説明

ヒストリー機能を有するタツチパネル方式入力装置および情報処理装置

【目的】 同じ手順のキー入力を複数回行うことによってある一つの情報を入力する入力装置において、所定の順序による一連のキー操作を簡略化することにより、キー入力時の操作性を向上させる。
【構成】 指定された期間内に押下されたキーのキーコードを記憶する記憶手段と、該記憶手段の記憶内容の中から一つを選択する選択手段と、選択された記憶内容を出力する出力手段と、記憶時に最後に指定されたページを画面上に表示する表示制御手段を設ける。
【効果】 能率的にキー入力を行うことが可能となり、ページ切換えの時間的なロスも減少され、キー入力時の操作性が向上される。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ポータブル方式などの小型データ処理装置等で使用するのに好適なタッチパネル方式の入力装置および情報処理装置に係り、特に、同じ手順のキー入力を複数回行うことによってある一つの情報を入力する入力装置において、所定の順序による一連のキー操作を簡略化することにより、キー入力時の操作性を向上させたヒストリー機能を有するタッチパネル方式入力装置および情報処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】タッチパネル方式の入力装置は、従来からパーソナルコンピュータ、その他各種のデータ処理装置で広く採用されている。一般に知られている装置では、例えば、銀行等のCD機があり、通常、CRTの画面上にタッチキーが表示される。このタッチパネル方式入力装置では、予め決められた手順による一連のキー入力を行う場合でも、その都度、はじめからキー入力を行っているため、キー操作が面倒である。
【0003】ここで、タッチパネル方式の入力装置におけるページ呼出しキーについて説明する。タッチパネル方式の場合には、表示画面上のタッチキー表示領域内に、ページ呼出しキーを割付けることができる。
【0004】このページ呼出しキーには、呼出そうとするページ番号が設定されており、ページ呼出しキーの入力操作によって呼出対象のページをLCD等の画面上に表示し、タッチキー入力することができる。このページ呼出しキーは、関係のあるページ間を結び付けるとき等に使用される。
【0005】図10は、従来のタッチパネル方式入力装置におけるキー操作の一例と、ページ呼出しキー設定の一例を示す図で、(1) はキー操作の順序、(2) はページ呼出しキーの設定を示す。
【0006】キー操作の一例として、例えば、図10(1) に示す順序でキー操作を行う場合を説明する。この場合には、図10(2) に示すように、■ページの画面上で、キー「△△」を押し、次に同じページの画面上で、キー「××」を押す。
【0007】キー「××」が押されると、ページ呼出しが行われて、■ページの画面が表示される。この■ページの画面上で、キー「○○」を押すと、■ページの画面が表示される。なお、キー「??」を押すと、■ページの画面が表示される。
【0008】次に、この■ページの画面上で、キー「AAA」を押し、さらに、この■ページの画面が表示された状態で、キー「A」(アルファベット)を押した後、■ページのキー「**」を押すと、■ページの画面が表示される。なお、キー「△○×」を押すと、■ページの画面が表示される。このようなキー操作とページ呼出しは、所望のキー入力が終了するまで、順次繰返えされる。
【0009】このように、タッチパネル方式入力装置の場合、これら一連のキー入力操作においては、通常、ディスプレイ画面上に異なる配列のキーが表示されるので、ページ呼出しが何回も含まれることになり、ページ切換え時間のロスも発生する。したがって、従来のタッチパネル方式入力装置では、1つの処理を行うだけでも、複数回のキー操作が必要であり、その操作中にページ呼出しが何回も含まれると、ページ切換え時間のロスも生じるので、キー入力時の操作性が低い、という不都合があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この発明では、従来のタッチパネル方式入力装置におけるこのような不都合を解決し、煩わしいキー操作の回数を減少させると共に、ページ切換え時間のロスも減少させることによって、迅速かつ容易なキー入力を可能にしたタッチパネル方式入力装置および情報処理装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明では、第1に、LCDやCRT等のディスプレイ装置と、該ディスプレイ装置の画面上のタッチパネルとを具備すると共に、複数のページを有し、前記タッチパネル内にページ呼び出しキーを割り付ける機能を備えた入力装置において、指定された期間内に押下されたキーのキーコードを記憶するキーコード記憶手段と、該キーコード記憶手段の記憶内容の中から一つを選択するキーコード選択手段と、選択された記憶内容をホストコンピュータへ出力する出力手段と、記憶時に最後に指定されたページを前記ディスプレイ装置の画面上に表示する表示制御手段、とを備えた構成である。
【0012】第2に、上記第1のタッチパネル方式入力装置において、キーコード記憶手段の記憶内容について、その使用頻度を監視する使用頻度監視手段を備えた構成である。
【0013】第3に、情報処理装置に、上記第1または第2のタッチパネル方式入力装置を備えた構成である。
【0014】
【作用】この発明のタッチパネル方式入力装置では、頻繁に使用する一連のキー列の入力操作について予め登録しておき、出力時に、出力モード画面上で所望のキー列を選択することによって、一連のキー列の入力操作が迅速に行えるようにしている(請求項1の発明)。
【0015】また、出力モードにおけるキー列の配列順序を、その使用頻度に従って配列することにより、一層操作性を向上させている(請求項2の発明)。
【0016】図2は、この発明のタッチパネル方式入力装置について、ヒストリー登録とヒストリー出力時の操作を説明する図で、(1) は斜視図、(2) は通常の表示画面の一例、(3) はヒストリー出力モード時における選択画面の一例を示す図である。図において、1はタッチパネル方式入力装置、2はLCDからなるディスプレイ画面、3はヒストリー登録キー、4はヒストリー出力キーを示す。
【0017】この発明のタッチパネル方式入力装置では、図2(1) に斜視図で示すように、タッチパネル方式入力装置1の上面、例えば、LCDからなるディスプレイ画面2の右上方に、ヒストリー登録キー3と、ヒストリー出力キー4とが設けられている。そして、ヒストリー登録キー3を押下すると、ヒストリー登録モードが設定される。また、ヒストリー出力キー4を押下すると、ヒストリー出力モードが設定される。
【0018】ヒストリー登録モードでは、図2(2) に示す通常の表示画面が表示される。この表示画面上で、一連のキー操作を行い、最後にヒストリー登録キー3を押下すると、入力されたキー列の情報が登録される。
【0019】また、ヒストリー出力モードでは、図2(3) に示すような選択画面が表示される。この出力モード時には、予め登録された一連のキー列が、出力モード選択画面の一行(一段)に表示される。
【0020】ユーザは、この表示画面上で、出力したい行(タッチパネル上で一連のキー列が表示されている段)を押すことによって、所望のキー列を選択する。なお、画面に入りきらないキー入力は、左右あるいは上下方向の矢印を押すことによって、画面がスクロールされ、画面内に表示される。
【0021】
【実施例1】次に、この発明のヒストリー機能を有するタッチパネル方式入力装置および情報処理装置について、図面を参照しながら、その実施例を詳細に説明する。この実施例は、請求項1と請求項3の発明に対応している。
【0022】図1は、この発明のヒストリー機能を有するタッチパネル方式入力装置について、要部構成の一実施例を示す機能ブロック図である。図において、11はA/Nキー、12はA/Nキー制御部、13はタッチパネル、14はタッチパネル制御部、15はLCD等のディスプレイ、16はディスプレイ制御部、17は入力装置制御部、18は出力制御部、19はヒストリー登録処理部、20はヒストリー出力処理部、21はヒストリー用バッファ、22は使用頻度監視部、23はホストコンピュータ、24はキーボードI/Fを示す。
【0023】この図1に示すタッチパネル方式入力装置において、この発明で新たに付加されたブロックは、19〜22の4個であり、請求項1の発明では、ヒストリー登録処理部19と、ヒストリー出力処理部20と、ヒストリー用バッファ21とが機能し、請求項2の発明では、使用頻度監視部22が機能する。
【0024】その他のブロックは、従来と同様の構成であり、出力制御部18からキーボードI/F(インターフェース)24を介して、ホストコンピュータ23と接続される。通常の動作においては、A/N(アルファ・ニューメリック)キー11や、タッチパネル13が押下されると、そのキー情報が、入力装置制御部17へ送出される。そして、そのキーに対応するキーコードが、出力制御部18を介して、ホスト23側へ送信される。
【0025】また、登録キーが押下されると、図1のヒストリー登録処理部19では、ヒストリー登録モードが設定される。A/Nキー11や、タッチパネル13が押下されると、その都度、押下されたキーの項目(キートップの内容)とキーコードとが、それぞれ、入力装置制御部17からヒストリー登録処理部19に取り込まれて、ヒストリー用バッファ21に登録される。
【0026】ヒストリー登録モードの設定中に、再度、登録キーが押下されると、入力装置制御部17から、現在表示中のページナンバーの情報を取り込んで、ヒストリー用バッファ21に登録して、ヒストリー登録モードを終了する。この場合に、登録キーが押下されてから、次に登録キーが押下されるまでの間に複数回押下されたキーは、一連のキー群として登録される。以下の説明では、この一連の押下されたキー群を、キー列と呼ぶ。
【0027】図3は、図1のヒストリー用バッファ21内に設けられるテーブルについて、その一構成例を示す図で、(1) は主テーブル(テーブルA)、(2) はキー項目保管テーブル(テーブルB)、(3) はキーコード保管テーブル(テーブルC)を示す。
【0028】この図3(1) に示すように、ヒストリー用バッファ21内の主テーブル(テーブルA)には、aの「キー列中の1番目のキーコード」,bの「キー項目ポインター」,cの「キーコードポインター」,dの「最終ページNo.」、のそれぞれの格納エリアが設けられている。なお、最右端のeの「カウンタ」は、次の第2の実施例で説明する場合に使用されるカウント値の格納エリアである。
【0029】また、図3(2) に示すキー項目保管テーブル(テーブルB)には、各「キー列のキー項目保管領域」が設けられており、その詳細な構成は、右側に拡大図で示すとおりである。さらに、図3(3) に示すキーコード保管テーブル(テーブルC)には、各「キー列のキーコード保管領域」が設けられている。その詳細な構成は、その右側に拡大図で示されている。
【0030】このように、この発明のタッチパネル方式入力装置では、ヒストリー用バッファ21内に3個のテーブルを設けている。そして、キー列の登録に際しては、キー項目とキーコードとを、別々のテーブルB,Cにそれぞれ保管する。
【0031】この場合に、一つ一つのキー情報は、登録時のキー操作の順序で保管され、また、一つのキー列(一連のキー列の情報)がどの格納エリアに保管されているかは、テーブルAによって管理される。そのために、このテーブルAには、各キー列中の一番目のキーコード、および登録時の最後に表示されていたページのナンバーの情報も保管されている。
【0032】ここで、この発明のタッチパネル方式入力装置におけるヒストリー登録のキー操作について、具体例を説明する。
【0033】図4は、ヒストリー登録時におけるテーブル内のデータの格納状態を説明する図で、(1) はキー項目保管テーブル(テーブルB)、(2) はキーコード保管テーブル(テーブルC)、(3) は主テーブル(テーブルA)を示す。
【0034】この図4では、従来例として先の図10(1) と(2) に示したキー操作とページ呼出しキー設定の場合について、各テーブル内に登録されるデータの状態を示している。すでに述べたように、この発明では、まず、ヒストリー登録キーを押下してヒストリー登録モードを設定し、その後に一連のキー操作を行う。
【0035】先の図10(1) に示したように、図10(2) の■ページの画面上で、キー「△△」を押下し、以下、一連のキーを押下して、再度、ヒストリー登録キーを押下すると、図4(1) のキー項目保管テーブル(テーブルB)のZ番地に、このキー「△△」が、図4(2) のキーコード保管テーブル(テーブルC)のY番地に、「△△」のコードが、それぞれ登録される。その後のキーについても、同様であり、最終的には、図4(1) のキー項目保管テーブル(テーブルB)と、図4(2) のキーコード保管テーブル(テーブルC)とが作成される。
【0036】また、図4(3) の主テーブル(テーブルA)には、aの「キー列中の1番目のキーコード」に「△△」のコード、bの「キー項目ポインター」に「Z番地」、cの「キーコードポインター」に「Y番地」、dの「最終ページNo.」に「■ページ」のデータが、それぞれ格納される。
【0037】以上のように、この発明のタッチパネル方式入力装置では、ヒストリー登録キーを押下してヒストリー登録モードを設定し、その後に、一連のキー列の入力を行い、再度、登録キーを押下すると、この間のキー列の情報が、図4(1) 〜(3)に示した各テーブルA〜Cの所定エリアに登録される。
【0038】ここで、図1に示したこの発明のタッチパネル方式入力装置について、フローチャートを参照しながら、ヒストリー登録の動作を説明する。
【0039】図5は、この発明のタッチパネル方式入力装置において、ヒストリー登録時の主要な処理の流れを示すフローチャートである。図において、#1〜#7はステップを示す。
【0040】この図5によって、ヒストリー登録時の全体の処理を説明する。ステップ#1で、キー入力があると、次のステップ#2で、ヒストリー登録キーであるかどうかチェックする。
【0041】ステップ#2でチェックした結果、ヒストリー登録キーであれば、ステップ#3へ進み、すでに、ヒストリー登録モードが設定されているかどうかチェックする。もし、登録モードが設定されていれば、ステップ#4で、ヒストリー登録を終了する処理を行って、再び、先のステップ#1へ戻る。
【0042】ステップ#3でチェックした結果、登録モードが設定されていなければ、ステップ#5へ進み、ヒストリー登録のためのイニシャライズを行い、再び、先のステップ#1へ戻る。
【0043】また、先のステップ#2でチェックした結果、押下されたキーが、ヒストリー登録キーでないときは、ステップ#6へ進み、すでに、ヒストリー登録モードが設定されているかどうかチェックする。もし、登録モードが設定されていれば、ステップ#7で、ヒストリー登録の処理を行って、再び、先のステップ#1へ戻る。
【0044】ステップ#6でチェックした結果、ヒストリー登録モードが設定されていなければ、再び、先のステップ#1へ戻る。以上のステップ#1〜#7のフローによって、一つのキー列の登録処理が実行される。
【0045】ここで、図5のステップ#7で行われるヒストリー登録の処理について、その詳細を説明する。図6R>6は、この発明のタッチパネル方式入力装置において、ヒストリー登録時における登録処理の詳細を示すフローチャートである。図において、#11〜#13はステップを示す。
【0046】このヒストリー登録の処理では、図6に示すように、ステップ#11で、先の図3(2) に示したキー項目保管テーブル(テーブルB)内の所定の空き領域に、そのキー列のキー項目を保管する。
【0047】次のステップ#12で、先の図3(3) に示したキーコード保管テーブル(テーブルC)内の所定の空き領域に、該当するキー列のキーコードを保管する。ステップ#13で、先の図3(1) の項目bの「キー項目ポインター」と、項目cの「キーコードポインター」の各ポインターを、それぞれ「+1」して、この図6のフローを終了する。
【0048】以上のステップ#11〜#13の処理によって、図3(1) 〜(3) に示したヒストリー用バッファ21内の各テーブルに、一連のキー群から形成される新たなキー列の情報が登録される。
【0049】次に、ヒストリー出力の動作を説明する。先の図2(1) に示したタッチパネル方式入力装置1において、ヒストリー出力キー4を押下すると、ヒストリー出力モードが設定され、図2(3) に示したような選択画面が表示される。
【0050】この出力モード選択画面上で、所望のキー列を選択すると、図1のタッチパネル13、タッチパネル制御部14を介して、出力制御部18に対し、ヒストリー用バッファ21から選択されたキー列のコードを出力し、ホストコンピュータ23へ送信するよう指令される。さらに、そのキー列の登録終了時(記憶処理時)のページナンバーの情報が、入力装置制御部17へ出力されて、ページ切換えが行われる。
【0051】以上のように、この発明の入力装置では、登録時に要求されるキー操作の増加回数は、ヒストリー登録キー3の2回の押下だけであり、極めて簡単である。また、ヒストリー出力時には、ヒストリー出力キー4を1回押下すれば、登録されたキー列の一覧表が表示され、その中から任意所望のキー列を選択するだけで、従来と同様の一連のキー入力操作が再現され、また、それに対応するページ切換えが行われるので、直ちにその後に操作を続行することが可能になる。
【0052】図7は、この発明のタッチパネル方式入力装置において、ヒストリー出力時の主要な処理の流れを示すフローチャートである。図において、#21〜#31はステップを示す。
【0053】この図7によって、ヒストリー出力時の全体の処理を説明する。ステップ#21でキー入力があると、次のステップ#22で、すでに、ヒストリー出力モードが設定されているかどうかチェックする。もし、出力モードが設定されていなければ、ステップ#23へ進み、ヒストリー出力キーの入力であるかどうかチェックする。
【0054】ステップ#23でチェックした結果、ヒストリー出力キーの入力でなければ、ステップ#24へ進み、タッチパネルの入力であるかどうかチェックする。もし、タッチパネルの入力でなければ、次のステップ#25で、A/Nキーその他のキーのコードを出力して、再び、先のステップ#21へ戻る。
【0055】ステップ#24でチェックした結果、タッチパネルの入力であれば、ステップ#26へ進み、タッチキーのコードを出力して、同様に、先のステップ#21へ戻る。
【0056】また、ステップ#23でチェックした結果、ヒストリー出力キーの入力であれば、ステップ#27へ進み、ヒストリー出力モードを設定すると共に、図2R>2(3)に示したようなヒストリー出力モードの画面を表示して、先のステップ#21へ戻る。さらに、先のステップ#22でチェックした結果、すでに、ヒストリー出力モードが設定されているときは、ステップ#28へ進み、ヒストリー出力キーの入力であるかどうかチェックする。
【0057】ステップ#28でチェックした結果、ヒストリー出力キーの入力であれば、ステップ#29へ進み、ヒストリー出力モードを解除すると共に、図2(2) に示したような通常の表示画面を表示して、先のステップ#21へ戻る。もし、ヒストリー出力キーの入力でなければ、ステップ#30へ進み、タッチパネルの入力であるかどうかチェックする。
【0058】ステップ#30でチェックした結果、タッチパネルの入力であれば、ステップ#31へ進み、ヒストリー出力の処理を行って、先のステップ#21へ戻る。また、ステップ#30でチェックした結果、タッチパネルの入力でなければ、再び、先のステップ#21へ戻る。以上のステップ#21〜#31のフローによって、キー列の出力処理が実行される。
【0059】ここで、図7のステップ#27で行われるヒストリー出力モードの画面表示の処理と、ステップ#31で行われるヒストリー出力の処理について、その詳細を説明する。
【0060】図8は、この発明のタッチパネル方式入力装置において、ヒストリー出力時における処理の詳細を示すフローチャートで、(1) は画面表示のフロー、(2) は出力処理の詳細なフローを示す図である。図において、#41〜#42と#51〜#52はステップを示す。
【0061】まず、図7に示したステップ#27でのヒストリー出力モードの画面表示の処理では、図8(1) に示すステップ#41で、先の図2(3) に関連して説明したように、ディスプレイ画面内に、ヒストリー出力モード用のウインドウを開き、表フォーマットを作成する。
【0062】次に、ステップ#42で、先の図3(2) に示したキー項目保管テーブル(テーブルB)から、キー列単位でキーコードを出力して、画面上の表を埋めて、出力モードの画面を表示する。以上のフローによって、図2(3) に示したような、ヒストリー出力モードの画面表示が行われる。
【0063】次に、図7のステップ#31で行われるヒストリー出力の処理では、図8(2)に示すように、ステップ#51で、選択されたキーコードを、ホストコンピュータへ出力し、次のステップ#52で、図1の入力装置制御部17に登録されているページナンバーの情報を出力する。以上のような処理によって、先に登録されたキー列(一連のキー入力)のヒストリー出力が得られる。
【0064】以上の実施例では、ヒストリー機能を有するタッチパネル方式入力装置について詳しく説明し、ホストコンピュータについての説明は省略した。しかしながら、このようなヒストリー機能によって出力された一連のキー列の情報も、その都度のキー操作によって逐一入力されたキー情報も、その処理は従来と同様である。
【0065】したがって、この発明は、以上に述べたタッチパネル方式入力装置を接続したホストコンピュータ、パーソナルコンピュータ、その他各種の情報処理装置を全て包含するものである(請求項3の発明)。
【0066】
【実施例2】次に、この発明のヒストリー機能を有するタッチパネル方式入力装置および情報処理装置について、第2の実施例を詳細に説明する。この実施例は、請求項2と請求項3の発明に対応している。この第2の実施例の構成は、先の図1に示したとおりであり、特に、ヒストリー用バッファ21内の主テーブル(テーブルA)にカウンタテーブルが付設される点と、使用頻度監視部22が機能する点とで、先の実施例と異なっている。
【0067】すなわち、ヒストリー登録とヒストリー出力の処理は、基本的に先の実施例と同様であるが、この実施例では、先の図2(3) に示したキー列の選択画面の表示に際して、その配列順序を使用頻度によって一覧表示することにより、キー列の選択を一層容易にしている。
【0068】先の図3(1) に示したように、ヒストリー用バッファ21内の主テーブル(テーブルA)には、aの「キー列中の1番目のキーコード」,bの「キー項目ポインター」,cの「キーコードポインター」,dの「最終ページNo.」、のそれぞれの格納エリアの他に、その最右端のeの「カウンタ」が付設されており、カウント値の格納エリアとして使用する。
【0069】このカウンタは、登録された一連のキー列について、その過去に使用された回数を示している。そして、ヒストリー出力モードが設定されると、図1のヒストリー出力処理部20は、使用頻度監視部22からの指示によって、ヒストリー用バッファ21に付設された主テーブル(テーブルA)、図3(1)の最右端のeの「カウンタ」テーブルの該当キー列のカウンタを「+1」する。
【0070】また、出力キーが押下されて、ヒストリー用バッファ21内の項目を出力する際に、使用頻度監視部22は、そのキー列の使用頻度、すなわち、図3(1) のeの「カウンタ」の内容を調べ、その使用回数の多い順序で出力するように制御する。したがって、図1のLCD等のディスプレイ15の画面上には、登録されたキー列の情報が、使用頻度の順序で一覧表示されることになる。
【0071】図9は、この発明のタッチパネル方式入力装置において、ヒストリー出力モード時の使用頻度順によるキー列の選択画面表示の主要な処理の流れを示すフローチャートである。図において、#61〜#66はステップを示す。
【0072】この図9によって、ヒストリー出力時におけるキー列の選択画面の表示の処理を説明する。ステップ#61で、ヒストリー出力モードが設定されると、次のステップ#62で、図1の使用頻度監視部22は、図3R>3(1) のヒストリー用バッファ21に付設されたカウンタテーブル内の全キー列について、そのカウンタ(最右端のe)の使用頻度を調査し、使用頻度の高い順序でキー列を配列して、画面上に一覧表示する。
【0073】ステップ#63で、タッチパネル13によって、表示された一覧表の中から一つのキー列を選択する。ステップ#64で、指定されたキー列のキーコードを、ホストコンピュータ23へ出力する。
【0074】次のステップ#65で、登録されている最終ページ情報に従って、ページ切換えを行う。ステップ#66へ進み、ヒストリー用バッファ21内の主テーブル(テーブルA)の選択されたキー列のカウンタを「+1」する。
【0075】以上のステップ#61〜#66のフローによって、使用頻度に従った配列順序による一覧表でのキー列の選択処理が実行される。なお、先にも述べたように、この発明は、以上に述べたタッチパネル方式入力装置を接続したホストコンピュータ、パーソナルコンピュータ、その他各種の情報処理装置を全て包含するものである(請求項3の発明)。
【0076】以上に詳しく説明したように、この発明のヒストリー機能を有するタッチパネル方式入力装置および情報処理装置では、従来、同一の順序による複数回のキー操作が、極めて簡単な操作で、迅速かつ正確に再現可能であるように構成している。
【0077】
【発明の効果】請求項1の発明では、何種類ものキー入力を数少ないキー操作で再現しているので、能率的にキー入力を行うことが可能となり、操作性が向上される。また、ページ切換えの実行を1回だけ行えばよいので、ページ切換え操作の時間的なロスも減少され、キー入力時の操作性が一層向上される。
【0078】請求項2の発明では、記憶されているキー入力手順を使用頻度に基いて並べているので、頻繁に使用するキー入力手順が簡単かつ正確に再現され、キー入力時の操作性がさらに高められる。
【0079】請求項3の発明では、請求項1または請求項2の発明による入力装置を使用して情報処理装置を構成している。したがって、ホストコンピュータ、パーソナルコンピュータ、その他各種の情報処理装置について、同様に、頻繁に使用するキー入力手順が簡単かつ正確に再現され、能率的にキー入力を行うことが可能となる、等の多くの優れた効果が奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のヒストリー機能を有するタッチパネル方式入力装置について、要部構成の一実施例を示す機能ブロック図である。
【図2】この発明のタッチパネル方式入力装置について、ヒストリー登録とヒストリー出力時の操作を説明する図である。
【図3】図1のヒストリー用バッファ21内に設けられるテーブルについて、その一構成例を示す図である。
【図4】ヒストリー登録時におけるテーブル内のデータの格納状態の一例を説明する図である。
【図5】この発明のタッチパネル方式入力装置において、ヒストリー登録時の主要な処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】この発明のタッチパネル方式入力装置において、ヒストリー登録時における登録処理の詳細を示すフローチャートである。
【図7】この発明のタッチパネル方式入力装置において、ヒストリー出力時の主要な処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】この発明のタッチパネル方式入力装置において、ヒストリー出力時における処理の詳細を示すフローチャートである。
【図9】この発明のタッチパネル方式入力装置において、ヒストリー出力モード時の使用頻度順によるキー列の選択画面表示の主要な処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】従来のタッチパネル方式入力装置におけるキー操作の一例と、ページ呼出しキー設定の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 タッチパネル方式入力装置
2 ディスプレイ画面
3 ヒストリー登録キー
4 ヒストリー出力キー
11 A/Nキー
12 A/Nキー制御部
13 タッチパネル
14 タッチパネル制御部
15 ディスプレイ
16 ディスプレイ制御部
17 入力装置制御部
18 出力制御部
19 ヒストリー登録処理部
20 ヒストリー出力処理部
21 ヒストリー用バッファ
22 使用頻度監視部
23 ホストコンピュータ
24 キーボードI/F

【特許請求の範囲】
【請求項1】 LCDやCRT等のディスプレイ装置と、該ディスプレイ装置の画面上のタッチパネルとを具備すると共に、複数のページを有し、前記タッチパネル内にページ呼び出しキーを割り付ける機能を備えた入力装置において、指定された期間内に押下されたキーのキーコードを記憶するキーコード記憶手段と、該キーコード記憶手段の記憶内容の中から一つを選択するキーコード選択手段と、選択された記憶内容をホストコンピュータへ出力する出力手段と、記憶時に最後に指定されたページを前記ディスプレイ装置の画面上に表示する表示制御手段、とを備えたことを特徴とするタッチパネル方式入力装置。
【請求項2】 請求項1のタッチパネル方式入力装置において、キーコード記憶手段の記憶内容について、その使用頻度を監視する使用頻度監視手段を備えたことを特徴とするタッチパネル方式入力装置。
【請求項3】 請求項1または請求項2のタッチパネル方式入力装置を備えたことを特徴とする情報処理装置。

【図6】
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【図8】
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【図1】
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【図9】
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【図2】
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【図5】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図10】
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