説明

ヒンジ式フラップを有するスライド・アンド・シェル容器

スライド・アンド・シェル容器は、開口(18)が設けられた第1の壁(8)を有する外側シェル(2)と、スライド(4)の内部がアクセス不能な閉鎖位置とスライド(4)の内部がアクセス可能な開放位置の間で外側シェル(2)内で摺動可能な内側スライド(4)と、内側スライド(4)に接続されて外側シェルの第1の壁(8)の開口(18)を通って突出するヒンジ式フラップ(48)とを含む。ヒンジ式フラップ(48)は、フラップ(48)が外側シェル(2)の第1の壁(8)に接触して置かれる第1の位置と、閉鎖位置と開放位置の間の内側スライド(4)の摺動可能な移動時にフラップ(48)が外側シェル(2)の第1の壁(8)から外向きにヒンジで移動される第2の位置との間でピボット回転可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シガレットのような喫煙物品のための容器として特定の用途を見出すヒンジ式フラップを有するスライド・アンド・シェル容器に関する。
【背景技術】
【0002】
外側シェルと、消費財が収容され、かつ外側シェル内で摺動可能である内側スライド又はトレーとを含む容器に喫煙物品及び他の消費財を包装することは公知である。そのような容器から消費財を取り出すために、消費者は、外側シェル内の最初の位置から内側スライドが外側シェルから外向きに突出する開放位置まで内側スライドを摺動させる。内側スライドの開放端を覆うヒンジ式蓋を有する内側スライドに消費財が収容されるスライド・アンド・シェル容器も公知である。
【0003】
消費者に情報を伝えるために、典型的には、消費財のための包装の外部にグラフィック及びテキストが付加される。しかし、喫煙物品のパックは、典型的にサイズが比較的小さく、従って、そのような情報を表示するための可視外部表面区域が制限される。グラフィック及びテキストを表示するのに利用可能な表面積、及び従って消費者に伝えることができる情報の量を増すために、喫煙物品のパック上に付加的なパネルを含めることは公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】EP−A−1 847 478
【特許文献2】EP−A−1 927 549
【特許文献3】US−A−4,714,082
【特許文献4】US−A−5,692,525
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
公知のスライド・アンド・シェル容器と実質的に同じ外観を有するが、例えば、補足の銘柄、宣伝、販売促進、又は製品情報を担持することができる付加的な表面区域を有する消費財、特に喫煙物品のためのスライド・アンド・シェル容器を提供することが望ましいと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明により、開口が設けられた第1の壁を有する外側シェルと、内側スライドの内部がアクセス不能な閉鎖位置と内側スライドの内部がアクセス可能な開放位置との間を外側シェル内で摺動可能な内側スライドと、内側スライドに接続されたヒンジ式フラップとを含むスライド・アンド・シェル容器を提供する。ヒンジ式フラップは、外側シェルの第1の壁内の開口を通って突出する。ヒンジ式フラップは、フラップが外側シェルの第1の壁に接触して置かれる第1の位置からフラップが外側シェルの第1の壁から外向きにヒンジで移動される第2の位置までピボット回転可能である。これは、閉鎖位置から開放位置までの内側スライドの摺動可能な移動によって引き起こされる。
【0007】
ヒンジ式フラップは、第1の位置で外側容器の第1の壁に接触して置かれる。しかし、内側スライド内に収容された消費財にアクセスするために消費者が内側スライドを閉鎖位置から開放位置まで摺動させると、フラップは、第1の位置から、外側シェルの第1の壁からそれが外向きにヒンジで移動される第2の位置まで自動的にピボット回転する。これは、フラップの内面と、同じくフラップが第1の位置にある時にフラップによって覆われた外側シェルの第1の壁の外面とを露出する。その結果、フラップの内面と、フラップが第1の位置にある時にフラップによって覆われた外側シェルの第1の壁の外面とは、容器が開かれた時に消費者に可視になる。
【0008】
本発明による容器にフラップを含めることは、それによって外側シェルの第1の壁の外面、フラップの内面及び外面、及び内側スライドの外面の全てにグラフィック及びテキストが付加することができるので、公知のスライド・アンド・シェル容器と比較して消費者情報を表示するのに利用可能な表面積が有利に増加する。
【0009】
開放位置では、内側スライドの内部にアクセス可能であるように内側スライドの少なくとも一部分は、外側シェルからその開放面を通って外向きに突出する。外側シェルは、1つの開放面を有することができる。代替的に、外側シェルは、1対の対向する開放面を有する開放端スリーブとすることができる。
【0010】
好ましくは、内側スライドは、外側シェル内でスライド・アンド・シェル容器の縦軸と平行な方向に摺動可能である。例えば、内側スライドは、開放位置で内側スライドの一部分がその開放端面を通って外側シェルから外向きに突出するように外側シェル内で長さ方向に摺動可能とすることができる。代替的に、内側スライドは、外側シェル内でスライド・アンド・シェル容器の横軸と平行な方向に摺動可能とすることができる。例えば、内側スライドは、開放位置で内側スライドの一部分が外側シェルからその開放側面を通って外向きに突出するように外側シェル内で横方向に摺動可能とすることができる。
【0011】
外側シェルの第1の壁は、外側シェル内で内側スライドが移動する方向と平行な平面にある。好ましくは、第1の壁は、外側シェルの主要な壁である。
【0012】
好ましくは、外側シェルの第1の壁に設けられた開口は、細長い開口である。例えば、内側スライドが外側シェル内でスライド・アンド・シェル容器の縦軸と平行な方向に摺動可能である場合、開口は、好ましくは、スライド・アンド・シェル容器の横軸に実質的に平行な縦軸を含む細長い開口である。本発明の特に好ましい実施形態では、開口は、横方向スリットである。
【0013】
外側シェルの第1の壁の外面は、そこの開口の位置の適切な選択により、第1の位置でフラップによって実質的に完全に又は単に部分的に覆うことができる。好ましくは、外側シェルの第1の壁の外面は、第1の位置でフラップによって単に部分的に覆われる。
【0014】
好ましくは、フラップは、内側スライドと一体である。より好ましくは、フラップ及び内側スライドは、1つの単体積層ブランク材から形成される。しかし、フラップは、代替的に、内側スライドと一体ではなく、容器の生産中にそれに結合させることができる。例えば、フラップ及び内側スライドは、2つの別々の積層ブランク材から形成することができ、容器の生産中にフラップが内側スライドに接着又はその他の方法で固定される。
【0015】
フラップ及び内側スライドが1つの単体積層ブランク材から形成される場合、フラップは、好ましくは、上に重なって位置合せした関係で互い固定された2つのパネルから形成される。以下でより詳細に説明するが、これは、フラップの内面及び外面が、ブランク材の両側面に印刷されるのとは対照的に、ブランク材の1側面だけに印刷されることを有利に可能にする。
【0016】
フラップは、外側シェル内の内側スライドの摺動可能な移動の方向と実質的に垂直なヒンジ線に沿って内側スライドに接続される。フラップは、ヒンジ線に沿って内側スライドに直接に接続することができる。代替的に、フラップは、1つ又はそれよりも多くの中間パネルを通じてヒンジ線に沿って内側スライドに間接に接続することができる。使用中に、閉鎖位置と開放位置の間の外側シェル内での内側スライドの摺動可能な移動は、外側シェルの第1の壁内の開口に対してヒンジ線を移動し、第1の位置と第2の位置の間でヒンジ線に関してフラップをピボット回転させる。
【0017】
好ましくは、閉鎖位置と開放位置の間の外側シェル内の内側スライドの摺動可能な移動は、外側シェルの第1の壁の開口の両側の位置の間でヒンジ線を移動させる。
【0018】
例えば、ヒンジ式フラップがその回りにピボット回転可能なヒンジ線は、閉鎖位置と開放位置の間で内側スライドを垂直に摺動させることによって開口の下方の位置と開口の上方の位置の間で移動させることができる。代替的に、ヒンジ式フラップがその回りにピボット回転可能なヒンジ線は、閉鎖位置と開放位置の間で内側スライドを水平に摺動させることによって開口の左側の位置と開口の右側の位置の間で移動させることができる。
【0019】
一実施形態では、フラップは、外側シェルの第1の壁と平行かつ隣接する内側スライドの壁に接続される。代替的な実施形態では、フラップは、外側シェルの第1の壁と平行かつ距離のある内側スライドの壁に接続される。好ましくは、フラップは、内側スライドの主要な壁に接続される。
【0020】
フラップは、あらゆる適切な形状とすることができる。例えば、フラップは、内側スライドに収容されるように意図した消費財、又は消費財の銘柄又は製造業者に関連するロゴ又は商標の形状をそれが内側スライドの摺動可能な移動を邪魔しないという条件下で有するか又はそれを反映することができる。
【0021】
フラップの寸法は、好ましくは、フラップが、第1の位置において外側シェルの第1の壁の縁部を超えて延びず、従って、内側スライドが閉鎖位置にある時に容器の全体サイズ及び形状に実質的に影響を及ぼさないようなものである。これは、本発明による容器が、従来の販売時点管理設備に保管又は陳列され、スライド・アンド・シェル容器のための典型的な自動販売機を使用して販売することができることを意味する。別の利点は、それが、例えば、上包装、ラベル付け、及び出荷のような本発明による容器のあらゆるその後の工程に対して、典型的なスライド・アンド・シェル容器のための現存の工程及び機械の使用を可能にすることである。
【0022】
消費者情報を表示するのに利用可能な付加的な表面積を最大にするために、フラップの寸法は、外側シェルの第1の壁と実質的に同じにすることができる。代替的に、フラップの寸法は、外側シェルの第1の壁と比較して小さくすることができる。
【0023】
本発明による容器は、内側スライドに接続されて使用中に内側スライドを閉鎖位置から開放位置まで摺動させるために消費者によって把持されて引っ張られるプルタブを有利に含むことができる。好ましくは、内側スライドは、一体型プルタブを含む。より好ましくは、内側スライドは、閉鎖位置で外側シェルの開放面を通してアクセス可能である内側スライドの第1の壁の一部分に又は一部分から形成された一体型プルタブを含む。
【0024】
プルタブの具備の代わりに又はそれに加えて、外側シェルの開放面の自由縁部に沿って少なくとも1つの切り欠き部又はノッチを有利に設けることができる。例えば、1対の対向する切り欠き部又はノッチを外側シェルの開放面の対向する自由縁部に沿って設けることができる。使用中に、消費者は、閉鎖位置から開放位置まで内側スライドを摺動させるために1つ又はそれよりも多くの切り欠き部を通して内側スライドを把持することができる。
【0025】
代替的に又は追加的に、消費者による閉鎖位置から開放位置までの内側スライドの移動を容易にするために、外側シェルの壁にその開放面に対向して開口部を設けることができる。使用中に、消費者は、閉鎖位置から開放位置まで内側スライドを摺動させるために、外側シェルの壁に設けられた開口部を通して内側スライドを押すことができる。開放位置では、内側スライドの少なくとも一部分が対向する開放面を通って外側シェルから外向きに突出する。
【0026】
更に別の実施形態では、外側シェルは、1対の対向する開放面を有するスリーブとすることができる。消費者は、閉鎖位置から開放位置まで内側スライドを摺動させるために、開放面の1つを通して内側スライドを押すことができる。開放位置では、内側スライドの少なくとも一部分は、他方の対向する開放面を通して外側スリーブから外向きに突出する。
【0027】
内側スライドは、内側スライドが開放位置にある時に内側スライド内に収容された消費財を容器から取り出すことを可能にするあらゆる適切な構成とすることができる。例えば、内側スライドは、閉鎖位置では外側シェルの壁によって覆われるが、内側スライドが開放位置では少なくとも部分的に露出する開放面又は他のアクセス開口部を含むトレー又は箱とすることができる。
【0028】
代替的に又は追加的に、内側スライドは、箱部分と、内側スライドの壁を横切って延びるヒンジ線に沿って箱部分に接続された蓋部分とを含むことができる。使用中に、内側スライドが開放位置にある時に、内側スライドの蓋部分は、内側スライド内に収容された消費財に対するアクセスを得るか又は容易にするためにヒンジ線に関してピボット回転することができる。内側スライドが箱部分と蓋部分を含む場合、ヒンジ式フラップは、好ましくは、内側スライドの箱部分に接続される。
【0029】
ヒンジ式フラップは、ヒンジ線を含まない内側スライドの壁に接続することができる。代替的に、ヒンジ式フラップは、ヒンジ線が横切って延びる内側スライドの壁に接続することができる。
【0030】
そのような実施形態では、容器は、更に、ヒンジ線に関して蓋部分を自動的にピボット回転させる蓋開放機構を含むことができる。これは、閉鎖位置から開放位置までの外側シェル内の内側スライドの摺動可能な移動によってもたらされる。適切な蓋開放機構は、当業技術で公知であり、例えば、EP−A−1 847 478及びEP−A−1 927 549に説明されている。蓋開放機構は、例えば、内側スライドの蓋部分に接続されたフック又はフラップを有することができ、フラップ又は当接縁部が外側シェルの壁から内向きに突出する。蓋開放機構のこれらの構成要素は、閉鎖位置から開放位置まで内側スライドが外側シェル内で摺動可能に移動する時に互いに係合して蓋を開放させる。
【0031】
内側スライドの箱部分及び蓋部分がそれに沿って接続されるヒンジ線は、好ましくは、外側シェルの第1の壁から離れた内側スライドの壁を横切って延びている。これは、容器が蓋開放機構を含み、そのために使用中に蓋開放機構の作動が第1及び第2の位置間のヒンジ式フラップのピボット回転移動と干渉しない実施形態で特に好ましい。
【0032】
銘柄、宣伝、販売促進、製品、及び他の消費者情報がその上に提供される付加的な表面積を増すために、ヒンジ式フラップは、2つ又はそれよりも多くの一体で折り畳み可能に接続されて上に重なるサブパネルを含み、サブパネルは、使用中に消費者によって開かれてその表面上に提供された消費者情報を露出することができる。一体型で折り畳み可能に接続されたサブパネルは、好ましくは、例えば、再密封可能な接着剤によって上に重なる位置に保持される。例えば、フラップは、2つの一体型で冊子状に折り畳まれて上に重なるサブパネル、又は3つ又はそれよりも多くの一体型でアコーディオン又はジグザグ状に折り畳まれて上に重なるサブパネルを含むことができる。
【0033】
代替的に又は追加的に、提供される付加的な表面積を増すために、本発明による容器は、開口が設けられた2つ又はそれよりも多くの壁を有する外側シェルと、フラップの内側スライドに接続された2つ又はそれよりも多くのフラップとを含むことができる。フラップの各々は、開口の個別のものを通って突出する。フラップの全ては、閉鎖位置と開放位置の間の内側スライドの摺動可能な移動時に第1の位置と第2の位置の間でピボット回転可能である。例えば、本発明による容器は、内側スライドの第1の壁に接続されて外側シェルの前壁に設けられた開口を通って突出する第1のフラップと、内側スライドの第2の壁に接続されて外側シェルの後壁に設けられた開口を通って突出する第2のフラップとを含むことができる。
【0034】
好ましくは、スライド・アンド・シェル容器は、内側スライドが外側シェルから取り外されるのを防止するための保持手段を更に含む。例えば、容器は、内側スライドが外側シェルから取り外されるのを防止するための1つ又はそれよりも多くのフラップ、タブ、又は他の機械式保持手段を含むことができる。好ましくは、保持手段は、内側スライドの開放位置を超える摺動可能な移動を制限するか又は実質的に防止する。保持手段は、外側シェル上の第1の保持手段と、使用中に内側スライドの開放位置を超える摺動可能な移動を防止するように協働する内側スライド上の第2の保持手段とを含むことができる。例えば、保持手段は、外側シェル上の少なくとも1つのヒンジ式フラップと、使用中に内側スライドの開放位置を超える摺動可能な移動を防止するように協働する少なくとも1つのヒンジ式フラップ又は固定式突出部とを含むことができる。
【0035】
閉鎖位置では、内側スライドの内部は、アクセス不能であり、内側スライド内に収容された消費財は、容器から取り出すことができない。開放位置では、内側スライドの内部は、アクセス可能であり、内側スライド内に収容された消費財は、容器から取り出すことができる。閉鎖位置と開放位置は、外側シェル内の内側スライドの摺動可能な移動の範囲の全く正反対にある。内側スライドは、閉鎖位置から閉鎖位置と開放位置の間に設けられた中間の「部分開放」位置まで外側シェル内で摺動可能であることは認められるであろう。
【0036】
本発明による容器は、様々な消費財のためのパッケージとして使用することができる。特に好ましい実施形態では、本発明による容器は、喫煙物品を包装するのに使用することができる。本発明によるスライド・アンド・シェル容器は、以下に限定されるものではないが、従来型着火端部シガレット、シガー、又はシガリロ、可燃性燃料要素又は熱源及びエーロゾル発生ユニットを含む加熱式喫煙物品(例えば、US−A−4,714,082に開示されている種類のシガレット)、及び電気式喫煙システムと共に使用するためのシガレット(例えば、US−A−5,692,525に開示されている種類のシガレット)を含む喫煙物品を包装するので有利に使用することができる。
【0037】
本発明による容器は、その寸法の適切な選択により、総数が異なる喫煙物品又は配置が異なる喫煙物品を収容することができることは認められるであろう。例えば、内側スライドは、総数が10と30の間の喫煙物品を収容することができる。
【0038】
喫煙物品は、喫煙物品の総数に応じて様々な丁合に配置することができる。例えば、喫煙物品は、6、7、8、又は9の喫煙物品を1列に配置することができる。代替的に、10のシガレットを2つ又はそれよりも多くの列に配置することができる。2つ又はそれよりも多くの列は、同じ数の喫煙物品を収容することができる。例えば、喫煙物品は、5、6、7、8、9、又は10のシガレットを2列に、5又は7のシガレットを3列に、又は4、5、又は6のシガレットを4列に配置することができる。代替的に、2つ又はそれよりも多くの列は、互いに異なる数の喫煙物品を収容する少なくとも2つの列を含むことができる。例えば、喫煙物品は、5本の列と6本の列(5−6)、6本の列と7本の列(6−7)、7本の列と8本の列(7−8)、5本の中央の列と6本の外側の2列(6−5−6)、5本の中央の列と7本の外側の2列(7−5−7)、6本の中央の列と5本の外側の2列(5−6−5)、6本の中央の列と7本の外側の2列(7−6−7)、7本の中央の列と6本の外側の2列(6−7−6)、9本の中央の列と8本の外側の2列(8−9−8)、又は6本の中央の列と5本の外側の1列と7本の外側の1列(5−6−7)に配置することができる。
【0039】
代替的に又は追加的に、内側スライドは、異なる寸法の喫煙物品(例えば、異なる長さ又は異なる周囲長の喫煙物品)を収容することができる。例えば、内側スライドは、約40mmと約180mmの間の長さ、及び約4mmと約9mmの間の直径を含む喫煙物品を収容することができる。
【0040】
内側スライドは、フィルタなし喫煙物品及び様々なフィルタチップ付き喫煙物品を収容することができる。更に、内側スライドは、同じ種類又は銘柄、又は異なる種類又は銘柄(例えば、フィルタ、タバコ配合物、香味、全粒子物質送出量、吸引抵抗、又はニコチン送出量が異なる喫煙物品)を収容することができる。好ましくは、内側スライドの寸法は、喫煙物品の長さ、及びそこに収容される喫煙物品の丁合に適応化される。典型的には、内側スライドの外のり寸法は、そこに収容される喫煙物品の1つ又は複数の束の寸法よりも約0.5mmと約5mmの間だけ大きい。
【0041】
本発明による容器の内側スライドは、複数のシガレット又は他の喫煙物品を収容し、喫煙物品は、好ましくは、例えば、金属箔又は金属化紙の内側ライナに包まれる。
【0042】
本発明による容器の外側シェル、内側スライド、及びフラップは、以下に限定されるものではないが、厚紙、板紙、プラスチック、金属、又はその組合せを含むあらゆる適切な材料から形成することができる。外側シェル及び内側スライドは、同じか又は異なる材料から形成することができる。
【0043】
フラップは、外側シェルと同じか又は異なる材料から形成することができ、かつフラップが内側スライドと一体でない場合には内側スライドと同じか又は異なる材料から形成することができる。好ましくは、外側シェル、内側スライド、及びフラップは、折り畳まれた積層ブランク材から形成され、より好ましくは、折り畳まれた積層厚紙ブランク材から形成される。好ましくは、厚紙は、1平方メートルあたり約100グラムと1平方メートルあたり約350グラムの間の重量を有する。
【0044】
好ましくは、外側スリーブ及び内側スライドの各々は、1つの折り畳まれた単体積層ブランク材から形成される。より好ましくは、外側スリーブは、第1の1つの折り畳まれた単体積層ブランク材から形成され、内側スライド及びフラップは、第2の1つの折り畳まれた単体積層ブランク材から形成される。
【0045】
本発明による容器は、以下に限定されるものではないが、セロファンと、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンのようなポリマーフィルムと、金属化ポリマーフィルムと、積層ポリマーフィルムとを含むあらゆる適切な公知の材料又は材料の組合せを用いて公知の方法で上包装することができる。本発明による容器は、1つ又はそれよりも多くの開封テープを含む上包装紙を用いて上包装することができる。1つ又はそれよりも多くの開封テープは、容器の周囲の周りに横方向又は縦方向に延びることができる。
【0046】
外側シェル、内側スライド、及びフラップの内面及び外面には、製造業者又は銘柄ロゴ、商標、スローガン、及び他の消費者情報及び印しを印刷、エンボス、デボス、又はその他の方法で装飾することができる(例えば、ラベル、又はステッカーを用いて)。
【0047】
好ましくは、外側シェルの内法は、閉鎖位置で外側シェルの内面が内側スライドの外面の上に重なって当接するように、実質的に内側スライドの外法と同じである。使用中に、内側スライドの外面と外側シェルの当接する内面との間に発生する摩擦力は、閉鎖位置と開放位置の間の内側スライドの摺動可能な移動に抵抗する。それによって消費者が正方向の力を加えなくとも容器の開閉が有利に防止される。
【0048】
外側シェル及び内側スライドは、直角縦方向及び直角横方向縁部を含む実質的に直方体とすることができる。代替的に、外側シェル及び内側スライドは、1つ又はそれよりも多くの丸形縦方向縁部、丸形横方向縁部、傾斜付き縦方向縁部、傾斜付き横方向縁部、又はその組合せを含むことができる。例えば、容器の外側シェル及び内側スライドが組み立てられる元の積層ブランク材に公知の方法で切り込みを入れることにより、本発明による「丸形コーナ」多重区画スライド・アンド・シェル容器を生成することができる。
【0049】
添付図面を参照して本発明を一例として以下に更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】内側スライドが閉鎖位置にある状態の本発明の実施形態によるスライド・アンド・シェル容器の斜視図である。
【図2】内側スライドが開放位置にある状態の図1の容器の斜視図である。
【図3】図1及び2の容器の外側シェルを形成するための積層厚紙ブランク材の平面図である。
【図4】図1及び2の容器の内側スライドを形成するための積層厚紙ブランク材の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1及び2に示すスライド・アンド・シェル容器は、直方体であり、外側シェル2と、外側シェル2内で摺動可能であり、かつシガレット6の包まれた束を収容する内側スライド4とを含む。容器の以下の説明では、用語「上側」及び「上部」、「下部」及び「下側」、及び「前部」及び「後部」は、内側スライド4が外側シェル2内で閉鎖位置と開放位置の間で実質的に垂直方向に摺動可能であるように容器が消費者によって直立した位置に保持された場合の外側シェル2及び内側スライド4の構成要素の相対位置を説明するのに使用される。これらの用語は、図に示す容器の実際の向きとは関係なく使用される。
【0052】
外側シェル2は、前壁8及び対向する後壁10、左側壁12及び対向する右側壁14、及び下部壁16を有する。図1及び2に示すように、前壁8及び後壁10は、外側シェル2の主要な壁である。外側シェル2の壁8、10、12、14、16は、前壁8、後壁10、左側壁12、及び右側壁14の上側横方向縁部によって形成されて開放上側矩形端面を有するカップ形状のレセプタクルを形成し、そこに内側スライド4が挿入される。その下部壁16に最も近い外側シェル2の前壁8に設けられたスリット18は、外側シェル2の左側壁12と右側壁14の間で横方向に延びている。
【0053】
図1及び2に示す容器の内側スライド4は、下側箱部分20と、内側スライド4の後部を横切って延びる横方向ヒンジ線24に沿って下側箱部分20にヒンジ止めされた上側蓋部分22とを有する。下側箱部分20は、前壁26及び対向する後壁28、左側壁30及び対向する右側壁32、及び下部壁34を有する。図2に示すように、内側スライド4の箱部分20の前壁26の自由横方向上側縁部に沿って中心切り欠き部36が設けられる。
【0054】
上側蓋部分22は、後壁38,左側壁40、及び対向する右側壁42を有し、それらは、蓋部分22が閉鎖位置にある時に下側箱部分20の対応する壁の続きとして機能する。上側蓋部分22はまた、蓋部分22が閉鎖位置にある時に下側箱部分20の下部壁34に対向する上部壁44を有する。蓋部分22は、内側スライド4の左側壁40及び右側壁42の自由縦方向前縁、及び蓋部分22の上部壁44の横方向前縁、及び箱部分20の前壁の上側自由縁部によって形成された矩形の開放前面を有する。図1及び2に示すように、半円形プルタブ46は、内側スライド4の蓋部分22の上部壁44から切り抜かれ、その後壁38から上方に延びている。
【0055】
外側シェル2及び内側スライド4の前壁8及び26と実質的に同じ寸法の一体型フラップ48は、後壁28の下側縁部にヒンジ接続された中間パネル50によって内側スライド4の箱部分20の後壁28にヒンジ接続される。中間パネル50は、内側スライド4の箱部分20の下部壁34の上に重なり、内側スライド4の箱部分20の下部壁34と外側シェル2の下部壁16の間で、箱部分20の後壁28の下側縁部からその前壁26の下側縁部の近くまで延びている。
【0056】
一体型フラップ48は、横方向ヒンジ線52に沿って中間パネル50にヒンジ接続され、内側スライド4の箱部分20の前壁26と外側シェル2の前壁8の間で、内側スライドの箱部分20の前壁26の下側縁部の近くから外側シェル2の前壁8に設けられた横方向スリット18まで上方に延びている。フラップ50は、次に、内側スライド4が図1に示す閉鎖位置にある時にスリット18の上方で外側シェル2の前壁8の上に重なるようにスリット18を通過する。
【0057】
図1は、内側スライド4が閉鎖位置にある容器を示し、その位置では、内側スライド4の蓋部分22の開放前面と、内側スライド4の箱部分20及び蓋部分22がそれに沿って接続されるヒンジ線24とは、それぞれ、内側スライド4内に収容されたシガレット6の束がアクセス不能であるように、外側シェル2の前壁8及び後壁10によって覆われる。
【0058】
閉鎖位置では、内側スライド4は、外側シェル2内に収容され、外側シェル2の後壁10と左側壁12と右側壁14とは、内側スライド4のそれぞれ箱部分20及び蓋部分22の後壁28、36と、箱部分20及び蓋部分22の左側壁30、40と、箱部分20及び蓋部分22の右側壁32、42とに隣接してその上に重なり、外側シェル2の下部壁16は、中間パネル50に隣接してその上に重なる。図1に示すように、外側シェル2及び内側スライド4の高さは、内側スライド4が開放位置でその開放上側端面を通して外側シェル2から外向きに突き出ないように、かつ内側スライド4の蓋部分22の上部壁44が容器の上部壁を形成するように実質的に等しい。
【0059】
図2は、開放位置にある容器を示し、その位置では、内側スライド6の下部壁34及び中間パネル50が外側シェル2の下部壁16から離間し、内側スライド2の蓋部分22及び箱部分20の上側部分がその開放上側端面を通って外側シェル2から突出する。内側スライド4がこの開放位置にある時に、内側スライド4内に収容されたシガレット6の束は、その蓋部分22の露出した開放前面を通してアクセス可能である。図2に示すように、シガレット6の束に簡単にアクセスするために、内側スライド4の蓋部分22は、それに沿ってその箱部分20に接続されるヒンジ線24に関して後方にピボット回転することができる。内側スライド4の箱部分20の前壁26の自由横方向上側縁部に沿って設けられた中央切り欠き部36はまた、内側スライドが開放位置にある時に内側スライド4内に収容されたシガレットを容器から取り出すのを容易にする。
【0060】
内側スライド4の横方向外部断面は、外側シェル2の横方向内部断面と実質的に等しく、そのために容器の開閉中に内側スライド4の外面と外側シェル2の内面の間で発生した摩擦力は、消費者によって正の力が加えられるまで外側シェル2内での内側スライド4の摺動可能な移動を防止する。
【0061】
使用中に、図1に示す閉鎖位置から図2に示す開放位置まで外側シェル2内で内側スライド4を摺動させるために、消費者は、片方の手で容器の外側シェル2を保持し、他方の手で内側スライド4の蓋部分22の後壁38に接続されたプルタブ46を把持し、かつ内側スライド4を外側シェル2の開放上側端面を通して図1の矢印によって示した方向に上方に引っ張る。以下でより詳細に説明するように、容器は、更に、図2に示す開放位置を超える外側シェル2内のそれに対する内側スライド4の摺動可能な移動を防止するための保持手段を含む。
【0062】
プルタブ46に加えて又はその代わりに、外側シェルの左側壁12及び右側壁14の自由横方向上側縁部に沿って1対の対向する切り欠き部(図示せず)が設けられ、それを通して消費者は、内側スライド4の左側壁30及び右側壁32を閉鎖位置から開放位置までそれを移動させるために把持することができる。代替的に又は追加的に、外側シェル2の下部壁16に開口部(図示せず)が設けられ、それによって使用中に消費者は、容器を開くために内側スライド4の中間パネル50及び下部壁34を押すことができる。
【0063】
一体型ヒンジ式フラップ48がそれに沿って中間パネル50に接続される横方向ヒンジ線52は、内側スライド4が閉鎖位置にある時に外側シェル2の前壁8内の横方向スリット18の下にあり、かつ上述のように、一体型ヒンジ式フラップ48は、外側シェル2の前壁8及び内側スライド4の箱部分20の前壁26に平行な第1の位置にある。閉鎖位置から開放位置までの内側スライド4の外側シェル2内の上方の摺動可能な移動は、フラップ48がそれに沿って中間パネル50に接続されるヒンジ線52を第2の位置でそれが横方向スリット18の上方になるように横方向スリット18に対して上方に移動させる。それによってフラップ48は、図2に示すように、外側シェル2の第1の壁8及び内側スライド4の箱部分20の前壁26から外向きにそれがヒンジで移動される第2の位置までヒンジ線52に関してピボット回転される。内側スライド4が閉鎖位置にあってフラップ48が第1の位置にある時に内側スライド4の方向に面するフラップ48の内面と、内側スライド4が閉鎖位置にあってフラップ48が第1の位置にある時にフラップ48によって覆われた横方向スリット18の上方の外側シェル2の前壁8の上側部分とは、従って、内側スライド4が開放位置にあってフラップ48が第2の位置にある時に露出する。従って、フラップの内面と横方向スリット18の上方の外側シェル2の前壁8の上側部分の外面上とに設けられたグラフィック及びテキストは、容器が開いている時に消費者に可視になる。
【0064】
横方向スリット18の下方の外側シェル2の前壁8の下側部分は、内側スライド4が閉鎖位置にある時に横方向スリットを通って外側シェル2の前壁8に向けて突出する一体型ヒンジ式フラップ48の上側部分を付勢する。それによってスリット18を通って突出するフラップ48の上側部分が、第1の位置でスリット18の上方の外側シェル2の前壁8の上側部分に接触して置かれることが有利に保証される。
【0065】
図1及び2の容器の外側シェル2を形成することができる元の単体厚紙積層ブランク材は、図3に示されている。図1及び2の容器の内側スライド4及びヒンジ式フラップ48を形成することができる元の単体積層厚紙ブランク材は、図4に示されている。上述の図1及び2の容器の外側シェル2及びフラップ48の要素に類似の又は関連するブランク材の要素に対して、対応する参照番号が図3及び4で使用される。ブランク材は、適切な切り込み線(破線で示した)に関して折り畳まれ、かつ接着剤(図示せず)を用いて従来の方法で固定された時に容器の外側シェル2、内側スライド4、及びフラップ48を形成する様々なパネル、フラップ、及びタブ(太線でラベル付けした)を含む。本明細書を通して、用語切り込み線は、例えば、ブランク材に折り目を付け、切り込みを入れ、穿孔し、エンボス加工するか又は他の方法で圧縮し、切断し、又は脆弱化することによって形成される線を示すために使用される。
【0066】
図1及び2に示す容器の外側シェル2を形成するための図3に示すブランク材は、前壁パネル8、後壁パネル10、左側壁パネル12、内側右側壁パネル14a、外側右側壁パネル14b、内側下部壁パネル16a、及び外側下部壁パネル16bを有し、それらは、ブランク材が折り畳まれた時に外側シェルの対応する壁を形成する。ブランク材は、更に、横方向切り込み線に沿って左側壁パネル12及び外側右側壁パネル14bの下側縁部に接続された1対の下部側壁閉鎖タブ54を含む。ブランク材はまた、横方向切り込み線に沿って後壁パネル10の上側縁部に接続された上側保持フラップ56を含む。図3に示すように、ブランク材の前壁パネル8に設けられた横方向スリット18は、左側壁パネル12と外側右側壁パネル14bの間で前壁パネル10にわたって延びている。
【0067】
外側シェル2を形成するために、前部パネル8、後部パネル10、左側壁パネル12、内側右側壁パネル14a、及び外側右側壁パネル14bが最初に折り畳まれて開放端中空スリーブを形成し、更に外側右側壁パネル14bが内側右側壁パネル14aに固定される。これは、消費財製造業者にブランク材を供給する前に供給業者によって有利に行うことができる。次のステージでは、内側下部壁パネル16a、外側下部壁パネル16b、及び下部側壁閉鎖タブ54が90度まで折り畳まれて公知の方法で互いに固定され、中空スリーブの下側縁部が閉じられて外側シェル2の下部壁16が形成される。最終ステージでは、上側保持フラップ56は、それが、形成された外側シェル2内で後壁パネル10の内面に接触して置かれるように、180度まで折り畳まれる。
【0068】
図1及び2に示す容器の内側スライド4及び一体型ヒンジ式フラップ48を形成するための図4に示すブランク材は、箱部分前壁パネル26、箱部分後壁パネル28、箱部分左側壁パネル30、箱部分内側右側壁パネル32a、箱部分外側右側壁パネル32b、及び箱部分下部壁パネル34を有し、ブランク材が折り畳まれた時にそれらが内側スライド4の箱部分20の対応する壁を形成する。1対の下側箱部分側壁閉鎖タブ57は、横方向切り込み線に沿って箱部分左側壁パネル30及び箱部分右側壁パネル32b 34の下側縁部に接続される。箱部分下部壁閉鎖タブ58は、横方向切り込み線に沿って箱部分下部壁パネル34に接続される。
【0069】
内側フラップパネル48a及び外側フラップパネル48bは、横方向切り込み線に沿ってその下側縁部に接続された中間パネル50を通じてブランク材の箱部分後壁パネル28に接続される。図4に示すように、中間パネル50から切り抜かれた台形下側保持フラップ60は、横方向切り込み線に沿って箱部分後壁パネル28の下側縁部から延びている。
【0070】
ブランク材は、更に、横方向切り込み線24(図4に太線で示した)に沿って箱部分後壁パネル28に接続された箱部分後壁パネル38、蓋部分左側壁パネル40、蓋部分右側壁パネル42、蓋部分外側上部壁パネル44b、及び蓋部分内側上部壁パネル44aを含む。1対の上側蓋部分側壁閉鎖タブ62は、横方向切り込み線に沿って蓋部分左側壁パネル40及び蓋部分右側壁パネル42の上側縁部に接続され、蓋部分フラップ64は、横方向切り込み線に沿って蓋部分内側上部壁パネル44aに接続される。図4に示すように、蓋部分外側上部壁パネル44bから切り抜かれた中央半円形プルタブ46は、蓋部分後壁パネル38の上側縁部から延びている。
【0071】
内側スライド4を形成するために、箱部分の前壁パネル26,後壁パネル28,左側壁パネル30、内側右側壁パネル32a、外側右側壁パネル32bは、最初に折り畳まれて開放端中空スリーブを形成し、かつ箱部分外側右側壁パネル32bは、箱部分内側右側壁パネル32aに固定される。更に、ヒンジ式フラップ48を形成するために、外側フラップパネル48bは、180度まで折り畳まれて内側フラップパネル48aに恒久的に又は取外し可能に固定される。これは、消費財製造業者にブランク材を供給する前に供給業者によって有利に行うことができる。2つの重なって折り畳み可能に接続されたサブパネル(すなわち、外側フラップパネル48及び内側フラップパネル48a)を恒久的に固定することによって一体型ヒンジ式フラップ48を形成すると、ブランク材の一方の側面に印刷することにより、ヒンジ式フラップ48の内面及び外面に消費者情報を有利に提供することが可能になる。仮に一体型ヒンジ式フラップ48が単一のパネルから形成されたとすれば、ヒンジ式フラップ48の内面及び外面上に消費者情報を提供するためには、図4に示すブランク材の両側面に印刷する必要があるであろう。
【0072】
内側スライド4の本体部分20の組立を完了するために、箱部分下部壁パネル34、箱部分下部側壁閉鎖タブ57、及び箱部分下部壁閉鎖タブ58が90度まで折り畳まれ、公知の方法で固定されて中空スリーブの下側縁部が閉じられ、従って、内側スライド4の本体部分20の下部壁34が形成される。中間パネル50は、それが箱部分下部壁パネル34の上に重なるように90度まで折り畳まれ、上側保持フラップ56は、それが箱部分後壁パネル28の外面に接触して置かれるように外向きに180度まで折り畳まれる。台形の下側保持フラップ60も、それが箱部分後壁パネル28の外面に接触して置かれるように180度まで折り畳まれる。
【0073】
内側スライド2の蓋部分22を組み立てるために、蓋部分外側上部壁パネル44b、蓋部分左側壁パネル40、及び蓋部分右側壁パネル42、及び上側蓋部分側壁閉鎖タブ62は、90度まで折り畳まれ、上側蓋部分側壁閉鎖タブ62は、蓋部分外側上部壁パネル44bの内面に固定される。蓋部分22の組立を完了させるために、蓋部分内側上部壁パネル44aは、それが蓋部分外側上部壁パネル44bの内面に接触して置かれるように180度まで内向きに折り畳まれ、蓋部分フラップ64は、それが蓋部分後壁パネル38に接触して置かれるように90度まで折り畳まれる。蓋部分フラップ64を所定位置に保持するために、その下側縁部が、蓋部分後壁パネル38内に設けられた狭い湾曲スリット66内に挿入される。
【0074】
図1及び2の容器の外側シェル2、内側スライド4、及びフラップ48を形成するための図3及び4に示す単体積層厚紙ブランク材の様々なパネル、フラップ、及びタブが折り畳まれて互いに固定される厳密な順序は、例えば、容器を生産するのに使用される装置に応じて変えることができることは認められるであろう。
【0075】
図3及び4に示すブランク材から図1及び2に示す容器を組み立てる時に、内側スライド4は、その開放上側端面を通して外側シェル2内に挿入され、内側スライド4に接続されたヒンジ式フラップ48は、外側シェル2の前壁及び内側スライド4に設けられた横方向スリット18を通して挿入される。
【0076】
使用中に、内側スライド4が図2に示す開放位置に到達すると、外側シェル2の上側保持フラップ56が内側スライド4の下側保持フラップ60と係合し、それによって内側スライド2の外側シェル4内での開放位置を超える更なる上向きの摺動可能な移動を有利に防止する。外側シェル2の上側保持フラップ56と内側スライド4の下側保持フラップ60との間の相互作用も、容器の内側スライド4がその外側シェル4から取り外されるのを有利に防止する。
【0077】
図1及び2に示す容器では、一体型ヒンジ式フラップ48は、外側シェル2の前壁と実質的に寸法が同じである。しかし、本発明による容器は、開口が設けられた外側シェルの第1の壁と比較して寸法が小さいヒンジ式フラップを有することができることは認められるであろう。
【0078】
本発明は、第1の単体積層ブランク材から形成された外側シェルと、第2の単体積層ブランク材から形成された内側スライド及び一体型フラップとを含む容器に関連して上述のように例示した。しかし、本発明による容器は、内側スライドと、内側スライドに接着又はその他の方法で固定された非一体型フラップとを含むことができる。例えば、本発明による容器は、第1の単体積層ブランク材から形成された外側シェルと、第2の単体積層ブランク材から形成された内側スライドと、第3の単体積層ブランク材から形成されたフラップとを含むことができる。
【0079】
本発明による容器はまた、内側スライドの蓋部分が省略された内側スライドを含むことができる。例えば、内側スライドは、開放面を有するか又はその壁に開口部が設けられたトレー又は箱とすることができ、開放面又は開口部は、内側スライドが閉鎖位置にある時に外側シェルによって覆われ、かつ内側スライドが開放位置にある時に内側スライド内に収容された消費財にアクセス可能なように少なくとも部分的に露出する。
【0080】
以上の実施形態では、容器の外側シェルは、下部壁を含む。しかし、これは、本発明の不可欠な特徴ではなく、本発明による容器は、下部壁が省略された(すなわち、外側シェルが対向する開放面を有する)外側シェルを含むことができることは認められるであろう。上述の実施形態では、内側スライドが開放前面を有する蓋部分を有するのに対して、本発明による容器は、前壁と、後壁と、対向する側壁と、上部壁とを有する蓋部分を有する内側スライドを含むことができることも認められるであろう。
【0081】
更に、上述の実施形態では、開口が外側シェルの前壁に設けられるのに対して、開口は、代替的に、外側シェルの後壁又は側壁の一方に設けることができることは認められるであろう。同様に、上述の実施形態では、フラップが内側スライドの後壁に接続されるのに対して、開口が設けられた外側シェルの壁に応じて、フラップは、代替的に、内側スライドの他の壁の1つに接続することができることは認められるであろう。
【0082】
それに加えて、本発明による容器は、開口が設けられた2つ又はそれよりも多くの壁と、その内側スライドに接続されて、各々が開口の個別のものを通って突出して内側スライドが閉鎖位置と開放位置の間で摺動可能な移動する時に第1の位置と第2の位置の間でピボット回転可能である2つ又はそれよりも多くのフラップとを有する外側シェルを含むことができることは認められるであろう。
【符号の説明】
【0083】
2 外側シェル
8 外側シェルの第1の壁
18 開口
48 ヒンジ式フラップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口(18)が設けられた第1の壁(8)を有する外側シェル(2)と、
スライド(4)の内部がアクセス不能な閉鎖位置と該スライド(4)の該内部がアクセス可能な開放位置の間で前記外側シェル(2)内で摺動可能な内側スライド(4)と、
前記内側スライド(4)に接続され、前記外側シェルの前記第1の壁(8)の前記開口(18)を通って突出するヒンジ式フラップ(48)と、
を含み、
前記ヒンジ式フラップ(48)は、該フラップ(48)が前記外側シェル(2)の前記第1の壁(8)に接触して置かれる第1の位置と、前記閉鎖及び開放位置間の前記内側スライド(4)の摺動可能な移動時に該フラップ(48)が該外側シェル(2)の該第1の壁(8)から外向きにヒンジで移動される第2の位置との間でピボット回転可能である、
ことを特徴とするスライド・アンド・シェル容器。
【請求項2】
前記内側スライド(4)は、箱部分(20)と、ヒンジ線(24)に沿って該箱部分(20)に接続された蓋部分(22)とを含み、該蓋部分(22)は、該内側スライド(4)が前記開放位置にある時に該ヒンジ線に関してピボット回転可能であることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記ヒンジ式フラップ(48)は、前記内側スライド(4)の前記箱部分(20)に接続されることを特徴とする請求項2に記載の容器(2)。
【請求項4】
前記フラップ(48)は、前記外側シェル(2)の前記第1の壁(8)と実質的に同じ寸法のものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の容器。
【請求項5】
前記フラップ(48)は、前記第1の位置で前記外側シェル(2)の前記第1の壁(8)の外面を部分的に覆うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の容器。
【請求項6】
前記フラップ(48)は、前記内側スライド(4)と一体であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の容器。
【請求項7】
前記内側スライド(4)が前記外側シェル(2)から取り外されるのを防止するための保持手段(56、60)を更に含むことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の容器。
【請求項8】
前記内側スライド(4)に接続され、使用中に該内側スライド(4)を前記閉鎖位置から前記開放位置まで前記外側シェル(2)内で摺動させるために消費者によって把持して引っ張ることができるプルタブ(46)を更に含むことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の容器。
【請求項9】
前記ヒンジ式フラップ(48)は、2つ又はそれよりも多くの一体で折り畳み可能に接続されて上に重なるサブパネル(48a、48b)を含むことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の容器。
【請求項10】
前記内側スライド(4)は、複数の喫煙物品(6)を収容することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−511476(P2012−511476A)
【公表日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539952(P2011−539952)
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際出願番号】PCT/EP2009/008831
【国際公開番号】WO2010/066427
【国際公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(596060424)フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム (222)
【Fターム(参考)】