説明

パルス放出のための経口医薬コート組成物

薬学的活性剤、コア、酢酸セルロース:ヒドロキシプロピルメチルセルロース比が80%〜99.5%:0.5%〜20%で酢酸セルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む内フィルムおよびエチルセルロース:ヒドロキシプロピルセルロースの比が50%〜80%:20%〜50%でエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースを含む外フィルムを含むコーティングを含む、医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御放出経口医薬組成物、およびより具体的にパルス放出のための医薬送達系に関する。
【背景技術】
【0002】
制御放出製剤は、活性剤の放出までの時間(ラグタイムまたは遅延時間とも呼ばれる)、活性剤の放出速度(例えば遅いまたは速い)、および活性剤の放出持続時間(例えば長いまたは短い)を制御するために製剤され得る。このような局面は、例えば水中または望むならば体系での、例えば人工胃液での、標準インビトロ溶解試験において観察され得る。
【0003】
規定されたラグタイムでの放出を可能にする時間制御放出製剤についての刊行物は存在するが、信頼でき、商業的に許容される改善された製剤への要求はまだ存在する。
【0004】
驚くべきことに、本発明の状況で、胃腸環境に存在するイオン、例えば、水素イオンおよびヒドロキシルイオンの濃度およびタイプと無関係に、例えば、pHと無関係に、ホスフェートイオンと無関係に、およびまた周囲の体液に存在する酵素とも無関係に、医薬活性剤または活性剤混合物の、特異的な時間での、すなわち、遅延時間またはラグタイムを有する放出を可能にする医薬組成物が本発明により発見された。
【発明の開示】
【0005】
本発明は、一つの局面において、薬学的活性剤、コアならびに内フィルムおよび外フィルムを含むコーティングを含む、医薬組成物、好ましくは錠剤を提供する。該内フィルムは、酢酸セルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースを、約80%から約99.5%:約0.5%から約20%の酢酸セルロース:ヒドロキシプロピルメチルセルロース比で含んでよく、そして該外フィルムは、エチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースを、約50%から約80%:約20%から約50%のエチルセルロース:ヒドロキシプロピルセルロース比で含んでよい。好ましくは、該内フィルムは、例えば酢酸セルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースを、約98%:約2%、例えば、約95%:約5%のエチルセルロース:ヒドロキシプロピルセルロース比で含んでよい。好ましくは、該外フィルムは、エチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースを、例えば、約70%から約30%、例えば約60%から約40%のエチルセルロース:ヒドロキシプロピルセルロース比で含んでよい。本発明の状況下で、ラグタイムの小さい変化が、このような態様で得られ得ることが判明した。該内フィルムは直接コアと接触してよく、そして半透膜であり得て、水または体液のみ透過性であり、他の物質については透過性ではない。脆い内フィルムは割けることができ、系に開口部をもたらし、該コアからの医薬放出を開始する。該内フィルムは、例えば溶媒系アセトン/エタノール/水中7%懸濁液として適用し得る。該外フィルムは同様に半透性であり、例えば、水を透過させるか、または透過性である。該外フィルムは、水のコアへの振盪を制御し得て、系の目標とする開口時間をもたらす。該外フィルムは、例えばアセトン/エタノール(60/40)の溶媒系中5%懸濁液として適用し得る。
【0006】
医薬組成物のコアは、活性剤、所望により崩壊剤および/または所望により浸透圧剤を含み得る。好ましくは、該医薬組成物の該コアは、活性剤、崩壊剤および所望により浸透圧剤を含み得る。本発明の一つの局面において、本活性剤は浸透圧剤としておよび/または崩壊剤として作用し得る。浸透圧剤は、透過性外フィルムおよび内フィルムを通して水または体液を吸収し得る。崩壊剤は水または体液の存在下で膨張し、コーティングが破裂または破壊し、そして、例えば、箱の蓋のように系を開口させる原因となる機械圧を作る。
【0007】
“インビトロ開口時間”は、最初に水と接触してから、フィルムコートが破裂し、そして錠剤から活性剤が放出されるまでの期間を意味する。
【0008】
“ラグタイム”は、組成物を投与してから、該コアから有効量の活性剤が放出されるまでの間の時間を意味する。
【0009】
“半透膜”は、該膜でコーティングされている活性剤含有コアに、例えば、体液から水を透過させ、そして溶解した活性剤がコアの外に出ていくことを妨げるのに適する膜を意味する。
【0010】
本発明の利点は、規定したラグタイムが、コアに適用した外フィルムの量により達成できることである。該外エチルセルロースおよびヒドロキシプロピル−メチルセルロース・コーティングは、水のコアへの浸透を制御し、系の目的とする開口時間をもたらす。さらなる利点は、内および外の、両フィルムコートが、1個のフィルムコートのみと比較して、総フィルム重量の顕著な低下をもたらし、そして、再現性のあるフィルムの亀裂をもたらすことである。
【0011】
本発明の組成物は、広範囲の活性剤、例えば固体の、無機または、特に、有機活性物質であり得る医薬活性成分の投与に使用でき、それらの鎮痛剤、解熱剤、抗喘息剤、抗リウマチ剤、鎮静剤、催眠剤、抗てんかん剤、抗鬱剤および賦活剤、麻酔、神経遮断性鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、抗高血圧剤、抗凝血剤、抗血栓剤、精神薬理学的薬剤、精神安定剤、化学療法剤、例えば抗生物質、スルホンアミド、抗結核剤(静結核菌剤(tuberculostatic agent))としてのそれらの適応に従い使用すべきであり、または、さらに熱帯感染に対する化学療法剤、利尿剤、鎮痙剤、心血管剤、例えば交感神経刺激剤、抗高血圧剤、心臓賦活剤、例えば強心配糖体およびジギタロイド(digitaloid)、非経腸糖治療剤、中枢神経系に作用する興奮剤、高齢者用薬剤、(横紋筋の)弛緩剤(tonolytics)、抗パーキンソン剤、細胞増殖抑制剤、免疫抑制剤、強壮剤およびビタミン類(B. Helwig (Moderne Arzneimittel), 1980に従う)、または抗生物質、ペニシリン、テトラサイクリン、クロロテトラサイクリン、バシトラシン、ニスタチン、ストレプトマイシン、ネオマイシン、ポリマイシン、グラミシジン、オキシテトラサイクリン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、リファンピシン、セファゾリン、セフォキシチン、セフスロジン、セフォチアムおよびメフォキシンを使用でき、化学療法剤としてスルファメチアジン、スルファメラジン、スルファメチゾールおよびスルフイソキサゾールを、本発明に従う提示のための固体活性成分として使用できる。加えて、例えば鎮静剤および催眠剤として、抱水クロラール、ペンタバルビタール、フェノバルビタール(phenobarnital)、セコバルビタール、コデインおよびカルブロマールを使用してよく、そして強心配糖体およびジギタロイドとして、ジギトキシンおよびジゴキシンを使用でき、そして交感神経刺激剤として、エピネフリンを、水可溶性形態または水不溶性形態で固体活性物質として使用できる。
【0012】
特に、解熱剤、鎮痛剤および抗リウマチ剤、例えばプロピフェナゾン、アミノフェナゾン、アスピリン(ASA)、アンチピリン、メチルニフェナジン(nifenazine)、メラミンスルホン、スルフェナゾン(sulfenazone)、フェナセチン、ペンタゾシン、ラクトフェニン、パラセタモール、キニン、フルフェナム酸、メフェナム酸、トルフェナム酸、メクロフェナム酸、ニフルム酸、クロニキシンまたはクロニキシジン(clonixidin)、フルニキシン、イブプロフェン、スプロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、ピルプロフェン、ジクロフェナク、イブフェナク、プロクチシック(procticic)酸、ナプロキセン、シクロプロフェン、トルメチン、クロピラック、チアプロフェン酸、オキサプロジン、フェンクロズ酸、フェンチアザク、クリダナク、フェンクロナック(fenclonac)、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、カルプロフェン、スリンダク、シンメタシン、フェンブフェン(fenbuten)、エトドラク、ブチフフェン(butifufen)を、適当な水可溶性形態または水不溶性形態で本発明に従う提示において固体活性成分として使用できる。
【0013】
最も有利に、精神薬理学的薬剤、例えばチオリダジン、イミプラミン、デスイミプラミン、クロミプラミン、ケトイミプラミン、オピプラモール、アミトリプチリン、ノルトリプチリン、レセルピン、アロマジン、クロルプロマジン、フルオプロマジン(fluopromazine)、メトプロマジン、トリメプラジン、ジエタジン、プロメタジン、アミノプロマジン、メパジン、ピパマジン、マプロチリンおよびリバスチグミンのような、水可溶性形態または水不溶性形態の神経遮断剤、抗鬱剤、感情調整薬、タイム処方剤(thymerethical drugs)およびトランキライザーは、本発明に従い固体活性成分として使用できる。
【0014】
加えて、オクスプレノロールおよびメトプロロールのような抗高血圧剤は、本発明の組成物中の固体活性成分として使用できる。
【0015】
本発明の活性剤は、約0.1mg/ml、例えば、0.5mg/ml、例えば、1mg/mlから約750mg/ml、好ましくは約9mg/mlから約500mg/mlの水への溶解度を有し得る。
【0016】
本発明に従う活性剤の量は、単位投与形態あたり約1mgから約150mg、好ましくは約1mgから約100mg、最も好ましくは約1.5mgから約81mgの化合物であり得る。
【0017】
本発明の組成物のコアは、結合剤を含み得る。適当な結合剤は、ポリサッカライド、例えばジャガイモデンプン、小麦デンプン、コーンデンプン、セルロースおよびそれらの誘導体、例えば微結晶性セルロース、例えば、登録商品名Avicel PH(Fiedler, loc.cit., p.275)の下に既知の製品、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、スクロース、デキストロースおよびゼラチンである。結合剤は、組成物の約0%から約50%、例えば約0.5%から約20%、または約0.7%から約15%、例えば約0.7%から約14.6重量%の量で存在し得る。
【0018】
本発明のコアは、さらに崩壊剤を含み得る。崩壊剤として、本組成物はデンプン、クレイ、セルロース、ガム、架橋または非架橋ポリマー、例えば、ポリビニルポリピロリドン、架橋ポリビニルポリピロリドンまたはクロスポビドン、例えば、International Speciality Products(Wayne, NJ)のPolyplasdone XL、架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロースまたはクロスカルメロースナトリウム、例えば、FMCからのAC-DI-SOL、および架橋カルシウムカルボキシメチルセルロース、ダイズポリサッカライド、およびグアーガムを含み得る。崩壊剤は、組成物の約1%から約75%、好ましくは約50%から約60重量%の量で存在し得る。
【0019】
本組成物のコアは、さらに、浸透圧物質または薬剤、例えば、何らかの塩、好ましくは塩化ナトリウムを含み得る。活性剤それ自体が浸透圧特性を有し得て、浸透圧物質として働き得る。浸透圧剤は、組成物の約1%から約50%、好ましくは約20%から約30重量%の量で存在し得る。
【0020】
本発明の組成物のコアは、さらに平滑剤を含み得る。平滑剤の例は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、安息香酸ナトリウム、例えば200〜800ダルトンの分子量を有する、グリセロールモノ脂肪酸、例えば、グリセロールモノステアレート(例えばDanisco UK)、グリセロールジベハナート(例えば, CompritolATO888TM, Gattefosse France)、グリセロールパルミト−ステアリックエステル(例えばPrecirolTM, Gattefosse France)、ポリエチレングリコール、水素化綿実油(Lubitrab, Edward Mendell Co Inc)、ひまし油(Cutina HR, Henkel)を含む。平滑剤は、組成物の約0.1%から約5%、例えば約0.1%から約3%または、例えば、約0.2%から約1重量%の量で存在し得る。
【0021】
本発明の組成物のコアは、さらに流動促進剤を含み得る。流動促進剤の例は、例えば、登録商品名Aerosil(Fiedler loc.cit. p. 161)の下に既知のコロイド状二酸化ケイ素、およびタルクを含む。流動促進剤は、組成物の約0.1%から約10%、例えば約2から約6重量%の量で存在し得る。
【0022】
例えば、その内容を本明細書に包含させるFiedler's “Lexikon der Hilfstoffe”, 5th Edition, ECV Aulendorf 2002および“Handbook of Pharmaceutical Excipients” Wade and Weller 4th Edition 2003のような文献に開示の他の賦形剤を、本発明の医薬組成物に用いてよい。
【0023】
本発明によって、コアは、例えば、水および体液に対して半透性である内フィルムならびに透過性である外フィルムによりコーティングされていてよい。この2個のコーティングの組合せが、活性剤のパルス放出を提供し得る。
【0024】
内フィルムは酢酸セルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み得る。酢酸セルロースが、例えば、酢酸セルロースE320または398-10を含み得る(Handbook of Pharmaceutical Excipients loc.cit. p. 117)。ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、好ましくは約3cps(2%(w/w)水性溶液)の粘性を有する。
【0025】
外フィルムコーティングは、エチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み得る。エチルセルロースは、例えば、Aqualon N10(Dow Chemicals Companyから入手可能)として既知であり、登録されているエチルセルロースであり得る。ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、好ましくは約3cps(2%(w/w)水性溶液)の粘性を有し得る。
【0026】
内酢酸セルロースフィルムのコート重量は、約1〜約20mg/cmの範囲であり得て、外フィルムのコートは、約1〜15mg/cmの範囲であり得る。
【0027】
一つの態様において、本発明は、5×1.9mmから22×8.7mm、好ましくは10×5.2mm、14×5.5mm、および17.5×7mmの錠剤サイズの卵形錠剤または卵形ミニタブレットである。ミニタブレットは、小袋またはカプセルに充填してよい。
【0028】
本発明の錠剤コアの薬剤負荷量は、低用量錠剤コアについては約0.01%から約10%および中用量錠剤コアについては約10%から約50%の範囲であり得る。薬剤負荷量は、医薬物質が崩壊剤として作用するならば、約96%まで可能である。
【0029】
錠剤の開口時間は、伝導度測定による測定を使用して、標準溶解試験により決定し得る。錠剤を、50rpmの速度で撹拌する回転式パドルを含む1リットル脱塩水を満たした標準溶解装置に、37℃で入れてよい。電極で、溶解媒体の伝導度を連続的に測定し得る。本発明の錠剤は、浸透圧剤としてコアに塩化ナトリウムまたは何らかの他の伝導性物質を含み得て、それが錠剤開口後、溶解媒体に放出され得る。溶解した塩化ナトリウムは、溶解媒体の伝導度を増加させ得る。この増加を測定し、増加した時間を記録する。
【0030】
錠剤の開口時間は、1時間の最短開口時間から14時間の最長開口時間の間で変わり得る。開口時間は、コアの薬剤負荷量ならびに内および外フィルムのコート重量による。
【0031】
さらなる局面において、本発明は、本発明の組成物の製造方法を提供する。
【0032】
方法
本発明の組成物は
(i) 精製水に活性剤を溶解し
(ii) 存在するならば、崩壊剤、結合剤、浸透圧剤および流動促進剤を混合し
(iii) 混合物(i)と混合物(ii)を混合し
(iv) 顆粒を、例えば流動床で乾燥させ
(v) 乾燥顆粒を、例えば800マイクロメーター篩いを篩過させ
(vi) 工程(v)の乾燥顆粒と平滑剤および流動促進剤を混合し
(vii) 組成物を形成する
ことにより得ることができる。
【0033】
好ましくは、本発明の組成物は
(i) 精製水に活性剤を溶解し
(ii) 存在するならば、崩壊剤、結合剤、浸透圧剤および流動促進剤を混合し
(iii) 混合物(i)と混合物(ii)を混合し
(iv) 顆粒を、例えば流動床で乾燥させ
(v) 乾燥顆粒を、例えば800マイクロメーター篩いを篩過させ
(vi) 工程(v)の乾燥顆粒と平滑剤および流動促進剤を混合し
(vii) 錠剤を、例えば直接圧縮により形成する
ことにより得ることができる。
【0034】
あるいは、本発明の組成物は、
(i) 活性物質と、存在するならば、崩壊剤、結合剤、浸透圧剤および流動促進剤を乾燥混合し
(ii) 造粒液を添加し
(iii) 顆粒を、例えば流動床で乾燥させ
(iv) 乾燥顆粒を、例えば800マイクロメーター篩いを篩過させ
(v) 工程(iv)の乾燥顆粒と平滑剤および流動促進剤を混合し
(vi) 組成物を形成する
ことにより得ることができる。
【0035】
好ましくは、別法として、本発明の組成物は
(i) 活性と、存在するならば、崩壊剤、結合剤、浸透圧剤および流動促進剤を乾燥混合し
(ii) 造粒液を添加し
(iii) 顆粒を、例えば流動床で乾燥させ
(iv) 乾燥顆粒を、例えば800マイクロメーター篩いを篩過させ
(v) 工程(iv)の乾燥顆粒と平滑剤および流動促進剤を混合し
(vi) 錠剤を、例えば直接圧縮により形成する
ことにより得ることができる。
【0036】
これらの方法により製造した最終組成物、特に錠剤、好ましくは圧縮錠剤は、内および外コーティングによりコーティングし得る。
【0037】
本発明の好ましい組成物は、活性剤として、例えばリバスチグミンを含み得て、例えば、以下である(重量%):
【表1】

【0038】
パルス型に医薬放出する本発明の組成物は、活性剤の1日1回投与を達成するために有用であり得る。本発明の組成物は、冠血管梗塞、狭心症発作、気管支喘息、リウマチ性疼痛または軽度乃至中程度アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病としても既知)の処置に有用であり得る。
【0039】
以下の実施例は説明的であるが、ここに記載の本発明の範囲を限定するために提供するものではない。実施例は、本発明を実施するための方法の示唆に過ぎない。
【実施例】
【0040】
実施例1
A. コアの製造:
60,000コアの塊を以下の通り製造する。144gのリバスチグミン酒石酸水素塩(hta)を約9300gの精製水に溶解する。5947gのPolyplasdone-XL、1576gの微結晶性セルロース、2652gの塩化ナトリウム(予め粉砕)、および274gのコロイド状二酸化ケイ素(Aerosil 200)を75L Collette Gral High Shear Mixerに移す。Collette Gralで、乾燥粉末を3分低速のインペラーで、チョッパーをオフにして混合する。その後、リバスチグミン溶液を(2L/分の投与速度)でインペラーおよびチョッパーを両方とも低速で操作しながら添加する。Collette Gralを、低速のインペラーおよびチョッパーで3分操作する。次いで、顆粒を約70℃の入口空気温度の流動床ドライヤーで、3%未満の乾燥減量が達成されるまで乾燥させる。その後、乾燥顆粒を800μm篩いを篩過させ、ステアリン酸マグネシウムおよびコロイド状二酸化ケイ素(Aerosil 200)(両方とも予め0.5mm篩いサイズを篩過)と、フリー・フォール・ブレンダー中120回転混合する。
【0041】
B. 打錠
次いで、この混合物を、適当な打錠機(tablet press)を使用して、10×5.2mmサイズの楕円形の工具を使用して、178mgの錠剤に圧縮する。コア硬度は130Nである。
【0042】
C. フィルムコーティング:
最初に、2個のフィルムのための2個の溶液を調製する。428gの酢酸セルロース398−10、428gの酢酸セルロース320Sおよび45gの3cps HPMCを70%アセトン、20%エタノールおよび10%精製水の溶媒混合物に溶解して、固体成分の7.5重量%溶液を得る。216gのエチルセルロース10cpsおよび144gの3cps HPMCを、60%アセトンおよび40%エタノールの溶媒混合物に溶解して、固体成分の5重量%溶液を得る。20%までの過剰の溶液を、コーティング工程中のスプレー乾燥の損失を補うために調製し得る。上記の通り製造した錠剤を、適当な穴あきコーティングパンで、最初に酢酸セルロース溶液および次いでエチルセルロース溶液を、目標フィルム重量まで噴霧することによりコーティングする。塩化メチレン/メタノールのような他の溶媒系も使用してよい。
【0043】
C. 組成
【表2】

【0044】
実施例2
錠剤コアの組成
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬学的活性剤、コア、酢酸セルロース:ヒドロキシプロピルメチルセルロース比が80%〜99.5%:0.5%〜20%で酢酸セルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む内フィルムおよびエチルセルロース:ヒドロキシプロピルセルロースの比が50%〜80%:20%〜50%でエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースを含む外フィルムを含むコーティングを含む、医薬組成物。
【請求項2】
該コアが該活性剤を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
該コアがさらに崩壊剤を含む、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
該コアがさらに浸透圧剤を含む、請求項2または3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
活性剤の量が投与形態の総重量に基づいて1〜150mg/投与形態である、請求項1から4のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項6】
該活性剤の水への溶解度が0.5〜750mg/mlである、請求項1から5のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項7】
該崩壊剤がポリビニルポリピロリドンである、請求項3から6のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項8】
該浸透圧剤が塩である、請求項4から7のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項9】
該浸透圧剤が塩化ナトリウムである、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
該コアが結合剤を含む、請求項1から9のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項11】
該結合剤が微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、またはヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
該コアが流動促進剤を含む、請求項1から11のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項13】
該流動促進剤がコロイド状二酸化ケイ素である、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
該コアが平滑剤を含む、請求項1から13のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項15】
該平滑剤がステアリン酸マグネシウムである、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
請求項1から15のいずれかに記載の医薬組成物の製造方法であって、
(i) 精製水に活性剤を溶解し
(ii) 存在するならば、崩壊剤、結合剤、浸透圧剤および流動促進剤を混合し
(iii) 溶解物(i)と混合物(ii)を混合し
(iv) 顆粒を、例えば流動床で乾燥させ
(v) 乾燥顆粒を、例えば800マイクロメーター篩いを篩過させ
(vi) 工程(v)の乾燥顆粒と平滑剤および流動促進剤を混合し
(vii) 組成物を形成する
ことを含む、方法。
【請求項17】
請求項1から15のいずれかに記載の医薬組成物の製造方法であって、
(i) 活性剤と、存在するならば崩壊剤、結合剤、浸透圧剤および流動促進剤を乾燥混合し
(ii) 造粒液を添加し
(iii) 顆粒を、例えば流動床で乾燥させ
(iv) 乾燥顆粒を、例えば800マイクロメーター篩いを篩過させ
(v) 工程(iv)の乾燥顆粒と平滑剤および流動促進剤を混合し
(vi) 組成物を形成する
ことを含む、方法。

【公表番号】特表2009−531383(P2009−531383A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−502078(P2009−502078)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【国際出願番号】PCT/EP2007/052974
【国際公開番号】WO2007/113187
【国際公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】