説明

ビデオプローブの多関節駆動のための遠隔加速度計

【課題】多関節ビデオプローブシステムおよび関連する方法を提供する。
【解決手段】ある領域の画像を取り込み、送信するための多関節ビデオプローブ26を含み、多関節ビデオプローブは、取り込む画像を変えるために動かせる。システムは、ビデオプローブ26を動かすためのユニットを含む。そのユニットは、受け取った動き命令信号を利用して多関節ビデオプローブ26を動かす。システムは、運動を感知し、ビデオプローブ26を動かすためのユニットに動き命令信号を送信するように構成される加速度計58を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオプローブを動かすためのプローブ多関節駆動システムに関し、より詳しくは、遠隔加速度計を含むプローブ多関節駆動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオプローブは、ある領域内のビデオおよび/または画像を撮影するために使用できる。ビデオプローブは、プローブに取り付けたカメラを含むことができる。カメラおよびプローブの一部分は、その領域に挿入されてビデオおよび画像を獲得し、配送することができる。いったん挿入されると、ビデオプローブは、360°の可動域で多関節駆動されてその領域内のいろいろな場所でビデオおよび画像を獲得することができる。ビデオプローブの動きは、オペレーター制御入力ユニットによって制御できる。オペレーター制御入力ユニットは、同時にビデオプローブを動かし、またその領域の画像および/またはビデオも取得するためにジョイスティックおよび/またはボタンを含むことができる。しかしながら、ジョイスティックは、比較的小さな可動域を有し、その結果ジョイスティックの小さな並進は、ビデオプローブの大きな多関節駆動をもたらすことができる。もしユーザーが、ビデオプローブを小さな距離を多関節駆動したいだけならば、ビデオプローブの大きな多関節駆動は、不利なこともある。加えて、ジョイスティックは、ビデオプローブの一貫性のない、一様でない、かつ/または揺れの大きい多関節駆動をもたらすこともある。それ故に、ビデオプローブの制御を強化するためにオペレーター制御入力ユニットの可動域を増加させる方法およびデバイスは、有益であることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0225931号明細書
【発明の概要】
【0004】
次の要約は、本明細書で論じるシステムおよび/または方法のいくつかの態様の基本的理解を提供するために、簡略化した要約を提示する。この要約は、本明細書で論じるシステムおよび/または方法の広範囲の概観ではない。そのようなシステムおよび/または方法のキーとなる/重要な要素を識別するもしくはその範囲を描出することは、意図されていない。それの唯一の目的は、後で提示するより詳細な説明への前置きとしていくつかの概念を簡略化した形で提示することである。
【0005】
一態様によると、本発明は、多関節ビデオプローブシステムを提供する。本システムは、ある領域の画像を取り込み、送信するための多関節ビデオプローブを含む。多関節ビデオプローブは、取り込む画像を変えるために動かせる。本システムは、ビデオプローブを動かすためのユニットを含む。そのユニットは、受け取った動き命令信号を利用して多関節ビデオプローブを動かす。本システムは、運動を感知し、ビデオプローブを動かすためのユニットに動き命令信号を送信するように構成される加速度計を含む。
【0006】
別の態様によると、本発明は、ある領域の画像を取り込み、送信するための多関節ビデオプローブを有するビデオプローブシステムを動作させる方法を提供する。本方法は、加速度計を用いて運動を感知し、感知した運動を示す動き命令信号を送信するステップを含む。本方法は、ビデオプローブを動かすユニットにおいて動き命令信号を利用するステップを含む。本方法は、取り込む画像を変えるために多関節ビデオプローブを動かすステップを含む。
【0007】
本発明の前述および他の態様は、付随する図面を参照して次の説明を読むことで本発明が関係する当業者には明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の態様による例となる多関節ビデオプローブシステムの説明図である。
【図2】図1で示す多関節ビデオプローブシステムの例となるオペレーター制御入力ユニットのブロック図である。
【図3】多関節ビデオプローブシステムの制御/表示ユニットから独立しているが、しかしいろいろな他の部品/デバイスの少なくとも1つに統合されるおよび/またはそれと共用配置される、別の例となるオペレーター制御入力ユニットのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の1つまたは複数の態様を組み込む例となる実施形態が、述べられ、図面で例示される。これらの図示する例は、本発明への制限であることを意図していない。例えば、本発明の1つまたは複数の態様は、他の実施形態でおよび他の種類のデバイスでさえ利用できる。その上、ある専門用語は、本明細書で便宜のためだけに使用され、本発明への制限として受け取るべきでない。さらになお、図面では、同じ参照数字は、同じ要素を指定するために用いられる。
【0010】
図1は、本発明の態様による例となる多関節ビデオプローブシステム10を示す。図示する例となる多関節ビデオプローブシステム10は、オペレーター制御入力ユニット20、プローブ多関節駆動制御/表示ユニット22および多関節ビデオプローブ26を含む。
【0011】
多関節ビデオプローブ26は、周知の構造および構成とすることができる。プローブ26は、細長く、柔軟な構造体を含むことができ、その中でプローブ26の一部分が、動かされかつ/または多関節駆動できる(図1で幻像描画位置によって示すように)。本明細書で図示し、述べるプローブ26は、プローブ26のいろいろな異なる実施形態の一例である。さらなる例では、プローブ26は、より長く、より短く、より太く、より細く、その他である可能性もあると理解すべきである。プローブ26は、実質的に中空部分を有する細長いチューブを含むことができる。中空部分は、プローブ26の全長に沿って部分的にまたは完全に延びることができる。プローブ26の中空部分は、ワイヤー、ケーブル、光ファイバー束、または同様のものを受け入れる大きさとすることができる。それに応じて、プローブ26は、ワイヤーを引っかき傷、裂け目、または同様のものからまた保護もしながら、ワイヤー、多関節駆動ケーブル、光ファイバー束、その他を同時に収納することができる。
【0012】
一般に、多関節ビデオプローブ26は、物理的/視覚的接近可能性に関してある程度の制限を有する領域にビデオプローブを挿入できるように細長い。ビデオプローブ26の細長い部分の長さは、要望通りに変えられてもよい(図1は、不特定長さの概念を伝えるために引き裂き線を示す)。ビデオプローブ26は、プローブの遠位端14に位置するカメラ12または同様の画像取り込みデバイスを有する。ビデオプローブ26が、その上に位置するカメラ12とともに、ある領域(例えば、構造体、デバイス、その他の接近を制限された領域)に挿入されると、カメラは、その領域の画像を取り込むように動作できる。
【0013】
多関節ビデオプローブ26は、曲げる、回転させる、または同様のことなどによって動かすことができる。具体的には、遠位端14は、そこに位置するカメラ12とともに、カメラが異なる方向/方位を指し/向くように、動き、曲がり、回転し、その他をすることができ、その結果カメラ12が取り込む画像を変えることができる。要するに、その領域の異なる部分は、ビデオプローブ26の多関節駆動を用いてカメラ12よって撮影できる。指向/方向付けは、ビデオプローブ26内をそれに沿って制御/表示ユニット22からビデオプローブ26の遠位端まで延びる制御ワイヤーに力を印加するなどのさまざまな機構を用いて達成できる。力は、制御/表示ユニット22内のサーボモーターまたは同様のものを用いて制御ワイヤーに印加できる。遠位端14は、実質的に360°の可動域で画像を獲得できるように操作し/動かすことができることが企図される。
【0014】
制御/表示ユニット22は、そのユニットを容易に扱えるように、あるレベルの人間工学的設計を有してもよいと理解すべきである。制御/表示ユニット22の図示する例は、取っ手部分25を含む。取っ手部分25は、人間の手で握れる大きさおよび形状とすることができる。制御/表示ユニット22は、例えば取っ手部分25にまたはその近くに、ユーザーが情報を制御するおよび/または情報を制御/表示ユニット22に入力することを可能にする1つまたは複数の制御/機能ボタン27を含むことができる。各ボタンに関連する制御/機能は、変えられてもよく、本発明への特定の制限である必要はない。取っ手部分25は、図示する例での構造に限定されず、多数の構成および構造を呈することができると理解すべきである。図示する例では、取っ手部分25は、実質的に長方形であるように示されるが、しかしながら、さらなる例では、取っ手部分25は、いろいろな形状のいずれかを含む可能性もある。同様に、取っ手部分25は、より多いまたはより少ないボタンを含む可能性もあり、さらなる例では、トリガースイッチ、ジョイスティック、または同様のものを含む可能性もある。
【0015】
制御/表示ユニット22は、表示装置24をさらに含む。図示する例では、表示装置24は、取っ手部分25の上に位置する。表示装置24は、スクリーン29およびスクリーン29上に画像を提供するための関連するビデオコントローラ、ドライバー、その他を含む。スクリーン29は、画像を白黒でまたはカラーで表示することができ、多数のサイズおよび形状を呈することができる。スクリーン29は、ビデオコントローラ、ドライバー、その他を用いて、プローブ26中の通信ワイヤーを通じてカメラ12と通信している。それに応じて、表示装置24は、カメラ12から送信される画像搬送信号を受け取ることができ、カメラ12からの画像/ビデオをスクリーン29上に表示することができる。ユーザーは、スクリーン29を観察してカメラ12からのライブ画像を見ることができる。また、制御/表示ユニット22は、ビデオを記録するためならびに/またはビデオを外部の記録および/もしくは観察配置に配送するための構造を含んでもよいことが企図される。図示する例となる表示装置24はまた、1つもしくは複数のボタン、入力デバイス、または同様のものも含む。各ボタンに関連する制御/機能、その他は、変えられてもよく、本発明への特定の制限である必要はない。
【0016】
図示する例では、オペレーター制御入力ユニット20は、制御/表示ユニット22から分離したユニットである。しかしながら、また例でも示すように、オペレーター制御入力ユニット20は、伝送線30を介して制御/表示ユニット22に動作可能に接続される。伝送線30の長さは、要望通りに変えられてもよい(図1は、不特定長さの概念を伝えるために引き裂き線を示す)。オペレーター制御入力ユニット20は、ユーザーが動き制御入力を制御/表示ユニット22に入力してビデオプローブ26の動きを引き起こすことができるようなユーザー入力デバイスである。具体的には、ユーザーは、オペレーター制御入力ユニット20を保持しかつ/または操作してプローブ26の遠位端14の動きを制御することができる。そのため、オペレーター制御入力ユニット20は、動きを制御する「遠隔装置」であると考えることができる。またこれらの線に沿って、オペレーター制御ユニット20は、そのユニットを容易に扱えるように、人間工学的に設計できる。
【0017】
制御/表示ユニット22へのオペレーター制御入力ユニット20命令は、プローブ26の遠位端14の動きのための命令を含む可能性もあるが、限定はされない。オペレーター制御入力ユニット20は、制御入力を提供することができる多数の構造を含むことができる。図示する例では、オペレーター制御入力ユニット20は、入力部32を有するキーパッド56を含む。入力部32は、1つまたは複数の入力部を含む可能性もあり、ユーザーが命令を入力することを可能にするために押すことができる。入力部32は、図示する例に限定されず、必要ならば、より多いまたはより少ない入力部を含むことができる。同様に、入力部32は、ボタンを含むように図示されるが、しかしながらジョイスティック、トリガーボタン、スイッチ、キー、その他などの他の入力部が、企図される。同様に、入力部32は、オペレーター制御入力ユニット20の全体にわたって多数の異なる位置および場所に設けることができ、図示する例に限定されない。
【0018】
ユーザーは、キーパッド56上の入力部32の1つを押してプローブ26の遠位端14の動きをベースにした制御を開始することができる。開始されると、動きをベースにした制御は、ユーザーがオペレーター制御入力ユニット20を動かしてプローブ26の遠位端14を制御することを可能にすることができる。動きをベースにした制御は、オペレーター制御入力ユニット20を通じて多数の方法で開始されてもよい。一例では、ユーザーは、初回に入力部32の1つを押して動きをベースにした制御を始め、二回目に入力部32の1つを押して動きをベースにした制御を止めることができる。そのため、ユーザーが、初回に入力部32の1つを押すと、動きをベースにした制御が、始まる。動きをベースにした制御を止めるために、ユーザーは、二回目に入力部32の1つを押すことができる。別の例では、ユーザーは、入力部32の1つを押しかつ保持して動きをベースにした制御を始めることができ、入力部32の1つを解除して動きをベースにした制御を止めることができる。それに応じて、ユーザーは、入力部32の1つを押しかつ解除することによって、または入力部32の1つを押しかつ保持することによって動きをベースにした制御をいつ始動させ、停止させるかを選択的に選ぶことができる。しかしながら、入力部32を用いた制御は、いくらかの制限、短所または同様のものを有することもある。そのため、本発明の態様によると、オペレーター制御入力ユニット20は、制御入力としてユーザーが与えるオペレーター制御入力ユニットの動き(例えば、ユーザーによる操作)を感知するための加速度計58(図2)を含む。感知した動きは、ビデオプローブ26の動きを制御するために使用される。
【0019】
図2は、オペレーター制御入力ユニット20の部品を機能ブロックとして示し、その機能ブロックは、特定の機能を果たすことができるいろいろな構造のいずれかを表すためであると理解すべきである。加速度計58は、プロセッサ50に動作可能に接続され、それは次に、メモリ54およびキーパッド56に動作可能に接続される。加速度計58、プロセッサ50、メモリ54、その他は、オペレーター制御入力ユニット20内に収納される。プロセッサ50は、伝送線30を介して制御/表示ユニット22に動作可能に接続される。
【0020】
加速度計58は、多方向でのオペレーター制御入力ユニット20の動き/加速度を検出することができる。いったん加速度計58が、オペレーター制御入力ユニット20での運動を検出すると、プロセッサは、感知した動きおよび/または加速度を解釈し、1つまたは複数の対応する制御信号を制御/表示ユニット22に送信し、それは次に、ビデオプローブ26の運動を制御する。加速度計58およびプロセッサ50からの信号は、デジタル信号とすることができる。
【0021】
加速度計58は、運動/加速度を検出するためのいろいろな異なる種類の加速度計を含むことができる。例えば、加速度計58は、三軸加速度計を含む可能性もある。そのような例では、三軸加速度計は、上/下方向(Y軸)、左/右方向(X軸)、および前/後方向(Z軸)を含む、三方向での直線加速度を検出する可能性もある。さらなる例では、加速度計58は、二軸加速度計を含む可能性もある。そのような例では、二軸加速度計は、左/右方向(X軸)および前/後方向(Z軸)を含むが限定されない、二方向での直線加速度を検出する可能性もある。さらに、加速度計58は、単軸加速度計を含む可能性もあり、それは、例えば前/後方向(Z軸)などの単一方向での直線加速度を検出する。さらなる例では、オペレーター制御入力ユニット20は、1つまたは複数の加速度計を含む可能性もある。例えば、多軸加速度計は、異なる方向に向いた複数の単軸加速度計から組み立てられる可能性もある。
【0022】
例となるオペレーター制御入力ユニット20の運動検出およびビデオプローブ26の制御のためにそのようなものを使用することを、次に論じることができる。ユーザーは、入力部32の1つを押して動きをベースにした制御を開始することができる。例えば、ユーザーは、入力部32のある1つを一度押す、または入力部32のある1つを押しかつ保持する可能性もある。動きをベースにした制御がその結果、始まることになり、加速度計58は、オペレーター制御入力ユニット20の初期位置(例えば、垂直方向に関して10°)を検出することができる。加速度計58は、この初期位置をプロセッサ50に伝え、それは、初期位置をメモリ54に保存することができる。オペレーター制御入力ユニット20のいくつかのまたはすべてのその後の運動は、この初期位置に関して測定でき、メモリ54に保存されている運動の最小および最大しきいと比較できる。例えば、ユーザーによる意図的でない揺れは、最少しきいより高くはならず、命令信号と関連しないことになる。それ故に、プローブの遠位端14は、動かないことになる。同様に、オペレーター制御入力ユニット20を落とすなどの大きな動きは、最大しきいよりも高くなり、命令信号と関連しないことになる。それ故に、プローブの遠位端14は、動かないことになる。
【0023】
オペレーター制御入力ユニット20のその後の動きのいくつかまたはすべては、初期位置(例えば、垂直方向に関して10°)に対して比較できる。それに応じて、もしユーザーが、オペレーター制御入力ユニット20を左方向に動かすならば、そのとき加速度計58は、左へのこの動きを感知することができ、左方向への動きに対応する信号をプロセッサ50に送ることができる。同様に、加速度計58は、上方、下方、左方、右方、前方、後方、回転、その他などの、オペレーター制御入力ユニット20のほとんどどんな動きにも対応する信号を検出し、送ることができる。加速度計58は、オペレーター制御入力ユニット20の動きに対応する動きをベースにした制御の間、プロセッサ50に運動信号を連続して送ることができる。
【0024】
プロセッサ50は、加速度計58からのデジタル運動信号および/またはキーパッド56からの入力を受け取って、そのような信号/入力が伝える情報をその上で演算する。プロセッサ50はまた、情報および/またはデータを保存のためにメモリ54に送ることもできる。例えば、プロセッサ50が、オペレーター制御入力ユニット20の初期位置に対応する運動信号を受け取ると、プロセッサ50は、この初期位置をメモリ54に保存することができる。プロセッサ50は次いで、オペレーター制御入力ユニット20のどんなその後の動きもこの初期位置(例えば、垂直方向に関して10°)と比較することができる。それ故に、ボタン作動または同様のものよりはむしろ非常に直観的である、オペレーター制御入力ユニット20全体の運動が、ビデオプローブ26の動きを制御するために使用される。
【0025】
さまざまな追加の特徴が、用いられる可能性もあることが企図される。例えば、プロセッサ50は、運動信号のいくつかを排除しかつ/または無視することによって加速度計58から受け取った運動信号のいくつかを選択的にフィルターで除去することができる。これらの信号は、ユーザーによる無意識の動きに対応する運動信号を含む可能性もある。例えば、オペレーター制御入力ユニット20を保持しているユーザーが完全に静止したままでいることは困難となり、ユーザーの手はしばしば、意図的でない揺れを経験することになる。しかしながら、ユーザーが、オペレーター制御入力ユニット20を保持するとき、加速度計58は、ユーザーの手での意図的でない揺れを検出し、対応する運動信号をプロセッサ50に送信することになる。それに応じて、プロセッサ50は、運動のあるプリセット最小しきいを下回る加速度計58からのどんな信号もフィルターで除去し、無視することができる。
【0026】
プロセッサ50はまた、運動のあるプリセット最大しきいより高くなる加速度計58からのいくつかのまたはすべての信号をフィルターで除去し、無視することもできる。例えば、もしユーザーが、オペレーター制御入力ユニット20を落とすならば、加速度計58は、この意図的でない突然の方向変化を検出し、対応する運動信号をプロセッサ50に送信することができる。この例では、プロセッサ50は、運動のプリセット最大しきいより高くなるこれらの突然の鋭い動きをフィルターで除去し、無視する可能性もある。運動の最小しきいおよび最大しきいは、メモリ54に保存でき、その結果プロセッサ50は、加速度計58からのどんな信号もメモリ54に保存される最小および最大しきいと比較することができる。
【0027】
プロセッサ50は、フィルターで除去されない運動信号を命令と関連付けることができる。具体的には、プロセッサは、加速度計58からの運動信号をプローブ26の遠位端14を多関節駆動するための命令と関連付けるおよび/または対応させることができる。もしオペレーター制御入力ユニット20が、左に動かされるまたは傾けられるならば、加速度計58は、左方向への運動/傾きを感知し、運動信号をプロセッサ50に送信することができる。プロセッサ50は次いで、左方向への運動信号を左方向への命令に関連付けることができる。プロセッサ50は、オペレーター制御入力ユニット20からの信号のいくつかまたはすべてを命令に関連付けることができる。同様に、プロセッサ50は、オペレーター制御入力ユニット20の鋭い傾きまたは左方向に弧を描く動きなどのより大きな動きを示す運動信号を、プローブ26の遠位端14を比較的より大きな距離動かすための命令と関連付けることができる。
【0028】
プロセッサ50は、運動信号に基づいて単一命令または複数の命令を作成することができると理解すべきである。例えば、オペレーター制御入力ユニット20の単一の左方向への動きは、単一運動信号およびそれ故に単一命令を作成する可能性もある。しかしながら、ユーザーは、オペレーター制御入力ユニット20を連続して動かす可能性もあり、その結果加速度計58は、連続的な運動を感知し、1つまたは複数の運動信号を送信する。そのような例では、プロセッサ50は、加速度計58から受け取った運動信号(複数可)に基づいて複数の命令を作成する可能性もある。
【0029】
次に図1および2を参照して、多関節ビデオプローブシステム10の動作を、今から述べることができる。ユーザーは、プローブ26の遠位端14およびカメラ12をある領域に挿入することができる。ユーザーは、その領域内の特定の構造および/または問題を探していてもよい。カメラ12は、その領域の画像および/またはライブストリーミングビデオを制御/表示ユニット22のスクリーン29に表示することができる。スクリーン29は、カメラ12が獲得するように、その領域の実時間ビデオを表示することができる。ユーザーがスクリーン29上で見るものに応答して、ユーザーは、プローブ26を動かし/多関節駆動してカメラ12を動かすことができ、その結果その領域の異なる部分を表示することができる。これを達成するために、ユーザーは、オペレーター制御入力ユニット20の動きをベースにした制御を開始することができる。
【0030】
ユーザーは、オペレーター制御入力ユニット20を動かして、加速度計58にオペレーター制御入力ユニット20の加速度および運動を検出させ、測定させることができる。例えば、ユーザーは、オペレーター制御入力ユニット20をいろいろな方向に傾けることができる、またはオペレーター制御入力ユニット20を横方向に、上下に、前後に、その他に動かすことができる。これらの動きに応答して、加速度計58は、オペレーター制御入力ユニット20の動きと一致する運動信号を作成し、プロセッサ50に送信することができる。プロセッサ50は、これらの運動信号を命令に変換することができ、これらの命令を送信機52によって制御/表示ユニット22に送信することができる。いったん命令が、制御/表示ユニット22によって受け取られると、制御/表示ユニット22は、その命令を利用してプローブ26の遠位端14をそれに応じて動かすことができる。例えば、オペレーター制御入力ユニット20の左方向への傾きは、左方向の命令を作成する可能性もあり、このようにして制御/表示ユニット22に遠位端14を、それ故にカメラ12を左方向に動かす。ユーザーは、カメラ12からの実時間画像をスクリーン29上で観察することができ、オペレーター制御入力ユニット20を動かしかつ/または傾けることによってカメラ12の位置を調節することができる。
【0031】
図示する例は、伝送線30を通じてオペレーター制御入力ユニット20と制御/表示ユニット22との間に接続を有することを理解すべきである。しかしながら、その接続は、送信機などの他の手段を用いてであってもよいことが企図される。制御/表示ユニット22はその結果、オペレーター制御入力ユニット20から送信される命令に応答してその命令を利用してプローブ26を多関節駆動する可能性もある。例えば、もしオペレーター制御入力ユニット20が、左へ傾けられるならば、左方向の命令は、送信機52を用いて制御/表示ユニット22に送信される。制御/表示ユニット22は、この命令を受け取り、この命令を利用してプローブ26を多関節駆動することになる。具体的には、遠位端14は、オペレーター制御入力ユニット20からの命令に従って左方向に多関節駆動できる。
【0032】
また、図示する例は、オペレーター制御入力ユニット20が単独で動かせるようにオペレーター制御入力ユニット20および制御/表示ユニット22を別々に提供することも理解すべきである。しかしながら、オペレーター制御入力ユニット20および制御/表示ユニット22は、単一ユニットに統合されることも企図される。
【0033】
多関節ビデオプローブシステム10は、いろいろな領域および用途で使用できる。多関節ビデオプローブシステム10は、近づき難くかつ/または到達するのが困難な領域で使用できる。ユーザーは、多関節ビデオプローブシステム10を使用し、カメラ12を開口などを通ってその領域に挿入してもよい。カメラ12は、ビデオモニター、コンピュータスクリーン、表示スクリーン、テレビ受信機、または同様のものなどの、その領域の外部の場所に画像を配送することができる。カメラ12を使用できる領域の例は、エンジン、燃料タンク、翼、その他などの航空機部品を含むが限定はされない。さらに、その領域は、車、船、タンク、パイプ、炉、その他を含むが限定されない、非航空機用途を同様に含む可能性もある。
【0034】
本明細書で述べる多関節ビデオプローブシステム10は、多数の異なる構造を含む可能性もある。例えば、多関節ビデオプローブシステム10は、多数の異なるVideoProbe(登録商標)検査システムによる改良として使用される可能性もある。一例では、多関節ビデオプローブシステム10は、XL Go VideoProbe(登録商標)検査システムとともに使用される可能性もある。別の例では、多関節ビデオプローブシステム10は、XLG3 VideoProbe(登録商標)遠隔視覚検査システムとともに使用される可能性もある。さらなる例では、多関節ビデオプローブシステム10は、XL Vu VideoProbe(登録商標)システムとともに使用される可能性もある。なお別の例では、多関節ビデオプローブシステム10は、LongSteer(登録商標)VideoProbe(登録商標)検査システムとともに使用される可能性もある。さらなるデバイスおよび構造もまた、ここで述べなかったけれども、企図されることを理解すべきである。
【0035】
次に図3を参照すると、本発明による別の例となる態様が、示される。この例では、オペレーター制御入力ユニット20’は、いろいろな他の部品/デバイスに統合されるおよび/またはそれとの共用配置である。例えば、オペレーター制御入力ユニット20’は、携帯電話、スマートフォン、携帯デバイス、iDevice、GPS型ロケーター、その他を含むが限定されない、多数の手持ち式デバイスを含む可能性もある。それに応じて、ユーザーは、オペレーター制御入力ユニット20’として、携帯電話などの手持ち式デバイスを使用することができる。これらの例では、ボタン、ジョイスティック、加速度計(複数可)、または同様のものなどの、いくつかの構造体は、統合/共用配置の多機能/特徴によって一般に共用される可能性もある。
【0036】
いろいろな他の部品/デバイスと統合されるおよび/または共用配置であるような、オペレーター制御入力ユニット20’は、制御/表示ユニット22から独立している。そのため、オペレーター制御入力ユニット20’は、伝送線30の代わりに通信のための送信機152をさらに含む。対応する受信機は、関連する制御/表示ユニット内で用いられることになる。
【0037】
オペレーター制御入力ユニット20’の他の部品は、図2で示す先に論じた部品と同様/同一とすることができる。送信機152は、プロセッサ150によって制御でき、プロセッサ150からの信号および/または命令を多関節駆動ケーブル(図示せず)のための制御システムに送信することができる。送信機152はさらに、命令を送信することができ、このようにしてプローブ26の遠位端14を同様に動かす。
【0038】
共用配置内にある可能性もある、携帯電話、スマートフォン、携帯デバイス、iDevice、GPS型ロケーター、その他を含むが限定されない、前述の手持ち式部品/デバイスの多くは、他の目的のために加速度計を含有してもよい。それ故に、加速度計の物理的構造は、本発明の態様による制御入力を提供する追加の機能のために用いられる可能性もある。
【0039】
さらなる例では、オペレーター制御入力ユニット20’は、制御/表示ユニット22中に含まれてもよい。具体的には、加速度計158、キーパッド156、メモリ154、送信機152、および/またはプロセッサ150を含む、オペレーター制御入力ユニット20’の部品は、制御/表示ユニット22に組み込まれる可能性もある。そのような例では、制御入力ユニット20などの手持ち式部品/デバイスは、提供されなくてもよい。代わりに、加速度計158および制御入力20’の他の部品は、制御/表示ユニット22中に提供されてもよい。それに応じて、この例では、ビデオプローブシステム10は、ビデオプローブ26の動きを制御する単一デバイスとして制御/表示ユニット22を含んでもよい。そのため、図3で示す例では、制御/表示ユニット22は、受け取った動き命令信号を利用して多関節ビデオプローブを動かす制御/表示ユニット22中の加速度計158とともに、動かすことができる。制御/表示ユニット22の動作は、上で述べた制御入力ユニット20の動作と同様および/または同一とすることができる。
【0040】
本発明は、上で述べた例となる実施形態を参照して述べられた。修正形態および変更形態は、この明細書を読み、理解することで他の人にも思いつくであろう。本発明の1つまたは複数の態様を組み込む例となる実施形態は、それらが添付のクレームの範囲内に入る限りにおいてすべてのそのような修正形態および変更形態を含むことを意図している。
【符号の説明】
【0041】
10 多関節ビデオプローブシステム
12 カメラ
14 プローブの遠位端
20 オペレーター制御入力ユニット
20’ オペレーター制御入力ユニット
22 制御/表示ユニット
24 表示装置
25 取っ手部分
26 多関節ビデオプローブ
27 制御/機能ボタン
29 スクリーン
30 伝送線
32 入力部
50 プロセッサ
52 送信機
54 メモリ
56 キーパッド
58 加速度計
150 プロセッサ
152 送信機
154 メモリ
156 キーパッド
158 加速度計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ある領域の画像を取り込み、送信するための多関節ビデオプローブ(26)であって、前記取り込む画像を変えるために動かせる前記多関節ビデオプローブ(26)と、
前記ビデオプローブ(26)を動かすためのユニット(22)であって、受け取った動き命令信号を利用して前記多関節ビデオプローブ(26)を動かす前記ユニットと、
運動を感知し、前記ビデオプローブ(26)を動かすための前記ユニット(22)に前記動き命令信号を送信するように構成される加速度計(58)とを含む、多関節ビデオプローブシステム(10)。
【請求項2】
前記ビデオプローブ(26)は、前記領域の画像を取り込み、送信するように構成されるカメラ(12)を含む、請求項1記載の多関節ビデオプローブシステム(10)。
【請求項3】
前記ビデオプローブ(26)によって送信される前記領域の画像を表示するための表示装置(24)を含む、請求項1記載の多関節ビデオプローブシステム(10)。
【請求項4】
前記加速度計(58)は、ユーザーが操作するユニット(20)内に位置する、請求項1記載の多関節ビデオプローブシステム(10)。
【請求項5】
前記加速度計(58)は、ユーザーが操作する前記ユニット(20)の初期方位を感知するように構成される、請求項4記載の多関節ビデオプローブシステム(10)。
【請求項6】
前記加速度計(58)は、ユーザーが操作する前記ユニット(20)の初期方位に関してユーザーが操作する前記ユニット(20)の運動の変化を感知するように構成される、請求項5記載の多関節ビデオプローブシステム(10)。
【請求項7】
ある領域の画像を取り込み、送信するための多関節ビデオプローブ(26)を有するビデオプローブ(26)システムを動作させる方法であって、
加速度計(58)を用いて運動を感知し、前記感知した運動を示す動き命令信号を送信するステップと、
前記ビデオプローブ(26)を動かすためのユニット(22)において前記動き命令信号を利用するステップと、
前記取り込む画像を変えるために前記多関節ビデオプローブ(26)を動かすステップとを含む、方法。
【請求項8】
前記ビデオプローブ(26)は、カメラ(12)を含み、前記方法は、前記領域の画像を取り込み、送信するステップを含む、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記ビデオプローブ(26)は、表示装置(24)を含み、前記方法は、前記ビデオプローブ(26)によって送信される前記領域の画像を前記表示装置(24)上に表示するステップを含む、請求項7記載の方法。
【請求項10】
前記加速度計(58)は、ユーザーが操作するユニット(20)内に位置し、前記方法は、前記ユーザーが前記ユニット(20)を操作するステップを含む、請求項7記載の方法。
【請求項11】
前記加速度計(58)は、ユーザーが操作する前記ユニット(20)の初期方位を感知する、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記加速度計(58)は、ユーザーが操作する前記ユニット(20)の前記初期方位に関してユーザーが操作する前記ユニット(20)の運動の変化を感知する、請求項11記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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