説明

ビフィズス菌とオリゴ糖の組合せによるスティック包装袋

【課題】ビフィズス菌とオリゴ糖を容易に同時摂取可能な製品の提供。
【解決手段】油脂コーティングしたビフィズス菌末1と粉末或は顆粒状のオリゴ糖2とを混合してスティック状の包装袋3に内包した製品。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、人間が長い間食べてきたタマネギ、ゴボウ、バナナ、蜂蜜、タケノコ、大豆、甘藷、澱粉、牛乳など天然界にも存在しているオリゴ糖の顆粒または粉末と油脂コーティングビフィズス菌末との組合せの妙にあります。ひ弱なビフィズス菌を出来るかぎり腸まで辿り着かせるために、油脂でやさしく包み込むようにします。腸内にやっと辿り着いたひ弱なビフィズス菌を、腸内の有害細菌(大腸菌・ウエルシュ菌等)の繁殖している厳しい環境に負けないように増殖させるためには、各種機能を有するオリゴ糖をいっしょに摂取することが大切です。
各種機能を有するオリゴ糖は、ビフィズス菌だけの餌になり、有害細菌(大腸菌・ウエルシュ菌等)の餌にはなりません。ビフィズス菌の餌としてオリゴ糖を摂取することで、厳しい腸内環境の中で棲息することができるようになります。
ビフィズス菌とオリゴ糖だけをひとつの袋に包み込み、いっしょに摂取することで、ビフィズス菌と餌(オリゴ糖)の関係による腸内細菌のバランスを保ち、人間の健康維持及び増進させることを目的としております。
【0002】
【従来の技術】
現在、ビフィズス菌とオリゴ糖は、いろいろな食品や飲料水に入れられております。クッキー・ウエハース・チョコレート・飴・チューインガム・ヨーグルト・乳酸菌飲料・アイスクリームなどあらゆるものに入れられて商品化されています。
ビフィズス菌末も、油脂コーティングされて、スティック包装袋に内包されて販売されております。
しかし、消費者は、ビフィズス菌やオリゴ糖の効果を、報道媒体で少しづつ理解し始めておりますが、どの商品もビフィズス菌とオリゴ糖の関係が消費者に理解されているようには思えません。ビフィズス菌とオリゴ糖が、直接的な因果関係を確認できる商品が販売されていないからです。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
砂糖は優れた甘味料ですが、虫歯や肥満あるいは糖尿病の原因として問題になっています。砂糖は小腸で分解吸収され、人体のエネルギーとして使われます。
ところがオリゴ糖は、人間の消化酵素では分解されず吸収もされません。ですから人間のエネルギーに利用されません。開発当初のオリゴ糖は、砂糖の摂取過多による弊害を是正するための甘味料として製造され、ビフィズス菌の増殖因子として利用され始めました。
しかし、最近のオリゴ糖を調査してみると、ビフィズス菌の増殖促進による整腸作用・非う蝕原性・肥満予防などであったものが、サントリーのキシロオリゴ糖のミネラル吸収促進(特開平7−67575)、明治乳業の乳酸菌を用いた免疫賦活剤(特開平7−228536)、武田食品工業のニゲロオリゴ糖の免疫賦活剤(特開平9−52834)、雪印乳業の新規なオリゴ糖、その製造法及びその利用(特開平7−316177)・ビフィズス菌及び乳酸菌増殖促進剤(特開平7−267866)のように、各社が競ってオリゴ糖の機能効果の高揚に全力を上げて、特許申請しています。
このようにビフィズス菌の増殖因子であったオリゴ糖が、各種の機能を有する多機能食品として、今後、成長してゆくことは間違い有りません。このオリゴ糖の多機能効果を充分発揮させることができるということは、ビフィズス菌がそれらの効果を発揮しているということです。ビフィズス菌とオリゴ糖が一対になることで、相乗効果を齎らすものと考えます。ビフィズス菌とオリゴ糖を同時に摂取する方法が大切です。
ビフィズス菌とオリゴ糖の同時摂取により、現在問題になっている環境汚染や細菌感染等に対する予防効果が期待できます。
【0004】
【課題を解決するための手段】
ビフィズス菌を胃では溶解せずに、できるだけ腸に到達してから溶解して、内容成分が吸収されるように油脂コーティングをしました。
まず、ビフィズス菌を培地にて培養し、遠心分離などの方法で菌体を濃縮し、洗浄の後、再度遠心分離する。得られた濃縮菌体を凍結乾燥保護剤を添加し、凍結乾燥を行なう。乾燥菌体を粉砕後、澱粉、デキストリンなどで倍散して『ビフィズス菌末』を製造する。
このビフィズス菌末と微粉状硬化油脂粉末を高速度で物理的に衝突させ、油脂微粒子をビフィズス菌末表面で展延膜化させる。本処理はビフィズス菌の死滅を極力抑えるため粉体を冷却しながら、窒素気流下で行なう。本法は乾式造粒コーティング法の一種であり、製造中の菌の死滅は殆どない。
オリゴ糖は、各社内容成分が違うため、製造方法も各社独自の製法で生産されている。各種オリゴ糖の中から、森永のラクチュロースについて説明すると、原料である乳糖を異性化してラクチュロースが得られる。これを精製して、未反応の乳糖を濃縮・結晶化させて分離・除去し、ラクチュロースシロップとする。このシロップをクロマト精製して高純度化し、濃縮・結晶化・乾燥・粉砕して製造する。
各社が独自の製法で、粉末或は顆粒状に製造された多機能を有するオリゴ糖を、目的に合わせて単品或はブレンドして、油脂コーティングビフィズス菌と混ぜ合わせてスティック状の包装袋に適量を内包する。
【0005】
【考案の実施の形態】
スティック状の包装袋に内包された油脂コーティンクビフィズス菌末と粉末或は顆粒状のオリゴ糖は、その素材をできるだけ天然、自然な状態に維持し、かつその新鮮さを保持でき、素材から商品化への加工工程において、添加物や熱・水・圧力・空気酸化等の品質劣化要因の少ない商品形態に考慮しなければなりません。これ以外に1日摂取量、体内吸収、食べやすさ、取り扱いやすさ、コスト、関係法規等の要因も考慮しなければなりません。特に油脂でコーティンクされたビフィズス菌と粉末或は顆粒状のオリゴ糖の配合には、充分配慮して製品化する必要があります。
この商品形態に限定したのは、特定成分の安定性保持にこれらの形態がすぐれていることが大きな理由である。
【0006】
【実施例】
1ビフィズス菌と2オリゴ糖が適切な分量で、包装素材たとえば不織布、紙、ポリエチレンなどの3スティック状の包装袋のなかに包み込む。1ビフィズス菌と2オリゴ糖が適量入っている3袋を、その3袋が適正な数量分入る箱を造り、その中にきちんと納まるようにしまいむ。
【0007】
【考案の効果】
オリゴ糖の消化管での状況を調べてみると、人間の腸には百種類もの細菌が住み着いており、百兆個も有るといわれいる。大便の乾燥重量の約一割が細菌の菌体です。生まれたばかりの乳幼児の腸の細菌のほとんどはビフィズス菌ですが、しだいに大腸菌、ウエルシュ菌などの細菌が多くなってきます。老人になると大腸菌やウエルシュ菌などが腸内細菌の多くを占めるようになります。
人間にとって有用な菌としてビフィズス菌や乳酸菌があり、とくにビフィズス菌は大腸内で有害菌を抑制するなどの働きがあります。ビフィズス菌の代表的な生理効果は、整腸作用、腸内菌フローラの改善、腸内腐敗産物の抑制、排便性状の改善、免疫賦活効果、骨強度増強、ビタミンの合成、ミネラル吸収促進などが挙げられます。
オリゴ糖は、各個人が腸内に保有しているビフィズス菌を、他の菌を押さえて特異的に増殖させ、腸内菌フローラを改善する特長を有しています。
つまり、ビフィズス菌の餌として利用されることにより、ビフィズス菌と同様の生理的機能を有する。最近は、オリゴ糖の多機能効果によるミネラル吸収、免疫賦活も認められ、私達の健康維持・増進に大きく寄与するものであります。
【図面の簡単な説明】
【図1】油脂コーティングされたビフィズス菌と粉末或は顆粒状のオリゴ糖が内包されたスティック状の包装袋の一部切欠斜視図。
【符号の説明】
1.油脂コーティングビフィズス菌。
2.粉末或は顆粒状のオリゴ糖。
3.スティック状の包装袋。

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】油脂コーティングビフィズス菌末と各種機能を有したオリゴ糖を混ぜ合わせて内包したスティック包装袋。

【図 1】
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