説明

ヒュージング品質管理方法と装置

【課題】電極の経時変化、ターミナルのかしめ量の変化といった変動要因に影響させることなく、高い精度で品質の良否判定を可能とする。
【解決手段】被膜剥離プロセスでは、ターミナルの表面温度を監視し、温度が一旦下降してから再度上昇していくタイミングを検出することで、プロセスを正確に管理する。
一方、熱かしめプロセスでは、ターミナル温度を積算することで、被膜電線3に投入される熱量を求め、この熱量の積算値が予め設定した設定値の範囲内に達したか否かを監視することで、プロセスを正確に管理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折曲ターミナルに被膜電線を挟みこんで溶接するヒュージングを行うに当たり、高い精度でヒュージングの良否判定を可能とした、ヒュージング品質管理方法と装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、固体同士を接合する固相接合には、ヒュージングがある。ヒュージングは、圧接した被膜導線と端子との間に通電することで抵抗発熱が生じて、被膜が除去され、その後、露出した導線に通電された状態で加熱圧接され、導線と端子とが接合されるという、熱かしめをいう。このヒュージングは、絶縁被膜が、炭化温度が例えば370℃のような耐熱被膜で、はんだ付けが不可能な場合に適した金属間接合の方法であるといえる。
【0003】
ところで、特許文献1には、抵抗溶接の品質管理方法、抵抗溶接方法、抵抗溶接装置に関するものが開示されている。
すなわち特許文献1では、一対の電極間の電圧を測定して、この電圧に基づいて、溶接される芯線が発生した発熱量を算出し、この発熱量に基づいて芯線が互いに溶接された電線の溶接品質の良否を判定するとしている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−138064号公報
【0005】
一方、特許文献2では、リード線を固定する支持片及び固定片に当接して電流を流す電極に対し、温度管理を行うことにより、電極の温度が安定し、成形品の歩留りを向上させることを目的として、上部電極、下部電極間に被加工物を挟持し、加圧接触させる。下部電極側に熱電対を取り付け、被加工物を挟持する両電極の温度を検出して、両電極の温度が適正か否かを測定するとしている。
【0006】
【特許文献2】特開2007−73476号公報
【0007】
また、特許文献3では、溶接対象物の溶接状況の良否を判定し、且つ所望の強度で確実に溶接できるようにする抵抗溶接装置及び抵抗溶接方法を開示している。
一対の電極により、溶接対象物としての電線の芯線を挟み、一対の電極間に通電して、芯線同士を溶接する。この際、芯線同士の接触面の単位面積当たりの付与されたエネルギを算出して溶接状況を把握するとしている。
【0008】
【特許文献3】特開2006−110613号公報
【0009】
さらに特許文献4では、折曲ターミナルにおける割れの発生を防止するために、ターミナルの連結部の温度を検出して、溶接電流を制御するようにしている。
【0010】
【特許文献4】特開2005−125350号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
以上のように、ヒュージングの品質管理は、発熱量、ターミナルの潰れ量にて行うのが一般的であるが、単に発熱量を算出する方法では、電極の経時変化によるばらつきが発生し、一方ターミナルの潰れ量は、ターミナルのかしめ量の変化によるばらつきが発生するという問題があった。
【0012】
そこで、本出願人は、ヒュージングのプロセスを被膜剥離と熱かしめに分離し、それぞれのプロセスに対して適切な管理を行うことで、高い精度で品質の良否判定を行えるようにした。
【0013】
すなわち、被膜プロセスにおいては、被膜電線に使用される絶縁材は300〜400℃くらいで炭化し、それ以上の受熱により昇華し、ヒュームとなることで被膜が除去されることに着目した。具体的には、被膜電線はターミナルに挟み込まれているため、被膜が昇華する時点でターミナルから熱を奪っていくことから、ターミナルの表面温度を計測し、温度が一旦下降し、再度上昇していくタイミングを検出することで、剥離プロセスを正確に管理することを可能とした。
【0014】
一方、熱かしめプロセスでは、ワークに投入される熱量を最適化すれば、安定した接合強度が得られることに着目した。具体的には、ターミナル温度を積算することで、ワークに投入される熱量を求め、予め設定された積算熱量に到達したかどうかを観ることで、熱かしめプロセスを正確に管理することを可能とした。
なお、熱量は簡易的に電流と電極間電圧を計測し、電流と電圧の積和を演算して求めてもよい。
以上の2つのプロセスが所定の通電時間の範囲内で適切に行われたかどうかを判定することで、電極の経時変化、ターミナルのかしめ量の変化といった変動要因に影響されることなく、高い精度で品質の良否判定が可能となることが判明するに至った。
【0015】
本発明は、以上のような観点から提案されたものであって、ヒュージングのプロセスを被膜剥離と熱かしめに分離し、それぞれのプロセスにおいて、対応する管理を実行することで、電極の経時変化、ターミナルのかしめ量の変化といった変動要因に影響させることなく、高い精度で品質の良否判定が可能な、ヒュージング品質管理方法と装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、折曲ターミナル(2)に被膜電線(3)を挟みこんでなるワーク(W)に対し、折曲ターミナル(2)を介して被膜電線(3)に通電して溶接する際、折曲ターミナル(2)の表面温度を監視し、被膜剥離がなされたか否かを判定するプロセスと、折曲ターミナル(2)を介して被膜電線(3)に対し、被膜剥離がなされた後、ワーク(W)に生ずる積算熱量を監視して、溶接箇所の良否を判定する熱かしめプロセスとを実行することを特徴とする。
【0017】
これにより、これら2つのプロセスをそれぞれ、正確に管理することが可能となり、例えば熱かしめプロセスでは、ワーク(W)に生ずる積算熱量を監視して、この熱量の積算値が予め設定した設定値に達したか否かを監視することで、熱かしめプロセスを正確に管理することが可能となる。
【0018】
請求項2記載の発明は、被膜剥離プロセスにおいて、折曲ターミナル(2)の表面温度を監視して、温度が一旦、下降してから、再度上昇していくタイミングを検出して、被膜電線(3)における被膜が昇華して、被膜が剥離されたとして、被膜剥離プロセス終了の判定を行うことを特徴とする。
【0019】
これにより、被膜剥離プロセスを正確に管理することができる。
【0020】
請求項3記載の発明は、熱かしめプロセスにおいて、ワーク(W)に生ずる熱量を計測して、投入される熱量を積算し、この積算値が、予め設定された設定値の範囲内に収まったか否かを監視して、熱量の積算値が、予め設定された設定値の範囲内にあるときは、良好な接合がなされた旨の信号を出力し、前記積算値が設定値の範囲を外れた場合には、接合不良を示す信号を出力するようにしたことを特徴とする。
【0021】
これにより、熱かしめプロセスを高精度に監視し、且つ、電極の経時変化、ターミナルのかしめ量の変化といった変動要因に影響されることなく、溶接箇所の良否判定が可能となる。
【0022】
さらに請求項4記載の発明では、折曲ターミナル(2)に被膜電線(3)を挟みこんで溶接するヒュージングを行うヒュージング装置であって、折曲ターミナル(2)に被膜電線(3)を挟み込んでなるワーク(W)を挟持する、対をなす電極(4)と、これら電極(4)に通電する溶接電源(5)と、折曲ターミナル(2)の表面温度を検出する温度計測器(6)と、電極(4)に通電する電流を検知する電流センサ(7)と、温度計測器(6)により折曲ターミナル(2)の表面温度を監視して、温度が一旦、下降してから、再度上昇していくタイミングを検出して、被膜剥離がなされたか否かを判定するプロセスと、
折曲ターミナル(2)の表面温度を積算して、投入される熱量を求め、その熱量が予め設定された積算熱量の範囲内か否かを監視して、溶接箇所の良否判定にかかる信号を出力する制御装置(8)とを具備することを特徴とする。
【0023】
これにより、温度計測器(6)による折曲ターミナル(2)の表面温度を監視して、温度計測器(6)により、温度が下降したことが捉えられると、表面を覆う被膜(m)が軟化し、ターミナル(2)から押出されて被膜(m)が剥離状態となっていると把握することができる。
さらに、温度計測器(6)により、折曲ターミナル(2)の表面温度が上昇したことが捉えられると、被膜電線(3)における被膜(m)が昇華して、被膜(m)が剥離されたとして、設定されたプログラムにより被膜剥離プロセスから熱かしめプロセスに移行する。
そして、熱かしめプロセスでは、制御装置(8)により、ターミナル温度を積算することで、被膜電線(3)に投入される熱量を求め、この熱量の積算値が予め設定した設定値の範囲内か否かを監視することで、熱かしめプロセスを正確に管理することが可能となる。
【0024】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1にヒュージング装置1を示す。
ヒュージング装置1は、ワークWとして折曲ターミナル2に被膜電線3を挟み込んだものを溶接する、ヒュージングを行うものである。
すなわち、ヒュージング装置1は、折曲ターミナル2に被膜電線3を挟み込んで構成するワークWを挟持して、所定の加圧手段による加圧下に通電を行う、対をなす電極4を具備している。
また、ヒュージング装置1は、これら電極4に通電用導線Lを介して通電する溶接電源5と、折曲ターミナル2の温度を検出する温度計測器6と、通電用導線Lに設けた、電極4に通電する電流を検知する電流センサ7とを備えている。
さらに、ヒュージング装置1は、対をなす電極4に通電されたこと、温度計測器6による折曲ターミナル2の検出温度と、電流センサ7により検知された電流に基づいて、溶接電源5に対し、通電指令その他の制御指令を出力する制御装置8とを具備する。
【0026】
折曲ターミナル2は、導電性の金属(Cu等)の薄板であり、内側に被膜電線3を挟み込むように、適宜な加圧手段(図示省略)により、対をなす電極4を介して押圧している。電極4は例えばタングステン等からなる円筒体形状のもので、後述する溶接電源5から通電用導線Lを介して溶接電流を受けるようになっている。
【0027】
被膜電線3には表面に、周知の耐熱性の絶縁被膜mが形成されている。
【0028】
溶接電源5には、例えば交流式、インバータ式等、出力波形の制御が可能なものを用いることができる。すなわち、溶接電源5は、後述の制御装置8による通電指令その他の制御指令により、制御された通電時間、および出力波形を制御して、所望の溶接電流とすることで、休止時間のない、連続的な通電制御が可能であり、連続的に溶接部の温度を上昇させるので熱効率がよい。
【0029】
温度計測器6には、例えば非接触型の赤外線温度センサを用いることができ、被膜電線3を挟み込んだ折曲ターミナル2の折り曲げ位置の温度を検知するように配置されている。温度計測器6は、その検知温度に対応した電圧信号を後述する制御装置8に出力するようにしている。
【0030】
電流センサ7には、クランプ式交流電流センサ(カレントトランス)を用いることができる。または、ホール素子利用のホール電流センサも可能である。この電流センサ7は、電極4に供給される溶接電流に対応する電圧信号を制御装置8に出力するようになっている。
【0031】
そして、制御装置8は、周知のハード構成(I/Oインタフェース、CPU、メモリ等)で、温度計測器6および電流センサ7からの検知信号を取り込み、信号処理、所定のデータ処理を行い、予め設定されたプログラムを基に、演算、判定処理を行う。
【0032】
次に、以上のようなヒュージング装置1において、図7に示すフローチャートを基に、ヒュージング手順を説明する。
先ず、ヒュージングすべき被膜電線3を、折曲ターミナル2の折り曲げ位置に挟みこみ、対をなす電極4間に挟持し、所定の加圧手段により電極4を介して加圧する(図2参照)。
ヒュージング装置1を起動し、溶接電源5から通電用導線Lを介し、対をなす電極4を通じて通電する(図3参照)。
この際、当初、電流はターミナル2を通じて流れる。これにより、双方の電極4先端とターミナル2が発熱し、ターミナル2に挟まれている被膜電線3も発熱していく。
【0033】
被膜電線3が発熱していくと、表面を覆う被膜mが軟化し、ターミナル2から押出されて被膜mの剥離状態となり、ターミナル2と被膜電線3との当接面が直接接触して電気的に導通状態となる(図4参照)。
ところで、以上のプロセスは、当初の設定されたプログラムにより被膜剥離プロセスとして進行する(図7参照)。すなわち、ヒュージング装置1における温度計測器6は、折曲ターミナル2の表面温度を監視している(図1参照、ステップS1)。ここで、温度計測器6により、温度が下降したことが捉えられると(ステップS2)、上述のように、表面を覆う被膜mが軟化し、ターミナル2から押出されて被膜mが剥離状態となっていると把握することができる。すなわち、被膜mが剥離状態となる際に、被膜mに熱が奪われることから温度が一旦、下降する。なお、温度が下降するのは、被膜mに熱が奪われるだけでなく、ターミナル2と被膜電線3とが電気的に導通状態となるところから、電流密度が低下することにも起因しているといえる。
【0034】
さらに、温度計測器6は、折曲ターミナル2の表面温度を監視していくことで(ステップS3)、表面温度が上昇したことが捉えられると(ステップS4)、被膜電線3における被膜mが昇華して、被膜mが剥離されたとして、設定されたプログラムにより被膜剥離プロセスから熱かしめプロセスに移行する。
この場合、ターミナル2と被膜電線3とが電気的に導通状態となって、許容電流が増大することから、通電量を増加するべく制御装置8から、溶接電源5に制御指令を送出することも可能である。
【0035】
これにより、熱かしめプロセスである、ターミナル2と被膜電線3との溶接が進行する(図5参照)。
制御装置8では、熱量計測が実行される(ステップS5)。熱量計測は、例えば電流と電極間電圧を計測して求めることができる。すなわち、電流センサ7によって検知された、電極4に通電する電流と、対をなす電極4間の電圧から、例えばメモリに格納しているデータテーブルから、熱量にかかるデータを抽出したり、電極4に通電する電流と、対をなす電極4間の電圧から、所定の演算を行い、ジュール熱として求めることができる。
【0036】
次いで、制御装置8では、電極4に対する通電が終了したか否かが判定され(ステップS6)、終了したのであれば、それまで熱量計測で求められた熱量を積算して、この積算値が、予め設定された設定値の範囲内か否か(接合が完了するに要する熱量に達したか)が判定される(ステップS7)。
熱量の積算値が、予め設定された設定値の範囲内と判定した場合には、所要の接合強度を有する接合が完了したとして(図6参照)、制御装置8から良好な接合がなされた旨のOK信号を出力する(ステップS8)。一方、かしめ箇所が受けた熱量積算値が設定値を外れた場合には、接合不良を示すNG信号を出力し(ステップS9)、一連のプロセスは終了する。
【0037】
上述のヒュージング装置1によれば、ヒュージングのプロセスを被膜剥離と熱かしめに分離し、それぞれのプロセスにおいて、対応する監視を実行することで、接合強度が安定したヒュージングを実現することができる。
すなわち、被膜剥離プロセスでは、ターミナルの表面温度を監視し、温度が一旦下降してから再度上昇していくタイミングを検出することで、被膜剥離プロセスを正確に管理することが可能となる。
一方、熱かしめプロセスでは、ターミナル温度を積算することで、被膜電線3に投入される熱量を求め、この熱量の積算値が予め設定した設定値の範囲内に達したか否かを監視することで、熱かしめプロセスを正確に管理することが可能となる。
【0038】
ここで、以上のヒュージング装置1において、参考までに、電極間の通電電流を変えたときの積算熱量を図8に示す。ここでは、横軸に通電時間(cyc)、縦軸に熱量(kcal)をとっている。
図8からも、容易に諒解されるように、それぞれの通電電流と積算熱量は、所定時間の間(16cyc〜30cyc)、リニアな関係にあり、同じ通電時間であれば、通電電流の大きい方(3.8kA)が積算熱量が大きいことがわかる。
このことからも、溶接に必要な熱量を設定しやすく、溶接すべきワークによって予め、通電電流、通電時間を決めることで、溶接プロセスを正確に管理することができることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明にかかるヒュージングを行うためのヒュージング装置の一例を示した、模式的な構成説明図である。
【図2】ヒュージング工程において、被膜電線をターミナルに挟んだ状態で加圧したところを示す、模式図である。
【図3】ヒュージング工程において、被膜電線をターミナルに挟んだ状態で加圧し、通電開始したところを示す、模式図である。
【図4】ヒュージング工程において、通電によってターミナルに発生した熱により、被膜剥離が進行したところを示す、模式図である。
【図5】ヒュージング工程において、被膜剥離によってターミナルと電線が直に接触し、ターミナルと共に電線にも通電されたところを示す、模式図である。
【図6】ヒュージングの工程において溶接完了時の、模式図である。
【図7】本発明にかかるヒュージング工程で、被膜剥離プロセスと熱かしめプロセスとを示すと共に、良否判定手順を示した、フローチャートである。
【図8】本発明にかかるヒュージング装置において、通電電流毎の、溶接通電時間と積算熱量との関係を示したグラフである。
【符号の説明】
【0040】
1 ヒュージング装置
2 折曲ターミナル
3 被膜電線
4 電極
5 溶接電源
6 温度計測器
7 電流センサ
8 制御装置
L 通電用導線
m 絶縁被膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折曲ターミナル(2)に被膜電線(3)を挟みこんでなるワーク(W)に対し、前記折曲ターミナル(2)を介して被膜電線(3)に通電して溶接する際、前記折曲ターミナル(2)の表面温度を監視し、被膜剥離がなされたか否かを判定するプロセスと、
前記折曲ターミナル(2)を介して被膜電線(3)に対し、被膜剥離がなされた後、前記ワーク(W)に生ずる積算熱量を監視して、溶接箇所の良否を判定する熱かしめプロセスとを実行することを特徴とするヒュージング品質管理方法。
【請求項2】
前記被膜剥離プロセスにおいて、前記折曲ターミナル(2)の表面温度を監視して、温度が一旦、下降してから、再度上昇していくタイミングを検出して、前記被膜電線(3)における被膜が昇華して、被膜が剥離されたとして、被膜剥離プロセス終了の判定を行うことを特徴とする請求項1に記載のヒュージング品質管理方法。
【請求項3】
前記熱かしめプロセスにおいて、前記ワーク(W)に生ずる熱量を計測して、投入される熱量を積算し、この積算値が、予め設定された設定値に達したか否かを監視して、熱量の積算値が、予め設定された設定値の範囲内のときは、良好な接合がなされた旨の信号を出力し、前記積算値が設定値の範囲から外れた場合には、接合不良を示す信号を出力するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のヒュージング品質管理方法。
【請求項4】
折曲ターミナル(2)に被膜電線(3)を挟みこんで溶接するヒュージングを行うヒュージング装置であって、
前記折曲ターミナル(2)に前記被膜電線(3)を挟み込んでなるワーク(W)を挟持する、対をなす電極(4)と、
これら電極(4)に通電する溶接電源(5)と、
前記折曲ターミナル(2)の表面温度を検出する温度計測器(6)と、
前記電極(4)に通電する電流を検知する電流センサ(7)と、
前記温度計測器(6)により前記折曲ターミナル(2)の表面温度を監視して、温度が一旦、下降してから、再度上昇していくタイミングを検出して、前記溶接電源(5)に対し、制御信号を出力し、前記折曲ターミナル(2)を介して被膜電線(3)に対し、対応する通電を行う被膜剥離プロセスと、前記折曲ターミナル(2)の表面温度を積算して、投入される熱量を求め、その熱量が予め設定された積算熱量の範囲内か否かを監視して、溶接箇所の良否判定にかかる信号を出力する制御装置(8)と、
を具備することを特徴とするヒュージング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−208128(P2009−208128A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−54966(P2008−54966)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)