説明

パルス変調回路

【課題】歪みを抑えたパルス状に高周波信号を変調できるパルス変調回路を提供する。
【解決手段】パルス変調回路1Aは、間欠的な高周波信号を生成するための回路であって、一対のトランジスタQ3,Q4を含む差動回路20と、トランジスタQ3,Q4のうち一方のトランジスタQ3と直列に接続され、差動信号を出力する一対のトランジスタQ1,Q2を含む差動回路10と、差動回路10から出力された差動信号を各ゲートに受ける一対のトランジスタQ7,Q8を含む差動回路40とを備える。一対のトランジスタQ1,Q2のゲートには相補的なRF信号Srf1,Srf2が入力され、一対のトランジスタQ3,Q4の各ゲートには相補的なパルス信号Sp1,Sp2が入力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パルス変調回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、パルスレーダ装置においてレーダ波を送信するために用いられるパルスレーダ送信機が開示されている。パルスレーダ装置は、航空機や船舶に搭載され、又は陸上に設置されてパルス状の電波を放射し、ターゲットで反射した反射波を捉えて対象物との相対距離及び相対速度を求める。特許文献1に記載されたパルスレーダ送信機では、発信部から出力された高周波信号が、可変減衰器(ATT)によって強度調整された後、スイッチに送られる。スイッチは、所望のパルス幅に対応する間隔で開閉する。これにより、高周波信号はパルス状に成形される。成形後の信号は、複数の増幅器によって増幅されたのち、アンテナから出力される。
【0003】
特許文献2には、高周波信号のパルス変調を行うパルス変調モジュール、及びこのパルス変調信号を外部に送信して物標の検知を行うレーダ装置が記載されている。パルス変調モジュールは、ゲートバイアス制御回路と、FET増幅器とを備える。ゲートバイアス制御回路は、正の直流定電圧信号を発生する定電圧回路と、ハイ状態とロー状態とをとる状態制御信号を出力する論理回路と、定電圧回路からの正の直流定電圧信号を非反転入力部に入力し、論理回路からの状態制御信号を反転入力部に入力して、ゲートバイアス電圧を出力する反転増幅器とを備える。FET増幅器は、ゲートバイアス制御回路からのゲートバイアス電圧に基づいて、ゲートに入力される高周波信号のパルス変調を行う。
【0004】
特許文献3には、無線通信装置の受信回路に使用される半導体集積回路が記載されている。この半導体集積回路は、いわゆるギルバートミキサ回路を備える。すなわち、この回路は、ローカル信号を入力する上段トランジスタ回路と、高周波信号を入力する下段トランジスタ回路とが、いわゆる縦積みされた構成を有する。上段トランジスタ回路と電源電位線との間には第1抵抗及び第2抵抗が接続されている。ミキサ回路は、上段トランジスタ回路及び下段トランジスタ回路を介して乗算処理された演算結果を、電源電圧に基づき第1信号及び第2信号として第1抵抗及び第2抵抗にそれぞれ現出する。エミッタフォロア回路は、第1抵抗及び第2抵抗からの出力を受けて電源電圧に基づきインピーダンス変換された第1増幅信号及び第2増幅信号をそれぞれ出力する第1トランジスタと第2トランジスタを有する。入力抵抗を介して反転入力側に第1増幅信号を受けるとともに、非反転入力側に第2増幅信号を受け、出力側と入力抵抗の反転入力側とを接続する帰還抵抗とを有する演算増幅回路とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−255915号公報
【特許文献2】国際公開第2005/091496号パンフレット
【特許文献3】特開2002−043852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1〜3に記載された回路では、歪みを抑えたパルス状に高周波信号を変調することは難しい。
【0007】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、歪みを抑えたパルス状に高周波信号を変調できるパルス変調回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明によるパルス変調回路は、間欠的な高周波信号を生成するためのパルス変調回路であって、一対の第1のトランジスタを含む第1の差動回路と、一対の第1のトランジスタのうち一方の第1のトランジスタの一方の電流端子と直列に接続され、差動信号を出力する一対の第2のトランジスタを含む第2の差動回路と、第2の差動回路から出力された差動信号を各制御端子に受ける一対の第3のトランジスタを含む第3の差動回路とを備え、一対の第1のトランジスタ及び一対の第2のトランジスタのうち一方の各制御端子に相補的な高周波信号が入力され、他方の各制御端子に相補的なパルス信号が入力されることを特徴とする。
【0009】
また、パルス変調回路は、一対の第4のトランジスタを含む第4の差動回路を更に備え、一対の第4のトランジスタのうち一方の第4のトランジスタが一対の第2のトランジスタのうち一方の第2のトランジスタと並列に接続されており、他方の第4のトランジスタが一対の第2のトランジスタのうち他方の第2のトランジスタと並列に接続されており、一方の第4のトランジスタの制御端子には一方の第2のトランジスタの制御端子に入力される高周波信号とは逆相で同周期の高周波信号が入力され、他方の第4のトランジスタの制御端子には他方の第2のトランジスタの制御端子に入力される高周波信号とは逆相で同周期の高周波信号が入力されていることを特徴としてもよい。この場合、パルス変調回路は、一対の第4のトランジスタと直列に接続された第6のトランジスタを更に備え、第6のトランジスタの制御端子にはローレベルの直流信号が入力されると尚良い。
【0010】
また、パルス変調回路は、一対の第4のトランジスタを含む第4の差動回路と当該一対の第4のトランジスタと直列に接続された第6のトランジスタを更に備えており、当該一対の第4のトランジスタは一対の第1のトランジスタの出力を受けその位相を反転して第1のトランジスタの出力に戻しており、第6のトランジスタの制御端子にはローレベルの直流信号が入力されることを特徴としてもよい。
【0011】
また、パルス変調回路は、一対の第1のトランジスタのうち他方の第1のトランジスタの一方の電流端子と直列に接続される一対の第5のトランジスタを含む第5の差動回路を更に備え、一対の第5のトランジスタのうち一方の第5のトランジスタの制御端子にハイレベルの直流信号が入力され、他方の第5のトランジスタの制御端子にローレベルの直流信号が入力されることを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によるパルス変調回路によれば、歪みを抑えたパルス状に高周波信号を変調できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係るパルス変調回路の構成を示す回路図である。
【図2】図2(a)は、トランジスタQ1のゲートに入力されるRF信号の信号波形を概略的に示している。図2(b)は、トランジスタQ2のゲートに入力されるRF信号の信号波形を概略的に示している。
【図3】図3(a)は、トランジスタQ3のゲートに入力されるパルス信号の信号波形を概略的に示している。図3(b)は、トランジスタQ4のゲートに入力される相補信号の信号波形を概略的に示している。
【図4】図4(a)は、ノードN1からソースフォロワ回路へ出力される信号波形を概略的に示している。図4(b)は、ノードN2からソースフォロワ回路へ出力される信号波形を概略的に示している。
【図5】図5は、出力信号の波形を概略的に示している。
【図6】図6(a)は、本実施形態のパルス変調回路の出力波形を示すグラフである。図6(b)は、直流遮断用キャパシタを介して得られる出力波形を示すグラフである。
【図7】図7は、本発明の第2実施形態に係るパルス変調回路の構成を示す回路図である。
【図8】図8(a)は、本実施形態のパルス変調回路の出力波形を示すグラフである。図8(b)は、第1実施形態のパルス変調回路の出力波形を示すグラフである。
【図9】図9は、本発明の第3実施形態に係るパルス変調回路の構成を示す回路図である。
【図10】図10は、本発明の第4実施形態に係るパルス変調回路の構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら本発明によるパルス変調回路の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下の説明において、トランジスタとはバイポーラ型トランジスタ及び電界効果トランジスタ(FET)の双方を含むものとする。トランジスタがバイポーラ型トランジスタである場合、ゲートをベース、ドレインをコレクタ、ソースをエミッタとそれぞれ読み替えるものとする。
【0015】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るパルス変調回路1Aの構成を示す回路図である。本実施形態のパルス変調回路1Aは、間欠的な(パルス状の)高周波信号を生成するための回路であって、具体的には、バースト信号によりRF信号のオン/オフを行うパルスレーダ用信号源回路(バースト信号発生回路)である。図1に示すように、パルス変調回路1Aは、差動回路10,20及び40を備える。また、パルス変調回路1Aは、2つのソースフォロワ回路31及び32、並びに4つの電流源11〜14を備える。
【0016】
差動回路10は、本実施形態における第2の差動回路である。差動回路10は、一対のトランジスタ(第2のトランジスタ)Q1及びQ2を含む。また、差動回路20は、本実施形態における第1の差動回路である。差動回路20は、一対のトランジスタ(第1のトランジスタ)Q3及びQ4を含む。トランジスタQ1及びQ2は、トランジスタQ3及びQ4のうち一方のトランジスタQ3の一方の電流端子(ドレイン)と直列に接続され、差動信号を出力する。また、トランジスタQ1及びQ2、並びにトランジスタQ3及びQ4のうち一方のペアの各制御端子(ゲート)には相補的な高周波信号が入力される。また、他方のペアの各制御端子(ゲート)には相補的なパルス信号が入力される。
【0017】
本実施形態では、トランジスタQ1及びQ2のソースは相互に短絡されている。トランジスタQ1及びQ2の各ドレインは、それぞれ抵抗R1及びR2を介して電源電位線3(電源電圧Vcc)に接続されている。トランジスタQ1のゲートにはRF信号Srf1が入力され、トランジスタQ2のゲートにはRF信号Srf2が入力される。RF信号Srf1及びSrf2は、周波数が同じであり位相が互いに180°異なる相補的な高周波信号である。
【0018】
トランジスタQ3及びQ4のソースは相互に短絡され、且つ電流源11を介して基準電位線(GND配線)4に接続されている。トランジスタQ3のドレインは、トランジスタQ3及びQ4の共通ソース(すなわち差動回路10の出力端)に接続されている。トランジスタQ4のドレインは、電源電位線3に直接接続されている。このように、差動回路10と差動回路20とは、いわゆる縦積みの関係にある。トランジスタQ3のゲートには、バースト信号の基礎となるパルス信号Sp1が入力され、トランジスタQ4のゲートには、パルス信号Sp1に対して相補的なパルス信号Sp2が入力される。
【0019】
ソースフォロワ回路31は、トランジスタQ5及び電流源12によって構成される。ソースフォロワ回路32は、トランジスタQ6及び電流源13によって構成される。トランジスタQ5及びQ6の各ソースは、それぞれ電流源12及び13を介して基準電位線4に接続されている。トランジスタQ5及びQ6のドレインは、電源電位線3に接続されている。トランジスタQ5のゲート(すなわちソースフォロワ回路31の入力端)は、トランジスタQ1のドレインと抵抗R1との間に設けられたノードN1に接続されている。トランジスタQ6のゲート(すなわちソースフォロワ回路32の入力端)は、トランジスタQ2のドレインと抵抗R2との間に設けられたノードN2に接続されている。
【0020】
差動回路40は、本実施形態における第3の差動回路である。差動回路40は、一対のトランジスタ(第3のトランジスタ)Q7及びQ8を含む。トランジスタQ7及びQ8のソースは相互に短絡され、且つ電流源14を介して基準電位線4に接続されている。トランジスタQ7及びQ8の各ドレインは、それぞれ抵抗R3及びR4を介して電源電位線3に接続されている。トランジスタQ7のゲートは、トランジスタQ5のソースと電流源12との間に設けられたノードN3に接続されている。トランジスタQ8のゲートは、トランジスタQ6のソースと電流源13との間に設けられたノードN4に接続されている。なお、トランジスタQ7のドレインと抵抗R3との間に設けられたノードN5の電位は、パルス変調回路1Aの出力信号Soutとして外部へ取り出される。
【0021】
以上の構成を備えるパルス変調回路1Aの作用(動作)及び効果について説明する。図2(a)及び図2(b)は、トランジスタQ1及びQ2の各ゲートに入力される相補的なRF信号Srf1,Srf2の信号波形を概略的に示している。上述したように、RF信号Srf1とRF信号Srf2とは、互いに位相が180°(T/2:Tは周期)異なっている。また、図3(a)及び図3(b)は、トランジスタQ3及びQ4の各ゲートに入力される相補的なパルス信号Sp1及びSp2の信号波形を概略的に示している。パルス変調回路1Aでは、トランジスタQ3のゲートに入力されるパルス信号Sp1がオン状態のときのみ、トランジスタQ1及びQ2に電流が流れる。トランジスタQ1及びQ2の各ゲートには相補的なRF信号Srf1,Srf2が入力されているので、ノードN1及びN2からソースフォロワ回路31,32へ出力される差動信号の信号波形はそれぞれ図4(a)及び図4(b)のようになる。
【0022】
そして、図4(a)及び図4(b)に示される波形を有する差動信号が、ソースフォロワ回路31,32を介してトランジスタQ7,Q8のゲートに入力される。これにより、ノードN5からは、図5に示すような波形の出力信号Soutが出力される。
【0023】
このパルス変調回路1Aでは、差動回路20のトランジスタQ4の出力(ドレイン)が電源Vccに直接接続されている。このような構成は、前述した特許文献3に記載されたいわゆるギルバートミキサ回路と相違する。ギルバートミキサ回路では、トランジスタQ4に相当するトランジスタの出力(ドレイン)に、差動回路10と同様の構成を備える別の差動回路が接続され、この差動回路を構成する一対のトランジスタの各ゲートには、RF信号Srf1,Srf2とは位相が180°異なる信号がそれぞれ入力される。
【0024】
ここで、差動回路には、一対の信号に含まれる同相成分を除去できるという特性がある。本実施形態のパルス変調回路1Aでは、トランジスタQ7,Q8の各ゲート入力が同方向(正方向または負方向)に同じ電圧だけシフトしたとしても、差動回路40において同相成分を除去することができるので、そのシフトの影響は出力信号Soutには現れない(Common Mode Rejection Ration:CMRR)。トランジスタQ1,Q2の出力(ノードN1,N2の電位)には、同相成分としてパルス信号Sp1,Sp2に対応する成分が含まれるが、このような差動回路40の作用により、出力信号Soutの同相成分が除去される。
【0025】
なお、ギルバートミキサ回路では、パルス信号Sp1がオフ状態(パルス信号Sp2がオン状態)のとき、上述した別の差動回路がアクティブとなり、差動回路40に相当する差動回路の各トランジスタには、位相が互いに180°異なる一対のRF信号が入力される。従って、トランジスタQ1,Q2に相当する各トランジスタの出力信号には、パルス信号Sp1がオフとなる期間であってもRF信号が同じ位相で重畳する。従って、これらの相補的な出力信号を差動回路40に相当する差動回路で受けたとしても、その出力信号Soutはバースト信号とはならず、連続的なRF信号となる。
【0026】
以上に説明した、本実施形態によるパルス変調回路1Aが奏する効果について説明する。前述したように、特許文献2に記載されたパルス変調モジュールでは、FET増幅回路のゲートバイアスを調整することによって高周波信号のオン/オフを制御している。しかしながら、このような構成では、比較的深いゲートバイアスをFETのゲートに印加する必要があり、ゲートバイアスが浅いとFETを十分なオフ状態にすることができない。従って、ゲートバイアスすなわちバースト用の信号振幅を大きくする必要が生じる。また、深いゲートバイアスをFETのゲートに与えることができたとしても、FETのゲート−ドレイン間容量が有意な値として残留するので、ゲートに入力された高周波信号の一部は当該FETのドレインに漏れてしまう。これにより、当該FETのドレインから出力される信号のオン/オフ比が劣化することとなる。一般に、一段のFETのみによって構成されたスイッチ回路ではオン/オフ比を十分に確保できないことから、複数段のFET増幅回路を直列に接続することによって十分なオン/オフ比を確保することが多い。特に、高周波信号の周波数が高い場合、ゲートからドレインへの漏れ信号が大きくなり、FET増幅回路の段数を多くしないと十分なオン/オフ比を確保することができない。従って、このような構成では回路規模が増大してしまうという問題がある。
【0027】
なお、特許文献3に記載された回路では、2段の差動回路を縦積みすることによって高周波信号とローカル信号との乗算を行っている。これは高周波信号及びローカル信号を逆に入力(上段に高周波信号、下段にローカル信号を入力)しても同じ動作をする。
【0028】
これらの従来技術に対し、本実施形態のパルス変調回路1Aでは、差動回路20を構成する一方のトランジスタQ4が電源電位線3に直接接続されており、トランジスタQ1,Q2の出力はRF信号Srf1,Srf2の影響を受けない。従って、パルス信号Sp1がオフ状態となる間、トランジスタQ1,Q2の各出力(すなわちノードN1,N2の各電圧)が完全に遮断される。すなわち、トランジスタQ1,Q2の各出力は、パルス信号に対しては相補的ではなく、RF信号についてのみ相補的となる。このようなトランジスタQ1,Q2の各出力を、ソースフォロア回路31,32を介して差動回路40で受けることにより、歪みが抑えられたバースト信号としての出力信号Soutを好適に得ることができる。
【0029】
また、本実施形態のパルス変調回路1Aでは、トランジスタQ1,Q2の出力からトランジスタQ7,Q8の出力までの信号経路上に、直流遮断用のキャパシタが設けられていない。これにより、直流(DC)領域からトランジスタの遮断周波数により決定される周波数までの全ての周波数領域において、同様の動作を期待できる。従って、特許文献2に示される方法、すなわち単体トランジスタのゲートバイアスとしてパルス信号を印加し、当該トランジスタのオン/オフ動作によってバースト信号を得る方法において顕著な影響を与えていた、この直流遮断用のキャパシタによる二次応答の影響を回避でき、バースト信号の立上がり及び立下りにおけるRF信号の挙動をより素早くすることができる。従って、歪みが抑えられたパルス状のRF信号を好適に得ることができる。
【0030】
ここで、図6(a)は、本実施形態のパルス変調回路1Aの出力波形を示すグラフである。また、図6(b)は、直流遮断用キャパシタを介して得られる出力波形を示すグラフである。ここで、縦軸は出力電圧(V)であり、横軸は時間(ナノ秒)である。これらのグラフにおいて、RF信号Srf1,Srf2の周波数として20GHz、パルス信号Sp1の振幅として1V、立ち上がり時間Tr及び立ち下がり時間Tfとして共に50ピコ秒、オン時間Tonとして1ナノ秒をそれぞれ想定した。
【0031】
図6(b)に示されるように、直流遮断用キャパシタを介して得られる出力波形においては次のような挙動が認められる。すなわち、直流遮断用キャパシタによる二次応答が、立ち下がり時には一旦過応答として現れ、その後、出力波形は平均値に漸近している。また、立ち上がり直後においても、直流遮断用キャパシタによる二次応答が過応答として現れ、その後、出力波形はハイレベルに漸近している。更に、立ち上がりから立ち下がりまでの期間において、重畳信号のローレベルは複雑な挙動を示している。このような挙動も、直流遮断用キャパシタによる二次応答が原因である。
【0032】
これに対し、図6(a)に示されるように、本実施形態のパルス変調回路1Aの出力波形においては、上記のような複雑な波形は全く出現していない。立ち上がりの直前及び直後、並びに立ち下がりの直前及び直後において、パルス信号Sp1の波形を忠実に表すバースト信号波形が得られている。これは、差動回路40によって、トランジスタQ1,Q2の出力(すなわちノードN1,N2の各電圧)に含まれる同相成分であるパルス信号が、確実に除去されていることを示している。このように、本実施形態のパルス変調回路1Aによれば、波形の整った(歪みの少ない)バースト信号を出力することができるので、例えば車載レーダ等でRF信号を間欠的に出力するような場合、その間欠動作の始点及び終点における信号波形の立ち上がり/立ち下がりを素早くでき、且つ二次応答成分を抑えることができる。従って、このような波形を必要とする用途では、対象物の検知精度を高めることができる。
【0033】
(第2の実施の形態)
図7は、本発明の第2実施形態に係るパルス変調回路1Bの構成を示す回路図である。第1実施形態のパルス変調回路1A(図1)と異なる点は、このパルス変調回路1Bが、3つのトランジスタQ9,Q10及びQ11を更に備える点である。なお、他の構成については第1実施形態と同様なので、詳細な説明を省略する。
【0034】
一対のトランジスタ(第4のトランジスタ)Q9及びQ10は、本実施形態における第4の差動回路50を構成する。一対のトランジスタQ9,Q10のうち一方のトランジスタQ9はトランジスタQ1と並列に接続されており、他方のトランジスタQ10はトランジスタQ2と並列に接続されている。トランジスタQ9のゲートにはトランジスタQ1のゲートに入力されるRF信号Srf1とは逆相で同周期の高周波信号が入力され、トランジスタQ10のゲートにはトランジスタQ2のゲートに入力されるRF信号Srf2とは逆相で同周期の高周波信号が入力される。
【0035】
詳細に説明すると、本実施形態では、トランジスタQ9及びQ10のソースは相互に短絡されている。トランジスタQ9のドレインは、トランジスタQ1の出力(ドレイン)に接続されており、トランジスタQ10のドレインは、トランジスタQ2の出力(ドレイン)に接続されている。トランジスタQ9のゲートにはRF信号Srf2が入力され、トランジスタQ10のゲートにはRF信号Srf1が入力される。
【0036】
トランジスタQ11は、本実施形態における第6のトランジスタである。トランジスタQ11は、トランジスタQ9及びQ10と直列に接続される。具体的には、トランジスタQ11のソースは、トランジスタQ3及びQ4の各ソースと短絡されている。トランジスタQ11のドレインは、トランジスタQ9及びQ10のソースに接続されている。
【0037】
トランジスタQ11のゲートには、ローレベルの直流信号であるバイアス電圧VLOWが入力される。バイアス電圧VLOWは、トランジスタQ11を定常的にオフ状態とする為に十分な深いバイアス電圧に設定される。従って、差動回路50は、常にオフ状態となる。
【0038】
本実施形態のパルス変調回路1Bによる作用効果について説明する。パルス変調回路1Bは、第1実施形態のパルス変調回路1Aの構成を全て含んでいるので、前述したパルス変調回路1Aによる効果を好適に奏することができる。
【0039】
ここで、第1実施形態のパルス変調回路1Aにおいては、図6(a)にも示されているように、パルス信号Sp1がオフ状態である間(トランジスタQ1,Q2がオフ状態となる間)であっても、実際には出力信号SoutとしてRF信号成分が漏れ出てしまう。この現象は、次のような作用に因る。パルス信号Sp1によってトランジスタQ3がオフ状態になると、トランジスタQ3のドレイン電圧(トランジスタQ1,Q2のソース電圧と同じ)は、電源電圧Vccの近くまで引き上げられる。その結果、トランジスタQ1,Q2もオフ状態となるが、トランジスタQ1,Q2のゲート−ドレイン間に存在する容量成分によって、トランジスタQ1,Q2のゲートに印加された信号がドレインに漏れ出てしまう。この漏れ出た信号は、トランジスタQ1とトランジスタQ2とで位相が逆であるため、差動回路40では殆ど除去されない。むしろ、差動回路40では、差動回路の特性として入力間の差分が増幅されるので、この漏れ出た信号成分が出力信号Soutにおいて大きく現れてしまう。従って、出力信号Soutに歪みが生じ、出力信号Soutのオン/オフ比を十分に確保できないおそれが生じる。
【0040】
このような問題点に鑑み、本実施形態のパルス変調回路1Bにおいては、差動回路50として一対のトランジスタQ9,Q10が設けられている。そして、トランジスタQ9のゲートには、トランジスタQ1のゲートに入力されるRF信号Srf1とは位相が180°異なるRF信号Srf2が入力されるとともに、トランジスタQ10のゲートには、トランジスタQ2のゲートに入力されるRF信号Srf2とは位相が180°異なるRF信号Srf1が入力される。また、トランジスタQ9の出力(ドレイン)はトランジスタQ1と並列に接続され、トランジスタQ10の出力(ドレイン)はトランジスタQ2と並列に接続されている。更に、トランジスタQ11のゲートにはバイアス電圧VLOWが与えられており、トランジスタQ11は常にオフ状態にある。
【0041】
このように接続されたトランジスタQ9,Q10においては、オフ状態におけるトランジスタQ1,Q2と同様、ゲート−ドレイン間に存在する容量成分によって、ゲートに印加された信号がドレインに漏れ出す。すなわち、トランジスタQ9のゲートに印加された信号が、トランジスタQ9のドレインを介してトランジスタQ1の出力(ノードN1)へ漏れ出し、トランジスタQ10のゲートに印加された信号が、トランジスタQ10のドレインを介してトランジスタQ2の出力(ノードN2)へ漏れ出す。そして、トランジスタQ1からの漏出信号と、トランジスタQ9からの漏出信号とは、位相が互いに逆である。同様に、トランジスタQ2からの漏出信号と、トランジスタQ10からの漏出信号とは、位相が互いに逆である。トランジスタQ1,Q9の出力(ドレイン)は並列的に一の負荷抵抗R1に接続されており、トランジスタQ2,Q10の出力(ドレイン)は並列的に一の負荷抵抗R2に接続されているので、これらの漏出信号は、抵抗R1及びR2において相殺されることとなる。従って、出力信号Soutのオン/オフ比を改善し、歪みを抑えることができる。
【0042】
なお、パルス変調回路1Bでは、トランジスタQ11のソースがトランジスタQ3,Q4の各ソースと共通に接続されているが、バイアス電圧VLOWとの関係でトランジスタQ11をオフ状態にするバイアス条件であれば、トランジスタQ11のソースとトランジスタQ3,Q4の各ソースとを共通化しなくてもよい。
【0043】
図8(a)は、本実施形態のパルス変調回路1Bの出力波形を示すグラフである。また、図8(b)は、第1実施形態のパルス変調回路1Aの出力波形を示すグラフである。ここで、縦軸は出力電圧(V)であり、横軸は時間(ナノ秒)である。これらのグラフにおいても、RF信号Srf1,Srf2の周波数として20GHz、パルス信号Sp1の振幅として1V、立ち上がり時間Tr及び立ち下がり時間Tfとして共に50ピコ秒、オン時間Tonとして1ナノ秒をそれぞれ想定している。
【0044】
図8(a)に示されるように、本実施形態のパルス変調回路1Bによれば、トランジスタQ9〜Q11による補償回路の作用により、出力信号Soutがオフ状態であるときの漏出信号成分の強度が、第1実施形態のパルス変調回路1Aと比較して40%程度にまで減少する。また、出力信号Soutのオン/オフ比は、パルス変調回路1Aの2倍(6dB)に改善される。なお、図8(a)においては、オン状態のときの出力信号Soutの強度(p−p値)が、パルス変調回路1Aと比べて低下している。これは、出力信号Soutがオン状態のときであっても、トランジスタQ9,Q10からの漏出信号成分が抵抗R1,R2に及ぼされ、トランジスタQ1,Q2の出力に重畳される結果、トランジスタQ1,Q2の出力が小さくなるからである。
【0045】
(第3の実施の形態)
図9は、本発明の第3実施形態に係るパルス変調回路1Cの構成を示す回路図である。第1実施形態のパルス変調回路1A(図1)と異なる点は、このパルス変調回路1Cが、3つのトランジスタQ11,Q12及びQ13を更に備える点である。なお、他の構成については第1実施形態と同様なので、詳細な説明を省略する。
【0046】
一対のトランジスタQ12及びQ13は、差動回路60を構成する。トランジスタQ12及びQ13のソースは相互に短絡されている。トランジスタQ12のドレインはトランジスタQ1の出力(ドレイン)に、そのゲートはトランジスタQ2のドレインにそれぞれ接続されており、トランジスタQ13のドレインはトランジスタQ2の出力(ドレイン)に、そのゲートはトランジスタQ1のドレインにそれぞれ接続されている。このように、差動回路60のトランジスタQ1,Q2それぞれには、トランジスタQ2,Q1それぞれからの出力(すなわちノードN2,N1の各電圧)が入力される。
【0047】
トランジスタQ11の構成は、前述した第2実施形態と同様である。すなわち、トランジスタQ11のソースは、トランジスタQ3及びQ4の各ソースと短絡されている。トランジスタQ11のドレインは、トランジスタQ12及びQ13のソースに接続されている。トランジスタQ11のゲートには、一定のバイアス電圧VLOWが入力される。バイアス電圧VLOWは、トランジスタQ11を定常的にオフ状態とする為に十分な深いバイアス電圧に設定される。従って、差動回路60は、常にオフ状態となる。
【0048】
本実施形態のパルス変調回路1Cにおいても、第2実施形態のパルス変調回路1Bと同様の作用効果を得ることができる。ここで、トランジスタQ2のドレインには入力信号Srf1と同じ位相の信号が、トランジスタQ1のドレインには入力信号Srf2と同じ位相の信号が現れる。すなわち、差動回路60の入力信号は差動回路10の入力信号と同じ位相の信号が与えられている。ここで、トランジスタQ3がオフの時、そのドレインN2の漏れ出た入力信号Srf2はトランジスタQ11もオフであるのでさらにトランジスタQ12のゲートからドレインに漏れ出る。すなわち、第1の差動回路10の二つのノード(ドレイン)N1、N2は、この差動回路10がオフの時には二つのトランジスタQ12、Q13のゲート−ドレイン間の容量で短絡されることになる。ノードN1、N2に漏れ出る信号は互いに逆位相なので相互に打ち消し合うことができる。トランジスタQ3がオンの時にはノードN1に現れるトランジスタQ1からの増幅信号と、トランジスタQ12からの漏れ信号は同じ位相となるので、出力信号と振幅を減少させることはない。ここで、トランジスタQ12、Q13はエンハンスメント型のトランジスタであることが好ましい。デプレション型トランジスタの場合にはノードN1、N2からこれらトランジスタのゲートに向けて回路31、32と同様のレベルシフト回路が必要となる。
【0049】
(第4の実施の形態)
図10は、本発明の第4実施形態に係るパルス変調回路1Dの構成を示す回路図である。第1実施形態のパルス変調回路1A(図1)と異なる点は、このパルス変調回路1Dが、第5の差動回路70を更に備える点である。なお、他の構成については第1実施形態と同様なので、詳細な説明を省略する。
【0050】
差動回路70は、一対のトランジスタ(第5のトランジスタ)Q14及びQ15を含む。
トランジスタQ14及びQ15は、トランジスタQ1及びQ2のうち差動回路10が接続されていないトランジスタQ2の一方の電流端子(ドレイン)と直列に接続される。
【0051】
詳細には、トランジスタQ14及びQ15のソースは、相互に短絡されており且つトランジスタQ4のドレインに接続されている。トランジスタQ14及びQ15の各ドレインは、それぞれ抵抗R5及びR6を介して電源電位線3に接続されている。トランジスタQ14及びQ15の各ゲートには、それぞれ信号RH及びRLが入力される。信号RH及びRLは、相補的な信号であり、いずれか一方がオン状態である場合は他方がオフ状態となる直流(DC)信号である。本実施形態では、信号RHはハイレベルの直流信号であり、信号RLはローレベルの直流信号である。
【0052】
本実施形態のパルス変調回路1Dによる作用効果について説明する。パルス変調回路1Dは、第1実施形態のパルス変調回路1Aの構成を全て含んでいるので、前述したパルス変調回路1Aによる効果を好適に奏することができる。
【0053】
また、前述した第1及び第2の実施形態では、パルス信号Sp1及びSp2が入力される差動回路20のトランジスタQ3,Q4のうち、差動回路10に対していわゆる縦積みされるトランジスタQ3にのみ、そのドレインにデバイス(トランジスタQ1,Q2)が接続されている。この場合、差動回路20の動特性が、トランジスタQ3側とトランジスタQ4側とでアンバランスとなる。すなわち、トランジスタQ4がオフ状態であるときには、トランジスタQ4のドレイン電圧がほぼ電源電圧Vccに張り付く。一方、トランジスタQ3のドレインと電源電位線3との間には差動回路10が接続されているので、トランジスタQ3がオフ状態であるときでも、トランジスタQ3のドレインは電源電圧Vccに張り付くことはない。このような差動回路20の動特性のアンバランスは好ましくない。
【0054】
このような問題点に鑑み、本実施形態のパルス変調回路1Dにおいては、トランジスタQ4のドレインにも他の差動回路70を接続し、差動回路70を構成する2つのトランジスタQ14,Q15のいずれか一方をオン状態、他方をオフ状態とする。例えば、トランジスタQ14のゲートにはハイレベルの直流信号RHが、トランジスタQ15のゲートにはローレベルの直流信号RLがそれぞれ与えられる。また、差動回路70の負荷(抵抗R5及びR6)についても、差動回路10の負荷(抵抗R1及びR2)と同じ抵抗値とするとよい。これにより、差動回路20の動特性が、トランジスタQ3側とトランジスタQ4側とで対称的となり、出力波形に現れる歪みを更に低減することができる。
【符号の説明】
【0055】
1A〜1D…パルス変調回路、3…電源電位線、4…基準電位線、10…(第2の)差動回路、11〜14…電流源、20…(第1の)差動回路、31,32…ソースフォロワ回路、40…(第3の)差動回路、50…(第4の)差動回路、60…差動回路、70…(第5の)差動回路、N1〜N5…ノード、Q1〜Q15…トランジスタ、R1〜R6…抵抗、Sout…出力信号、Sp1,Sp2…パルス信号、Srf1,Srf2…RF信号、VLOW…バイアス電圧。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
間欠的な高周波信号を生成するためのパルス変調回路であって、
一対の第1のトランジスタを含む第1の差動回路と、
前記一対の第1のトランジスタのうち一方の前記第1のトランジスタの一方の電流端子と直列に接続され、差動信号を出力する一対の第2のトランジスタを含む第2の差動回路と、
前記第2の差動回路から出力された前記差動信号を各制御端子に受ける一対の第3のトランジスタを含む第3の差動回路と
を備え、
前記一対の第1のトランジスタ及び前記一対の第2のトランジスタのうち一方の各制御端子に相補的な高周波信号が入力され、他方の各制御端子に相補的なパルス信号が入力されることを特徴とする、パルス変調回路。
【請求項2】
一対の第4のトランジスタを含む第4の差動回路を更に備え、
前記一対の第4のトランジスタのうち一方の前記第4のトランジスタが前記一対の第2のトランジスタのうち一方の前記第2のトランジスタと並列に接続されており、他方の前記第4のトランジスタが前記一対の第2のトランジスタのうち他方の前記第2のトランジスタと並列に接続されており、
前記一方の第4のトランジスタの制御端子には前記一方の第2のトランジスタの制御端子に入力される前記高周波信号とは逆相で同周期の高周波信号が入力され、前記他方の第4のトランジスタの制御端子には前記他方の第2のトランジスタの制御端子に入力される前記高周波信号とは逆相で同周期の高周波信号が入力されていることを特徴とする、請求項1に記載のパルス変調回路。
【請求項3】
前記一対の第4のトランジスタと直列に接続された第6のトランジスタを更に備え、
前記第6のトランジスタの制御端子にはローレベルの直流信号が入力されることを特徴とする、請求項3に記載のパルス変調回路。
【請求項4】
一対の第4のトランジスタを含む第4の差動回路と当該一対の第4のトランジスタと直列に接続された第6のトランジスタを更に備えており、
当該一対の第4のトランジスタは前記一対の第1のトランジスタの出力を受けその位相を反転して前記第1のトランジスタの出力に戻しており、
前記第6のトランジスタの制御端子にはローレベルの直流信号が入力されることを特徴とする、請求項1に記載のパルス変調回路。
【請求項5】
前記一対の第1のトランジスタのうち他方の前記第1のトランジスタの一方の電流端子と直列に接続される一対の第5のトランジスタを含む第5の差動回路を更に備え、
前記一対の第5のトランジスタのうち一方の前記第5のトランジスタの制御端子にハイレベルの直流信号が入力され、他方の前記第5のトランジスタの制御端子にローレベルの直流信号が入力されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のパルス変調回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−228946(P2011−228946A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−97103(P2010−97103)
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】