説明

ヒトIL−18による調節T細胞のモジュレーション

本発明は、被験者における調節T細胞の存在および/または活性をモジュレートするための組成物および方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトIL−18による調節T細胞のモジュレーションに関する。
【背景技術】
【0002】
インターロイキン−18(IL−18)は、先天性および獲得性免疫応答の両方において役割を演じる強力なサイトカインである(非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4)。IL−18の発現は、自己免疫疾患、細菌およびウイルス感染症、およびがんを含む、病的症状において多種多様な役割を演じる。IL−18の生物活性は、例えば、T細胞および脾細胞によるインターフェロン−γ(IFN−γ)の誘導、ナチュラルキラー細胞(NKT)の殺害(killing)活性の増進およびナイーブCD4+T細胞の1型エフェクターT細胞(Th1)への分化誘導の補助(helping)を含む。
【0003】
IL−18は生物学的に非活性の前駆体ポリペプチドとして合成される。リーダー配列を切除するカスパーゼ−1によるプロセシングは、生物学的に活性な形態物を生じる(非特許文献5;非特許文献6)。活性ヒトIL−18は157個のアミノ酸を含有する。IL−18受容体(IL−18R)成分、IL−18RαとIL−18Rβが同定されている(非特許文献7;非特許文献8)。IL−18BPと名付けられたIL−18の天然に存在する可溶性インヒビターもまた同定されていて、これはIL−18に結合することによってIL−18活性を阻害する(非特許文献9)。
【0004】
T細胞は免疫応答において重要な役割を演じる。調節T細胞(Treg)は、インビトロでレスポンダーT細胞の増殖を顕著に抑制し、そしてインビボで自己免疫疾患を阻止する能力を有するTリンパ球の他とまったく別な集団である(非特許文献10;非特許文献11;非特許文献12)。CD4CD25細胞集団として最初に同定されたTregは、また、フォークヘッド(forkhead)ファミリー転写因子FoxP3の発現を特徴とする(非特許文献13)。
【0005】
腫瘍は腫瘍関連抗原を発現し、これは免疫反応をもたらすはずである。しかしながら、そのような腫瘍関連抗原特異的免疫応答は一般的には観察されていない。Tregは、ヒトにおける抗腫瘍免疫応答の究極の不全に対して主に寄与しているものとして関係付けられてきた(非特許文献14)。例えば、卵巣がんでは、Tregは腫瘍特異的T細胞を抑制し、そして多数の腫瘍関連Tregが生残時間の低下に関連している(非特許文献15;非特許文献16;非特許文献17)。さらにまた、卵巣がんにおける腫瘍内のエフェクターT細胞数の増加は、より良好な予後に関連していた(非特許文献18)。同様な観察は結腸直腸がんに関してなされた(非特許文献19)。肺腫瘍は多数のTregを有することが示されており、そしてその証拠は、Tregが宿主の免疫応答を選択的に阻害し、それによってがん進行に寄与しているかもしれないことを示唆している(非特許文献20)。またTregは、多形グリア腫患者由来の腫瘍サンプルにおいて高まることが示された(非特許文献21)。
【0006】
腫瘍RNAをトランスフェクトされた樹状細胞によるワクチン接種の前に、転移性腎細胞がん腫患者の末梢血からTregを除去するための、DAB389IL−2、組み換えIL−2ジフテリア毒素コンジュゲートの投与は、腫瘍特異的T細胞の刺激増進をもたらした(非特許文献22)。不利なことには、DAB389IL−2は活性化されたT細胞を除去するので、ワクチン接種後には使用することはできない。フルダラビン(fludarabine)は、慢性リンパ球白血病患者においてTregを除去するかまたは阻止
するかいずれかが示された(非特許文献23)。不利なことには、フルダラビンは骨髄細胞の抑制と神経毒性を惹起することがある。
【0007】
また、Tregは若干のウイルスと寄生虫感染症においても役割を演じる。例えば、Tregの過剰とその結果の免疫抑制がレトロウイルス感染症において検出されている(非特許文献24)。またTregによる免疫抑制はレーシュマニア(Leishmania)およびマラリア・マウスモデルにおいて見いだされている(非特許文献25;非特許文献26)。フィラリア感染マウスモデルでは、抗体療法によるTreg数の低下が寄生虫数の劇的な低下をもたらした(非特許文献27)。
【0008】
かくして、当該技術分野では、がんおよびTregの関与する他の疾病においてTregを阻害または低下させるための新規方法に対するニーズの存在することは明らかである。本発明はこのニーズを満足させる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Nakanishi et al.,2001,Cytokine Growth Factor Rev.12(1):53−72
【非特許文献2】Nakanishi et al.,2001,Annu.Rev.Immunol.19:423−74
【非特許文献3】Gracie et al.,2003,J.Leukoc.Biol.73(2):213−224
【非特許文献4】Reddy,2004,Curr.Opin.Hematol.1(6):405−410
【非特許文献5】Ghayer et al.,1997,Nature 386:619−623
【非特許文献6】Gu et al.,1997,Science 275(5297):206−209
【非特許文献7】Torigoe et al.,1997,J.Biol.Chem.272:25737−25742
【非特許文献8】Born et al.,1998,J.Biol.Chem.2873:29445−29450
【非特許文献9】Novick et al.,1999,Immunity 10:127−136
【非特許文献10】Sakaguchi et al.,1995,J.Immunol.155:1151−1164
【非特許文献11】Sakaguchi et al.,2006,Curr.Top.Microbiol.Immunol.305:51−66
【非特許文献12】Thornton et al.,1998,J.Exp.Med.188:287−296
【非特許文献13】Fontenot et al.,2005,Immunity 22:329−341
【非特許文献14】Wolf et al.,2006,Mini Rev.Med.Chem.6(5):509513
【非特許文献15】Curiel et al.,2003,Nat.Med.9:562−567
【非特許文献16】Wolf et al.,2005,Clin.Cancer Res.11:8326−8331
【非特許文献17】Curiel et al.,2006,Meeting Abstract,Can.Immunity 6 Suppl.1,p.20
【非特許文献18】Zhang et al.,2003,N.Engl.J.Med.348:203−213
【非特許文献19】Pages et al.,2005,N.Engl.J.Med.353:2654−2666
【非特許文献20】Woo et al.,2002,J.Immunol.168:4272−4276
【非特許文献21】Andaloussi et al.,2006,Neuro−oncol.8:234−243
【非特許文献22】Dannull et al.,2005,J.Clin.Inves.115:3623−3633
【非特許文献23】Beyer et al.,2005,Blood 106:2018−2025
【非特許文献24】Iwashiro et al.,2001,PNAS 98:9226−9230
【非特許文献25】Belkaid et al.,Nature 420:502
【非特許文献26】Hisaeda et al.,2004,Nat.Med,10:29
【非特許文献27】Taylor et al.,2005,J.Immunol.174:4924−4933
【発明の概要】
【0010】
本発明は、インターロイキン18(IL−18)の治療学的有効量を被験者に対して投与する工程を含んでなり、被験者におけるCD4CD25FoxP3Tregの数を減少させる方法であって、ここで、CD4CD25FoxP3Tregが選択的に枯渇(deplete)される方法を特徴とする。1つの態様では、被験者は、がん、レトロウイルス感染症または寄生虫感染症から選ばれる少なくとも1種の障害を罹患している。
【0011】
また、本発明は、IL−18の治療学的有効量を被験者に対して投与する工程を含んでなり、がんを罹患している被験者における全身性Treg細胞の数を減少させる方法を特徴とする。
【0012】
また、IL−18の治療学的有効量を被験者に対して投与する工程を含んでなり、がんを罹患している被験者における腫瘍内Treg細胞の数を減少させる方法が、本発明によって提供される。
【0013】
また、IL−18の治療学的有効量を被験者に対して投与する工程を含んでなり、がんを罹患している被験者における全身性CD8エフェクターT細胞の数を増加させる方法が、本発明によって提供される。
【0014】
また、本発明は、IL−18の治療学的有効量を被験者に対して投与する工程を含んでなり、がんを罹患している被験者における腫瘍内CD8エフェクターT細胞の数を増加させる方法を提供する。
【0015】
ある態様では、IL−18はヒトIL−18である。ある態様では、IL−18はポリエチレングリコールと結合されている。ある態様では、被験者はヒト被験者である。ある態様では、IL−18は、少なくとも1種のさらなる治療学的成分と共に投与される。ある態様では、さらなる治療学的成分は、抗体、抗体−毒素複合体、毒素、化学療法分子、DNAワクチン、アンチセンス分子、siRNA分子、幹細胞、腫瘍特異的T細胞、または抗原提示細胞である。
【0016】
ある態様では、IL−18は、同種異系組織移植の一部として投与される。ある態様では、組織移植は、末梢血単核細胞(PBMC)移植または骨髄移植(BMT)から選ばれる。
【0017】
ある態様では、がんは、肺がん、胃腸がん、尿生殖器路がん、肝臓がん、骨がん、神経系がん、婦人科学的がん、乳がん、血液学的がん、皮膚がん、または副腎がんである。
【0018】
本発明は、さらに、組成物を被験者に対して投与する工程を含む、被験者におけるCD4CD25FoxP3Tregを枯渇させる方法であって、ここで、組成物が被験者におけるIL−18の活性を増大させ、かつ、CD4CD25FoxP3Tregが選択的に枯渇される方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明を具体的に説明するために、本発明のある一定態様が図面において描かれる。しかしながら、本発明は、図面において描かれた態様の厳密なアレンジメントおよび手段に限定されるものではない。
【0020】
【図1】図1は、実験例1において記述されるように、rhIL−18処置の存在および不在下において、マウスのヒト腫瘍異種移植片モデルにおけるヒトT細胞による腫瘍浸潤を描く一連のグラフである。パラフィン切片が、ヒトCD45(左パネル)、CD8(中央パネル)、またはCD4(右パネル)に対して特異的な抗体と反応された。100X視野について抗体反応性細胞がランダムに数えられ、そして場所では腫瘍内か、または腫瘍周辺であるか指定された。黒色バーは、IL−18処置された動物からの結果を描いている。白色バーは、疑似(mock)処置された動物からの結果を描いている。星印は、対合される2つのサンプルの平均値についてT検定によって測定されるような、rhIL−18処置と無処置標本との間の有意差(p<0.05)を示す。
【図2】図2Aと図2Bを含む図2は、腫瘍を担持するβ2−ミクログロブリン−/−/NOD/scidマウスのIL−18処置の結果としてのTreg数を描いている一連のグラフである。図2Aは、脾臓の切片における免疫組織化学の結果を描いている。図2Bは、腫瘍の切片における免疫組織化学の結果を描いている。400X視野について抗体反応性細胞がランダムに数えられた。黒色バーは、IL−18処置された動物からの切片を描いており、一方、白色バーは、疑似IL−18処置された動物からの切片を表す。
【図3】図3は、腫瘍を担持しないrhIL−18処置されたβ2−ミクログロブリン−/−/NOD/scidマウスの種々の組織におけるCD4CD25T細胞の測定値のバーグラフを描いている。細胞は、ヒトCD45、CD4およびCD25に対する抗体により染色され、そしてフローサイトメトリーによって分析された。CD4CD25細胞のパーセンテージはCD45細胞における最初のゲーティング(gating)によって決定された。黒色バーは、IL−18処置された動物において得られた値を表し;白色バーは、疑似処置された動物において得られた値を表す。
【図4】図4は、腫瘍を有しないIL−18処置されたβ2−ミクログロブリン−/−/NOD/scidマウスにおけるTreg数を描いている一連の2つのバーグラフである。400X視野についての抗体反応性細胞がランダムに数えられた。黒色バーは、IL−18処置された動物からの切片を描いており、一方、白色バーは、疑似IL−18処置された動物からの切片を表す。
【図5】図5は、ヒト末梢血単核細胞(PMBC)またはヒト末梢血リンパ球(PBL)のいずれかを注射された腫瘍を有しないIL−18処置されたβ2−ミクログロブリン−/−/NOD/scidマウスにおけるTreg数を描いている一連の2つのバーグラフである。脾臓のパラフィン切片が、ヒトFoxP3(左グラフ)またはヒトCD8(右グラフ)に対して特異的な抗体と反応された。400X視野についての抗体反応性細胞がランダムに数えられた。黒色バーは、IL−18処置された動物からの切片を描いており、一方、白色バーは、疑似IL−18処置された動物からの切片を表す。
【図6】図6は、上記各グラフに示されるように、PBMCを注射されたNOD/scid/γnullマウスについてのデータを示す一連のグラフである。末梢血におけるヒト細胞移植(engraftment)が、注射後14、28および36日目にモニターされた。
【0021】
詳細な記述
本発明は、一部は、IL−18の投与がヒトT細胞サブセットの移植において特異の効果を発揮するという発見に関する。本開示は、同種異系のPMBCにより処置されたヒト肺がん異種移植片マウスモデルにおけるヒトIL−18の投与が、腫瘍内でTreg数の有意な減少をもたらすことを例証している。さらに、IL−18投与の結果としてTregの全身性の減少もある。さらにまた、IL−18投与は、総体的には、CD4T細胞移植にはほとんど影響を示さない。また、本開示は、IL−18投与が腫瘍内も全身的にも、CD8T細胞移植を増進することを例証している。これらのIL−18に誘導される効果は、また、腫瘍の不在下でも観察される。それ自体、本発明は、被験者におけるTreg数を減少させる方法および被験者におけるCD8細胞を増加させる方法を含む。
【0022】
定義
本明細書で使用されるところの、次に示す用語の各々は、本節のものと関連する意味を有する。
【0023】
冠詞「a」および「an」は、冠詞の文法上の目的の1つまたは1つ以上(すなわち、少なくとも1つ)を指すために本明細書では使用される。例えば、「an element」は、1つのelementまたは1つ以上のelementを意味する。
【0024】
用語「about」は、当該技術分野における通常の熟達者によって理解でき、そしてそれが使用される文脈においてある程度まで変化できる。
【0025】
本明細書で使用されるところの、「疾病(disease)」は、動物がホメオスタシスを維持できず、そして疾病が改善されない場合には、動物の健康が悪化へと継続する、動物の健康状態である。これに対して、動物における「障害(disorder)」は、動物がホメオスタシスを維持できるが、動物の健康状態が、それが障害の不在下にあるよりも良好ではない健康状態である。無処置のままであっても、障害は、動物の健康状態におけるさらなる低下を必ずしも惹起しない。
【0026】
本明細書で使用されるところの、疾病または障害は、疾病または障害の症候の重篤度、そのような症候が患者によって経験される頻度、あるいは両者が、低下されれば、「軽減(alleviate)」される。
【0027】
本明細書で使用されるところの、「治療学的有効量」は、所望の生物学的結果を提供するような作用物の非毒性であるが十分な量を指す。その結果は、疾病または障害の兆候、症候または原因の低下および/または軽減、あるいは生物学的システムのいずれか他の所望の変化であってもよい。いずれか個々の症例における適当な治療学的量は、日常的実験を使用して当業者によって決定することができる。
【0028】
「治療学的」処置は、それらの兆候を減少または除去する目的で、病気の兆候を表す被験者に投与される処置である。
【0029】
診断または処置の「被験者」は、ヒトを含む哺乳動物である。本発明の方法における診
断または処置の非ヒト動物被験者は、例えば、霊長類、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、イヌ、ネコ、マウス、ラットなどを含む。
【0030】
本明細書で使用されるところの、「移植片(graft)」は、移植のためのすべての遊離(接着されてない)細胞、組織または器官を指す。
【0031】
本明細書で使用されるところの、「同種移植片」は、移植レシピエントと同じ種の異なる動物由来の移植細胞、組織または器官を指す。
【0032】
本明細書で使用されるところの、「異種移植片」は、移植レシピエントとは異なる種の動物由来の移植細胞、組織または器官を指す。
【0033】
本明細書で使用されるところの、「組織移植(tissue transplant)」は、被験者中へのいかなる組織の移植をも指す。移植されてもよい組織は、限定されるものではないが、末梢血単核細胞(PBMC)、骨髄、幹細胞、および限定されるものではないが皮膚、肝臓、腎臓、肺、心臓、膵臓、眼、角膜、心臓弁、骨、腸、静脈および動脈を含む、器官またはその一部を含む。
【0034】
本明細書で使用されるところの、「腫瘍内の(intratumoral)」は、それが腫瘍細胞島内に位置する(すなわち、明瞭に悪性の上皮細胞に近位である)T細胞を指すが、一方、腫瘍周辺(peritumoral)T細胞は、腫瘍を取り囲み、かつ浸潤する間質に位置する。かくして、T細胞は、腫瘍内に位置してもよいが、実際の悪性細胞以外の間質に密接に関連しているために、それは、腫瘍内T細胞として観察されないであろう。腫瘍構造を保持するT細胞を検出するための当該技術分野において既知のすべての方法が、それが腫瘍内であるか確認するために使用されてもよい。限定されるものではない例は、病原組織サンプルにおける免疫組織化学的検出法の使用である。
【0035】
本明細書で使用されるところの、「ポリペプチド」は、ペプチド結合を介して連結された、アミノ酸残基からなるポリマー、関連する天然に存在する構造変異体、および合成の天然に存在しないその変異体を指す。合成ポリペプチドは、例えば、自動ポリペプチドシンセサイザーを使用して合成できる。
【0036】
用語「タンパク質」は、典型的には、大ポリペプチドを指す。
【0037】
用語「ペプチド」は、典型的には、短いポリペプチドを指す。
【0038】
慣用表記は、ポリペプチド配列を描写するために本明細書では使用される:ポリペプチド配列の左手末端はアミノ末端(N末端)であり;ポリペプチド配列の右手末端はカルボキシ末端(C末端)である。
【0039】
用語「実質的に純粋」は、化合物、例えば、タンパク質またはポリペプチドを説明しており、これが、天然にそれに随伴する成分から分離されている。典型的には、化合物は、サンプルにおいて総物質の少なくとも10%、より好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも90%、そしてもっとも好ましくは少なくとも99%(容量で、湿潤または乾燥重量で、またはモルパーセントもしくはモルフラクションで)が関心のある化合物である場合に、実質的に純粋である。純度は、すべての適当な方法、例えば、ポリペプチドの場合には、カラムクロマトグラフィー、ゲル電気泳動またはHPLC分析によって測定することができる。化合物、例えば、タンパク質は、また、それが天然に結合された成分を本質的に含まない場合、あるいはそれが、その自然状態におい
てそれに随伴する天然混入物から分離される場合、実質的に精製される。
【0040】
本発明の文脈中、通常に存在する核酸塩基について次の略語が使用される。「A」はアデノシンを指し、「C」はシチジンを指し、「G」はグアノシンを指し、「T」はチミジンを指し、そして「U」はウリジンを指す。
【0041】
「ポリヌクレオチド」は、核酸の一本鎖、または平行および逆平行鎖を意味する。したがって、ポリヌクレオチドは、一本鎖または二本鎖核酸のいずれであってもよい。
【0042】
用語「核酸」は、典型的には、大ポリヌクレオチドを指す。
【0043】
用語「オリゴヌクレオチド」は、典型的には、短いポリヌクレオチドを指し、一般的には約50ヌクレオチド以上ではない。ヌクレオチド配列がDNA配列(すなわち、A,T,G,C)によって表される場合には、これはまた、「U」が「T」に置き換わるRNA配列(すなわち、A,U,G,C)を含むことが理解できる。
【0044】
慣用表記は、ポリヌクレオチド配列を記述するために本明細書では使用される:一本鎖ポリヌクレオチド配列の左手末端は5‘−末端であり;二本鎖ポリヌクレオチド配列の左手方向は5’−方向と呼ばれる。
【0045】
新生RNA転写物についてヌクレオチドの3‘付加に対して5’の方向が、転写方向と呼ばれる。mRNAと同じ配列を有するDNA鎖はコーディング鎖と呼ばれ;DNA上の引用点に対して5‘に位置するDNA鎖上の配列は「上流配列」と呼ばれ;DNA上の引用点に対して3‘にあるDNA鎖上の配列は「下流配列」と呼ばれる。
【0046】
本明細書で使用されるところの、「組み換えポリヌクレオチド」は、天然には一緒に結合されてない配列を有するポリヌクレオチドを指す。増幅または組み立てられた組み換えポリヌクレオチドは、適当なベクター中に含まれてもよく、そしてベクターは適当な宿主細胞を形質転換するために使用することができる。組み換えポリヌクレオチドは、同様に非コーディング機能を勤めてもよい(例えば、プロモーター、複製起点、リボソーム結合部位など)。
【0047】
本明細書で使用されるところの、「組み換えポリペプチド」は、組み換えポリヌクレオチドの発現により生産されるものである。
【0048】
「ベクター」は、単離核酸を含み、かつ、単離核酸を細胞の内部に送達するために使用することができる物質の組成物である。
【0049】
本明細書で使用されるところの、「発現ベクター」は、発現されるべきヌクレオチド配列に操作可能に結合された発現制御配列を含んでなる組み換えポリヌクレオチドを含むベクターを指す。発現ベクターは発現のために十分なシス作用要素を含み;発現のための他の要素は、宿主細胞によるか、またはインビトロの発現系において供給されてもよい。本発明において有用な発現ベクターは、組み換えポリヌクレオチドを組み入れているコスミド、プラスミド(例えば、裸であるかまたはリポソーム中に含有された)およびウイルスのような当該技術分野において既知のすべてのものを含む。
【0050】
2種のポリヌクレオチドを「操作可能に結合された」と説明する場合、一本鎖または二本鎖核酸部分は、2種のポリヌクレオチドの少なくとも1種が他のポリヌクレオチドにより特性決定される生理学的効果を発揮できるような方式で、核酸部分内に配置された2種のポリヌクレオチドを含むことを意味する。例を挙げれば、遺伝子のコーディング領域に
操作可能に結合されたプロモーターは、コーディング領域の転写を促進することができる。
【0051】
本明細書で使用されるところの、用語「プロモーター/調節配列」は、プロモーター/調節配列に操作可能に結合された遺伝子産物の発現のために要求される核酸配列を意味する。若干の例では、この配列はコアプロモーター配列であってもよく、他の例では、この配列は、エンハンサー配列、および遺伝子産物の発現のために要求される他の調節要素をまた含んでもよい。プロモーター/調節配列は、例えば、組織特異的方式で遺伝子産物を発現するものであってもよい。
【0052】
「構成プロモーター」は、細胞において定常方式で操作可能に結合されている遺伝子の発現を推進するプロモーターである。例を挙げれば、細胞のハウスキーピング遺伝子の発現を推進するプロモーターは構成プロモーターであると考えられる。
【0053】
「誘導」プロモーターは、遺伝子産物をコードしているか、または特定するポリヌクレオチドと操作可能に結合された場合、実質的に、プロモーターに対応する誘導因子が細胞に存在する場合のみに生存細胞において遺伝子産物が生産されるようにさせるヌクレオチド配列である。
【0054】
「組織特異的」プロモーターは、遺伝子産物をコードしているか、または特定するポリヌクレオチドと操作可能に結合された場合、実質的に、細胞がプロモーターに対応する組織タイプの細胞である場合のみに生存細胞において遺伝子産物が生産されるようにさせるヌクレオチド配列である。
【0055】
組み換えポリヌクレオチドを含む宿主細胞は、本明細書では「組み換え宿主細胞」として言及される。遺伝子が組み換えポリヌクレオチドを含む、組み換え宿主細胞において発現される遺伝子は、組み換えポリペプチドを生産する。
【0056】
用語「シグナル配列」とは、ポリペプチドが細胞内でとる進路を指図するペプチドをコードしているポリヌクレオチド配列が意味される、すなわち、それは、限定されるものではないが、細胞からのポリペプチドの究極的な分泌を含む、細胞におけるポリペプチドの細胞プロセシングを指図する。シグナルペプチドは、ポリペプチドの合成を小胞体に対して標的にさせるポリペプチドのアミノ末端において、典型的に、しかし独占的ではなく見出されるアミノ酸の配列である。若干の例では、シグナルペプチドはポリペプチドからタンパク質分解的に除去され、したがって、成熟タンパク質には不在である。
【0057】
「受容体(レセプター)」は、リガンドに特異的に結合する化合物である。
【0058】
「リガンド」は、標的受容体に特異的に結合する化合物である。例えば、IL−18はIL−18Rに対するリガンドである。
【0059】
本明細書で使用されるところの、用語「T細胞」は、種々の細胞媒介免疫反応に関与する胸腺由来のリンパ球として定義される。
【0060】
本明細書で使用されるところの、用語「調節T細胞(regulatory T cell)」は、抑制特性を有するCD4CD25FoxP3T細胞を指す。「Treg」は本明細書では調節T細胞について使用される略語である。
【0061】
本明細書で使用されるところの、用語「ヘルパーT細胞」はCD4T細胞を指し;ヘルパーT細胞はMHCクラスII分子に結合された抗原を認識する。異なるサイトカイン
を産生する少なくとも2種のヘルパーT細胞、Th1およびTh2が存在する。ヘルパーT細胞は活性化された場合にCD25になるが、ronlyには一過性にFoxP3になる。
【0062】
本明細書で使用されるところの、用語「細胞障害性T細胞」はCD8T細胞を指し;細胞障害性T細胞はMHCクラスI分子に結合された抗原を認識する。
【0063】
本明細書で使用されるところの、「全身性Tregの数を減少させる」は、IL−18の投与不在下での被験者における全身性Tregの数に比較して、IL−18の投与に応答して被験者において全身性Treg数が低下することを指す。この語句は、Tregの数を検出可能な細胞のゼロ数まで低下させることを含む。
【0064】
本明細書で使用されるところの、「検出可能な細胞のゼロ数」は、限定されるものではないが、免疫表現型、免疫組織化学、フローサイトメトリーおよびポリメラーゼ連鎖反応を含む、いかなる標準的細胞検出方法によっても検出することができない、被験者における特定の細胞タイプのすべての量を指す。
【0065】
本明細書で使用されるところの、特定の細胞タイプの「枯渇(depletion)」は、細胞の機能を低下もしくは除去すること、細胞を無能にさせること、部分的または完全に細胞の増殖を除去すること、および/または細胞を殺害することを指す。この用語は、系統の特定因子の発現をモジュレートすること、例えば、FoxP3の発現を抑制し、それによって細胞機能を変えることを含む。枯渇は、局部的、例えば腫瘍内であっても、または全身性であってもよい。
【0066】
細胞タイプは、その細胞タイプがその他の細胞タイプに較べて枯渇される場合に、「選択的に枯渇」される。例えば、IL−18の投与は、CD4細胞に較べてCD4CD25FoxP3Tregを選択的に枯渇させる。
【0067】
本明細書で使用されるところの、「同種異系組織移植の一部として投与される」は、同種内組織の移植の前、それと同時、またはそれに続いての投与を指す。
【0068】
本明細書で使用されるところの、「IL−18活性」は、IL−18の少なくとも1つの生物学的機能を指す。IL−18の生物学的機能の例は、限定されるものではないが、例えばPBMCにおけるIFN−γの誘導、NFκBの誘導、JNK活性の活性化およびIL−18Rへの結合を含む。
【0069】
本明細書で使用されるところの、「パーセンテージ」は、T細胞の特定のタイプを指すように本明細書で使用される場合、特定のT細胞が含む、全T細胞集団のその小部分を意味する。全T細胞集団はT細胞共通の抗原の発現によって定量されてもよい。全T細胞集団はまた、例えば、特定の細胞表面タンパク質の発現に基づいて、異なるT細胞サブタイプ定量することによって定量されてもよい。
【0070】
本明細書で記述されるいずれの範囲におけるいずれかおよびすべての完全もしくは部分整数が本明細書において含まれることは理解される。
【0071】
説明
本発明は、IL−18の投与からもたらされる被験者におけるTregの枯渇に関する。Tregは、腫瘍特異的T細胞、例えばCD8T細胞障害性細胞が腫瘍細胞を攻撃することを抑制することによって、腫瘍関連抗原に対する免疫応答の不全を強調すると信じられている。同様に、Tregは、免疫療法処置、例えば、腫瘍抗原をパルスされた樹状細胞によるがんワクチン接種の有効性を低下させるかもしれない。本開示に基づけば、がんを有する被験者におけるTreg数は、IL−18の投与によって特異的に枯渇させることができる。腫瘍内Tregは検出不能な数まで低下させることができる。循環性Treg数もまた低下させることができる。Tregである全身性または腫瘍内T細胞のパーセンテージもまた低下させることができる。同様に、CD8である全身性または腫瘍内T細胞のパーセンテージは増加させることができる。有利には、全体のCD4T細胞移植はIL−18投与によって悪影響を受けない。さらにまた、CD8T細胞移植はIL−18の投与によって増進される。
【0072】
したがって、本発明は、被験者におけるCD4CD25FoxP3Tregの数またはパーセンテージを減少させる方法を提供する。IL−18は、CD4CD25FoxP3Tregの選択的枯渇をもたらす被験者に対して投与される。本発明はまた、IL−18の治療学的有効量を投与することを含む、がんを罹患している被験者における全身的な循環性Tregを減少させる方法を提供する。同様に、本発明は、IL−18の治療学的有効量を投与することを含む、がんを罹患している被験者における腫瘍内Tregの数を減少させる方法を提供する。理論に拘束されるものでないが、がんを有する被験者におけるTregの枯渇が、例えば、腫瘍細胞に対して登場している腫瘍特異的CD8細胞傷害性T細胞によって媒介される有効な免疫応答の可能性を増大すると信じられる。このことが、そのような免疫応答が本発明の方法においてTregによる抑制の低下または除去を受けることができる理由と信じられる。IL−18処置によるCD4CD25FoxP3Tregの枯渇はまた、慢性ウイルス感染症、例えばレトロウイルス感染症のためにも有益であることが期待される。
【0073】
さらに、本発明は、IL−18の治療学的有効量を被験者に投与することによって、がんを罹患している被験者におけるCD8T細胞の数またはパーセンテージを増加させる方法を提供する。増加されるCD8T細胞は、循環(すなわち、全身性である)していても、または腫瘍内に存在していてもよい。理論に拘束されるものでないが、腫瘍に特異的なCD8T細胞の数が増加できるので、CD8T細胞の数を増加させることが、がんに対するより有効な免疫応答をもたらすと信じられる。CD8T細胞の増加は、限定されるものではないが化学療法、放射線療法および骨髄移植を含む、骨髄枯渇または離解事象後の免疫系の回復を促進するのにもまた有用である。また、IL−18処置は、化学療法剤によって惹起されるT細胞枯渇を予防または緩和するので、化学療法剤の、より大量またはより頻繁または長期の投与を可能にするであろう。CD8T細胞を増加するためのIL−18処置は、また、長期間の免疫不全を経験している患者、例えば、HIV感染を有する患者において免疫機能を回復するために有益である。
【0074】
さらに本発明は、被験者に対してIL−18活性を増大させる組成物の治療学的有効量を投与することによって被験者におけるCD4CD25FoxP3Treg細胞の数を減少させる方法を提供する。その組成物は、種々の方法において直接的にも間接的にもIL−18活性を増大することができる。例えば、IL−18活性はIL−18の量を増加させることによって増大することができる。IL−18の量は、例えば、内因性IL−18の発現を増大するか、またはIL−18前駆体のプロセシングを増大することによって増加させることができる。カスパーゼ3活性は生物学的に不活性のIL−18をもたらす。したがって、カスパーゼ3阻害剤の投与によるカスパーゼ3活性の阻害はIL−18活性を効果的に増大させるであろう。参照、例えば、Han et al.,2002,J.Biol.Chem.227:30128−30136;Chu et al.,2005,J.Med.Chem.48:7637−47;およびOkun et al.,2006,J.Biomol.Screen 11:277−85。IL−18活性は、内因性IL−18ポリペプチドまたはIL−18mRNAの半減期を増大させることによって増大することができる。あるいはまた、IL−18活性は、IL−18に結合し、かつ阻害するIL−18結合性タンパク質(IL−18BP)の活性を減少させることによって増大してもよい。IL−18活性は、例えば、IL−18へのその結合を、例えば低分子によって防止するか、または内因性IL−18BPの発現を低下させることによって低下させることができる。したがって、本発明は、組成物がIL−18活性を増大させる方式には限定されない。
【0075】
本発明の方法は、場合によっては、さらに、少なくとも1種のさらなる治療学的成分を投与することを含む。治療学的成分の限定されるものではない例は、抗生物質、抗体−毒素複合体、化学療法分子、DNAワクチン、アンチセンス分子、siRNA分子、幹細胞、例えば造血幹細胞、骨髄およびPBMC、抗原提示細胞、例えば樹状細胞および腫瘍特異的T細胞を含む。化学療法分子は、がん細胞に対して障害性であるよう意図されたいかなる種類の作用物をも含む。例は、限定されるものではないが、低分子、放射能部分、プロテオソーム阻害剤、ステロイド、ホルモン、血管形成インヒビター、アルキル化剤、抗有糸分裂剤、抗代謝剤、植物アルカロイド、トポイソメラーゼ阻害剤、抗腫瘍抗生物質、照射などを含む。
【0076】
少なくとも1種のさらなる治療学的成分の投与は、IL−18の投与またはIL−18活性を増大させる組成物の投与の前、それと同時またはその後に起きてもよい。IL−18投与の約6カ月内の少なくとも1種のさらなる治療学的成分の投与が、本発明の範囲内と考えられる。若干の態様では、少なくとも1種のさらなる治療学的成分は、IL−18投与の約3カ月内、約1カ月内、約1日内、または約5分〜約12時間内に投与される。少なくとも1種のさらなる治療学的成分を投与するスケジュールは、IL−18またはIL−18活性を増大させる組成物のそれと同じか異なっていてもよい。
【0077】
本発明の方法は、CD4CD25FoxP3Treg細胞における減少および/またはCD8T細胞における増加から利益を受けるであろうすべての哺乳動物のために使用されてもよい。好ましくは、哺乳動物はヒトである。
【0078】
本発明の方法は、CD4CD25FoxP3Treg細胞における減少および/またはCD8T細胞における増加が治療学的利益を提供するであろうすべての疾病または障害のために使用されてもよい。腫瘍、特にがん性腫瘍、または慢性ウイルスもしくは寄生虫感染症を伴う疾病または障害は、CD4CD25FoxP3Tregの枯渇から利益を受ける。
【0079】
より具体的には、本発明の方法によって処置されてもよいがんは、限定されるものではないが、次のがんを含む:
例えば、血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫および脂肪肉腫のような肉腫;粘液腫;横紋筋腫;線維腫;脂肪腫および奇形腫を含む、心性がん;
例えば、鱗状細胞、未分化小細胞、未分化大細胞および腺がんのような気管支原性がん腫;肺胞および細気管支がん;気管支性腺腫;肉腫;リンパ腫;軟骨腫様過誤腫;および中皮腫を含む、肺がん;
例えば、鱗状細胞がん、腺がん、平滑筋肉腫およびリンパ腫のような食道のがん;がん腫、リンパ腫および平滑筋肉腫のような胃のがん;管性腺がん、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、類がん腫およびビポーマのような膵臓のがん;腺がん、リンパ腫、類がん腫、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経繊維腫および線維腫のような小腸のがん;腺がん、管性腺腫、絨毛性腺腫、過誤腫および平滑筋腫のような大腸のがんを含む、胃腸がん;
例えば、腺がん、Wilm’s腫瘍(腎芽細胞腫)、リンパ腫および白血病のような腎臓のがん;鱗状細胞がん、移行性細胞がんおよび腺がんのような膀胱および尿道のがん;腺がんおよび肉腫のような前立腺のがん;セミノーマ、奇形腫、胚性がん腫、奇形がん、
絨毛がん、肉腫、間隙細胞がん腫、線維腫、線維腺腫、腺腫様腫瘍および脂肪腫のような睾丸のがんを含む、尿生殖器管がん;
例えば、肝細胞性がん腫;胆管がん;胚芽細胞腫;血管肉腫;肝細胞性腺腫;および血管腫のような肝がんを含む、肝臓がん;
例えば、骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、Ewing’s肉腫、悪性リンパ腫(細網細胞肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫瘍軟骨腫、骨軟骨腫(骨軟骨性外骨症)、良性軟骨腫、軟骨芽腫、軟骨粘液線維腫、骨状骨腫および巨細胞腫瘍を含む、骨がん;
例えば、骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫および変形性骨炎のような頭蓋のがん;髄膜腫、髄膜肉腫および神経膠腫症のような髄膜のがん;星状細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠腫、上衣細胞腫、胚細胞腫(松果体腫)、多形グリア芽細胞腫、希突起神経膠腫、神経鞘腫、細網芽腫および先天性腫瘍のような脳のがん;および神経芽腫、髄膜腫、神経膠腫および肉腫のような脊髄のがんを含む、神経系のがん;
例えば、子宮内膜がんのような子宮のがん;頸部がん腫および腫瘍前頸部形成異常のような子宮頸部のがん;漿液性嚢胞腺がん、ムチン性嚢胞腺がん、未分類のがん腫、顆粒層−包膜細胞腫瘍、Sertoli−Leydig細胞腫瘍、未分化胚細胞腫および悪性奇形腫を含む、卵巣がんのような卵巣のがん;鱗状細胞がん、内皮内のがん腫、腺がん、線維肉腫および黒色腫のような外陰部のがん;明細胞がん腫、鱗状細胞がん腫、ブドウ状肉腫および胚性横紋筋肉腫のような膣のがん;およびがん腫のようなファロピアン管のがんを含む、婦人科学的がん;
例えば、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫および骨髄異形成症候群、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫)およびWaldenstroem’sマクログロブリン血症のような血液のがんを含む、血液学的がん;
例えば、悪性黒色腫、基底細胞がん、鱗状細胞がん、カポジ肉腫、母斑異形成性母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイドおよび乾癬を含む、皮膚がん;
例えば、腺管がん、小葉がん、炎症性乳がん、髄様がん、粘液性(コロイド)がん腫、乳房のPaget’s疾患、管状がん腫、葉状様腫瘍、転移性がん腫、肉腫、ミクロ毛細がん腫および腺様細胞がんを含む、乳がん;ならびに
例えば、神経芽腫を含む、副腎がん。
【0080】
がんは、転移性であってもなくてもよい固形腫瘍であってもよい。また、がんは、白血病におけるように、散在性組織として生じてもよい。かくして、本明細書で与えられるように、用語「腫瘍細胞」は、先に同定された疾病のいずれか1種によって冒された細胞を含む。
【0081】
慢性ウイルスまたは寄生虫感染症もまた、CD4CD25FoxP3Tregを減少させることによって有利に処置される。そのような感染症の限定されるものではない例は、レトロウイルス感染症、および限定されるものではないが、レーシュマニア(Leishmania)、マラリア、ブケリア種(Wucheria sp.)、ブルギア種(Brugia sp.)、オンコセルカ・ボルブラス(Onchocerca volvulus)、ロア・ロア(Loa loa)、マンソネル・ストレプトセルカ(Mansonell streptocerca)およびドラカンキュラス・メヂネンシス(Dracunculus medinensis)を含む寄生虫感染症を含む。
【0082】
IL−18
本発明の方法において使用されるIL−18ポリペプチドはいかなる生物に由来してもよい。好ましくは、異種IL−18の抗原性および得られる抗異種IL−18免疫応答の可能性をを避け、そして生物活性を確保するために、IL−18は、それが投与される被験者と同種である。例えば、ヒトIL−18がヒトの処置においては好適である。
【0083】
IL−18遺伝子は、ヒト、マウス(Mus musculus)、ウシ(Bos taurus)、イノシシ(Sus scrofa)、ニワトリ(Gallus gallus)、ラット(Rattus norvegicus,Sigmodon hispidus)、ヤギ(Capra hircus)、アレチネズミ(Meriones unguiculatus)、イヌ(Canis familiaris)、ネコ(Felis catus)、リーサスザル(Macaca mulatta)、ヒツジ(Ovis aries)および水牛(Bubalus bubalis)を含む、多数の哺乳動物においてクローン化され、そして配列決定されている。
【0084】
好適な態様では、IL−18はヒトIL−18である。
【0085】
ヒトIL−18の活性形態物のアミノ酸配列は、YFGKLESKLSVIRNLNDQVLFIDQGNRPLFEDMTDSDCRDNAPRTIFIISMYKDSQPRGMAVTISVKCEKISTLSCENKIISFKEMNPPDNIKDTKSDIIFFQRSVPGHDNKMQFESSSYEGYFLACEKERDLFKLILKKEDELGDRSIMFTVQNED(配列番号:1)である。ヒトIL−18の活性形態物の代表的コーディング配列は、tactttggcaagcttgaatctaaattatcagtcataagaaatttgaatgaccaagttctcttcattgaccaaggaaatcggcctctatttgaagatatgactgattctgactgtagagataatgcaccccggaccatatttattataagtatgtataaagatagccagcctagaggtatggctgtaactatctctgtgaagtgtgagaaaatttcaactctctcctgtgagaacaaaattatttcctttaaggaaatgaatcctcctgataacatcaaggatacaaaaagtgacatcatattctttcagagaagtgtcccaggacatgataataagatgcaatttgaatcttcatcatacgaaggatactttctagcttgtgaaaaagagagagacctttttaaactcattttgaaaaaagaggatgaattgggggatagatctataatgttcactgttcaaaacgaagac(配列番号:2)である。マウスIL−18の活性形態物のアミノ酸配列は、NFGRLHCTTAVIRNINDQVLFVDKRQPVFEDMTDIDQSASEPQTRLIIYMYKDSEVRGLAVTLSVKDSKMSTLSCKNKIISFEEMDPPENIDDIQSDLIFFQKRVPGHNKMEFESSLYEGHFLACQKEDDAFKLILKKKDENGDKSVMFTLTNLHQS(配列番号:3)である。マウスIL−18の活性形態物の代表的コーディング配列は、aactttggccgacttcactgtacaaccgcagtaatacggaatataaatgaccaagttctcttcgttgacaaaagacagcctgtgttcgaggatatgactgatattgatcaaagtgccagtgaaccccagaccagactgataatatacatgtacaaagacagtgaagtaagaggactggctgtgaccctctctgtgaaggatagtaaaatgtctaccctctcctgtaagaacaagatcatttcctttgaggaaatggatccacctgaaaatattgatgatatacaaagtgatctcatattctttcagaaacgtgttccaggacacaacaagatggagtttgaatcttcactgtatgaaggacactttcttgcttgccaaaaggaagatgatgctttcaaactcattctgaaaaaaaaggatgaaaatggggataaatctgtaatgttcactctcactaacttacatcaaagt(配列番号:4)である。
【0086】
また、本発明において有用なIL−18ポリペプチドは修飾物(modifications)を有してもよい。修飾物(通常は一次配列を変えない)は、ポリペプチドのインビボまたはインビトロの化学的誘導体化、例えば、アセチル化またはカルボキシル化を含む。またグリコシル化の修飾物、例えば、それらは、その合成およびプロセシング中のポリペプチドのグリコシル化パターンを改変することによるか、あるいはさらなるプロセシング工程において、例えば、そのポリペプチドをグリコシル化に影響する酵素、例えば哺乳動物のグリコシル化または脱グリコシル化酵素に曝露することによって作成されるそれらのものも含まれる。また、リン酸化されたアミノ酸残基、例えばホスホチロシン、ホスホセリンまたはホスホトレオニンを有する配列も包含される。
【0087】
また、タンパク質分解的分解に対するポリペプチドの抵抗性を改良するため、または安定性を最適化するため、またはそれらを治療学的作用物としてより適当にさせるために、通常の分子生物学的技術を用いて修飾されたIL−18ポリペプチドも含まれる。そのようなポリペプチドの類似体は、天然に存在するL−アミノ酸以外の残基、例えばD−アミノ酸または天然には存在しない合成アミノ酸を含有するものを含む。本発明において有用なIL−18ポリペプチドは、さらに、それらの治療学的適用において有用である非アミノ酸部分に複合されていてもよい。特に、ペプチドの安定性、生物学的半減期、水溶性お
よび免疫特性を改良する部分は有用である。限定されるものではないそのような部分の例はポリエチレングリコール(PEG)である。
【0088】
水溶性ポリマーへの生物学的活性のある化合物の共有結合は、これらの化合物について生物分布、薬動学およびしばしば毒性を変更および調節する1つの方法である(Duncan et al.,1984,Adv.Polym.Sci.57:53−101)。多くの水溶性ポリマー、例えば、ポリ(シアル酸)、デキストラン、ポリ(N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド)(PHPMA)、ポリ(N−ビニルピロリドン)(PVP)、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ポリ(エチレングリコール−コ−プロピレングリコール)、ポリ(N−アクリロイルモルホリン(PAcM)およびポリ(エチレングリコール)(PEG)は、これらの効果を達成するために使用されてきた(Powell,1980,Polyethylene glycol.In R.L.Davidson(Ed.)HANDBOOK OF WATER SOLUBLE GUMS
AND RESINS.McGraw−Hill,New York,Chapter
18)。PEGは、理想的な特性のセット:非常に低い毒性(Pang,1993,J.Am.Coll.Toxicol.12:429−456)、水溶液における優れた溶解性(Powell,前出)、低い免疫原性および抗原性(Dreborg et al.,1990,Crit.Rev.Ther.Drug Carrier Syst.6:315−365)を保持する。タンパク質上にポリエチレングリコールの単一または多数の鎖を含有するPEGコンジュゲートまたは「PEG化」タンパク質治療剤は、科学文献において記述されている(Clark et al.,1996,J.Biol.Chem.271:21969−21977;Hershfield,1997,Biochmistry and immunology of poly(ethylene glycol)−modified adenosine deaminase(PEG−ADA).In J.M.Harris and S.Zalipsky(Eds)Poly(ethylene glycol):Chemistry and Biological Applications.American Chemical Society,Washington,D.C.,p145−154;Olson et al.,1997,Preparation and characterization of poly(ethylene glycol)ylated human growth hormone antagonist.In J.M.Harris and
S.Zalipsky(Eds)Poly(ethylene glycol):Chemistry and Biological Applications.American Chemical Society,Washington,D.C.,p170−181)。代表的PEG化IL−18分子は、WO2004/091517(米国特許公開第2005000861号に対応する)に開示されており、これらの各々は、引用によって本明細書に完全に組み入れられている;これらのPEG化IL−18のいずれの使用も本発明の方法において考慮される。
【0089】
本発明の方法において有用なIL−18ポリペプチドは、化学的または生物学的手段によって作成されていてもよい。生物学的方法は、限定されるものではないが、内因性IL−18の産生を有する生物学的サンプルからの精製、宿主細胞においてIL−18ポリペプチドをコードしている核酸の発現およびインビトロの翻訳系を含む。
【0090】
化学的または生物学的合成技術のいずれかから得られるポリペプチドが所望のポリペプチドであることを確認するために、ペプチド組成物の分析が実施されてもよい。そのようなアミノ酸組成の分析は、高分解能質量分析法を使用してペプチドの分子量を決定するために実施されてもよい。あるいは、またはさらに、ペプチドのアミノ酸含量が、酸水溶液中でペプチドを加水分解し、そしてHPLCを用いて混合物の成分を分離、同定および定量することによるか、またはアミノ酸アナライザーによって確定することができる。ペプ
チドを順次分解し、そして順にアミノ酸を同定するタンパク質シーケンサーが、また、ペプチドの配列を確実に決定するために使用されてもよい。
【0091】
本発明の方法においてそれを使用する前に、IL−18ポリペプチドは精製されて混入物を除去される。これに関して、ペプチドは、適当な規制機関によって定められた規準に合致するように精製されることが評価できる。多数の慣用精製操作のいずれか1つが使用されて、要求される純度レベルを達成できる。本発明における使用のための精製された活性IL−18を得る代表的方法が、WO2001/98455(米国特許公開第20030143198号に対応する)に開示されており、これらは各々、引用によって本明細書に完全に組み入れられている。
【0092】
実質的に純粋なポリペプチドの作成では、免疫学的、酵素的または他のアッセイが使用されて、操作の各工程における精製を追跡することができる。タンパク質精製方法は当該技術分野において周知であり、そして例えば、Deutsherら(ed.,1990,Guide to Protein Purification,Harcourt Brace Jovanovich,San Diego,CA)によって記述されている。
【0093】
投与、投薬(dosing)および投薬スケジュール
本発明の方法におけるIL−18の投与は、当該技術分野において既知の方法を用いて、多種多様な手段で達成することができる。そのような方法は、限定されるものではないが、被験者に対して外因性IL−18タンパク質を提供すること、組み換えIL−18遺伝子を発現すること、内因性IL−18遺伝子の発現を上方調節すること、IL−18mRNAの半減期または安定性を増大すること、IL−18mRNAの翻訳を増大すること、IL−18BPの発現を下方調節すること、および/またはIL−18BPのIL−18への結合を阻害することを含む。
【0094】
好適な態様では、外因性IL−18が被験者に対して投与される。外因性IL−18タンパク質は、内因性IL−18タンパク質と配列において同一であってもよく、または異なる配列であってもよい。また外因性タンパク質は、それと内因性IL−18との区別を容易にするため、または標的細胞への送達を容易にするために、ハイブリッドまたは融合タンパク質であってもよい。例えば、ハイブリッドIL−18タンパク質は腫瘍に特異的なターゲティング配列を含んでもよい。
【0095】
内因性IL−18遺伝子の発現の上方調節は当該技術分野において既知のいかなる方法によっても達成することができる。例えば、IL−18遺伝子プロモーターは、転写を増大するように遺伝的に改変されることができる。構成および誘導プロモーターは、遺伝的改変のための手段として当該技術分野において周知である。IL−18遺伝子の発現の上方調節はまた、内因性IL−18遺伝子を発現する細胞においてIL−18遺伝子に特異的な転写アクチベータータンパク質の発現を上方調節することによって間接的に達成することができる。IL−18の発現の上方調節は、好ましくは、熟達技術者には既知の手段によってカスパーゼ−1(ICE)活性における増大によって達成される。カスパーゼ−1はインビボにおいて生物学的に活性なIL−18前駆体のプロセシングに関与して、生物学的に活性なIL−18を生成する。
【0096】
内因性IL−18遺伝子を発現する細胞は、インビボの遺伝的改変のために標的とすることができる。あるいはまた、細胞は単離され、エクスビボで遺伝的に改変され、次いで、被験者に投与されて、IL−18投与が達成されてもよい。ヒトIL−18遺伝子のゲノム構造およびプロモーターは既知である(Gracie et al.,2003,J.Leukocyte Biol.73:213−224;el Kares et a
l.,2000,Arch.Ins.Pasteur Tunis 77(1−4):55−58)。IL−18遺伝子は2個のプロモーター、構成プロモーターおよびLPSとIFNγによって誘導されるプロモーターを有する。
【0097】
発現ベクターおよび細胞中に外因性DNAを導入して、その細胞において外因性DNAを付随して発現させる方法は、例えば、Sambrookら(2001,Molecular Cloning:A Laboratory Mannual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY)、およびAusubelら(eds,2005,Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley & Sons,New York,NY)によって記述されている。IL−18の発現に適合するいかなる発現ベクターも本発明における使用のために適当であり、そしてプラスミドDNA、ウイルスベクターおよび哺乳動物ベクターからなる群から選ぶことができる。発現ベクター、または発現ベクターと同時に導入されるベクターは、マーカー遺伝子をさらに含むことができる。マーカー遺伝子は、例えば、トランスフェクション効率をモニターするために有用である。マーカー遺伝子は、限定されるものではないが、G418、ハイグロマイシンおよびメトトレキセートを含む選択可能なマーカーについての遺伝子、および限定されるものではないが、ルシフェラーゼおよびGFPを含む検出可能なマーカーについての遺伝子を含む。発現ベクターは、標的細胞のゲノム中への単離ポリヌクレオチドの組み込みを容易にする組み込みシグナル配列をさらに含むことができる。
【0098】
内因性IL−18遺伝子発現を上方調節するか、内因性IL−18遺伝子に特異的な転写アクチベータータンパク質を上方調節するか、IL−18BPの発現を下方調節するか、IL−18へのIL−18BPの結合を阻害するか、IL−18ポリペプチドおよび/またはIL−18mRNAの半減期および/または安定性を増大するか、IL−18mRNAの翻訳を増大するか、あるいは活性IL−18を形成するためにプロ−IL−18ポリペプチドのプロセシングを増大する分子は、熟練技術者には既知の方法によって容易に同定することができる。
【0099】
所望の活性について試験されてもよい化合物は、生物学的ライブラリー、空間的に指定可能な並行固相または液相ライブラリー、デコンボルーション(deconvolution)を必要とする合成ライブラリー法、「1ビーズ1化合物(one−bead one−compound)」ライブラリー法、およびアフィニティークロマトグラフィー餞別を使用する合成ライブラリー法を含む、当該技術分野において既知のコンビナトリアル・ライブラリー法における様々なアプローチのいずれかを使用して得られてもよい。生物学的ライブラリーアプローチはペプチドライブラリーに限定されるが、他の4つのアプローチは、ペプチド、非ペプチドオリゴマー、または化合物の低分子ライブラリーに応用可能である(Lam,1997,Anticancer Drug Des.12:145)。
【0100】
分子ライブラリーの合成方法の例は、当該技術分野において、例えば、DeWitt et al.,1993,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6909−6913;Erb et al.,1994,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:11422−11426;Zuckermann et al.,1994,J.Med.Chem.37:2678−2685;Cho et al.,1992,Science 261:1303−1305;Carell et al.,1994,Angew.Chem.Int,Ed.Engl.33:2059−2061;Carell et al.,1994,Angew.Chem.Int,Ed.Engl.33:2061−2064;およびGallop et al.,1994,J.Med.Chem.37:1233−1251において見出すことができる。
【0101】
化合物のライブラリーは、溶液(例えば、Houghten,1992,Bio/Techniques 13:412−421)において、あるいはビーズ(Lam,1991,Nature 354:82−84)、チップ(Fodor,1993,Nature 364:555−556)、バクテリア(米国特許第5,223,409号)、胞子(米国特許第5,571,698号;同第5,403,484号;および同第5,223,409号)、プラスミド(Cull et al.,1992,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:1865−1869)、またはファージ(Scott
and Smith,1990,Science 249:386−390;Devin,1990,Science 249:404−406;Cwirla et al.,1990,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:6378−6382;およびFelici,1991,J.Mol.Biol.222:301−310)において提示されてもよい。
【0102】
かくして、本発明の治療学的方法は、本発明の方法を実行するために適当な低分子、タンパク質またはペプチドおよび/または単離核酸の製薬学的組成物の使用を包含する。本発明を実行するために有用な製薬学的組成物は、1ng/kg/day〜100mg/kg/dayの用量を送達するように投与されてもよい。1つの態様では、本発明は、哺乳動物において1μM〜10μMの本発明の化合物の濃度をもたらす用量の投与を想像する。
【0103】
典型的には、動物、好ましくはヒトに対して本発明の方法において投与されてもよい用量は、動物の体重1kg当たり0.5μg〜約50mgの量の範囲である。投与される正確な用量は、限定されるものではないが、処置される動物の種類および疾病状態の種類、動物の年齢および投与経路を含むいかなる数のファクターにも応じて変えられる。好ましくは、化合物の用量は、動物の体重1kg当たり約1μgから約10mgまで変えられる。より好ましくは、用量は、動物の体重1kg当たり約3μgから約1mgまで変えられる。
【0104】
化合物は1日に数回の頻度で動物に投与されてもよく、あるいはそれは1日に1回、1週に1回、2週毎に1回、1月に1回のような少ない頻度で、または数カ月毎に1回または1年に1回もしくはそれ以下のような少ない頻度でさえ投与されてもよい。用量の頻度は、熟達者には容易に明らかにすることができ、そして限定されるものではないが、処置されている疾病の種類および重篤度、動物の種類および年齢、等々のようないかなる数のファクターにも応じるであろう。本明細書に記述される製薬学的組成物の調合物は、薬物学の技術において既知であるか、またはそれ以降に開発されたいかなる方法によって製造されてもよい。一般に、そのような製造方法は、有効成分を担体または1種以上の他の補助成分との組み合わせ物にもたらし、次いで、必要または所望であれば、その製造物を所望の単一または多用量単位になるよう成形または包装する工程を含む。
【0105】
本明細書に提供される製薬学的組成物の記述は、基本的にはヒトに対する倫理的投与のために適当である製薬学的組成物に対向されるけれども、そのような組成物が一般にすべての種類の動物に対する投与のために適当であることは熟達者によって理解することができる。その組成物を種々の動物に対する投与のために適当にさせるために、ヒトに対する投与に適当である製薬学的組成物の改変は十分理解されており、そして通常の習熟した獣医薬物学者は、何であっても単なる通常の経験によってそのような改変を設計し、実施することができる。本発明の製薬学的組成物の投与が考えられる被験者は、限定されるものではないが、ヒトおよび他の霊長類、および商業的に関連する哺乳動物、例えば非ヒト霊長類、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ネコおよびイヌを含む哺乳動物を含む。
【0106】
本発明の方法において有用である製薬学的組成物は、経口、肛門内、膣内、非経口、局所、肺、鼻内、口腔、眼内またはその他の投与経路のために適当な調合物において製造、包装または販売されてもよい。他の意図される調合物は、有効成分を含有する射出ナノ粒子、リポソーム調製物、再密封赤血球、および免疫学に基づく調合物を含む。
【0107】
本発明の製薬学的組成物は、単一単位用量として、または多数の単一単位用量としてバルクにおいて製造、包装または販売されてもよい。本明細書で使用されるように、「単位用量」は、有効成分の予定量を含んでなる製薬学的組成物の区別される量である。有効成分の量は、一般に、被験者に投与されるであろう有効成分の用量に等しいか、またはそのような用量の便宜的分割量、例えば、そのような用量の2分の1または3分の1である。
【0108】
本発明の製薬学的組成物における有効成分、製薬学的に許容できる担体およびすべてのさらなる成分の相対的量は、処置される被験者の個性、大きさおよび症状に応じて、そしてさらに組成物が投与されるべき経路に応じて変えられる。例を挙げれば、組成物は0.1%〜100%(w/w)の有効成分を含んでもよい。
【0109】
有効成分に加えて、本発明の製薬学的組成物は、1種以上のさらなる製薬学的に活性な作用物をさらに含んでもよい。
【0110】
本発明の製薬学的組成物の制御−または持続放出調合物が慣用の技術を用いて作成されてもよい。
【0111】
本明細書で使用されるように、製薬学的組成物の「非経口投与」は、被験者の組織の物理的ブリーチング(breaching)を特徴とする投与および組織におけるブリーチ(breach)をとおしての製薬学的組成物の投与のいかなる投与経路をも含む。かくして、非経口投与は、限定されるものではないが、組成物の注射、外科的切開をとおしての組成物の適用、組織に浸透する非外科的傷をとおしての組成物の適用などによる製薬学的組成物の投与を含む。特に、非経口投与は、限定されるものではないが、皮下、腹腔内、筋肉内、胸骨内注射、腫瘍内および腎臓透析注入技術を含むことが考えられる。
【0112】
非経口投与のために適当な製薬学的組成物の調合物は、製薬学的に許容できる担体、例えば、無菌水または無菌等張食塩水と組み合わされた有効成分を含む。そのような調合物は、ボーラス投与または連続投与のために適当な形態物において製造、包装または販売されてもよい。注射用調合物は、単位用量形態物において、例えば、アンプルにおいて、または保存剤を含有する多用量容器において製造、包装または販売されてもよい。非経口投与のための調合物は、限定されるものではないが、懸濁剤、液剤、油性もしくは水性媒質中の乳剤、パスタ剤、および移植される持続放出または生物分解性調合物を含む。そのような調合物は、さらに、限定されるものではないが、懸濁化、安定化または分散化剤を含む、1種以上のさらなる成分を含んでもよい。非経口投与のための調合物の1つの態様では、有効成分は、再構成される組成物の非経口投与前に、適当な媒質(例えば、無菌のパイロージェン・フリーの水)による再構成のための乾燥(すなわち、粉末または顆粒状)形態物において提供される。
【0113】
製薬学的組成物は、無菌の注射可能な水性または油性懸濁剤または液剤の形態物において製造、包装または販売されてもよい。この懸濁剤または液剤は既知の技術にしたがって調合されてもよく、そして有効成分に加えて、本明細書で記述される分散化剤、湿潤化剤または懸濁化剤のようなさらなる成分を含んでもよい。そのような無菌の注射用調合物は、例えば、非毒性の非経口的に許容できる希釈剤または溶媒、例えば水または1,3−ブタンジオールを使用して製造されてもよい。他の許容できる希釈剤および溶媒は、限定されるものではないが、リンゲル液、等張塩化ナトリウム溶液、および不揮発油、例えば合
成モノ−もしくはジ−グリセリドを含む。有用である他の非経口投与される調合物は、微結晶形態物、リポソーム調製物において、または生物分解性ポリマーシステムの成分として有効成分を含む調合物である。持続放出または移植のための組成物は、製薬学的に許容できるポリマーまたは疎水性材料、例えばエマルジョン、イオン交換樹脂、難溶性ポリマーまたは難溶性塩を含んでもよい。
【0114】
本明細書で使用されるように、「さらなる成分」は、限定されるものではないが、1種以上の次の成分を含む:添加物;界面活性剤;分散化剤;不活性希釈剤;造粒および崩壊剤;結合剤;滑沢剤;甘味剤;着香剤;着色剤;保存剤;生理的分解性組成物、例えばゼラチン;水性媒質および溶媒;油性媒質および溶媒;懸濁化剤;分散化または湿潤化剤;乳化剤、粘滑剤;バッファー;塩類;増粘剤;賦形剤;乳化剤;抗酸化剤;抗生物質;抗真菌剤;安定化剤;および製薬学的に許容できるポリマーまたは疎水性材料。他の「さらなる成分」は当該技術分野において既知であり、そして例えば、Remington’s
Pharmaceutical Science(1985、Genaro,ed.,Mack Publishing Co.,Easton,PA)において記述されており、これは引用によって本明細書に組み入れられている。
【実施例】
【0115】
本発明は、次に示す実施例を引用してここに記述される。これらの実施例は、具体的に説明する目的にのみ提供され、そして本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、むしろ本明細書に提供される教示の結果として明らかであるすべての変更物を包含する。
【0116】
実験例1:腫瘍担持マウスのIL−18処置
β2−ミクログロブリンnull/NOD/scidマウスが、肺腺がん細胞系(L55)を皮下に注射された。腫瘍が確立(100−200mm)された後、マウスは50x10ヒト末梢血単核細胞(PBMC)を腹腔内に注射され、続いて、6頭のマウスでは0.75mg/kgの組み換えヒトIL−18(rhIL−18)の毎日皮下(s.c.)注射の3週コースを、そして4頭のマウスでは疑似rhIL−18処置を受けた。腫瘍体積がモニターされ、そして犠牲にした時点(最終rhIL−18注射後24時間)で、ヒトT細胞サブセットの腫瘍内分布および数が免疫組織化学法によって決定された。腫瘍からのパラフィン切片が、ヒトCD45(図1、左パネル)、ヒトCD8(図1、中央パネル)またはヒトCD4(図1、右パネル)に特異的な抗体と反応された。
【0117】
図1において示されるように、ヒトCD45+細胞移植の全体のレベルは、疑似処置マウス(白色バー)に較べて、IL−18処置マウス(黒色バー)では増加された(左パネル)。またIL−18注射はCD8ヒトT細胞(中央パネル)によって腫瘍の浸潤を増大したが、CD4ヒトT細胞(右パネル)による増大はなかった。この増大は、完全にCD8T細胞の数における増加によるものであった。CD4T細胞の数における増加は観察されなかった。
【0118】
【表1】

【0119】
全身的なT細胞分布に及ぼすヒトIL−18の効果は、非腫瘍担持β2−ミクログロブリン−/−NOD/SCIDマウスに5千万個のヒトPBMCを注射することによって試験された。24時間後、毎日のrhIL−18注射(0.75mg/kg)または疑似rhIL−18注射の3週コースが開始された。表1は、マウスを犠牲にした後に回収されたヒトCD45、CD3CD4およびCD3CD8の絶対カウント(x10)を総括している。rhIL−18は脾臓および肝臓におけるヒトCD8T細胞の数を増加した。これに対して、CD8T細胞の数は、rhIL−18投与に応じて末梢血または腹腔においては増加しなかった。注目すべきは、rhIL−18注射はCD4T細胞の全体的移植レベルまたは局在化に及ぼす効果をもたなかった。
【0120】
rhIL−18処置はヒトCD4細胞の数または分布に全体的変化をもたらさなかったけれども、それは、CD4CD25FoxP3調節T細胞(Treg)の全体の数において実質的な減少をもたらした。腫瘍担持マウスは、5x10同種異系ヒトPBMCを皮下に注射され、続いて、rhIL−18の毎日の皮下注射の3週コースを受けた。次いで、動物は犠牲にされ、そして腫瘍および脾臓のパラフィン切片が調製された。切片は、ヒトCD4、ヒトCD25またはヒトFoxP3に特異的な抗体と反応された。図2において示されるように、rhIL−18処置は、両、腫瘍(図2B)および脾臓(図2A)におけるTreg数に顕著な減少をもたらした。
【0121】
実験例2:非腫瘍担持マウスのIL−18処置
β2−ミクログロブリンnull/NOD/scidマウス(n=6)が、50x10ヒトPBMCを腹腔内(i.p.)に注射され、続いて、0.75mg/kgのrhIL−18の毎日の皮下の注射の3週コースを受けた。IL−18注射はPBMC注射24時間後に開始した。IL−18注射の3週コース後、動物は犠牲にされた。末梢血および腹腔からの液が得られ、フローサイトメトリーのために処理された。それに加えて、肝臓および脾臓が動物から分離された。その臓器の一部が固定され、パラフィン中に包埋され、そして免疫組織化学的分析のために切片にされた。臓器の残りは、フローサイトメトリーのために処理された。ヒトCD45、CD4、CD8、CD25またはFoxP3に特異的な抗体が、両、免疫組織化学的およびフローサイトメトリー分析において使用された。ある実験では、肺、腎臓、皮膚および骨髄を含む、ヒト起源の細胞の分布が検査された。
【0122】
図3は、末梢血、腹腔、脾臓および肝臓におけるTregを測定するフローサイトメト
リーのデータを描いている。Treg数は、疑似処置されたマウスに比較してIL−18で処置されたマウスでは顕著に減少された。
【0123】
脾臓におけるTregは免疫組織化学法によって定量された。データは図4において示される。これらのデータもまた、IL−18処置がTreg数の顕著な低下をもたらしたことを示している。かくして、観察されたTregにおけるIL−18媒介の低下は腫瘍の存在を必要としない。
【0124】
本明細書に記述されるデータは、ヒトIL−18処置がヒトT細胞の組成および分布にける顕著な変化をもたらすことを例証している。もっとも意味深い差異は、CD4CD25FoxP3Treg細胞の数における劇的な減少である。この減少は全身性であるように見え、そして同種異系のヒト腫瘍の存在には依存しない。また、IL−18処置はCD8T細胞の数を、両、腫瘍内および全身的に増加した。かくして、IL−18処置は、インビボにおいてT細胞の組成および分布をモジュレートするために使用することができる。
【0125】
実験例3:PBMCまたはPBLを注射された非腫瘍担持マウスのIL−18処置
β2−ミクログロブリン―/−/NOD/scidマウスが、50x10ヒトPBMCまたは30x10ヒト末梢血リンパ球(PBL)を腹腔内に注射され、続いて、0.75mg/kgのrhIL−18の毎日の皮下(s.c)注射の3週コースを受けた。IL−18の3週コース後、動物は犠牲にされた。脾臓が各動物から分離され、固定され、パラフィン中に包埋され、そして免疫組織化学的分析のために切片にされた。脾臓からのパラフィン切片は、ヒトFoxP3またはヒトCD8に特異的な抗体と反応された。
【0126】
結果が図5に描かれている。Tregにおける統計学的に有意な減少はPBMCおよびPBLの両注射により生じる(左グラフ)。しかしながら、CD8+T細胞における統計学的に有意な増加はPBMCの注射によってのみ起きる(右グラフ)。したがって、この結果は、CD8T細胞におけるIL−18媒介の増加が単球/マクロファージの存在に依存することを例証している。反対に、TregにおけるIL−18媒介の減少は単球/マクロファージの存在には依らない。
【0127】
実験例4:非腫瘍担持マウスの異なる株のIL−18処置
Treg枯渇のヒトPBMCは、CD25高細胞(CD25−high cell)を除去するために検定されたカラム(Miltenyi)上をヒトPBMCを通過させ、それによってTregを除去することによって調製された。NOD/scid/γnull(NOG)マウスが、4x10自系CD4T細胞(左パネル)または4x10自系Treg(中央および右パネル)のいずれかを補足された20x10Treg枯渇ヒトPBMCを腹腔内に注射された。Treg枯渇PBMCおよび自系Tregを受けているNOGマウスの1群は、0.75mg/kgのrhIL−18の毎日のs.c注射を3週間受けた。末梢血におけるヒト細胞移植は、注射後14、28および36日目にモニターされ、そしてCD8T細胞数/μl末梢血が測定された。
【0128】
結果が図6に描かれている。左パネル(Treg枯渇PBMCを投与されたマウス)および中央パネル(Tregを補足されたTreg枯渇PBMCを投与されたマウス)は、Tregの追加が末梢血CD8T細胞数を減少させたことを例証している。しかしながら、毎日のIL−18投与は、Treg媒介の抑制効果を防いだ(右パネル)。事実、ヒトT細胞の増殖は、移植片対宿主疾患症候が28日目前後に明らかになったIL−18処置動物では非常に旺盛であったので、この群における動物の犠牲を余儀なくさせた。
【0129】
またこの実験は、ヒトTreg活性に及ぼすrhIL−18の抑制効果が免疫不全マウ
スの2種の異なる株において観察されたことを例証している。したがって、ヒトTregにおけるヒトIL−18の活性は、マウスモデルから独立している。
【0130】
本明細書で引用された各々すべての特許、特許出願および公表物の開示は、引用によって完全に本明細書に組み入れられている。
【0131】
本発明は特定の態様を引用して開示されたが、本発明の他の態様および変更物が、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく当業者によって案出されてもよいことは明らかである。付随する請求項は、すべてのそのような態様および等価の変更物を含むよう解釈されることを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
該被験者におけるCD4CD25FoxP3Tregの数を減少させる方法であって、インターロイキン18(IL−18)の治療学的有効量を被験者に対して投与することを含んでなり、かつ、該CD4CD25FoxP3Tregが、該被験者において選択的に枯渇される、上記方法。
【請求項2】
IL−18がヒトIL−18である、請求項1の方法。
【請求項3】
被験者がヒト被験者である、請求項1の方法。
【請求項4】
ヒト被験者が、がん、レトロウイルス感染症または寄生虫感染症から選ばれる少なくとも1種の障害に罹患している、請求項3の方法。
【請求項5】
がんを罹患している被験者における全身性Treg細胞の数が減少される方法であって、IL−18の治療学的有効量を被験者に対して投与することを含んでなり、かつ、全身性Treg細胞の数が該被験者において減少される、上記方法。
【請求項6】
がんを罹患している被験者における腫瘍内Treg細胞の数が減少される方法であって、IL−18の治療学的有効量を被験者に対して投与することを含んでなり、かつ、腫瘍内Treg細胞の数が該被験者において減少される、上記方法。
【請求項7】
がんを罹患している被験者における全身性CD8エフェクターT細胞の数を増加させる方法であって、IL−18の治療学的有効量を被験者に対して投与することを含んでなり、かつ、全身性CD8エフェクターT細胞の数が該被験者において増加される、上記方法。
【請求項8】
がんを罹患している被験者における腫瘍内CD8エフェクターT細胞の数を増加させる方法であって、IL−18の治療学的有効量を被験者に対して投与することを含んでなり、かつ、腫瘍内CD8エフェクターT細胞の数が該被験者において増加される、上記方法。
【請求項9】
IL−18が、少なくとも1種のさらなる治療学的成分と共に投与される、請求項1〜8のいずれかの方法。
【請求項10】
治療学的成分が、抗体、抗体−毒素複合体、毒素、化学療法分子、DNAワクチン、アンチセンス分子、siRNA分子、幹細胞、腫瘍特異的T細胞または抗原提示細胞である、請求項9の方法。
【請求項11】
IL−18が、同種異系組織移植の一部として投与される、請求項1〜8のいずれかの方法。
【請求項12】
組織移植が、末梢血単核細胞(PBMC)移植または骨髄移植(BMT)から選ばれる、請求項11の方法。
【請求項13】
がんが、肺がん、胃腸がん、尿生殖器路がん、肝臓がん、骨がん、神経系がん、婦人科学的がん、乳がん、血液学的がん、皮膚がんまたは副腎がんである、請求項4〜8のいずれかの方法。
【請求項14】
がんが、肺がんである、請求項13の方法。
【請求項15】
被験者におけるCD4CD25FoxP3Tregを枯渇させる方法であって、組成物を被験者に対して投与することを含んでなり、かつ、該組成物が該被験者におけるIL−18の活性を増大させ、かつ、該CD4CD25FoxP3Tregが該被験者において選択的に枯渇される、上記方法。
【請求項16】
IL−18がポリエチレングリコール(PEG)と結合されておる、先行請求項のいずれかの方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−503680(P2010−503680A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528304(P2009−528304)
【出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【国際出願番号】PCT/US2007/019995
【国際公開番号】WO2008/033499
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(502409813)ザ・トラステイーズ・オブ・ザ・ユニバーシテイ・オブ・ペンシルベニア (37)
【Fターム(参考)】