説明

ビールディスペンサー洗浄方法及び洗浄装置

【課題】 洗浄準備作業、圧力調整作業等の面倒な作業をする必要もなく、熟練者でなくとも簡単にビールディスペンサーの洗浄作業を実行できるようにする。
【解決手段】 洗浄準備スイッチ21Bを押下すると、ビール/洗浄水切換バルブ11が作動し、ビール配管5Bに水Wが流通できるようになる。次に、洗浄開始スイッチ21Cを押下すれば、水供給バルブ13が開放し、洗浄水配管6を流通して洗浄用タンク2に水が供給される。流量センサ14が洗浄用タンク2内に水が規定量貯留したことを検出すると、注水/洗浄切換バルブ12が作動し、炭酸ガス配管7を流通して洗浄用タンク2に炭酸ガスGが供給される。炭酸ガスGの圧力によって洗浄用タンク2から水W及び炭酸ガスGが流出し、気液混相流が生成されて、ビールディスペンサー101内のビール配管109を洗浄する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビールディスペンサー内のビール配管を迅速かつ簡易に洗浄するためのビールディスペンサー洗浄方法及び洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビールディスペンサーは、冷却水槽内にビール配管を螺旋状又は蛇行状に配設し、ビール配管の一端部に開閉バルブを付設したビール吐出口を形成したものであって、炭酸ガスボンベから炭酸ガスを噴出させ、この炭酸ガスの圧力によってビール樽内に貯留したビールを流出させ、ビール配管内を流通させつつ冷却し、ビール吐出口から排出させて、ジョッキ等にビールを供給するものである。
【0003】
ビールディスペンサーの使用後には、ビール配管内にビールが残存すると共に、ゴミ、異物等も混入するので、洗浄せずにそのままにしておくと、カビ、細菌等が発生して不衛生になったり、変質したビールが混在してビールの味が劣化したりする。
そこで、ビールディスペンサーの使用後に、すなわちビアホール、レストラン等の営業時間後に、ビール配管内に水又は洗浄液を流通させ、残存するビール、ゴミ、異物等を水又は洗浄液と共にビール吐出口から排出するようにしている。
【0004】
最近では、ビール配管内をより効果的、効率的に洗浄するために、ビールディスペンサー1内にカーボネータ11を配置し、炭酸ガスの圧力によってカーボネータ11内の炭酸水を流出させ、ビール配管6内を流通させ、残存するビールをビール吐出口から排出するようにした洗浄装置が知られている(特許文献1参照)。
【0005】
又、上記洗浄装置を改良したものとして、水供給口21と炭酸ガス供給口22とを有する混合器2をビールヘッド3に取付け、供給口21,22から水と炭酸ガスとを別個に送り込み、ビール配管6内に水と炭酸ガスとを流通させ、残存するビールをビール吐出口から排出するようにした洗浄装置も知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−142893号公報
【特許文献2】特開2007−308172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載の洗浄装置では、炭酸水を生成するカーボネータ11をビールディスペンサー1内に配置するため、ビールディスペンサー1を一部改造する必要があった。又、洗浄動作を実行する前に、予めカーボネータ11に水及び炭酸ガスを供給し、炭酸水を生成しておく必要があるため、洗浄準備作業が面倒であった。
【0008】
又、特許文献2に記載の洗浄装置では、水配管から水供給口21に水を供給し、炭酸ガス配管から炭酸ガス供給口22に炭酸ガスを別個に供給し、混合器2において混合させ、ビール配管6内に流通させるため、水の圧力と炭酸ガスの圧力とを適当に調整して、バランスを図らなければならず、圧力調整作業が面倒であった。
【0009】
さらに、何れの洗浄装置にあっても、洗浄作業を実行するには、洗浄準備作業、圧力調整作業等の作業を実行する必要があり、それら作業に熟練していない者は、実際には、洗浄作業を実行することができないという問題点があった。すなわち、特に熟練を必要とすることなく、ビアホール、レストラン等の何れの従業者であっても、簡単に洗浄作業を実行できるまで自動化されたものではなかった。
【0010】
尚、洗浄用タンクから水を流出させ、ビールディスペンサー内のビール配管内に水を流通させ、残存するビール等を洗浄、排出する手順は、以下の通りである。

1.洗浄準備
1)洗浄用タンクに水を注入する。
2)ビール樽よりビールヘッドを取り外す。
3)洗浄用タンクにビールヘッドを取り付ける。
2.洗浄開始
1)ビール吐出口に排水用バケツを配置する。
2)開閉バルブを開ける。
3)水を排出した後、炭酸ガスを流通させ、水切りを行う。
3.洗浄終了
1)開閉バルブを閉じる。
2)排水用バケツを移動する。
3)洗浄用タンクよりビールヘッドを取り外す。
4)ビール樽にビールヘッドを取り付ける。

【0011】
本発明は、上記問題点に鑑みて為されたものであって、その目的とするところは、ビールディスペンサーを特に改造する必要もなく、洗浄準備作業、圧力調整作業等の面倒な作業をする必要もなく、極力自動化することによって、熟練者でなくとも、簡単にビールディスペンサーの洗浄作業を実行することができるビールディスペンサー洗浄方法及び洗浄装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明のビールディスペンサー洗浄方法は、洗浄水配管を流通させて洗浄用タンクに水を供給し、流量センサによって水の供給量を検出した後、水の供給を停止し、次に、炭酸ガス配管を流通させて洗浄用タンクに炭酸ガスを供給すると共に、炭酸ガスの圧力によって洗浄用タンクから水及び炭酸ガスを流出させ、ビールディスペンサー内のビール配管に水及び炭酸ガスを流通させ、ビール配管を洗浄するようにしたものである。
【0013】
本発明のビールディスペンサー洗浄装置は、上記ビールディスペンサー洗浄方法を好適に実施できるものであって、
水を貯留する洗浄用タンクと、
ビール樽からビールディスペンサーにビールを供給するビール配管と、前記洗浄用タンクに水を供給する洗浄水配管と、前記ビール樽及び前記洗浄用タンクに炭酸ガスを供給する炭酸ガス配管とを備え、前記洗浄水配管の途中に水供給バルブ、流量センサ及び切換バルブを設け、前記炭酸ガス配管の途中に切換バルブを設けた駆動操作装置と、
前記流量センサからの検出信号を受信する流量センサ受信部と、前記水供給バルブ及び切換バルブへ駆動信号を送信するバルブ駆動部とを設けた制御回路装置と、から構成され、
前記水供給バルブを開放して前記洗浄水配管を流通させて前記洗浄用タンクに水を供給し、前記流量センサによって水の供給量を検出した後、前記切換バルブを作動させて、前記炭酸ガス配管を流通させて前記洗浄用タンクに炭酸ガスを供給すると共に、炭酸ガスの圧力によって前記洗浄用タンクから水及び炭酸ガスを流出させ、前記洗浄水配管及び前記ビール配管を流通させてビールディスペンサー内のビール配管に水及び炭酸ガスを流通させ、ビールディスペンサー内のビール配管を洗浄するようにしたものである。
【0014】
前記制御回路装置は、その操作パネル上に、ビールディスペンサーを通常使用状態とする営業スイッチと、洗浄準備動作を開始させる洗浄準備スイッチと、洗浄動作を開始させる洗浄開始スイッチと、ビールディスペンサーの通常使用が可能であることを表示する営業中表示灯と、洗浄準備動作を行っていることを表示する洗浄準備表示灯と、前記洗浄用タンクに水を供給していることを表示する注水表示灯と、洗浄動作を行っていることを表示する洗浄表示灯と、洗浄動作が完了したことを表示する洗浄完了表示灯とを設けたことを特徴とする。
【0015】
前記制御回路装置にデータを送受信する通信制御部を設け、通信回線網を介して複数のビールディスペンサー洗浄装置を統括的にデータを管理する中央管理装置に接続するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明のビールディスペンサー洗浄方法によれば、従来、水の圧力と炭酸ガスの圧力とを手動で調整する必要があったのを、水の圧力の変動に関係なく、炭酸ガスの圧力のみで自動的に調圧制御することができ、洗浄作業における個人差がなくなる。そして、自動制御洗浄によって、ビールディスペンサー内を衛生的な状態に保持することができ、ビール本来の品質の保持が可能となる。
【0017】
本発明のビールディスペンサー洗浄装置によれば、本発明のビールディスペンサー洗浄方法を信頼性の高い機器で構成された駆動操作装置及び簡単な回路で構成された制御回路装置によって実現したことで、洗浄装置の製造費、運転費についてコストダウンを図ることができる。
【0018】
又、ビアホール、レストラン等において、ビールディスペンサーの洗浄作業を簡素化することができ、熟練者でなくても簡単に洗浄作業を実行することができる。さらに、ビール以外の酒類、果汁飲料等のディスペンサーにも広く適用することができるので、極めて汎用性が高い。
【0019】
さらに、各ビールディスペンサーの洗浄状況等のデータを通信回線網を介して中央管理装置に送信できるようにすれば、中央管理装置において集中管理することができ、中央管理装置から瞬時に各ビールディスペンサーに故障対策の指示等を送信することが可能になり、洗浄状況の双方通信による共有化も可能となり、各ビールディスペンサーの洗浄状況管理のスピード化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明のビールディスペンサー洗浄装置の構成図である。
【図2】本発明のビールディスペンサー洗浄装置を構成する制御回路装置の構成図である。
【図3】気液混相流の流動様式の説明図である。
【図4】複数のビールディスペンサー洗浄装置を通信回線網に接続し、データセンターにおいて集中管理する場合の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明のビールディスペンサー洗浄装置1について、図1及び図2を参照して、詳細に説明する。
【0022】
ビールディスペンサー洗浄装置1は、図1に示すように、洗浄用タンク2と、駆動操作装置3と、制御回路装置4とから構成される。
【0023】
洗浄用タンク2は、洗浄水を貯留するタンクであって、洗浄水としては、通常、水道水Wを使用する。
【0024】
駆動操作装置3は、ビール配管5と、洗浄水配管6と、炭酸ガス配管7と、ガス抜き配管8とを具備している。
【0025】
ビール配管5は、ビール樽102からビールディスペンサー101にビールBを供給するための配管であって、ビール/洗浄水切換バルブ11において、ビール配管5Aとビール配管5Bに分割させてある。
【0026】
洗浄水配管6は、水道管103から水道蛇口104を介して洗浄用タンク2に洗浄水Wを供給するための配管であって、注水/洗浄切換バルブ12において、洗浄水配管6A、洗浄水配管6B、洗浄水配管6Cに分割させてある。
又、洗浄水配管6Aの途中には水供給バルブ13、流量センサ14を配設してあり、水供給バルブ13によって洗浄水配管6Aを流通する水の流量を調整すると共に、流量センサ14によって洗浄水配管6Aを流通する水の流量を検出するようになっている。
【0027】
炭酸ガス配管7は、炭酸ガスボンベ105からビール樽101及び洗浄用タンク2に炭酸ガスGを供給するための配管であって、洗浄/ガス抜き切換バルブ15において、炭酸ガス配管7Aと炭酸ガス配管7Bに分割させてあり、さらに、炭酸ガス配管7Aの途中から炭酸ガス配管7Cを分岐させてある。
【0028】
ガス抜き配管8は、一端部を洗浄/ガス抜き切換バルブ15に連結すると共に、他端部をガス抜き口9としてある。
【0029】
制御回路装置4は、図1及び図2に示すように、操作スイッチ21、表示灯22、ブザー23、中央処理装置24、定電圧電源部25、ノイズフィルター26、洗浄タイマー設定部27、バルブ駆動部28、流量センサ受信部29、表示灯駆動部30、ブザー駆動部31及び通信制御部32から構成される。
【0030】
操作スイッチ21は、制御回路装置4の操作パネル上に配設してあり、営業スイッチ21A、洗浄準備スイッチ21B、洗浄開始スイッチ21Cから構成される。
【0031】
表示灯22は、制御回路装置4の操作パネル上に配設してあり、営業中表示灯22A、洗浄準備表示灯22B、注水表示灯22C、洗浄表示灯22D、洗浄完了表示灯22Eから構成される。
又、ブザー23は、制御回路装置4に内蔵してあり、洗浄動作が完了した時に鳴動するものである。
【0032】
中央処理装置(CPU)24は、制御回路装置4の各部に指令を発信すると共に、洗浄動作手順を記載したシーケンスプログラムを格納しており、洗浄装置全体を制御するものである。
【0033】
定電圧電源部25は、外部電源33から供給される交流又は直流電圧を制御回路装置4を作動させる所定電圧の直流電圧に変換する回路である。
【0034】
ノイズフィルター26は、操作スイッチ21の出力する信号から静電気等によるノイズを除去する回路である。
【0035】
洗浄タイマー設定部27は、洗浄用タンク2から水を吐出する時間を設定する回路である。
【0036】
バルブ駆動部28は、ビール/洗浄水切換バルブ11、水供給バルブ13、注水/洗浄切換バルブ12及び洗浄/ガス抜き切換バルブ15を駆動制御する回路である。
又、流量センサ受信部29は、流量センサ14の検出信号を受信する回路である。
【0037】
表示灯駆動部30は、各表示灯22A〜22Eを点灯、点滅させる回路である。
又、ブザー駆動部31は、ブザー23を鳴動させる回路である。
【0038】
通信制御部32は、制御回路装置4を通信回線網51に接続し、各種データの送受信を行う回路である。
【0039】
本発明のビールディスペンサー洗浄装置1の構成は以上の通りであり、次に、このビールディスペンサー洗浄装置1によって、ビールディスペンサー洗浄方法を実行する手順について説明する。
【0040】
1.営業中
ビアホール、レストラン等が営業中であり、ビールディスペンサー101を使用している場合には、営業中表示灯22Aが点灯している。
【0041】
2.洗浄準備
1)ビアホール、レストラン等の営業が終了し、ビールディスペンサー101を洗浄しようとする場合には、洗浄準備スイッチ21Bを押下する。これにより、営業中表示灯22Aが消灯し、洗浄準備表示灯22Bが点灯する。
2)同時に、ビール/洗浄水切換バブル11が作動して、ビール配管5Bに洗浄水Wが流通するように切換える。
【0042】
3.注水開始
1)水道蛇口104を開けると共に、ビール吐出口106に排水用バケツ108を配置し、開閉バルブ107を開ける。
2)洗浄開始スイッチ21Cを押下すれば、洗浄準備表示灯22Bが消灯し、注水表示灯22Cが点滅する。
3)同時に、水供給バルブ13が開いて、洗浄用タンク2に水Wを供給して、貯留させていく。
【0043】
4.注水中
流量センサ14が洗浄水配管6Aを流通する水の流量を検出し、洗浄用タンク2への注水量を測定する。
【0044】
5.注水完了
1)流量センサ14からの検出信号によって、中央処理装置(CPU)24が洗浄用タンク2に水が規定量貯留したと判断したら、水供給バルブ13を閉じて、洗浄水タンク2
に注水するのを停止する。
2)同時に、注水/洗浄切換バルブ12が作動して、洗浄水配管6Cに洗浄水が流通するように切換える。
【0045】
6.洗浄開始
1)次いで、洗浄/ガス抜き切換バルブ15が作動して、炭酸ガス配管7Bに炭酸ガスが流通するように切換える。
2)同時に、注水表示灯22Cが消灯し、洗浄表示灯22Dが点滅する。又、洗浄タイマーが作動する。
3)炭酸ガスGが洗浄用タンク2に流入することによって、洗浄用タンク2に貯留した水を加圧して洗浄水配管6Bに流出させると共に、炭酸ガスG自身も洗浄水配管6Bに流出していく。
4)洗浄水配管6Bに流出した水W及び炭酸ガスGは、洗浄水配管6C、ビール配管5Bを流通し、ビールディスペンサー101内のビール配管109を流通し、ビール吐出口106から吐出して排水用バケツ108に排出される。
【0046】
この時、図3に示すように、ビール配管109内においては水Wと炭酸ガスGとが混在して流動する気液混相流が生成されており、ビール配管109の内壁面近傍では乱流状態となっている。
よって、炭酸ガスGの気泡Gbが内壁面に衝突し、破裂したりして、又、乱流状態となった水Wが内壁面に衝突し、内壁面を擦過したりして、内壁面に付着したビール、ゴミ等も極めて強力にかつ効率的に剥離、除去することができ、排水用バケツ108に排出することができる。
尚、図3に示すように、配管内を流動する気液混相流の流動様式は、気液の流量、流路径、流体の物性等によって変化し、(A)気泡流,(B)スラグ流,(C)フロス流,(D)環状流,(E)噴霧流等に変化する。
【0047】
7.洗浄終了
1)洗浄タイマーが停止すると、洗浄表示灯22Dが消灯し、洗浄完了表示灯22Eが点灯する。
2)同時に、洗浄/ガス抜き切換バルブ15が作動して、炭酸ガス配管7Bとガス抜き配管8とが連通するように切換える。
3)洗浄用タンク2から炭酸ガス配管7B、ガス抜き配管8を流通して空気A、炭酸ガスGがガス抜き口9から排出されていき、所定時間が経過すると、ブザー23が鳴動し、洗浄動作が完了したことを報知する。
【0048】
8.営業準備
1)営業スイッチ21Aを押下すれば、洗浄完了表示灯22Eが消灯し、営業中表示灯22Aが点灯する。
2)同時に、注水/洗浄切換バルブ12が作動して、洗浄水配管6A,6Bが連通するように切換え、ビール/洗浄水切換バブル11が作動して、ビール配管5A,5Bが連通するように切換える。
3)これによって、ビールディスペンサー101が使用できる状態となって、ビアホール、レストラン等を営業できるようになる。
【0049】
ビールディスペンサー101は、我国では150万台、世界全体では5000万台程度普及している。そして、本発明のビールディスペンサー洗浄装置によれば、以下のような作用・効果を奏する。

1.営業終了後に、毎日、ビールディスペンサー101を洗浄することができるので、常時、新鮮で劣化のない高品質な生ビールを提供することができる。
2.誰でも簡単に操作でき、全自動で注水、洗浄を実行することができるから、特に熟練した作業者を必要としない。
3.本発明のビールディスペンサー洗浄装置によれば、年間維持管理費を大幅に削減できるから、極めて有用である。

【0050】
尚、装置費及び年間維持管理費について、本発明の洗浄装置と従来の洗浄装置とを比較したものを表1に示す。
【0051】
【表1】

【0052】
次に、複数のビールディスペンサー洗浄装置1を通信回線網51を介して中央管理装置52に接続する場合について、図4を参照して説明する。
【0053】
ビールディスペンサー洗浄装置1の制御回路装置4に内蔵する通信制御部32をルーター53を介して通信回線網51に接続すれば、複数のビールディスペンサー洗浄装置1,1,1を通信回線網51を介して中央管理装置52に接続することができる。
ここで、通信回線網51は、企業内で構築したイントラネットでもよく、インターネットであってもよい。
【0054】
このようなシステムを構築すれば、各ビールディスペンサー洗浄装置1,1,1と中央管理装置52との間で電子メール等によりデータを送受信することによって、各ビールディスペンサー洗浄装置1によるビールディスペンサー101の洗浄状況を中央管理装置52において総括的に管理することができる。
【0055】
複数のビールディスペンサー洗浄装置1,1,1を通信回線網51を介して中央管理装置52に接続するようにすれば、以下のような作用・効果を奏する。

1.各ビールディスペンサー洗浄装置1から設置場所、洗浄日時、システム故障状況等をデータとして通信回線網51を介して中央管理装置52に送信すれば、データを集中的に一元管理することができる。そして、接続したディスプレイ54に表示し、プリンタ55に印刷して確認することができる。
2.中央管理装置52から各ビールディスペンサー洗浄装置1,1,1に対して、故障時の処置、操作手順、定期洗浄の指示等を送信することによって、安定したビールの品質を保証することができる。

【符号の説明】
【0056】
1 ビールディスペンサー洗浄装置
2 洗浄用タンク
3 駆動操作装置
4 制御回路装置
5 ビール配管
6 洗浄水配管
11 ビール/洗浄水切換バルブ
12 注水/洗浄切換バルブ
13 水供給バルブ
14 流量センサ
15 洗浄/ガス抜き切換バルブ
21 操作スイッチ
21A 営業スイッチ
21B 洗浄準備スイッチ
21C 洗浄開始スイッチ
22 表示灯
22A 営業中表示灯
22B 洗浄準備表示灯
22C 注水表示灯
22D 洗浄表示灯
22E 洗浄完了表示灯
23 ブザー
24 中央処理装置
27 洗浄タイマー設定部
28 バルブ駆動部
29 流量センサ受信部
30 表示灯駆動部
31 ブザー駆動部
32 通信制御部
51 通信回線網
52 中央管理装置
101 ビールディスペンサー
109 ビール配管
B ビール
W 水
G 炭酸ガス


【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄水配管を流通させて洗浄用タンクに水を供給し、流量センサによって水の供給量を検出した後、水の供給を停止し、次に、炭酸ガス配管を流通させて洗浄用タンクに炭酸ガスを供給すると共に、炭酸ガスの圧力によって洗浄用タンクから水及び炭酸ガスを流出させ、ビールディスペンサー内のビール配管に水及び炭酸ガスを流通させ、ビール配管を洗浄することを特徴とするビールディスペンサー洗浄方法。
【請求項2】
水を貯留する洗浄用タンクと、
ビール樽からビールディスペンサーにビールを供給するビール配管と、前記洗浄用タンクに水を供給する洗浄水配管と、前記ビール樽及び洗浄用タンクに炭酸ガスを供給する炭酸ガス配管とを備え、前記洗浄水配管の途中に水供給バルブ、流量センサ及び切換バルブを設け、前記炭酸ガス配管の途中に切換バルブを設けた駆動操作装置と、
前記流量センサからの検出信号を受信する流量センサ受信部と、前記水供給バルブ及び前記切換バルブへ駆動信号を送信するバルブ駆動部とを設けた制御回路装置と、から構成され、
前記水供給バルブを開放して前記洗浄水配管を流通させて前記洗浄用タンクに水を供給し、前記流量センサによって水の供給量を検出した後、前記切換バルブを作動させて、前記炭酸ガス配管を流通させて前記洗浄用タンクに炭酸ガスを供給すると共に、炭酸ガスの圧力によって前記洗浄用タンクから水及び炭酸ガスを流出させ、前記洗浄水配管及び前記ビール配管を流通させてビールディスペンサー内のビール配管に水及び炭酸ガスを流通させ、ビールディスペンサー内のビール配管を洗浄することを特徴とするビールディスペンサー洗浄装置。
【請求項3】
前記制御回路装置は、その操作パネル上に、ビールディスペンサーを通常使用状態とする営業スイッチと、洗浄準備動作を開始させる洗浄準備スイッチと、洗浄動作を開始させる洗浄開始スイッチと、ビールディスペンサーの通常使用が可能であることを表示する営業中表示灯と、洗浄準備動作を行っていることを表示する洗浄準備表示灯と、前記洗浄用タンクに水を供給していることを表示する注水表示灯と、洗浄動作を行っていることを表示する洗浄表示灯と、洗浄動作が完了したことを表示する洗浄完了表示灯とを設けたことを特徴とする請求項2に記載のビールディスペンサー洗浄装置。
【請求項4】
前記制御回路装置にデータを送受信する通信制御部を配設し、通信回線網を介して複数のビールディスペンサー洗浄装置を統括的にデータを管理する中央管理装置に接続したことを特徴とする請求項2又は3に記載のビールディスペンサー洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−250767(P2012−250767A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−64597(P2012−64597)
【出願日】平成24年3月21日(2012.3.21)
【出願人】(595056192)
【出願人】(511136669)
【出願人】(511136670)
【Fターム(参考)】