説明

ビデオゲーム装置およびプログラム

【課題】メダルの投入に関する指示を少ないタッチ操作で的確に行えるようにし、ビデオプッシャーゲームの操作性を高めること。
【解決手段】表示画面Dには、フィールドF上の複数のメダルMおよびプッシャーテーブル120の状態を表すゲーム画像GPと、フィールドFに投入可能な複数枚のメダルMを列状に並べたメダル配列画像MPとが表示される。CPU10は、タッチパネル70が検出したタッチ操作の位置がメダル配列画像MP上であった場合、タッチ操作の位置に基づいてフィールドFに投入するメダルMの枚数を決定し、決定した枚数のメダルMをフィールドFに投入する処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオゲーム装置およびプログラムに係り、詳細には、プッシャーゲームをビデオゲームとして実行する、いわゆるビデオプッシャーゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
プッシャーゲームをビデオゲームとして実行することが可能なゲームソフトウェアがある(例えば、非特許文献1参照)。このゲームソフトウェアには物理演算エンジンが搭載され、プッシャーテーブルの動きやフィールド上の各メダルの位置を物理計算によってシミュレーションし、ゲーム画像を生成している。また、このゲームソフトウェアは、タッチインターフェイスを利用したメダル投入機能を備え、画面をタップすることでメダルの投入を指示することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】“Coin Dozer iphone(登録商標)アプリ”、[online]、[平成23年7月12日検索]、インターネット〈URL:http://www.youtube.com/watch?v=jftTWt_g0vk〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ゲームセンター等にあるプッシャーゲーム機(実機)では、メダルの投入タイミングを見極めて一度に多数のメダルを投入することがある。これに対し、非特許文献1のゲームソフトウェアでは、1回のタップで1枚のメダルしか投入することができず、多数のメダルを一度に投入することができなかった。また、多数のメダルをできるだけ同時期に投入しようとすると、極めて短い時間間隔で何度も画面をタップしなければならず煩雑であることに加え、画面をタップしているうちに狙った投入タイミングが過ぎてしまい、意図した投入タイミングでメダルを投入し切れないという問題もあった。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、メダルの投入に関する指示を少ないタッチ操作で的確に行えるようにし、ビデオプッシャーゲームの操作性を高めることを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため本発明が採用する手段を以下に説明する。なお、本発明の理解を容易にするため添付図面の参照符号を括弧書にて付記するが、それにより本発明が図示の態様に限定されるものではない。
【0007】
本発明に係るビデオゲーム装置(1)は、複数のメダル(M)が置かれると共に往復運動するプッシャーテーブル(120)を備えたフィールド(F)にメダル(M)を投入して遊技を行うプッシャーゲームをビデオゲームとして実行するビデオゲーム装置(1)であって、表示画面(D)と、前記プッシャーゲームのゲーム処理を行う処理部(10)と、前記処理部(10)の処理結果に応じて、前記フィールド(F)上の複数のメダル(M)および前記プッシャーテーブル(120)の状態を表すゲーム画像(GP)を前記表示画面(D)に表示するゲーム画像表示部(10,60)と、前記フィールド(F)に投入可能な複数枚のメダル(M)を列状に並べたメダル配列画像(MP,MP1,MP2)を前記表示画面(D)に表示するメダル画像表示部(10,60)と、前記表示画面(D)に対するタッチ操作の位置を検出する検出部(10,70)とを備え、前記処理部(10)は、前記検出部(10,70)が検出したタッチ操作の位置が前記メダル配列画像(MP,MP1,MP2)上であった場合、前記メダル配列画像(MP,MP1,MP2)上における前記タッチ操作の位置に基づいて、前記投入可能な複数枚のメダル(M)のうち前記フィールド(F)に投入するメダル(M)の枚数を決定し、決定した枚数のメダル(M)を前記フィールド(F)に投入する処理を行うことを特徴とする。
【0008】
以上の構成によれば、表示画面には、フィールド上の複数のメダルおよびプッシャーテーブルの状態を表すゲーム画像に加え、フィールドに投入可能な複数枚のメダルを列状に並べたメダル配列画像が表示される。処理部は、検出部が検出したタッチ操作の位置がメダル配列画像上であった場合、タッチ操作の位置に基づいてフィールドに投入するメダルの枚数を決定し、決定した枚数のメダルをフィールドに投入する処理を行う。
したがって、プレイヤは、表示画面に表示されているメダル配列画像のうち、自分が投入したい枚数に応じた部分にタッチ操作を行うことで、メダルの投入枚数とメダルの投入タイミングとを指示することができる。つまり、本発明によれば、1回のタッチ操作で、メダルの投入枚数とメダルの投入タイミングの2つを同時に指示することができる。
【0009】
なお、プッシャーテーブルは、一定の移動速度で往復運動を行ってもよいし、移動速度を変化させながら往復運動を行ってもよい。フィールドは、プッシャーテーブルの上面を含む構成であってもよいし、プッシャーテーブルの上面を含まない構成であってもよい。メダル配列画像におけるメダルの配列枚数は、2枚以上であれば任意の枚数に設定することができる。また、メダル配列画像は、フィールドに投入可能な複数枚のメダルを1列に並べた画像に限定されず、例えば図16に示すように、フィールドに投入可能な複数枚のメダルを2列に並べた画像等、メダルを複数列に並べた画像であってもよい。タッチ操作は、指によって行われてもよいし、タッチペン等を用いて行われてもよい。ビデオゲーム装置は、タッチ入力機能を備えた電子機器であればよく、例えば、スマートフォン、タブレットPC、ノート型パソコン、携帯型ゲーム端末等が含まれる。また、ビデオゲーム装置は、パソコン本体とタッチパネル付きディスプレイ、あるいは家庭用ゲーム機本体とタッチパネル付きディスプレイで構成されてもよい。この場合には本発明をゲームシステムとして特定することもできる。
【0010】
また、上述したビデオゲーム装置(1)において、前記検出部(10,70)は、前記タッチ操作の種類をさらに検出し、前記処理部(10)は、前記検出部(10,70)が検出したタッチ操作の位置が前記メダル配列画像(MP1)上であって、かつ、前記タッチ操作の種類が、前記メダル配列画像(MP1)におけるメダルの配列方向のうち予め定められた一方に向かってタッチ位置が移動するフリックまたはドラッグであった場合、前記メダル配列画像(MP1)上において前記タッチ操作の位置から前記一方の側にあるメダル(M)全部を前記フィールド(F)に投入する処理を行うようにしてもよい。
【0011】
この構成によれば、プレイヤは、表示画面に表示されているメダル配列画像に対してフリック操作またはドラッグ操作を行うことで、メダルの投入枚数とメダルの投入タイミングとを指示することができる。つまり、1回のフリック操作または1回のドラッグ操作で、メダルの投入枚数とメダルの投入タイミングの2つを同時に指示することができる。
【0012】
なお、「メダル配列画像におけるメダルの配列方向のうち予め定められた一方」とは、例えば、図12(B)に示すメダル配列画像MP1であれば、図中左右方向がメダルMの配列方向となるので、右方向と左方向のうち予め定められた一方となり、図12(B)の場合は右方向に定められている。また、図13に示すメダル配列画像MP1であれば、図中上下方向がメダルMの配列方向となるので、上方向と下方向のうち予め定められた一方となり、図13の場合は下方向に定められている。また、メダルの投入枚数を決定する場合の基準となる「タッチ操作の位置」は、フリック操作やドラッグ操作におけるタッチ位置の始点を用いることが好適であるが、これに限らずタッチ位置の中点等を用いてもよい。また、フリック操作とドラッグ操作のうちいずれか一方のみを対象としてメダルの投入枚数を決定する構成であってもよいし、フリック操作とドラッグ操作の両方を対象としてメダルの投入枚数を決定する構成であってもよい。
【0013】
また、前記処理部(10)は、さらに、前記検出部(10,70)が検出したタッチ操作の位置が前記メダル配列画像(MP1)上であって、かつ前記タッチ操作の種類がタップであった場合、1枚のメダル(M)を前記フィールド(F)に投入する処理を行うようにしてもよい。
この構成によれば、プレイヤは、表示画面に表示されているメダル配列画像に対してタップ操作を行うことで、メダルの投入枚数(1枚)とメダルの投入タイミングとを指示することができる。つまり、1回のタップ操作で、メダルの投入枚数(1枚)とメダルの投入タイミングの2つを同時に指示することができる。
【0014】
なお、前記処理部は、前記検出部が検出したタッチ操作の位置が前記メダル配列画像上であった場合、前記メダル配列画像上における前記タッチ操作の位置と前記タッチ操作の種類とに基づいて、前記投入可能な複数枚のメダルのうち前記フィールドに投入するメダルの枚数を決定し、決定した枚数のメダルを前記フィールドに投入する処理を行ってもよい。つまり、タッチ操作の位置が同じであってもタッチ操作の種類が異なれば、フィールドに投入するメダルの枚数を変えてもよい。具体的には、例えば、メダル配列画像上におけるタッチ位置の始点が同じであっても、表示画面にタッチしてからフリック操作やドラッグ操作に移行すれば、複数枚のメダルをフィールドに投入するようにし、タッチ操作の種類がタップであれば1枚のメダルをフィールドに投入するようにすることができる。
【0015】
また、上述したビデオゲーム装置(1)において、前記検出部(10,70)は、前記タッチ操作の種類をさらに検出し、前記処理部(10)は、前記検出部(10,70)が検出したタッチ操作の位置が前記メダル配列画像(MP,MP2)上であって、かつ、前記タッチ操作の種類が、前記メダル配列画像(MP,MP2)におけるメダルの配列方向のうちいずれか一方に向かってタッチ位置が移動するフリックまたはドラッグであった場合、前記メダル配列画像(MP,MP2)上において前記タッチ操作の位置からタッチ位置の移動方向側にあるメダル(M)全部を前記フィールド(F)に投入する処理を行うようにしてもよい。
【0016】
この構成の場合も、プレイヤは、表示画面に表示されているメダル配列画像に対してフリック操作またはドラッグ操作を行うことで、メダルの投入枚数とメダルの投入タイミングとを指示することができる。つまり、1回のフリック操作または1回のドラッグ操作で、メダルの投入枚数とメダルの投入タイミングの2つを同時に指示することができる。
なお、「メダル配列画像におけるメダルの配列方向のうちいずれか一方」とは、例えば、図4に示すメダル配列画像MPであれば、図中左右方向がメダルMの配列方向となるので、右方向と左方向のうちのいずれか一方である。また、図15に示すメダル配列画像MPであれば、図中上下方向がメダルMの配列方向となるので、上方向と下方向のうちのいずれか一方である。つまり、この構成の場合は、メダル配列画像におけるメダルの配列方向のうち、一方に向かってタッチ位置が移動するフリック操作またはドラッグ操作と、他方に向かってタッチ位置が移動するフリック操作またはドラッグ操作の両方を対象としてメダルの投入枚数を決定することができる。
【0017】
また、この場合も、メダルの投入枚数を決定する場合の基準となる「タッチ操作の位置」は、フリック操作やドラッグ操作におけるタッチ位置の始点を用いることが好適であるが、これに限らずタッチ位置の中点等を用いてもよい。また、フリック操作とドラッグ操作のうちいずれか一方のみを対象としてメダルの投入枚数を決定する構成であってもよいし、フリック操作とドラッグ操作の両方を対象としてメダルの投入枚数を決定する構成であってもよい。
【0018】
また、上述したビデオゲーム装置(1)において、前記検出部(10,70)は、前記タッチ操作の種類をさらに検出し、前記処理部(10)は、前記検出部(10,70)が検出したタッチ操作の位置が前記メダル配列画像(MP,MP2)上の2箇所であって、かつ、前記タッチ操作の種類が、前記メダル配列画像(MP,MP2)におけるメダル(M)の配列方向の双方に向かってタッチ位置が移動するピンチアウトであった場合、前記2箇所で行われた前記タッチ操作の一方を第1タッチ操作、他方を第2タッチ操作としたとき、前記メダル配列画像(MP,MP2)上において、前記第1タッチ操作の位置から当該第1タッチ操作におけるタッチ位置の移動方向側にあるメダル(M)全部と、前記第2タッチ操作の位置から当該第2タッチ操作におけるタッチ位置の移動方向側にあるメダル(M)全部とを前記フィールド(F)に投入する処理を行うようにしてもよい。
【0019】
この構成によれば、プレイヤは、表示画面に表示されているメダル配列画像に対してピンチアウト操作を行うことで、メダルの投入枚数とメダルの投入タイミングとを指示することができる。つまり、1回のピンチアウト操作で、メダルの投入枚数とメダルの投入タイミングの2つを同時に指示することができる。
【0020】
なお、「メダル配列画像におけるメダルの配列方向の双方」とは、例えば、図4に示すメダル配列画像MPであれば、図中左右方向がメダルMの配列方向となるので、右方向と左方向の両方である。また、図15に示すメダル配列画像MPであれば、図中上下方向がメダルMの配列方向となるので、上方向と下方向の両方である。また、メダルの投入枚数を決定する場合の基準となる「第1タッチ操作の位置」は、第1タッチ操作におけるタッチ位置の始点を用いることが好適であるが、これに限らずタッチ位置の中点等を用いてもよい。同様に、メダルの投入枚数を決定する場合の基準となる「第2タッチ操作の位置」についても、第2タッチ操作におけるタッチ位置の始点を用いることが好適であるが、これに限らずタッチ位置の中点等を用いてもよい。
【0021】
また、上述したビデオゲーム装置(1)において、前記フィールド(F)に対してメダル(M)を投入する投入位置が2箇所設けられ、前記処理部(10)は、前記検出部(10,70)が検出したタッチ操作の位置が前記メダル配列画像(MP,MP2)上であって、かつ前記タッチ操作の種類がタップであった場合、前記タッチ操作の位置に応じていずれか1箇所以上の前記投入位置を選択し、選択した1箇所以上の前記投入位置の各々から1枚のメダル(M)を投入する処理を行うようにしてもよい。
【0022】
この構成によれば、プレイヤは、表示画面に表示されているメダル配列画像に対してタップ操作を行うことで、メダルを投入する投入位置と、メダルの投入枚数(1枚)と、メダルの投入タイミングとを指示することができる。つまり、1回のタップ操作で、メダルを投入する投入位置と、メダルの投入枚数(1枚)と、メダルの投入タイミングの3つを同時に指示することができる。
なお、「フィールドに対してメダルを投入する投入位置」とは、例えば、図4に示すメダル投入レール150R,150Lの先端部の位置や、図14に示すメダル投入口170R,170Lの位置である。
【0023】
なお、前記処理部は、前記検出部が検出したタッチ操作の位置が前記メダル配列画像上であった場合、前記メダル配列画像上における前記タッチ操作の位置と前記タッチ操作の種類とに基づいて、前記投入可能な複数枚のメダルのうち前記フィールドに投入するメダルの枚数を決定し、決定した枚数のメダルを前記フィールドに投入する処理を行ってもよい。つまり、タッチ操作の位置が同じであってもタッチ操作の種類が異なれば、フィールドに投入するメダルの枚数を変えてもよい。具体的には、例えば、メダル配列画像上におけるタッチ位置の始点が同じであっても、表示画面にタッチしてからフリック操作やドラッグ操作に移行すれば、複数枚のメダルをフィールドに投入するようにし、タッチ操作の種類がタップであれば1枚のメダルをフィールドに投入するようにすることができる。
【0024】
また、前記タッチ位置の移動方向が前記配列方向のうち一方の場合と他方の場合とで、前記フィールド(F)に対してメダル(M)を投入する投入位置が異なってもよい。
この構成によれば、プレイヤは、表示画面に表示されているメダル配列画像に対してタッチ操作(フリック、ドラッグ、ピンチアウト)を行うことで、メダルを投入する投入位置と、メダルの投入枚数と、メダルの投入タイミングとを指示することができる。つまり、1回のタッチ操作で、メダルを投入する投入位置と、メダルの投入枚数と、メダルの投入タイミングの3つを同時に指示することができる。なお、「フィールドに対してメダルを投入する投入位置」については上述した通りである。
【0025】
また、上述したビデオゲーム装置(1)において、前記処理部(10)は、さらに、前記タッチ位置の移動速度を特定し、特定した移動速度に基づいて前記フィールド(F)に投入するメダル(M)の投入速度を決定してもよい。この場合、前記処理部(10)は、物理計算によるシミュレーションを行って前記フィールド(F)上の複数のメダル(M)の各々の位置を算出する演算部(10,95)をさらに備え、前記演算部(10,95)は、前記投入速度をパラメータの1つとして使用し、前記フィールド(F)上におけるメダル(M)の投入位置を算出する。
【0026】
これらの構成によれば、プレイヤは、フリック操作やドラッグ操作を行う際の指先やペン先のスピードを変えることで、メダルの投入速度を指示することができる。また、メダルの投入速度によってフィールド上におけるメダルの投入位置が変化するので、プレイヤは、フリック操作やドラッグ操作を行う際の指先やペン先のスピードを変えることで、フィールド上におけるメダルの投入位置を調整することができる。
【0027】
また、上述したビデオゲーム装置(1)において、前記フィールド(F)に対してメダル(M)を投入する投入位置を表す投入位置画像(150,150R,150L,170R,170L)を前記表示画面(D)に表示する投入位置画像表示部(10,60)をさらに備え、前記処理部(10)は、前記検出部(10,70)が検出したタッチ操作の位置が前記投入位置画像(150,150R,150L,170R,170L)上であった場合、タッチ操作に基づいて、前記投入位置画像(150,150R,150L,170R,170L)の表示位置と前記投入位置とを変更することを特徴とする。
【0028】
この構成によれば、プレイヤは、表示画面に表示されている投入位置画像に対してタッチ操作を行うことで、フィールドに対するメダルの投入位置を変更(調整)することができる。なお、「投入位置画像」として、例えば、図4に示すメダル投入レール150R,150Lの画像や、図14に示すメダル投入口170R,170Lの画像の他、メダル投入器の画像を挙げることができる。
【0029】
また、本発明に係るプログラム(90)は、複数のメダル(M)が置かれると共に往復運動するプッシャーテーブル(120)を備えたフィールド(F)にメダル(M)を投入して遊技を行うプッシャーゲームをビデオゲームとして実行するためのプログラム(90)であって、コンピュータを、前記プッシャーゲームのゲーム処理を行う処理部(10)、前記処理部(10)の処理結果に応じて、前記フィールド(F)上の複数のメダル(M)および前記プッシャーテーブル(120)の状態を表すゲーム画像(GP)を表示画面(D)に表示するゲーム画像表示部(10,60)、前記フィールド(F)に投入可能な複数枚のメダル(M)を列状に並べたメダル配列画像(MP,MP1,MP2)を前記表示画面(D)に表示するメダル画像表示部(10,60)、前記表示画面(D)に対するタッチ操作の位置を検出する検出部(10,70)として機能させ、前記処理部(10)は、前記検出部(10,70)が検出したタッチ操作の位置が前記メダル配列画像(MP,MP1,MP2)上であった場合、前記メダル配列画像(MP,MP1,MP2)上における前記タッチ操作の位置に基づいて、前記投入可能な複数枚のメダル(M)のうち前記フィールド(F)に投入するメダル(M)の枚数を決定し、決定した枚数のメダル(M)を前記フィールド(F)に投入する処理を行うことを特徴とする。
【0030】
以上の構成によれば、本発明に係るビデオゲーム装置(1)と同様の作用効果を奏する。なお、本発明に係るプログラム(90)は、例えば、通信網を介した配信の形態でサーバ等から提供されてコンピュータにインストールされる他、コンピュータが読取可能な記録媒体に記録された形態で利用者に提供されてコンピュータにインストールされる。また、本発明に係るプログラム(90)は、コンピュータに備わるメモリに予めプリインストールされていてもよい。また、本発明は、前述の各態様に係るビデオゲーム装置(1)としてコンピュータを機能させるためのプログラム(90)としても特定される。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、メダルの投入に関する指示を少ないタッチ操作で的確に行えるようにすることができる。よって、ビデオプッシャーゲームの操作性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明を適用したスマートフォンの外観を示す斜視図である。
【図2】スマートフォンのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】プッシャーゲームの概容を説明するための図である。
【図4】スマートフォンで行われるプッシャーゲームの画面表示例を示す図である。
【図5】メダル投入処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】メダル配列画像に対するタッチ操作の具体例(ドラッグ)を示す図である。
【図7】メダル配列画像に対するタッチ操作の具体例(タップ)を示す図である。
【図8】メダル投入位置変更処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】メダル投入レールの位置を変更する場合について説明するための図である。
【図10】メダル投入処理の変形例(タップ)を説明するための図である。
【図11】メダル投入処理の変形例(ピンチアウト)を説明するための図である。
【図12】プッシャーゲームの画面表示例(変形例)を示す図である。
【図13】プッシャーゲームの画面表示例(変形例)を示す図である。
【図14】プッシャーゲームの画面表示例(変形例)を示す図である。
【図15】プッシャーゲームの画面表示例(変形例)を示す図である。
【図16】プッシャーゲームの画面表示例(変形例)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
<1.実施形態>
図1は、本発明を適用したスマートフォン1の外観を示す斜視図である。
スマートフォン1の前面には表示画面Dが設けられている。また、表示画面Dの表面には、その全面を覆うようにタッチパネル70が貼り付けられている。タッチパネル70は、例えば静電容量方式(投影型)のものを採用することができる。この場合、タッチパネル70は、表面全体に電界を形成し、指が触れた部分の表面電荷(静電容量)の変化を捉えてタッチ位置を検出する。
【0034】
図2は、スマートフォン1のハードウェア構成を示すブロック図である。
スマートフォン1は、CPU10と、ROM20と、RAM30と、通話処理部40と、通信部50と、ディスプレイ60と、タッチパネル70と、不揮発性メモリ80とを備える。CPU10は、ROM20や不揮発性メモリ80に記憶されている各種のプログラムを実行することでスマートフォン1の各部を制御する。ROM20にはブートプログラム等が記憶されている。RAM30はCPU10のワークエリア等として利用される。通話処理部40は、マイクロフォン、スピーカ、音声処理部等を備え、通話処理を行う。通信部50は、移動体通信網や無線LAN網等を介してサーバや他の携帯電話機と通信を行う。ディスプレイ60は、例えば液晶表示パネルとその表示制御を行う駆動回路とを備える。
【0035】
タッチパネル70は、例えば、ガラスやプラスチック等の絶縁体で形成された絶縁層と、X方向に配列された複数の透明電極パターンとY方向に配列された複数の透明電極パターンとが形成された電極層と、演算処理用のICを搭載した基板層とを備える。タッチパネル70は、表示画面D上におけるタッチ位置(XY座標値)を検出し、検出したタッチ位置を示す位置情報をCPU10に出力する。CPU10は、タッチパネル70からの位置情報に基づいて、タッチ位置の移動方向や、タッチ操作の種類等を検出する。なお、検出可能なタッチ操作の種類には、例えば、タップ、フリック、ドラッグ、ピンチ等が含まれる。タップは、表示画面Dを指で軽く叩く操作である。フリックは、表示画面Dを指で軽く払う操作である。ドラッグは、指を表示画面Dに接触させた状態のまま動かす操作である。ピンチは、2本の指を表示画面Dに接触させた状態のまま広げたり狭めたりする操作である。
【0036】
不揮発性メモリ80には、プッシャーゲームをビデオゲームとして実行することが可能なゲームソフトウェア90が記憶されている。このゲームソフトウェア90には、物理演算エンジン95が搭載されている。また、このゲームソフトウェア90は、例えば、移動体通信網や無線LAN網等を介してサーバからダウンロードされて不揮発性メモリ80にインストールされる。なお、ゲームソフトウェア90は、メモリカード等に記録されてユーザ(プレイヤ)に提供され不揮発性メモリ80にインストールされてもよいし、予め不揮発性メモリ80にプリインストールされていてもよい。
【0037】
図3は、プッシャーゲームの概容を説明するための説明図である。
なお、ここでは、ゲームセンター等に置かれているプッシャーゲーム機(実機)の場合を例に説明を行う。メインテーブル110’は、略水平に固定された板状の部材である。プッシャーテーブル120’は、メインテーブル110’上に配置された台状の部材であり、図中手前側に位置するプレイヤからみて前後の方向に往復運動を行う。プッシャーテーブル120’の往復運動は、例えば一定の移動速度で繰り返し行われる。
【0038】
プッシャーテーブル120’の先端(図中手前側)には傾斜面が形成され、この傾斜面にはメダルM’を検出する3個のメダルチェッカー125’が設けられている。各メダルチェッカー125’は、メダルM’の外形よりもやや小さな円形の検出窓を備え、検出窓の全てを塞ぐようにメダルM’が傾斜面を滑り落ちた場合にメダル検出信号を出力する。また、いずれかのメダルチェッカー125’がメダル検出信号を出力すると、抽選ゲームが行われる。抽選ゲームは、例えば、3つの図柄の組み合わせが所定の当たり役に揃うか否かを競うスロットゲームであり、抽選図柄表示部130’には、スロットゲームに関する表示が行われる。つまり、抽選図柄表示部130’には、3つの図柄の各々について可変表示を開始してから停止するまでの一連の演出表示が行われる。
【0039】
抽選ゲームで所定の当たり役に当選した場合、すなわち抽選図柄表示部130’において可変表示を停止した後の3つの図柄の組み合わせが例えば「777」に揃った場合、メダル供給部140’から予め定められた枚数のメダルM’がフィールドF’上に供給される。フィールドF’は、プッシャーテーブル120’の上面(平坦面+傾斜面)と、メインテーブル110’の上面とで構成される。フィールドF’上には、予め複数枚のメダルM’が無作為に置かれている。また、フィールドF’上には、メダル供給部140’から供給されたメダルM’や、プレイヤが投入したメダルM’が供給される。プレイヤは、メダルシュート等と呼ばれるメダル投入器を操作してフィールドF’上にメダルM’を投入する。この際、プレイヤは、メダル投入器を操作してメダル投入レール150’の先端の位置を調整することができる。プレイヤがメダル投入器を操作して投入したメダルM’は、メダル投入レール150’によってプレイヤが指定した位置へと導かれ、メダル投入レール150’の先端から落下してフィールドF’上に投入される。
【0040】
プッシャーテーブル120’の周囲は、図中手前側を除く3方向が壁面160’で囲まれている。なお、図中奥側の壁面160’の下部には凹部が設けられ、プッシャーテーブル120’が図中奥側に移動すると、プッシャーテーブル120’の先端部(傾斜面)を除く大部分が凹部に収容される。したがって、プレイヤが投入したメダルM’やメダル供給部140’から供給されたメダルM’のうち、プッシャーテーブル120’の上面(平坦面)に供給されたメダルM’は、プッシャーテーブル120’が図中奥側に向かって移動する際に、プッシャーテーブル120’の傾斜面を滑り落ちてメインテーブル110’上に落下する。この際、いずれかのメダルチェッカー125’がメダル検出信号を出力すると、抽選ゲームが開始される。
【0041】
また、プレイヤが投入したメダルM’やメダル供給部140’から供給されたメダルM’のうち、メインテーブル110’の図中奥側(プッシャーテーブル120’の可動範囲内)に供給されたメダルM’や、プッシャーテーブル120’の上面から滑り落ちたメダルM’は、プッシャーテーブル120’が図中手前側に向かって移動する際に、プッシャーテーブル120’によって押し出される。これによりメインテーブル110’上における多数のメダルM’間で玉突き現象が生じ、メインテーブル110’の周縁部にあるメダルM’がメインテーブル110’から落下する。メインテーブル110’のうちメダルM’が落下し得る端部は、図中左右に位置する2つの無効端EB’と、図中手前側に位置する1つの有効端EA’とに区分される。有効端EA’から落下したメダルM’は、プレイヤに払い出される。無効端EB’から落下したメダルM’は、いわゆる「親落ち」となりプレイヤへの払い出しには含まれない。
【0042】
なお、抽選ゲームで所定の当たり役に当選した場合等、メダル供給部140’から多数のメダルM’が供給される場合には、無効端EB’からメダルM’が落下しないよう2つの無効端EB’の外側に壁面が迫り出す。また、フィールドF’上には、通常のメダルM’とは異なる特別なメダルや、ボール等のアイテムが供給される場合がある。特別なメダルは、通常のメダルM’とは異なる外形や色を有し、このメダルを有効端EA’から落下させることで、例えば所定枚数のメダルM’がプレイヤに払い出される。また、メダル以外のアイテム、例えばボールを有効端EA’から落下させると、スロットゲームとは異なる抽選ゲーム(例えば、ルーレットゲームやビンゴゲーム等、ボールを使った抽選ゲーム)が行われる。
【0043】
前述したゲームソフトウェア90は、以上説明したプッシャーゲームをスマートフォン1においてビデオゲームとして実行するものである。また、ゲームソフトウェア90に搭載された物理演算エンジン95は、例えば、以下に記載する各要素をパラメータとして用いた物理計算を行って、プッシャーテーブルの動きや、フィールド上のメダル1枚1枚の位置をシミュレーションしている。このためスマートフォン1では、リアルなゲーム画像を生成し、表示画面Dに表示することができる。
(1)メダルの大きさ、形状、厚さ、重量、摩擦計数。
(2)プッシャーテーブルの大きさ、形状、厚さ、重量、摩擦計数、移動速度。
(3)メインテーブルの大きさ、形状、摩擦計数。
(4)メダル投入レールの先端部の位置。
(5)重力。
【0044】
図4は、スマートフォン1で行われるプッシャーゲームの画面表示例を示す図である。
CPU10およびディスプレイ60は、例えば表示画面Dのうち上側にゲーム画像GPを表示し、下側にメダル配列画像MPを表示する。ゲーム画像GPは、フィールドF上の複数のメダルMやプッシャーテーブル120等の状態を表す画像である。より具体的には、ゲーム画像GPとして、例えば、メインテーブル110、プッシャーテーブル120、3個のメダルチェッカー125、フィールドF上の複数のメダルM、抽選図柄表示領域130、左右2本のメダル投入レール150R,150L、壁面160等の画像が表示される。なお、ゲーム画像GPとしてメダル供給部140’の画像は表示されないが、抽選ゲームで所定の当たり役に当選した場合等には、フィールドF上に多数のメダルMが供給される。また、プレイヤは、左右2本のメダル投入レール150R,150Lを使用してメダルMを投入することができる。
【0045】
一方、メダル配列画像MPは、フィールドFに投入することが可能なメダルMを列状に並べた画像である。同図に示すように表示画面Dには、例えば最大で6枚のメダルMを左右方向に並べたメダル配列画像MPが表示される。この場合、プレイヤの手持ちメダルの総数が6枚以上であれば、6枚のメダルMを並べたメダル配列画像MPが表示される。また、プレイヤの手持ちメダルの総数が5枚以下になると、残りの枚数分のメダルMを並べたメダル配列画像MPが表示される。したがって、プレイヤは、手持ちメダルの枚数が残り僅かになったことをメダル配列画像MPから把握することができる。なお、プレイヤには、手持ちメダルとして、初めてプッシャーゲームを行う場合に所定枚数(例えば100枚)のメダルMが付与される。また、手持ちメダルは、プッシャーゲームでメダルMを獲得すると、獲得した枚数分だけ増える。
【0046】
CPU10は、プッシャーゲームに関するゲーム処理を行い、その処理結果に応じたゲーム画像GPを生成して表示画面Dに表示する。プッシャーゲームに関するゲーム処理には、例えば、以下に記載する各処理が含まれる。
(1)時々刻々と変化するプッシャーテーブル120の位置やフィールドF上の各メダルMの位置を物理演算エンジン95を使用して計算する処理。
(2)メダル配列画像MPへのタッチ操作に基づいて、メダルMの投入枚数や使用するメダル投入レールを決定する処理。
(3)タッチ操作によってメダル投入レール150R,150Lの位置を変更する処理。
(4)抽選ゲームに関する処理。
【0047】
図5は、メダル投入処理の流れを示すフローチャートである。
プレイヤがゲームソフトウェア90を起動してプッシャーゲームを開始すると、タッチパネル70は、CPU10の制御の下、タッチ位置の検出処理を開始する。タッチパネル70は、表示画面Dに対してタッチ操作が行われると、そのタッチ位置(XY座標値)を検出し、位置情報としてCPU10に出力する。CPU10は、タッチパネル70から位置情報が入力されると、同図に示す処理を開始する。
【0048】
メダル投入処理を開始すると、まず、CPU10は、タッチ位置がメダル配列画像MP上であるか否かを判定する(ステップS101)。不揮発性メモリ80には、メダル配列画像MPの表示領域を示す範囲情報として、例えば、メダル配列画像MPの表示領域のうち左上のXY座標値と右下のXY座標値とが記憶されている。CPU10は、この範囲情報が示す矩形領域内にタッチ位置のXY座標値が含まれるか否かを調べることで、タッチ位置がメダル配列画像MP上であるか否かを判定する。ステップS101の判定結果がNOの場合、CPU10はメダル投入処理を終える。
【0049】
一方、ステップS101の判定結果がYESの場合、CPU10は、タッチ操作の種類を判別する(ステップS102,S103)。タッチパネル70は、タッチ位置を逐次検出し、その位置情報をCPU10に出力している。したがって、CPU10は、タッチパネル70から逐次入力される位置情報に基づいて、タッチ位置の軌跡を把握することができる。また、CPU10は、このタッチ位置の軌跡から、フリック、ドラッグ、タップ等といったタッチ操作の種類を判別することができる。CPU10は、タッチ操作の種類がフリックまたはドラッグであった場合は(ステップS102:YES)、ステップS104に進む。また、CPU10は、タッチ操作の種類がタップであった場合は(ステップS103:YES)、ステップS108に進む。また、CPU10は、タッチ操作の種類がフリック,ドラッグ,タップのいずれでもなかった場合は(ステップS103:NO)、メダル投入処理を終える。
【0050】
タッチ操作の種類がフリックまたはドラッグであった場合、CPU10は、タッチ位置の移動方向を特定する(ステップS104)。例えば、プレイヤが図6(A)に示すドラッグ操作を行った場合、CPU10は、タッチ位置の移動方向が右方向であると特定する。また、プレイヤが図6(B)に示すフリック操作を行った場合、CPU10は、タッチ位置の移動方向が左方向であると特定する。なお、図6においてハッチングで示す部分がタッチ位置の軌跡である。また、ステップS104では、タッチ位置の移動方向が真上や真下でない限り、右方向と左方向のいずれかに分類される。
【0051】
この後、CPU10は、タッチ位置の移動方向が右方向または左方向であるか否かを判定する(ステップS105)。CPU10は、タッチ位置の移動方向が左右いずれの方向でもなかった場合(ステップS105:NO)、すなわちタッチ位置の移動方向が真上や真下であった場合は、無効なタッチ操作であると判定してメダル投入処理を終える。一方、タッチ位置の移動方向が右方向または左方向であった場合(ステップS105:YES)、CPU10は、タッチ位置の移動方向に基づいて、メダルMを投入する際に使用するメダル投入レールを選択する(ステップS106)。ここでは、タッチ位置の移動方向が右方向であれば右側のメダル投入レール150Rを選択し、タッチ位置の移動方向が左方向であれば左側のメダル投入レール150Lを選択する。
【0052】
次に、CPU10は、タッチ位置に基づいてメダルMの投入枚数を決定する(ステップS107)。例えば、図6(A)の場合、CPU10は、メダル配列画像MP上において、タッチ位置の始点を基準とし、そこからタッチ位置の移動方向側(右方向)にある全てのメダルMをフィールドFに投入するメダルMとして決定する。したがって、図6(A)の場合、メダルMの投入枚数が4枚に決定される。また、図6(B)の場合も同様であり、CPU10は、メダル配列画像MP上において、タッチ位置の始点を基準とし、そこからタッチ位置の移動方向側(左方向)にある全てのメダルMをフィールドFに投入するメダルMとして決定する。したがって、図6(B)の場合、メダルMの投入枚数が2枚に決定される。
【0053】
つまり、プレイヤが図6(A)に示すドラッグ操作を行った場合、CPU10は、右側のメダル投入レール150Rを使用して4枚のメダルMを投入することを決定する。また、プレイヤが図6(B)に示すフリック操作を行った場合、CPU10は、左側のメダル投入レール150Lを使用して2枚のメダルMを投入することを決定する。
【0054】
また、例えば、プレイヤの手持ちメダルの総数が2枚の場合は、図6(C)に示すように、両端に2枚のメダルMを並べたメダル配列画像MPが表示される。この場合も、CPU10は、タッチ位置の移動方向に基づいてメダル投入レールを選択すると共に、タッチ位置の始点を基準とし、そこからタッチ位置の移動方向側にある全てのメダルMをフィールドFに投入するメダルMとして決定する。したがって、プレイヤが図6(C)に示すドラッグ操作を行った場合、CPU10は、右側のメダル投入レール150Rを使用して2枚のメダルMを投入することを決定する。
【0055】
なお、図6(A)〜図6(C)において、タッチ位置の始点に位置するメダルMは、投入枚数から除外してもよい。この場合、図6(A)では投入枚数が3枚に決定され、図6(B)および図6(C)では投入枚数が1枚に決定される。また、以上の説明ではタッチ位置の始点を基準として投入枚数を決定したが、タッチ位置の始点の代わりにタッチ位置の中点等を用いてもよい。
【0056】
一方、タッチ操作の種類がタップであった場合(ステップS103:YES)、CPU10は、タッチ位置に基づいてメダル投入レールを選択する(ステップS108)。例えば、図7(A)に示すように、メダル配列画像MP上において中心線よりも右側の部分がタップされた場合、CPU10は、右側のメダル投入レール150Rを選択する。また、図7(B)に示すように、メダル配列画像MP上において中心線よりも左側の部分がタップされた場合、CPU10は、左側のメダル投入レール150Lを選択する。また、タップ操作の場合、CPU10は、タッチ位置に係らず、メダルMの投入枚数を1枚に決定する(ステップS109)。
【0057】
つまり、プレイヤが図7(A)に示すタップ操作を行った場合、CPU10は、右側のメダル投入レール150Rを使用して1枚のメダルMを投入することを決定する。また、プレイヤが図7(B)に示すタップ操作を行った場合、CPU10は、左側のメダル投入レール150Lを使用して1枚のメダルMを投入することを決定する。
【0058】
この後、CPU10は、メダルMの投入に関するゲーム画像GPの更新処理を行う(ステップS110)。例えば、プレイヤが図6(A)に示すドラッグ操作を行った場合、CPU10は、右側のメダル投入レール150Rを使用して4枚のメダルMをフィールドFに投入するゲーム画像GPを生成し、表示画面Dに表示する。また、プレイヤが図7(B)に示すタップ操作を行った場合、CPU10は、左側のメダル投入レール150Lを使用して1枚のメダルMをフィールドFに投入するゲーム画像GPを生成し、表示画面Dに表示する。この際、CPU10は、フィールドF上に投入される各メダルMの落下位置を、物理演算エンジン95を使用して計算する。また、このようにしてゲーム画像GPの更新処理を終えると、CPU10はメダル投入処理を終了する。
【0059】
なお、以上の説明から明らかとなるように、CPU10は、タッチパネル70が検出したタッチ操作の位置がメダル配列画像MP上であった場合、タッチ操作の位置やその移動方向等に基づいてメダルMの投入枚数と使用するメダル投入レールとを決定し、その後、直ちにフィールドFに対してメダルMを投入する処理を行う。したがって、メダルMの投入タイミングもメダル配列画像MPに対するタッチ操作に応じて定まる。
【0060】
図8は、メダル投入位置変更処理の流れを示すフローチャートである。
同図に示す処理は、上述したメダル投入処理と同様に、プッシャーゲームの実行中にタッチパネル70から位置情報が入力されると、CPU10により実行される。CPU10は、まず、タッチ位置がメダル投入レール150R,150Lの画像上であるか否かを判定する(ステップS201)。不揮発性メモリ80には、右側のメダル投入レール150Rの表示領域を示す範囲情報と、左側のメダル投入レール150Lの表示領域を示す範囲情報とが記憶されている。CPU10は、これら2つの範囲情報とタッチ位置のXY座標値とを比較することで、タッチ位置がメダル投入レール150R,150Lの画像上であるか否かを判定する。ステップS201の判定結果がNOの場合、CPU10はメダル投入位置変更処理を終える。
【0061】
一方、ステップS201の判定結果がYESの場合、CPU10は、タッチ操作に応じてメダル投入レール150R,150Lの画像の表示位置を変更する(ステップS202)。ここでは、タッチ位置が右側のメダル投入レール150Rの画像上であれば、右側のメダル投入レール150Rの表示位置を変更し、タッチ位置が左側のメダル投入レール150Lの画像上であれば、左側のメダル投入レール150Lの表示位置を変更する。例えば、図9に示すように、プレイヤが図中点線で示す左側のメダル投入レール150Lの先端部をタッチし、斜め右下方向にドラッグ操作を行うと、左側のメダル投入レール150Lの表示位置が図中実線で示す位置に変更される。また、CPU10は、左側のメダル投入レール150Lの表示位置を変更した場合であれば、不揮発性メモリ80に記憶されている左側のメダル投入レール150Lの範囲情報を更新する。
【0062】
なお、メダル投入レール150R,150Lの表示位置の変更はドラッグ操作に限らない。例えば、左側のメダル投入レール150Lの先端部をタップすると、表示位置の変更対象として左側のメダル投入レール150Lを選択し、プレイヤが次にタップした位置に先端部が位置するように左側のメダル投入レール150Lの表示位置が変更されてもよい。また、メダル投入レール150R,150Lの先端部に限らず、メダル投入レール150R,150Lの画像上であれば任意の位置にタッチしてその表示位置を変更することが可能である。
【0063】
次に、CPU10は、表示位置を変更したメダル投入レールの先端部の位置、すなわちフィールドFに対してメダルMを投入する投入位置の情報を更新する(ステップS203)。不揮発性メモリ80には、右側のメダル投入レール150Rの先端部の位置を示す投入位置情報(右側)と、左側のメダル投入レール150Lの先端部の位置を示す投入位置情報(左側)とが記憶されている。例えば、左側のメダル投入レール150Lの表示位置を変更した場合であれば、CPU10は、変更後の左側のメダル投入レール150Lの表示位置に基づいて、不揮発性メモリ80に記憶されている投入位置情報(左側)を変更する。前述したようにメダル投入レール150R,150Lの先端部の位置(投入位置)は、フィールドF上に投入されるメダルMの落下位置を物理演算エンジン95を使用して計算する際に、パラメータの1つとして用いられる。
【0064】
以上説明したように本実施形態によれば、表示画面Dには、フィールドF上の複数のメダルMやプッシャーテーブル120等の状態を表すゲーム画像GPに加え、フィールドFに投入可能な複数枚のメダルMを列状に並べたメダル配列画像MPが表示される。CPU10は、タッチパネル70が検出したタッチ操作の位置がメダル配列画像MP上であった場合、タッチ操作の位置やその移動方向等に基づいて、メダルMの投入枚数と使用するメダル投入レールとを決定し、フィールドFに対してメダルMを投入する処理を行う。
【0065】
したがって、プレイヤは、表示画面Dに表示されているメダル配列画像MPに対してタッチ操作(フリック、ドラッグ、タップ)を行うことで、メダルMの投入枚数と、使用するメダル投入レールと、メダルMの投入タイミングとを指示することができる。つまり、1回のタッチ操作で、メダルMの投入枚数と、使用するメダル投入レールと、メダルMの投入タイミングの3つを同時に指示することができる。よって、メダルMの投入に関する指示を少ないタッチ操作で的確に行うことが可能となり、ビデオプッシャーゲームの操作性を高めることができる。また、狙った投入タイミングを逃さずに複数枚のメダルMを一度に投入することができる。
【0066】
また、本実施形態によれば、プレイヤは、表示画面Dに表示されているメダル投入レール150R,150Lの画像に対してタッチ操作を行うことで、メダル投入レール150R,150Lの位置を変更し、フィールドF上に投入されるメダルMの落下位置を調整することができる。
【0067】
<2.変形例>
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下の変形が可能である。また、以下に示す2以上の変形を適宜組み合わせることもできる。
【0068】
[変形例1]
図10に示すようにメダル配列画像MPの中央に中央領域CFを設け、CPU10は、中央領域CF内がタップされた場合は、左右両方のメダル投入レール150R,150Lを使用して互いに1枚ずつメダルMを同時に投入することを決定してもよい。なお、この場合、CPU10は、メダル配列画像MPのうち中央領域CFよりも右側の部分がタップされた場合は、右側のメダル投入レール150Rを使用して1枚のメダルMを投入することを決定し、メダル配列画像MP上のうち中央領域CFよりも左側の部分がタップされた場合は、左側のメダル投入レール150Lを使用して1枚のメダルMを投入することを決定する。この場合、中央領域CF内をタップすることで、左右両方のメダル投入レール150R,150Lを使用した2枚のメダルMの同時投入を指示することができる。また、タップ操作はシングルタップが好適であるがダブルタップであってもよい。
【0069】
[変形例2]
ピンチアウトによってメダルMの投入を指示できるようにしてもよい。図11に示すようにピンチアウトは、2本の指を表示画面Dに接触させた状態のまま広げる操作である。この場合、CPU10は、メダル配列画像MP上においてタッチ操作が同時に2箇所で行われ、かつ、タッチ位置の移動方向が互いに逆方向でしかもタッチ位置が次第に離れていくという条件が成立した場合に、タッチ操作の種類がピンチアウトであると判別する。また、CPU10は、タッチ位置の移動方向が右側と左側の両方であった場合に、有効な操作であると判定する。また、CPU10は、有効であると判定したピンチアウト操作に基づいて、右側のメダル投入レール150Rを使用して投入するメダルMの枚数と、左側のメダル投入レール150Lを使用して投入するメダルMの枚数とを決定する。
【0070】
例えば、図11の場合、CPU10は、ピンチアウト操作で使用した2本の指のうち、一方の指による図中右方向へのタッチ操作に基づいて、右側のメダル投入レール150Rを使用して4枚のメダルMを投入することを決定し、他方の指による図中左方向へのタッチ操作に基づいて、左側のメダル投入レール150Lを使用して2枚のメダルMを投入することを決定する。また、CPU10は、右側のメダル投入レール150Rを使用した4枚のメダルMの投入と、左側のメダル投入レール150Lを使用した2枚のメダルMの投入とを同時に行うことを決定する。この場合、プレイヤは、ピンチアウト操作を行うことで、左右両方のメダル投入レール150R,150Lを使用した複数枚のメダルMの同時投入を指示することができる。なお、ピンチアウト操作の場合も、メダルMの投入枚数を決定する場合の基準となるタッチ位置は、タッチ位置の始点に限らず、タッチ位置の中点等を用いてもよい。また、タッチ位置の始点に位置するメダルMは、投入枚数から除外してもよい。
【0071】
[変形例3]
CPU10は、タッチ操作の種類がフリックやドラッグであった場合、タッチ位置の移動速度を特定し、特定した移動速度に基づいて、フィールドFに投入するメダルMの投入速度を決定してもよい。タッチパネル70は位置情報(タッチ位置)を逐次出力しているので、CPU10は、タッチ位置の軌跡について単位時間当たりの移動量を算出することで、タッチ位置の移動速度を特定することができる。また、CPU10は、タッチ位置の移動速度が大きい程、メダルMの投入速度を大きな値に決定する。メダルMの投入速度は、フィールドF上に投入されるメダルMの落下位置を物理演算エンジン95を使用して計算する際に、メダル投入レール150R,150Lの先端部の位置等と共に、パラメータの1つとして用いられる。
【0072】
この場合、メダル投入レール150R,150Lの位置が固定されていても、メダルMの投入速度が異なれば、フィールドF上に投入されるメダルMの落下位置が変化する。例えば、メダルMの投入速度が大きければ、メダル投入レール150R,150Lの先端部の位置から離れた位置にメダルMが落下し、メダルMの投入速度が小さければ、メダル投入レール150R,150Lの先端部の位置の近くにメダルMが落下する。したがって、プレイヤは、メダル投入レール150R,150Lの位置を変更してメダルMの落下位置を調整することの他に、フリック操作やドラッグ操作を行う際の指先のスピードを変えることで、メダルMの落下位置を調整することができる。
【0073】
[変形例4]
図12(A)に示すようにメダル投入レール150は1つであってもよい。この場合、メダル配列画像MPに対する図中右方向へのフリック操作やドラッグ操作で決定された枚数のメダルMや、メダル配列画像MPに対する図中左方向へのフリック操作やドラッグ操作で決定された枚数のメダルMは、いずれもメダル投入レール150を使用して投入される。また、ピンチアウト操作の場合は、ピンチアウト操作で使用した2本の指のうち、一方の指による図中右方向へのタッチ操作で決定された枚数のメダルMと、他方の指による図中左方向へのタッチ操作で決定された枚数のメダルMとがメダル投入レール150を使用して同時に投入される。つまり、ピンチアウト操作の場合は、2本の指の各々で指示された枚数を合計した枚数のメダルMがメダル投入レール150を使用して投入される。このようにメダル投入レール150が1つの場合は、メダル配列画像MPに対するタッチ操作に基づいて、メダルMの投入枚数とメダルMの投入タイミングとが決定される。
【0074】
また、図12(B)に示すように、CPU10は、メダル配列画像MP1に対するフリック操作やドラッグ操作のうち、図中右方向へのフリック操作やドラッグ操作のみを有効な操作として受け付け、図中左方向へのフリック操作やドラッグ操作については無効な操作として排除するようにしてもよい。つまり、メダル配列画像MP1におけるメダルの配列方向のうち予め定められた一方に向かってタッチ位置が移動するフリック操作やドラッグ操作のみを有効な操作として受け付けるようにしてもよい。なお、この場合も、メダルMの投入枚数を決定する場合の基準となるタッチ位置は、タッチ位置の始点に限らず、タッチ位置の中点等を用いてもよい。また、タッチ位置の始点に位置するメダルMは、投入枚数から除外してもよい。
【0075】
なお、図12(B)の場合は、メダル配列画像MP1上のいずれかでタップ操作を行うと、CPU10は、メダル投入レール150を使用して1枚のメダルMを投入することを決定する。また、図12(B)の場合は、タップ操作で2枚以上のメダルMの投入を指示することができる。例えば、図12(B)に示すメダル配列画像MP1上において、右側から3番目のメダルMがタップされた場合、CPU10は、メダル投入レール150を使用して3枚のメダルMを投入するよう決定することができる。また、メダル配列画像MP1上において左端のメダルMがタップされた場合、CPU10は、メダル投入レール150を使用して6枚のメダルMを投入するよう決定することができる。
【0076】
[変形例5]
表示画面Dにおいて、メダル配列画像MP,MP1が上側に表示され、ゲーム画像GPが下側に表示されてもよい。また、図13に示すように、表示画面Dの右端と左端の両方にメダル配列画像MP1を表示してもよい。この場合、右端のメダル配列画像MP1へのタッチ操作で決定された枚数のメダルMは、右側のメダル投入レール150Rを使用して投入される。また、左端のメダル配列画像MP1へのタッチ操作で決定された枚数のメダルMは、左側のメダル投入レール150Lを使用して投入される。なお、図13の場合、CPU10は、各メダル配列画像MP1へのフリック操作やドラッグ操作のうち、図中下方向へのフリック操作やドラッグ操作のみを有効な操作として受け付ける。
【0077】
また、図13の場合、例えば、右端のメダル配列画像MP1上において、下から4番目のメダルMを始点として図中下方向にドラッグ操作を行うと、CPU10は、右側のメダル投入レール150Rを使用して4枚のメダルMを投入することを決定する。また、左端のメダル配列画像MP1上でタップ操作を行うと、CPU10は、左側のメダル投入レール150Lを使用して1枚のメダルMを投入することを決定する。なお、図13の場合も、上述した変形例4で説明したように、タップ操作で2枚以上のメダルMの投入を指示することができる。また、右端のメダル配列画像MP1を右側のメダル投入レール150Rと平行になるように斜めに表示し、左端のメダル配列画像MP1を左側のメダル投入レール150Lと平行になるように斜めに表示してもよい。
【0078】
[変形例6]
図14に示すように、CPU10およびディスプレイ60は、メダル投入レール150R,150Lの代わりにメダル投入口170R,170Lを表示してもよい。この場合、メダル配列画像MPに対して図中右方向へのフリック操作やドラッグ操作を行うと、これらの操作で決定された枚数のメダルMが右側のメダル投入口170RからフィールドF上に投入される。また、メダル配列画像MPに対して図中左方向へのフリック操作やドラッグ操作を行うと、これらの操作で決定された枚数のメダルMが左側のメダル投入口170LからフィールドF上に投入される。また、メダル投入レール150R,150Lの場合と同様に、タッチ操作によってメダル投入口170R,170Lの位置を左右や上下に変更することができる。
【0079】
また、メダル投入口170R,170Lは、2つでなく1つであってもよい。この場合は、上述した変形例4で説明したように、メダル配列画像MPに対する図中右方向へのフリック操作やドラッグ操作で決定された枚数のメダルMや、メダル配列画像MPに対する図中左方向へのフリック操作やドラッグ操作で決定された枚数のメダルMは、いずれも同じメダル投入口から投入されることになる。また、ピンチアウト操作の場合は、2本の指の各々で指示された枚数を合計した枚数のメダルMが同じメダル投入口から投入される。
【0080】
また、必ずしもメダル投入レール150R,150Lやメダル投入口170R,170Lを表示する必要はない。メダル投入レール150R,150Lやメダル投入口170R,170Lを表示しなくても、メダル投入レール150R,150Lの先端部に相当する位置や、メダル投入口170R,170Lに相当する位置から、タッチ操作で指示された枚数のメダルMをフィールドF上に投入すればよい。
【0081】
[変形例7]
スマートフォン1では、自動回転機能をオンに設定すると、内蔵された加速度センサで本体(スマートフォン1)の傾きを検出し、本体を横にすると表示画面Dに表示されている表示データも自動的に横向きにし、本体を縦に戻すと表示画面Dに表示されている表示データも自動的に縦向きに戻す。例えば、縦向きの場合は、図4に示したように、表示画面Dのうち上側にゲーム画像GPを表示し、下側にメダル配列画像MPを表示する。これに対し、横向きの場合は、ゲーム画像GPとメダル配列画像MPの両方を90度回転させて表示してもよいが、例えば、図15に示すように、ゲーム画像GPだけを90度回転させて表示し、メダル配列画像MPについては縦向きの場合と同じにしてもよい。
【0082】
図15の場合、メダル配列画像MPに対する図中上方向へのフリック操作やドラッグ操作で決定された枚数のメダルMは、左側のメダル投入レール150Lを使用して投入される。また、メダル配列画像MPに対する図中下方向へのフリック操作やドラッグ操作で決定された枚数のメダルMは、右側のメダル投入レール150Rを使用して投入される。また、ピンチアウト操作の場合は、ピンチアウト操作で使用した2本の指のうち、一方の指による図中上方向へのタッチ操作で決定された枚数のメダルMが、左側のメダル投入レール150Lを使用して投入され、他方の指による図下左方向へのタッチ操作で決定された枚数のメダルMが、右側のメダル投入レール150Rを使用して投入される。なお、横向きの場合にメダル配列画像MPを90度回転させて表示する場合には、縦向きの場合よりもメダル配列画像MPにおけるメダルの最大配列枚数を増やすことができる。
【0083】
[変形例8]
メダル配列画像MP,MP1は、フィールドFに投入可能なメダルMを1列でなく複数列に並べた画像であってもよい。例えば、フィールドFに投入可能なメダルMを2列に並べたメダル配列画像MP2を図16に示す。同図に示すメダル配列画像MP2上において、例えば、図中上列の右側から2番目目のメダルMを始点として図中右方向にドラッグ操作が行われると、CPU10は、右側のメダル投入レール150Rを使用して8枚のメダルMを投入することを決定する。また、図中下列の右側から3番目目のメダルMを始点として図中左方向にフリック操作が行われると、CPU10は、左側のメダル投入レール150Lを使用して10枚のメダルMを投入することを決定する。また、メダル配列画像MP2上において図中上列がタップされると、CPU10は、左側のメダル投入レール150Lを使用して1枚のメダルMを投入することを決定する。一方、メダル配列画像MP2上において図中下列がタップされると、CPU10は、右側のメダル投入レール150Rを使用して1枚のメダルMを投入することを決定する。また、ピンチアウト操作の場合、例えば、ピンチアウト操作で使用した2本の指のうち、一方の指による図中左方向へのタッチ操作が図中上列の右側から3番目目のメダルMを始点として行われ、他方の指による図中右方向へのタッチ操作が図中上列の右側から2番目目のメダルMを始点として行われた場合、CPU10は、左側のメダル投入レール150Lを使用した4枚のメダルMの投入と、右側のメダル投入レール150Rを使用した8枚のメダルMの投入とを同時に行うことを決定する。
【0084】
[変形例9]
メダル配列画像MP,MP1,MP2において、メダルMの最大配列枚数は6枚や12枚に限らず2枚以上であればよい。メダルMの形状は円形に限らず楕円や多角形等であってもよい。プッシャーテーブル120は、一定の移動速度で往復運動を行う態様に限らず、移動速度を変化させながら往復運動を行ってもよい。また、プッシャーテーブル120の上面にはメダルMを投入できない構成であってもよい。この場合、フィールドFは、メインテーブル110の上面のみで構成される。
【0085】
[変形例10]
本発明に係るビデオゲーム装置は、タッチ入力機能を備えた電子機器であればよく、例えば、タブレットPC、ノート型パソコン、PDA、携帯型ゲーム端末等であってもよい。また、本発明に係るビデオゲーム装置は、パソコン本体とタッチパネル付きディスプレイ、あるいは家庭用ゲーム機本体とタッチパネル付きディスプレイで構成されてもよい。タッチパネル70は、例えば、抵抗膜方式、静電容量方式(表面型)、電磁誘導方式、表面弾性波方式、赤外線方式等であってもよく、タッチ操作は専用のタッチペン等を用いて行われてもよい。
【符号の説明】
【0086】
1…スマートフォン、D…表示画面、10…CPU、20…ROM、30…RAM、40…通話処理部、50…通信部、60…ディスプレイ、70…タッチパネル、80…不揮発性メモリ、90…ゲームソフトウェア、95…物理演算エンジン、M’,M…メダル、F’,F…フィールド、110’,110…メインテーブル、EA’,EA…有効端、EB’,EB…無効端、120’,120…プッシャーテーブル、125’,125…メダルチェッカー、130’…抽選図柄表示部、130…抽選図柄表示領域、140’…メダル供給部、150’,150,150L,150R…メダル投入レール、160’,160…壁面、GP…ゲーム画像、MP,MP1,MP2…メダル配列画像、CF…中央領域、170L,170R…メダル投入口。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のメダルが置かれると共に往復運動するプッシャーテーブルを備えたフィールドにメダルを投入して遊技を行うプッシャーゲームをビデオゲームとして実行するビデオゲーム装置であって、
表示画面と、
前記プッシャーゲームのゲーム処理を行う処理部と、
前記処理部の処理結果に応じて、前記フィールド上の複数のメダルおよび前記プッシャーテーブルの状態を表すゲーム画像を前記表示画面に表示するゲーム画像表示部と、
前記フィールドに投入可能な複数枚のメダルを列状に並べたメダル配列画像を前記表示画面に表示するメダル画像表示部と、
前記表示画面に対するタッチ操作の位置を検出する検出部とを備え、
前記処理部は、前記検出部が検出したタッチ操作の位置が前記メダル配列画像上であった場合、前記メダル配列画像上における前記タッチ操作の位置に基づいて、前記投入可能な複数枚のメダルのうち前記フィールドに投入するメダルの枚数を決定し、決定した枚数のメダルを前記フィールドに投入する処理を行う
ことを特徴とするビデオゲーム装置。
【請求項2】
前記検出部は、前記タッチ操作の種類をさらに検出し、
前記処理部は、前記検出部が検出したタッチ操作の位置が前記メダル配列画像上であって、かつ、前記タッチ操作の種類が、前記メダル配列画像におけるメダルの配列方向のうち予め定められた一方に向かってタッチ位置が移動するフリックまたはドラッグであった場合、前記メダル配列画像上において前記タッチ操作の位置から前記一方の側にあるメダル全部を前記フィールドに投入する処理を行う
ことを特徴とする請求項1に記載のビデオゲーム装置。
【請求項3】
前記処理部は、さらに、前記検出部が検出したタッチ操作の位置が前記メダル配列画像上であって、かつ前記タッチ操作の種類がタップであった場合、1枚のメダルを前記フィールドに投入する処理を行う
ことを特徴とする請求項2に記載のビデオゲーム装置。
【請求項4】
前記検出部は、前記タッチ操作の種類をさらに検出し、
前記処理部は、前記検出部が検出したタッチ操作の位置が前記メダル配列画像上であって、かつ、前記タッチ操作の種類が、前記メダル配列画像におけるメダルの配列方向のうちいずれか一方に向かってタッチ位置が移動するフリックまたはドラッグであった場合、前記メダル配列画像上において前記タッチ操作の位置からタッチ位置の移動方向側にあるメダル全部を前記フィールドに投入する処理を行う
ことを特徴とする請求項1に記載のビデオゲーム装置。
【請求項5】
前記検出部は、前記タッチ操作の種類をさらに検出し、
前記処理部は、前記検出部が検出したタッチ操作の位置が前記メダル配列画像上の2箇所であって、かつ、前記タッチ操作の種類が、前記メダル配列画像におけるメダルの配列方向の双方に向かってタッチ位置が移動するピンチアウトであった場合、前記2箇所で行われた前記タッチ操作の一方を第1タッチ操作、他方を第2タッチ操作としたとき、前記メダル配列画像上において、前記第1タッチ操作の位置から当該第1タッチ操作におけるタッチ位置の移動方向側にあるメダル全部と、前記第2タッチ操作の位置から当該第2タッチ操作におけるタッチ位置の移動方向側にあるメダル全部とを前記フィールドに投入する処理を行う
ことを特徴とする請求項1に記載のビデオゲーム装置。
【請求項6】
前記フィールドに対してメダルを投入する投入位置が2箇所設けられ、
前記処理部は、前記検出部が検出したタッチ操作の位置が前記メダル配列画像上であって、かつ前記タッチ操作の種類がタップであった場合、前記タッチ操作の位置に応じていずれか1箇所以上の前記投入位置を選択し、選択した1箇所以上の前記投入位置の各々から1枚のメダルを投入する処理を行う
ことを特徴とする請求項4または5に記載のビデオゲーム装置。
【請求項7】
前記タッチ位置の移動方向が前記配列方向のうち一方の場合と他方の場合とで、前記フィールドに対してメダルを投入する投入位置が異なる
ことを特徴とする請求項4乃至6のうちいずれか1項に記載のビデオゲーム装置。
【請求項8】
前記処理部は、さらに、前記タッチ位置の移動速度を特定し、特定した移動速度に基づいて前記フィールドに投入するメダルの投入速度を決定する
ことを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載のビデオゲーム装置。
【請求項9】
前記処理部は、物理計算によるシミュレーションを行って前記フィールド上の複数のメダルの各々の位置を算出する演算部をさらに備え、
前記演算部は、前記投入速度をパラメータの1つとして使用し、前記フィールド上におけるメダルの投入位置を算出する
ことを特徴とする請求項8に記載のビデオゲーム装置。
【請求項10】
前記フィールドに対してメダルを投入する投入位置を表す投入位置画像を前記表示画面に表示する投入位置画像表示部をさらに備え、
前記処理部は、前記検出部が検出したタッチ操作の位置が前記投入位置画像上であった場合、タッチ操作に基づいて、前記投入位置画像の表示位置と前記投入位置とを変更する
ことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載のビデオゲーム装置。
【請求項11】
複数のメダルが置かれると共に往復運動するプッシャーテーブルを備えたフィールドにメダルを投入して遊技を行うプッシャーゲームをビデオゲームとして実行するためのプログラムであって、
コンピュータを、
前記プッシャーゲームのゲーム処理を行う処理部、
前記処理部の処理結果に応じて、前記フィールド上の複数のメダルおよび前記プッシャーテーブルの状態を表すゲーム画像を表示画面に表示するゲーム画像表示部、
前記フィールドに投入可能な複数枚のメダルを列状に並べたメダル配列画像を前記表示画面に表示するメダル画像表示部、
前記表示画面に対するタッチ操作の位置を検出する検出部として機能させ、
前記処理部は、前記検出部が検出したタッチ操作の位置が前記メダル配列画像上であった場合、前記メダル配列画像上における前記タッチ操作の位置に基づいて、前記投入可能な複数枚のメダルのうち前記フィールドに投入するメダルの枚数を決定し、決定した枚数のメダルを前記フィールドに投入する処理を行う
ことを特徴とするプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−17661(P2013−17661A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153459(P2011−153459)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【特許番号】特許第5033256号(P5033256)
【特許公報発行日】平成24年9月26日(2012.9.26)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】