説明

ヒートポンプ給湯装置

【課題】 可燃性冷媒を用いた場合に、凝縮熱交換器からの冷媒漏れの発生を早期にかつ確実に検知し得るヒートポンプ給湯装置を提供する。
【解決手段】 筐体5内の左右方向全長範囲の頂部領域を横仕切り板58によって仕切り加熱室63とすると共に、横仕切り板58より下側を縦仕切り板57によって送風室61と機械室62とに左右方向に区画する。送風室61内に蒸発熱交換器14とファン14aを、機械室62内に圧縮機11と膨張弁13とを、加熱室63内に凝縮熱交換器12をそれぞれ配設する。横仕切り板58の右奥端位置に機械室62と連通する開口部581と筒状通路部59とを設け、水循環配管22と冷媒循環配管15とを通して機械室62に延ばす一方、開口部581の下方位置の機械室62底部にガスセンサ7を設置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートポンプ給湯装置に関し、特に可燃性冷媒を用いた場合に凝縮熱交換器からの冷媒漏れを早期に検知し得る技術に係る。
【背景技術】
【0002】
従来、圧縮機、凝縮熱交換器、膨張手段及び蒸発熱交換器を冷媒循環配管で順に接続した冷媒循環回路と、給水ポンプにより前記凝縮熱交換器に給水した水を前記圧縮機により圧縮された高圧冷媒で目標沸き上げ温度まで熱交換加熱して給湯に利用する給湯回路とを備えたヒートポンプ給湯装置が知られている。かかるヒートポンプ給湯装置では、前記の冷媒循環回路を構成する圧縮機、凝縮熱交換器、膨張手段及び蒸発熱交換器を筐体内に収納して室外機として構成されたものが知られている(例えば特許文献1又は特許文献2参照)。
【0003】
特許文献1では、室外ユニットキャビネットの内部を、間に立て込んだセパレータによって、左側のファン室と、右側の機械室とに区画して互いに仕切るようにし、この室外ユニットキャビネットの上に給湯ユニットキャビネットを載せ、給湯ユニットキャビネットの内部に凝縮熱交換器及びポンプを左側に収納し給湯用制御ボックスを右側に収納するようにしている。前記のファン室には蒸発熱交換器が配設され、機械室には圧縮機及び膨張手段が配設されている。
【0004】
又、特許文献2では、筐体内の底側部分に凝縮熱交換器を内蔵し、この底側部分の上側部分を、前記と同様に、間に立て込んだセパレータによって、左側のファン室と、右側の機械室とに区画して互いに仕切るようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平3−1057号公報
【特許文献2】特許第4651338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のヒートポンプ給湯装置においては、凝縮熱交換器から冷媒が万一漏れ出した場合、相当量以上の冷媒が漏れてからでないと冷媒漏れ発生を把握し得ないという不都合を有していた。すなわち、使用する冷媒が可燃性でなければ冷媒漏れが多少発生したとしても、冷凍サイクル機能に支障が生じない程度であれば、さほどの不都合は生じないため、従来は冷媒漏れ発生を積極的に検知する手段を本来的に有してはいなかった。このため、たとえ冷媒漏れが生じたとしても、冷媒が相当量以上漏れてしまうことにより冷凍サイクルに異常を来たし、その冷凍サイクルの異常に起因して冷媒循環回路の温度センサ検出値が異常値を示すことで、初めて冷媒漏れ発生の疑いを把握し得るに過ぎなかった。このため、凝縮熱交換器からの冷媒漏れが万一発生したとしても、その冷媒漏れ発生の検知まで時間を要し、その結果、検知までの間に相当量以上の冷媒を失ったり、周囲への拡散を許してしまったりすることになっていた。
【0007】
ところが、ヒートポンプ給湯装置において充填使用する冷媒として可燃性冷媒を用いた場合には、冷媒漏れ発生の早期検知や拡散防止は特に重要な課題となる。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、可燃性冷媒を用いたヒートポンプ給湯装置において、凝縮熱交換器からの冷媒漏れの発生を早期にかつ確実に検知し得るヒートポンプ給湯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明では、圧縮機と、凝縮熱交換器と、膨張手段と、蒸発熱交換器とが冷媒循環配管により順に接続された冷媒循環回路を筐体内に備え、冷媒として可燃性冷媒を使用したヒートポンプ給湯装置を対象にして、次の特定事項を備えることとした。すなわち、前記筐体内の頂部空間を左右方向全長範囲にわたり上下方向に仕切るように、横仕切り板を配設する一方、前記横仕切り板の下側空間を、前記蒸発熱交換器及び送風手段が配設される送風室と、前記圧縮機及び膨張手段が配設される機械室とに左右方向に互いに仕切るように、縦仕切り板を配設する。そして、前記凝縮熱交換器を、前記頂部空間に対し、前記送風室及び機械室の双方の上側にわたって左右方向に拡がった状態で配設することとした(請求項1)。
【0010】
本発明の場合、横仕切り板によって筐体内の頂部空間を仕切るように区画し、この頂部空間に凝縮熱交換器を設置するようにしているため、凝縮熱交換器からの冷媒漏れが万一発生したとしても、その漏洩した可燃性冷媒が空気よりも比重が重いことを利用して冷媒漏れの早期検知及び早期検知に伴う拡散防止を図る対策を容易に行い得るようになる。
【0011】
そして、前記横仕切り板に対し、前記機械室に連通する開口部を貫通形成し、前記機械室に、可燃性冷媒の存在を検知するガスセンサを配設するようにすれば、漏れた可燃性冷媒が頂部空間から機械室側に迅速にかつ確実に流れ落ちるようになる一方、その流れ落ちた可燃性冷媒がガスセンサにより確実に検知されるため、冷媒漏れの早期検知や拡散防止をより確実に実現し得るようになる(請求項2)。
【0012】
さらに、その際、前記ガスセンサを、前記開口部の下方領域に位置するように設置することで、開口部を通して頂部空間から機械室側に流れ落ちる冷媒をガスセンサに向けて確実に導くことが可能となり、前記の冷媒漏れ検知のより一層の早期化を図り得ると共に、それに伴い漏れた冷媒の拡散防止のより一層の確実化を図り得ることになる(請求項3)。
【発明の効果】
【0013】
以上、説明したように、本発明のヒートポンプ給湯装置によれば、横仕切り板によって筐体内の頂部空間を仕切るように区画し、この頂部空間に凝縮熱交換器を設置するようにしているため、凝縮熱交換器からの冷媒漏れが万一発生したとしても、漏洩した可燃性冷媒が空気よりも比重が重いことを利用して冷媒漏れの早期検知及び早期検知に伴う拡散防止を図る対策を容易に行うことができるようになる。従って、冷媒として可燃性冷媒を用いる場合に、特に好適なものとなる。
【0014】
特に、請求項2によれば、横仕切り板に機械室と連通する開口部を貫通形成し、機械室に冷媒の存在を検知するガスセンサを配設するようにすることで、漏れた可燃性冷媒が頂部空間から機械室側に迅速にかつ確実に流れ落ちるようにすることができる一方、その流れ落ちた可燃性冷媒をガスセンサにより確実に検知することができ、冷媒漏れの早期検知や拡散防止をより確実に実現することができるようになる。
【0015】
請求項3によれば、前記ガスセンサを開口部の下方領域に位置するように設置することで、開口部を通して頂部空間から機械室側に流れ落ちる冷媒をガスセンサに向けて確実に導くことができ、前記の冷媒漏れ検知のより一層の早期化を図ることができると共に、それに伴い漏れた冷媒の拡散防止のより一層の確実化を図ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係るヒートポンプ給湯装置の模式図である。
【図2】図1の冷媒循環回路が収容された室外機の外観を示す斜視図である。
【図3】図2の室外機の正面図である。
【図4】配管等の詳細を省略して本発明を原理的に示した、図2のA−A線断面に相当する断面説明図である。
【図5】図5(a)は図4のB−B線における一部省略拡大断面説明図であり、図5(b)は他の実施形態を示す図5(a)対応図である。
【図6】図2の室外機の天面パネル、正面パネル及び右側面パネルを取り外した状態で内部を示す斜視図である。
【図7】右側面パネルを取り外した状態で内部を示す右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係るヒートポンプ給湯装置の模式図である。このヒートポンプ給湯装置は、冷媒循環回路1と給湯回路2とを組み合わせたものであり、冷凍サイクルを利用して給湯回路2の水を熱交換加熱し得るようになっている。冷媒循環回路1は圧縮機11と、凝縮熱交換器(凝縮器)12と、膨張手段としての膨張弁13と、蒸発熱交換器(蒸発器)14とを冷媒循環配管15で順に接続したものであり、これらが後述の筐体5内に収容されて室外機4の形態(例えば図2又は図3参照)で構成されている。冷媒循環回路1に循環させる冷媒としては、可燃性冷媒、例えばプロパン等のHC系冷媒が使用されている。以下の説明中、単に「冷媒」と記載しているものは、この可燃性冷媒のことである。給湯回路2は、貯湯タンク21と、貯湯タンク21内に貯留された湯水を前記凝縮熱交換器との間で循環させる水循環配管22と、貯湯タンク21の底部から水を前記凝縮熱交換器12へ圧送し、加熱後に凝縮熱交換器12から貯湯タンク21の頂部へと導く給水ポンプ23とを備えて構成されており、これらが例えば貯湯ユニットとして構成されている。そして、冷媒循環回路1と給湯回路2とがコントローラ3により作動制御されて、凝縮熱交換器12において水が目標沸き上げ温度に加熱されて貯湯タンク21に貯湯されるようになっている。目標沸き上げ温度はリモコン31に直接に入力設定されるか、あるいは、リモコン31に入力された設定出湯温度に基づいて設定される。
【0019】
圧縮機11は電動モータにより作動され、その回転数を作動制御量としてコントローラ3により作動制御されるようになっている。この圧縮機11で圧縮されることで高温気相状態の冷媒が圧縮機11から冷媒循環配管15に吐出され、その吐出温度が吐出温度センサ16により検出されて検出吐出温度がコントローラ3に出力されることになる。
【0020】
凝縮熱交換器12は、冷媒循環配管15の一部が内部に通される一方、逆方向から水循環配管22の一部が内部に通されて、両者間で熱交換するようになっている。すなわち、冷媒循環配管15に圧縮機11から吐出された高温気相状態の冷媒と、給水ポンプ23により貯湯タンク21の底部から供給された水とが熱交換され、水が熱交換加熱されて湯となり、その熱交換により熱が奪われた冷媒は凝縮する。
【0021】
膨張弁13は凝縮熱交換器12で凝縮した冷媒を減圧するものである。この膨張弁13は、その開度を作動制御量としてコントローラ3により作動制御される。
【0022】
蒸発熱交換器14は、ファンモータにより回転作動されて外気を送風する送風手段としてのファン14aを備え、この外気と、膨張弁13により減圧された冷媒とを熱交換させることで、冷媒を蒸発させて気相状態に変換するようになっている。この蒸発熱交換器14を出た直後の冷媒温度が蒸発熱交換器温度として蒸発熱交換器出口温度センサ17により検出され、検出された蒸発熱交換器出口温度がコントローラ3に出力されることになる。そして、蒸発熱交換器14での熱交換器により気相状態になった冷媒が再び前記の圧縮機11において圧縮されて高温気相状態になる。
【0023】
一方、給湯回路2では、給水ポンプ23の作動により貯湯タンク21内の水が凝縮熱交換器12に圧送される際に、凝縮熱交換器12の入口前で入水温度センサ24により熱交換加熱前の入水温度が検出され、この検出入水温度がコントローラ3に出力されるようになっている。又、凝縮熱交換器12を通過することで熱交換加熱されて出湯した際に、凝縮熱交換器12の出口側で出湯温度センサ25により沸き上げ温度が検出され、この検出沸き上げ温度がコントローラ3に出力されるようになっている。併せて、外気温が外気温センサ26により検出されて、コントローラ3に出力されるようになっている。凝縮熱交換器12で加熱された湯は貯湯タンク21の頂部側に戻されて貯留され、以後の給湯に利用されることになる。給湯により貯湯タンク21内の湯水量が減れば、その分だけ給水されるようになっている。
【0024】
次に本実施形態における特徴部分である室外機4の構成について説明する。図2,図3の室外機4の内部構造について、図4及び図5にその原理的な構造例を示し、図6及び図7にその具体的な構造例を示している。以下、図4,図5の原理的な構造例と、図6,図7の具体的な構造例とを参照しつつ、詳細に説明する。
【0025】
室外機4は略直方体形状の筐体5内に主要構成要素を内蔵させたものである。筐体5は、脚50,50に載置された底面パネル51,正面パネル52,背面パネル53(図5又は図7参照),右側面パネル54,左側面パネル55及び天面パネル56を備えて構成されている。筐体5内には、底面パネル51から天面パネル56近傍位置まで上下方向に拡がる縦仕切り板57が立て込まれる一方、縦仕切り板57の上端に接合された状態で横仕切り板58が右側面パネル54と左側面パネル55との間に左右方向に拡がるように設けられている。縦仕切り板57によって左側の送風室61と右側の機械室62とが左右方向に互いに仕切られた状態で区画されると共に、横仕切り板58によって上側の加熱室63が下側の送風室61及び機械室62と上下方向に互いに仕切られた状態で区画されている。横仕切り板58を境にして、横仕切り板58より上側の加熱室63は下側の送風室61及び機械室62に比してかなり低い内高さの空間として区画形成され、横仕切り板58より下側の送風室61及び機械室62は筐体5内の内高さの大半を占める空間としてそれぞれ区画形成されている。
【0026】
送風室61には蒸発熱交換器14とファン14aとが配設され、機械室62には圧縮機11と膨張弁13とコントローラ3(図4又は図6参照)とが配設され、加熱室63には凝縮熱交換器12が送風室61及び機械室62の双方の上側にわたり左右方向に拡がった状態で配設されている。蒸発熱交換器14は、平面視Lの字状に屈曲された板状(図6の黒塗り部分参照)に形成されており、左側面パネル55の内面から背面パネル53の内面に沿って配設され、端部141(図4又は図5(a)を参照)が機械室62寄り位置まで延ばされている。ファン14a(図4又は図6参照)は送風室61内の正面パネル52の内面寄り位置に配設され、正面パネル52の開口521(図2又は図3参照)から放熱するようになっている。コントローラ3は横仕切り板58の下面位置に配設され、機械室62内の最頂部位置に設置されている。又、機械室62の底部側(底面パネル51側)の所定位置にはガスセンサ7が配設されている。このガスセンサ7は、後述の開口部581の位置等との関係で定められた所定位置に設置され、漏洩した可燃性冷媒の存在を検知してコントローラ3に出力するようになっている。
【0027】
横仕切り板58の一端側であって、機械室62の上側に位置する横仕切り板58には、機械室62と加熱室63とを連通させる開口部581が貫通形成され、この開口部581を通して水循環配管22や冷媒循環配管15が凝縮熱交換器12から機械室62の側に延ばされている。開口部581の下側には開口部581に連通する筒状の通路部59が開口部581から連続して下方に延びるように突出されている。この通路部59は、図例では横仕切り板58と一体に形成しているが、これに限らず、横仕切り板58とは別体に形成して横仕切り板58に対し結合させるようにしてもよい。
【0028】
開口部581を通過する冷媒循環配管15は、機械室62内の圧縮機11から加熱室63内の凝縮熱交換器12までを接続する配管と、凝縮熱交換器12から機械室11内の膨張弁13までを接続する配管とからなる。又、同様に開口部581を通過する水循環配管22は、機械室62の下側位置の右側面パネル54に設置された接続口221から加熱室63内の凝縮熱交換器12まで水を供給する配管と、凝縮熱交換器12からの湯を接続口221の近傍位置に設置された接続口222まで供給する配管とからなる。両接続口221,222には、図外の貯湯ユニットから延ばされた配管が接続されるようになっている。
【0029】
ガスセンサ7と開口部581との相互位置関係は次のように設定されている。すなわち、凝縮熱交換器12から冷媒が万一漏出した場合、冷媒は空気よりも比重が重いため、漏出した冷媒は加熱室63の底面に沿って開口部581に流動し、開口部581から下方に流れ落ちていくことになる。そして、流れ落ちた冷媒は機械室62の底部に溜まることになる。従って、開口部581から流れ落ちた部位にガスセンサ7があれば、冷媒漏れをいち早く検知し得ることになる。そこで、図5(a)にも例示した如く、開口部581の下方(つまり通路部59の下端開口591の下方)に位置する機械室62の下部にガスセンサ7を配設することにしている。具体的には、底面パネル51の上面位置又は底面パネル51の上面近傍位置にガスセンサ7を設置している。ここで、図5(a)には、開口部581又は通路部59の下端開口591の真下位置にガスセンサ7を設置した例を示したが、正確に真下位置である必要はなく、開口部581又は通路部59の下端開口の下方領域に含まれる部位に設置すればよい。
【0030】
この冷媒漏れ検知の際、開口部581に連続して通路部59を設けているため、漏洩した冷媒がガスセンサ7に向けて流れ落ちるように冷媒の流れをガイドして導くことができ、冷媒漏れの早期検知に対する確実性をより向上させることができる上に、通路部59の下端開口591を少なくともコントローラ3よりも下方位置まで突出させることで、冷媒との接触に起因するコントローラ3の万一の不具合発生をも防止することができる。なお、通路部59によるガイドは必須ではなく、これを省略して開口部581の形成のみにすることもできる。この場合であっても、漏出した冷媒が下方に流れ落ちることでガスセンサ7による冷媒漏れの検知を確実に行うことができるようになる。
【0031】
以上の実施形態の場合、横仕切り板58によって加熱室63を筐体5内の頂部空間に区画形成し、この頂部空間である加熱室63に凝縮熱交換器12を設置するようにしているため、凝縮熱交換器12からの冷媒漏れが万一発生したとしても、冷媒が空気よりも比重が重いことを利用して、冷媒漏れの早期検知及び早期検知に伴う拡散防止を図ることが容易に行うことができるようになる。しかも、その際、加熱室63内の漏洩冷媒が開口部581からガスセンサ7に向けて流れ落ちるようにしているため、ガスセンサ7により冷媒漏れの発生を早期に検知することができ、冷媒漏れの早期検知及び早期検知に伴い漏洩冷媒の拡散防止を共に図ることができるようになる。従って、冷媒として可燃性冷媒を用いる場合に、冷媒漏れの早期検知及び漏洩冷媒の拡散防止によって、重大な不都合発生を回避して未然に防止することができるようになる。又、開口部581を加熱室63の一端部位置、つまり横仕切り板58の背面パネル53寄りの右奥端位置に形成することで、凝縮熱交換器12を送風室61及び機械室62の双方の上側にわたり左右方向に拡がった状態で配設可能にしているため、すなわち、凝縮熱交換器12を横仕切り板58の左右方向略全長に沿ってより長く延びるように構成しているため、特に凝縮熱交換器12自体の上下方向の高さをより薄型化させて、必要な筐体5の高さをより低くして室外機4のよりコンパクト化をも図ることができるようになる。
【0032】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、開口部581に連続して筒状の通路部59を突出させているが、これに限らず、例えば図5(b)に例示するように、開口部581の下側領域を薄肉樹脂製板等の板状壁部材592により囲んで閉鎖空間とすることで通路部59aを区画形成するようにしてもよい。この場合には、通路部59aを構成する板状壁部材592の下端縁を底面パネル51の上面に接合させ、板状壁部材592で囲まれる領域にガスセンサ7を設置するようにすればよい。
【0033】
又、加熱室63に配設する凝縮熱交換器12としては、水を流す配管と冷媒を流す配管とを二重管で構成したり、あるいは互いに接触させた一対の管で構成したりする他、他の形式の熱交換器により構成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0034】
1 冷媒循環回路
5 筐体
7 ガスセンサ
11 圧縮機
12 凝縮熱交換器
13 膨張弁(膨張手段)
14 蒸発熱交換器
14a ファン(送風手段)
15 冷媒循環配管
57 縦仕切り板
58 横仕切り板
61 送風室
62 機械室
63 加熱室(頂部空間)
581 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機と、凝縮熱交換器と、膨張手段と、蒸発熱交換器とが冷媒循環配管により順に接続された冷媒循環回路を筐体内に備え、冷媒として可燃性冷媒を使用したヒートポンプ給湯装置において、
前記筐体内の頂部空間を左右方向全長範囲にわたり上下方向に仕切るように横仕切り板が配設される一方、前記横仕切り板の下側空間を、前記蒸発熱交換器及び送風手段が配設される送風室と、前記圧縮機及び膨張手段が配設される機械室とに左右方向に互いに仕切るように縦仕切り板が配設され、
前記凝縮熱交換器が、前記頂部空間に対し、前記送風室及び機械室の双方の上側にわたって左右方向に拡がった状態で配設されている
ことを特徴とするヒートポンプ給湯装置。
【請求項2】
請求項1に記載のヒートポンプ給湯装置であって、
前記横仕切り板には、前記機械室に連通する開口部が貫通形成され、前記機械室には、可燃性冷媒の存在を検知するガスセンサが配設されている、ヒートポンプ給湯装置。
【請求項3】
請求項2に記載のヒートポンプ給湯装置であって、
前記ガスセンサは、前記開口部の下方領域に位置するように設置されている、ヒートポンプ給湯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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