、設定サーバ10は、全てのアプリケーションサーバA20、B30、C40に対しては、まず設定するログの最大保存容量として、「150G」の設定を行うものとする。上述の通り、設定サーバ10は、全てのアプリケーションサーバA20、B30、C40に対して、ログの最大保存容量として、パラメータ「150G」の設定をまとめて行う。
【0068】
アプリケーションサーバC40は、そのアプリケーション上、この設定の受け入れが可能となっている。しかしながら、アプリケーションA20、アプリケーションB30は、いずれも150Gのログ最大保存容量をサポートしておらず、この設定の受け入れが不可能である。よって、設定サーバ10から指示されたパラメータ「150G」の設定を行うことができないが、それぞれ自装置のサポートするログ最大保存容量を設定サーバ10に対して通知することができる。即ち、通知される代替パラメータは、アプリケーションサーバA20からは「50G」、アプリケーションサーバB30からは「100G」である。
【0069】
設定サーバ10は、この通知を受けて再度の設定を行う。再設定パラメータ決定部13は、これら代替パラメータのうち、共通する1の代替パラメータを再設定パラメータとして決定するので、この場合決定される再設定パラメータは「100G」である。
【0070】
このようにパラメータが、具体的な数値である場合、複数の代替パラメータにおいて最大公約数を再設定パラメータとして決定する。つまり、ユーザ指定のパラメータは「150G」であるので、最大公約数を再設定パラメータとして決定することにより、最大限このユーザ指定のパラメータに近い実現可能なパラメータでもって、アプリケーションサーバのログ最大保存容量を設定できる。
【0071】
一方、パラメータが、具体的な数値であって、むしろ最小公約数を再設定パラメータとした方が、ユーザ指定のパラメータに近いような場合、最小公約数を再設定パラメータとして決定することにより、最大限このユーザ指定のパラメータに近い実現可能なパラメータでもって、アプリケーションサーバにパラメータを設定できる。
【0072】
[総括]
以上のように本実施形態に係る被設定装置(例えばアプリケーションサーバ)は、設定装置(例えば設定サーバ)からの設定パラメータの適用可否を判断し、これを適用できない場合には代替パラメータの設定を設定装置に通知するので、設定装置側で予め各被設定装置の設定値や情報を記憶しておく必要がなく、より簡便な構成でパラメータ設定システム、設定装置を実現できる。
【0073】
また、本実施形態に係る設定装置は、複数の被設定装置からの通知内容を基に、設定装置が被設定装置へ再び設定(適用)しうる適切なパラメータを判定したり、設定装置からユーザへ再設定しうるパラメータを提案したりするので、ユーザの意図する通りの設定を被設定装置に適用できる(ユーザが意図しないパラメータが設定されてしまうことを防止できる)。
【0074】
即ち以上の本発明によれば、設定装置側で被設定装置の適用可能な設定値の情報の保持を不要とし、より簡便な構成で実現され、またユーザの意図する通りの設定を被設定装置に適用するパラメータ設定システム、被設定装置、設定装置、及びプログラムを提供することが可能となる。
【0075】
なお、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0076】
10 設定サーバ
11 設定部
12 設定状況取得部
13 再設定パラメータ決定部
14 選択部
20 アプリケーションサーバA
21 設定取得部
22 設定可否判定部
23 設定適用部
24 替設定決定部
25 代替設定通知部
26 パラメータ記憶部
30 アプリケーションサーバB
40 アプリケーションサーバC
100 パラメータ設定システム
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 補助記憶装置
105 記憶媒体読取装置
106 入力装置
107 表示装置
108 通信装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0077】
【特許文献1】特開2005−99949号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の被設定装置に対しパラメータの設定を行う設定装置と、前記設定装置からのパラメータを自装置に設定する複数の被設定装置と、がネットワークを介し接続されたパラメータ設定システムであって、
前記被設定装置は、
前記設定装置からパラメータを取得する設定取得手段と、
取得したパラメータを自装置に設定可か否かを判定する設定可否判定手段と、
設定可と判定されたパラメータを自装置に設定する設定適用手段と、
設定否と判定されたとき、当該パラメータに代えて、自装置に設定可の代替パラメータを決定する代替設定決定手段と、
前記設定装置からのパラメータの設定可否状況の情報と、決定された代替パラメータとを前記設定装置に通知する代替設定通知手段と、
を有することを特徴とするパラメータ設定システム。
【請求項2】
前記設定装置は、
前記被設定装置から、前記設定可否状況の情報及び前記代替パラメータを取得する設定状況取得手段と、
前記被設定装置から、2以上の前記代替パラメータを取得したとき、前記被設定装置に対し設定を行うべき1の再設定パラメータを決定する再設定パラメータ決定手段と、
決定された1の再設定パラメータを被設定装置に対し設定を行う設定手段と、
を有し、
前記被設定装置において、
前記設定取得手段は、前記設定装置から当該再設定パラメータを取得し、
前記設定適用手段は、当該再設定パラメータを自装置に設定すること、
を特徴とする請求項1記載のパラメータ設定システム。
【請求項3】
前記設定装置は、
前記再設定パラメータ決定手段は、2以上の前記被設定装置から前記代替パラメータを取得したとき、当該2以上の被設定装置からの代替パラメータのうち、共通する1の代替パラメータを再設定パラメータとして決定すること、
を特徴とする請求項2記載のパラメータ設定システム。
【請求項4】
前記設定装置は、
2以上の前記被設定装置から前記代替パラメータを取得したとき、当該2以上の被設定装置からの代替パラメータのうち、設定を行うべき1の代替パラメータをユーザ選択させる選択手段と、
を有し、
前記再設定パラメータ決定手段は、選択された1の代替パラメータを再設定パラメータとして決定すること、
を特徴とする請求項2記載のパラメータ設定システム。
【請求項5】
複数の被設定装置に対しパラメータの設定を行う設定装置とネットワークを介し接続され、前記設定装置からのパラメータを自装置に設定する被設定装置であって、
前記設定装置からパラメータを取得する設定取得手段と、
取得したパラメータを自装置に設定可か否かを判定する設定可否判定手段と、
設定可と判定されたパラメータを自装置に設定する設定適用手段と、
設定否と判定されたとき、当該パラメータに代えて、自装置に設定可の代替パラメータを決定する代替設定決定手段と、
前記設定装置からのパラメータの設定可否状況の情報と、決定された代替パラメータとを前記設定装置に通知する代替設定通知手段と、
を有することを特徴とする被設定装置。
【請求項6】
請求項5記載の被設定装置とネットワークを介し接続され、複数の被設定装置に対しパラメータの設定を行う設定装置であって、
前記被設定装置から、前記設定可否状況の情報及び前記代替パラメータを取得する設定状況取得手段と、
前記被設定装置から、2以上の前記代替パラメータを取得したとき、前記被設定装置に対し設定を行うべき1の再設定パラメータを決定する再設定パラメータ決定手段と、
決定された1の再設定パラメータを被設定装置に対し設定を行う設定手段と、
を有し、
前記再設定パラメータ決定手段は、2以上の前記被設定装置から前記代替パラメータを取得したとき、当該2以上の被設定装置からの代替パラメータのうち、共通する1の代替パラメータを再設定パラメータとして決定すること、
を特徴とする設定装置。
【請求項7】
複数の被設定装置に対しパラメータの設定を行う設定装置とネットワークを介し接続され、前記設定装置からのパラメータを自装置に設定する被設定装置に、
前記設定装置からパラメータを取得する設定取得手段と、
取得したパラメータを自装置に設定可か否かを判定する設定可否判定手段と、
設定可と判定されたパラメータを自装置に設定する設定適用手段と、
設定否と判定されたとき、当該パラメータに代えて、自装置に設定可の代替パラメータを決定する代替設定決定手段と、
前記設定装置からのパラメータの設定可否状況の情報と、決定された代替パラメータとを前記設定装置に通知する代替設定通知手段と、
して機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項5記載の被設定装置とネットワークを介し接続され、複数の被設定装置に対しパラメータの設定を行う設定装置に、
前記被設定装置から、前記設定可否状況の情報及び前記代替パラメータを取得する設定状況取得手段と、
前記被設定装置から、2以上の前記代替パラメータを取得したとき、前記被設定装置に対し設定を行うべき1の再設定パラメータを決定する再設定パラメータ決定手段と、
決定された1の再設定パラメータを被設定装置に対し設定を行う設定手段と、
して機能させ、
前記再設定パラメータ決定手段は、2以上の前記被設定装置から前記代替パラメータを取得したとき、当該2以上の被設定装置からの代替パラメータのうち、共通する1の代替パラメータを再設定パラメータとして決定すること、
を特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−197922(P2011−197922A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−62910(P2010−62910)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】