説明

ビニル基、エステル基、カルボキシル基並びにスルホン酸基を有するポリヒドロキシアルカノエート並びにその製造方法

【課題】分子内に反応性官能基を有する新規なポリヒドロキシアルカノエート及びその製造方法、並びにその反応性官能基を有するポリヒドロキシアルカノエートを化学修飾することで新たな機能を持った新規ポリヒドロキシアルカノエート及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】側差にビニル基を有するユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートのビニル基を利用して、カルボキシル基や、アミド基とスルホン酸基を有しているユニットを分子中に含むポリヒドロキシアルカノエートを誘導する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なポリヒドロキシアルカノエート及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生分解性高分子材料は、医用材料やドラッグデリバリーシステム、環境適合性材料などに幅広く応用されている。近年は、これらに加え更に、新たな機能が要求されており、様々な研究が行われている。特に、ポリ乳酸に代表される、ポリヒドロキシアルカノエートについては、分子内に化学修飾可能な官能基を導入することが検討されおり、カルボキシル基やビニル基などが導入された化合物について報告がある。例えば、側鎖にカルボキシル基を持つポリヒドロキシアルカノエートとしては、ポリリンゴ酸が知られている。このポリリンゴ酸のポリマーには、ポリマー形式の仕方により、化学式(12)、
【0003】
【化1】

【0004】
で表されるαタイプと、化学式(13)、
【0005】
【化2】

【0006】
で表されるβタイプが知られている。このうち、βタイプのポリリンゴ酸及びその共重合体については、米国特許第4265247号明細書(特許文献1)に、化学式(14)、
【0007】
【化3】

【0008】
(R14:ベンジル基)
で表されるβ-マロラクトンのベンジルエステルを開環重合したポリマーが開示されている。また、αタイプのポリリンゴ酸−グリコール酸共重合体、並びにグリコール酸をはじめとするその他のヒドロキシアルカン酸を含む共重合体については、特開平2−3415号公報(特許文献2)に、化学式(15)
【0009】
【化4】

【0010】
(R15は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、t-ブチル基などの低級アルキル基およびベンジル基など)
で表される六員環ジエステルモノマーと環状ジエステルであるグリコリド及びラクチド、ω-ヒドロキシカルボン酸の分子内閉環反応エステルであるラクトン類との共重合したポリマーが開示されている。
【0011】
また、側鎖にカルボキシル基持つポリヒドロキシアルカノエートとしては、Macromolecules 2000,33(13),4619-4627(非特許文献1)に7−オキソ−4−オキセパノンカルボン酸エステルを開環重合することで側鎖にエステル基を有するポリマーを製造し、更にそのポリマーを水素化分解することで、側鎖にカルボン酸を有するポリマーが製造されることについて開示されている。Biomacromolecules 2000, 1, 275(非特許文献2)には、ポリ(ε−カプロラクトン)にリチウムジイソプロピルアミドを反応させ、更にはクロロギ酸ベンジルとを反応させることにより、ポリ(ε−カプロラクトン)の主鎖中にあるカルボニル基のα位のメチレン基にベンジルオキシカルボニル基が導入されたポリマーが開示されている。Macromolecular Bioscience 2004, 4, 232(非特許文献3)には、ポリ乳酸にリチウムジイソプロピルアミドを反応させ、更にはブロモ酢酸ベンジルとを反応させることにより、ポリ乳酸の主鎖中にあるカルボニル基のα位のメチレン基に(ベンジルオキシカルボニル)メチル基が導入されたポリマーが開示されている。
【0012】
側鎖にビニル基を持つポリヒドロキシアルカノエートとしては、Polymeric Materials Science & Engineering 2002, 87,254 (非特許文献4)にα-アリル(δ-バレロラクトン)を開環重合したポリマーが開示されている。また、同様に側鎖にビニル基を持つポリヒドロキシアルカノエートとしては、Polymer Preprints 2002, 43(2), 727 (非特許文献5)に六員環ジエステルモノマーである3,6-ジアリル-1,4-ジオキサン-2,5-ジオンを開環重合したポリマーが開示されている。
【0013】
上記のように化学修飾可能な官能基を導入したポリヒドロキシアルカノエートに機能性を付与する構造を導入し、新たな機能を持つポリマーについての報告がある。International Journal of Biological Macromolecules 25 (1999) 265 (非特許文献6)では、α−リンゴ酸とグリコール酸の環状二量体の開環重合により、αタイプのリンゴ酸とグリコール酸の共重合体を得、得られたポリマーを脱保護することで側鎖にカルボキシル基を有するポリエステルを得る。この側鎖のカルボキシル基にトリペプチドを化学修飾し、得られたポリマーについて、細胞接着性について評価した所、良好な結果が得られたとしている。
【特許文献1】米国特許第4265247号明細書
【特許文献2】特開平2−3415号公報
【非特許文献1】Macromolecules 2000,33(13),4619-4627
【非特許文献2】Biomacromolecules 2000, 1, 275
【非特許文献3】Macromolecular Bioscience 2004, 4, 232
【非特許文献4】Polymeric Materials Science & Engineering 2002, 87,254
【非特許文献5】Polymer Preprints 2002, 43(2), 727
【非特許文献6】International Journal of Biological Macromolecules 25 (1999) 265
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
以上のように分子内に反応性官能基であるカルボキシル基を有するユニットやビニル基を有するユニットを導入し、その反応性官能基を化学修飾することで新たな機能性を付与することは可能ではあると考えられるが、その報告例は少ない。そこで本発明は、分子内に反応性官能基を有する新規なポリヒドロキシアルカノエート及びその製造方法、並びにその反応性官能基を有するポリヒドロキシアルカノエートを化学修飾することで新たな機能を持った新規ポリヒドロキシアルカノエート及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
そこで本発明者らは、分子内に反応性官能基を有する新規なポリヒドロキシアルカノエート、及びその反応性官能基を有するポリヒドロキシアルカノエートを化学修飾することで新たな機能を持った新規ポリヒドロキシアルカノエートの開発をめざして鋭意研究を重ねてきた結果、以下に示す発明に至った。
【0016】
本発明にかかるポリヒドロキシアルカノエートには以下に示すものが含まれる。
(1)化学式(1)で示すユニットを分子中に1ユニット以上含むポリヒドロキシアルカノエート。
【0017】
【化5】

【0018】
(式中、Rは−A1−SO21 を表す。R1 はOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aである。R1a及びA1 はそれぞれ独立して、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、あるいは、置換または未置換の複素環構造を有する基を表す。また、nは、1〜4から選ばれた整数であり、mは0〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、R、R1 、R1a、A1 、m及びnは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
(2)化学式(5)で示すユニットを1ユニット以上含むポリヒドロキシアルカノエート。
【0019】
【化6】

【0020】
(式中、R5は、水素、塩を形成する基、または、R5aである。R5aは、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基、アラルキル基、あるいは、糖類を有する置換基である。nは、1〜4から選ばれた整数であり、mは、0〜8から選ばれる整数である。但し、nが4の場合、mが0については、R5は、糖類を有する置換基のみである。複数のユニットが存在する場合、R5、R5a、m及びnは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
(3)化学式(6)で示すユニットを1ユニット以上含むポリヒドロキシアルカノエート。
【0021】
【化7】

【0022】
(式中、nは1〜4から選ばれた整数であり、nが1〜2、4で選ばれた整数である場合、mは、0〜8から選ばれる整数であり、nが3である場合、mは、0及び2〜8から選ばれる整数である。複数のユニットが存在する場合、m及びnは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
一方、本発明にかかるポリヒドロキシアルカノエートの製造方法には以下の各方法が含まれる。
(A)化学式(8)で示される化合物を触媒の存在下で重合することを特徴とする化学式(6)で示されるポリヒドロキシアルカノエートの製造方法。
【0023】
【化8】

【0024】
(式中、nは1〜4から選ばれた整数であり、nが1〜2、4で選ばれた整数である場合、mは、0〜8から選ばれる整数であり、nが3である場合、mは、0及び2〜8から選ばれる整数である。)
【0025】
【化9】

【0026】
(式中、nは1〜4から選ばれた整数であり、nが1〜2、4で選ばれた整数である場合、mは、0〜8から選ばれる整数であり、nが3である場合、mは、0及び2〜8から選ばれる整数である。複数のユニットが存在する場合、m及びnは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
(B)化学式(9)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの二重結合部分を酸化反応させることを特徴とする化学式(10)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの製造方法。
【0027】
【化10】

【0028】
(式中、nは1〜4から選ばれた整数であり、mは0〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、m及びnは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【0029】
【化11】

【0030】
(式中、R10は、水素または、塩を形成する基である。nは1〜4から選ばれた整数であり、mは0〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、m、n及びR10は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
(C)化学式(10)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートと、化学式(11)で示されるアミン化合物の少なくとも1種とを縮合反応させることを特徴とする化学式(1)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの製造方法。
【0031】
【化12】

【0032】
(式中、R10は、水素または、塩を形成する基である。nは1〜4から選ばれた整数であり、mは0〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、m、n及びR10は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【0033】
【化13】

【0034】
(式中、R11はOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR11aである。また、R11a及びA3はそれぞれ独立して、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、あるいは、置換または未置換の複素環構造を有する基から選ばれる。複数のユニットが存在する場合、R11、R11a及びA3は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【0035】
【化14】

【0036】
(式中、Rは−A1−SO21 を表す。R1 はOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aである。R1a及びA1 はそれぞれ独立して、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、あるいは、置換または未置換の複素環構造を有する基を表す。nは、1〜3から選ばれた整数であり、mは0〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、R、R1 、R1a、A1 、m及びnは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
(D)化学式(99)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートを塩基と反応させる工程と、前記工程で得られた化合物と化学式(100)で示す化合物とを反応させる工程とを有することを特徴とする、化学式(101)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの製造方法。
【0037】
【化15】

【0038】
(式中、nは、1〜4から選ばれる整数である。複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【0039】
【化16】

【0040】
(式中、mは、0〜8から選ばれる整数である。Xは、ハロゲン原子である。R100は、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基、あるいは、アラルキル基である。但し、化学式(99)においてnは4の場合、mは0を除く。)
【0041】
【化17】

【0042】
(式中、nは、1〜4から選ばれる整数であり、nが1〜3である場合、mは0〜8から選ばれる整数である。nが4である場合、mは1〜8から選ばれる整数である。R101は、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基、アラルキル基である。複数のユニットが存在する場合、R101、m及びnは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)(E)化学式(101)で示すユニットに示されるポリヒドロキシアルカノエートを酸またはアルカリの存在下で加水分解する或いは接触還元を含む水素化分解する工程を有することを特徴とする、化学式(102)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの製造方法。
【0043】
【化18】

【0044】
(式中、nは、1〜4から選ばれる整数であり、nが1〜3である場合、mは0〜8から選ばれる整数である。nが4である場合、mは1〜8から選ばれる整数である。R101は、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基、アラルキル基である。複数のユニットが存在する場合、R101、m及びnは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【0045】
【化19】

【0046】
(式中、R102は、水素、または、塩を形成する基である。nは、1〜4から選ばれる整数であり、nが1〜3である場合、mは0〜8から選ばれる整数である。nが4である場合、mは1〜8から選ばれる整数である。複数のユニットが存在する場合、R102、m及びnは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
(F)化学式(99)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートを塩基と反応させる工程と、前記工程で得られた化合物と、化学式(103)で示す化合物とを反応させる工程とを有することを特徴とする化学式(104)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの製造方法。
【0047】
【化20】

【0048】
(式中、nは、1〜4から選ばれる整数である。複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【0049】
【化21】

【0050】
(式中、R103は−A103−SO2103aを表す。R103aはOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR103bである。また、R103b及びA103はそれぞれ独立して、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、あるいは、置換または未置換の複素環構造を有する基から選ばれる。複数のユニットが存在する場合、R103、R103a、R103b及びA103は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【0051】
【化22】

【0052】
(式中、nは、1〜4から選ばれる整数である。R104は−A104−SO2104a を表す。R104a はOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR104bである。R104b及びA104 はそれぞれ独立して、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、あるいは、置換または未置換の複素環構造を有する基を表す。複数のユニットが存在する場合、R104、R104a 、R104b、A104 及びnは各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【発明の効果】
【0053】
本発明により、側鎖に反応活性基であるビニル基を分子中に含む新規なポリヒドロキシアルカノエート、カルボキシル基を分子中に含む新規なポリヒドロキシアルカノエート、並びにアミド基とスルホン酸基を有しているユニットを分子中に含む新規なポリヒドロキシアルカノエートおよびその製造方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
以下に本発明の内容を述べる。本発明で目的とする化学式(1)で示すユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートは、出発原料として用いる化学式(10)で表されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートと化学式(11)で示すアミン化合物(アミノスルホン酸化合物)の少なくとも1種との反応で製造できる。
【0055】
【化23】

【0056】
(式中、Rは−A1−SO21 を表す。R1 はOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aである。R1a及びA1 はそれぞれ独立して、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、あるいは、置換または未置換の複素環構造を有する基を表す(なお、R1aはこれらから選択された構造を有する一価の基であり、A1はこれらから選択された構造を有する二価の基である)。また、nは、1〜4から選ばれた整数であり、mは0〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、R、R1 、R1a、A1 、m及びnは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【0057】
【化24】

【0058】
(式中、R10は、水素、または、塩を形成する基である。nは1〜4から選ばれた整数であり、mは0〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、m、n及びR10は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【0059】
【化25】

【0060】
(式中、R11はOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR11aである。また、R11a及びA3はそれぞれ独立して、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、あるいは、置換または未置換の複素環構造を有する基から選ばれる(なお、R11aはこれらから選択された構造を有する一価の基であり、A3はこれらから選択された構造を有する二価の基である)。複数のユニットが存在する場合、R11、R11a及びA3は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
更に詳しくは、R11はOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR11a である。R11a は直鎖状または分岐状の炭素数1から8のアルキル基、あるいは、置換または未置換のフェニル基である。
【0061】
3 はC1 〜C8 の直鎖もしくは分岐状の置換または未置換のアルキレン基、置換または未置換のフェニレン基、置換または未置換のナフタレン基、あるいは、置換または未置換のN、S、Oの何れか一つ以上を含む複素環構造を有する基を表す。A3 が環構造の場合、未置換の環がさらに縮合してもよい。また、複数のユニットが存在する場合、R11、R11a 及びA3 は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。
【0062】
3 が直鎖の置換または未置換のアルキレン基の場合は、下記の化学式(16)で表されるアミノスルホン酸化合物が挙げられる。
【0063】
【化26】

【0064】
(式中、R16は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR16a である。R16aは直鎖状または分岐状の炭素数1から8のアルキル基、あるいは、置換または未置換のフェニル基 である。A4 はC1 〜C8 の直鎖もしくは分岐状の置換または未置換のアルキレン基であり、この置換基として、炭素数1から20のアルキル基、炭素数1から20のアルコキシ基などが置換されていてもよい。)
化学式(16)で示される化合物を用いて化学式(2)で示すユニットを1以上有するポリヒドロキシアルカノエートを得ることができる。
【0065】
【化27】

【0066】
(式中、A2、R2、m及びnは、それぞれ式(16)の、A4、R16、m及びnの意味を表す。)
化学式(16)で示される化合物としては、2−アミノエタンスルホン酸(タウリン)、3−アミノプロパンスルホン酸、4−アミノブタンスルホン酸、2−アミノ−2−メチルプロパンスルホン酸や、そのアルカリ金属塩、エステル化物があげられる。
【0067】
3 が、置換または未置換のフェニレン基の場合は、下記の化学式(17)で表されるアミノスルホン酸化合物が挙げられる。
【0068】
【化28】

【0069】
(式中、R3a、R3b、R3c、R3d及びR3eは、それぞれ独立して、SO23f(R3fはOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR3f1 である。(R3f1 は直鎖状または分岐状の炭素数1から8のアルキル基、置換または未置換のフェニル基 である。))、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、OH基、NH2 基、NO2 基、COOR3g(R3gはH原子、Na原子及びK原子のいずれかを表す)、アセトアミド基、OPh基、NHPh基、CF3 基、C25 基またはC37 基を表し、(Phはフェニル基を表す)、これらの基の少なくとも1つがSO23fである。複数のユニットが存在する場合、R3a、R3b、R3c、R3d、R3e、R3f、R3f1 及びR3gは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
化学式(17)で示される化合物を用いて化学式(3)で示すユニットを1以上有するポリヒドロキシアルカノエートを得ることができる。
【0070】
【化29】

【0071】
(式中、R3a、R3b、R3c、R3d、R3e、n及びmは、上記の意味を表す。)
化学式(17)で示される化合物としては、p−アミノベンゼンスルホン酸(スルファニル酸)、m−アミノベンゼンスルホン酸、o−アミノベンゼンスルホン酸、m−トルイジン−4−スルホン酸、o−トルイジン−4−スルホン酸ナトリウム塩、p−トルイジン−2−スルホン酸、4−メトキシアニリン−2−スルホン酸、o−アニシジン−5−スルホン酸、p−アニシジン−3−スルホン酸、3−ニトロアニリン−4−スルホン酸、2−ニトロアニリン−4−スルホン酸ナトリウム塩、4−ニトロアニリン−2−スルホン酸ナトリウム塩、1,5−ジニトロアニリン−4−スルホン酸、2−アミノフェノール−4−ヒドロキシ−5−ニトロベンゼンスルホン酸、2,4−ジメチルアニリン−5−スルホン酸ナトリウム塩、2,4−ジメチルアニリン−6−スルホン酸、3,4−ジメチルアニリン−5−スルホン酸、4−イソプロピルアニリン−6−スルホン酸、4−トリフルオロメチルアニリン−6−スルホン酸、3−カルボキシ−4−ヒドロキシアニリン−5−スルホン酸、4−カルボキシアニリン−6−スルホン酸、およびそのアルカリ金属塩、エステル化物等が挙げられる。
【0072】
3 が、置換または未置換のナフタレン基の場合は、下記の化学式(18A)又は化学式(18B)で表されるアミノスルホン酸化合物が挙げられる。
【0073】
【化30】

【0074】
(式中、R4a、R4b、R4c、R4d、R4e、R4f及びR4gは、それぞれ独立して、SO24o(R4oはOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR4o1 である。(R4o1 は直鎖状または分岐状の炭素数1から8のアルキル基、置換または未置換のフェニル基である。))、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、OH基、NH2 基、NO2 基、COOR4p(R4p:H原子、Na原子及びK原子のいずれかを表す)、アセトアミド基、OPh基、NHPh基、CF3 基、C25 基またはC37 基を表し(Phはフェニル基を示す)、これらの基の少なくとも1つはSO24oである。)
【0075】
【化31】

【0076】
(式中、R4h、R4i、R4j、R4k、R4l、R4m及びR4nは、それぞれ独立して、SO24o(R4oはOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR4o1 である。(R4o1 は直鎖状または分岐状の炭素数1から8のアルキル基、置換または未置換のフェニル基である。))、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、OH基、NH2 基、NO2 基、COOR4p(R4p:H原子、Na原子及びK原子のいずれかを表す)、アセトアミド基、OPh基、NHPh基、CF3 基、C25 基またはC37 基を表し(Phはフェニル基を示す)、これらの基の少なくとも一つはSO24oである。)
化学式(18A)または(18B)で示される化合物を用いることで化学式(4A)または(4B)で示すユニットを分子中に1ユニット以上含むポリヒドロキシアルカノエートを得ることができる。
【0077】
【化32】

【0078】
(式中、R4a、R4b、R4c、R4d、R4e、R4f、R4g、n及びmは上記の意味を表す。)
【0079】
【化33】

【0080】
(式中、R4h、R4i、R4j、R4k、R4l、R4m、R4n、m及びnは上記の意味を表す。)
化学式(18A)または(18B)で示される化合物としては、1−ナフチルアミンー5−スルホン酸、1−ナフチルアミン−4−スルホン酸、1−ナフチルアミンー8−スルホン酸、2−ナフチルアミン−5−スルホン酸、1−ナフチルアミンー6−スルホン酸、1−ナフチルアミン−7−スルホン酸、1−ナフチルアミン−2−エトキシ−6−スルホン酸、1−アミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸、6−アミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸、1−アミノ−8−ナフトール−2,4−スルホン酸一ナトリウム塩、1−アミノ−8−ナフトール−3,6−スルホン酸一ナトリウム塩など、スルホン酸、またはそのアルカリ金属塩、エステル化物などが挙げられる。
【0081】
3 が置換または未置換のN、S、Oの何れか一つ以上を含む複素環構造を有する基の場合は,複素環として、ピリジン環、ピペラジン環、フラン環、チオール環などのいずれでもよい。化合物としては、2−アミノピリジン−6−スルホン酸、2−アミノピペラジン−6−スルホン酸など、スルホン酸、またはそのアルカリ金属塩、エステル化物などが挙げられる。
【0082】
スルホン酸エステルの場合のスルホン酸とエステル結合している基としては、上記のとおり置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、置換または未置換の複素環構造を有する一価の基などがあげられる。更に、直鎖状または分岐状の炭素数1から8のアルキル基、置換または未置換のフェニル基などが好ましい。エステル化の容易さなどの点から、OCH3 、OC25 、OC65 、OC37 、OC49 、OCH(CH32 、OCH2 (CH33 、OC(CH33 などがさらに好ましい。
【0083】
(化学式(1)に示すユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートの製造方法)
本発明における化学式(10)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートと化学式(11)で示すアミノスルホン酸化合物との反応について詳しく述べる。
【0084】
本発明に用いられる化学式(11)に示す化合物の使用量は、出発原料として用いる化学式(10)に示すユニットに対して、0.1〜50.0倍モル、好ましくは、1.0〜20.0倍モルの範囲である。
【0085】
本発明のカルボン酸とアミンからアミド結合を生成する方法としては、加熱脱水による縮合反応などがある。特に、ポリマー主鎖のエステル結合が切断されないようなマイルドな反応条件という点から、カルボン酸部分を活性化剤で活性化させ、活性アシル中間体を生成させてから、アミンと反応させる方法が有効である。活性アシル中間体として、酸ハロゲン化物、酸無水物、活性エステルなどがあげられる。特に、縮合剤を使用し、同一反応場中でアミド結合を形成する方法が、生産プロセスの簡略化という点からは好ましい。必要ならば、一旦、酸ハロゲン化物として単離してから、アミンとの縮合反応を行うことも可能である。
【0086】
用いられる縮合剤としては、芳香族ポリアミドの重縮合に使用されるリン酸系縮合剤、ペプチド合成に使用されるカルボジイミド系縮合剤、酸塩化物系縮合剤などを化学式(11)と(10)の化合物の組み合わせにより,適宜選択することが可能である。
【0087】
リン酸系縮合剤としては、亜リン酸エステル系縮合剤、リン塩化物系縮合剤、リン酸無水物系縮合剤、リン酸エステル系縮合剤、リン酸アミド系縮合剤、などがあげられる。
【0088】
本発明の反応では、亜リン酸エステル等の縮合剤を用いることが可能である。この際使用される亜リン酸エステル類としては、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸トリ−o−トリル、亜リン酸ジ−o−トリル、亜リン酸トリ−m−トリル、亜リン酸ジ−m−トリル、亜リン酸トリ−p−トリル、亜リン酸ジ−p−トリル、亜リン酸ジ−o−クロロフェニル、亜リン酸トリ−p−クロロフェニル、亜リン酸ジ−p−クロロフェニル、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル等が挙げられる。中でも、亜リン酸トリフェニルが好ましく用いられる。また、ポリマーの溶解性、反応性などの向上のために、リチウムクロライド、塩化カルシウムなどの金属塩を添加してもよい。
【0089】
カルボジイミド系縮合剤としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N−エチル−N'−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド(EDC=WSCI)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIPC)、などがあげられる。DCCあるいは、WSCIと、N−ヒドロキシスクシンイミド(HONSu)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、あるいは3−ヒドロキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリアジン(HOObt)などと組み合わせて用いてもよい。
【0090】
縮合剤の使用量は、化学式(10)に示すユニットに対して、0.1〜50倍モル、好ましくは、1〜20倍モルの範囲である。
【0091】
本発明の反応では、必要に応じ、溶媒を使用することができる。使用する溶媒は、ヘキサン、シクロへキサン、ヘプタン等の炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミドなどの非プロトン性極性溶媒類、ピリジン、ピコリンなどのピリジン誘導体、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。特に好ましくは、ピリジン、N−メチルピロリドンなどが用いられる。溶媒の使用量は、出発原料、塩基の種類、反応条件等に応じて適宜定め得る。
【0092】
本発明の方法において、反応温度は、特に限定されないが、通常は−20℃〜溶媒の沸点の範囲の温度である。ただし、用いる縮合剤に合わせた最適な温度で反応を行うことが望ましい。
【0093】
本発明の方法において、反応時間は、通常、1〜48時間の範囲である。特に、1〜10時間が好ましい。
【0094】
本発明において、このようにして生成した化学式(1)に示すユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートを含む反応液からの目的とするポリヒドロキシアルカノエートの回収、精製は、常法である蒸留などにより可能である。または、水、メタノール及びエタノールなどのアルコール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類等の溶媒を反応液と均一に混合し、目的とする化学式(1)に示すユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートを沈殿させることにより、回収することができる。ここで得られた化学式(1)に示すユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートは、必要ならば、単離精製することができる。この単離精製方法としては、特に制限はなく、化学式(1)に示すポリヒドロキシアルカノエートに不溶な溶媒を用いて再沈殿する方法、カラムクロマトグラフィーによる方法、透析法などを用いることができる。
【0095】
本発明の別の製造方法として、化学式(1)中のR部分が−A1−SO3Hの場合、アミンとの縮合反応後にメチルエステル化剤を用いて、化学式(1)中のR部分を−A1−SO3CH3にメチルエステル化を行う方法がある。メチルエステル化剤としては、ガスクロマトグラフィー分析における脂肪酸のメチルエステル化に用いられているものを利用することができる。メチルエステル化法としては、酸触媒法である塩酸−メタノール法、三フッ化ホウ素−メタノール法、硫酸−メタノール法は、ナトリウムメトキシド法、テトラメチルグアニジン法、トリメチルシリルジアゾメタン法などの塩基触媒法などがあげられる。中でも、温和な条件下でメチル化ができるのでトリメチルシリルジアゾメタン法が好ましい。
【0096】
本発明の反応で使用する溶媒は、ヘキサン、シクロへキサン、ヘプタン等の炭化水素類、メタノール、エタノール等のアルコール類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素などが挙げられる。特に好ましくは、ハロゲン化炭化水素類などが用いられる。溶媒の使用量は、出発原料、反応条件等に応じて適宜定め得る。本発明の方法において、反応温度は、特に限定されないが、通常は−20〜30℃の範囲の温度である。ただし、用いる縮合剤、試薬に合わせた最適な温度で反応を行うことが望ましい。
【0097】
本発明の化学式(1)に含まれる化学式(104)で示すユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートは、出発原料として化学式(99)で示されるユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートを用い、塩基と反応させる工程と、前記工程で得られた化合物と化学式(103)で示す化合物とを反応させる工程とを経ることにより製造することができる。
【0098】
【化34】

【0099】
(式中、nは、1〜4から選ばれる整数である。R104は−A104−SO2104a を表す。R104a はOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR104bである。R104b及びA104 はそれぞれ独立して、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、あるいは、置換または未置換の複素環構造を有する基を表す(なお、R104bはこれらから選択された構造を有する一価の基であり、A104はこれらから選択された構造を有する二価の基である)。複数のユニットが存在する場合、R104、R104a 、R104b、A104 及びnは各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【0100】
【化35】

【0101】
(式中、nは、1〜4から選ばれる整数である。複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【0102】
【化36】

【0103】
(式中、R103は−A103−SO2103aを表す。R103aはOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR103bである。また、R103b及びA103はそれぞれ独立して、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、あるいは、置換または未置換の複素環構造を有する基から選ばれる(なお、R103bはこれらから選択された構造を有する一価の基であり、A103はこれらから選択された構造を有する二価の基である)。複数のユニットが存在する場合、R103、R103a、R103b及びA103は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
化学式(103)で示される化合物としては、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸や、そのアルカリ金属塩、そのエステル化物があげられる。
【0104】
本発明における化学式(99)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートと化学式(103)で示す化合物との反応について詳しく述べる。
【0105】
本発明は、ポリマー主鎖中のカルボ二ル基の隣にあるα−メチレン基に、化学式(103)で示される化合物をマイケル付加反応することで達成される。具体的には、マイケル付加の反応条件下で、化学式(99)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートと、化学式(99)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートのポリマー主鎖中のカルボニル基の隣にあるα−メチレン基をアニオン形成できる塩基とを反応させ、引き続き、化学式(103)で示す化合物とを反応させることにより達成される。また、本発明において、用いる化学式(103)で示す化合物の使用量は、化学式(99)に示すユニットに対して0.001〜100倍モル量、好ましくは、0.01〜10倍モル量である。
【0106】
本発明の反応で使用される溶媒は、反応に不活性な溶媒であり、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、リグロイン又は石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン又はキシレンのような芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン又はジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;あるいは、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルピロリジノン又はヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類であり、好ましくは、テトラヒドロフランである。
【0107】
反応は塩基の存在下で行われる。使用される塩基としては、メチルリチウム、ブチルリチウムのようなアルキルリチウム類;リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジドのようなアルカリ金属ジシラジド類;リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジシクロヘキシルアミドのようなリチウムアミド類であり、好ましくはリチウムジイソプロピルアミドである。また、本発明における塩基の使用量は、化学式(99)に示すユニットに対して、0.001〜100倍モル量、好ましくは、0.01〜10倍モル量である。
【0108】
本発明の方法において、反応温度は、通常−78℃〜40℃であり、好ましくは−78℃〜30℃である。
【0109】
本発明の方法において、反応時間は通常、通常10分間〜24時間の範囲である。特に、10分間〜4時間が好ましい。
【0110】
一方、本発明の化学式(5)で示すユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートにおいて、化学式(10A)で示すユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートは、出発原料として化学式(9A)で示されるユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートを用い、そのポリヒドロキシアルカノエートの側鎖二重結合部分を酸化する方法により製造できる。
【0111】
【化37】

【0112】
(式中、R10Aは、水素、または、塩を形成する基である。nは1〜4から選ばれた整数であり、nが1〜3から選ばれた整数である場合、mは0〜8から選ばれた整数であり、nが4の場合、mは1〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、m、n及びR10Aは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【0113】
【化38】

【0114】
(式中、nは1〜4から選ばれた整数であり、nが1〜3から選ばれた整数である場合、mは0〜8から選ばれた整数であり、nが4の場合、mは1〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、m及びnは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
上記のような炭素−炭素の二重結合を、酸化剤により、酸化開裂してカルボン酸を得る方法としては、例えば、過マンガン酸塩を用いる方法(J.Chem.Soc.,Perkin.Trans.1,806(1973))、重クロム酸塩を用いる方法(Org.Synth.,4,698(1963))、過ヨウ素酸塩を用いる方法(J.Org.Chem.,46,19(1981))硝酸を用いる方法(特開昭59−190945号広報)、オゾンを用いる方法(J.Am.Chem.Soc.,81,4273(1959))等が知られており、また、Macromolecular chemistry,4,289−293(2001)に、微生物生産したポリヒドロキシアルカノエートの側鎖末端の炭素−炭素二重結合を酸化剤として過マンガン酸カリウムを用い、反応を酸性条件下で行うことで、カルボン酸を得る方法が報告されている。本発明においても、同様の方法を用いることができる。
【0115】
酸化剤として用いる過マンガン酸塩としては、過マンガン酸カリウムが一般的である。過マンガン酸塩の使用量は、酸化開裂反応が化学量論的反応であるため、化学式(9A)で示すユニット1モルに対して、通常1モル当量以上、好ましくは、2〜10モル当量使用するのがよい。
【0116】
反応系を酸性条件下にするためには通常、硫酸、塩酸、酢酸、硝酸などの各種の無機酸や有機酸が用いられる。しかしながら、硫酸、硝酸、塩酸などの酸を用いた場合、主鎖のエステル結合が切断され、分子量低下を引き起こす恐れがある。そのため酢酸を用いることが好ましい。酸の使用量は、化学式(9A)で示すユニット1モルに対して、通常、0.2〜2000モル当量、好ましくは0.4〜1000モル当量の範囲で用いられる。0.2モル当量以上であれば好ましい収率となり、2000モル当量以下であれば酸による分解物が副生するのを低減できるため、上記の範囲内とすることが好ましい。また、反応を促進する目的でクラウン−エーテルを用いることができる。この場合、クラウン−エーテルと過マンガン酸塩とは、錯体を形成し、反応活性が増大する効果が得られる。クラウン−エーテルとしては、ジベンゾ−18−クラウン−6−エーテル、ジシクロ−18−クラウン−6−エーテル、18−クラウン−6−エーテルが一般的に用いられる。クラウン−エーテルの使用量は、過マンガン酸塩1モルに対して、通常0.005〜2.0モル当量、好ましくは、0.01〜1.5モル当量の範囲で用いることが望ましい。
【0117】
また、本発明の酸化反応における溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、たとえば、水、アセトン;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;メチルクロリド、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類等を使用できる。これらの溶媒のなかでも、ポリヒドロキシアルカノエートの溶解性を考慮すれば、メチルクロリド、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類およびアセトンが好ましい。
【0118】
本発明の前記酸化反応において、化学式(9A)で示すユニット含むポリヒドロキシアルカノエート、過マンガン酸塩及び酸は一括して最初から溶媒とともに仕込んで反応させてもよく、それぞれを連続的若しくは断続的に系内に加えながら反応させてもよい。また、過マンガン酸塩のみを先に溶媒に溶解若しくは懸濁させておき、続いてポリヒドロキシアルカノエート及び酸を連続的若しくは断続的に系内に加えて反応させてもよく、ポリヒドロキシアルカノエートのみを先に溶媒に溶解若しくは懸濁させておき、続いて過マンガン酸塩及び酸を連続的若しくは断続的に系内に加えて反応させてもよい。さらには、ポリヒドロキシアルカノエート及び酸を先に仕込んでおき、続いて過マンガン酸塩を連続的若しくは断続的に系内に加えて反応させてもよく、過マンガン酸塩及び酸を先に仕込んでおき続いてポリヒドロキシアルカノエートを連続的若しくは断続的に系内に加えて反応させてもよく、ポリヒドロキシアルカノエート及び過マンガン酸塩を先に仕込んでおき続いて酸を連続的若しくは断続的に系内に加えて反応させてもよい。
【0119】
反応温度は、通常−40〜40℃、好ましくは−10〜30℃とするのがよい。反応時間は、化学式(9A)で示すユニットと過マンガン酸塩の量論比及び反応温度に依存するが、通常2〜48時間とするのがよい。
【0120】
なお、上記記載の酸化反応と同様の方法により、本発明で示す化学式(10B)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートは、化学式(9B)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートから製造することができる。この製造方法は、新規の製造方法である。
【0121】
【化39】

【0122】
(式中、R10Bは、水素、または、塩を形成する基である。nは4であり、mは0である。)
【0123】
【化40】

【0124】
(式中、nは4であり、mは0である。)
また、本発明の化学式(5)で示すユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートにおいて、化学式(102)で示すユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートは、出発原料として化学式(101)で示されるユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートを用い、そのポリヒドロキシアルカノエートのその側鎖エステル部分を酸またはアルカリの存在下に加水分解する方法、或いは接触還元を含む水素化分解する方法により製造できる。
【0125】
【化41】

【0126】
(式中、R102は、水素、または、塩を形成する基である。nは、1〜4から選ばれる整数であり、nが1〜3である場合、mは0〜8から選ばれる整数である。nが4である場合、mは1〜8から選ばれる整数である。複数のユニットが存在する場合、R102、m及びnは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【0127】
【化42】

【0128】
(式中、nは、1〜4から選ばれる整数であり、nが1〜3である場合、mは0〜8から選ばれる整数である。nが4である場合、mは1〜8から選ばれる整数である。R101は、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基、アラルキル基である。複数のユニットが存在する場合、R101、m及びnは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。) 酸またはアルカリの存在下に加水分解する方法を用いる場合、溶媒として水溶液中または、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの水親和性の有機溶媒中において、塩酸、硫酸、硝酸、或いはリン酸などの無機酸類の水溶液あるいはトリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などの有機酸を用いるか或いは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水性苛性アルカリ類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの炭酸アルカリ類の水溶液、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどの金属アルコキシド類のアルコール溶液を用いておこなうことができる。反応温度は、通常0〜40℃、好ましくは0〜30℃とするのがよい。反応時間は、通常0.5〜48時間とするのがよい。但し、酸またはアルカリにより加水分解した場合、何れにおいても主鎖のエステル結合も切断され、分子量低下が認められる場合がある。
【0129】
接触還元を含む水素化分解する方法を用いてカルボン酸を得る方法を用いる場合、下記の如く行われる。即ち、適宜な溶媒中において、-20℃〜使用溶媒の沸点、好ましくは、0〜50℃の範囲の温度で、還元触媒存在下、水素を常圧又は、加圧下で作用させて接触還元をおこなう。使用溶媒としては、例えば水、メタノール、エタノール、プロパノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、酢酸エチル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、ジメチルホルムアミド、ピリジン、N-メチルピロリドンなどが挙げられる。また、上記の混合溶媒として用いることもできる。還元触媒としては、パラジウム、白金、ロジウムなどの単独または担体に担持された触媒またはラネーニッケルなどが用いられる。反応時間は、通常0.5〜72時間とするのがよい。このようにして生成した化学式(102)に示すユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートを含む反応液は、ろ過により触媒を除去し、蒸留などにより溶媒を除去することで粗製のポリマーとして回収される。ここで得られた化学式(102)に示すユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートは、必要ならば、単離精製することができる。この単離精製方法としては、特に制限はなく、化学式(102)に示すユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートに不溶な溶媒を用いて再沈殿する方法、カラムクロマトグラフィーによる方法、透析法などを用いることができる。但し、接触還元を用いた場合においても主鎖のエステル結合も切断され、分子量低下が認められる場合もある。
【0130】
また、本発明の化学式(5)で示すユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートにおいて、化学式(19)で示すユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートは、出発原料として化学式(10)で示されるユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートを用い、エステル化剤を用いてエステル化することで製造できる。
【0131】
【化43】

【0132】
(式中、R19は、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基、アラルキル基、あるいは、糖類を有する置換基である。nは1〜4から選ばれた整数であり、mは0〜8から選ばれた整数である。但し、nが4の場合、mが0については、糖類を有する基のみである。複数のユニットが存在する場合、m、n及びR19は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【0133】
【化44】

【0134】
(式中、R10は、水素、または、塩を形成する基である。nは1〜4から選ばれた整数であり、mは0〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、m、n及びR10は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
用いられるエステル化剤としては、ジアゾメタン及びDMFジメチルアセタール類を用いることができる。例えば、化学式(10)で示されるユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートは、トリメチルシリルジアゾメタン、DMFジメチルアセタール、DMFジエチルアセタール、DMFジプロピルアセタール、DMFジイソプロピルアセタール、DMF−n−ブチルアセタール、DMF−tert−ブチルアセタール、またはDMFジネオペンチルアセタールなどと容易に反応し、対応するエステルを与える。また、アルコール類、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ネオペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコールなど、糖構造を導入するための糖類、例えば、D−グルコース、D−フルクトース、その他の糖類などとの反応を、酸触媒、または、DCCなどの縮合剤を用いた方法により行うことで、エステル化されたポリヒドロキシアルカノエートが得られる。
【0135】
また、化学式(5)に含まれる化学式(101)で示すユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートは、出発原料として化学式(99)で示されるユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートを用い、塩基と反応させる工程と、前記工程で得られた化合物と化学式(100)で示す化合物とを反応させる工程とを経ることにより製造することができる。
【0136】
【化45】

【0137】
(式中、nは、1〜4から選ばれる整数であり、nが1〜3である場合、mは0〜8から選ばれる整数である。nが4である場合、mは1〜8から選ばれる整数である。R101は、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基、アラルキル基である。複数のユニットが存在する場合、R101、m及びnは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【0138】
【化46】

【0139】
(式中、nは、1〜4から選ばれる整数である。複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【0140】
【化47】

【0141】
(式中、mは、0〜8から選ばれる整数である。Xは、ハロゲン原子である。R100は、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基、あるいは、アラルキル基である。但し、化学式(99)においてnは4の場合、mは0を除く。)
化学式(100)で示される化合物としては、クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸プロピル、クロロギ酸イソプロピル、クロロギ酸ブチル、クロロギ酸シクロヘキシル、クロロギ酸ベンジル、ブロモギ酸メチル、ブロモギ酸エチル、ブロモギ酸プロピル、ブロモギ酸イソプロピル、ブロモギ酸ブチル、ブロモギ酸シクロヘキシル、ブロモギ酸ベンジル、クロロ酢酸メチル、クロロ酢酸エチル、クロロ酢酸プロピル、クロロ酢酸イソプロピル、クロロ酢酸ブチル、クロロ酢酸シクロヘキシル、クロロ酢酸ベンジル、ブロモ酢酸メチル、ブロモ酢酸エチル、ブロモ酢酸プロピル、ブロモ酢酸イソプロピル、ブロモ酢酸ブチル、ブロモ酢酸シクロヘキシル、ブロモ酢酸ベンジル、3−クロロプロピオン酸メチル、3−クロロプロピオン酸エチル、3−クロロプロピオン酸プロピル、3−クロロプロピオン酸イソプロピル、3−クロロプロピオン酸ブチル、3−クロロプロピオン酸シクロヘキシル、3−クロロプロピオン酸ベンジル、3−ブロモプロピオン酸メチル、3−ブロモプロピオン酸エチル、3−ブロモプロピオン酸プロピル、3−ブロモプロピオン酸イソプロピル、3−ブロモプロピオン酸ブチル、3−ブロモプロピオン酸シクロヘキシル、3−ブロモプロピオン酸ベンジル、4−クロロ酪酸メチル、4−クロロ酪酸エチル、4−クロロ酪酸プロピル、4−クロロ酪酸イソプロピル、4−クロロ酪酸ブチル、4−クロロ酪酸シクロヘキシル、4−クロロ酪酸ベンジル、4−ブロモ酪酸メチル、4−ブロモ酪酸エチル、4−ブロモ酪酸プロピル、4−ブロモ酪酸イソプロピル、4−ブロモ酪酸ブチル、4−ブロモ酪酸シクロヘキシル、4−ブロモ酪酸ベンジル、5−クロロ吉草酸メチル、5−クロロ吉草酸エチル、5−クロロ吉草酸プロピル、5−クロロ吉草酸イソプロピル、5−クロロ吉草酸ブチル、5−クロロ吉草酸シクロヘキシル、5−クロロ吉草酸ベンジル、5−ブロモ吉草酸メチル、5−ブロモ吉草酸エチル、5−ブロモ吉草酸プロピル、5−ブロモ吉草酸イソプロピル、5−ブロモ吉草酸ブチル、5−ブロモ吉草酸シクロヘキシル、5−ブロモ吉草酸ベンジル、6−クロロヘキサン酸メチル、6−クロロヘキサン酸エチル、6−クロロヘキサン酸プロピル、6−クロロヘキサン酸イソプロピル、6−クロロヘキサン酸ブチル、6−クロロヘキサン酸シクロヘキシル、6−クロロヘキサン酸ベンジル、6−ブロモヘキサン酸メチル、6−ブロモヘキサン酸エチル、6−ブロモヘキサン酸プロピル、6−ブロモヘキサン酸イソプロピル、6−ブロモヘキサン酸ブチル、6−ブロモヘキサン酸シクロヘキシル、6−ブロモヘキサン酸ベンジル、7−クロロヘプタン酸メチル、7−クロロヘプタン酸エチル、7−クロロヘプタン酸プロピル、7−クロロヘプタン酸イソプロピル、7−クロロヘプタン酸ブチル、7−クロロヘプタン酸シクロヘキシル、7−クロロヘプタン酸ベンジル、7−ブロモヘプタン酸メチル、7−ブロモヘプタン酸エチル、7−ブロモヘプタン酸プロピル、7−ブロモヘプタン酸イソプロピル、7−ブロモヘプタン酸ブチル、7−ブロモヘプタン酸シクロヘキシル、7−ブロモオクタン酸ベンジル、8−クロロオクタン酸メチル、8−クロロオクタン酸エチル、8−クロロオクタン酸プロピル、8−クロロオクタン酸イソプロピル、8−クロロオクタン酸ブチル、8−クロロオクタン酸シクロヘキシル、8−クロロオクタン酸ベンジル、8−ブロモオクタン酸メチル、8−ブロモオクタン酸エチル、8−ブロモオクタン酸プロピル、8−ブロモオクタン酸イソプロピル、8−ブロモオクタン酸ブチル、8−ブロモオクタン酸シクロヘキシル、8−ブロモオクタン酸ベンジル、9−クロロノナン酸メチル、9−クロロノナン酸エチル、9−クロロノナン酸プロピル、9−クロロノナン酸イソプロピル、9−クロロノナン酸ブチル、9−クロロノナン酸シクロヘキシル、9−クロロノナン酸ベンジル、9−ブロモノナン酸メチル、9−ブロモノナン酸エチル、9−ブロモノナン酸プロピル、9−ブロモノナン酸イソプロピル、9−ブロモノナン酸ブチル、9−ブロモノナン酸シクロヘキシル、9−ブロモノナン酸ベンジル等があげられる。
【0142】
本発明における化学式(99)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートと化学式(100)で示す化合物との反応について詳しく述べる。
【0143】
本発明は、ポリマー主鎖中のカルボ二ル基の隣にあるα−メチレン基に、化学式(100)で示される化合物を付加反応することで達成される。具体的には、付加反応の条件下で、化学式(99)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートと、化学式(99)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートのポリマー主鎖中のカルボニル基の隣にあるα−メチレン基をアニオン形成できる塩基とを反応させ、引き続き、化学式(100)で示す化合物とを反応させることにより達成される。また、本発明において、用いる化学式(100)で示す化合物の使用量は、化学式(99)に示すユニットに対して0.001〜100倍モル量、好ましくは、0.01〜10倍モル量である。
【0144】
本発明の反応で使用される溶媒は、反応に不活性な溶媒であり、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、リグロイン又は石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン又はキシレンのような芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン又はジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;あるいは、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルピロリジノン又はヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類であり、好ましくは、テトラヒドロフランである。
【0145】
反応は塩基の存在下で行われる。使用される塩基としては、メチルリチウム、ブチルリチウムのようなアルキルリチウム類;リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジドのようなアルカリ金属ジシラジド類;リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジシクロヘキシルアミドのようなリチウムアミド類であり、好ましくはリチウムジイソプロピルアミドである。また、本発明における塩基の使用量は、化学式(99)に示すユニットに対して、0.001〜100倍モル量、好ましくは、0.01〜10倍モル量である。
【0146】
本発明の方法において、反応温度は、通常−78℃〜40℃であり、好ましくは−78℃〜30℃である。
【0147】
本発明の方法において、反応時間は通常、通常10分間〜24時間の範囲である。特に、10分間〜4時間が好ましい。
【0148】
上記の製造方法によって、化学式(5)に含まれる化学式(101)で示すユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートが製造できる。
【0149】
(ω−ヒドロキシカルボン酸の分子内閉環化合物から化学式(6)で示されるユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートを得る製造方法)
本発明の化学式(6)で示されるユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートは、化学式(8)で示されるω−ヒドロキシカルボン酸の分子内閉環化合物を触媒の存在下で重合することにより製造できる。
【0150】
【化48】

【0151】
(式中、nは1〜4から選ばれた整数であり、nが1〜2、4で選ばれた整数である場合、mは、0〜8から選ばれる整数であり、nが3である場合、mは、0及び2〜8から選ばれる整数である。複数のユニットが存在する場合、m及びnは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【0152】
【化49】

【0153】
(式中、nは1〜4から選ばれた整数であり、nが1〜2、4で選ばれた整数である場合、mは、0〜8から選ばれる整数であり、nが3である場合、mは、0及び2〜8から選ばれる整数である。)
本発明のω−ヒドロキシカルボン酸の分子内閉環化合物である化学式(8)を用いた化学式(6)で示されるユニットを含むポリエステルの製造では、重合方法については、特に制限はなく、例えば、溶液重合法、スラリー重合法、塊状重合法などを採択することができる。また、重合溶媒を用いる場合は、その溶媒は特に限定されず、例えば炭素数5〜18の脂肪族炭化水素や環式炭化水素、炭素数6〜20の芳香族炭化水素などの不活性溶媒、テトラヒドロフラン、クロロホルム、オルトジクロロベンゼン、ジオキサンなどを用いることができる。この重合に使用する触媒としては、公知の開環重合触媒を用いることができる。例えば、二塩化スズ、四塩化スズ、フッ化第一スズ、酢酸第一スズ、ステアリン酸第一スズ、オクタン酸第一スズ、酸化第一スズ、酸化第二スズ、その他のスズ塩が挙げられる。また、トリエトキシアルミニウム、トリ−n−プロポキシ−アルミニウム、トリ−iso−プロポキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、トリ−iso−ブトキシアルミニルム、塩化アルミニウム、ジ−iso−プロピル亜鉛、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、塩化亜鉛、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−t−ブトキシチタン、三フッ化アンチモン、酸化鉛、ステアリン酸鉛、四塩化チタン、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素エーテル錯体、トリエチルアミン、トリブチルアミン等が挙げられる。
【0154】
これらの触媒の使用量は、モノマー化合物の総量に対し、0.0001〜10重量%の範囲であり、より好ましくは0.001〜5重量%の範囲である。
【0155】
本発明においては、開環重合に際し、重合開始剤として、公知の重合開始剤を用いることができる。具体的には、脂肪族アルコールはモノ、ジ、または多価アルコールのいずれでもよく、また飽和、もしくは不飽和であってもかまわない。具体的にはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、ノナノール、デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、p−tert−ブチルベンジルアルコール等のモノアルコール、エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ノナンジオール、テトラメチレングリコール等の、ジアルコール、グリセロール、ソルビトール、キシリトール、リビトール、エリスリトール等の多価アルコールおよび乳酸メチル、乳酸エチル等を用いることができる。これらの脂肪族アルコールは、用いられるアルコールの種類などの条件により若干の相違はあるが、通常、モノマーの総量に対し、0.01〜10重量%の割合で用いられる。
【0156】
本発明において、開環重合反応温度は、25〜200℃の範囲であり、好ましくは50〜200℃、より好ましくは100〜180℃の範囲である。
【0157】
本発明において、開環重合反応は窒素、アルゴン等の不活性雰囲気、あるいは減圧、もしくは加圧下で行ってもよく、その際、逐次、触媒、アルコールを添加してもかまわない。
【0158】
本発明にかかるポリヒドロキシアルカノエートは、先に示した化学式(1)、(5)あるいは(6)で示されるユニットを主体として構成されるが、機械特性、分解特性など物性を種々変化させるために、第2成分等を共重合させたコポリマーとしてもよい。例えば、化学式(7)で示されるユニットを更に分子中に含有させることができる。
【0159】
【化50】

【0160】
(R7は、炭素数1〜11の直鎖または分岐状のアルキレン基、アルキレンオキシアルキレン基(各アルキレン基はそれぞれ独立して炭素数が1〜2のアルキレン基である)または、アリールで置換されていてもよい炭素数1〜5のアルキリデン基である。複数のユニットが存在する場合、R7は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
第2成分としての具体例としては、α−ヒドロキシカルボン酸の環状ジエステルやω−ヒドロキシカルボン酸の分子内閉環化合物であるラクトン類を共重合させることができる。更に、具体的にはα−ヒドロキシカルボン酸の環状ジエステルとしては、グリコリド、ラクチド、α−ヒドロキシ酪酸、α−ヒドロキシイソ酪酸、α−ヒドロキシ吉草酸、α−ヒドロキシイソ吉草酸、α−ヒドロキシ−α−メチル酪酸、α−ヒドロキシカプロン酸、α−ヒドロキシイソカプロン酸、α−ヒドロキシ−β−メチル吉草酸、α−ヒドロキシヘプタン酸、マンデル酸、β−フェニル乳酸等の分子間環状ジエステルが挙げられる。また、不斉炭素を有するものは、L体、D体、ラセミ体、メソ体のいずれでもよい。また、環状ジエステルは異なるα−オキシ酸分子同士により形成されるものであっても一向に構わない。具体的には、グリコール酸と乳酸の間の環状ジエステルであり、3−メチル−2,5−ジケト−1,4−ジオキサンなどが挙げられる。また、ω−ヒドロキシカルボン酸の分子内閉環化合物であるラクトン類としては、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、β−イソバレロラクトン、β−カプロラクトン、β−イソカプロラクトン、β−メチル−β−バレロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン、11−オキシデカン酸ラクトン、p−ジオキサノン、1,5−ジオキセバン−2−オン等の分子内閉環化合物が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0161】
重合によって得られるポリヒドロキシアルカノエートの数平均分子量は、重合触媒の種類や量、重合温度、重合時間などの条件を変えることで種々の分子量のものが得られるが、1000〜1000000が好ましい。
【0162】
本発明のポリヒドロキシアルカノエートの分子量は、相対分子量、絶対分子量として測定可能である。簡便にたとえばGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)などにより測定できる。具体的なGPCの測定方法としては、予め上記ポリヒドロキシアルカノエートを可溶な溶媒に溶解し、同様の移動相で測定する。検出器としては、示差屈折検出器(RI)または紫外検出器(UV)など測定するポリヒドロキシアルカノエートに合わせて用いることができる。試料(ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートなど)との相対比較として分子量が求められる。溶媒としては、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO),クロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)などポリマーが可溶なものから選択すればよい。極性溶媒の場合には、塩添加により測定することもできる。
【0163】
また、本発明においては、上記のようにして測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比率(Mw/Mn)が、1〜10の範囲内にある上記ポリヒドロキシアルカノエートを使用することが好ましい。
【0164】
なお、本発明の化学反応における、反応溶媒、反応温度、反応時間、精製方法等は、上記の方法に限定されるものではない。
【実施例】
【0165】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明の方法は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
【0166】
まず、以下の実施例で用いる材料について、調整例としてまとめて説明する。
【0167】
(調製例)
実施例中で用いられる原料は、下記の方法により調製することができる。
【0168】
(調製例1)
実施例1〜4に記載の化学式(20)で示される3−(2−プロペニル)−2−オキセタノンの製造方法
実施例1〜4に記載の化学式(20)で示される3−(2−プロペニル)−2−オキセタノンは、Journal of American Chemical Society 1995,117,3705−3716に記載のジヒドロ−3−(2−プロペニル)フラン−2(3H)−オン(当該文献中の化合物(6a))の合成において、γ−ブチロラクトンの代わりにβ−プロピオラクトンを用いることで合成できる。
【0169】
具体的には、ナスフラスコ中にβ−プロピオラクトンを7.20g(100.0mmol)加え、THF55mlを加えて溶解した。これを窒素雰囲気下に置き、−78℃にて攪拌した。次に2MのリチウムジイソプロピルアミドのTHF溶液55mlをゆっくり加えて、−78℃下で20分間攪拌した。次に、ヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)38mlに溶解したアリルブロミドを14.52g(110.0mmol)を加えた後、−30℃で3時間攪拌した。反応終了後、反応液を塩化アンモニウム水溶液中に注いだ後、ジクロロメタンを加えて有機層を抽出した。水で、3回洗浄した後、有機層を回収した。回収した有機層は、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。硫酸ナトリウムを除去した後、溶液を留去することで粗製の3−(2−プロペニル)−2−オキセタノンを回収した。次にシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、減圧下にて蒸留を行うことで目的とする3−(2−プロペニル)−2−オキセタノンを9.42g得た。得られた化合物の構造を特定するため、以下の条件でNMR分析を行った。
【0170】
<測定機器>
FT−NMR:Bruker DPX400
共鳴周波数: 1H=400MHz
<測定条件>
測定核種:1
使用溶媒:CDCl3
測定温度:室温
その結果、得られた化合物は、目的とする3−(2−プロペニル)−2−オキセタノンであることを確認した。
【0171】
(調製例2)
実施例5に記載の化学式(25)に記載の3−(3−ブテニル)−2−オキセタノンの製造方法
調製例1に記載のアリルブロミドの代わりに4-ブロモ-1-ブテンをを用いる以外は実施例1と同様の方法により目的とする3−(3−ブテニル)−2−オキセタノンを9.46g得た。
【0172】
(調製例3)
実施例6に記載の化学式(27)に記載の3−(5−ヘキセニル)−2−オキセタノンの製造方法
調製例1に記載のアリルブロミドの代わりに6-ブロモ-1-ヘキセンを19.57g(110.0mmol)を用いる以外は実施例1と同様の方法により目的とする3−(5−ヘキセニル)−2−オキセタノンを10.79g得た。
【0173】
(調製例4)
実施例7に記載の化学式(29)に記載の3−(9−デセニル)−2−オキセタノンの製造方法
調製例1に記載のアリルブロミドの代わりに10-ブロモ-1-デセンを26.30g(110.0mmol)を用いる以外は実施例1と同様の方法により目的とする3−(9−デセニル)−2−オキセタノンを15.14g得た。
【0174】
(調製例5)
実施例8及び9に記載の化学式(31)に記載の3−(2−プロペニル)ジヒドロ−2(3H)−フランオンの製造方法
調製例1に記載のβ−プロピオラクトンの代わりにγ−ブチロラクトンを8.61g(100.0mmol)を用いる以外は実施例1と同様の方法により目的とする3−(2−プロペニル)ジヒドロ−2(3H)−フランオンを10.72g得た。
【0175】
(調製例6)
実施例10に記載の化学式(34)に記載の3−(3−ブテニル)ジヒドロ−2(3H)−フランオンの製造方法
調製例1に記載のβ−プロピオラクトン及びアリルブロミドの代わりにγ−ブチロラクトンを8.61g(100.0mmol)並びに4−ブロモ−1−ブテンを16.20g(110.0mmol)を用いる以外は実施例1と同様の方法により目的とする3−(3−ブテニル)ジヒドロ−2(3H)−フランオンを11.21g得た。
【0176】
(調製例7)
実施例11に記載の化学式(36)に記載の3−(5−ヘキセニル)ジヒドロ−2(3H)−フランオンの製造方法
調製例1に記載のβ−プロピオラクトン及びアリルブロミドの代わりにγ−ブチロラクトンを8.61g(100.0mmol)並びに6−ブロモ−1−へキセンを19.57g(110.0mmol)を用いる以外は実施例1と同様の方法により目的とする3−(5−ヘキセニル)ジヒドロ−2(3H)−フランオンを12.62g得た。
【0177】
(調製例8)
実施例12〜15に記載の化学式(37)に記載のテトラヒドロ−3−(2−プロペニル)−2H−ピラン−2−オンの製造方法
調製例1に記載のβ−プロピオラクトンの代わりにδ-バレロラクトンを10.01g(100.0mmol)を用いる以外は実施例1と同様の方法により目的とするテトラヒドロ−3−(2−プロペニル)−2H−ピラン−2−オンを9.81g得た。
【0178】
(調製例9)
実施例16、17に記載の化学式(42)に記載のテトラヒドロ−4−(3−ブテニル)−2H−ピラン−2−オンの製造方法
調製例1に記載のβ−プロピオラクトン及びアリルブロミドの代わりにδ-バレロラクトンを10.01g(100.0mmol)並びに4−ブロモ−1−ブテンを16.20g(110.0mmol)を用いる以外は実施例1と同様の方法により目的とするテトラヒドロ−3−(2−プロペニル)−2H−ピラン−2−オンを10.02g得た。
【0179】
(調製例10)
実施例18に記載の化学式(45)に記載のテトラヒドロ−4−(3−ブテニル)−2H−ピラン−2−オンの製造方法
調製例1に記載のβ−プロピオラクトン及びアリルブロミドの代わりにδ-バレロラクトンを10.01g(100.0mmol)並びに5−ブロモ−1−ペンテンを17.88g(110.0mmol)を用いる以外は実施例1と同様の方法により目的とするテトラヒドロ−4−(3−ブテニル)−2H−ピラン−2−オンを10.09g得た。
【0180】
(調製例11)
実施例19に記載の化学式(47)に記載のテトラヒドロ−3−(7−オクテニル)−2H−ピラン−2−オンの製造方法
調製例1に記載のβ−プロピオラクトン及びアリルブロミドの代わりにδ-バレロラクトンを10.01g(100.0mmol)並びに8−ブロモ−1−オクテンを22.93g(110.0mmol)を用いる以外は実施例1と同様の方法により目的とするテトラヒドロ−3−(7−オクテニル)−2H−ピラン−2−オンを13.25g得た。
【0181】
(調製例12)
実施例20に記載の化学式(49)に記載のテトラヒドロ−3−(9−デセニル)−2H−ピラン−2−オンの製造方法
調製例1に記載のβ−プロピオラクトン及びアリルブロミドの代わりにδ-バレロラクトンを10.01g(100.0mmol)並びに10−ブロモ−1−デセンを26.30g(110.0mmol)を用いる以外は実施例1と同様の方法により目的とするテトラヒドロ−3−(9−デセニル)−2H−ピラン−2−オンを14.30g得た。
【0182】
(調製例13)
実施例21に記載の化学式(51)に記載の3−(2−プロペニル)−2−オキセパノンの製造方法
調製例1に記載のβ−プロピオラクトンの代わりにε-カプロラクトンを11.41g(100.0mmol)用いる以外は実施例1と同様の方法により目的とする3−(2−プロペニル)−2−オキセパノンを10.02g得た。
【0183】
(調製例14)
実施例22に記載の化学式(53)に記載の3−(3−ブテニル)−2−オキセパノンの製造方法
調製例1に記載のβ−プロピオラクトン及びアリルブロミドの代わりにε-カプロラクトン11.41g(100.0mmol)並びに4−ブロモ−1−ブテンを16.20g(110.0mmol)を用いる以外は実施例1と同様の方法により目的とする3−(3−ブテニル)−2−オキセパノンを10.09g得た。
【0184】
以下に、具体的な実施例を示す。
【0185】
(実施例1)
[化学式(20)で示される3−(2−プロペニル)−2−オキセタノンを用いたポリエステル合成]
【0186】
【化51】

【0187】
化学式(20)で示される3−(2−プロペニル)−2−オキセタノン 1.12g(10.0mmol)、0.01Mのオクチル酸スズ(2−エチルヘキサン酸スズ)のトルエン溶液 4.0ml、0.01Mのp−tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液 4mlを重合アンプルに装入し、1時間減圧乾燥、窒素置換を行った後、減圧下にて溶封し、150℃に加熱し、開環重合を行った。12時間後反応を終了し、冷却した。得られたポリマーをクロロホルムに溶解し、溶解に要したクロロホルムの10倍量のメタノール中に再沈殿した。沈殿を回収し、減圧乾燥することでポリマーを0.35g得た。
得られたポリマーの構造を特定するため、以下の条件でNMR分析を行った。
【0188】
<測定機器>
FT−NMR:Bruker DPX400
共鳴周波数:1H=400MHz
<測定条件>
測定核種:1
使用溶媒:TMS/CDCl3
測定温度:室温
その結果、下記化学式(21)に示すユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0189】
【化52】

【0190】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8220、カラム;東ソー TSK−GEL Super HM−H、溶媒;クロロホルム、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=5800、重量平均分子量 Mw=7100であった。
【0191】
(実施例2)
[3−(2−プロペニル)−2−オキセタノン及びL−ラクチドを用いたポリエステル合成]
化学式(20)で示される3−(2−プロペニル)−2−オキセタノン 0.22g(2.0mmol)、L−ラクチド 1.44g(10.0mmol)、0.01Mのオクチル酸スズ(2−エチルヘキサン酸スズ)のトルエン溶液 4.8ml、0.01Mのp−tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液 4.8mlを重合アンプルに装入し、その後は実施例1と同様の方法によりポリマーを1.20g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(22)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット9mol%、Bユニット91mol%であることが確認された。
【0192】
【化53】

【0193】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=28500、重量平均分子量 Mw=38500であった。
【0194】
(実施例3)
[3−(2−プロペニル)−2−オキセタノン及びマンデリド(3,6−ジフェニル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン)を用いたポリエステル合成]
化学式(20)で示される3−(2−プロペニル)−2−オキセタノン 0.22g(2.0mmol)、マンデリド 2.68g(10.0mmol)、0.01Mのオクチル酸スズ(2−エチルヘキサン酸スズ)のトルエン溶液 4.8ml、0.01Mのp−tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液 4.8mlを重合アンプルに装入し、その後は実施例1と同様の方法によりポリマーを1.88g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(23)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット10mol%、Bユニット90mol%であることが確認された。
【0195】
【化54】

【0196】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=23500、重量平均分子量 Mw=35000であった。
【0197】
(実施例4)
[3−(2−プロペニル)−2−オキセタノン及びδ−バレロラクトンを用いたポリエステル合成]
化学式(20)で示される3−(2−プロペニル)−2−オキセタノン 0.22g(2.0mmol)、δ−バレロラクトン 1.00g(10.0mmol)、0.01Mのオクチル酸スズ(2−エチルヘキサン酸スズ)のトルエン溶液 4.8ml、0.01Mのp−tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液 4.8mlを重合アンプルに装入し、その後は実施例1と同様の方法によりポリマーを0.80g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(24)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット16mol%、Bユニット84mol%であることが確認された。
【0198】
【化55】

【0199】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=19800、重量平均分子量 Mw=28900であった。
【0200】
(実施例5)
[化学式(25)で示される3−(3−ブテニル)−2−オキセタノン及びL−ラクチドを用いたポリエステル合成]
【0201】
【化56】

【0202】
化学式(25)で示される3−(3−ブテニル)−2−オキセタノン 0.25g(2.0mmol)、L−ラクチド 1.44g(10.0mmol)、0.01Mのオクチル酸スズ(2−エチルヘキサン酸スズ)のトルエン溶液 4.8ml、0.01Mのp−tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液 4.8mlを重合アンプルに装入し、その後は実施例1と同様の方法によりポリマーを0.94g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(26)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット8mol%、Bユニット92mol%であることが確認された。
【0203】
【化57】

【0204】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=24300、重量平均分子量 Mw=36700であった。
【0205】
(実施例6)
[化学式(27)で示される3−(5−ヘキセニル)−2−オキセタノン及びL−ラクチドを用いたポリエステル合成]
【0206】
【化58】

【0207】
化学式(27)で示される3−(5−ヘキセニル)−2−オキセタノン 0.31g(2.0mmol)、L−ラクチド 1.44g(10.0mmol)、0.01Mのオクチル酸スズ(2−エチルヘキサン酸スズ)のトルエン溶液 4.8ml、0.01Mのp−tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液 4.8mlを重合アンプルに装入し、その後は実施例1と同様の方法によりポリマーを0.83g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(28)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット7mol%、Bユニット93mol%であることが確認された。
【0208】
【化59】

【0209】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=16500、重量平均分子量 Mw=24400であった。
【0210】
(実施例7)
[化学式(29)で示される3−(9−デセニル)−2−オキセタノン及びL−ラクチドを用いたポリエステル合成]
【0211】
【化60】

【0212】
化学式(29)で示される3−(9−デセニル)−2−オキセタノン 0.36g(2.0mmol)、L−ラクチド 1.44g(10.0mmol)、0.01Mのオクチル酸スズ(2−エチルヘキサン酸スズ)のトルエン溶液 4.8ml、0.01Mのp−tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液 4.8mlを重合アンプルに装入し、その後は実施例1と同様の方法によりポリマーを0.75g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(30)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット4mol%、Bユニット96mol%であることが確認された。
【0213】
【化61】

【0214】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=16700、重量平均分子量 Mw=23700であった。
【0215】
(実施例8)
[化学式(31)で示される3−(2−プロペニル)ジヒドロ−2(3H)−フランオン及びL−ラクチドを用いたポリエステル合成]
【0216】
【化62】

【0217】
化学式(31)で示される3−(2−プロペニル)ジヒドロ−2(3H)−フランオン 0.25g(2.0 mmol)、L−ラクチド 1.44g(10.0 mmol)、2Mのジエチル亜鉛のトルエン溶液 24μl、0.01Mのp−tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液 9.6mlを重合アンプルに装入し、その後は実施例1と同様の方法によりポリマーを0.91g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(32)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット5mol%、Bユニット95mol%であることが確認された。
【0218】
【化63】

【0219】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=8200、重量平均分子量 Mw=12400であった。
【0220】
(実施例9)
[3−(2−プロペニル)ジヒドロ−2(3H)−フランオン及びマンデリドを用いたポリエステル合成]
化学式(31)で示される3−(2−プロペニル)ジヒドロ−2(3H)−フランオン 0.25g(2.0 mmol)、マンデリド 2.68g(10.0 mmol)、2Mのジエチル亜鉛のトルエン溶液 24μl、0.01Mのp−tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液 9.6mlを重合アンプルに装入し、その後は実施例1と同様の方法によりポリマーを1.59g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(33)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット6mol%、Bユニット94mol%であることが確認された。
【0221】
【化64】

【0222】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=7500、重量平均分子量 Mw=11000であった。
【0223】
(実施例10)
[化学式(34)で示される3−(3−ブテニル)ジヒドロ−2(3H)−フランオン及びL−ラクチドを用いたポリエステル合成]
【0224】
【化65】

【0225】
化学式(34)で示される3−(3−ブテニル)ジヒドロ−2(3H)−フランオン 0.28g(2.0 mmol)、L−ラクチド 1.44g(10.0 mmol)、2Mのジエチル亜鉛のトルエン溶液 24μl、0.01Mのp−tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液 9.6mlを重合アンプルに装入し、その後は実施例1と同様の方法によりポリマーを0.83g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(35)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット4mol%、Bユニット96mol%であることが確認された。
【0226】
【化66】

【0227】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=6100、重量平均分子量 Mw=9800であった。
【0228】
(実施例11)
[化学式(36)で示される3−(5−ヘキセニル)ジヒドロ−2(3H)−フランオン及びL−ラクチドを用いたポリエステル合成]
【0229】
【化67】

【0230】
化学式(36)で示される3−(5−ヘキセニル)ジヒドロ−2(3H)−フランオン 0.42g(2.0 mmol)、L−ラクチド 1.44g(10.0 mmol)、2Mのジエチル亜鉛のトルエン溶液 24μl、0.01Mのp−tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液 9.6mlを重合アンプルに装入し、その後は実施例1と同様の方法によりポリマーを0.72g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(36A)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット4mol%、Bユニット96mol%であることが確認された。
【0231】
【化68】

【0232】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=6200、重量平均分子量 Mw=9000であった。
【0233】
(実施例12)
[化学式(37)で示されるテトラヒドロ−3−(2−プロペニル)−2H−ピラン−2−オンを用いたポリエステル合成]
【0234】
【化69】

【0235】
化学式(37)で示されるテトラヒドロ−3−(2−プロペニル)−2H−ピラン−2−オン 1.40g(10.0mmol)、0.01Mのオクチル酸スズ(2−エチルヘキサン酸スズ)のトルエン溶液 4.0ml、0.01Mのp−tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液 4.0mlを重合アンプルに装入し、その後は実施例1と同様の方法によりポリマーを0.52g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(38)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。
【0236】
【化70】

【0237】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=6200、重量平均分子量 Mw=7400であった。
【0238】
(実施例13)
[テトラヒドロ−3−(2−プロペニル)−2H−ピラン−2−オンとL−ラクチドを用いたポリエステル合成]
化学式(37)で示されるテトラヒドロ−3−(2−プロペニル)−2H−ピラン−2−オン 0.28g(2.0mmol)、L−ラクチド 1.44g(10.0mmol)、0.01Mのオクチル酸スズ(2−エチルヘキサン酸スズ)のトルエン溶液 4.8ml、0.01Mのp−tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液 4.8mlを重合アンプルに装入し、その後は実施例1と同様の方法によりポリマーを1.24g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(39)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット10mol%、Bユニット90mol%であることが確認された。
【0239】
【化71】

【0240】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=148000、重量平均分子量 Mw=247200であった。
【0241】
(実施例14)
[テトラヒドロ−3−(2−プロペニル)−2H−ピラン−2−オンとL−ラクチドを用いたポリエステル合成]
化学式(37)で示されるテトラヒドロ−3−(2−プロペニル)−2H−ピラン−2−オン 2.80g(20.0mmol)、L−ラクチド 14.41g(100.0mmol)、0.1Mのオクチル酸スズ(2−エチルヘキサン酸スズ)のトルエン溶液 4.8ml、0.1Mのp−tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液 4.8mlを重合アンプルに装入し、その後は実施例1と同様の方法によりポリマーを12.93g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(40)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット11mol%、Bユニット89mol%であることが確認された。
【0242】
【化72】

【0243】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=152000、重量平均分子量 Mw=252300であった。
【0244】
(実施例15)
[テトラヒドロ−3−(2−プロペニル)−2H−ピラン−2−オンとマンデリドを用いたポリエステル合成]
化学式(37)で示されるテトラヒドロ−3−(2−プロペニル)−2H−ピラン−2−オン 0.28g(2.0mmol)、マンデリド 2.68g(10.0mmol)、0.01Mのオクチル酸スズ(2−エチルヘキサン酸スズ)のトルエン溶液 4.8ml、0.01Mのp−tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液 4.8mlを重合アンプルに装入し、その後は実施例1と同様の方法によりポリマーを2.06g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(41)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット12mol%、Bユニット88mol%であることが確認された。
【0245】
【化73】

【0246】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=48000、重量平均分子量 Mw=97200であった。
【0247】
(実施例16)
[化学式(42)示されるテトラヒドロ−4−(3−ブテニル)−2H−ピラン−2−オンとδ−バレロラクトンを用いたポリエステル合成]
【0248】
【化74】

【0249】
化学式(42)で示されるテトラヒドロ−4−(3−ブテニル)−2H−ピラン−2−オン 0.31g(2.0mmol)、δ−バレロラクトン 1.00g(10.0mmol)、0.01Mのオクチル酸スズ(2−エチルヘキサン酸スズ)のトルエン溶液 4.8ml、0.01Mのp−tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液 4.8mlを重合アンプルに装入し、その後は実施例1と同様の方法によりポリマーを0.73g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(43)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット18mol%、Bユニット82mol%であることが確認された。
【0250】
【化75】

【0251】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=37000、重量平均分子量 Mw=62200であった。
【0252】
(実施例17)
[テトラヒドロ−4−(3−ブテニル)−2H−ピラン−2−オンとL−ラクチドを用いたポリエステル合成]
化学式(42)で示されるテトラヒドロ−4−(3−ブテニル)−2H−ピラン−2−オン 0.31g(2.0mmol)、L−ラクチド 1.44g(10.0mmol)、0.01Mのオクチル酸スズ(2−エチルヘキサン酸スズ)のトルエン溶液 4.8ml、0.01Mのp−tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液 4.8mlを重合アンプルに装入し、その後は実施例1と同様の方法によりポリマーを1.18g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(44)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット9mol%、Bユニット91mol%であることが確認された。
【0253】
【化76】

【0254】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=78800、重量平均分子量 Mw=137900であった。
【0255】
(実施例18)
[化学式(45)で示されるテトラヒドロ−3−(4−ペンテニル)−2H−ピラン−2−オンとグリコリド(1,4−ジオキサン−2,5−ジオン)を用いたポリエステル合成]
【0256】
【化77】

【0257】
化学式(45)で示されるテトラヒドロ−3−(4−ペンテニル)−2H−ピラン−2−オン 0.34g(2.0mmol)、グリコリド 1.16g(10.0mmol)、0.01Mのオクチル酸スズ(2−エチルヘキサン酸スズ)のトルエン溶液 4.8ml、0.01Mのp−tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液 4.8mlを重合アンプルに装入し、その後は実施例1と同様の方法によりポリマーを0.96g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(46)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット7mol%、Bユニット93mol%であることが確認された。
【0258】
【化78】

【0259】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=65400、重量平均分子量 Mw=107200であった。
【0260】
(実施例19)
[化学式(47)で示されるテトラヒドロ−3−(7−オクテニル)−2H−ピラン−2−オンとL−ラクチドを用いたポリエステル合成]
【0261】
【化79】

【0262】
化学式(47)で示されるテトラヒドロ−3−(7−オクテニル)−2H−ピラン−2−オン 0.39g(2.0mmol)、L−ラクチド 1.44g(10.0mmol)、0.01Mのオクチル酸スズ(2−エチルヘキサン酸スズ)のトルエン溶液 4.8ml、0.01Mのp−tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液 4.8mlを重合アンプルに装入し、その後は実施例1と同様の方法によりポリマーを1.11g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(48)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット6mol%、Bユニット94mol%であることが確認された。
【0263】
【化80】

【0264】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=81400、重量平均分子量 Mw=140800であった。
【0265】
(実施例20)
[化学式(49)で示されるテトラヒドロ−3−(9−デセニル)−2H−ピラン−2−オンとL−ラクチドを用いたポリエステル合成]
【0266】
【化81】

【0267】
化学式(49)で示されるテトラヒドロ−3−(9−デセニル)−2H−ピラン−2−オン 0.48g(2.0mmol)、L−ラクチド 1.44g(10.0mmol)、0.01Mのオクチル酸スズ(2−エチルヘキサン酸スズ)のトルエン溶液 4.8ml、0.01Mのp−tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液 4.8mlを重合アンプルに装入し、その後は実施例1と同様の方法によりポリマーを1.03g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(50)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット4mol%、Bユニット96mol%であることが確認された。
【0268】
【化82】

【0269】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=55000、重量平均分子量 Mw=90800であった。
【0270】
(実施例21)
[化学式(51)で示される3−(2−プロペニル)−2−オキセパノンとL−ラクチドを用いたポリエステル合成]
【0271】
【化83】

【0272】
化学式(51)で示される3−(2−プロペニル)−2−オキセパノン 0.31g(2.0mmol)、L−ラクチド 1.44g(10.0mmol)、0.01Mのオクチル酸スズ(2−エチルヘキサン酸スズ)のトルエン溶液 4.8ml、0.01Mのp−tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液 4.8mlを重合アンプルに装入し、その後は実施例1と同様の方法によりポリマーを1.32g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(52)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット10mol%、Bユニット90mol%であることが確認された。
【0273】
【化84】

【0274】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=132000、重量平均分子量 Mw=220400であった。
【0275】
(実施例22)
[化学式(53)で示される3−(3−ブテニル)−2−オキセパノンとグリコリドを用いたポリエステル合成]
【0276】
【化85】

【0277】
化学式(53)で示される3−(3−ブテニル)−2−オキセパノン 0.34g(2.0mmol)、グリコリド 1.16g(10.0mmol)、0.01Mのオクチル酸スズ(2−エチルヘキサン酸スズ)のトルエン溶液 4.8ml、0.01Mのp−tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液 4.8mlを重合アンプルに装入し、その後は実施例1と同様の方法によりポリマーを1.04g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(54)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット8mol%、Bユニット92mol%であることが確認された。
【0278】
【化86】

【0279】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=128000、重量平均分子量 Mw=208600であった。
【0280】
(実施例23)
実施例1で合成した化学式(21)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートの酸化反応
【0281】
【化87】

【0282】
実施例1で得られた化学式(21)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート0.50gをナスフラスコ中に加え、アセトン30mlを加えて溶解した。これを氷浴下に置き、酢酸5ml、18−クラウン−6−エーテル3.54gを加えて攪拌した。次に氷浴下で過マンガン酸カリウム2.82gをゆっくり加えて、氷浴下で2時間攪拌し、更に室温で18時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを60ml加え、更に水45mlを加えた。次に亜硫酸水素ナトリウムを過酸が除去されるまで加えた。その後、1.0N塩酸により液性をpH=1にした。有機層を抽出し、1.0N塩酸で3回洗浄した。有機層を回収した後、溶媒留去することで粗製のポリマーを回収した。次に、水50ml、メタノール50mlで洗浄し、更に水50mlで3回洗浄した後、ポリマーを回収した。次に、THF3mlに溶解し、溶解に要したTHFの50倍量のメタノール中に再沈殿した。沈殿を回収し、減圧乾燥することでポリマーを0.44g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(55)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0283】
【化88】

【0284】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=4700、重量平均分子量 Mw=6200であった。
【0285】
(実施例24)
実施例2で合成した化学式(22)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートの酸化反応
【0286】
【化89】

【0287】
実施例2で得られた化学式(22)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(A:9mol%、B:91mol%)0.50gをナスフラスコ中に加え、アセトン30mlを加えて溶解した。これを氷浴下に置き、酢酸5ml、18−クラウン−6−エーテル0.47gを加えて攪拌した。次に氷浴下で過マンガン酸カリウム0.38gをゆっくり加えて、氷浴下で2時間攪拌し、更に室温で18時間攪拌した。反応終了後、実施例23と同様の方法によりポリマーを0.43g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(56)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0288】
【化90】

【0289】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=22300、重量平均分子量 Mw=30600であった。
【0290】
更に、得られたポリヒドロキシアルカノエートのユニットを算出するため、トリメチルシリルジアゾメタンを用いポリヒドロキシアルカノエートの側鎖末端にあるカルボキシル基をメチルエステル化することで算出を行った。目的物であるポリヒドロキシアルカノエート30mgを100ml容ナスフラスコ中 に加え、クロロホルム2.1ml、メタノール0.7mlを加えて溶解した。これに2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン-ヘキサン溶液0.5mlを加えて、室温で1時間攪拌した。反応終了後、溶媒留去した後、ポリマーを回収した。これをメタノール50mlで洗浄後、ポリマーを回収した。減圧乾燥することでポリヒドロキシアルカノエートを29mg得た。
【0291】
実施例1と同様の方法を用いてNMR分析を行った。その結果、化学式(56)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Cのユニットが、9mol%、Dのユニットが、91mol%の共重合体であることが確認された。
【0292】
(実施例25)
実施例3で合成した化学式(23)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートの酸化反応
【0293】
【化91】

【0294】
実施例3で得られた化学式(23)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(A:10mol%、B:90mol%)0.50gをナスフラスコ中に加え、アセトン30mlを加えて溶解した。これを氷浴下に置き、酢酸5ml、18−クラウン−6−エーテル0.30gを加えて攪拌した。次に氷浴下で過マンガン酸カリウム0.24gをゆっくり加えて、氷浴下で2時間攪拌し、更に室温で18時間攪拌した。反応終了後、実施例23と同様の方法によりポリマーを0.44g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(57)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0295】
【化92】

【0296】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=20100、重量平均分子量 Mw=30400であった。
【0297】
更に、得られたポリヒドロキシアルカノエートのユニットを算出するため、実施例24と同様の方法により得られたポリヒドロキシアルカノエート28mgを実施例1と同様の方法を用いてNMR分析を行った。その結果、化学式(56)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Cのユニットが、10mol%、Dのユニットが、90mol%の共重合体であることが確認された。
【0298】
(実施例26)
実施例4で合成した化学式(24)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートの酸化反応
【0299】
【化93】

【0300】
実施例4で得られた化学式(24)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(A:16mol%、B:84mol%)0.50gをナスフラスコ中に加え、アセトン30mlを加えて溶解した。これを氷浴下に置き、酢酸5ml、18−クラウン−6−エーテル0.62gを加えて攪拌した。次に氷浴下で過マンガン酸カリウム0.50gをゆっくり加えて、氷浴下で2時間攪拌し、更に室温で18時間攪拌した。反応終了後、実施例23と同様の方法によりポリマーを0.42g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(58)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0301】
【化94】

【0302】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=15700、重量平均分子量 Mw=23700であった。
【0303】
更に、得られたポリヒドロキシアルカノエートのユニットを算出するため、実施例24と同様の方法を用いて得られたポリヒドロキシアルカノエート27mgを実施例1と同様の方法を用いてNMR分析を行った。その結果、化学式(58)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Cのユニットが、15mol%、Dのユニットが、85mol%の共重合体であることが確認された。
【0304】
(実施例27)
実施例5で合成した化学式(26)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートの酸化反応
【0305】
【化95】

【0306】
実施例5で得られた化学式(26)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(A:8mol%、B:92mol%)0.50gをナスフラスコ中に加え、アセトン30mlを加えて溶解した。これを氷浴下に置き、酢酸5ml、18−クラウン−6−エーテル0.42gを加えて攪拌した。次に氷浴下で過マンガン酸カリウム0.33gをゆっくり加えて、氷浴下で2時間攪拌し、更に室温で18時間攪拌した。反応終了後、実施例23と同様の方法によりポリマーを0.42g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(59)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0307】
【化96】

【0308】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=19800、重量平均分子量 Mw=30700であった。
【0309】
更に、得られたポリヒドロキシアルカノエートのユニットを算出するため、実施例24と同様の方法により得られたポリヒドロキシアルカノエート29mgを実施例1と同様の方法を用いてNMR分析を行った。その結果、化学式(59)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Cのユニットが、8mol%、Dのユニットが、92mol%の共重合体であることが確認された。
【0310】
(実施例28)
実施例6で合成した化学式(28)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートの酸化反応
【0311】
【化97】

【0312】
実施例6で得られた化学式(28)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(A:7mol%、B:93mol%)0.50gをナスフラスコ中に加え、アセトン30mlを加えて溶解した。これを氷浴下に置き、酢酸5ml、18−クラウン−6−エーテル0.36gを加えて攪拌した。次に氷浴下で過マンガン酸カリウム0.28gをゆっくり加えて、氷浴下で2時間攪拌し、更に室温で18時間攪拌した。反応終了後、実施例23と同様な方法によりポリマーを0.43g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(60)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0313】
【化98】

【0314】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=13200、重量平均分子量 Mw=20300であった。
【0315】
更に、得られたポリヒドロキシアルカノエートのユニットを算出するため、実施例24と同様の方法により得られたポリヒドロキシアルカノエート30mgを実施例1と同様の方法を用いてNMR分析を行った。その結果、化学式(60)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Cのユニットが、7mol%、Dのユニットが、93mol%の共重合体であることが確認された。
【0316】
(実施例29)
実施例7で合成した化学式(30)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートの酸化反応
【0317】
【化99】

【0318】
実施例7で得られた化学式(30)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(A:4mol%、B:96mol%)0.50gをナスフラスコ中に加え、アセトン30mlを加えて溶解した。これを氷浴下に置き、酢酸5ml、18−クラウン−6−エーテル0.21gを加えて攪拌した。次に氷浴下で過マンガン酸カリウム0.17gをゆっくり加えて、氷浴下で2時間攪拌し、更に室温で18時間攪拌した。実施例23の方法によりポリマーを0.44g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(61)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0319】
【化100】

【0320】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=13100、重量平均分子量 Mw=19100であった。
【0321】
更に、得られたポリヒドロキシアルカノエートのユニットを算出するため、実施例24と同様の方法により得られたポリヒドロキシアルカノエート29mgを実施例1と同様の方法を用いてNMR分析を行った。その結果、化学式(61)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Cのユニットが、4mol%、Dのユニットが、96mol%の共重合体であることが確認された。
【0322】
(実施例30)
実施例8で合成した化学式(32)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートの酸化反応
【0323】
【化101】

【0324】
実施例8で得られた化学式(32)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(A:5mol%、B:95mol%)0.50gをナスフラスコ中に加え、アセトン30mlを加えて溶解した。これを氷浴下に置き、酢酸5ml、18−クラウン−6−エーテル0.26gを加えて攪拌した。次に氷浴下で過マンガン酸カリウム0.21gをゆっくり加えて、氷浴下で2時間攪拌し、更に室温で18時間攪拌した。実施例23と同様の方法によりポリマーを0.45g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(62)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0325】
【化102】

【0326】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=7800、重量平均分子量 Mw=12200であった。
【0327】
更に、得られたポリヒドロキシアルカノエートのユニットを算出するため、実施例24と同様の方法により得られたポリヒドロキシアルカノエート29mgを実施例1と同様の方法を用いてNMR分析を行った。その結果、化学式(62)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Cのユニットが、5mol%、Dのユニットが、95mol%の共重合体であることが確認された。
【0328】
(実施例31)
実施例9で合成した化学式(33)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートの酸化反応
【0329】
【化103】

【0330】
実施例9で得られた化学式(33)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(A:6mol%、B:94mol%)0.50gをナスフラスコ中に加え、アセトン30mlを加えて溶解した。これを氷浴下に置き、酢酸5ml、18−クラウン−6−エーテル0.18gを加えて攪拌した。次に氷浴下で過マンガン酸カリウム0.14gをゆっくり加えて、氷浴下で2時間攪拌し、更に室温で18時間攪拌した。実施例23と同様の方法によりポリマーを0.44g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(63)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0331】
【化104】

【0332】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=7300、重量平均分子量 Mw=11100であった。
【0333】
更に、得られたポリヒドロキシアルカノエートのユニットを算出するため、実施例24と同様の方法により得られたポリヒドロキシアルカノエート28mgを実施例1と同様の方法を用いてNMR分析を行った。その結果、化学式(63)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Cのユニットが、6mol%、Dのユニットが、94mol%の共重合体であることが確認された。
【0334】
(実施例32)
実施例10で合成した化学式(35)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートの酸化反応
【0335】
【化105】

【0336】
実施例10で得られた化学式(35)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(A:4mol%、B:96mol%)0.50gをナスフラスコ中に加え、アセトン30mlを加えて溶解した。これを氷浴下に置き、酢酸5ml、18−クラウン−6−エーテル0.21gを加えて攪拌した。次に氷浴下で過マンガン酸カリウム0.17gをゆっくり加えて、氷浴下で2時間攪拌し、更に室温で18時間攪拌した。反応終了後、実施例23と同様の方法によりポリマーを0.44g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(64)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0337】
【化106】

【0338】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=5800、重量平均分子量 Mw=9500であった。
【0339】
更に、得られたポリヒドロキシアルカノエートのユニットを算出するため、実施例24と同様の方法により得られたポリヒドロキシアルカノエート29mgを実施例1と同様の方法を用いてNMR分析を行った。その結果、化学式(64)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Cのユニットが、4mol%、Dのユニットが、96mol%の共重合体であることが確認された。
【0340】
(実施例33)
実施例11で合成した化学式(36A)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートの酸化反応
【0341】
【化107】

【0342】
実施例11で得られた化学式(36A)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(A:4mol%、B:96mol%)0.50gをナスフラスコ中に加え、アセトン30mlを加えて溶解した。これを氷浴下に置き、酢酸5ml、18−クラウン−6−エーテル0.20gを加えて攪拌した。次に氷浴下で過マンガン酸カリウム0.16gをゆっくり加えて、氷浴下で2時間攪拌し、更に室温で18時間攪拌した。反応終了後、実施例23と同様の方法によりポリマーを0.43g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(65)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0343】
【化108】

【0344】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=5200、重量平均分子量 Mw=7900であった。
【0345】
更に、得られたポリヒドロキシアルカノエートのユニットを算出するため、実施例24と同様の方法により得られたポリヒドロキシアルカノエート28mgを実施例1と同様の方法を用いてNMR分析を行った。その結果、化学式(65)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Cのユニットが、4mol%、Dのユニットが、96mol%の共重合体であることが確認された。
【0346】
(実施例34)
実施例12で合成した化学式(38)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートの酸化反応
【0347】
【化109】

【0348】
実施例12で得られた化学式(38)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート0.50gをナスフラスコ中に加え、アセトン30mlを加えて溶解した。これを氷浴下に置き、酢酸5ml、18−クラウン−6−エーテル2.83gを加えて攪拌した。次に氷浴下で過マンガン酸カリウム2.25gをゆっくり加えて、氷浴下で2時間攪拌し、更に室温で18時間攪拌した。反応終了後、実施例23と同様の方法によりポリマーを0.43g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(66)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0349】
【化110】

【0350】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=5300、重量平均分子量 Mw=6500であった。
【0351】
(実施例35)
実施例13で合成した化学式(39)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートの酸化反応
【0352】
【化111】

【0353】
実施例13で得られた化学式(39)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(A:10mol%、B:90mol%)0.50gをナスフラスコ中に加え、アセトン30mlを加えて溶解した。これを氷浴下に置き、酢酸5ml、18−クラウン−6−エーテル0.50gを加えて攪拌した。次に氷浴下で過マンガン酸カリウム0.40gをゆっくり加えて、氷浴下で2時間攪拌し、更に室温で18時間攪拌した。反応終了後、実施例23と同様の方法によりポリマーを0.45g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(67)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0354】
【化112】

【0355】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=117300、重量平均分子量 Mw=206400であった。
【0356】
更に、得られたポリヒドロキシアルカノエートのユニットを算出するため、実施例24と同様の方法により得られたポリヒドロキシアルカノエート29mgを実施例1と同様の方法を用いてNMR分析を行った。その結果、化学式(67)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Cのユニットが、10mol%、Dのユニットが、90mol%の共重合体であることが確認された。
【0357】
(実施例36)
実施例14で合成した化学式(40)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートの酸化反応
【0358】
【化113】

【0359】
実施例14で得られた化学式(40)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(A:11mol%、B:89mol%)5.00gをナスフラスコ中に加え、アセトン300mlを加えて溶解した。これを氷浴下に置き、酢酸50ml、18−クラウン−6−エーテル5.48gを加えて攪拌した。次に氷浴下で過マンガン酸カリウム4.37gをゆっくり加えて、氷浴下で2時間攪拌し、更に室温で18時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを600ml加え、更に水450mlを加えた。次に亜硫酸水素ナトリウムを過酸が除去されるまで加えた。その後、1.0N塩酸により液性をpH=1にした。有機層を抽出し、1.0N塩酸で3回洗浄した。有機層を回収した後、溶媒留去することで粗製のポリマーを回収した。次に、水500ml、メタノール500mlで洗浄し、更に水500mlで3回洗浄した後、ポリマーを回収した。次に、THF30mlに溶解し、次に、THFに溶解し、溶解に要したTHFの50倍量のメタノール中に再沈殿した。沈殿を回収し、減圧乾燥することでポリマーを4.51g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(68)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0360】
【化114】

【0361】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=123500、重量平均分子量 Mw=202500であった。
【0362】
更に、得られたポリヒドロキシアルカノエートのユニットを算出するため、実施例24と同様の方法により得られたポリヒドロキシアルカノエート28mgを実施例1と同様の方法を用いてNMR分析を行った。その結果、化学式(68)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Cのユニットが、10mol%、Dのユニットが、90mol%の共重合体であることが確認された。
【0363】
(実施例37)
実施例15で合成した化学式(41)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートの酸化反応
【0364】
【化115】

【0365】
実施例15で得られた化学式(41)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(A:12mol%、B:88mol%)0.50gをナスフラスコ中に加え、アセトン30mlを加えて溶解した。これを氷浴下に置き、酢酸5ml、18−クラウン−6−エーテル0.35gを加えて攪拌した。次に氷浴下で過マンガン酸カリウム0.28gをゆっくり加えて、氷浴下で2時間攪拌し、更に室温で18時間攪拌した。反応終了後、実施例23と同様の方法によりポリマーを0.44g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(69)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0366】
【化116】

【0367】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=38600、重量平均分子量 Mw=69100であった。
【0368】
更に、得られたポリヒドロキシアルカノエートのユニットを算出するため、実施例24と同様の方法により得られたポリヒドロキシアルカノエート28mgを実施例1と同様の方法を用いてNMR分析を行った。その結果、化学式(69)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Cのユニットが、11mol%、Dのユニットが、89mol%の共重合体であることが確認された。
【0369】
(実施例38)
実施例16で合成した化学式(43)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートの酸化反応
【0370】
【化117】

【0371】
実施例17で得られた化学式(43)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(A:18mol%、B:82mol%)0.50gをナスフラスコ中に加え、アセトン30mlを加えて溶解した。これを氷浴下に置き、酢酸5ml、18−クラウン−6−エーテル0.82gを加えて攪拌した。次に氷浴下で過マンガン酸カリウム0.66gをゆっくり加えて、氷浴下で2時間攪拌し、更に室温で18時間攪拌した。反応終了後、実施例23と同様の方法によりポリマーを0.44g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(70)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0372】
【化118】

【0373】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=31500、重量平均分子量 Mw=54200であった。
【0374】
更に、得られたポリヒドロキシアルカノエートのユニットを算出するため、実施例24と同様の方法により得られたポリヒドロキシアルカノエート29mgを実施例1と同様の方法を用いてNMR分析を行った。その結果、化学式(70)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Cのユニットが、16mol%、Dのユニットが、84mol%の共重合体であることが確認された。
【0375】
(実施例39)
実施例17で合成した化学式(44)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートの酸化反応
【0376】
【化119】

【0377】
実施例17で得られた化学式(44)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(A:9mol%、B:91mol%)0.50gをナスフラスコ中に加え、アセトン30mlを加えて溶解した。これを氷浴下に置き、酢酸5ml、18−クラウン−6−エーテル0.45gを加えて攪拌した。次に氷浴下で過マンガン酸カリウム0.36gをゆっくり加えて、氷浴下で2時間攪拌し、更に室温で18時間攪拌した。反応終了後、実施例23と同様の方法によりポリマーを0.44g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(71)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0378】
【化120】

【0379】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=68500、重量平均分子量 Mw=112000であった。
【0380】
更に、得られたポリヒドロキシアルカノエートのユニットを算出するため、実施例24と同様の方法により得られたポリヒドロキシアルカノエート28mgを実施例1と同様の方法を用いてNMR分析を行った。その結果、化学式(71)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Cのユニットが、9mol%、Dのユニットが、91mol%の共重合体であることが確認された。
【0381】
(実施例40)
実施例18で合成した化学式(46)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートの酸化反応
【0382】
【化121】

【0383】
実施例18で得られた化学式(46)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(A:7mol%、B:93mol%)0.50gをナスフラスコ中に加え、アセトン30mlを加えて溶解した。これを氷浴下に置き、酢酸5ml、18−クラウン−6−エーテル0.42gを加えて攪拌した。次に氷浴下で過マンガン酸カリウム0.34gをゆっくり加えて、氷浴下で2時間攪拌し、更に室温で18時間攪拌した。反応終了後、実施例23と同様の方法によりポリマーを0.44g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(72)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0384】
【化122】

【0385】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=58700、重量平均分子量 Mw=95700であった。
【0386】
更に、得られたポリヒドロキシアルカノエートのユニットを算出するため、実施例24と同様の方法により得られたポリヒドロキシアルカノエート29mgを実施例1と同様の方法を用いてNMR分析を行った。その結果、化学式(72)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Cのユニットが、7mol%、Dのユニットが、93mol%の共重合体であることが確認された。
【0387】
(実施例41)
実施例19で合成した化学式(48)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートの酸化反応
【0388】
【化123】

【0389】
実施例19で得られた化学式(48)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(A:6mol%、B:94mol%)0.50gをナスフラスコ中に加え、アセトン30mlを加えて溶解した。これを氷浴下に置き、酢酸5ml、18−クラウン−6−エーテル0.30gを加えて攪拌した。次に氷浴下で過マンガン酸カリウム0.24gをゆっくり加えて、氷浴下で2時間攪拌し、更に室温で18時間攪拌した。反応終了後、実施例23と同様の方法によりポリマーを0.45g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(73)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0390】
【化124】

【0391】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=72600、重量平均分子量 Mw=131400であった。
【0392】
更に、得られたポリヒドロキシアルカノエートのユニットを算出するため、実施例24と同様の方法により得られたポリヒドロキシアルカノエート28mgを実施例1と同様の方法を用いてNMR分析を行った。その結果、化学式(73)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Cのユニットが、6mol%、Dのユニットが、94mol%の共重合体であることが確認された。
【0393】
(実施例42)
実施例20で合成した化学式(50)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートの酸化反応
【0394】
【化125】

【0395】
実施例20で得られた化学式(50)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(A:4mol%、B:96mol%)0.50gをナスフラスコ中に加え、アセトン30mlを加えて溶解した。これを氷浴下に置き、酢酸5ml、18−クラウン−6−エーテル0.20gを加えて攪拌した。次に氷浴下で過マンガン酸カリウム0.16gをゆっくり加えて、氷浴下で2時間攪拌し、更に室温で18時間攪拌した。反応終了後、実施例23と同様の方法によりポリマーを0.43g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(74)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0396】
【化126】

【0397】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=48700、重量平均分子量 Mw=85200であった。
【0398】
更に、得られたポリヒドロキシアルカノエートのユニットを算出するため、実施例24と同様の方法により得られたポリヒドロキシアルカノエート29mgを実施例1と同様の方法を用いてNMR分析を行った。その結果、化学式(74)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Cのユニットが、4mol%、Dのユニットが、96mol%の共重合体であることが確認された。
【0399】
(実施例43)
実施例21で合成した化学式(52)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートの酸化反応
【0400】
【化127】

【0401】
実施例21で得られた化学式(52)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(A:9mol%、B:91mol%)0.50gをナスフラスコ中に加え、アセトン30mlを加えて溶解した。これを氷浴下に置き、酢酸5ml、18−クラウン−6−エーテル0.45gを加えて攪拌した。次に氷浴下で過マンガン酸カリウム0.36gをゆっくり加えて、氷浴下で2時間攪拌し、更に室温で18時間攪拌した。反応終了後、実施例23と同様の方法によりポリマーを0.44g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(75)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0402】
【化128】

【0403】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=115400、重量平均分子量 Mw=202000であった。
【0404】
更に、得られたポリヒドロキシアルカノエートのユニットを算出するため、実施例24と同様の方法により得られたポリヒドロキシアルカノエート28mgを実施例1と同様の方法を用いてNMR分析を行った。その結果、化学式(75)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Cのユニットが、9mol%、Dのユニットが、91mol%の共重合体であることが確認された。
【0405】
(実施例44)
実施例22で合成した化学式(54)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートの酸化反応
【0406】
【化129】

【0407】
実施例22で得られた化学式(54)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(A:7mol%、B:93mol%)0.50gをナスフラスコ中に加え、アセトン30mlを加えて溶解した。これを氷浴下に置き、酢酸5ml、18−クラウン−6−エーテル0.42gを加えて攪拌した。次に氷浴下で過マンガン酸カリウム0.34gをゆっくり加えて、氷浴下で2時間攪拌し、更に室温で18時間攪拌した。反応終了後、実施例23と同様の方法によりポリマーを0.44g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(76)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0408】
【化130】

【0409】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=106800、重量平均分子量 Mw=174100であった。
【0410】
更に、得られたポリヒドロキシアルカノエートのユニットを算出するため、実施例24と同様の方法により得られたポリヒドロキシアルカノエート27mgを実施例1と同様の方法を用いてNMR分析を行った。その結果、化学式(76)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Cのユニットが、7mol%、Dのユニットが、93mol%の共重合体であることが確認された。
【0411】
(実施例45)
実施例24で合成した化学式(56)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートと2−アミノベンゼンスルホン酸との縮合反応
【0412】
【化131】

【0413】
窒素雰囲気下、実施例24で得られた化学式(56)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:9mol%、D:91mol%)で合成したポリマーを0.40g、2−アミノベンゼンスルホン酸0.40gを100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル1.21mlを加え、120℃で6時間加熱した。反応終了後、エタノール150mlに再沈殿して回収した。得られたポリマーを1N塩酸を用いて1日間洗浄を行った後、1日間水中で攪拌することにより洗浄を行い、減圧乾燥することでポリマーを0.34g得た。得られたポリマーの構造決定は、 1H−NMR(FT−NMR:Bruker DPX400;共鳴周波数:400MHz;測定核種: 1H;使用溶媒: 重DMSO;測定温度:室温)、フーリエ変換−赤外吸収(FT−IR)スペクトル(Nicolet AVATAR360FT−IR)により分析を行った。IR測定を行った結果、カルボン酸に由来する1695cm-1のピークが減少し、新たに、1658cm-1にアミド基に由来するピークが見られた。1H−NMRの結果より、2−アミノベンゼンスルホン酸構造の芳香環に由来するピークがシフトしていることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(77)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0414】
【化132】

【0415】
また、化学式(77)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Eのユニットが、9mol%、Fのユニットが、91mol%の共重合体であることが確認された。得られたポリマーの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8120、カラム;ポリマーラボラトリーズ PLgel 5μ MIXED−C、溶媒;DMF/LiBr 0.1%(w/v)、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量Mn =19800、重量平均分子量Mw =28100であった。
【0416】
(実施例46)
実施例25で合成した化学式(57)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートと2−アミノ−2−メチルプロパンスルホン酸との縮合反応
【0417】
【化133】

【0418】
窒素雰囲気下、実施例25で得られた化学式(57)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:10mol%、D:90mol%)で合成したポリマーを0.40g、2−アミノ−2−メチルプロパンスルホン酸0.23gを100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル0.78mlを加え、120℃で6時間加熱した。反応終了後、実施例45と同様の方法によりポリマーを0.32g得た。得られたポリマーの構造決定は、実施例45と同様の方法によりにより分析を行った。IR測定を行った結果、カルボン酸に由来する1695cm-1のピークが減少し、新たに、1668cm-1にアミド基に由来するピークが見られた。1H−NMRの結果より、2−アミノ−2−メチルプロパンスルホン酸構造のメチレンに由来するピークがシフトしていることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(78)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0419】
【化134】

【0420】
また、化学式(78)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Eのユニットが、10mol%、Fのユニットが、90mol%の共重合体であることが確認された。得られたポリマーの平均分子量は、実施例45と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量Mn =17600、重量平均分子量Mw =27100であった。
【0421】
(実施例47)
実施例26で合成した化学式(58)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートと2−アミノベンゼンスルホン酸フェニルエステルとの縮合反応
【0422】
【化135】

【0423】
窒素雰囲気下、実施例26で得られた化学式(58)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:15mol%、D:85mol%)で合成したポリマーを0.40g、2−アミノベンゼンスルホン酸フェニルエステル0.71gを100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル1.50mlを加え、120℃で6時間加熱した。反応終了後、実施例45と同様の方法によりポリマーを0.37g得た。得られたポリマーの構造決定は、実施例45と同様の方法により分析を行った。IR測定を行った結果、カルボン酸に由来する1695cm-1のピークが減少し、新たに、1658cm-1にアミド基に由来するピークが見られた。1H−NMRの結果より、2−アミノベンゼンスルホン酸フェニルエステル構造の芳香環に由来するピークがシフトしていることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(79)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0424】
【化136】

【0425】
また、化学式(79)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Eのユニットが、15mol%、Fのユニットが、85mol%の共重合体であることが確認された。得られたポリマーの平均分子量は、実施例45と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量Mn =14000、重量平均分子量Mw =22000であった。
【0426】
(実施例48)
実施例27で合成した化学式(59)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートと2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸との縮合反応
【0427】
【化137】

【0428】
窒素雰囲気下、実施例27で得られた化学式(59)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:8mol%、D:92mol%)で合成したポリマーを0.40g、2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸0.46gを100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル1.07mlを加え、120℃で6時間加熱した。反応終了後、実施例45と同様の方法によりポリマーを0.36g得た。得られたポリマーの構造決定は、実施例45と同様の方法により分析を行った。IR測定を行った結果、カルボン酸に由来する1695cm-1のピークが減少し、新たに、1658cm-1にアミド基に由来するピークが見られた。1H−NMRの結果より、2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸構造の芳香環に由来するピークがシフトしていることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(80)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0429】
【化138】

【0430】
また、化学式(80)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Eのユニットが、8mol%、Fのユニットが、92mol%の共重合体であることが確認された。得られたポリマーの平均分子量は、実施例45と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量Mn =17800、重量平均分子量Mw =28100であった。
【0431】
(実施例49)
実施例28で合成した化学式(60)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートとp−トルイジン−2−スルホン酸との縮合反応
【0432】
【化139】

【0433】
窒素雰囲気下、実施例28で得られた化学式(60)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:7mol%、D:93mol%)で合成したポリマーを0.40g、p−トルイジン−2−スルホン酸0.33gを100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル0.92mlを加え、120℃で6時間加熱した。反応終了後、実施例45と同様の方法によりポリマーを0.33g得た。得られたポリマーの構造決定は、実施例45と同様の方法により分析を行った。IR測定を行った結果、カルボン酸に由来する1695cm-1のピークが減少し、新たに、1658cm-1にアミド基に由来するピークが見られた。1H−NMRの結果より、p−トルイジン−2−スルホン酸構造の芳香環に由来するピークがシフトしていることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(81)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された
【0434】
【化140】

【0435】
また、化学式(81)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Eのユニットが、7mol%、Fのユニットが、93mol%の共重合体であることが確認された。得られたポリマーの平均分子量は、実施例45と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量Mn =12100、重量平均分子量Mw =19400であった。
【0436】
(実施例50)
実施例29で合成した化学式(61)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートと4−メトキシアニリン−2−スルホン酸との縮合反応
【0437】
【化141】

【0438】
窒素雰囲気下、実施例29で得られた化学式(61)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:4mol%、D:96mol%)で合成したポリマーを0.40g、4−メトキシアニリン−2−スルホン酸0.21gを100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル0.53mlを加え、120℃で6時間加熱した。反応終了後、実施例45と同様の方法によりポリマーを0.34g得た。得られたポリマーの構造決定は、実施例45と同様の方法により分析を行った。IR測定を行った結果、カルボン酸に由来する1695cm-1のピークが減少し、新たに、1658cm-1にアミド基に由来するピークが見られた。1H−NMRの結果より、4−メトキシアニリン−2−スルホン酸構造の芳香環に由来するピークがシフトしていることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(82)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0439】
【化142】

【0440】
また、化学式(82)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Eのユニットが、4mol%、Fのユニットが、96mol%の共重合体であることが確認された。得られたポリマーの平均分子量は、実施例45と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量Mn =11900、重量平均分子量Mw =18800であった。
【0441】
(実施例51)
実施例30で合成した化学式(62)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートと2−アミノベンゼンスルホン酸との縮合反応
【0442】
【化143】

【0443】
窒素雰囲気下、実施例24で得られた化学式(62)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:5mol%、D:95mol%)で合成したポリマーを0.40g、2−アミノベンゼンスルホン酸0.23gを100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル0.69mlを加え、120℃で6時間加熱した。反応終了後、実施例45と同様の方法によりポリマーを0.33g得た。得られたポリマーの構造決定は、実施例45と同様の方法により分析を行った。IR測定を行った結果、カルボン酸に由来する1695cm-1のピークが減少し、新たに、1658cm-1にアミド基に由来するピークが見られた。1H−NMRの結果より、2−アミノベンゼンスルホン酸構造の芳香環に由来するピークがシフトしていることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(83)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0444】
【化144】

【0445】
また、化学式(83)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Eのユニットが、5mol%、Fのユニットが、95mol%の共重合体であることが確認された。得られたポリマーの平均分子量は、実施例45と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量Mn =7300、重量平均分子量Mw =11600であった。
【0446】
(実施例52)
実施例31で合成した化学式(63)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートとタウリンとの縮合反応
【0447】
【化145】

【0448】
窒素雰囲気下、実施例31で得られた化学式(63)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:6mol%、D:94mol%)で合成したポリマーを0.40g、タウリン0.11gを100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル0.46mlを加え、120℃で6時間加熱した。反応終了後、実施例45と同様の方法によりポリマーを0.30g得た。得られたポリマーの構造決定は、実施例45と同様の方法により分析を行った。IR測定を行った結果、カルボン酸に由来する1695cm-1のピークが減少し、新たに、1668cm-1にアミド基に由来するピークが見られた。1H−NMRの結果より、タウリン構造のメチレンに由来するピークがシフトしていることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(84)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0449】
【化146】

【0450】
また、化学式(84)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Eのユニットが、6mol%、Fのユニットが、94mol%の共重合体であることが確認された。得られたポリマーの平均分子量は、実施例45と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量Mn =6800、重量平均分子量Mw =10900であった。
【0451】
(実施例53)
実施例32で合成した化学式(64)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートと1−ナフチルアミン−8−スルホン酸との縮合反応
【0452】
【化147】

【0453】
窒素雰囲気下、実施例32で得られた化学式(64)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:4mol%、D:96mol%)で合成したポリマーを0.40g、1−ナフチルアミン−8−スルホン酸0.24gを100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル0.55mlを加え、120℃で6時間加熱した。反応終了後、実施例45と同様の方法によりポリマーを0.35g得た。得られたポリマーの構造決定は、実施例45と同様の方法により分析を行った。IR測定を行った結果、カルボン酸に由来する1695cm-1のピークが減少し、新たに、1658cm-1にアミド基に由来するピークが見られた。1H−NMRの結果より、1−ナフチルアミン−8−スルホン酸構造の芳香環に由来するピークがシフトしていることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(85)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0454】
【化148】

【0455】
また、化学式(85)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Eのユニットが、4mol%、Fのユニットが、96mol%の共重合体であることが確認された。得られたポリマーの平均分子量は、実施例45と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量Mn =5300、重量平均分子量Mw =9000であった。
【0456】
(実施例54)
実施例33で合成した化学式(65)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートと4−アミノベンゼンスルホン酸フェニルエステルとの縮合反応
【0457】
【化149】

【0458】
窒素雰囲気下、実施例33で得られた化学式(65)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:4mol%、D:96mol%)で合成したポリマーを0.40g、4−アミノベンゼンスルホン酸フェニルエステル0.25gを100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル0.53mlを加え、120℃で6時間加熱した。反応終了後、実施例45と同様の方法によりポリマーを0.35g得た。得られたポリマーの構造決定は、実施例45と同様の方法により分析を行った。IR測定を行った結果、カルボン酸に由来する1695cm-1のピークが減少し、新たに、1658cm-1にアミド基に由来するピークが見られた。1H−NMRの結果より、4−アミノベンゼンスルホン酸フェニルエステル構造の芳香環に由来するピークがシフトしていることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(86)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0459】
【化150】

【0460】
また、化学式(86)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Eのユニットが、4mol%、Fのユニットが、96mol%の共重合体であることが確認された。得られたポリマーの平均分子量は、実施例45と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量Mn =5200、重量平均分子量Mw =8000であった。
【0461】
(実施例55)
実施例36で合成した化学式(68)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートと2−アミノベンゼンスルホン酸との縮合反応
【0462】
【化151】

【0463】
窒素雰囲気下、実施例36で得られた化学式(68)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:10mol%、D:90mol%)で合成したポリマーを0.40g、2−アミノベンゼンスルホン酸0.43gを100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル1.29mlを加え、120℃で6時間加熱した。反応終了後、実施例45と同様の方法によりポリマーを0.34g得た。得られたポリマーの構造決定は、実施例45と同様の方法により分析を行った。IR測定を行った結果、カルボン酸に由来する1695cm-1のピークが減少し、新たに、1658cm-1にアミド基に由来するピークが見られた。1H−NMRの結果より、2−アミノベンゼンスルホン酸構造の芳香環に由来するピークがシフトしていることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(87)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0464】
【化152】

【0465】
また、化学式(87)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Eのユニットが、10mol%、Fのユニットが、90mol%の共重合体であることが確認された。得られたポリマーの平均分子量は、実施例45と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量Mn =109800、重量平均分子量Mw =184500であった。
【0466】
(実施例56)
実施例36で合成した化学式(68)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートと2−アミノ−2−メチルプロパンスルホン酸との縮合反応
【0467】
【化153】

【0468】
窒素雰囲気下、実施例36で得られた化学式(68)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:10mol%、D:90mol%)で合成したポリマーを0.40g、2−アミノ−2−メチルプロパンスルホン酸0.38gを100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル1.29mlを加え、120℃で6時間加熱した。反応終了後、実施例45と同様の方法によりポリマーを0.34g得た。得られたポリマーの構造決定は、実施例45と同様の方法により分析を行った。IR測定を行った結果、カルボン酸に由来する1695cm-1のピークが減少し、新たに、1668cm-1にアミド基に由来するピークが見られた。1H−NMRの結果より、2−アミノ−2−メチルプロパンスルホン酸構造のメチレンに由来するピークがシフトしていることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(88)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0469】
【化154】

【0470】
また、化学式(88)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Eのユニットが、10mol%、Fのユニットが、90mol%の共重合体であることが確認された。得られたポリマーの平均分子量は、実施例45と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量Mn =105300、重量平均分子量Mw =181100であった。
【0471】
(実施例57)
実施例36で合成した化学式(68)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートと2−アミノベンゼンスルホン酸フェニルエステルとの縮合反応
【0472】
【化155】

【0473】
素雰囲気下、実施例36で得られた化学式(68)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:10mol%、D:90mol%)で合成したポリマーを0.40g、2−アミノベンゼンスルホン酸フェニルエステル0.62gを100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル1.29mlを加え、120℃で6時間加熱した。反応終了後、実施例45と同様の方法によりポリマーを0.37g得た。得られたポリマーの構造決定は、実施例45と同様の方法により分析を行った。IR測定を行った結果、カルボン酸に由来する1695cm-1のピークが減少し、新たに、1658cm-1にアミド基に由来するピークが見られた。1H−NMRの結果より、2−アミノベンゼンスルホン酸フェニルエステル構造の芳香環に由来するピークがシフトしていることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(89)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0474】
【化156】

【0475】
また、化学式(89)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Eのユニットが、10mol%、Fのユニットが、90mol%の共重合体であることが確認された。得られたポリマーの平均分子量は、実施例45と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量Mn =113000、重量平均分子量Mw =200000であった。
【0476】
(実施例58)
実施例36で合成した化学式(68)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートと2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸との縮合反応
【0477】
【化157】

【0478】
窒素雰囲気下、実施例36で得られた化学式(68)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:10mol%、D:90mol%)で合成したポリマーを0.40g、2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸0.55gを100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル1.29mlを加え、120℃で6時間加熱した。反応終了後、実施例45と同様の方法によりポリマーを0.36g得た。得られたポリマーの構造決定は、実施例45と同様の方法により分析を行った。IR測定を行った結果、カルボン酸に由来する1695cm-1のピークが減少し、新たに、1658cm-1にアミド基に由来するピークが見られた。1H−NMRの結果より、2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸構造の芳香環に由来するピークがシフトしていることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(90)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0479】
【化158】

【0480】
また、化学式(90)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Eのユニットが、10mol%、Fのユニットが、90mol%の共重合体であることが確認された。得られたポリマーの平均分子量は、実施例45と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量Mn =111400、重量平均分子量Mw =187200であった。
【0481】
(実施例59)
実施例37で合成した化学式(69)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートと3−アミノベンゼンスルホン酸との縮合反応
【0482】
【化159】

【0483】
窒素雰囲気下、実施例37で得られた化学式(69)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:11mol%、D:89mol%)で合成したポリマーを0.40g、3−アミノベンゼンスルホン酸0.28gを100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル0.84mlを加え、120℃で6時間加熱した。反応終了後、実施例45と同様の方法によりポリマーを0.33g得た。得られたポリマーの構造決定は、実施例45と同様の方法により分析を行った。IR測定を行った結果、カルボン酸に由来する1695cm-1のピークが減少し、新たに、1658cm-1にアミド基に由来するピークが見られた。1H−NMRの結果より、3−アミノベンゼンスルホン酸構造の芳香環に由来するピークがシフトしていることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(91)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0484】
【化160】

【0485】
また、化学式(91)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Eのユニットが、11mol%、Fのユニットが、89mol%の共重合体であることが確認された。得られたポリマーの平均分子量は、実施例45と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量Mn =32600、重量平均分子量Mw =59000であった。
【0486】
(実施例60)
実施例38で合成した化学式(70)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートとタウリンとの縮合反応
【0487】
【化161】

【0488】
窒素雰囲気下、実施例38で得られた化学式(70)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:16mol%、D:84mol%)で合成したポリマーを0.40g、タウリン0.45gを100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル1.89mlを加え、120℃で6時間加熱した。反応終了後、実施例45と同様の方法によりポリマーを0.32g得た。得られたポリマーの構造決定は、実施例45と同様の方法により分析を行った。IR測定を行った結果、カルボン酸に由来する1695cm-1のピークが減少し、新たに、1668cm-1にアミド基に由来するピークが見られた。1H−NMRの結果より、タウリン構造の芳香環に由来するピークがシフトしていることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(92)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0489】
【化162】

【0490】
また、化学式(92)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Eのユニットが、16mol%、Fのユニットが、84mol%の共重合体であることが確認された。得られたポリマーの平均分子量は、実施例45と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量Mn =28700、重量平均分子量Mw =51100であった。
【0491】
(実施例61)
実施例40で合成した化学式(72)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートと4−メトキシアニリン−2−スルホン酸との縮合反応
【0492】
【化163】

【0493】
窒素雰囲気下、実施例40で得られた化学式(72)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:7mol%、D:93mol%)で合成したポリマーを0.40g、4−メトキシアニリン−2−スルホン酸0.42gを100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル1.09mlを加え、120℃で6時間加熱した。反応終了後、実施例45と同様の方法によりポリマーを0.32g得た。得られたポリマーの構造決定は、実施例45と同様の方法により分析を行った。IR測定を行った結果、カルボン酸に由来する1695cm-1のピークが減少し、新たに、1658cm-1にアミド基に由来するピークが見られた。1H−NMRの結果より、4−メトキシアニリン−2−スルホン酸構造の芳香環に由来するピークがシフトしていることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(93)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0494】
【化164】

【0495】
また、化学式(93)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Eのユニットが、6mol%、Fのユニットが、94mol%の共重合体であることが確認された。得られたポリマーの平均分子量は、実施例45と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量Mn =47800、重量平均分子量Mw =80800であった。
【0496】
(実施例62)
実施例42で合成した化学式(74)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートと2−アミノベンゼンスルホン酸との縮合反応
【0497】
【化165】

【0498】
窒素雰囲気下、実施例40で得られた化学式(74)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:4mol%、D:96mol%)で合成したポリマーを0.40g、2−アミノベンゼンスルホン酸0.17gを100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル0.53mlを加え、120℃で6時間加熱した。反応終了後、実施例45と同様の方法によりポリマーを0.31g得た。得られたポリマーの構造決定は、実施例45と同様の方法により分析を行った。IR測定を行った結果、カルボン酸に由来する1695cm-1のピークが減少し、新たに、1658cm-1にアミド基に由来するピークが見られた。1H−NMRの結果より、2−アミノベンゼンスルホン酸構造の芳香環に由来するピークがシフトしていることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(94)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0499】
【化166】

【0500】
また、化学式(94)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Eのユニットが、4mol%、Fのユニットが、96mol%の共重合体であることが確認された。得られたポリマーの平均分子量は、実施例45と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量Mn =42800、重量平均分子量Mw =77500であった。
【0501】
(実施例63)
実施例43で合成した化学式(75)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートとp−トルイジン−2−スルホン酸との縮合反応
【0502】
【化167】

【0503】
窒素雰囲気下、実施例43で得られた化学式(75)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:9mol%、D:91mol%)で合成したポリマーを0.40g、p−トルイジン−2−スルホン酸0.41gを100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル1.16mlを加え、120℃で6時間加熱した。反応終了後、実施例45と同様の方法によりポリマーを0.36g得た。得られたポリマーの構造決定は、実施例45と同様の方法により分析を行った。IR測定を行った結果、カルボン酸に由来する1695cm-1のピークが減少し、新たに、1658cm-1にアミド基に由来するピークが見られた。1H−NMRの結果より、p−トルイジン−2−スルホン酸構造の芳香環に由来するピークがシフトしていることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(95)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0504】
【化168】

【0505】
また、化学式(95)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Eのユニットが、9mol%、Fのユニットが、91mol%の共重合体であることが確認された。得られたポリマーの平均分子量は、実施例45と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量Mn =98500、重量平均分子量Mw =176300であった。
【0506】
(実施例64)
実施例44で合成した化学式(76)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートと2−アミノ−2−メチルプロパンスルホン酸との縮合反応
【0507】
【化169】

【0508】
窒素雰囲気下、実施例44で得られた化学式(76)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:7mol%、D:93mol%)で合成したポリマーを0.40g、2−アミノ−2−メチルプロパンスルホン酸0.32gを100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル1.09mlを加え、120℃で6時間加熱した。反応終了後、実施例45と同様の方法によりポリマーを0.36g得た。得られたポリマーの構造決定は、実施例45と同様の方法により分析を行った。IR測定を行った結果、カルボン酸に由来する1695cm-1のピークが減少し、新たに、1668cm-1にアミド基に由来するピークが見られた。1H−NMRの結果より、2−アミノ−2−メチルプロパンスルホン酸構造のメチレンに由来するピークがシフトしていることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(96)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0509】
【化170】

【0510】
また、化学式(96)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Eのユニットが、7mol%、Fのユニットが、93mol%の共重合体であることが確認された。得られたポリマーの平均分子量は、実施例45と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量Mn =106800、重量平均分子量Mw =174000であった。
【0511】
(実施例65)
実施例45で合成した化学式(77)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートのエステル化反応
【0512】
【化171】

【0513】
実施例45で得られた化学式(77)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(E:9mol%、F:91mol%)0.30gをナスフラスコ中に加え、クロロホルム 21.0ml、メタノール 7.0mlを加えて溶解し、0℃まで冷却した。これに2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン−ヘキサン溶液(Aldrich社製)1.48mlを加えて、4時間攪拌した。反応終了後、エバポレーターにより溶媒を留去した後、ポリマーを回収した。
【0514】
更に、クロロホルム 21.0ml、メタノール 7.0mlを加えて、ポリマーを再溶解させて、エバポレーターにより溶媒を留去した。この操作を3回繰り返した。ここで回収したポリマーを、減圧乾燥することでポリマー0.30gを得た。得られたポリマーの構造決定は、 1H−NMR(FT−NMR:Bruker DPX400;共鳴周波数:400MHz;測定核種: 1H;使用溶媒:重DMSO;測定温度:室温)により行った。 1H−NMRの結果より、スルホン酸メチルに由来するピークが3〜4ppmに見られることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(97)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0515】
【化172】

【0516】
また、化学式(97)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Gのユニットが、9mol%、Hのユニットが、91mol%の共重合体であることが確認された。
【0517】
また、電位差滴定装置AT510(京都電子製)を用いた酸価滴定により、スルホン酸に由来するピークが見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。得られたポリマーの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8120、カラム;ポリマーラボラトリーズ PLgel 5μ MIXED−C、溶媒;DMF/LiBr 0.1%(w/v)、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量Mn =18600、重量平均分子量Mw =27000であった。
【0518】
(実施例66)
実施例52で合成した化学式(84)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートのエステル化反応
【0519】
【化173】

【0520】
実施例52で得られた化学式(84)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(E:6mol%、F:94mol%)0.30gをナスフラスコ中に加え、クロロホルム 21.0ml、メタノール 7.0mlを加えて溶解し、0℃まで冷却した。これに2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン−ヘキサン溶液(Aldrich社製)0.64mlを加えて、4時間攪拌した。反応終了後、エバポレーターにより溶媒を留去した後、ポリマーを回収した。
【0521】
更に、クロロホルム 21.0ml、メタノール 7.0mlを加えて、ポリマーを再溶解させて、エバポレーターにより溶媒を留去した。この操作を3回繰り返した。ここで回収したポリマーを、減圧乾燥することでポリマー0.29gを得た。得られたポリマーの構造決定は、 1H−NMR(FT−NMR:Bruker DPX400;共鳴周波数:400MHz;測定核種: 1H;使用溶媒:重DMSO;測定温度:室温)により行った。 1H−NMRの結果より、スルホン酸メチルに由来するピークが3〜4ppmに見られることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(98)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0522】
【化174】

【0523】
また、化学式(98)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Gのユニットが、6mol%、Hのユニットが、94mol%の共重合体であることが確認された。また、電位差滴定装置AT510(京都電子製)を用いた酸価滴定により、スルホン酸に由来するピークが見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。得られたポリマーの平均分子量は、実施例66と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量Mn =6800、重量平均分子量Mw =10900であった。
【0524】
(実施例67)
[δ−バレロラクトンを用いたポリエステル合成]
δ−バレロラクトン 10.01g(100.0mmol)、0.1Mのオクチル酸スズ(2−エチルヘキサン酸スズ)のトルエン溶液 4.0ml、0.1Mのp−tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液 4.0mlを重合アンプルに装入し、1時間減圧乾燥、窒素置換を行った後、減圧下にて溶封し、150℃に加熱し、開環重合を行った。10時間後反応を終了し、冷却した。得られたポリマーをクロロホルムに溶解し、溶解に要したクロロホルムの10倍量のメタノール中に再沈殿した。沈殿を回収し、減圧乾燥することでポリマーを8.51g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(109)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0525】
【化175】

【0526】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8220、カラム;東ソー TSK−GEL Super HM−H、溶媒;クロロホルム、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=41000、重量平均分子量 Mw=75100であった。
【0527】
(実施例68)
実施例67で得られた化学式(109)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート 2.00gをナスフラスコ中に加え、THF100mlを加えて溶解した。これを窒素雰囲気下に置き、−78℃にて攪拌した。次に2MのリチウムジイソプロピルアミドのTHF溶液10.0mlをゆっくり加えて、−78℃下で30分間攪拌した。次に、ブロモ酢酸ベンジルを9.16g加えた後、室温で30分間攪拌した。反応終了後、反応液を塩化アンモニウム水溶液400ml中に注いだ後、ジクロロメタン200mlを加えて有機層を抽出した。水100mlで、3回洗浄した後、有機層を回収した。溶媒留去することで粗製のポリマーを回収した。次にTHF12mlに溶解し、次に、THFに溶解し、溶解に要したTHFの50倍量のメタノール中に再沈殿した。沈殿を回収し、減圧乾燥することでポリマーを1.38g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(110)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット10mol%、Bユニット90mol%であることが確認された。
【0528】
【化176】

【0529】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8220、カラム;東ソー TSK−GEL Super HM−H、溶媒;クロロホルム、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=23200、重量平均分子量 Mw=54600であった。
【0530】
ここで得られた化学式(110)で示されるポリヒドロキシアルカノエート共重合体 1.00gをジオキサン−エタノール(75:25)の混合溶媒 100mlに溶解し、これに5%パラジウム/炭素触媒0.22gを加えて、反応系内を水素で満たし、室温で1日攪拌した。反応終了後、触媒を取り除くために、0.25μmのメンブランフィルターにてろ過を行い、反応溶液を回収した。溶液を濃縮した後、クロロホルムに溶解させた後、その10倍量のメタノール中にて再沈殿を行った。得られたポリマーを回収し、減圧乾燥することでポリマーを0.62g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(化111)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Cユニット10mol%、Dユニット90mol%であることが確認された。
【0531】
【化177】

【0532】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8220、カラム;東ソー TSK−GEL Super HM−H、溶媒;クロロホルム、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=20100、重量平均分子量 Mw=42200であった。
【0533】
(実施例69)
実施例67で得られた化学式(109)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート 2.00gをナスフラスコ中に加え、THF100mlを加えて溶解した。これを窒素雰囲気下に置き、−78℃にて攪拌した。次に2MのリチウムジイソプロピルアミドのTHF溶液10mlをゆっくり加えて、−78℃下で30分間攪拌した。次に、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸メチルを8.85g加えた後、室温で30分間攪拌した。反応終了後、反応液を塩化アンモニウム水溶液400ml中に注いだ後、ジクロロメタン200mlを加えて有機層を抽出した。水100mlで、3回洗浄した後、有機層を回収した。溶媒留去することで粗製のポリマーを回収した。次にTHF12mlに溶解し、次に、THFに溶解し、溶解に要したTHFの50倍量のメタノール中に再沈殿した。沈殿を回収し、減圧乾燥することでポリマーを1.22g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例45と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(112)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Eユニット7mol%、Fユニット93mol%であることが確認された。
【0534】
【化178】

【0535】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例45と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=25300、重量平均分子量 Mw=58700であった。
【0536】
(実施例70)
[テトラヒドロ−3−(2−プロペニル)−2H−ピラン−2−オンとフェニルラクチド(3,6−ビス(フェニルメチル)−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン)を用いたポリエステル合成]
化学式(37)で示されるテトラヒドロ−3−(2−プロペニル)−2H−ピラン−2−オン 0.28g(2.0mmol)、フェニルラクチド 2.96g(10.0mmol)、0.01Mのオクチル酸スズ(2−エチルヘキサン酸スズ)のトルエン溶液 4.8ml、0.01Mのp−tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液 4.8mlを重合アンプルに装入し、その後は実施例1と同様の方法によりポリマーを2.06g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(113)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット13mol%、Bユニット87mol%であることが確認された。
【0537】
【化179】

【0538】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=32000、重量平均分子量 Mw=56000であった。
【0539】
(実施例71)
実施例70で合成した化学式(113)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートの酸化反応
【0540】
【化180】

【0541】
実施例71で得られた化学式(113)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(A:13mol%、B:87mol%)0.50gをナスフラスコ中に加え、アセトン30mlを加えて溶解した。これを氷浴下に置き、酢酸5ml、18−クラウン−6−エーテル0.35gを加えて攪拌した。次に氷浴下で過マンガン酸カリウム0.28gをゆっくり加えて、氷浴下で2時間攪拌し、更に室温で18時間攪拌した。反応終了後、実施例23と同様の方法によりポリマーを0.45g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(114)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0542】
【化181】

【0543】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=30100、重量平均分子量 Mw=54200であった。
【0544】
更に、得られたポリヒドロキシアルカノエートのユニットを算出するため、実施例24と同様の方法により得られたポリヒドロキシアルカノエート29mgを実施例1と同様の方法を用いてNMR分析を行った。その結果、化学式(114)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Cのユニットが、12mol%、Dのユニットが、88mol%の共重合体であることが確認された。
【0545】
(実施例72)
実施例71で合成した化学式(114)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートと4−メトキシアニリン−2−スルホン酸との縮合反応
【0546】
【化182】

【0547】
窒素雰囲気下、実施例71で得られた化学式(114)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:12mol%、D:88mol%)で合成したポリマーを0.40g、4−メトキシアニリン−2−スルホン酸0.33gを100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル0.84mlを加え、120℃で6時間加熱した。反応終了後、実施例45と同様の方法によりポリマーを0.33g得た。得られたポリマーの構造決定は、実施例45と同様の方法により分析を行った。IR測定を行った結果、カルボン酸に由来する1695cm-1のピークが減少し、新たに、1658cm-1にアミド基に由来するピークが見られた。1H−NMRの結果より、4−メトキシアニリン−2−スルホン酸構造の芳香環に由来するピークがシフトしていることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(115)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0548】
【化183】

【0549】
また、化学式(115)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Eのユニットが、11mol%、Fのユニットが、89mol%の共重合体であることが確認された。得られたポリマーの平均分子量は、実施例45と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量Mn =29500、重量平均分子量Mw =53700であった。
【産業上の利用可能性】
【0550】
本発明により、側鎖に反応活性基であるビニル基を分子中に含む新規なポリヒドロキシアルカノエート、カルボキシル基を分子中に含む新規なポリヒドロキシアルカノエート、並びにアミド基とスルホン酸基を有しているユニットを分子中に含む新規なポリヒドロキシアルカノエートおよびその製造方法が提供される。これにより、ビニル基やカルボキシル基を有する新規なポリヒドロキシアルカノエートは、その反応活性基を利用した、機能性官能基の導入ができることから機能性材料への応用展開が可能である。さらには、カルボキシル基や、アミド基とスルホン酸基を有しているユニットを分子中に含むポリヒドロキシアルカノエートは、溶融加工性に優れ、その親水性により生体適合性にも優れており、医療用軟質部材等としての利用が期待できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式(1)で示すユニットを分子中に1ユニット以上含むことを特徴とするポリヒドロキシアルカノエート。
【化1】

(式中、Rは−A1−SO21を表す。R1 はOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aである。R1a及びA1 はそれぞれ独立して置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、あるいは、置換または未置換の複素環構造を有する基を表す。また、nは、1〜4から選ばれた整数であり、mは0〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、R、R1 、R1a、A1 、m及びnは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【請求項2】
化学式(1)のユニットとして化学式(2)、化学式(3)、化学式(4A)または(4B)で示すユニットを分子中に1ユニット以上含むことを特徴とする請求項1に記載のポリヒドロキシアルカノエート。
【化2】

(式中、R2 はOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR2aである。R2aは直鎖状または分岐状の炭素数1から8のアルキル基、あるいは、置換または未置換のフェニル基である。A2 は直鎖状または分岐状の炭素数1から8のアルキレン基を表す。また、nは、1〜4から選ばれた整数であり、mは0〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、A2 、R2 、R2a、m及びnは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【化3】

(式中、R3a、R3b、R3c、R3d及びR3eは、それぞれ独立してSO23f(R3fはOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR3f1 である。(R3f1 は直鎖状または分岐状の炭素数1から8のアルキル基、置換または未置換のフェニル基である。))、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、OH基、NH2基、NO2基、COOR3g(R3gはH原子、Na原子及びK原子のいずれかを表す。)、アセトアミド基、OPh基、NHPh基、CF3 基、C25 基またはC37 基を表し(Phはフェニル基を表す)、これらの基の少なくとも1つはSO23fである。また、nは、1〜4から選ばれた整数であり、mは0〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、R3a、R3b、R3c、R3d、R3e、R3f、R3f1 、R3g、m及びnは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【化4】

(式中、R4a、R4b、R4c、R4d、R4e、R4f及びR4gは、それぞれ独立して、SO24o(R4oはOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR4o1 である。(R4o1 は直鎖状または分岐状の炭素数1から8のアルキル基、置換または未置換のフェニル基である。))、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、OH基、NH2 基、NO2 基、COOR4p(R4p:H原子、Na原子及びK原子のいずれかを表す)、アセトアミド基、OPh基、NHPh基、CF3 基、C25 基またはC37 基を表し(Phはフェニル基を示す)、これらの基の少なくとも1つはSO24oである。また、nは、1〜4から選ばれた整数であり、mは0〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、R4a、R4b、R4c、R4d、R4e、R4f、R4g、R4o、R4o1 、R4p、m及びnは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【化5】

(式中、R4h、R4i、R4j、R4k、R4l、R4m及びR4nは、それぞれ独立して、SO24o(R4oはOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR4o1 である。(R4o1 は直鎖状または分岐状の炭素数1から8のアルキル基、置換または未置換のフェニル基である。))、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、OH基、NH2 基、NO2 基、COOR4p(R4p:H原子、Na原子及びK原子のいずれかを表す)、アセトアミド基、OPh基、NHPh基、CF3 基、C25 基またはC37 基を表し(Phはフェニル基を示す)、これらの基の少なくとも一つはSO24oである。また、nは、1〜4から選ばれた整数であり、mは0〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、R4h、R4i、R4j、R4k、R4l、R4m、R4n、R4o、R4o1 、R4p、m及びnは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【請求項3】
化学式(5)で示すユニットを1ユニット以上含むことを特徴とするポリヒドロキシアルカノエート。
【化6】

(式中、R5は、水素、塩を形成する基、または、R5aである。R5aは、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基、アラルキル基、あるいは、糖類を有する基である。nは、1〜4から選ばれた整数であり、mは、0〜8から選ばれる整数である。但し、nが4の場合、mが0については、糖類を有する基のみである。複数のユニットが存在する場合、R5、R5a、m及びnは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【請求項4】
化学式(6)で示すユニットを1ユニット以上含むことを特徴とするポリヒドロキシアルカノエート。
【化7】

(式中、nは1〜4から選ばれた整数であり、nが1〜2、4で選ばれた整数である場合、mは、0〜8から選ばれる整数であり、nが3である場合、mは、0及び2〜8から選ばれる整数である。複数のユニットが存在する場合、m及びnは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【請求項5】
化学式(7)で示されるユニットを更に分子中に含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のポリヒドロキシアルカノエート。
【化8】

(R7は、炭素数1〜11の直鎖または分岐状のアルキレン基、アルキレンの炭素数が1〜2のアルキレンオキシアルキレン基(各アルキレン基はそれぞれ独立して炭素数が1〜2のアルキレン基である)またはアリールで置換されていてもよい炭素数1〜5のアルキリデン基である。複数のユニットが存在する場合、R7は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【請求項6】
化学式(8)で示される化合物を触媒の存在下で重合する工程を有することを特徴とする化学式(6)で示されるポリヒドロキシアルカノエートの製造方法。
【化9】

(式中、nは1〜4から選ばれた整数であり、nが1〜2、4で選ばれた整数である場合、mは、0〜8から選ばれる整数であり、nが3である場合、mは、0及び2〜8から選ばれる整数である。)
【化10】

(式中、nは1〜4から選ばれた整数であり、nが1〜2、4で選ばれた整数である場合、mは、0〜8から選ばれる整数であり、nが3である場合、mは、0及び2〜8から選ばれる整数である。複数のユニットが存在する場合、m及びnは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【請求項7】
化学式(9)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの二重結合部分を酸化する工程を有することを特徴とする化学式(10)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの製造方法。
【化11】

(式中、nは1〜4から選ばれた整数であり、mは0〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、m及びnは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【化12】

(式中、R10は、水素、または、塩を形成する基である。nは1〜4から選ばれた整数であり、mは0〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、m、n及びR10は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【請求項8】
化学式(10)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートと、化学式(11)で示されるアミン化合物の少なくとも1種とを縮合反応させる工程を有することを特徴とする化学式(1)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの製造方法。
【化13】

(式中、R10は、水素、または、塩を形成する基である。nは1〜4から選ばれた整数であり、mは0〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、m、n及びR10は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【化14】

(式中、R11はOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR11aである。また、R11a及びA3はそれぞれ独立して置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、あるいは、置換または未置換の複素環構造を有する基から選ばれる。複数のユニットが存在する場合、R11、R11a及びA3は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【化15】

(式中、Rは−A1−SO21 を表す。R1 はOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aである。R1a及びA1 はそれぞれ独立して、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、あるいは、置換または未置換の複素環構造を有する基を表す。nは、1〜4から選ばれた整数であり、mは0〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、R、R1 、R1a、A1 、m及びnは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【請求項9】
化学式(99)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートを塩基と反応させる工程と、前記工程で得られた化合物と化学式(100)で示す化合物とを反応させる工程とを有することを特徴とする、化学式(101)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの製造方法。
【化16】

(式中、nは、1〜4から選ばれる整数である。複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【化17】

(式中、mは、0〜8から選ばれる整数である。Xは、ハロゲン原子である。R100は、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基、あるいは、アラルキル基である。但し、化学式(99)においてnは4の場合、mは0を除く。)
【化18】

(式中、nは、1〜4から選ばれる整数であり、nが1〜3である場合、mは0〜8から選ばれる整数である。nが4である場合、mは1〜8から選ばれる整数である。R101は、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基、アラルキル基である。複数のユニットが存在する場合、R101、m及びnは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【請求項10】
化学式(101)で示すユニットに示されるポリヒドロキシアルカノエートを酸またはアルカリの存在下で加水分解する或いは接触還元を含む水素化分解する工程を有することを特徴とする、化学式(102)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの製造方法。
【化19】

(式中、nは、1〜4から選ばれる整数であり、nが1〜3である場合、mは0〜8から選ばれる整数である。nが4である場合、mは1〜8から選ばれる整数である。R101は、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基、アラルキル基である。複数のユニットが存在する場合、R101、m及びnは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【化20】

(式中、R102は、水素、または、塩を形成する基である。nは、1〜4から選ばれる整数であり、nが1〜3である場合、mは0〜8から選ばれる整数である。nが4である場合、mは1〜8から選ばれる整数である。複数のユニットが存在する場合、R102、m及びnは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【請求項11】
化学式(99)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートを塩基と反応させる工程と、前記工程で得られた化合物と、化学式(103)で示す化合物とを反応させる工程とを有することを特徴とする化学式(104)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの製造方法。
【化21】

(式中、nは、1〜4から選ばれる整数である。複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【化22】

(式中、R103は−A103−SO2103aを表す。R103aはOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR103bである。また、R103b及びA103はそれぞれ独立して、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、あるいは、置換または未置換の複素環構造を有する基から選ばれる。複数のユニットが存在する場合、R103、R103a、R103b及びA103は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【化23】

(式中、nは、1〜4から選ばれる整数である。R104は−A104−SO2104a を表す。R104a はOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR104bである。R104b及びA104 はそれぞれ独立して、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、あるいは、置換または未置換の複素環構造を有する基を表す。複数のユニットが存在する場合、R104、R104a 、R104b、A104 及びnは各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)

【公開番号】特開2006−22325(P2006−22325A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−168918(P2005−168918)
【出願日】平成17年6月8日(2005.6.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】