説明

ビールの濾過可能性を求めるための方法

本発明は、ビールの濾過可能性を求めるための方法であって、a)麦汁またはビール試料を採取するステップと、b)様々な孔サイズの複数のフィルタで試料を濾過するステップと、c)前記フィルタのフィルタ表面上での粒子のサイズを求めるステップと、d)フィルタ表面上の粒子の定性分析を行い、測定された粒子を、ビールまたは麦汁中に存在する特定の物質または物質群に割り当てるステップとを含み、濾過可能性の情報を、個々の画分の様々な物質または物質群の粒子のサイズから得ることができる方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビールの濾過可能性を求めるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビールは、完璧な香り、味、および泡を備えなければならないだけでなく、清澄性も求められるので、人工的に純化、すなわち濾過しなければならない。この濾過処置は、タンパク質、タンニン化合物、およびホップ樹脂などの混濁成分だけでなく、酵母および場合によってはバクテリアもここで留められるという利点を含む。フィルタは通常、充填経路上で発酵/熟成タンクと充填装置の間に配置される。例えば異なる原料特性や異なるプロセス管理により、異なるビールは異なる濾過可能性を有し、これは、単位時間およびフィルタ表面積当たりでビールまたは麦汁から濾過除去することができる成分の割合が異なり、その結果、対応するフィルタの寿命が異なることを意味する。濾過の1つの問題は、例えば珪藻土濾過の場合、フィルタ表面で急速な圧力増加が生じることがあり、それによりフィルタ寿命がより短くなることである。
【0003】
現在まで、同様の組成、例えば同様のβグルカン比率やタンパク質含有量などを有し、かつ同様の粘性を有するビールは、同様の濾過可能性を有すると仮定されている。しかし、内部試験から以下のことが分かった。
【0004】
図3は、一例として、標準のビールと、マッシュを振動させる(1つまたは複数の)振動ユニットが設けられたマッシュ容器を用いて製造されたビールとに関して、βグルカンの比率、総窒素の比率、およびマグネシウム沈殿性窒素の比率、ならびに粘性を示す。そのようなマッシュ容器は、例えば独国特許出願公開第10026723A1号に記載されている。(1つまたは複数の)振動ユニットを用いて製造されたビールと、振動ユニットを用いずに製造されたビールは、図3に示されるように組成はほぼ同じであるが、それにも関わらず、図5から明らかなように濾過可能性が異なる。
【0005】
図5で、珪藻土キャンドルフィルタでの圧力差の上昇を見ることができる。左半分は、ビール1の圧力上昇(α1)を示し、右半分は、従来の方法で醸造されたビールの圧力上昇(α2)を示す。左半分での圧力上昇の方がなだらかである(α1<α2)ことが明らかに分かる。したがって、ビール1では、フィルタでの最大許容圧力差に達するまでに、より大量のビールを濾過することができる。しかしこれは、従来の分析技法、すなわち例えばβグルカン比率や粘性などを求めることでは、高い信頼性での濾過可能性の情報を得ることができないことを意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、ビールの濾過可能性を求めるための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、この目的は、請求項1に記載の特徴によって達成される。
すなわち、本発明によれば、ステップa)で、麦汁またはビール試料を採取する。個々の物質または物質群の粒子サイズ分布の情報を提供するために、ステップb)で、様々な孔サイズの複数のフィルタで試料を濾過する。試料が複数のフィルタで連続的に濾過されることにより、各フィルタ表面上に異なる画分が残り、したがって、フィルタ表面上の粒子のサイズを高い信頼性で容易に求めることができる。ここで、当然、フィルタ表面全体を検査しなければならないわけではない。フィルタ表面の代表的な区域を検査すれば十分である。次いで、対応するフィルタ表面上での様々なサイズの粒子の定性分析によって、粒子を、ビール中に存在する特定の物質または物質群に割り当てることができる。
【0008】
有利には、ステップc)とステップd)をすべての画分に関して行う。しかし、いくつかの選択された画分に関してのみこれらのステップを行うこともできる。また、ステップd)をステップc)の前に行うこともできる。
【0009】
したがって、個々の画分の異なる物質または物質群の粒子サイズを求めることができる。これは、ビールの濾過可能性に関する尺度である。したがって、本発明による方法によって、濾過可能性に関する予測、すなわち単位時間およびフィルタ表面積当たりでビールまたは麦汁から濾過除去することができる望ましくないビール成分の割合に関する予測、および概算で予想されるフィルタ表面の寿命に関する予測を行うことができる。好ましい実施形態によれば、試料中の物質または物質群の粒子サイズ分布が求められる。このために、このとき、特定の物質または物質群の特定サイズの粒子の数も求めることができる。
【0010】
異なる物質または物質群のサイズあるいはその粒子サイズ分布が濾過可能性に対して大きな影響を及ぼすことはこれまで知られていなかった。
有利には、フィルタとして、実験室または試料フィルタ、特にメンブレンフィルタが使用される。実験室フィルタは、ビール濾過用のフィルタよりも明らかに小さいフィルタ表面積を有するフィルタと定義される。そのようなメンブレンフィルタを用いれば、試料を特定のメンブレンのみに通せばよく、かつこのメンブレンを容易に取り外すことができるので、この方法を特に容易に行うことができる。
【0011】
技術者が濾過可能性に対する予測を行うことができる場合、非常に有利である。なぜなら、そのとき、個々の画分の異なる物質群の粒子のサイズに応じてビール製造プロセスおよび/または濾過プロセスのパラメータを調節することができるからである。
【0012】
ステップc)で、粒子のサイズが走査型電子顕微鏡(REM)によって求められる場合、特に有利である。このようにして、粒子のサイズを容易に測定することができる。粒子のサイズは、特に、粒子の最大長さ、面積、または直径と定義される。
【0013】
ステップd)での粒子の定性分析がEDX法(エネルギー分散型X線分析)によって行われる場合、特に有利である。このために、マイクロメートル範囲および/またはナノメートル範囲でのマイクロ領域分析を行うことができ、走査型電子顕微鏡によって生成される画像を粒子の識別のために使用することができる。したがって、フィルタ表面上の残留物、すなわち粒子の組成を単純に求めることができる。ビール中の物質または物質群の主要部分は有機物であり、すなわち炭素に基づいているので、粒子の区別は、特定のインジケータ(例えばタンパク質に関しては窒素)を参照して行うことができる。この方法により、表面トポグラフィを非常に良く表現することができる。
【0014】
有利には、それぞれ孔幅が異なる2〜6個のフィルタ、しかし特には3〜5個のフィルタが連続的に使用される。ここで、孔幅は、0.1〜20μmの範囲内、好ましくは0.45〜10μmの範囲内である。したがって、各フィルタ表面上に異なるサイズの粒子が残り、容易に測定することができる。
【0015】
物質群は、例えばβグルカン、βグルカンゲル、ポリフェノール(なめし剤)、高分子デキストリン、タンパク質性物質を含む。以下、添付図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
【0016】
有利には、EDX分析の前に、特に金属層または炭素層のコーティングがフィルタ層に施される。したがって、分析のために粒子をフィルタ表面上に固定することができる。それにより、画像品質を改良することができる。
【0017】
濾過前に試料を希釈することが有利である。それにより、フィルタ表面上に被覆層が形成されるのを防止することができ、個々の粒子を高い信頼性で検査することができる。
また、ステップd)での定性分析は、粒子の外観を比較することによって視覚的に行うこともできる。
【0018】
以下、添付図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】2つの異なるビールに関する異なる物質群の粒子サイズに応じた濾過可能性を示す概略図である。
【図2】本発明の一実施形態の流れ図である。
【図3】2つの異なるビールの特性を示す図である。
【図4A】フィルタ表面区域の走査型電子顕微鏡画像を示す図である。
【図4B】図4Aに示される画像の元素組成の定性分析を示す図である。
【図5】2つの異なるビールの濾過時の異なる圧力上昇を示す図である。
【図6】本発明による複数のフィルタの配置を示す図である。
【図7】異なる希釈液におけるフィルタ表面上での粒子密度を示す図である。
【図8】本発明に特に適した拡大された平面状フィルタ表面の表面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書では以後、ビールの濾過可能性を求めるための本発明の可能な実施形態をより詳細に説明する。
特に図2の流れ図から分かるように、まず、濾過すべきビールの麦汁またはビール試料を生成物から採取する(a)。ここでは、ビール試料の体積は例えば100〜200mlである。次いで、実験室で、水などを用いて例えば1:4〜1:10の適切な希釈液を調製することが好ましい。希釈液は、このときそれぞれのフィルタ表面上での粒子被覆層を防止することができ、したがってフィルタ表面上の個々の粒子を検査することができるので有利である。
【0021】
図7は、例として1:2の希釈液を用いた場合のフィルタ表面上の粒子密度を示す。ここでは、個々の粒子の検査がほぼ不可能なほど粒子密度が高い。1:6の希釈液では、粒子密度がより低く、したがって、定量分析(粒子を数える、サイズを求める)および定性分析が容易に可能である。
【0022】
次いで、この方法に関する開始体積として、例えば体積100mlの希釈された試料を用意する。次いで、この試料を、複数の実験室フィルタ、ここでは様々な孔サイズのメンブレンフィルタを通して連続的に濾過する(b)。「連続的」とは、図6で見ることができるように、第1のフィルタの濾過液Fが後続のフィルタに未濾過液NFとして供給され、試料がすべてのフィルタを通過するまでそれが続くことを意味する。様々なフィルタの孔幅は、0.1〜20μmの範囲内、好ましくは0.45〜10μmの範囲内である。この具体的な実施形態では、特に図6から分かるように、例えば孔サイズ10μm、5μm、3μm、1.2μm、および0.45μmのメンブレンを有するメンブレンフィルタが採用される。大きな孔幅を有するフィルタ、特に第1および第2のフィルタが、酵母を分離する働きをする。分画処理は、少なくとも2〜6個、好ましくは少なくとも3〜5個のメンブレンフィルタを用いて行うべきである。
【0023】
分画処理により、試料中、特に希釈された試料中の粒子を、様々なサイズ範囲に分けることができる。
フィルタ表面1、すなわちメンブレンは、交換することができるようにフィルタ内に配置される。未濾過液は、図6に示されるように、未濾過液空間4内、ここではホッパ内に充填され、ポンプP(例えばウォータジェットポンプ)によってフィルタメンブレンを通される。したがって、様々なサイズの粒子が、個々のフィルタ表面上、すなわち個々のメンブレン上に残る。フィルタ表面1のサイズは、例えば10〜30cmである。フィルタとして、平坦な表面を有するフィルタが特に適しており、平坦な表面とは、表面が毛羽立っていたり凸凹したりしていないことを意味する。図8に、そのようなフィルタ表面が8190倍の倍率で示されている。これは、濾過されたすべての粒子が、多かれ少なかれ一平面上にあるという利点を有する。これは、後続の定性検査に有利である。ポリカーボネートフィルタ、特にハニカム構造を有する窒素を含まないフィルタが、非常に適していると分かっている。
【0024】
ここで、次のステップ(c)で、フィルタ表面上の粒子のサイズを求める。その際、フィルタ表面全体、またはフィルタ表面の代表的な区域を検査することができる。このために、フィルタ表面がフィルタから取り外される。検査するフィルタ表面は、好ましくは0.5〜4cmの範囲内であり、例えば一辺が1cmの正方形の範囲内である。
【0025】
粒子のサイズが走査型電子顕微鏡によって測定される場合、特に有利である。粒子のサイズは、粒子の最大長さ、面積、または直径と定義される。例えば、図4Aは、走査型電子顕微鏡の一区域を示し、これはフィルタ表面上の2つの粒子を示す。
【0026】
最後に、フィルタ表面上の粒子の定性分析を行う(d)。有利には、この定性分析は、EDX法(エネルギー分散型X線分析)によって行われる。定性EDX分析のために、フィルタ表面が粒子で薄くコーティングされることが有利であり、すなわち、例えば金属コーティング(例えば金や白金)または炭素コーティングが特にスパッタリングによってフィルタ表面上に堆積されることが有利である。通常であれば電子ビームが粒子を吹き飛ばすことがあるので、このコーティングは粒子を固定する助けとなる。さらに、フィルタ表面上へのコーティングによって、画像品質が改良される。粒子サイズが測定される前にコーティングが塗布される場合、測定の際に層厚さを考慮して差し引くことができる。
【0027】
EDX法では、電子ビームが試料表面に当たる。電子と試料の相互作用により、X線が放出される。そのX線が検出され、その際、元素分析のために元素固有の帯域が使用される。ビールの主要部分は有機物であり、すなわち炭素に基づいているので、粒子の区別は、インジケータ(例えばタンパク質に関しては窒素)を参照して行うことができる。他の物質または物質群に関しては、元素の比率を評価しなければならない。次いで、図4Bから分かるように、走査型電子顕微鏡画像または試料の表面が、対応する検出された元素に対応する様々な表現方法(例えば色)で表現される。有利には、REM/EDX複合装置が使用される。
【0028】
ステップcとステップdの順序を変えることも同様に可能であり、したがって、まず粒子の定性分析が行われ、次いで、対応する粒子のサイズが求められる。
いずれにせよ、次いで、測定された粒子を、麦汁またはビール中に存在する物質または物質群に割り当てることができる(d)。そのような物質群は、例えば、βグルカン、βグルカンゲル、ポリフェノール、高分子デキストリン、タンパク質性物質を含む。比較的大きな酵母は、主に第1の最も粗いフィルタ上に留まり、したがって、酵母についてはサイズまたは組成に関するさらなる分析が行われない。したがって、第1のフィルタは通常、さらに分析にかけられる必要はなく、すなわち、後続の画分の粒子をより良好に検出することができるようにするためのプレフィルタとしてのみ働く。したがって、個々の画分中の個々の物質または物質群の粒子サイズの差を求めることができる。さらに、フィルタ表面上のすべての粒子を測定する必要はなく、代表的な量で十分である。
【0029】
図1は、ビール1に関するステップa〜dの結果、およびビール2に関する結果を示す。ビール1は標準的なビールであり、ビール2は、本説明の冒頭部で説明したように、マッシング中に振動プロセスを施した。ここでは、孔幅が1.2μmおよび0.45μmのフィルタのフィルタ表面区域のみが示されている。図1では、2つの画分のみが示されている。評価にすべての画分を含むこともできる。
【0030】
図1から分かるように、1.2μmの孔サイズでは、ビール1は、大きいβグルカン粒子を含む。βグルカン粒子は、ここでは例えば5〜10μmの範囲内のサイズを有する。孔サイズが0.45μmのフィルタ表面の画分では、ビール1は、例えばサイズが0.5〜1.0μmの比較的小さなタンパク質粒子を含む。
【0031】
これに対し、1.2μmの画分におけるビール2は、例えば2〜3μmのサイズを有するより小さいβグルカン粒子を示す。これに対し、0.45μmの画分のフィルタ表面上には、例えばサイズが1〜1.2μmの比較的大きいタンパク質粒子が存在する。
【0032】
また、特定の画分の特定の物質群の粒子サイズの平均値を取ることもできる。
しかし、フィルタ表面上で、またはフィルタ表面の特定の区域で、物質または物質群のほぼすべての粒子を数えることもでき、それにより、そこから試料全体中の物質または物質群の粒子サイズの分布を求めることができる。
【0033】
次いで、これらの結果が、比較試験で求められている比較結果と比較される。対応する比較試験では、特定の物質または物質群の粒子の様々なサイズでの濾過可能性が求められている。
【0034】
例えば、非常に大きいβグルカン粒子と小さいタンパク質粒子を有するビール1は、より小さいβグルカン粒子を有する一方でより大きいタンパク質粒子を有するビール2よりも良い濾過可能性を有する。これは、ビール1では、ビール2に比べて、単位時間およびフィルタ表面積当たりで大きな割合のビール成分をビールまたは麦汁から濾過除去することができ、かつ長いフィルタ寿命を予測することができることを意味する。この理由としては、例えば、より大きいβグルカン粒子が、ビールフィルタ表面を目の粗い状態で保ち、したがって小さいタンパク質粒子がフィルタをより良く通過できることがある。
【0035】
これは、濾過可能性に対する予測を行う(e)ことができることを意味する。
したがって、技術者には、求められた様々な物質群の粒子のサイズに応じて、ビール製造プロセスおよび/または濾過プロセスに意図的に介入することができるようになる(f)。
【0036】
プリコート濾過では、プリコートするときに、1回分量中に、相応に粗いまたは細かい珪藻土混合物と、適合されたセルロース比率とを提供することができる。これは、例えば濾過可能性が劣悪なビール2において、プリコートするときに、より粗い珪藻土の比率と、より高いセルロースの比率とを備える1回分量を準備することができることを意味する。
【0037】
珪藻土濾過、すなわち濾過補助手段を何ら用いない濾過では、少なくとも製造計画をより正確に計算することができる。
濾過可能性に関する予測は、開始麦汁の試料から、またはさらに早い段階でコングレス麦汁の試料から行われるべきである。さらに、例えば開始麦汁またはコングレス麦汁から発酵させて完成させたビールを試料として使用することもできる。さらに、例えば、ビール製造の製造プロセスからの発酵させて完成させたビールも試料として使用することができる。ここで、異なる方法で製造されたビール1とビール2を例として説明した。しかし、完全を期すために、同一の製造プロセスでも、異なる原料の特性により異なる濾過可能性が生じることがあることに留意すべきである。
【0038】
定性分析、または様々な物質または物質群への割当ては、上述した機器分析によって行うことができ、および/または視覚的に、すなわち粒子の特別な形状または外観(例えば多孔性、稠密性、平滑性、球状、構造化、ゲル状など)に基づいて行うこともでき、また、顕微鏡(REM)で表される粒子の特別な形状または外観を、顕微鏡(REM)の下で以前に得られた個々の画分の物質または物質群の形状と比較することによって行うことができる。最後に、様々な物質または物質群のサイズに応じて濾過可能性を評価する完全に新規の方法は、フィルタの寿命がより長く改良された濾過方法を可能にする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特にビールの濾過可能性を求めるための方法であって、
a)麦汁またはビール試料を採取するステップと、
b)様々な孔サイズの複数のフィルタで試料を濾過するステップと、
c)前記フィルタのフィルタ表面上での粒子のサイズを求めるステップと、
d)フィルタ表面上の粒子の定性分析を行い、前記測定された粒子を、ビールまたは麦汁中に存在する特定の物質または物質群に割り当てるステップと
を含み、前記濾過可能性の情報を、個々の画分の様々な物質または物質群の粒子のサイズから得ることができる方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、物質または物質群の前記粒子サイズ分布が前記試料中で求められることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法において、前記方法がさらに、
e)個々の画分の異なる物質群の粒子のサイズに応じて、ビール製造プロセスおよび/または濾過プロセスのパラメータを調節するステップ
を含むことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、濾過可能性を予測するために、フィルタとして実験室フィルタ、特にメンブレンフィルタが使用されることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1から4の少なくともいずれか一項に記載の方法において、ステップc)で、前記粒子のサイズがREMによって求められることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1から5の少なくともいずれか一項に記載の方法において、ステップd)での粒子の定性分析がEDX法によって決定されることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1から6の少なくともいずれか一項に記載の方法において、それぞれ異なる孔幅を有する2〜6個のフィルタ、特に3〜5個のフィルタが連続的に使用され、前記孔幅が、0.1〜20μmの範囲内、好ましくは0.45〜10μmの範囲内にある
ことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1から7の少なくともいずれか一項に記載の方法において、前記物質群がβグルカン、βグルカンゲル、ポリフェノール、高分子デキストリン、およびタンパク質性物質を含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1から8の少なくともいずれか一項に記載の方法において、ステップd)の前に、コーティング、特に炭素または金属コーティングが前記フィルタ表面上に堆積されることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1から9の少なくともいずれか一項に記載の方法において、濾過前に前記試料が希釈されることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1から10の少なくともいずれか一項に記載の方法において、ステップd)での定性分析が、前記フィルタ表面上での前記粒子の外観を特定の物質または物質群の粒子の外観と比較することによって視覚的に行われることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−510799(P2012−510799A)
【公表日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−538870(P2011−538870)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【国際出願番号】PCT/EP2009/008364
【国際公開番号】WO2010/063392
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(591034383)クロネス・アクチェンゲゼルシャフト (35)
【氏名又は名称原語表記】KRONES AG