説明

ビデオ再生装置

【課題】ビデオディスクの種類によらずにキー操作を共通化する「ビデオ再生装置」を提供する。
【解決手段】共通化UIイベントテーブルには、キー操作に応答して行う動作を共通化するキー操作を表すイベントを、共通化UIイベントとして登録し、各共通化UIイベントのエントリに、対応する共通化UIイベントによって指示を受け付ける再生動作の制御が実現されるためにアプリケーションやスクリプトにおいて成されなければならない処理内容の条件を処理内容条件として記述する。ナビゲーションマネージャ13は、HD DVDディスク再生時、共通化UIイベントテーブルの各エントリに、処理内容条件を満たす処理を行う、HD DVD2に登録されているアプリケーションやスクリプトを登録し、共通化UIイベント発生時には、共通化UIイベントテーブルの発生した共通化UIイベントのエントリに登録されているアプリケーションやスクリプトを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオコンテンツを記録したビデオディスクを再生するビデオ再生装置においてユーザインタフェースを共通化する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビデオコンテンツを記録したビデオディスクを再生するビデオ再生装置においてユーザインタフェースを共通化する技術としては、ビデオ再生装置に適合しないリモートコントローラから出力されたリモートコントロール信号を、当該ビデオ再生装置に適合したリモートコントロール信号に変換して当該ビデオ再生装置に供給する装置が知られている(たとえば、特許文献1)。この技術によれば、ユーザは、一つのリモートコントローラを用いた共通のユーザインタフェースによって、異なるメーカや機種のビデオ再生装置を制御できるようになる。
【特許文献1】特開2005-69372号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
HD DVD-Video規格やBDMV規格によってビデオコンテンツをビデオディスクに記録する場合、ビデオコンテンツの各種再生動作の指示をユーザから受け付けるための、ビデオ再生装置の入力キーは、ビデオコンテンツの制作者が任意に設定することができる。
したがって、ビデオ再生装置にある同じ再生動作を行わせるために、ユーザが行うべきキー操作は、ビデオディスクの種類によって異なり得る。そして、このことは、ビデオ再生装置の操作性を劣化させ、ユーザの利便性を損なう要因となる。
そこで、本発明は、ビデオコンテンツを記録したビデオディスクを再生するビデオ再生装置において、ビデオディスクの種類によらず、ビデオコンテンツの各種再生動作を指示するためのユーザ操作を共通化することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題達成のために、本発明は、ビデオコンテンツを記録したビデオディスクであって、当該ビデオディスクを再生するビデオ再生装置に所定の動作を実行させる処理を定義する定義情報が記憶されたビデオディスクを再生するビデオ再生装置に、ユーザ操作と、当該ユーザ操作に対して行われるべき当該ビデオ再生装置の動作との対応とを固定的に登録したテーブルと、ユーザ操作発生時に、再生中のビデオディスクに記憶されている定義情報によって定義されている処理であって、発生したユーザ操作との対応が前記テーブルに登録されている動作を当該ビデオ再生装置に行わせる処理が存在する場合には、当該存在する処理を実行するユーザ操作処理部とを備えたものである。
【0005】
このようなビデオ再生装置によれば、あらかじめ、ビデオディスクによらずにビデオ再生装置の応答動作を共通化するユーザ操作と、当該動作との対応をテーブルに登録しておけば、応答動作を共通化するユーザ操作の発生時に、ビデオディスクに定義された処理のうちのビデオ再生装置に当該応答動作を行わせる処理が実行される。よって、ビデオ再生装置に所定の動作を行わせるユーザ操作を共通化することができるようになる。
【0006】
ここで、このようなビデオ再生装置に、さらに、ユーザ操作に対応して固定的に設けた処理であるデフォルト処理を定義するデフォルト処理情報を記憶したメモリを設け、前記ユーザ操作処理部において、ユーザ操作発生時に、再生中のビデオディスクに記憶されている定義情報によって定義されている処理であって、発生したユーザ操作との対応が前記テーブルに登録されている動作を当該ビデオ再生装置に行わせる処理が存在しない場合に、前記メモリに、発生したユーザ操作と対応して設けられたデフォルト処理を定義するデフォルト処理情報が記録されているときには、当該記録されているデフォルト処理情報に従って、発生したユーザ操作と対応して設けられたデフォルト処理を実行するように構成してもよい。
【0007】
このようにすることにより、応答動作を共通化するユーザ操作の発生時に、ビデオディスクにビデオ再生装置に当該応答動作を行わせる処理が定義されていない場合であっても、当該応答動作を行わせ、当該ユーザ操作に対する応答動作を共通化することができるようになる。
【0008】
また、これらのようなビデオ再生装置は、前記ビデオディスクに記録された定義情報が、当該ビデオディスクの再生時にユーザ操作によって起動される処理を定義するものである場合には、前記ユーザ操作処理部において、ユーザ操作発生時に、再生中のビデオディスクに記憶されている定義情報によって定義されている処理であって、発生したユーザ操作との対応が前記テーブルに登録されている動作を当該ビデオ再生装置に行わせる処理を、発生したユーザ操作を、当該処理を起動するユーザ操作に変換して、当該ユーザ操作によって当該処理を起動することにより実行するようにしてもよい。
【0009】
また、これらのビデオ再生装置は、複数のキーを備えた入力装置を備えたものであってよく、前記ユーザ操作の各々は、前記入力装置のキー操作であってよい。
なお、以上のビデオ再生装置において、前記ビデオディスクは、たとえば、HD DVD-Video規格に従ってビデオコンテンツを記憶したHD DVDであってもよいし、BDMV規格に従ってビデオコンテンツを記憶したBlu-ray Discであってもよい。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明によれば、ビデオコンテンツを記録したビデオディスクを再生するビデオ再生装置において、ビデオディスクの種類によらず、ビデオコンテンツの各種再生動作を指示するためのユーザ操作を共通化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態に係るビデオ再生装置を、HD DVD-Video規格によるビデオコンテンツを記録したHD DVDを再生するビデオ再生装置への適用を例にとり説明する。
図1に、本実施形態に係るビデオ再生装置の構成を示す。
図示するように、ビデオ再生装置1は、データアクセスマネージャ11、データキャッシュ12、ナビゲーションマネージャ13、プレゼンテーションエンジン14、AVレンダラ15、メモリ16、入力装置17、表示装置18、スピーカ19とを備えている。
なお、このようなビデオ再生装置1は、ハードウエア的には、マイクロプロセッサや、メモリや、その他の周辺デバイスを有する一般的な構成を備えたコンピュータであって良く、この場合、以上に示したビデオ再生装置1の入力装置17、表示装置18、スピーカ19を除く各部は、マイクロプロセッサが予め用意されたプログラムを実行することにより具現化するプロセスとして実現されるものであって良い。また、この場合、このようなプログラムは、記録媒体や適当な通信路を介して、当該コンピュータに提供されるものであって良い。
【0012】
さて、このようなビデオ再生装置1の構成において、ナビゲーションマネージャ13は、データアクセスマネージャ11やデータキャッシュ12を介してHD DVD2より読み出したプレイリストに基づいて、プライマリビデオセットやセカンダリビデオセットやアプリケーションやアドバンスドサブタイトルの再生を制御する。プレゼンテーションエンジン14は、ナビゲーションマネージャ13の制御下で、HD DVD2やパーシスタントストレージ3やネットワーク上のネットワークサーバ4から取得したデータから、プライマリビデオセットやセカンダリビデオセットやアプリケーションやアドバンスドサブタイトルの出力映像と出力音声をデコードする。そして、AVレンダラ15は、プレゼンテーションエンジン14でデコードされた各出力映像を描画、合成し表示装置18に表示し、プレゼンテーションエンジン14でデコードされた各出力音声を合成し、スピーカ19に出力する。
【0013】
ここで、プライマリビデオセットとセカンダリビデオセットはビデオオブジェクトであり、アドバンスドサブタイトルは字幕オブジェクトである。
一方、アプリケーションは、マニュフェスト、マークアップ、スクリプトより成り、マニュフェストは、アプリケーションの初期化情報を表すものである。
また、マークアップは、ボタン、画像、音声、アニメーション、フォントなどを用いて構築されるアプリケーションの出力映像/音声を定義するものであり、このマークアップを用いて、インタアクティブなユーザインタフェースを定義することができる。
そして、スクリプトは、各アプリケーションやビデオ再生装置1の各種再生動作を制御するプログラムであり、当該スクリプトには、入力装置17のキー操作の発生をあらわすUIイベントの発生に応答して所定の処理を行うUIイベントハンドラスクリプトや、マークアップの定義に従って表示されるアプリケーションの出力映像上のボタン等の表示オブジェクトの選択操作によって起動されるスクリプトなどを含めることができる。
【0014】
次に、ビデオ再生装置1のメモリ16には、標準UIイベントの各々に対応して設けられたデフォルトUIイベントハンドラスクリプトが予め記憶されている。ここで、標準UIイベントとは、入力装置17のキーのうちから予め選定した、HD DVD2の種類によらずに標準的に特定の再生動作の指示のために用いられると推定されるキー(たとえば、再生開始の指示に用いられる"PLAY"キーや、再生一時停止/一時停止解除の指示に用いられる"PAUSE"キーや、再生チャプタの移動の指示に用いられる"SKIP"キー等)のキー操作の発生を表すイベントの各々である。そして、各デフォルトUIイベントハンドラスクリプトは、対応する標準UIイベントの発生に応答して所定の処理を行うスクリプトである。
【0015】
また、メモリ16には、標準UIイベントテーブルと、共通化UIイベントテーブルとが記憶される。
ここで、標準UIイベントテーブルは、図2aに示すように標準UIイベントの各々に対応するエントリを有し、各エントリには、対応する標準UIイベントに対して設けたデフォルトUIイベントハンドラスクリプトが、UIイベントハンドラスクリプトとして登録される。
【0016】
次に、図2bに示すように、共通化UIイベントテーブルには、複数の共通化UIイベントの各々に対応するエントリを設けることができる。ここで、共通化UIイベントとは、入力装置17のキーのうちから予め選定した、HD DVD2の種類によらずに共通に特定の再生動作の指示のために用いたいキー(たとえば、再生開始の指示に用いる"PLAY"キーや、再生一時停止/一時停止解除の指示に用いる"PAUSE"キーや、再生チャプタの移動の指示に用いる"SKIP"キーや、プライマリビデオセットやセカンダリビデオセットに含まれるサブビデオの子画面表示の指示に用いる"PinP"キーや、メニュー表示の指示に用いる”menu"キーや、ネットワークサーバ4からのコンテンツのダウンロードの指示に用いる”Internet"キー等)のキー操作の発生を表すイベントの各々である。なお、共通化イベントとしては、標準UIイベントに設定したイベントも登録することもできる。
【0017】
そして、共通化UIイベントテーブルの各エントリには、対応する共通化UIイベント発生時に実行すべき作業を登録することができる。また、共通化UIイベントテーブルの各エントリには、予め、対応する共通化UIイベントによって指示を受け付ける再生動作の制御が実現されるためにアプリケーションやスクリプトにおいて成されなければならない処理内容の条件を処理内容条件として記述する。
【0018】
たとえば、"PLAY"キーを再生開始の指示に共通に用いる場合には、"PLAY"キー操作を表す共通化UIイベントの処理内容条件としては、非再生中にはプレイリストの再生開始を要求する命令"player.playlist.play()"が発行されなければならない旨を登録する。また、"Pause"キーを再生一時停止/一時停止解除の指示に共通に用いる場合には、"Pause"キー操作を表す共通化UIイベントの処理内容条件としては、再生中にはプレイリストの再生一停止を要求する命令"player.playlist.pause()"が発行され、再生一時停止中にはプレイリストの再生開始を要求する命令"player.playlist.play()"が発行されなければならない旨を登録する。また、"SKIP"キーを再生チャプタの移動の指示に共通に用いる場合には、"SKIP"キー操作を表す共通化UIイベントの処理内容条件としては、次チャプタへの再生位置のジャンプを要求する命令"chapter_jump()"が発行されなければならない旨を登録する。
【0019】
また、"PinP"キーを、プライマリビデオセットやセカンダリビデオセットに含まれるサブビデオの子画面表示の指示に共通に用いる場合には、"PinP"キー操作を表す共通化UIイベントの処理内容条件としては、サブビデオの再生開始を指示する命令が発行されなければならない旨を登録し、”Internet"キーを、ネットワークサーバ4からのコンテンツのダウンロードの指示に共通に用いる場合には、"Internet"キー操作を表す共通化UIイベントの処理内容条件としては、ネットワークサーバ4上へのリソースのアクセスを指示する命令が発行されなければならない旨を登録する。そして、”menu"キーを、メニュー表示の指示に共通に用いる場合には、"menu"キー操作を表す共通化UIイベントの処理内容条件としては、複数のボタンを含む画面であるメニュー画面が表示されると共に、ユーザのボタンの操作に応じて異なるチャプタへの再生位置のジャンプを指示する命令"chapter_jump()"が発行されなければならない旨を登録する。
【0020】
さて、ナビゲーションマネージャ13は、入力装置17のキーのキー操作に応じた処理を実効するために、対共通化イベント作業登録処理と、UIイベント処理とを行う。
まず、図3に、ナビゲーションマネージャ13が行う対共通化イベント作業登録処理の手順を示す。
図示するように、この処理では、新たなアプリケーションが起動されたならば(ステップ302)、共通化UIイベントテーブルに登録された共通化UIイベントの各々について(ステップ304、312、320)、以下の処理を行う。
すなわち、まず、共通化UIイベントテーブルの当該共通化UIイベントのエントリに登録されている処理内容条件を満たす処理内容を有する処理を行うスクリプトを起動するアクセスキーが起動中のアプリケーションによって設定されているかどうかを調べる(ステップ306)。ここで、アクセスキーとは、アプリケーションの出力映像中のボタンなどの表示オブジェクトの選択のためのショートカットとして用いることのできるキーであり、アプリケーションのマークアップにより定義される。そして、そのアクセスキーの操作により選択される表示オブジェクトの選択によって、処理内容条件を満たす処理内容を有するスクリプトが起動されることがマークアップによって定義されている場合、処理内容条件を満たす処理内容を有する処理を行うスクリプトを起動するアクセスキーが存在すると判定する。
【0021】
そして、そのようなアクセスキーが存在する場合には(ステップ306)、当該アクセスキーに設定されているキーのキー操作の発生を表すUIイベントを生成すべきことを当該共通化UIイベントのエントリに作業として登録し(ステップ314)、この共通化UIイベントについての処理を終了する。
【0022】
一方、そのようなアクセスキーが存在しなかった場合(ステップ306)には、起動中のアプリケーション中に、UIイベントを処理するスクリプトであるUIイベントスクリプトハンドラであって、共通化UIイベントテーブルの当該共通化UIイベントのエントリに登録されている処理内容条件を満たす処理内容を有する処理を行うUIイベントハンドラスクリプトが存在するかどうかを調べ(ステップ308)、存在する場合には、当該UIイベントハンドラスクリプトを実行すべきことを、当該共通化UIイベントのエントリに作業として登録し(ステップ316)、この共通化UIイベントについての処理を終了する。
【0023】
そして、処理内容条件を満たす処理内容を有するスクリプトを起動するアクセスキーも、処理内容条件を満たす処理内容を有するスクリプトも存在しない場合には(ステップ306、308)、共通化UIイベントテーブルの当該共通化UIイベントのエントリに登録されている処理内容条件を満たす処理を行うことができるアプリケーションが存在するかどうかを調べ(ステップ310)、存在しない場合には、この共通化UIイベントについての処理を終了する。ただし、当該共通化UIイベントのエントリに過去に登録した作業が登録されている場合には、これを消去した上で、この共通化UIイベントについての処理を終了するようにする。
【0024】
一方、そのようなアプリケーションが存在した場合には、当該アプリケーションを解析し、当該アプリケーションに、処理内容条件を満たす処理内容の処理を行わせるために発生することが必要なUIイベントのシーケンスを求め、当該アプリケーションを起動すると共に求めたUIイベントのシーケンスを実行すべきことを、当該共通化UIイベントのエントリに作業として登録し(ステップ318)、この共通化UIイベントについての処理を終了する。
【0025】
以上、対共通化イベント作業登録処理について説明した。
次に、図4に、ナビゲーションマネージャ13が行うUIイベント処理の手順を示す。
図示するように、この処理では、ユーザの入力装置17のキー操作の発生を表すUIイベントが、ユーザの入力装置17のキー操作または後述するステップ412の作業の実行によって発生すると(ステップ402)、発生したUIイベントが共通化UIイベントとして作業と共に共通化UIイベントテーブルに登録されているかどうかを調べ(ステップ404)、登録されている場合には、登録されている作業を実行し(ステップ412)、ステップ402に戻って、次のUIイベントの発生を待つ。
【0026】
一方、発生したUIイベントが共通化UIイベントとして共通化UIイベントテーブルに登録されていないか、発生したUIイベントが共通化UIイベントとして共通化UIイベントテーブルに登録されているが、当該共通化UIイベントに対して作業が登録されていない場合には(ステップ404)、発生したUIイベントが標準UIイベントとして標準UIイベントテーブルに登録されているかどうかを調べ(ステップ406)、登録されている場合には、当該標準UIイベントに対して標準UIイベントテーブルに登録されているUIイベントハンドラスクリプトを実行し(ステップ414)、ステップ402に戻って、次のUIイベントの発生を待つ。
【0027】
一方、発生したUIイベントが標準UIイベントとして標準UIイベントテーブルに登録されていない場合には、起動中のアプリケーションに、当該UIイベントに応答して行うべき処理や当該UIイベントに応答して実行されるべきスクリプトが存在すれば、これを行う(ステップ410)。そして、ステップ402に戻って次のUIイベントの発生を待つ。
【0028】
以上、UIイベント処理について説明した。
以上のような対共通化イベント作業登録処理とUIイベント処理によれば、共通化UIイベントテーブルに共通化UIイベントとして登録したUIイベントを生成するキー操作については、共通化UIイベントテーブルに登録した処理内容条件を満たす処理を行う当該スクリプトやアプリケーションがHD DVDに記録されていれば、当該ユーザ操作に応答して、当該スクリプトやアプリケーションによって、当該処理が行われる。ここで、このようにHD DVDに記録されているスクリプトやアプリケーションによって、当該処理内容条件を満たす処理を行うことにより、できるだけ、HD DVDのビデオコンテンツの制作者の意図に沿いつつ、当該キー操作に対するビデオ再生装置1の応答動作を共通化することができるようになる。
【0029】
また、標準UIイベントテーブルに標準UIイベントとして登録したUIイベントを生成するキー操作については、当該UIイベントが共通化UIイベントテーブルに登録されていなかったり、登録はされていても処理内容条件を満たす処理を行う当該スクリプトやアプリケーションがHD DVDに記録されていない場合でも、当該ユーザ操作に応答して、標準UIイベントテーブルに登録されたデフォルトUIイベントハンドラスクリプトが実行される。
【0030】
よって、共通化UIイベントテーブルや標準UIイベントテーブルに登録したUIイベントを生成するキー操作について、当該キー操作に対するビデオ再生装置1の動作を共通化することができる。
以上、本発明の実施形態について説明した。
なお、以上では、HD DVD-Video規格に従ってビデオコンテンツを記憶したHD DVDを再生するビデオ再生装置1への適用を例にとり説明したが、本実施形態は、BDMV規格に従ってビデオコンテンツを記憶したBlu-ray Discを再生するビデオ再生装置1にも同様に適用することができる。
【0031】
また、キー操作以外のユーザ操作についても同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施形態に係るビデオ再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るビデオ再生装置が備えるテーブルを示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る対共通化イベント作業登録処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係るUIイベント処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0033】
1…ビデオ再生装置、2…DVDディスク、3…パーシスタントストレージ、4…ネットワークサーバ、11…データアクセスマネージャ、12…データキャッシュ、13…ナビゲーションマネージャ、14…プレゼンテーションエンジン、15…AVレンダラ、16…メモリ、17…入力装置、18…表示装置、19…スピーカ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオコンテンツを記録したビデオディスクであって、当該ビデオディスクを再生するビデオ再生装置に所定の動作を実行させる処理を定義する定義情報が記憶されたビデオディスクを再生するビデオ再生装置であって、
ユーザ操作と、当該ユーザ操作に対して行われるべき当該ビデオ再生装置の動作との対応とを固定的に登録したテーブルと、
ユーザ操作発生時に、再生中のビデオディスクに記憶されている定義情報によって定義されている処理であって、発生したユーザ操作との対応が前記テーブルに登録されている動作を当該ビデオ再生装置に行わせる処理が存在する場合には、当該存在する処理を実行するユーザ操作処理部とを有することを特徴とするビデオ再生装置。
【請求項2】
請求項1記載のビデオ再生装置であって、
ユーザ操作に対応して固定的に設けた処理であるデフォルト処理を定義するデフォルト処理情報を記憶したメモリを有し、
前記ユーザ操作処理部は、ユーザ操作発生時に、再生中のビデオディスクに記憶されている定義情報によって定義されている処理であって、発生したユーザ操作との対応が前記テーブルに登録されている動作を当該ビデオ再生装置に行わせる処理が存在しない場合に、前記メモリに、発生したユーザ操作と対応して設けられたデフォルト処理を定義するデフォルト処理情報が記録されているときには、当該記録されているデフォルト処理情報に従って、発生したユーザ操作と対応して設けられたデフォルト処理を実行することを特徴とするビデオ再生装置。
【請求項3】
請求項1記載のビデオ再生装置であって、
前記ビデオディスクに記録された定義情報は、当該ビデオディスクの再生時にユーザ操作によって起動される処理を定義するものであり、
前記ユーザ操作処理部は、ユーザ操作発生時に、再生中のビデオディスクに記憶されている定義情報によって定義されている処理であって、発生したユーザ操作との対応が前記テーブルに登録されている動作を当該ビデオ再生装置に行わせる処理を、発生したユーザ操作を、当該処理を起動するユーザ操作に変換して、当該ユーザ操作によって当該処理を起動することにより実行することを特徴とするビデオ再生装置。
【請求項4】
請求項2記載のビデオ再生装置であって、
前記ビデオディスクに記録された定義情報は、当該ビデオディスクの再生時にユーザ操作によって起動される処理を定義するものであり、
前記ユーザ操作処理部は、ユーザ操作発生時に、再生中のビデオディスクに記憶されている定義情報によって定義されている処理であって、発生したユーザ操作との対応が前記テーブルに登録されている動作を当該ビデオ再生装置に行わせる処理を、発生したユーザ操作を、当該処理を起動するユーザ操作に変換して、当該ユーザ操作によって当該処理を起動することにより実行することを特徴とするビデオ再生装置。
【請求項5】
請求項1記載のビデオ再生装置であって、
複数のキーを備えた入力装置を備え、
前記ユーザ操作の各々は、前記入力装置のキー操作であることを特徴とするビデオ再生装置。
【請求項6】
請求項2記載のビデオ再生装置であって、
複数のキーを備えた入力装置を備え、
前記ユーザ操作の各々は、前記入力装置のキー操作であることを特徴とするビデオ再生装置。
【請求項7】
請求項1記載のビデオ再生装置であって、
前記ビデオディスクは、HD DVD-Video規格に従ってビデオコンテンツを記憶したHD DVDであることを特徴とするビデオ再生装置。
【請求項8】
請求項1記載のビデオ再生装置であって、
前記ビデオディスクは、BDMV規格に従ってビデオコンテンツを記憶したBlu-ray Discであることを特徴とするビデオ再生装置。
【請求項9】
請求項2記載のビデオ再生装置であって、
前記ビデオディスクは、HD DVD-Video規格に従ってビデオコンテンツを記憶したHD DVDであることを特徴とするビデオ再生装置。
【請求項10】
請求項2記載のビデオ再生装置であって、
前記ビデオディスクは、BDMV規格に従ってビデオコンテンツを記憶したBlu-ray Discであることを特徴とするビデオ再生装置。
【請求項11】
コンピュータによって読み取られ実行されるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、
ビデオコンテンツを記録したビデオディスクであって、当該ビデオディスクを再生するビデオ再生装置に所定の動作を実行させる処理を定義する定義情報が記憶されたビデオディスクを再生するビデオ再生装置として機能させるコンピュータプログラムであり、
前記ビデオ再生装置は、
ユーザ操作と、当該ユーザ操作に対して行われるべき当該ビデオ再生装置の動作との対応とを固定的に登録したテーブルと、
ユーザ操作発生時に、再生中のビデオディスクに記憶されている定義情報によって定義されている処理であって、発生したユーザ操作との対応が前記テーブルに登録されている動作を当該ビデオ再生装置に行わせる処理が存在する場合には、当該存在する処理を実行するユーザ操作処理部とを有することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項12】
請求項11記載のコンピュータプログラムであって、
前記ビデオ再生装置は、ユーザ操作に対応して固定的に設けた処理であるデフォルト処理を定義するデフォルト処理情報を記憶したメモリを有し、
前記ユーザ操作処理部は、ユーザ操作発生時に、再生中のビデオディスクに記憶されている定義情報によって定義されている処理であって、発生したユーザ操作との対応が前記テーブルに登録されている動作を当該ビデオ再生装置に行わせる処理が存在しない場合に、前記メモリに、発生したユーザ操作と対応して設けられたデフォルト処理を定義するデフォルト処理情報が記録されているときには、当該記録されているデフォルト処理情報に従って、発生したユーザ操作と対応して設けられたデフォルト処理を実行することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項13】
請求項11記載のコンピュータプログラムであって、
前記ビデオディスクに記録された定義情報は、当該ビデオディスクの再生時にユーザ操作によって起動される処理を定義するものであり、
前記ユーザ操作処理部は、ユーザ操作発生時に、再生中のビデオディスクに記憶されている定義情報によって定義されている処理であって、発生したユーザ操作との対応が前記テーブルに登録されている動作を当該ビデオ再生装置に行わせる処理を、発生したユーザ操作を、当該処理を起動するユーザ操作に変換して、当該ユーザ操作によって当該処理を起動することにより実行することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項14】
請求項11記載のコンピュータプログラムであって、
前記ユーザ操作の各々は、前記コンピュータが備える複数のキーを備えた入力装置のキー操作であることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項15】
請求項12記載のコンピュータプログラムであって、
前記ユーザ操作の各々は、前記コンピュータが備える複数のキーを備えた入力装置のキー操作であることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項16】
ビデオコンテンツを記録したビデオディスクであって、当該ビデオディスクを再生するビデオ再生装置に所定の動作を実行させる処理を定義する定義情報が記憶されたビデオディスクを再生するビデオ再生装置において、ユーザ操作に応じた処理を実行するユーザ操作処理方法であって、
ユーザ操作発生時に、再生中のビデオディスクに記憶されている定義情報によって定義されている処理であって、発生したユーザ操作に対して予め定めた動作を当該ビデオ再生装置に行わせる処理が存在するかどうかを判定する判定ステップと、
前記処理が存在すると判定された場合に、当該存在する処理を実行する処理実行ステップとを有することを特徴とするユーザ操作処理方法。
【請求項17】
請求項16記載のユーザ操作処理方法であって、
前記判定ステップにおいて、前記処理が存在しないと判定された場合に、当該ユーザ操作と対応して予め設けた処理であるデフォルト処理が存在するときには、当該存在するデフォルト処理を実行するデフォルト処理実行ステップを有することを特徴とするユーザ操作処理方法。
【請求項18】
請求項16記載のユーザ操作処理方法であって、
前記ビデオディスクに記録された定義情報は、当該ビデオディスクの再生時にユーザ操作によって起動される処理を定義するものであり、
前記処理実行ステップにおいて、発生したユーザ操作を前記存在した処理を起動するユーザ操作に変換して、当該ユーザ操作によって当該存在した処理を起動することを特徴とするユーザ操作処理方法。
【請求項19】
請求項16記載のユーザ操作処理方法であって、
前記ユーザ操作の各々は、前記ビデオ再生装置の操作を受け付けるための入力装置のキー操作であることを特徴とするユーザ操作処理方法。
【請求項20】
請求項17記載のユーザ操作処理方法であって、
前記ユーザ操作の各々は、前記ビデオ再生装置の操作を受け付けるための入力装置のキー操作であることを特徴とするユーザ操作処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−100146(P2009−100146A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−268587(P2007−268587)
【出願日】平成19年10月16日(2007.10.16)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】