パルス波形データの作成方法
【課題】複数のチャンネルについて波高値が連続するアドレスをマトリクス形式の表に記述し、各チャンネル相互間における同一アドレスを含むデータの位置を認識しやすくしてデータの変更を効率的に行うことを目的とする。
【解決手段】本発明のパルス波形データの作成方法は、演算部が、隣接するアドレス間で波高値が連続してハイまたはローとなっているアドレスの個数である第1及び第2の値の入力用の表を表示し、入力された前記第1及び第2の値についてマトリクス上の行、列番号及びアドレス最小値、最大値を記憶部に記憶し、入力された第1及び第2の値に基づいて表示装置の画面上にパルス波形を表示し、画面上で選択された特定のアドレスと前記第1及び第2の値のアドレスの最小値及び最大値とを比較して特定のアドレスを含む第1または第2の値の表における表示方法を他の値と異ならせることを特徴とする。
【解決手段】本発明のパルス波形データの作成方法は、演算部が、隣接するアドレス間で波高値が連続してハイまたはローとなっているアドレスの個数である第1及び第2の値の入力用の表を表示し、入力された前記第1及び第2の値についてマトリクス上の行、列番号及びアドレス最小値、最大値を記憶部に記憶し、入力された第1及び第2の値に基づいて表示装置の画面上にパルス波形を表示し、画面上で選択された特定のアドレスと前記第1及び第2の値のアドレスの最小値及び最大値とを比較して特定のアドレスを含む第1または第2の値の表における表示方法を他の値と異ならせることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパルス波形のデータの作成方法に関し、特に複数のチャンネルのパルス波形のデータの作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パルス信号発生器はデジタル回路の動作テスト等に広く利用されている。パルス信号発生器を用いて、ユーザが所望の波形のパルスを作成する方法として、パルス信号発生器とは独立してコンピュータ上でパルス波形を作成する方法が主流となっている(例えば特許文献1)。これは、パルス信号発生器本体でパルス波形のデータを作成するよりもコンピュータのグラフィックス機能を用いた方が効率的にデータを作成できるためである。コンピュータで作成したパルス波形のデータは記憶媒体等を利用して、パルス信号発生器のメモリに転送される。
【0003】
図1に一般的なパルス波形の波高値と時間との関係を示す。パルスのハイを1でローを0で表している。1周期を単位時間で分割した期間に連続した番号を付し、これをアドレスと呼ぶことにすれば、アドレスと波高値との組み合わせのデータを作成することによりパルス波形のデータを作成できる。具体的には、図1に示すようにアドレス0に波高値1を対応させ、アドレス1に波高値0を対応させ、以下同様に1周期内の全てのアドレスに波高値を対応させればよい。
【0004】
図2は、上記のようにしてアドレスと波高値とを対応させたデータの例である。このようなパルス波形のデータをコンピュータ上で作成し、記憶媒体等に記憶した後、パルス波形発生器のメモリに転送し、メモリに格納されたデータを順次読み出し、基準クロックのタイミングに合わせてハイまたはローの電圧を出力することによって所望のパルス波形を発生させることができる。
【0005】
図3はパルス波形のデータの他の例である。図3に示すデータは図2に示したデータと異なり、アドレスの数が多く、しかも波高値が同一のアドレスが100個連続している。このようなデータを作成する場合、アドレスの数の増加に従ってユーザが入力すべきデータの数が増大することとなる。
【0006】
そこで、入力データ数の増大を抑える方法として、波高値が連続しているアドレスの数を用いてアドレスと波高値との関係を表す方法がある。即ち、隣接するアドレス間でハイ(1)またはロー(0)の値が連続している場合にそのアドレス数を数えるというものである。また、波高値が1か0かを区別するには、一例として、1のときは正の値、0のときは負の値で表す。例えば、図3に示すように、アドレス0から99までの100個のアドレスの波高値が1で同一となっている場合は「100」と表記する。また、アドレス100から199までの100個のアドレスの波高値が0で同一となっている場合は「−100」と表記する。このように隣接するアドレス間で波高値が同一の値となっている数を用いることによって、アドレス数が多い場合でもユーザが入力すべきデータ数の増大を抑制することができる。
【0007】
例えば、100、−50、50、−100と記述した場合は、アドレス0から99までは波高値1、100から149までは波高値0、150から199までは波高値1、200から299までは波高値0となる。このように同一の波高値が連続する場合にアドレスの数をまとめて表示する方法(以下、「まとめ記述」と呼ぶ)によれば、上記のように300個のデータの記述を4つの値の入力で行うことができる。
【0008】
図4はチャンネル1〜6について、まとめ記述により、パルス波形のデータを記入したマトリクス形式の表201を表示装置の表示画面200に表示した例を示す。図4においては、チャンネル(CH)の番号を行方向に記述し、各CHに関して1または0の値が連続するアドレスの個数をアドレスの小さい順に列方向に記述している。また1周期のアドレスの個数を500個としている。図4の表201においては各CHについて第1列目に「−500」と記述されているので、アドレス0から499までの波高値が0であることを示している。
【0009】
なお、図4の表示画面200には、表201だけでなく、波形表示画面に表示を切り替えるための表示切替ボタン202、データファイルを保存、読み込み等するためのファイルボタン203、データを編集するための編集ボタン204、編集したいデータの表における位置を移動させるためのカーソルボタン205が表示されており、各ボタンはコンピュータに接続されたマウスでクリックすることで選択することができる。
【0010】
図5は、図4のデータに基づいてパルス波形を作成し、グラフ上に表示した例である。図5のグラフ206は、図4の表示切替ボタン202を選択することによって切り替えて表示することができる。横軸にアドレス、縦軸に波高値をとっている。CH1〜6についてアドレス0〜499の範囲で波高値が0となっており、図4に示した表201に記述したデータに対応したパルス波形が表示されていることがわかる。
【0011】
次に、上記の表に記述したデータを書き換える方法について説明する。図6は、図4に示したデータの一部を変更した例を示している。CH1のアドレス0〜99の波高値を1に変更したい場合は、表示画面200上の編集ボタン204をマウスでクリックする。そうすると、マトリクス形式の表201にカーソル209が現れるので、カーソルボタン205を操作して、CH1の1列目のデータにカーソル209を移動させる。カーソル209を移動後、第1列に100を記入する。このとき、残りのアドレス100〜499の400個のデータは0のままであるので、第2列には「−400」が表示される。
【0012】
図7は、図6のデータに基づいてパルス波形を作成し、グラフ上に表示した例を示す。CH1についてアドレス0〜99までの波高値が1となっており、アドレス100〜499での波高値が0となっていることが分る。なお、CH1のパルス波形のアドレス0〜99の範囲でハッチングがされているのは、図6に示した表201において、CH1のアドレス0〜99のデータが選択されていることに対応している。
【0013】
図8は、CH1〜6の全てについて、まとめ記述により波高値が連続して同一の値となっているアドレスの個数を記入した例を示す。各CHについて1周期のアドレスの総数は500個であるので、表の列方向のアドレスの個数の合計は500となっている。ここで、隣接するアドレス間で波高値がハイ(1)で同一となっているアドレスの個数を第1の値と呼び、隣接するアドレス間で波高値がロー(0)で同一となっているアドレスの個数を第2の値と呼ぶことにする。
【0014】
図9は、図8のデータに基づいてグラフ上にパルス波形を表示した例を示す。アドレス0〜499までを1周期として、CH1〜6の6チャンネルについてパルス波形が表示されている。図9のグラフを表示した際に、コンピュータのグラフィックス機能を利用してマーカを追記してデータの変更や、任意のアドレスにおける波高値を調べることもできる。
【0015】
図10は、図9のグラフにおいてアドレス120にマーカを表示させた例を示す。マーカ207は、表示画面200内のマーカボタン210をマウスでクリックするとグラフ上に現れ、マーカ移動ボタン208で図10の矢印のように左右方向に移動させることができる。また、マーカ207が存在するアドレス番号はグラフ上に表示される。図10ではアドレス120の位置にマーカが存在していることを表している。このとき、アドレス120におけるデータを変更するときは、表示切替ボタン202をクリックして図8に示した表201を再度表示させて表の中のデータを編集する。
【0016】
しかしながら、図8からわかるようにデータの編集を行う場合、表201の中で特定のアドレスを含んでいる対象データがどこにあるのかが一見して認識しにくいという問題がある。例えば、アドレス120のデータの位置を知りたい場合、アドレスの個数を積算する計算を行わなければならない。アドレスの個数を積算することにより、アドレス120を含むデータの位置が、CH1においては2列目に存在し、CH2においては2列目に存在し、CH3においては4列目に存在することがわかる。このように、まとめ記述ではデータの記述を簡素化することができる一方で、複数のチャンネルについて一覧表を作成した場合に各チャンネル相互間における同一アドレスが含まれるデータの位置がチャンネル間で大きく相違することがあり、データの編集を効率的に行うことができないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
特開平10−285997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
そこで本発明は、複数のチャンネルについて波高値が連続するアドレスをマトリクス形式の表に記述する方法において、各チャンネル相互間における同一アドレスのデータが含まれる位置を認識しやすくすることにより、データの変更を効率的に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明のパルス波形データの作成方法は、演算部及び記憶部を備えたコンピュータと表示装置とを用いて、複数のチャンネルのそれぞれについて、パルス波形のデータを作成する方法であって、演算部が、隣接するアドレス間で波高値が連続してハイとなっているアドレスの個数である第1の値と、隣接するアドレス間で波高値が連続してローとなっているアドレスの個数である第2の値とを複数のチャンネルについて入力するためのマトリクス形式の表を表示装置に表示するステップと、複数のチャンネルについて、入力された前記第1の値及び第2の値をアドレスの順序に従って前記マトリクス形式の表に表示するステップと、第1の値及び第2の値について、マトリクス上の行番号並びに列番号及びアドレスの最小値並びに最大値を記憶部に記憶するステップと、複数のチャンネルについて、入力された第1の値及び第2の値に基づいて、パルス波形の1周期内の各アドレスおよび波高値を作成し、記憶部に記憶するステップと、複数のチャンネルのそれぞれについて、記憶部に書き込まれたアドレス及び波高値を順次読み出し、表示装置の画面上に前記アドレスに対応する波高値をプロットすることによってパルス波形を表示するステップと、を含み、画面上で特定のアドレスが選択された場合に、第1の値及び第2の値について、選択された特定のアドレスと前記第1の値及び第2の値のアドレスの最小値及び最大値とを比較することによって、特定のアドレスを含む第1の値または第2の値の行番号及び列番号を決定し、表における表示方法を他の第1の値または第2の値の表示方法と異ならせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明のパルス波形のデータ作成方法によれば、複数のチャンネルについて波高値が連続するアドレスをマトリクス形式の表に記述する方法において、各チャンネル相互間における同一アドレスのデータが含まれる位置を認識しやすくすることにより、データの変更を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】一般的なパルス波形の波高値と時間との関係を示す図である。
【図2】アドレスと波高値とを対応させたデータの例を示す図である。
【図3】パルス波形のデータの他の例を示す図である。
【図4】チャンネル1〜6についてパルス波形のデータをマトリクス形式の表に記述した例を示す図である。
【図5】図4のデータに基づいてグラフ上にパルス波形を表示した例を示す図である。
【図6】図4に示したデータの一部を変更した例を示す図である。
【図7】図6のデータに基づいてグラフ上にパルス波形を表示した例を示す図である。
【図8】CH1〜6の全てについて連続する波高値を記入した例を示す図である。
【図9】図8のデータに基づいてグラフ上にパルス波形を表示した例を示す図である。
【図10】図9のグラフにおいてアドレス120にマーカを表示させた例を示す図である。
【図11】パルス波形発生器の構成を示す図である。
【図12】本発明の実施に用いるコンピュータの構成を示す図である。
【図13】実施例1のパルス波形のデータの作成方法のフローチャートである。
【図14】マトリクスの行及び列の値及びアドレスの最小値、最大値を記述した表である。
【図15】グラフ上にパルス波形を表示した例を示す図である。
【図16】実施例1に従って表の中で特定のアドレスを含むデータに太枠を追記した例を示す図である。
【図17】実施例2のパルス波形のデータの作成方法のフローチャートである。
【図18】マトリクスの行及び列の値及びアドレスの最小値、最大値を記述した表である。
【図19】実施例2に従って、データの位置を書き換えた後の表示例である。
【図20】実施例3に係るパルス波形のデータの作成方法のフローチャートである。
【図21】実施例3に従って特定のアドレスでデータを分割した場合の例を示す図である。
【図22】実施例3に従ってデータを分割した後に特定のアドレスを含むデータの位置をそろえて表示した表の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下図面を参照して、本発明に係るパルス波形データの作成方法について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態には限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【実施例1】
【0023】
まず本発明のパルス波形データの作成方法によって作成したデータを用いて、パルス波形発生器によってパルス波形を発生させる方法について説明する。図11にパルス波形発生器の構成を示す。パルス波形発生器10は、発振器1、分周回路2、メモリ31〜33、D/A変換器41〜43、アンプ51〜53、出力端子61〜63を備えている。パルス波形発生器10は、6つの出力端子を備えており、各端子は異なるパルス波形を発生することができる。
【0024】
次にパルス波形発生器10の動作方法について説明する。発振器1から発振された基準クロックは分周回路2で所望の周波数に変換され、メモリ31〜33に入力される。メモリ31〜33はアドレスと波高値との関係を示すデータを格納しており、入力された基準信号に従って1または0の値を出力する。その後、D/A変換器41〜43でD/A変換され、アンプ51〜53で所望の電圧値に変換され、出力端子61〜63から出力される。
【0025】
次に、本発明のパルス波形のデータ作成方法に用いるコンピュータの構成について説明する。図12は、本発明の実施に用いるコンピュータの構成の一例を示す。コンピュータ100は演算部11及び記憶部12を備えており、入力装置14を介して入力されたデータを表示装置13に表示させながらパルス波形のデータを作成する。入力装置14はキーボードやマウスを含む。作成したデータはUSBメモリ9に記憶することができる。
【0026】
パルス波形発生器10のパルス発生用のデータを編集する場合は、コンピュータ100で作成したデータをUSBメモリ9に記憶した後、USBメモリ9をパルス波形発生器10のUSBポートに接続する。パルス波形発生器10内のCPU7は、USBメモリ9に格納されたデータをパルス波形発生器10内の内部メモリ8に転送し、記憶する。内部メモリ8に記憶されたデータはパルス波形発生器10内のメモリ31〜33に転送される。
【0027】
次に、本発明の実施例1に係るパルス波形のデータの作成方法について図面を用いて説明する。図13は実施例1のパルス波形のデータの作成方法のフローチャートである。まず、ステップS101において、コンピュータ100の演算部11が表示装置13にパルスデータ入力用の表を表示する。例えば、図8に示すようなマトリクス形式の表201を表示する。
【0028】
次にステップS102において隣接するアドレス間で波高値が連続してハイの値となっているアドレスの数である第1の値と、隣接するアドレス間で波高値が連続してローの値となっているアドレスの数である第2の値をチャンネル1〜6についてキーボード等の入力装置14を用いて入力する。具体的には、図8に示すように、編集ボタン204をマウスでクリックしてカーソル209を表示させ、カーソルボタン205で編集の対象とするデータが存在する位置までカーソル209を移動させて、第1の値及び第2の値を入力する。この実施例では第1の値を正の値で示し、第2の値を負の値で示しているが、このような例には限定されず、数値に記号を付す等によって区別してもよい。
【0029】
次に、マトリクス形式の表に入力した第1の値及び第2の値のそれぞれについて、アドレスの最小値及びアドレスの最大値をマトリクスの行及び列の値とともにコンピュータ100の記憶部12に記憶する。図14に、図8に示したデータに基づいて上記のマトリクスの行及び列の値及びアドレスの最小値(kmin)、最大値(kmax)を記述した表を示す。例えば、CH1の1列目の位置を(1,1)と表すと、図8に示すようにCH1の1列目の値「100」はアドレス0から99までのデータが1であることを示しているので、行列のデータである(1,1)とともにアドレスの最小値である0と、アドレスの最大値である99をコンピュータ100の記憶部12に記憶する。同様にして、CH1の2列目の値「−100」はアドレス100から199までのデータが0であることを示しているので、行列のデータである(1,2)とともにアドレスの最小値100とアドレスの最大値199とをコンピュータ100の記憶部12に記憶する。このようにマトリクス形式の表に記述された第1の値及び第2の値のそれぞれについて、行列の位置を示すデータとアドレスの最小値及び最大値とを記憶することによって、任意のアドレスがマトリクスのどの位置に存在するかを特定することができる。
【0030】
次に、ステップS105において、アドレス及び波高値のデータを作成し、コンピュータ100の記憶部12に記憶する。これは、次のステップでグラフ上に各アドレスに対応した波高値をプロットすることによりパルス波形を表示するために用いられる。例えば、図8に示すように、CH1の1列目に100というデータが入力された場合、アドレス0から99までの波高値が1であることを示しているので、図3に示すように実際にアドレス0,1,2,・・・,99の各アドレスに1を対応させたデータを作成し、記憶部12に記憶する。以下、図8に示した表201に記入された全てのデータについてアドレスと波高値との関係を表すデータを作成し、記憶部12に記憶する。
【0031】
次に、ステップS106において、コンピュータ100の演算部11が、ステップS105で作成され記憶部12に記憶されたデータに基づいて、表示装置200のグラフ206上にパルス波形を表示する。例えば、図9に示すようなパルス波形を表示する。
【0032】
次にステップS107において、マーカボタン210をマウスでクリックしてグラフ上にマーカ207を表示させ、特定のアドレスkを選択する。例えば図15に示すように、マーカ移動ボタン208によってアドレス150にマーカ207を合わせることにより、特定のアドレスk=150が選択される。
【0033】
次に、このようにして選択した特定のアドレスを含むデータが図8に示した表201の中でどこに配置されているかを特定する。ステップS108において、kmin≦k<kmaxの関係を満足する第1の値または第2の値の行及び列の値を特定する。本実施例ではk=150であるので、kmin≦150<kmaxの関係式を満たすか否かを判断する。例えばCH1の1列目はkmin=0、kmax=99であるので、上記の関係式を満足していない。
【0034】
この場合、ステップS109で他の列を探す。そこで、CH1の2列目のデータについて上記の関係式を満足するか否かを判定すると、kmin=100、kmax=199であるので、上記の関係式を満足することがわかる。
【0035】
この場合、マトリクス形式で表した表において、CH1のデータである1行目に関しては2列目の値が対象となるデータであるので、ステップS110において、マトリクス形式の表201上の位置としてデータ“(1,2)”をコンピュータ100の記憶部12に記憶する。以下、同様にしてCH2〜CH6までについて調べると、特定のアドレスである150のアドレスを含んでいる行番号及び列番号の値は、(2,2)、(3,4)、(4,2)、(5,4)、(6,1)の各値であることが分る。
【0036】
次に、ステップS111において、図8に示した表201の中で特定のアドレス150を含んでいる値の表示方法を変更して表示することによって、当該アドレスの位置をユーザに認識させる。具体的には、CH1に関しては2列目の値が特定のアドレス150を含んでいることがわかっているので、図16に示すように、2列目の値を太枠211で囲んで表示する。同様に、例えばCH5に関しては、4列目の値が特定のアドレス150を含んでいることが分っているので、4列目の値を太枠211で囲んで表示する。このようにしてCH1〜6に関して、特定のアドレス150を含んでいるデータを太枠211で囲むことによって特定のアドレスがマトリクス形式で表示した表の中でどこに存在しているのかが認識しやすくなる。
【0037】
以上のようにして、複数のチャンネルについて特定のアドレスを含むデータの位置を認識しやすくすることによって、波高値が連続して同一の値となっているアドレスの個数を表示する形式(まとめ記述)を採用した場合において、チャンネル間の時間的関係を把握しやすくなり、パルス波形のデータの作成を効率化することができる。
【実施例2】
【0038】
次に本発明の第2の実施例に係るパルス波形のデータの作成方法について説明する。実施例1において、グラフ上でマーカにより選択した特定のアドレスと対応するデータを表の中で識別しやすいように表示する方法について説明した。この場合、複数のチャンネル間で対象となるデータの列方向の位置が大きく異なる場合には、所定の範囲のデータのみを表示画面に表示させると、対象となるデータが画面に表示されない場合も想定される。そこで、実施例2においては、この問題を解決するために、特定のアドレスを含む対象データを複数のチャンネル間で列方向の位置を揃えて表示させるというものである。
【0039】
図17は実施例2のパルス波形のデータの作成方法のフローチャートを示す。図13に示した実施例1のフローチャートとステップS110までは同一であるので、詳細な説明は省略する。ステップS201において、表の中央の列の番号を算出する。例えば、図16に示す表201には、7個の列が表示されているので、中央の列の番号は4となる。
【0040】
次に、ステップS202において、対象となっているデータの列方向の位置を上記の中央の位置に合わせる。具体的には図18の表に示すように、CH1に関して特定のアドレス150を含むデータは当初は2列目にあったが、このデータを4列目に移動する。従ってCH1のデータを2列分移動させて行及び列のデータを書き換えてコンピュータ100の記憶部12に記憶する。同様にして、CH2〜CH6に関して特定のアドレス150を含むデータの列番号が4になるように全てのデータの列番号を書き換えてコンピュータ100の記憶部12に記憶する。
【0041】
次に、ステップS203において、対象となるデータの列番号が4となるように書き換えた図18のデータに基づいて、データを再構成して表示する。図19は上記のようにして、データの位置を書き換えた後の表示例である。図16においては、CH1〜6の太枠211で示した対象となるデータの位置が1列目、2列目、4列目に分散して表示されていたが、図19においては対象となるデータは全て4列目に太枠211で囲まれて表示されている。このように特定のアドレスを含むデータの位置を揃えて表示することにより、修正等を行うデータに容易にアクセスすることが可能となり、パルス波形のデータの作成を効率よく行うことができる。
【実施例3】
【0042】
次に本発明のパルス波形のデータ作成方法の第3の実施例について説明する。実施例3は、実施例1と同様に特定のアドレスを選択した後、マトリクス形式で表示した表において特定のアドレスが含まれるデータの位置をさらに正確に表示するものである。
【0043】
図20に実施例3に係るパルス波形のデータの作成方法のフローチャートを示す。図13に示す実施例1のフローチャートとパルス波形表示(ステップS106)までは実施例1と同様であるので詳細な説明は省略する。ステップS301において、グラフ上にマーカ207を表示させて特定のアドレスを選択する。ここでは例えば図15に示すようにアドレス150を選択したものとする。実施例1においてはアドレス150が含まれるデータの位置を認識しやすいように表示したが、アドレス150を境にしてデータを修正したい場合には、さらに図16に示した表201のCH1の2列目の値「−100」に含まれる複数のアドレスの中で、アドレス150が何番目に存在するのかを探さなければならない。そこで、実施例3においては、選択された特定のアドレスにおいてデータを分割することによって、特定のアドレスを境にしたデータの編集等を容易にするものである。
【0044】
ステップS302において、特定のアドレス150を境にして、特定のアドレス150が含まれるデータを分割する。さらに、ステップ303において、データを分割した後に列番号を再設定する。その後、ステップ304において再設定後のデータに基づいて表を表示する。
【0045】
特定のアドレス150でデータを分割した場合の例を図21に示す。例えば、図21のCH1において、特定のアドレス150が含まれるデータは、分割前は2列目に存在していたが、これを、アドレス150を境にして分割する。即ち、2列目の値を「−100」から「−50」に修正し、さらに3列目に「−50」のデータを挿入する。このように変更すると、変更後の2列目の値「−50」はアドレス100から149までの波高値が0であることを示し、変更後の3列目の値「−50」はアドレス150から199までの波高値が0であることを示す。このようにすることによって、特定のアドレス150が3列目のデータの先頭のアドレスに存在することがわかり、グラフ上の特定のアドレスとの位置関係を明確に把握することができる。従って、特定のアドレスより前の部分のデータを変更せずに特定のアドレスの後のデータのみを変更したいような場合には、2列目のデータ「−50」をそのままにして、3列目のデータ「−50」を修正すればよい。
【0046】
同様にして、CH2に関しては、データ分割前は特定のアドレス150は2列目に存在していたが、特定のアドレス150で分割すると、2列目のデータは30となり3列目に新たに90のデータが挿入される。
【0047】
図21においては、実施例1と同様にして、特定のアドレス150を含むデータを太枠211で囲むことによって、アドレス150を含むデータが表201の中での位置を容易に認識することができる。このとき、太枠211で示したデータの列方向の位置が複数のチャンネル間で異なっている場合には、全てのチャンネル間で対象となるデータの位置を実施例2と同様にして揃えるようにしてもよい。
【0048】
図22は対象となるデータを第5列目に揃えた例を示す。実施例2と同様に、データ数が多くなり、データの列番号が大きくなった場合においても特定のアドレスを含むデータに容易にアクセスすることができ、パルス波形のデータの修正等を効率よく行うことができる。
【0049】
また、特定のアドレスを含んでいる第1の値または第2の値を分割した後に、データを編集し、その後、波高値が同一であるデータ同士を結合してもよい。例えば、図21において、CH1について分割後の3列目の値を「−100」に修正した場合、2列目の値「−50」と修正後の3列目の値「−100」とを結合して、「−150」としてもよい。また、図21においてCH1について、分割後の3列目の値を「50」に修正した場合、修正後の3列目の値「50」と4列目の値「100」とを結合して、「150」としてもよい。このようにすることによって、データ編集後の表における表示と、グラフ上のパルスの幅とが一致することになり、パルス波形を視覚的に認識しやすくすることができる。
【0050】
以上の説明においては、マトリクス形式で表示した表の中で特定のアドレスを含むデータを太枠で表示する例を示したが、これには限られず、データの文字の色を変えたり、反転表示させたりして認識しやすくしてもよい。
【0051】
また、上記の説明においては、パルス波形のデータの編集をパルス波形発生器とは独立したコンピュータを用いて行う例を示したが、コンピュータと同等の機能を備えたパルス波形発生器本体で行うようにしてもよい。さらに、上記の説明においては、パルス波形発生器が発生する出力のチャンネル数が6個の場合を例に挙げて説明したが、これには限られず、出力チャンネルは2個以上であってもよい。
【0052】
さらに、上記の説明においてはコンピュータで作成したパルス波形のデータをパルス波形発生器に転送する際にUSBメモリを用いる例を示したが、これには限られず、CD−R等の他の記憶媒体を用いてもよいし、ケーブル等で接続してデータを転送してもよいし、無線方式でデータを転送するようにしてもよい。
【0053】
また、上記の説明においては、マトリクス形式で表示した表と、パルス波形を表示するグラフとを切り替えて表示する例を示したが、1つの画面上に上記の表とグラフとを表示するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 発振器
2 分周回路
31 メモリ
32 メモリ
33 メモリ
41 D/A変換器
42 D/A変換器
43 D/A変換器
51 アンプ
52 アンプ
53 アンプ
61 出力端子
62 出力端子
63 出力端子
7 CPU
8 内部メモリ
9 USBメモリ
10 パルス波形発生器
11 演算部
12 記憶部
13 表示装置
14 入力装置
100 コンピュータ
200 表示画面
201 表
202 表示切替ボタン
203 ファイルボタン
204 編集ボタン
205 カーソル移動ボタン
206 グラフ
207 マーカ
208 マーカ移動ボタン
209 カーソル
210 マーカボタン
211 太枠
【技術分野】
【0001】
本発明はパルス波形のデータの作成方法に関し、特に複数のチャンネルのパルス波形のデータの作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パルス信号発生器はデジタル回路の動作テスト等に広く利用されている。パルス信号発生器を用いて、ユーザが所望の波形のパルスを作成する方法として、パルス信号発生器とは独立してコンピュータ上でパルス波形を作成する方法が主流となっている(例えば特許文献1)。これは、パルス信号発生器本体でパルス波形のデータを作成するよりもコンピュータのグラフィックス機能を用いた方が効率的にデータを作成できるためである。コンピュータで作成したパルス波形のデータは記憶媒体等を利用して、パルス信号発生器のメモリに転送される。
【0003】
図1に一般的なパルス波形の波高値と時間との関係を示す。パルスのハイを1でローを0で表している。1周期を単位時間で分割した期間に連続した番号を付し、これをアドレスと呼ぶことにすれば、アドレスと波高値との組み合わせのデータを作成することによりパルス波形のデータを作成できる。具体的には、図1に示すようにアドレス0に波高値1を対応させ、アドレス1に波高値0を対応させ、以下同様に1周期内の全てのアドレスに波高値を対応させればよい。
【0004】
図2は、上記のようにしてアドレスと波高値とを対応させたデータの例である。このようなパルス波形のデータをコンピュータ上で作成し、記憶媒体等に記憶した後、パルス波形発生器のメモリに転送し、メモリに格納されたデータを順次読み出し、基準クロックのタイミングに合わせてハイまたはローの電圧を出力することによって所望のパルス波形を発生させることができる。
【0005】
図3はパルス波形のデータの他の例である。図3に示すデータは図2に示したデータと異なり、アドレスの数が多く、しかも波高値が同一のアドレスが100個連続している。このようなデータを作成する場合、アドレスの数の増加に従ってユーザが入力すべきデータの数が増大することとなる。
【0006】
そこで、入力データ数の増大を抑える方法として、波高値が連続しているアドレスの数を用いてアドレスと波高値との関係を表す方法がある。即ち、隣接するアドレス間でハイ(1)またはロー(0)の値が連続している場合にそのアドレス数を数えるというものである。また、波高値が1か0かを区別するには、一例として、1のときは正の値、0のときは負の値で表す。例えば、図3に示すように、アドレス0から99までの100個のアドレスの波高値が1で同一となっている場合は「100」と表記する。また、アドレス100から199までの100個のアドレスの波高値が0で同一となっている場合は「−100」と表記する。このように隣接するアドレス間で波高値が同一の値となっている数を用いることによって、アドレス数が多い場合でもユーザが入力すべきデータ数の増大を抑制することができる。
【0007】
例えば、100、−50、50、−100と記述した場合は、アドレス0から99までは波高値1、100から149までは波高値0、150から199までは波高値1、200から299までは波高値0となる。このように同一の波高値が連続する場合にアドレスの数をまとめて表示する方法(以下、「まとめ記述」と呼ぶ)によれば、上記のように300個のデータの記述を4つの値の入力で行うことができる。
【0008】
図4はチャンネル1〜6について、まとめ記述により、パルス波形のデータを記入したマトリクス形式の表201を表示装置の表示画面200に表示した例を示す。図4においては、チャンネル(CH)の番号を行方向に記述し、各CHに関して1または0の値が連続するアドレスの個数をアドレスの小さい順に列方向に記述している。また1周期のアドレスの個数を500個としている。図4の表201においては各CHについて第1列目に「−500」と記述されているので、アドレス0から499までの波高値が0であることを示している。
【0009】
なお、図4の表示画面200には、表201だけでなく、波形表示画面に表示を切り替えるための表示切替ボタン202、データファイルを保存、読み込み等するためのファイルボタン203、データを編集するための編集ボタン204、編集したいデータの表における位置を移動させるためのカーソルボタン205が表示されており、各ボタンはコンピュータに接続されたマウスでクリックすることで選択することができる。
【0010】
図5は、図4のデータに基づいてパルス波形を作成し、グラフ上に表示した例である。図5のグラフ206は、図4の表示切替ボタン202を選択することによって切り替えて表示することができる。横軸にアドレス、縦軸に波高値をとっている。CH1〜6についてアドレス0〜499の範囲で波高値が0となっており、図4に示した表201に記述したデータに対応したパルス波形が表示されていることがわかる。
【0011】
次に、上記の表に記述したデータを書き換える方法について説明する。図6は、図4に示したデータの一部を変更した例を示している。CH1のアドレス0〜99の波高値を1に変更したい場合は、表示画面200上の編集ボタン204をマウスでクリックする。そうすると、マトリクス形式の表201にカーソル209が現れるので、カーソルボタン205を操作して、CH1の1列目のデータにカーソル209を移動させる。カーソル209を移動後、第1列に100を記入する。このとき、残りのアドレス100〜499の400個のデータは0のままであるので、第2列には「−400」が表示される。
【0012】
図7は、図6のデータに基づいてパルス波形を作成し、グラフ上に表示した例を示す。CH1についてアドレス0〜99までの波高値が1となっており、アドレス100〜499での波高値が0となっていることが分る。なお、CH1のパルス波形のアドレス0〜99の範囲でハッチングがされているのは、図6に示した表201において、CH1のアドレス0〜99のデータが選択されていることに対応している。
【0013】
図8は、CH1〜6の全てについて、まとめ記述により波高値が連続して同一の値となっているアドレスの個数を記入した例を示す。各CHについて1周期のアドレスの総数は500個であるので、表の列方向のアドレスの個数の合計は500となっている。ここで、隣接するアドレス間で波高値がハイ(1)で同一となっているアドレスの個数を第1の値と呼び、隣接するアドレス間で波高値がロー(0)で同一となっているアドレスの個数を第2の値と呼ぶことにする。
【0014】
図9は、図8のデータに基づいてグラフ上にパルス波形を表示した例を示す。アドレス0〜499までを1周期として、CH1〜6の6チャンネルについてパルス波形が表示されている。図9のグラフを表示した際に、コンピュータのグラフィックス機能を利用してマーカを追記してデータの変更や、任意のアドレスにおける波高値を調べることもできる。
【0015】
図10は、図9のグラフにおいてアドレス120にマーカを表示させた例を示す。マーカ207は、表示画面200内のマーカボタン210をマウスでクリックするとグラフ上に現れ、マーカ移動ボタン208で図10の矢印のように左右方向に移動させることができる。また、マーカ207が存在するアドレス番号はグラフ上に表示される。図10ではアドレス120の位置にマーカが存在していることを表している。このとき、アドレス120におけるデータを変更するときは、表示切替ボタン202をクリックして図8に示した表201を再度表示させて表の中のデータを編集する。
【0016】
しかしながら、図8からわかるようにデータの編集を行う場合、表201の中で特定のアドレスを含んでいる対象データがどこにあるのかが一見して認識しにくいという問題がある。例えば、アドレス120のデータの位置を知りたい場合、アドレスの個数を積算する計算を行わなければならない。アドレスの個数を積算することにより、アドレス120を含むデータの位置が、CH1においては2列目に存在し、CH2においては2列目に存在し、CH3においては4列目に存在することがわかる。このように、まとめ記述ではデータの記述を簡素化することができる一方で、複数のチャンネルについて一覧表を作成した場合に各チャンネル相互間における同一アドレスが含まれるデータの位置がチャンネル間で大きく相違することがあり、データの編集を効率的に行うことができないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
特開平10−285997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
そこで本発明は、複数のチャンネルについて波高値が連続するアドレスをマトリクス形式の表に記述する方法において、各チャンネル相互間における同一アドレスのデータが含まれる位置を認識しやすくすることにより、データの変更を効率的に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明のパルス波形データの作成方法は、演算部及び記憶部を備えたコンピュータと表示装置とを用いて、複数のチャンネルのそれぞれについて、パルス波形のデータを作成する方法であって、演算部が、隣接するアドレス間で波高値が連続してハイとなっているアドレスの個数である第1の値と、隣接するアドレス間で波高値が連続してローとなっているアドレスの個数である第2の値とを複数のチャンネルについて入力するためのマトリクス形式の表を表示装置に表示するステップと、複数のチャンネルについて、入力された前記第1の値及び第2の値をアドレスの順序に従って前記マトリクス形式の表に表示するステップと、第1の値及び第2の値について、マトリクス上の行番号並びに列番号及びアドレスの最小値並びに最大値を記憶部に記憶するステップと、複数のチャンネルについて、入力された第1の値及び第2の値に基づいて、パルス波形の1周期内の各アドレスおよび波高値を作成し、記憶部に記憶するステップと、複数のチャンネルのそれぞれについて、記憶部に書き込まれたアドレス及び波高値を順次読み出し、表示装置の画面上に前記アドレスに対応する波高値をプロットすることによってパルス波形を表示するステップと、を含み、画面上で特定のアドレスが選択された場合に、第1の値及び第2の値について、選択された特定のアドレスと前記第1の値及び第2の値のアドレスの最小値及び最大値とを比較することによって、特定のアドレスを含む第1の値または第2の値の行番号及び列番号を決定し、表における表示方法を他の第1の値または第2の値の表示方法と異ならせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明のパルス波形のデータ作成方法によれば、複数のチャンネルについて波高値が連続するアドレスをマトリクス形式の表に記述する方法において、各チャンネル相互間における同一アドレスのデータが含まれる位置を認識しやすくすることにより、データの変更を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】一般的なパルス波形の波高値と時間との関係を示す図である。
【図2】アドレスと波高値とを対応させたデータの例を示す図である。
【図3】パルス波形のデータの他の例を示す図である。
【図4】チャンネル1〜6についてパルス波形のデータをマトリクス形式の表に記述した例を示す図である。
【図5】図4のデータに基づいてグラフ上にパルス波形を表示した例を示す図である。
【図6】図4に示したデータの一部を変更した例を示す図である。
【図7】図6のデータに基づいてグラフ上にパルス波形を表示した例を示す図である。
【図8】CH1〜6の全てについて連続する波高値を記入した例を示す図である。
【図9】図8のデータに基づいてグラフ上にパルス波形を表示した例を示す図である。
【図10】図9のグラフにおいてアドレス120にマーカを表示させた例を示す図である。
【図11】パルス波形発生器の構成を示す図である。
【図12】本発明の実施に用いるコンピュータの構成を示す図である。
【図13】実施例1のパルス波形のデータの作成方法のフローチャートである。
【図14】マトリクスの行及び列の値及びアドレスの最小値、最大値を記述した表である。
【図15】グラフ上にパルス波形を表示した例を示す図である。
【図16】実施例1に従って表の中で特定のアドレスを含むデータに太枠を追記した例を示す図である。
【図17】実施例2のパルス波形のデータの作成方法のフローチャートである。
【図18】マトリクスの行及び列の値及びアドレスの最小値、最大値を記述した表である。
【図19】実施例2に従って、データの位置を書き換えた後の表示例である。
【図20】実施例3に係るパルス波形のデータの作成方法のフローチャートである。
【図21】実施例3に従って特定のアドレスでデータを分割した場合の例を示す図である。
【図22】実施例3に従ってデータを分割した後に特定のアドレスを含むデータの位置をそろえて表示した表の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下図面を参照して、本発明に係るパルス波形データの作成方法について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態には限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【実施例1】
【0023】
まず本発明のパルス波形データの作成方法によって作成したデータを用いて、パルス波形発生器によってパルス波形を発生させる方法について説明する。図11にパルス波形発生器の構成を示す。パルス波形発生器10は、発振器1、分周回路2、メモリ31〜33、D/A変換器41〜43、アンプ51〜53、出力端子61〜63を備えている。パルス波形発生器10は、6つの出力端子を備えており、各端子は異なるパルス波形を発生することができる。
【0024】
次にパルス波形発生器10の動作方法について説明する。発振器1から発振された基準クロックは分周回路2で所望の周波数に変換され、メモリ31〜33に入力される。メモリ31〜33はアドレスと波高値との関係を示すデータを格納しており、入力された基準信号に従って1または0の値を出力する。その後、D/A変換器41〜43でD/A変換され、アンプ51〜53で所望の電圧値に変換され、出力端子61〜63から出力される。
【0025】
次に、本発明のパルス波形のデータ作成方法に用いるコンピュータの構成について説明する。図12は、本発明の実施に用いるコンピュータの構成の一例を示す。コンピュータ100は演算部11及び記憶部12を備えており、入力装置14を介して入力されたデータを表示装置13に表示させながらパルス波形のデータを作成する。入力装置14はキーボードやマウスを含む。作成したデータはUSBメモリ9に記憶することができる。
【0026】
パルス波形発生器10のパルス発生用のデータを編集する場合は、コンピュータ100で作成したデータをUSBメモリ9に記憶した後、USBメモリ9をパルス波形発生器10のUSBポートに接続する。パルス波形発生器10内のCPU7は、USBメモリ9に格納されたデータをパルス波形発生器10内の内部メモリ8に転送し、記憶する。内部メモリ8に記憶されたデータはパルス波形発生器10内のメモリ31〜33に転送される。
【0027】
次に、本発明の実施例1に係るパルス波形のデータの作成方法について図面を用いて説明する。図13は実施例1のパルス波形のデータの作成方法のフローチャートである。まず、ステップS101において、コンピュータ100の演算部11が表示装置13にパルスデータ入力用の表を表示する。例えば、図8に示すようなマトリクス形式の表201を表示する。
【0028】
次にステップS102において隣接するアドレス間で波高値が連続してハイの値となっているアドレスの数である第1の値と、隣接するアドレス間で波高値が連続してローの値となっているアドレスの数である第2の値をチャンネル1〜6についてキーボード等の入力装置14を用いて入力する。具体的には、図8に示すように、編集ボタン204をマウスでクリックしてカーソル209を表示させ、カーソルボタン205で編集の対象とするデータが存在する位置までカーソル209を移動させて、第1の値及び第2の値を入力する。この実施例では第1の値を正の値で示し、第2の値を負の値で示しているが、このような例には限定されず、数値に記号を付す等によって区別してもよい。
【0029】
次に、マトリクス形式の表に入力した第1の値及び第2の値のそれぞれについて、アドレスの最小値及びアドレスの最大値をマトリクスの行及び列の値とともにコンピュータ100の記憶部12に記憶する。図14に、図8に示したデータに基づいて上記のマトリクスの行及び列の値及びアドレスの最小値(kmin)、最大値(kmax)を記述した表を示す。例えば、CH1の1列目の位置を(1,1)と表すと、図8に示すようにCH1の1列目の値「100」はアドレス0から99までのデータが1であることを示しているので、行列のデータである(1,1)とともにアドレスの最小値である0と、アドレスの最大値である99をコンピュータ100の記憶部12に記憶する。同様にして、CH1の2列目の値「−100」はアドレス100から199までのデータが0であることを示しているので、行列のデータである(1,2)とともにアドレスの最小値100とアドレスの最大値199とをコンピュータ100の記憶部12に記憶する。このようにマトリクス形式の表に記述された第1の値及び第2の値のそれぞれについて、行列の位置を示すデータとアドレスの最小値及び最大値とを記憶することによって、任意のアドレスがマトリクスのどの位置に存在するかを特定することができる。
【0030】
次に、ステップS105において、アドレス及び波高値のデータを作成し、コンピュータ100の記憶部12に記憶する。これは、次のステップでグラフ上に各アドレスに対応した波高値をプロットすることによりパルス波形を表示するために用いられる。例えば、図8に示すように、CH1の1列目に100というデータが入力された場合、アドレス0から99までの波高値が1であることを示しているので、図3に示すように実際にアドレス0,1,2,・・・,99の各アドレスに1を対応させたデータを作成し、記憶部12に記憶する。以下、図8に示した表201に記入された全てのデータについてアドレスと波高値との関係を表すデータを作成し、記憶部12に記憶する。
【0031】
次に、ステップS106において、コンピュータ100の演算部11が、ステップS105で作成され記憶部12に記憶されたデータに基づいて、表示装置200のグラフ206上にパルス波形を表示する。例えば、図9に示すようなパルス波形を表示する。
【0032】
次にステップS107において、マーカボタン210をマウスでクリックしてグラフ上にマーカ207を表示させ、特定のアドレスkを選択する。例えば図15に示すように、マーカ移動ボタン208によってアドレス150にマーカ207を合わせることにより、特定のアドレスk=150が選択される。
【0033】
次に、このようにして選択した特定のアドレスを含むデータが図8に示した表201の中でどこに配置されているかを特定する。ステップS108において、kmin≦k<kmaxの関係を満足する第1の値または第2の値の行及び列の値を特定する。本実施例ではk=150であるので、kmin≦150<kmaxの関係式を満たすか否かを判断する。例えばCH1の1列目はkmin=0、kmax=99であるので、上記の関係式を満足していない。
【0034】
この場合、ステップS109で他の列を探す。そこで、CH1の2列目のデータについて上記の関係式を満足するか否かを判定すると、kmin=100、kmax=199であるので、上記の関係式を満足することがわかる。
【0035】
この場合、マトリクス形式で表した表において、CH1のデータである1行目に関しては2列目の値が対象となるデータであるので、ステップS110において、マトリクス形式の表201上の位置としてデータ“(1,2)”をコンピュータ100の記憶部12に記憶する。以下、同様にしてCH2〜CH6までについて調べると、特定のアドレスである150のアドレスを含んでいる行番号及び列番号の値は、(2,2)、(3,4)、(4,2)、(5,4)、(6,1)の各値であることが分る。
【0036】
次に、ステップS111において、図8に示した表201の中で特定のアドレス150を含んでいる値の表示方法を変更して表示することによって、当該アドレスの位置をユーザに認識させる。具体的には、CH1に関しては2列目の値が特定のアドレス150を含んでいることがわかっているので、図16に示すように、2列目の値を太枠211で囲んで表示する。同様に、例えばCH5に関しては、4列目の値が特定のアドレス150を含んでいることが分っているので、4列目の値を太枠211で囲んで表示する。このようにしてCH1〜6に関して、特定のアドレス150を含んでいるデータを太枠211で囲むことによって特定のアドレスがマトリクス形式で表示した表の中でどこに存在しているのかが認識しやすくなる。
【0037】
以上のようにして、複数のチャンネルについて特定のアドレスを含むデータの位置を認識しやすくすることによって、波高値が連続して同一の値となっているアドレスの個数を表示する形式(まとめ記述)を採用した場合において、チャンネル間の時間的関係を把握しやすくなり、パルス波形のデータの作成を効率化することができる。
【実施例2】
【0038】
次に本発明の第2の実施例に係るパルス波形のデータの作成方法について説明する。実施例1において、グラフ上でマーカにより選択した特定のアドレスと対応するデータを表の中で識別しやすいように表示する方法について説明した。この場合、複数のチャンネル間で対象となるデータの列方向の位置が大きく異なる場合には、所定の範囲のデータのみを表示画面に表示させると、対象となるデータが画面に表示されない場合も想定される。そこで、実施例2においては、この問題を解決するために、特定のアドレスを含む対象データを複数のチャンネル間で列方向の位置を揃えて表示させるというものである。
【0039】
図17は実施例2のパルス波形のデータの作成方法のフローチャートを示す。図13に示した実施例1のフローチャートとステップS110までは同一であるので、詳細な説明は省略する。ステップS201において、表の中央の列の番号を算出する。例えば、図16に示す表201には、7個の列が表示されているので、中央の列の番号は4となる。
【0040】
次に、ステップS202において、対象となっているデータの列方向の位置を上記の中央の位置に合わせる。具体的には図18の表に示すように、CH1に関して特定のアドレス150を含むデータは当初は2列目にあったが、このデータを4列目に移動する。従ってCH1のデータを2列分移動させて行及び列のデータを書き換えてコンピュータ100の記憶部12に記憶する。同様にして、CH2〜CH6に関して特定のアドレス150を含むデータの列番号が4になるように全てのデータの列番号を書き換えてコンピュータ100の記憶部12に記憶する。
【0041】
次に、ステップS203において、対象となるデータの列番号が4となるように書き換えた図18のデータに基づいて、データを再構成して表示する。図19は上記のようにして、データの位置を書き換えた後の表示例である。図16においては、CH1〜6の太枠211で示した対象となるデータの位置が1列目、2列目、4列目に分散して表示されていたが、図19においては対象となるデータは全て4列目に太枠211で囲まれて表示されている。このように特定のアドレスを含むデータの位置を揃えて表示することにより、修正等を行うデータに容易にアクセスすることが可能となり、パルス波形のデータの作成を効率よく行うことができる。
【実施例3】
【0042】
次に本発明のパルス波形のデータ作成方法の第3の実施例について説明する。実施例3は、実施例1と同様に特定のアドレスを選択した後、マトリクス形式で表示した表において特定のアドレスが含まれるデータの位置をさらに正確に表示するものである。
【0043】
図20に実施例3に係るパルス波形のデータの作成方法のフローチャートを示す。図13に示す実施例1のフローチャートとパルス波形表示(ステップS106)までは実施例1と同様であるので詳細な説明は省略する。ステップS301において、グラフ上にマーカ207を表示させて特定のアドレスを選択する。ここでは例えば図15に示すようにアドレス150を選択したものとする。実施例1においてはアドレス150が含まれるデータの位置を認識しやすいように表示したが、アドレス150を境にしてデータを修正したい場合には、さらに図16に示した表201のCH1の2列目の値「−100」に含まれる複数のアドレスの中で、アドレス150が何番目に存在するのかを探さなければならない。そこで、実施例3においては、選択された特定のアドレスにおいてデータを分割することによって、特定のアドレスを境にしたデータの編集等を容易にするものである。
【0044】
ステップS302において、特定のアドレス150を境にして、特定のアドレス150が含まれるデータを分割する。さらに、ステップ303において、データを分割した後に列番号を再設定する。その後、ステップ304において再設定後のデータに基づいて表を表示する。
【0045】
特定のアドレス150でデータを分割した場合の例を図21に示す。例えば、図21のCH1において、特定のアドレス150が含まれるデータは、分割前は2列目に存在していたが、これを、アドレス150を境にして分割する。即ち、2列目の値を「−100」から「−50」に修正し、さらに3列目に「−50」のデータを挿入する。このように変更すると、変更後の2列目の値「−50」はアドレス100から149までの波高値が0であることを示し、変更後の3列目の値「−50」はアドレス150から199までの波高値が0であることを示す。このようにすることによって、特定のアドレス150が3列目のデータの先頭のアドレスに存在することがわかり、グラフ上の特定のアドレスとの位置関係を明確に把握することができる。従って、特定のアドレスより前の部分のデータを変更せずに特定のアドレスの後のデータのみを変更したいような場合には、2列目のデータ「−50」をそのままにして、3列目のデータ「−50」を修正すればよい。
【0046】
同様にして、CH2に関しては、データ分割前は特定のアドレス150は2列目に存在していたが、特定のアドレス150で分割すると、2列目のデータは30となり3列目に新たに90のデータが挿入される。
【0047】
図21においては、実施例1と同様にして、特定のアドレス150を含むデータを太枠211で囲むことによって、アドレス150を含むデータが表201の中での位置を容易に認識することができる。このとき、太枠211で示したデータの列方向の位置が複数のチャンネル間で異なっている場合には、全てのチャンネル間で対象となるデータの位置を実施例2と同様にして揃えるようにしてもよい。
【0048】
図22は対象となるデータを第5列目に揃えた例を示す。実施例2と同様に、データ数が多くなり、データの列番号が大きくなった場合においても特定のアドレスを含むデータに容易にアクセスすることができ、パルス波形のデータの修正等を効率よく行うことができる。
【0049】
また、特定のアドレスを含んでいる第1の値または第2の値を分割した後に、データを編集し、その後、波高値が同一であるデータ同士を結合してもよい。例えば、図21において、CH1について分割後の3列目の値を「−100」に修正した場合、2列目の値「−50」と修正後の3列目の値「−100」とを結合して、「−150」としてもよい。また、図21においてCH1について、分割後の3列目の値を「50」に修正した場合、修正後の3列目の値「50」と4列目の値「100」とを結合して、「150」としてもよい。このようにすることによって、データ編集後の表における表示と、グラフ上のパルスの幅とが一致することになり、パルス波形を視覚的に認識しやすくすることができる。
【0050】
以上の説明においては、マトリクス形式で表示した表の中で特定のアドレスを含むデータを太枠で表示する例を示したが、これには限られず、データの文字の色を変えたり、反転表示させたりして認識しやすくしてもよい。
【0051】
また、上記の説明においては、パルス波形のデータの編集をパルス波形発生器とは独立したコンピュータを用いて行う例を示したが、コンピュータと同等の機能を備えたパルス波形発生器本体で行うようにしてもよい。さらに、上記の説明においては、パルス波形発生器が発生する出力のチャンネル数が6個の場合を例に挙げて説明したが、これには限られず、出力チャンネルは2個以上であってもよい。
【0052】
さらに、上記の説明においてはコンピュータで作成したパルス波形のデータをパルス波形発生器に転送する際にUSBメモリを用いる例を示したが、これには限られず、CD−R等の他の記憶媒体を用いてもよいし、ケーブル等で接続してデータを転送してもよいし、無線方式でデータを転送するようにしてもよい。
【0053】
また、上記の説明においては、マトリクス形式で表示した表と、パルス波形を表示するグラフとを切り替えて表示する例を示したが、1つの画面上に上記の表とグラフとを表示するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 発振器
2 分周回路
31 メモリ
32 メモリ
33 メモリ
41 D/A変換器
42 D/A変換器
43 D/A変換器
51 アンプ
52 アンプ
53 アンプ
61 出力端子
62 出力端子
63 出力端子
7 CPU
8 内部メモリ
9 USBメモリ
10 パルス波形発生器
11 演算部
12 記憶部
13 表示装置
14 入力装置
100 コンピュータ
200 表示画面
201 表
202 表示切替ボタン
203 ファイルボタン
204 編集ボタン
205 カーソル移動ボタン
206 グラフ
207 マーカ
208 マーカ移動ボタン
209 カーソル
210 マーカボタン
211 太枠
【特許請求の範囲】
【請求項1】
演算部及び記憶部を備えたコンピュータと表示装置とを用いて、複数のチャンネルのそれぞれについて、パルス波形のデータを作成する方法であって、
演算部が、
隣接するアドレス間で波高値が連続してハイとなっているアドレスの個数である第1の値と、隣接するアドレス間で波高値が連続してローとなっているアドレスの個数である第2の値とを複数のチャンネルについて入力するためのマトリクス形式の表を表示装置に表示するステップと、
前記複数のチャンネルについて、入力された前記第1の値及び第2の値をアドレスの順序に従って前記マトリクス形式の表に表示するステップと、
前記第1の値及び第2の値について、前記マトリクス上の行番号並びに列番号及びアドレスの最小値並びに最大値を記憶部に記憶するステップと、
前記複数のチャンネルについて、入力された前記第1の値及び第2の値に基づいて、パルス波形の1周期内の各アドレスおよび波高値を作成し、前記記憶部に記憶するステップと、
前記複数のチャンネルのそれぞれについて、前記記憶部に書き込まれたアドレス及び波高値を順次読み出し、表示装置の画面上に前記アドレスに対応する波高値をプロットすることによってパルス波形を表示するステップと、を含み、
前記画面上で特定のアドレスが選択された場合に、
前記第1の値及び第2の値について、選択された前記特定のアドレスと前記第1の値及び第2の値のアドレスの最小値及び最大値とを比較することによって、前記特定のアドレスを含む第1の値または第2の値の行番号及び列番号を決定し、前記表における表示方法を他の第1の値または第2の値の表示方法と異ならせることを特徴とするパルス波形データの作成方法。
【請求項2】
前記マトリクスにおいて、各チャンネルに関して前記第1の値及び第2の値を行方向に並べた場合において、
前記特定のアドレスを含む前記第1の値または第2の値の列方向の位置を複数のチャンネル間で揃えて表示する、請求項1に記載のパルス波形データの作成方法。
【請求項3】
前記グラフにおいて特定のアドレスを選択した場合に、
前記表において、前記特定のアドレスを含む第1の値または第2の値を前記特定のアドレスを境にして分割して表示する、請求項1または2に記載のパルス波形データの作成方法。
【請求項4】
前記第1の値または第2の値が分割された後に、
前記マトリクスにおいて、各チャンネルに関して前記第1の値及び第2の値を行方向に並べた場合において、
分割された前記第1の値または第2の値のうち前記特定のアドレスを含む値の列方向の位置を複数のチャンネル間で揃えて表示する、請求項3に記載のパルス波形データの作成方法。
【請求項5】
分割された前記第1の値または第2の値を結合する、請求項3または4に記載のパルス波形データの作成方法。
【請求項1】
演算部及び記憶部を備えたコンピュータと表示装置とを用いて、複数のチャンネルのそれぞれについて、パルス波形のデータを作成する方法であって、
演算部が、
隣接するアドレス間で波高値が連続してハイとなっているアドレスの個数である第1の値と、隣接するアドレス間で波高値が連続してローとなっているアドレスの個数である第2の値とを複数のチャンネルについて入力するためのマトリクス形式の表を表示装置に表示するステップと、
前記複数のチャンネルについて、入力された前記第1の値及び第2の値をアドレスの順序に従って前記マトリクス形式の表に表示するステップと、
前記第1の値及び第2の値について、前記マトリクス上の行番号並びに列番号及びアドレスの最小値並びに最大値を記憶部に記憶するステップと、
前記複数のチャンネルについて、入力された前記第1の値及び第2の値に基づいて、パルス波形の1周期内の各アドレスおよび波高値を作成し、前記記憶部に記憶するステップと、
前記複数のチャンネルのそれぞれについて、前記記憶部に書き込まれたアドレス及び波高値を順次読み出し、表示装置の画面上に前記アドレスに対応する波高値をプロットすることによってパルス波形を表示するステップと、を含み、
前記画面上で特定のアドレスが選択された場合に、
前記第1の値及び第2の値について、選択された前記特定のアドレスと前記第1の値及び第2の値のアドレスの最小値及び最大値とを比較することによって、前記特定のアドレスを含む第1の値または第2の値の行番号及び列番号を決定し、前記表における表示方法を他の第1の値または第2の値の表示方法と異ならせることを特徴とするパルス波形データの作成方法。
【請求項2】
前記マトリクスにおいて、各チャンネルに関して前記第1の値及び第2の値を行方向に並べた場合において、
前記特定のアドレスを含む前記第1の値または第2の値の列方向の位置を複数のチャンネル間で揃えて表示する、請求項1に記載のパルス波形データの作成方法。
【請求項3】
前記グラフにおいて特定のアドレスを選択した場合に、
前記表において、前記特定のアドレスを含む第1の値または第2の値を前記特定のアドレスを境にして分割して表示する、請求項1または2に記載のパルス波形データの作成方法。
【請求項4】
前記第1の値または第2の値が分割された後に、
前記マトリクスにおいて、各チャンネルに関して前記第1の値及び第2の値を行方向に並べた場合において、
分割された前記第1の値または第2の値のうち前記特定のアドレスを含む値の列方向の位置を複数のチャンネル間で揃えて表示する、請求項3に記載のパルス波形データの作成方法。
【請求項5】
分割された前記第1の値または第2の値を結合する、請求項3または4に記載のパルス波形データの作成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2011−48758(P2011−48758A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−198406(P2009−198406)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(503103109)岩通計測株式会社 (13)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(503103109)岩通計測株式会社 (13)
【Fターム(参考)】
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