説明

ピリミジン−4−イルプロパンジニトリル誘導体、この製造方法ならびに除草剤および植物生長調節剤としてのその使用

本発明は、式(I)の化合物ならびにこのN−オキシド、互変異性体および農薬的に適合性である塩に関する。本発明はさらに、これらの製造方法ならびに除草剤および植物生長調節剤としての、特に、商業用の植物の栽培において、雑草を選択的に処理するための除草剤としてのこれらの使用に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な、除草に有効なピリミジン−4−イルプロパンジニトリル誘導体およびこれらの調製の方法に関する。本発明は、これらの、除草剤としての使用、特に、有用な農作物における有害植物の選択的防除のための除草剤としての使用ならびに単独でのまたは薬害軽減剤と組み合わせたおよび/または他の除草剤と混合した、植物生長調節剤としての使用をさらに提供する。
【背景技術】
【0002】
置換ピリミジン誘導体が除草性および/または有害生物防除の特性を有することは、種々の文書から知られている(例えば、WO2005/063721、WO2007/082076およびC.Lamberth、Heterocycles 2006、68、3、561−603頁ならびにこれらの中に引用されている文献を参照のこと。)。しかし、上述の文書から知られている活性成分は、使用時に不利な点を有しており、例えば、これらは、(a)有害植物に対する除草効果が全くないかもしくは不十分な効果だけであり、(b)防除される有害植物のスペクトルが小さすぎるまたは(c)有用な農作物における選択性が低すぎる。
【0003】
EP0136976Aは、生長調節剤として使用されている2−フェニル−置換ピリミジンを開示している。しかし、除草効果は開示されておらず、またこの発明による置換パターンも開示されていない。
【0004】
DE2520381A1も同様に、ピリミジンをベースとした植物生長調節剤を開示しているが、これらは、ピリミジン上に脂肪族炭化水素置換基のみを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2005/063721号
【特許文献2】国際公開第2007/082076号
【特許文献3】欧州特許出願公開第0136976号明細書
【特許文献4】DE2520381
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】C.Lamberth、Heterocycles 2006、68、3、561−603頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、除草剤または植物生長調節剤としての利点を有する、使用できる化学的活性成分を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
驚いたことに、ある特定の置換ピリミジン−4−イルプロパンジニトリル誘導体が、良好な除草効果を有すると同時に、有用な植物に対して高い適合性を有することが、現在見出されている。したがって、本発明は、
式(I)
【0009】
【化1】

[式中、基は以下の意味を有する:
は、1−3個の基Rで場合によって置換されているフェニルであり、Rは、互いに独立して、ハロゲン、カルボキシル、シアノ、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)ヒドロキシアルキル、(C−C)アルコキシアルキル、(C−C)ハロアルコキシアルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)ハロアルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)ハロアルキニル、ヒドロキシ、(C−C)アルコキシ、(C−C)ハロアルコキシ、(C−C)アルケニルオキシ、(C−C)ハロアルケニルオキシ、(C−C)アルキニルオキシ、(C−C)ハロアルキニルオキシ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)ハロアルキルチオ、(C−C)アルキルスルフィニル、(C−C)ハロアルキルスルフィニル、(C−C)アルキルスルホニル、(C−C)ハロアルキルスルホニル、(C−C)アルケニルチオ、(C−C)ハロアルケニルチオ、(C−C)アルケニルスルフィニル、(C−C)ハロアルケニルスルフィニル、(C−C)アルケニルスルホニル、(C−C)ハロアルケニルスルホニル、(C−C)アルキニルチオ、(C−C)ハロアルキニルチオ、(C−C)アルキニルスルフィニル、(C−C)ハロアルキニルスルフィニル、(C−C)アルキニルスルホニル、(C−C)ハロアルキニルスルホニル、(C−C)アルキルアミノ、(C−C)ジアルキルアミノ、(C−C)アルキルカルボニル、(C−C)アルコキシカルボニル、(C−C)アルキルアミノカルボニル、(C−C)ジアルキルアミノカルボニル、(C−C)トリアルキルシリル、フェニル、フェノキシまたは5−もしくは6−員の複素芳香環であり、フェニル環、フェノキシ環または5−もしくは6−員の複素芳香環はそれぞれ、R28から互いに独立して選択される1−3個の置換基で場合によって置換されており;または2個の隣接した基Rが一緒になって、基−OCHO−、−CHCHO−、OCHCHO−、−OCH(CH)O−、−OC(CHO−、−OCFO−、−CFCFO−、−OCFCFO−もしくは−CH=CH−CH=CH−を形成しており;または
1−3個の基Rで場合によって置換されている(C−C)−アルキルであり、Rは、互いに独立して、ハロゲン、(C−C)アルケニル、(C−C)ハロアルケニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)ハロアルコキシ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)ハロアルキルチオまたは場合によって置換されているアリールであり;または
1−3個の基Rで場合によって置換されている(C−C)−アルケニルであり、Rは、互いに独立して、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)ハロアルコキシ、(C−C)アルキルチオまたは(C−C)ハロアルキルチオであり;
は、H、F、Cl、Br、I、CN、NO、OR、SRまたはN(R)Rであり;Rは、H、(C−C)アルキルまたは(C−C)ハロアルキルであり、Rは、H、(C−C)アルキルまたは(C−C)ハロアルキルであり、RおよびRは、互いに独立して、Hまたは(C−C)アルキルであり;
は、Hであり、1−2個の基Rで場合によって置換されている(C−C)アルキルであり、1−2個の基R10で場合によって置換されている(C−C)アルケニルでありもしくは1−2個の基R11で場合によって置換されている(C−C)アルキニルであり;またはRは、C(=O)R12、NO、OR13、S(O)14、N(R15)R16もしくはN=C(R17)R18であり;
は、Hであり、1−2個の基Rで場合によって置換されている(C−C)アルキルでありもしくはC(=O)R12であり;または
およびRは一緒になって、基−(CH−、−(CH−、−CHCH=CHCH−もしくは−(CHO(CH−を形成しており、この基はそれぞれ、1−2個の基R19で場合によって置換されており;またはRおよびRは一緒になって、基=C(R20)N(R21)R22もしくは=C(R23)OR24を形成しており;
ここで、基R、R10およびR11はそれぞれ、他から独立して、ハロゲン、(C−C)アルコキシ、(C−C)ハロアルコキシ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)ハロアルキルチオ、アミノ、(C−C)アルキルアミノ、(C−C)ジアルキルアミノまたは(C−C)アルコキシカルボニルであり;
12は、それぞれの場合に、他から独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシ、フェニル、フェノキシまたはベンジルオキシであり;
13は、H、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキルまたはCHR25C(O)OR26であり;
14は、(C−C)アルキルまたは(C−C)ハロアルキルであり;
15は、H、(C−C)アルキルまたはC(=O)R27であり;
16は、Hまたは(C−C)アルキルであり;
17は、Hであり、1−3個の基で場合によって置換されている(C−C)アルキルもしくはフェニルであり、この基は、互いに独立して、CH、ClもしくはOCHであり;
18は、Hもしくは(C−C)アルキルであり;またはR17およびR18は一緒になって、基−(CH−もしくは−(CH−を形成しており;
19は、それぞれの場合に、他から独立して、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)ハロアルコキシ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)ハロアルキルチオ、アミノ、(C−C)アルキルアミノ、(C−C)ジアルキルアミノまたは(C−C)アルコキシカルボニルであり;
20は、Hまたは(C−C)アルキルであり;
21およびR22は、互いに独立して、Hもしくは(C−C)アルキルであり;またはR21およびR22は一緒になって、基−(CH−、−(CH−、−CHCH=CHCH−もしくは−(CHO(CH−を形成しており;
23は、Hまたは(C−C)アルキルであり;
24は、(C−C)アルキルであり;
25は、H、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシ、フェニル、フェノキシまたはベンジルオキシであり;
26は、H、(C−C)アルキルまたは(C−C)アルコキシであり;
27は、H、(C−C)アルキルまたはベンジルであり;
28は、それぞれの場合に、他から独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)ハロアルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)ハロアルキニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)ハロアルコキシ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)ハロアルキルチオ、(C−C)アルキルスルフィニル、(C−C)アルキルスルホニル、(C−C)アルキルアミノ、(C−C)ジアルキルアミノ、(C−C)アルキルカルボニル、(C−C)アルコキシカルボニル、(C−C)アルキルアミノカルボニル、(C−C)ジアルキルアミノカルボニルまたは(C−C)トリアルキルシリルである。]
の化合物ならびにこのN−オキシドおよび農薬的に適した塩を提供する。
【0010】
ここで、炭素原子の総数は、特定の基に関して常に与えられており、例えば、ジメチルアミノカルボニル基は、C基である。
【0011】
好ましくは、基が以下の意味を有する式(I)の化合物である:
は、1−3個の基Rで場合によって置換されているフェニルであり、Rは、互いに独立して、ハロゲン、カルボキシル、シアノ、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシアルキル、(C−C)ハロアルコキシアルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)ハロアルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)ハロアルキニル、ヒドロキシ、(C−C)アルコキシ、(C1−)ハロアルコキシ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)ハロアルキルチオ、(C−C)アルキルスルフィニル、(C−C)アルキルスルホニル、(C−C)アルキルアミノ、(C−C)ジアルキルアミノ、−OCHO−、−CHCHO−、−OCHCHO−、−OCH(CH)O−、−OC(CHO−、−OCFO−、−CFCFO−もしくは−OCFCFO−であり、ここで、最後に言及されている8個の置換基は、それぞれの場合に、2個の隣接した基Rによって形成されており;または
1−3個の基Rで場合によって置換されている(C−C)アルキルであり、Rは、互いに独立して、ハロゲン、(C−C)アルケニル、(C−C)ハロアルケニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)ハロアルコキシ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)ハロアルキルチオもしくは場合によって置換されているフェニルであり;または
1−3個の基Rで場合によって置換されている(C−C)アルケニルであり、Rは、互いに独立して、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)ハロアルコキシ、(C−C)アルキルチオまたは(C−C)ハロアルキルチオであり;
は、H、F、Cl、Br、I、CNまたはNOであり;
は、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、C(=O)R12、OR13、N(R15)R16またはN=C(R17)R18であり;
は、Hであり、もしくは1−2個の基Rで場合によって置換されている(C−C)アルキルでありもしくはC(=O)R12であり;または
およびRは一緒になって、基−(CH−、−(CH−、−(CHO(CH−または=C(R20)N(R21)R22を形成しており;
ここで、基R、R10およびR11はそれぞれ、他から独立して、ハロゲン、(C−C)アルコキシ、(C−C)ハロアルコキシ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)ハロアルキルチオ、アミノ、(C−C)アルキルアミノ、(C−C)ジアルキルアミノまたは(C−C)アルコキシカルボニルであり;
12は、それぞれの場合に、他から独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシ、フェニル、フェノキシまたはベンジルオキシであり;
13は、H、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキルまたはCHR25C(O)OR26であり;
15は、H、(C−C)アルキルまたはC(=O)R27であり;
16は、Hまたは(C−C)アルキルであり;
17は、Hであり、1−3個の基で場合によって置換されている(C−C)アルキルもしくはフェニルであり、この基は、互いに独立して、CH、ClもしくはOCHであり;
18は、Hもしくは(C−C)アルキルであり;またはR17およびR18は一緒になって、基−(CH−もしくは−(CH−を形成しており;
20は、Hまたは(C−C)アルキルであり;
21およびR22は、互いに独立して、Hもしくは(C−C)アルキルであり;またはR21およびR22は一緒になって、基−(CH−、−(CH−、−CHCH=CHCH−もしくは−(CHO(CH−を形成しており;
25は、H、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシ、フェニル、フェノキシまたはベンジルオキシであり;
26は、H、(C−C)アルキルまたは(C−C)アルコキシである。
【0012】
特に好ましくは、基が以下の意味を有する式(I)の化合物である:
は、1−3個の基Rで場合によって置換されているフェニルであり、Rは、互いに独立して、ハロゲン、カルボキシル、シアノ、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)ハロアルコキシ、(C−C)アルキルアミノ、(C−C)ジアルキルアミノ、−OCHO−、−OCHCHO−もしくは−OCH(CH)O−であり、ここで、最後に言及されている3個の置換基は、それぞれの場合に、2個の隣接した基Rによって形成されており;または
1−3個の基Rで場合によって置換されている(C−C)アルキルであり、Rは、互いに独立して、ハロゲン、(C−C)アルコキシ、(C−C)ハロアルコキシもしくは非置換のフェニルでありもしくは1つまたは複数のハロゲンによって置換されているフェニルであり;または
1−3個の基Rで場合によって置換されている(C−C)アルケニルであり、Rは、互いに独立して、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシもしくは(C−C)ハロアルコキシであり;
は、F、Cl、Br、IまたはNOであり;
は、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、C(=O)R12であり、R12は、H、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシ、フェニル、フェノキシもしくはベンジルオキシであり、またはOR13であり、R13は、H、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキルもしくはCHR25C(O)OR26であり、R25は、H、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシ、フェニル、フェノキシもしくはベンジルオキシであり、R26は、H、(C−C)アルキルもしくは(C−C)アルコキシであり;
は、Hもしくは(C−C)アルキルであり;または
およびRは一緒になって、基−(CHO(CH−を形成している。
【0013】
極めて特に好ましくは、基が以下の意味を有する式(I)の化合物である:
は、1−3個の基Rで場合によって置換されているフェニルであり、Rは、互いに独立して、ハロゲン、カルボキシル、シアノ、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)ハロアルコキシであり;または
1−3個の基Rで場合によって置換されている(C−C)アルキルであり、Ryは、互いに独立して、ハロゲン、(C−C)アルコキシ、(C−C)ハロアルコキシでありもしくは非置換のフェニルでありもしくはハロゲンによって置換されているフェニルであり;または
1−3個の基Rで場合によって置換されている(C−C)アルケニルであり、Rは、互いに独立して、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C1−)ハロアルキル、(C−C)アルコキシもしくは(C−C)ハロアルコキシであり;
は、F、Cl、Br、IまたはNOであり;
は、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、C(=O)R12であり、R12は、H、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキルもしくは(C−C)アルコキシでありまたはOR13であり、R13は、H、(C−C)アルキルもしくは(C−C)ハロアルキルであり;
は、Hまたは(C−C)アルキルである。
【0014】
特に好ましくは、基が以下の意味を有する式(I)の化合物である:
は、1−3個の基Rで場合によって置換されているフェニルであり、Rは、互いに独立して、ハロゲン、カルボキシル、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシであり;または
1−3個の基Rで場合によって置換されている(C−C)アルキルであり、Rは、互いに独立して、ハロゲン、フェニルもしくはハロフェニルであり;
は、F、Cl、BrまたはNOであり;
は、Hまたは(C−C)アルキルであり;
は、Hまたは(C−C)アルキルである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
水素の転位の結果として、式(I)の化合物は、本発明によって同様に提供される互変異性体を形成することができる。それ故に、例えば、ピリミジン−4−イルプロパンジニトリル誘導体(I)は、ピリミジン−4(3H)−イリデンプロパンジニトリル(Ia)としてまたはピリミジン−4(1H)イリデンプロパンジニトリル(Ib)として存在することもあり、すべての互変異性体、特に形(I)、(Ia)および(Ib)は、本発明によって含まれる。
【0016】
【化2】

式(I)の化合物は、置換基のタイプおよび結合に応じて、立体異性体として存在し得る。エナンチオマー、ジアステレオマー、ZおよびE異性体、幾何異性体ならびにアトロプ異性体ならびにこれらの混合物などの、これらの特定の三次元形によって定義される可能な立体異性体はすべて、式(I)に含まれる。
【0017】
例えば、1つまたは複数のアルケニル基が存在する場合、ジアステレオマー(ZおよびE異性体)が生じ得る。例えば、1つまたは複数の不斉炭素原子(=非対称的に置換されている炭素原子)が存在するおよび/または不斉硫黄原子が、2つのエナンチオマーの形で存在することができるスルホキシドの形で存在する場合、エナンチオマーおよびジアステレオマーが生じ得る。立体異性体は、調製中に生成される混合物から、通例の分離方法によって、例えばクロマトグラフ分離法によって、単離することができる。同様に、立体異性体は、光学活性な出発物質および/または助剤を使用した立体選択的反応の使用によって、選択的に調製することができる。それ故に、本発明はまた、立体異性体が、これらの特定の立体的形態について記述されていない場合でも、式(I)に含まれるすべての立体異性体およびこれらの混合物に関する。
【0018】
式(I)の化合物は、農薬的に適した塩を形成することができる。塩の形成は、知られているやり方で、例えば、酸性の水素原子を有する式(I)のそれらの化合物、例えば、RがOH基またはスルホンアミド基−NHSO−を含有する場合には、これらの化合物に対する塩基の作用によって起こり得る。塩の形成は、(置換)プロパンジニトリルなどのCH−酸性化合物に対する塩基の作用の結果として、同様に起こり得る。適した塩基は、例えば、トリアルキルアミン、モルホリン、ピペリジンまたはピリジンなどの有機アミンならびにアンモニア、アンモニウム、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩、特に水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムならびに炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カリウムである。これらの塩は、酸性の水素が農業に適したカチオンで置き換えられている化合物であり、このようなカチオンには、例えば、金属塩、特にアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩、特にナトリウム塩およびカリウム塩または有機アミンとの他の塩もしくはアンモニウム塩、例えば、式[NRR’R”R”’]、[式中、R、R’、R”およびR”’は、それぞれの場合に、互いに独立して、Hまたは有機基であり、特に(C−C)アルキル、(C−C10)アリール、(C−C20)アラルキルまたは(C−C20)アルキルアリールである。]のアンモニウムイオンとの塩が挙げられる。例として、[NH、[NHCH、[NH(CH、[NH(CH、[N(CH、[NHCHまたは[NHCHが挙げられる。同様に適したものに、(C−C)−トリアルキルスルホニウム塩および(C−C)−トリアルキルスルホキソニウム塩などの、アルキルスルホニウム塩およびアルキルスルホキソニウム塩がある。
【0019】
式(I)の化合物は、適した無機酸または有機酸、例えば、鉱酸として、例えば、HCl、HBr、HSO、HPOもしくはHNOなど、または有機酸として、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、乳酸もしくはサリチル酸などのカルボン酸または例えば、p−トルエンスルホン酸などのスルホン酸の、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ピペリジノ、モルホリノまたはピリジノなどの塩基性基への付加反応によって、塩を形成することができる。その上、これらの塩は、酸の共役塩基をアニオンとして含有する。例えば、スルホン酸、カルボン酸またはプロパンジニトリルなどのCH−酸性基などの、脱プロトン化形で存在する適した置換基は、アミノ基などのこれらの部分についてプロトン化可能な基と内部塩を形成することもできる。
【0020】
式(I)の化合物は、N−オキシドを形成することができる。N−オキシドは、知られているやり方で、例えば、特定のピリミジンを、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトン、DMF、酢酸などの溶媒中、例えば0℃から100℃の間の温度にて、ペルオキシカルボン酸または過酸化水素を用いて酸化することによって、形成され得る(参照のこと:S.von Angerer、Science of Synthesis 2003、16、548−550頁およびそれぞれの場合に、この中に引用されている文献)。
【0021】
式(I)の化合物ならびにこのN−オキシドおよび農薬的に適した塩は、手短に言えば、本発明によって使用される化合物または本発明による化合物とも称される。以上および以下に使用されている用語は、当業者にはよく知られており、特に、以下に説明される意味を有する。
【0022】
無機基は、炭素原子を有さない基であり、好ましくはハロゲンであり、OHもしくはHがカチオンで置き換えられているその無機塩、例えば、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩であり、−NHもしくはこれと(無機)酸、例えば鉱酸とのアンモニウム塩であり、−N(アジド)、−N(ジアゾニウム基、この場合、Aはアニオンである。)、−NO、−NHOH、−NHNH、−NO、−ONO、−ONO、−SH、−SOH(スルフェン酸基)、−S(O)OH(スルフィン酸基)、−S(O)OH(または手短に言えばSOH、スルホン酸基でもある。)、−O−SOH(亜硫酸エステル基)、−O−SOH(硫酸エステル基)、−SONH(スルファモイル基)、−SONHOH(ヒドロキシスルファモイル基)、−NHS(O)OH(スルフィノアミノ基)、−NHS(O)OH(スルホアミノ基)、−P(O)(OH)(ホスホン酸基)、−O−P(OH)(リン酸エステル基)、−P(O)(NH、−PO(OH)(NH)、−PS(OH)、−PS(NHまたは−PS(OH)(NH)、−B(OH)(ボロン酸基)および酸基の水和形または脱水形ならびにこれらの(無機)塩であり;
「無機基」という用語は、水素基(水素原子)も含み、この場合、これは、定義において、既に、有機基の非置換の基本構造(例「非置換フェニル」)の成分であることが多く;
「無機基」という用語は、本明細書において、炭素原子を含むという理由で、有機基に割り当てられる、CN、SCN、有機金属錯体、炭酸塩またはCOOHなどの擬ハロゲン基を含まないことが好ましい。
【0023】
「ハロゲン」または「ハロゲン原子」という用語は、例えば、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
【0024】
この用語が、ある基に使用される場合には、「ハロゲン」または「ハロゲン原子」は、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を意味する。
【0025】
アルキルは、直鎖状、分枝状または環状の炭化水素基である。「(C−C)アルキル」という表現は、例えば、炭素原子について記述されている範囲に対応する、1から4個までの炭素原子を有するアルキルの簡略表現であり、例えば、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、2−メチルプロピル基、tert−ブチル基、シクロプロピル基およびシクロブチル基を含む。よって、炭素原子の記述されている範囲がより大きい一般的なアルキル基、例えば「(C−C)アルキル」は、比較的多数の炭素原子を有する、直鎖状、分枝状または環状のアルキル基も含む、すなわち、例によると、5個および6個の炭素原子を有するアルキル基も含む。
【0026】
具体的に明記しない限り、アルキル基、アルケニル基およびアルキニル基などの炭化水素基の場合にはおよび混成基においても、好ましくは、低級炭素骨格であり、例えば、1から6個までの炭素原子を有する骨格でありまたは不飽和基の場合には、2から6個までの炭素原子を有する骨格が好ましい。アルキル基は、アルコキシ、ハロアルキルなどの混成基においても、例えば、メチル、エチル、シクロ−、n−またはイソプロピル、シクロ−、n−、イソ−、tert−または2−ブチル、ペンチル類、シクロヘキシル、n−ヘキシル、イソヘキシルおよび1,3−ジメチルブチルなどのヘキシル類、シクロヘプチル、n−ヘプチル、1−メチルヘキシルおよび1,4−ジメチルペンチルなどのヘプチル類である。
【0027】
好ましい環状アルキル基は、好ましくは、3−8個の環炭素原子を有し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである。場合によって置換されている環状アルキル基の場合には、置換基を有する環系が含まれ、この場合、環状アルキル基上に二重結合を有する置換基、例えば、メチリデンなどのアルキリデン基も含まれる。
【0028】
場合によって置換されている環状アルキル基の場合には、ビシクロ[1.1.0]ブタン−1−イル、ビシクロ[1.1.0]ブタン−2−イル、ビシクロ[2.1.0]ペンタン−1−イル、ビシクロ[2.1.0]ペンタン−2−イル、ビシクロ[2.1.0]ペンタン−5−イル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル(ノルボルニル)、アダマンタン−1−イルおよびアダマンタン−2−イルなどの多環式脂肪族系も含まれる。
【0029】
場合によって置換されている環状アルキル基の場合には、例えば、スピロ[2.2]ペンタ−1−イル、スピロ[2.3]ヘキサ−1−イル、スピロ[2.3]ヘキサ−4−イル、3−スピロ[2.3]ヘキサ−5−イルなどのスピロ環式脂肪族系も含まれる。
【0030】
アルケニル基およびアルキニル基は、アルキル基に対応する、可能な不飽和の直鎖状、分枝状または環状の基の意味を有し、この場合、少なくとも1つの二重結合または三重結合が存在する。好ましくは、1つの二重結合を有するまたは1つの三重結合を有する基である。
【0031】
アルケニルは、2つ以上の二重結合を有する、1,3−ブタジエニル、1,4−ペンタジエニルまたはシクロヘキサジエニルなどの、直鎖状、分枝状または環状の炭化水素基も含むが、1つまたは複数の集積二重結合を有するアレニル基またはクムレニル基、例えば、アレニル(1,2−プロパジエニル)、1,2−ブタジエニルおよび1,2,3−ペンタトリエニルなども含む。
【0032】
アルキニルは、2つ以上の三重結合を有するまたは1つもしくは複数の三重結合および1つもしくは複数の二重結合を有する、直鎖状、分枝状または環状の炭化水素基、例えば、1,3−ブタトリエニルまたは3−ペンテン−1−イン−1−イルなども含む。
【0033】
アルケニルは、例えば、さらなるアルキル基によって場合によって置換されていてもよいビニルであり、例えば、プロパ−1−エン−1−イル、ブタ−1−エン−1−イルであり;
アリル、1−メチルプロパ−2−エン−1−イル、2−メチルプロパ−2−エン−1−イル、ブタ−2−エン−1−イル、1−メチルブタ−3−エン−1−イルおよび1−メチルブタ−2−エン−1−イル、2−メチルプロパ−1−エン−1−イル、1−メチルプロパ−1−エン−1−イル、1−メチルプロパ−2−エン−1−イル、2−メチルプロパ−2−エン−1−イル、ブタ−2−エン−1−イル、ブタ−3−エン−1−イル、1−メチルブタ−3−エン−1−イルもしくは1−メチルブタ−2−エン−1−イル、ペンテニル、2−メチルペンテニルまたはヘキセニルである。
【0034】
(C−C)−アルキニルは、例えば、エチニル、プロパルギル、1−メチルプロパ−2−イン−1−イル、2−ブチニル、2−ペンチニルまたは2−ヘキシニルであり、好ましくはプロパルギル、ブタ−2−イン−1−イル、ブタ−3−イン−1−イルまたは1−メチルブタ−3−イン−1−イルである。
【0035】
環状アルケニル基は、好ましくは4−8個の炭素原子を有する、炭素環式の、非芳香族の、部分的に不飽和の環系であり、例えば、1−シクロブテニル、2−シクロブテニル、1−シクロペンテニル、2−シクロペンテニル、3−シクロペンテニルまたは1−シクロヘキセニル、2−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、1,3−シクロヘキサジエニルもしくは1,4−シクロヘキサジエニルであり、この場合、シクロアルケニル基上に二重結合を有する置換基、例えば、メチリデンなどのアルキリデン基も含まれる。したがって、場合によって置換されているシクロアルケニルの場合には、置換されている環状アルキル基についての説明が、適用される。
【0036】
アルキリデンは、例えば、(C−C10)アルキリデンの形でもあり、二重結合を介して結合されている、直鎖状、分枝状または環状の炭化水素基の基である。アルキリデンに適した結合部位は、当然ながら、2つのH原子が二重結合で置き換えられることが可能な基本構造上の位置のみであり;基は、例えば、=CH、=CH−CH、=C(CH)−CH、=C(CH)−Cまたは=C(C)−Cである。
【0037】
アリールは、好ましくは6から14個までの、特に6から10個までの環炭素原子を有する、単環式、二環式または多環式芳香族系であり、例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントレニルなどであり、好ましくはフェニルである。
【0038】
場合によって置換されているアリールの場合には、テトラヒドロナフチル、インデニル、インダニル、フルオレニル、ビフェニリルなどの多環式系も含まれ、この場合、結合部位は芳香族系上である。分類学の観点からすると、アリールは、一般に、「場合によって置換されているフェニル」という用語によっても保護される。
【0039】
特に記述がない限り、「1つまたは複数の基で置換されている」という定義は、互いに独立して、1つまたは複数の同一であるまたは異なる基を意味し、この場合、2つ以上の基が、1つまたは複数の環を、基本構造としてのある1つの環上に形成することができる。置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、フェニル、ベンジル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール基などの置換されている基は、例えば、非置換の基本構造から誘導される置換されている基であり、この場合、置換基は、例えば、ハロゲン、アルコキシ、アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、カルボキシもしくはカルボキシ基に相当する基、シアノ、イソシアノ、アジド、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ホルミル、カルバモイル、モノおよびジアルキルアミノカルボニル、置換アミノ基としてアシルアミノ、モノおよびジアルキルアミノなど、トリアルキルシリルおよび場合によって置換されている環状アルキル、場合によって置換されているアリール、場合によって置換されているヘテロシクリル、この場合、最後に言及されている環状基はそれぞれ、ヘテロ原子を介してまたは特定のアルキル基の場合におけるような2価の官能基を介して結合されていてもよく、ならびにアルキルスルホニル基の両方のエナンチオマーが含まれるアルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルホスフィニル、アルキルホスホニルならびに環状基(=「環状基本構造」)の場合には、その上アルキル、ハロアルキル、アルキルチオアルキル、アルコキシアルキル、場合によって置換されているモノおよびジアルキルアミノアルキルならびにヒドロキシアルキルの群からの、1つまたは複数の、好ましくは1、2または3つの基であり;
置換アルキル(例えば直鎖状、分枝状または環状のアルキル)などの「置換されている基」という用語には、置換基として、特定の飽和炭化水素含有基に加えて、場合によって置換されているアルケニル、アルキニル、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アルケニルオキシカルボニル、アルキニルオキシカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、モノおよびジアルケニルアミノカルボニル、モノおよびジアルキニルアミノカルボニル、モノおよびジアルケニルアミノ、モノおよびジアルキニルアミノ、トリアルケニルシリル、トリアルキニルシリル、フェニル、フェノキシなどの、対応する不飽和脂肪族基および芳香族基が含まれる。環において脂肪族部分を有する、置換環状基の場合には、環に二重結合によって結合されている置換基、例えば、メチリデンもしくはエチリデンなどのアルキリデン基またはオキソ基、イミノ基もしくは置換イミノ基で置換されている置換基を有する環系も含まれる。
【0040】
2つ以上の基が1つまたは複数の環を形成する場合には、これらは、炭素環式、複素環式、飽和、部分的に飽和、不飽和である可能性があり、例えば、芳香族であってもよく、場合によってさらに置換されていてもよい。縮合環は、好ましくは5または6員環であり、特に好ましくはベンゾ縮合環である。
【0041】
例として明記されている置換基(「第1の置換基レベル」)は、これらが炭化水素含有部分を含有する場合には、この部分において、例えば第1の置換基レベルに関して定義されている置換基のうちの1つによって、場合によってさらに置換される(「第2の置換基レベル」)ことが可能である。対応するさらなる置換基レベルが可能である。好ましくは、1つのみまたは2つの置換基レベルが、「置換されている基」という用語によって保護される。
【0042】
置換基レベルにとって好ましい置換基は、例えば、アミノ、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、イソシアノ、メルカプト、イソチオシアナト、カルボキシ、カルボキサミド、SF、アミノスルホニル、アルキル、アルケニル、アルキニル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、N−アルカノイルアミノ、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アルコキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アルキニルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アルカノイル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アルキルスルフェニルであり、アルキルスルフィニル基の両方のエナンチオマーが含まれるアルキルスルフィニルであり、アルキルスルホニル、モノアルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アルキルホスフィニル、アルキルホスホニルであり、ここで、アルキルホスフィニルおよびアルキルホスホニルについては、両方のエナンチオマーが含まれ、N−アルキルアミノカルボニル、N,N−ジアルキルアミノカルボニル、N−アルカノイルアミノカルボニル、N−アルカノイル−N−アルキルアミノカルボニル、アリール、アリールオキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、ベンジルチオ、アリールチオ、アリールアミノ、ベンジルアミノ、ヘテロシクリルおよびトリアルキルシリルである。
【0043】
2つ以上の置換基レベルからなる置換基は、好ましくは、例えば、モノアルコキシアルキルまたはジアルコキシアルキルなどのアルコキシアルキル、アルキルチオアルキル、アルキルチオアルコキシ、モノアルコキシアルコキシまたはジアルコキシアルコキシなどのアルコキシアルコキシ、ベンジル、フェネチル、ベンジルオキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、ハロアルカノイル、ハロアルキルカルボニル、ハロアルコキシカルボニル、ハロアルコキシアルコキシ、ハロアルコキシアルキルチオ、ハロアルコキシアルカノイル、ハロアルコキシアルキル、アルカノイルアルキル、ハロアルカノイルアルキル、アルカノイルオキシアルキルである。
【0044】
炭素原子を有する基については、好ましくは、1から6個までの炭素原子を有するものであり、好ましくは1から4個までの炭素原子を有するもの、特に1個または2個の炭素原子を有するものである。通常、好ましくは、ハロゲン、例えば、フッ素および塩素、(C−C)アルキル、好ましくはメチルまたはエチル、(C−C)ハロアルキル、好ましくはトリフルオロメチル、(C−C)アルコキシ、好ましくはメトキシまたはエトキシ、(C−C)ハロアルコキシ、ニトロおよびシアノの群からの置換基である。本明細書において、特に好ましい置換基は、メチル、メトキシ、フッ素および塩素である。
【0045】
一置換または二置換アミノなどの置換アミノは、例えば、アルキル、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシ、アシルおよびアリールの群からの、1個または2個の同一であるまたは異なる基によってN−置換されている置換アミノ基の群からの基を意味し;好ましくは、モノおよびジアルキルアミノであり、場合によって置換されているアニリンなどのモノおよびジアリールアミノであり、アシルアミノ、N,N−ジアシルアミノ、N−アルキル−N−アリールアミノ、N−アルキル−N−アシルアミノおよび飽和N−複素環であり;ここで、好ましくは、1から4個までの炭素原子を有するアルキル基であり;ここでのアリールは、好ましくは、フェニルまたは置換フェニルであり;アシルについては、以下に与えられている定義が適用され、好ましくは(C−C)アルカノイルである。同じことが、置換ヒドロキシルアミノまたはヒドラジノに適用される。
【0046】
置換アミノは、窒素原子上に4つの有機置換基を有する第4級アンモニウム化合物(塩)も含む。
【0047】
カルボキシ基に相当する基は、例えば、アルキルエステル、アリールエステル、O−アルキルチオエステル、S−アルキルジチオエステル、S−アルキルチオエステル、カルボキシミドエステル、カルボキシミドチオエステル;5,6−ジヒドロ−1,2,4−ジオキサジン−3−イル;5,6−ジヒドロ−1,2,4−オキサチアジン−3−イル、トリアルキルオルトエステル、ジアルコキシアルキルアミノエステル、ジアルキルアミノアルコキシエステル、トリアルキルアミノエステル、アミジン、ジアルコキシケテンアセタールまたはジアルキルジチオケテンアセタールである。
【0048】
場合によって置換されているフェニルは、好ましくは、非置換フェニルでありまたはハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ−(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ−(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)ハロアルコキシ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)ハロアルキルチオ、シアノ、イソシアノおよびニトロの群からの同一であるもしくは異なる基によって、1回もしくは複数回、好ましくは3回まで置換されているフェニルであり、例えば、o−、m−およびp−トリル、ジメチルフェニル、2−、3−および4−クロロフェニル、2−、3−および4−フルオロフェニル、2−、3−および4−トリフルオロメチルおよび−トリクロロメチルフェニル、2,4−、3,5−、2,5−および2,3−ジクロロフェニル、o−、m−およびp−メトキシフェニルである。
【0049】
場合によって置換されているヘテロシクリルは、好ましくは、非置換ヘテロシクリルでありまたはハロゲン、シアノ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ−(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ−(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)ハロアルコキシ、ニトロおよびオキソの群からの同一であるもしくは異なる基によって、1回もしくは複数回、好ましくは3回まで置換されている、特に、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)ハロアルキルおよびオキソの群からの基によって、1回もしくは複数回置換されている、極めて特に、1つまたは2つの(C−C)アルキル基によって置換されているヘテロシクリルである。
【0050】
ハロアルキル、−アルケニルおよび−アルキニルは、同一であるまたは異なるハロゲン原子によって、部分的にまたは完全に置換されているアルキル、アルケニルまたはアルキニルであり、例えば、CHCHCl、CHCHF、CHClCH、CHFCH、CHCl、CHFなどのモノハロアルキル;CClもしくはCFまたはCFCFなどのペルハロアルキル;CHF、CHF、CHCHFCl、CHCl、CFCFH、CHCFなどのポリハロアルキルであり;ハロアルコキシは、例えば、OCF、OCHF、OCHF、OCFCF、OCHCFおよびOCHCHClであり;同じことが、ハロアルケニルに適用され、ハロゲンによって置換されている他の基に適用される。
【0051】
有機酸基は、式
E(=Q)(OH)(QR’)
[式中、
Rは、有機基であり、
Eは、C、S、Pの群からの原子であり、
Qは、他から独立して、O、S、NR’の群からの原子または分子断片であり、
R’は、他から独立して、水素原子、アルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキルまたは場合によってアリールであり、
k、pは、自然数であり、k=1、2であり;p=0−2であり;
nは、自然数または0である。]
のオキソ酸またはチオ酸の基である。
【0052】
有機酸基は、形式的には、酸官能基上のヒドロキシ基を分離することによって生成され、この場合、酸における有機基Rは、1個または複数個のヘテロ原子を介して、酸官能基に結合されていてもよい:
【0053】
【化3】

【0054】
炭素のオキソ酸については、このことは、IUPAC Compendium of Chemical Terminology(1997)に記載されている。
【0055】
硫黄のオキソ酸またはチオ酸(E=S)から誘導される有機酸基の例は、S(O)OCH、SOOH、SOOCHまたはSONHR(N−置換されたスルホンアミド酸)である。
【0056】
k=1の場合には、アルキルスルホニル基およびアルキルスルフィニル基、例えば、(HC)S(O)、(FC)S(O)、p−トリルS(O)、(HC)S(O)(NH−n−C)、(C)S(S)(O)または(C)S(O)なども含まれる。
【0057】
リンのオキソ酸またはチオ酸(E=P)から誘導される有機酸基の例は、ホスフィン酸およびホスホン酸から誘導される基であり、この場合、これらの基はさらにエステル化されていてよく、例えば、−PO(OCH、(CO)P(O)OH、(CO)P(O)(SC)、(HCO)P(O)NH(C)または−PO(NMeである。
【0058】
k=1の場合には、アルキルホスフィニル基およびアルキルホスホニル基、例えば、(HC)P(O)、(CP(O)、(HC)(C)P(O);(HC)P(O)OCH、(H)P(O)(OC)、(C)P(O)(OC)、(C)P(O)(SC)、(HC)P(O)NH(C)、(HC)P(S)(NH−i−C)、(C)P(S)(OC)または(C)P(S)(SC)なども含まれる。
【0059】
炭素のオキソ酸(E=C、Q=O)から誘導される有機酸基はまた、より狭い意味では、「アシル」という用語によって言及される。
【0060】
アシルの例は、カルボン酸HO−CO−Rの基−CO−Rおよびこれから誘導される酸の基または炭酸モノエステルもしくはN−置換カルバミン酸およびカーボネートおよびそのエステルの基である。
【0061】
アシルは、例えば、ホルミル、オキサリル(エステル)、[(C−C)アルキル]カルボニルなどのアルキルカルボニル、ハロアルキルカルボニル、フェニルカルボニル、アルキルオキシカルボニル、具体的にはtert−ブチルオキシカルボニル、フェニルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、フルオレニルオキシカルボニル、N−アルキル−1−イミノアルキル、N−アルキル−およびN,N−ジアルキルカルバモイルである。ここで、これらの基は、それぞれの場合に、アルキルまたはフェニル部分において、例えば、アルキル部分において、ハロゲン、シアノ、アルコキシ、フェニルおよびフェノキシの群からの1つまたは複数の基によって、その上さらに置換されていてもよく;フェニル部分における置換基の例は、置換フェニルに関する一般的な用語において、上に既に言及されている置換基である。
【0062】
アシルは、好ましくは、より狭い意味でのアシル基であり、すなわち、酸基が有機基の炭素原子に直接結合している有機酸の基であり、例えば、ホルミルまたはアセチルなどのアルカノイル、フェニルカルボニルなどのアロイルおよび飽和または不飽和の有機酸の他の基である。
【0063】
「アロイル」は、カルボニル基を介して結合されている、上に定義されているようなアリール基であり、例えば、ベンゾイル基である。
【0064】
一般的な基が「水素」と定義される場合、これは、水素原子である。
【0065】
ある基の「イル位」は、その結合部位を指す。
【0066】
本発明はまた、本発明による化合物の調製方法を提供する。本発明による化合物は、種々の方法によって代替的に合成することができる。
【0067】
以下の方法において、溶媒は、部分的に使用される。この点に関しては、「不活性溶媒」は、それぞれの場合に、特定の反応条件下において不活性である溶媒を指すが、全ての反応条件下で不活性である必要はない。
【0068】
式(I)の化合物は、例えば、対応するハロゲン化合物(II)を式(III)の特定のアミンと、場合によって、有機塩基または無機塩基(例えば、トリエチルアミン、ピリジン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム)を使用して反応させることによって調製することができる。反応は、メタノール、エタノール、ジオキサン、THF、ジクロロメタン、DMSO、DMFおよび水などの種々の溶媒中で実施することができる。反応温度は、使用されるアミンに応じて、一般に、20℃と180℃の間である。
【0069】
【化4】

式(II)の化合物は、例えば、対応する4,6−ジハロゲン化合物(IV)を、マロノジニトリルのそれぞれのアルカリ金属塩と反応させることによって得ることができる。それぞれの塩は、例えば、マロノジニトリルを、例えば、n−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、水素化ナトリウムまたは炭酸カリウムなどの種々の塩基と、−80℃から80℃の間の温度において処理することによって、その場で生成され得る。4,6−ジハロピリミジン(IV)を加えた後、反応は、0℃から100℃の間の範囲の温度において、好ましくは、THF、DMSO、DMFまたはジオキサンなどの非プロトン性溶媒中で実施される。
【0070】
【化5】

式(IV)の化合物の調製は、一般に知られている方法:K.Findeisen、K.Wagner、Synthesis 1978、40−42頁;H.Gershon、K.Dittmer、R.Braun、J.Org.Chem.1961、26、1874−1877頁;H.Gershon、R.Braun、A.Scala、R.Rodin、J.Med.Chem.1964、7、808−811頁;D.T.Hurst、Heterocycles 1984、22、79−84頁;L.Provins他、Bioorg.Med.Chem.Lett.2006、16、1834−1839頁;T.Sakamoto、Y.Kondo、R.Watanabe、H.Yamanaka、Chem.Pharm.Bull.1986、34、2719−2724頁;S.von Angerer、Science of Synthesis 2003、16、379−572頁およびいずれの場合にも、これらの中に引用されている文献によって行われる。式(II)、(III)および(IV)において、基R、R、RおよびRは、式(I)の場合と同じ意味を有し、式(II)および(IV)におけるHalは、ハロゲン原子であり、ここで、式(IV)において2つ以上のHalの場合には、それぞれの場合に、異なるハロゲンが存在し得る。
【0071】
上述の反応によって合成することができる本発明による化合物のコレクションを、並行したやり方で調製することも可能であり、これは、手動のやり方で、部分的に自動化されたやり方でまたは完全に自動化されたやり方で行うことができる。この点に関しては、例えば、反応手順、後処理または生成物および/または中間体の精製を自動化することが可能である。全体的に見て、これは、例えば、D.TiebesによるCombinatorial Chemistry−Synthesis,Analysis,Screening(編者Gunther Jung)、Verlag Wiley 1999、1−34頁に記載されているような手順を意味するものと理解される。
【0072】
並行した反応手順および後処理には、一連の市販の機器、例えば、Barnstead International、Dubuque、Iowa 52004−0797、USAからのCalypso反応ブロックまたはRadleys、Shirehill、Saffron Walden、Essex、CB11 3AZ、Englandからの反応ステーションまたはPerkin Elmar、Waltham、Massachusetts 02451、USAからのMultiPROBE Automated Workstationsが使用され得る。本発明による化合物のまたは調製中に生成される中間体の並行した精製には、とりわけクロマトグラフィー装置、例えば、ISCO,Inc.、4700 Superior Street、Lincoln、NE 68504、USAからのものが利用できる。
【0073】
記載した装置は、個々の工程が自動化されるモジュラー手順となるが、工程間では手動操作が実施されなければならない。これは、特定の自動化モジュールが、例えばロボットによって操作される、部分的にまたは完全に統合された自動化システムを使用することによって回避することができる。このタイプの自動化システムは、例えば、Caliper、Hopkinton、MA 01748、USAから入手することができる。
【0074】
1つまたは複数の合成工程の履行は、ポリマー担持試薬/スカベンジャー樹脂の使用によって支援され得る。専門家の文献、例えば、ChemFiles、Vol.4、No.1、Polymer−Supported Scavengers and Reagents for Solution−Phase Synthesis(Sigma−Aldrich)は、一連の実験プロトコルを記載している。
【0075】
本明細書に記載されている方法の他に、本発明による化合物の調製は、固相担持方法によって、完全にまたは部分的に行うことができる。この目的のために、この合成におけるまたは対応する手順に適合した合成における個々の中間体またはすべての中間体は、合成樹脂に結合されている。固相担持合成方法は、専門家の文献、例えば、Barry A.Buninの「The Combinatorial Index」、Verlag Academic Press、1998およびCombinatorial Chemistry−Synthesis,Analysis,Screening(編者Gunther Jung)、Verlag Wiley、1999に十分に記載されている。固相担持合成方法を使用すると、文献において知られている一連のプロトコルを、順に、手動でまたは自動化されて実施することが可能になる。反応は、例えば、Nexus Biosystems、12140 Community Road、Poway、CA 92064、USAからのマイクロ反応器におけるIRORI技術を用いて実施され得る。
【0076】
固相上および液相中の両方における、1つまたは複数の合成工程の履行は、マイクロ波技術の使用によって支援され得る。専門家の文献、例えば、Microwaves in Organic and Medicinal Chemistry(編者C.O.KappeおよびA.Stadler)、Verlag Wiley、2005は、一連の実験プロトコルを記載している。
【0077】
本明細書に記載されている方法による調製は、本発明による化合物を、ライブラリーと呼ばれる物質のコレクションの形態で生成する。本発明はまた、本発明による少なくとも2種の化合物を含有するライブラリーを提供する。
【0078】
本発明による化合物は、広範囲の経済的に重要な単子葉および双子葉の1年生有害植物に対する、優れた除草効果を有する。根茎、根株または他の多年生器官から苗条を生じる、防除することが困難な多年生有害植物も、活性成分によって良好に防除される。
【0079】
したがって、本発明はまた、本発明による1種または複数種の化合物が、植物(例えば、単子葉植物もしくは双子葉植物の雑草または望ましくない作物などの有害植物)、種子材料(例えば、穀物、種子または塊茎もしくは芽を有する苗条部分などの栄養繁殖器官)または植物が生長する地域(例えば、耕作地)に施用される、好ましくは農作物において、望ましくない植物を防除するためのまたは植物の生長を調節するための方法を提供する。ここで、本発明による化合物は、例えば、播種前方法(場合によって、土壌の中に組み込むことによっても)、出芽前方法または出芽後方法で施用され得る。具体的には、言及され得る例は、本発明による化合物によって防除することができる、単子葉および双子葉の雑草植物相の代表例のうちのいくつかであるが、名前を挙げることによって、ある特定の種への限定を意図しない。
【0080】
単子葉の有害植物の属:タルホコムギ(Aegilops)、カモジグサ(Agropyron)、ヌカボ(Agrostis)、スズメノテッポウ(Alopecurus)、アペラ(Apera)、カラスムギ属(Avena)、ビロードキビ属(Brachiaria)、スズメノチャヒキ属(Bromus)、クリノイガ属(Cenchrus)、ツユクサ属(Commelina)、ギョウギシバ属(Cynodon)、カヤツリグサ属(Cyperus)、ダクテュロクテニウム(Dactyloctenium)、メヒシバ属(Digitaria)、ヒエ属(Echinochloa)、ハリイ属(Eleocharis)、オヒシバ属(Eleusine)、スズメガヤ属(Eragrostis)、エリオクロア(Eriochloa)、ウシノケグサ属(Festuca)、フィムブリステュリス(Fimbristylis)、ヘテランテラ(Heteranthera)、イムペラタ(Imperata)、イスカエムム(Ischaemum)、レプトクロア(Leptochloa)、ドクムギ属(Lolium)、モノコリア(Monochoria)、キビ属(Panicum)、スズメノヒエ属(Paspalum)、クサヨシ属(Phalaris)、アワガエリ属(Phleum)、イチゴツナギ属(Poa)、ロットボエッリア(Rottboellia)、オモダカ属(Sagittaria)、スキルプス(Scirpus)、セタリア属(Setaria)、モロコシ属(Sorghum)。
【0081】
双子葉の有害植物の属:アブティロン(Abutilon)、ヒユ属(Amaranthus)、ブタクサ属(Ambrosia)、アノダ(Anoda)、ローマカツミレ属(Anthemis)、アパネス(Aphanes)、ヨモギ属(Artemisia)、ハマアカザ属(Atriplex)、ベッリス(Bellis)、センダングサ属(Bidens)、ナズナ属(Capsella)、ヒレアザミ属(Carduus)、センナ属(Cassia)、ヤグルマギク属(Centaurea)、アカザ属(Chenopodium)、アザミ属(Cirsium)、セイヨウヒルガオ属(Convolvulus)、チョウセンアサガオ属(Datura)、デスモディウム(Desmodium)、エメクス(Emex)、エゾスズシロ属(Erysimum)、トウダイグサ属(Euphorbia)、ガレオプシス(Galeopsis)、ガリンソガ(Galinsoga)、ヤエムグラ属(Galium)、フヨウ属(Hibiscus)、サツマイモ属(Ipomoea)、コキア(Kochia)、ラミウム(Lamium)、マメグンバイナズナ属(Lepidium)、リンデルニア(Lindernia)、シカギク属(Matricaria)、ハッカ属(Mentha)、メルクリアリス(Mercurialis)、ムッルゴ(Mullugo)、ミュオソティス(Myosotis)、ケシ属(Papaver)、パルビティス(Pharbitis)、オオバコ属(Plantago)、タデ属(Polygonum)、スベリヒユ属(Portulaca)、キンポウゲ属(Ranunculus)、ダイコン属(Raphanus)、イヌガラシ属(Rorippa)、ロタラ(Rotala)、ギシギシ属(Rumex)、オカヒジキ属(Salsola)、キオン属(Senecio)、ツノクサネム属(Sesbania)、シダ(Sida)、シロガラシ属(Sinapis)、ナス属(Solanum)、ノゲシ属(Sonchus)、スペノクレア(Sphenoclea)、ハコベ属(Stellaria)、タンポポ属(Taraxacum)、グンバイナズナ属(Thlaspi)、ジャジクソウ属(Trifolium)、イラクサ科(Urtica)、クワガタソウ属(Veronica)、スミレ属(Viola)、オナモミ属(Xanthium)。
【0082】
本発明による化合物が発芽前に土の表面に施用される場合には、雑草の実生苗は出芽を完全に阻止されるまたは雑草は子葉段階に達するまで生長するが、次いで生長が停止し、最終的に3から4週間が経過した後に完全に枯死する。
【0083】
活性成分が出芽後に植物の緑色部分に施用される場合には、生長は、同様に処理後に停止し、有害植物は、施用時の生長段階のままであるまたはこれらは、ある一定の期間後に完全に枯死するため、このようにして、作物に有害な雑草に対する競争が、極めて早い時期におよび持続的なやり方で排除される。
【0084】
本発明による化合物は、単子葉および双子葉の有害植物に関して、優れた除草活性を有するが、例えば、ラッカセイ属(Arachis)、フダンソウ属(Beta)、アブラナ属(Brassica)、キュウリ属(Cucumis)、カボチャ属(Cucurbita)、ヒマワリ属(Helianthus)、ニンジン属(Daucus)、ダイズ属(Glycine)、ワタ属(Gossypium)、サツマイモ属(Ipomoea)、アキノノゲシ属(Lactuca)、リヌム(Linum)、リュコペルシコン(Lycopersicon))、ニコティアナ(Nicotiana)、インゲンマメ属(Phaseolus)、エンドウ属(Pisum)、ナス属(Solanum)、ソラマメ属(Vicia)の双子葉植物の作物または例えば、ネギ属(Allium)、アナナス(Ananas)、アスパラガス属(Asparagus)、カラスムギ属(Avena)、オオムギ属(Hordeum)、イネ属(Oryza)、パニクム(Panicum)、サッカルム(Saccharum)、ライムギ属(Secale)、モロコシ属(Sorghum)、ライムギ(Triticale)、コムギ属(Triticum)、トウモロコシ属(Zea)、特にトウモロコシ属((Zea)およびコムギ属(Triticum)の単子葉植物の作物などの、経済的に重要な作物は、本発明による特定の化合物の構造およびこの施用量にもよるが、被害を受けたとしても無視できるほどわずかである。これらの理由で、本発明による化合物は、有用な農業栽培地または観賞植物の栽培地などの農作物における、望ましくない植物の生長の選択的防除に極めて適している。
【0085】
その上、本発明による化合物は、(これらの特定の構造および施用される施用量によって)、作物に関して優れた生長調節性を有する。これらは、調節された様式で植物の代謝に干渉し、それ故に、例えば、乾燥および発育阻害を引き起こすことなどによって、植物の成分に目標とされる影響を与えるためおよび収穫を容易にするために使用され得る。その上、これらはまた、その過程で植物を破壊することなく、望ましくない栄養生長を一般に制御および阻害するのに適している。栄養生長を阻害することは、多くの単子葉植物および双子葉植物の作物において大きな役割を果たし、倒伏を減少させるまたは完全に阻止することができる。
【0086】
これらの除草性および植物生長調節性のために、本発明による化合物はまた、知られている植物またはいずれ開発される予定の遺伝子改変植物の作物において、有害植物を防除するために使用することができる。通常、トランスジェニック植物は、特に有利な性質、例えば、ある特定の殺有害生物剤、主にある特定の除草剤に対する抵抗性、植物病害に対する抵抗性または植物病害の病原体、例えばある特定の昆虫または真菌、細菌もしくはウイルスなどの微生物などに対する抵抗性によって区別される。他の特定の性質は、例えば、量、品質、貯蔵性、組成および特定の成分についての、収穫された材料に関する。例えば、デンプン含量が増加したもしくはデンプンの品質が改変されたトランスジェニック植物または収穫された材料の脂肪酸組成が異なるトランスジェニック植物が知られている。さらなる特定の性質は、非生物的ストレス要因、例えば、暑さ、寒さ、干ばつ、塩および紫外線に対する耐性または抵抗性にあり得る。
【0087】
有用な植物および観賞植物、例えば、小麦、大麦、ライ麦、オート麦、アワ、米、マニオクおよびトウモロコシなどの穀類または甜菜、綿花、大豆、菜種、ジャガイモ、トマト、エンドウ豆の作物ならびに他の野菜品種の経済的に重要なトランスジェニック作物において、本発明による化合物を使用することが好ましい。
【0088】
好ましくは、本発明による化合物は、除草剤の植物毒性作用に抵抗性があるまたは遺伝学的に抵抗性を与えられている有用な植物の作物において、除草剤として使用することができる。
【0089】
既存の植物と比較して改変された性質を有する新規な植物を生産する従来のやり方は、例えば、伝統的な栽培方法および突然変異種の作製にある。または、改変された性質を有する新規な植物は、遺伝子工学方法を使用して生産することができる(例えば、EP0221044、EP0131624を参照のこと。)。例えば、いくつかの場合において、以下のものが記載されている:
−植物中に合成されるデンプンを改変する目的のための作物の遺伝子改変品(例えば、WO92/011376A、WO92/014827A、WO91/019806A)、
−グルホシネートタイプ(例えば、EP0242236A、EP0242246Aを比較参照のこと。)もしくはグリホサートタイプ(WO92/000377A)もしくはスルホニル尿素タイプ(EP0257993A、US5,013,659)のある特定の除草剤に抵抗性があるトランスジェニック作物または「遺伝子スタッキング」によって、これらの除草剤の組合せもしくは混合物に抵抗性があるトランスジェニック作物、例えば、商標名もしくは名称Optimum(商標)GAT(商標)(グリホサートALS耐性)を有するトウモロコシもしくは大豆などのトランスジェニック作物など。
−ある特定の有害生物に抵抗性がある植物を作製するバキルルス・トゥリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)毒素(Bt毒素)を産生する能力を有するトランスジェニック作物、例えば、綿花(EP0142924A、EP0193259A)。
−改変された脂肪酸組成を有するトランスジェニック作物(WO91/013972A)。
−新規な成分または第2の物質、例えば、疾病に対して向上した抵抗性をもたらす、新規なフィトアレキシン類を有する遺伝子改変作物(EP0309862A、EP0464461A)
−より高い収率およびより高いストレス耐性を有する、光呼吸が減少した遺伝子改変植物(EP0305398A)
−薬学的にまたは診断上重要なタンパク質を産生するトランスジェニック作物(「分子製薬」)
−より高い収率またはより良好な品質によって区別されるトランスジェニック作物
−例えば、上述の新規な性質の組合せ(「遺伝子スタッキング」)によって区別されるトランスジェニック作物。
【0090】
改変された性質を有する新規なトランスジェニック植物を生産することができる、分子生物学的な多数の技術は、原則として知られている;例えば、I.PotrykusおよびG.Spangenberg(編者)Gene Transfer to Plants、Springer Lab Manual(1995)、Springer Verlag Berlin、HeidelbergまたはChristou、「Trends in Plant Science」1(1996)423−431頁)を参照のこと。
【0091】
このような遺伝子操作に関しては、DNA配列の組換えによって突然変異誘発または配列改変を可能にする核酸分子が、プラスミドの中へ導入され得る。例えば、標準的な方法を用いて、塩基交換を実施すること、部分配列を除去することまたは天然もしくは合成の配列を加えることが可能である。DNA断片を互いに連結するために、アダプターまたはリンカーが断片に加えられ得る。例えば、Sambrook他、1989、Molecular Cloning、A Laboratory Manual、2nd edition、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NY;またはWinnacker「Gene und Klone[Genes and Clones]」、VCH Weinheim 2nd edition、1996を参照のこと。
【0092】
遺伝子産物の活性が低下した植物細胞の調製は、例えば、少なくとも1つの対応するアンチセンス−RNA、共抑制効果を得るためのセンス−RNAの発現によってまたは前述の遺伝子産物の転写物を特異的に開裂する、少なくとも1つの対応する構築されたリボザイムの発現によって、達成することができる。
【0093】
この目的のために、存在し得る任意のフランキング配列を含む、遺伝子産物のコード配列の全てを包含するDNA分子およびコード配列の部分のみを包含するDNA分子も、まず最初に使用することが可能であり、これらの部分は、細胞中にアンチセンス効果をもたらすのに十分に長い必要がある。遺伝子産物のコード配列と高度な相同性を有するが、これと完全には同一でないDNA配列の使用も可能である。
【0094】
植物中における核酸分子の発現中に、合成されたタンパク質は植物細胞の任意の区画中に局在化され得る。しかし、ある特定の区画における局在化を達成するために、例えば、コード領域を、ある特定の区画における局在化を保証するDNA配列と連結することが可能である。このタイプの配列は、当業者に知られている(例えば、Braun他、EMBO J.11(1992)、3219−3227頁;Wolter他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85(1988)、846−850頁;Sonnewald他、Plant J.1(1991)、95−106頁を参照のこと。)。核酸分子の発現はまた、植物細胞のオルガネラにおいて行われ得る。
【0095】
トランスジェニック植物細胞を、知られている技術によって再生させて、完全な植物を得ることができる。原則として、トランスジェニック植物は、任意の所望の植物種、すなわち、単子葉植物または双子葉植物のいずれかの植物であり得る。
【0096】
それ故に、相同(=天然)遺伝子もしくは遺伝子配列の過剰発現、抑制もしくは阻害または非相同(=外来)遺伝子もしくは遺伝子配列の発現の結果として、改変された性質を有するトランスジェニック植物が得られる。
【0097】
本発明による化合物は、例えば、2,4D、ジカンバなどの生長調節剤に抵抗性があるまたは必須植物酵素、例えば、アセト乳酸シンターゼ(ALS)、EPSPシンターゼ、グルタミンシンターゼ(GS)もしくはヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)を阻害する除草剤に抵抗性があるまたはスルホニル尿素、グリホサート、グルホシネートもしくはベンゾイルイソオキサゾールおよび類似の活性成分の群からの除草剤に抵抗性があるまたはこれらの活性成分の任意の所望の組合せに抵抗性があるトランスジェニック作物において使用されることが好ましい可能性がある。
【0098】
本発明による化合物は、グリホサートおよびグルホシネートの組合せ、グリホサートおよびスルホニル尿素またはグリホサートおよびイミダゾリノンの組合せに抵抗性があるトランスジェニック作物において使用されることが特に好ましい可能性がある。本発明による化合物は、例えば、商標名または名称Optimum(商標)GAT(商標)(グリホサートALS耐性)を有するトウモロコシまたは大豆などのトランスジェニック作物において使用されることが極めて特に好ましい可能性がある。
【0099】
本発明による化合物をトランスジェニック作物において使用する場合には、他の作物に観察される有害植物に対する効果の他に、特定のトランスジェニック作物への施用に特異的な効果が生じることが多い。例えば、防除することができる雑草スペクトルの改変または特に拡張、施用のために使用することができる施用量の変更、好ましくは、トランスジェニック作物が抵抗性を示す除草剤との良好な組み合わせ、ならびにトランスジェニック作物の生長および収穫量への影響が頻繁に現れる。
【0100】
したがって、本発明はまた、トランスジェニック作物において有害植物を防除するための除草剤としての本発明による化合物の使用を提供する。
【0101】
本発明による化合物は、例えば、通例の調製物における水和剤、乳剤、噴霧可能な液剤、粉剤または粒剤の形態で適用することができる。したがって、本発明はまた、本発明による化合物を含む、除草性組成物および植物生長調節性組成物を提供する。
【0102】
本発明による化合物は、どの生物学的および/または化学的−物理的パラメータが指示されるかに応じて、種々のやり方で製剤化することができる。適した製剤の選択肢は、例えば:水和剤(WP)、水溶剤(SP)、水溶性液剤(water−soluble concentrate)、乳剤(EC)、水中油型および油中水型エマルション製剤などのエマルション製剤(EW)、噴霧可能な液剤、懸濁剤(SC)、油もしくは水をベースとする分散剤、油混和性の液剤、カプセル懸濁剤(CS)、粉剤(DP)、種子粉衣剤、散布および土壌施用のための粒剤、微粒剤の形態の粒剤(GR)、噴霧用粒剤、被覆粒剤および吸着粒剤、顆粒水和剤(WG)、顆粒水溶剤(SG)、ULV製剤、マイクロカプセル剤ならびにワックス剤である。これらの個々の製剤タイプは、原則として知られており、例えば、「Chemische Technologie[Chemical Technology]」、Volume 7、C.Hanser Verlag Munich、4th edition、1986;Wade van Valkenburg、「Pesticide Formulations」、Marcel Dekker、N.Y.、1973;K.Martens、「Spray Drying」Handbook、3rd Ed.1979、G.Goodwin Ltd.Londonに記載されている。
【0103】
不活性材料、界面活性剤、溶媒およびさらなる添加剤などの必要な製剤助剤は、同様に知られており、例えば、Watkins、「Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers」、2nd Ed.、Darland Books、Caldwell N.J.、H.v. Olphen、「Introduction to Clay Colloid Chemistry」;2nd Ed.、J.Wiley & Sons、N.Y.;C.Marsden、「Solvents Guide」;2nd Ed.、Interscience、N.Y.1963;McCutcheon’s「Detergents and Emulsifiers Annual」、MC Publ.Corp.、Ridgewood N.J.;Sisley and Wood、「Encyclopedia of Surface Active Agents」、Chem.Publ.Co.Inc.、N.Y.1964;Schonfeldt、「Grenzflachenaktive Athylenoxidaddukte[Surface−active ethylene oxide adducts]」、Wiss.Verlagsgesell.、Stuttgart 1976;Winnacker−Kuchler、「Chemische Technologie[Chemical Technology]」、Volume 7、C.Hanser Verlag Munich、4th edition 1986に記載されている。
【0104】
これらの製剤に基づいて、殺有害生物剤として活性な他の物質、例えば、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤、殺真菌剤などとの組合せおよび薬害軽減剤、肥料および/または生長調節剤との組合せを、例えば、レディミックスの形態でまたはタンクミックスとして調製することも可能である。
【0105】
水和剤は、水に均一に分散させることができる調製物であり、活性成分の他に、希釈剤または不活性物質に加えて、イオン性および/または非イオン性タイプの界面活性剤(湿潤剤、分散剤)、例えば、ポリオキシエチル化アルキルフェノール、ポリオキシエチル化脂肪族アルコール、ポリオキシエチル化脂肪族アミン、脂肪族アルコールポリグリコールエーテルスルフェート、アルカンスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、リグノスルホン酸ナトリウム、ナトリウム2,2’−ジナフチルメタン−6,6’−ジスルホネート、ナトリウムジブチルナフタレンスルホネートおよびナトリウムオレオイルメチルタウレートも含む調製物である。水和剤を調製するために、除草活性成分は、例えば、ハンマーミル、ブローイングミルおよびエアージェットミルなどの通例の装置で細かく粉砕され、同時にまたはその後に製剤助剤と混合される。
【0106】
乳剤は、有機溶媒、例えば、ブタノール、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、キシレンまたはより高沸点の芳香族もしくは炭化水素または有機溶媒の混合物に、1種または複数種のイオン性および/または非イオン性タイプの界面活性剤(乳化剤)を添加して、活性成分を溶解させることによって調製される。使用することができる乳化剤は、例えば:ドデシルベンゼンスルホン酸Caなどのアルキルアリールスルホン酸のカルシウム塩または脂肪酸ポリグリコールエステル、アルキルアリールポリグリコールエーテル、脂肪族アルコールポリグリコールエーテル、プロピレンオキシド−エチレンオキシド縮合生成物、アルキルポリエーテル、例えばソルビタン脂肪酸エステルなどのソルビタンエステルもしくは、例えばポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのポリオキシエチレンソルビタンエステルなどの非イオン性乳化剤である。
【0107】
粉剤は、活性成分を、微粉化された固体物質、例えば、タルク、天然粘土としてカオリン、ベントナイトおよびパイロフィライトなどまたは珪藻土とともに粉砕することによって得られる。
【0108】
懸濁剤は、水ベースまたは油ベースであってよい。これらは、例えば、標準的な市販のビーズミルを用いる湿式粉砕によって、適切な場合には、例えば、製剤の他のタイプに関連して、上に既に掲載されているような界面活性剤を加えることによって製造することができる。
【0109】
エマルション、例えば水中油型エマルション(EW)は、例えば、水性有機溶媒を使用して、適切な場合には、例えば、製剤の他のタイプに関連して、上に既に掲載されているような界面活性剤を使用して、スターラー、コロイドミルおよび/またはスタティックミキサーを用いて調製することができる。
【0110】
粒剤は、吸着能を有する造粒された不活性材料の上に、活性成分を霧化することによってまたは接着剤、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウムまたは鉱物油を用いて、砂、カオリナイトなどの担体物質の表面上または造粒された不活性材料の表面上に、活性成分の濃縮物を適用することによって調製することができる。所望される場合には肥料との混合物の状態で、適した活性成分は、肥料粒剤を製造するのに通例のやり方で、造粒されることもあり得る。
【0111】
顆粒水和剤は、通常、噴霧乾燥、流動床造粒、パン造粒、高速ミキサーを用いる混合および固体不活性材料を用いない押出成形などの通例の方法によって調製される。
【0112】
パン粒剤、流動床粒剤、押出成形機粒剤および噴霧粒剤の調製については、例えば、「Spray−Drying Handbook」3rd ed.1979、G.Goodwin Ltd.、London;J.E.Browning、「Agglomeration」、Chemical and Engineering 1967、147頁以下;「Perry’s Chemical Engineer’s Handbook」、5th Ed.、McGraw−Hill、New York 1973、8−57頁における方法を参照のこと。
【0113】
作物保護組成物の製剤に関するさらなる詳細については、例えば、G.C.Klingman、「Weed Control as a Science」、John Wiley and Sons,Inc.、New York、1961、81−96頁およびJ.D.Freyer、S.A.Evans、「Weed Control Handbook」、5th Ed.、Blackwell Scientific Publications、Oxford、1968、101−103頁を参照のこと。
【0114】
農薬調製物は、一般に、0.1から99重量%まで、特に0.1から95重量%までの本発明による化合物を含む。水和剤において、活性成分の濃度は、例えば、約10から90重量%までであり、100重量%に至る残りは、通例の製剤成分からなる。乳剤の場合には、活性成分の濃度は、約1から90重量%までであり得、好ましくは5から80重量%までであり得る。粉末様の製剤は、1から30重量%までの活性成分を含み、好ましくは、たいていの場合、5から20重量%までの活性成分を含み、噴霧可能な液剤は、約0.05から80重量%まで、好ましくは2から50重量%までの活性成分を含む。顆粒水和剤の場合には、活性成分の含量は、活性化合物が液体の形態で存在するかまたは固体の形態で存在するかおよびどの造粒助剤、充填剤などが使用されるかによって一部決まる。顆粒水和剤の場合には、活性成分の含量は、例えば、1から95重量%までの間であり、好ましくは10から80重量%までの間である。
【0115】
加えて、特定の活性成分の製剤は、いずれの場合にも通例の、接着剤、湿潤剤、分散剤、乳化剤、浸透剤、保存剤、不凍剤および溶媒、充填剤、担体および色素、消泡剤、蒸発抑制剤ならびにpHおよび粘性に影響を及ぼす薬剤を場合によって含む。
【0116】
混合製剤中またはタンクミックス中の、本発明による化合物に適した組合せ相手は、例えば、殺虫剤、殺真菌剤、植物生長調節剤または除草剤などの知られている活性成分である。使用することができるそのような除草剤の例は、例えば、Weed Research 26(1986)441−445頁または「The Pesticide Manual」、14th edition、The British Crop Protection Council and the Royal Soc.of Chemistry、2003ならびにこれらの中に引用されている文献に記載されているような、例えば、アセト乳酸シンターゼ、アセチル−CoA−カルボキシラーゼ、セルロースシンターゼ、エノールピルビルシキミ酸−3−リン酸シンターゼ、グルタミンシンセターゼ、p−ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ、フィトエンデサチュラーゼ、光化学系I、光化学系II、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼの阻害に基づいているものである。本発明による化合物と組み合わせることができる、知られている除草剤または植物生長調節剤は、例えば、以下の活性成分であり(化合物は、国際標準化機構(ISO)に従って、「一般名」によってまたは化学名によってまたはコード番号も併せて記載される。)、酸、塩、エステルならびに立体異性体および光学異性体などの異性体などの施用形態のすべてを常に包含する。ここに、例として、1つおよび時には複数の施用形態が明記される:
アセトクロール、アシベンゾラル、アシベンゾラル−S−メチル、アシフルオルフェン、アシフルオルフェン−ナトリウム、アクロニフェン、アラクロール、アリドクロール、アロキシジム、アロキシジム−ナトリウム、アメトリン、アミカルバゾン、アミドクロール、アミドスルフロン、アミノシクロピロクロル(aminocyclopyrochlor)、アミノピラリド、アミトロール、スルファミン酸アンモニウム、アンシミドール、アニロホス、アシュラム、アトラジン、アザフェニジン、アジムスルフロン、アジプロトリン、BAH−043、BAS−140H、BAS−693H、BAS−714H、BAS−762H、BAS−776H、ベフルブタミド、ベナゾリン、ベナゾリン−エチル、ベンカルバゾン、ベンフルラリン、ベンフレセート、ベンスリド、ベンスルフロン−メチル、ベンタゾン、ベンズフェンジゾン、ベンゾビシクロン、ベンゾフェナップ、ベンゾフルオル、ベンゾイルプロップ、ビフェノックス、ビラナホス、ビラナホス−ナトリウム、ビスピリバック、ビスピリバック−ナトリウム、ブロマシル、ブロモブチド、ブロモフェノキシム、ブロモキシニル、ブロムロン、ブミナホス、ブソキシノン、ブタクロール、ブタフェナシル、ブタミホス、ブテナクロール、ブトラリン、ブトロキシジム、ブチレート、カフェンストロール、カルベタミド、カルフェントラゾン、カルフェントラゾン−エチル、クロメトキシフェン、クロランベン、クロラジホップ、クロラジホップ−ブチル、クロルブロムロン、クロルブファム、クロルフェナック、クロルフェナック−ナトリウム、クロルフェンプロップ、クロルフルレノール、クロルフルレノール−メチル、クロリダゾン、クロリムロン、クロリムロン−エチル、クロルメコートクロリド、クロルニトロフェン、クロロフタリム、クロルタール−ジメチル、クロロトルロン、クロルスルフロン、シニドン、シニドン−エチル、シンメチリン、シノスルフロン、クレトジム、クロジナホップ、クロジナホップ−プロパルギル、クロフェンセット、クロマゾン、クロムプロップ、クロプロップ、クロピラリド、クロランスラム、クロランスラム−メチル、クミルロン、シアナミド、シアナジン、シクラニリド、シクロエート、シクロスルファムロン、シクロキシジム、シクルロン、シハロホップ、シハロホップ−ブチル、シペルコート、シプラジン、シプラゾール、2,4−D、2,4−DB、ダイムロン/ジムロン、ダラポン、ダミノジッド、ダゾメット、n−デカノール、デスメディファム、デスメトリン、デトシル−ピラゾレート(detosyl−pyrazolate)(DTP)、ダイアレート、ジカンバ、ジクロベニル、ジクロルプロップ、ジクロルプロップ−P、ジクロホップ、ジクロホップ−メチル、ジクロホップ−P−メチル、ジクロスラム、ジエタチル、ジエタチル−エチル、ジフェノクスロン、ジフェンゾコート、ジフルフェニカン、ジフルフェンゾピル、ジフルフェンゾピル−ナトリウム、ジメフロン、ジケグラック−ナトリウム、ジメフロン、ジメピペレート、ジメタクロール、ジメタメトリン、ジメテナミド、ジメテナミド−P、ジメチピン、ジメトラスルフロン、ジニトラミン、ジノセブ、ジノテルブ、ジフェナミド、ジプロペトリン、ジクワット、ジクワット−ジブロミド、ジチオピル、ジウロン、DNOC、エグリナジン−エチル、エンドタール、EPTC、エスプロカルブ、エタルフルラリン、エタメトスルフロン−メチル、エテホン、エチジムロン、エチオジン、エトフメセート、エトキシフェン、エトキシフェン−エチル、エトキシスルフロン、エトベンザニド、F−5331、すなわちN−[2−クロロ−4−フルオロ−5−[4−(3−フルオロプロピル)−4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1H−テトラゾール−1−イル]フェニル]−エタンスルホンアミド、フェノプロップ、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ−P、フェノキサプロップ−エチル、フェノキサプロップ−P−エチル、フェントラザミド、フェニュロン、フラムプロップ、フラムプロップ−M−イソプロピル、フラムプロップ−M−メチル、フラザスルフロン、フロラスラム、フルアジホップ、フルアジホップ−P、フルアジホップ−ブチル、フルアジホップ−P−ブチル、フルアゾレート、フルカルバゾン、フルカルバゾン−ナトリウム、フルセトスルフロン、フルクロラリン、フルフェナセット(チアフルアミド)、フルフェンピル、フルフェンピル−エチル、フルメトラリン、フルメツラム、フルミクロラック、フルミクロラック−ペンチル、フルミオキサジン、フルミプロピン、フルオメツロン、フルオロジフェン、フルオログリコフェン、フルオログリコフェン−エチル、フルポキサム、フルプロパシル、フルプロパネート、フルピルスルフロン、フルピルスルフロン−メチル−ナトリウム、フルレノール、フルレノール−ブチル、フルリドン、フルロクロリドン、フルロキシピル、フルロキシピル−メプチル、フルルプリミドール、フルルタモン、フルチアセット、フルチアセット−メチル、フルチアミド、ホメサフェン、ホラムスルフロン、ホルクロルフェニュロン、ホサミン、フリロキシフェン、ジベレリン酸、グルホシネート、グルホシネート−アンモニウム、グルホシネートP、グルホシネート−P−アンモニウム、グルホシネート−P−ナトリウム、グリホサート、グリホサート−イソプロピルアンモニウム、H−9201、ハロサフェン、ハロスルフロン、ハロスルフロン−メチル、ハロキシホップ、ハロキシホップ−P、ハロキシホップ−エトキシエチル、ハロキシホップ−P−エトキシエチル、ハロキシホップ−メチル、ハロキシホップ−P−メチル、ヘキサジノン、HNPC−9908、HW−02、イマザメタベンズ、イマザメタベンズ−メチル、イマザモックス、イマザピック、イマザピル、イマザキン、イマゼタピル、イマゾスルフロン、イナベンフィド、インダノファン、インダジフラム、インドール酢酸(IAA)、4−インドール−3−イル酪酸(IBA)、ヨードスルフロン、ヨードスルフロン−メチル−ナトリウム、アイオキシニル、イプフェンカルバゾン、イソカルバミド、イソプロパリン、イソプロツロン、イソウロン、イソオキサベン、イソオキサクロルトール、イソオキサフルトール、イソオキサピリホップ、KUH−043、KUH−071、カルブチレート、ケトスピラドックス、ラクトフェン、レナシル、リニュロン、マレイン酸ヒドラジド、MCPA、MCPB、MCPB−メチル、−エチルおよび−ナトリウム、メコプロップ、メコプロップ−ナトリウム、メコプロップ−ブトチル、メコプロップ−P−ブトチル、メコプロップ−P−ジメチルアンモニウム、メコプロップ−P−2−エチルヘキシル、メコプロップ−P−カリウム、メフェナセット、メフルイジド、メピコートクロリド、メソスルフロン、メソスルフロン−メチル、メソトリオン、メタベンズチアズロン、メタム、メタミホップ、メタミトロン、メタザクロール、メタゾール、メチオゾリン、メトキシフェノン、メチルジムロン、1−メチルシクロプロペン、メチルイソチオシアネート、メトベンズロン、メトブロムロン、メトラクロール、S−メトラクロール、メトスラム、メトクスロン、メトリブジン、メトスルフロン、メトスルフロン−メチル、モリネート、モナリド、モノカルバミド、硫酸二水素モノカルバミド、モノリニュロン、モノスルフロン、モニュロン、MT128、MT−5950、すなわちN−[3−クロロ−4−(1−メチルエチル)フェニル]−2−メチルペンタンアミド、NGGC−011、ナプロアニリド、ナプロパミド、ナプタラム、NC−310、すなわち4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1−メチル−5−ベンジルオキシピラゾール、NC−620、ネブロン、ニコスルフロン、ニピラクロフェン、ニトラリン、ニトロフェン、ニトロフェノラート−ナトリウム(異性体混合物)、ニトロフルオルフェン、ノナン酸、ノルフルラゾン、オルベンカルブ、オルトスルファムロン、オリザリン、オキサジアルギル、オキサジアゾン、オキサスルフロン、オキサジクロメホン、オキシフルオルフェン、パクロブトラゾール、パラコート、パラコートジクロリド、ペラルゴン酸(ノナン酸)、ペンディメタリン、ペンドラリン(pendralin)、ペノキススラム、ペンタノクロール、ペントキサゾン、ペルフルイドン、ペトキサミド、フェニソファム、フェンメディファム、フェンメディファム−エチル、ピクロラム、ピコリナフェン、ピノキサデン、ピペロホス、ピリフェノップ、ピリフェノップ−ブチル、プレチラクロール、プリミスルフロン、プリミスルフロン−メチル、プロベナゾール、プロフルアゾール、プロシアジン、プロジアミン、プリフルラリン、プロホキシジム、プロヘキサジオン、プロヘキサジオン−カルシウム、プロヒドロジャスモン、プロメトン、プロメトリン、プロパクロール、プロパニル、プロパキザホップ、プロパジン、プロファム、プロピソクロール、プロポキシカルバゾン、プロポキシカルバゾン−ナトリウム、プロピリスルフロン、プロピザミド、プロスルファリン、プロスルホカルブ、プロスルフロン、プリナクロール、ピラクロニル、ピラフルフェン、ピラフルフェン−エチル、ピラスルホトール、ピラゾリネート(ピラゾレート)、ピラゾスルフロン−エチル、ピラゾキシフェン、ピリバムベンズ、ピリバムベンズ−イソプロピル、ピリベンゾキシム、ピリブチカルブ、ピリダホール(pyridafol)、ピリデート、ピリフタリド、ピリミノバック、ピリミノバック−メチル、ピリミスルファン、ピリチオバック、ピリチオバック−ナトリウム、ピロキサスルホン、ピロクススラム、キンクロラック、キンメラック、キノクラミン、キザロホップ、キザロホップ−エチル、キザロホップ−P、キザロホップ−P−エチル、キザロホップ−P−テフリル、リムスルフロン、サフルフェナシル、セクブメトン、セトキシジム、シデュロン、シマジン、シメトリン、SN−106279、スルコトリオン、スルファレート(CDEC)、スルフェントラゾン、スルホメツロン、スルホメツロン−メチル、スルホセート(グリホサート−トリメシウム)、スルホスルフロン、SYN−449、SYN−523、SYP−249、SYP−298、SYP−300、テブタム、テブチウロン、テクナゼン、テフリルトリオン、テンボトリオン、テプラロキシジム、ターバシル、テルブカルブ、テルブクロール、テルブメトン、テルブチラジン、テルブトリン、テニルクロール、チアフルアミド、チアザフルロン、チアゾピル、チジアジミン、チジアズロン、チエンカルバゾン、チエンカルバゾン−メチル、チフェンスルフロン、チフェンスルフロン−メチル、チオベンカルブ、チオカルバジル、トプラメゾン、トラルコキシジム、トリアレート、トリアスルフロン、トリアジフラム、トリアゾフェナミド、トリベヌロン、トリベヌロン−メチル、トリクロロ酢酸(TCA)、トリクロピル、トリジファン、トリエタジン、トリフロキシスルフロン、トリフロキシスルフロン−ナトリウム、トリフルラリン、トリフルスルフロン、トリフルスルフロン−メチル、トリメツロン、トリネキサパック、トリネキサパック−エチル、トリトスルフロン、シトデフ、ウニコナゾール、ウニコナゾール−P、ベルノレート、ZJ−0166、ZJ−0270、ZJ−0543、ZJ−0862ならびに以下の化合物。
【0117】
【化6】


【0118】
特に関心のあるものは、有用な植物および観賞植物の作物における、有害植物の選択的防除である。本発明による化合物は、多くの作物における十分な選択性に対して非常に良好な点を既に有しているが、いくつかの作物においておよび主として、選択性がより低い他の除草剤との混合物の場合にも、植物毒性が作物に対して生じることは、原則として可能である。この点に関して、特に関心のあるものは、本発明による化合物を、薬害軽減剤と組み合わせて、場合によって、除草剤などのさらなる殺有害生物剤と組み合わせて含む組合せである。薬害軽減剤は、解毒的に有効な含量で使用され、例えば、穀類(例えば、小麦、大麦、ライ麦、トウモロコシ、米、アワ)、甜菜、サトウキビ、菜種、綿花および大豆などの経済的に重要な作物、好ましくは穀類において使用される殺有害生物剤の植物毒素の副作用を軽減する。
【0119】
例えば、以下の群の化合物が、薬害軽減剤として適している:
S1)複素環式カルボン酸誘導体の群からの化合物:
S1)ジクロロフェニルピラゾリン−3−カルボン酸タイプの化合物(S1)、
好ましくは、
WO−A−91/07874に記載されているような、1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(エトキシカルボニル)−5−メチル−2−ピラゾリン−3−カルボン酸、エチル1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(エトキシカルボニル)−5−メチル−2−ピラゾリン−3−カルボキシレート(S1−1)(「メフェンピル−ジエチル」)および関連化合物
などの化合物;
S1)ジクロロフェニルピラゾールカルボン酸の誘導体(S1)、
好ましくは、
EP−A−333131およびEP−A−269806に記載されているような、エチル1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−メチルピラゾール−3−カルボキシレート(S1−2)、エチル1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−イソプロピルピラゾール−3−カルボキシレート(S1−3)、エチル1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(1,1−ジメチルエチル)ピラゾール−3−カルボキシレート(S1−4)および関連化合物
などの化合物;
S1)1,5−ジフェニルピラゾール−3−カルボン酸の誘導体(S1)、
好ましくは、
例えば、EP−A−268554に記載されているような、エチル1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−フェニルピラゾール−3−カルボキシレート(S1−5)、メチル1−(2−クロロフェニル)−5−フェニルピラゾール−3−カルボキシレート(S1−6)および関連化合物
などの化合物;
S1)トリアゾールカルボン酸タイプの化合物(S1)、
好ましくは、
EP−A−174562およびEP−A−346620に記載されているような、フェンクロラゾール(−エチル)、すなわちエチル1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−トリクロロメチル−(1H)−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキシレート(S1−7)および関連化合物
などの化合物;
S1)5−ベンジル−もしくは5−フェニル−2−イソオキサゾリン−3−カルボン酸タイプの化合物または5,5−ジフェニル−2−イソオキサゾリン−3−カルボン酸タイプの化合物(S1)、
好ましくは、
WO−A−91/08202に記載されているような、エチル5−(2,4−ジクロロベンジル)−2−イソオキサゾリン−3−カルボキシレート(S1−8)もしくはエチル5−フェニル−2−イソオキサゾリン−3−カルボキシレート(S1−9)および関連化合物または特許出願WO−A−95/07897に記載されているような、5,5−ジフェニル−2−イソオキサゾリンカルボン酸(S1−10)もしくはエチル5,5−ジフェニル−2−イソオキサゾリンカルボキシレート(S1−11)(「イソオキサジフェン−エチル」)もしくはn−プロピル5,5−ジフェニル−2−イソオキサゾリンカルボキシレート(S1−12)などの化合物またはエチル5−(4−フルオロフェニル)−5−フェニル−2−イソオキサゾリン−3−カルボキシレートタイプの化合物(S1−13)
などの化合物。
【0120】
S2)8−キノリニルオキシ誘導体の群からの化合物(S2):
S2)8−キノリンオキシ酢酸タイプの化合物(S2)、好ましくは、EP−A−86750、EP−A−94349およびEP−A−191736またはEP−A−0492366に記載されているような、1−メチルヘキシル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(「クロキントセット−メキシル」)(S2−1)、1,3−ジメチルブタ−1−イル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(S2−2)、4−アリルオキシブチル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(S2−3)、1−アリルオキシプロパ−2−イル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(S2−4)、エチル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(S2−5)、メチル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(S2−6)、アリル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(S2−7)、2−(2−プロピリデンイミノオキシ)−1−エチル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(S2−8)、2−オキソプロパ−1−イル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)アセテート(S2−9)および関連化合物ならびにWO−A−2002/34048に記載されているような、(5−クロロ−8−キノリンオキシ)酢酸(S2−10)、この水和物および塩、例えば、このリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、鉄塩、アンモニウム塩、第4級アンモニウム塩、スルホニウム塩またはホスホニウム塩;
S2)(5−クロロ−8−キノリンオキシ)マロン酸タイプの化合物(S2)、好ましくは、EP−A−0582198に記載されているような、ジエチル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)マロネート、ジアリル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)マロネート、メチルエチル(5−クロロ−8−キノリンオキシ)マロネートおよび関連化合物などの化合物。
【0121】
S3)出芽前の薬害軽減剤(土壌活性薬害軽減剤)として頻繁に使用されるジクロロアセトアミドタイプの活性成分(S3)、例えば、
「ジクロルミド」(N,N−ジアリル−2,2−ジクロロアセトアミド)(S3−1)、
Staufferからの「R−29148」(3−ジクロロアセチル−2,2,5−トリメチル−1,3−オキサゾリジン)(S3−2)、
Staufferからの「R−28725」(3−ジクロロアセチル−2,2−ジメチル−1,3−オキサゾリジン)(S3−3)、
「ベノキサコル」(4−ジクロロアセチル−3,4−ジヒドロ−3−メチル−2H−1,4−ベンゾオキサジン)(S3−4)、
PPG Industriesからの「PPG−1292」(N−アリル−N−[(1,3−ジオキソラン−2−イル)メチル]ジクロロアセトアミド)(S3−5)、
Sagro−Chemからの「DKA−24」(N−アリル−N−[(アリルアミノカルボニル)メチル]ジクロロアセトアミド)(S3−6)、
NitrokemiaまたはMonsantoからの「AD−67」または「MON4660」(3−ジクロロアセチル−1−オキサ−3−アザスピロ[4.5]デカン)(S3−7)、
TRI−Chemical RTからの「TI−35」(1−ジクロロアセチルアゼパン)(S3−8)、
BASFからの「ジクロノン(diclonon)」(ジシクロノン)または「BAS145138」または「LAB145138」(S3−9)(3−ジクロロアセチル−2,5,5−トリメチル−1,3−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナン)、
「フリラゾール」または「MON13900」((RS)−3−ジクロロアセチル−5−(2−フリル)−2,2−ジメチルオキサゾリジン)(S3−10)およびこの(R)−異性体(S3−11)など。
【0122】
S4)アシルスルホンアミドの類からの化合物(S4):
S4)WO−A−97/45016に記載されているような、式(S4
【0123】
【化7】

[式中、
は、ハロゲン、(C−C)アルコキシ、(C−C)ハロアルコキシおよび(C−C)アルキルチオの群からのv個の置換基によって置換されている(C−C)アルキルであり、環状基の場合には、(C−C)アルキルおよび(C−C)ハロアルキルによっても置換されている(C−C)アルキルであり;
は、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、CFであり
は、1または2であり;
は、0、1、2または3である。]
のN−アシルスルホンアミドおよびこの塩;
S4)WO−A−99/16744に記載されているような、式(S4
【0124】
【化8】

[式中、
、Rは、互いに独立して、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルであり、
は、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキルまたは(C−C)アルコキシであり、
は、1または2である。]
の4−(ベンゾイルスルファモイル)ベンズアミドタイプの化合物およびこれらの塩、
例えば、
=シクロプロピル、R=水素および(R)=2−OMe(S4−1、「シプロスルファミド」)、
=シクロプロピル、R=水素および(R)=5−Cl−2−OMe(S4−2)、
=エチル、R=水素および(R)=2−OMe(S4−3)、
=イソプロピル、R=水素および(R)=5−Cl−2−OMe(S4−4)ならびに
=イソプロピル、R=水素および(R)=2−OMe(S4−5)であるもの。
【0125】
S4)EP−A−365484に記載されているような、式(S4
【0126】
【化9】

[式中、
、Rは、互いに独立して、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルであり、
は、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、CFであり、
は、1または2である。]
のベンゾイルスルファモイルフェニル尿素の類からの化合物;
例えば、
1−[4−(N−2−メトキシベンゾイルスルファモイル)フェニル]−3−メチル尿素、
1−[4−(N−2−メトキシベンゾイルスルファモイル)フェニル]−3,3−ジメチル尿素、
1−[4−(N−4,5−ジメチルベンゾイルスルファモイル)フェニル]−3−メチル尿素。
【0127】
S5)ヒドロキシ芳香族および芳香族−脂肪族カルボン酸誘導体の類からの活性成分(S5)、例えば、
WO−A−2004/084631、WO−A−2005/015994、WO−A−2005/016001に記載されているような、エチル3,4,5−トリアセトキシベンゾエート、3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシサリチル酸、4−フルオロサリチル酸、2−ヒドロキシケイ皮酸、2,4−ジクロロケイ皮酸。
【0128】
S6)1,2−ジヒドロキノキサリン−2−オンの類からの活性成分(S6)、例えば、WO−A−2005/112630に記載されているような、1−メチル−3−(2−チエニル)−1,2−ジヒドロキノキサリン−2−オン、1−メチル−3−(2−チエニル)−1,2−ジヒドロキノキサリン−2−チオン、1−(2−アミノエチル)−3−(2−チエニル)−1,2−ジヒドロキノキサリン−2−オン塩酸塩、1−(2−メチルスルホニルアミノエチル)−3−(2−チエニル)−1,2−ジヒドロキノキサリン−2−オン。
【0129】
S7)ジフェニルメトキシ酢酸誘導体の類からの化合物(S7)、例えば、WO−A−98/38856に記載されているような、メチルジフェニルメトキシアセテート(CAS登録番号41858−19−9)(S7−1)、エチルジフェニルメトキシアセテートまたはジフェニルメトキシ酢酸。
【0130】
S8)WO−A−98/27049に記載されているような、式(S8)
【0131】
【化10】

[式中、記号および添数は、以下の意味を有する:
は、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)ハロアルコキシであり、
は、水素または(C−C)アルキルであり、
D3は、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルまたはアリールであり、この場合、前述の炭素含有基はそれぞれ、非置換であるまたはハロゲンおよびアルコキシからなる群からの1つもしくは複数の、好ましくは3つまでの、同一であるもしくは異なる基によって置換されている;またはこれらの塩であり、
は、0から2までの整数である。]
の化合物。
【0132】
S9)3−(5−テトラゾリル−カルボニル)−2−キノロンの類からの活性成分(S9)、例えば、WO−A−1999/000020に記載されているような、1,2−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−1−エチル−3−(5−テトラゾリルカルボニル)−2−キノロン(CAS登録番号219479−18−2)、1,2−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−1−メチル−3−(5−テトラゾリル−カルボニル)−2−キノロン(CAS登録番号95855−00−8)。
【0133】
S10)WO−A−2007/023719およびWO−A−2007/023764に記載されているような、式(S10)または(S10
【0134】
【化11】

[式中、
は、ハロゲン、(C−C)アルキル、メトキシ、ニトロ、シアノ、CF、OCFであり、
、Zは、互いに独立して、OまたはSであり、
は、0から4までの整数であり、
は、(C−C16)アルキル、(C−C)アルケニル、アリール、ベンジル、ハロベンジルであり、
は、水素または(C−C)アルキルである。]
の化合物。
【0135】
S11)種子粉衣剤として知られているオキシイミノ化合物タイプの活性成分(S11)、例えば、
メトラクロールによる被害に対する大麦用の種子粉衣薬害軽減剤として知られている、「オキサベトリニル」((Z)−1,3−ジオキソラン−2−イルメトキシイミノ(フェニル)アセトニトリル)(S11−1)、
メトラクロールによる被害に対する大麦用の種子粉衣薬害軽減剤として知られている、「フルキソフェニム」(1−(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリフルオロ−1−エタノンO−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)オキシム)(S11−2)、
メトラクロールによる被害に対する大麦用の種子粉衣薬害軽減剤として知られている、「シオメトリニル」または「CGA−43089」((Z)−シアノメトキシイミノ(フェニル)アセトニトリル)(S11−3)など。
【0136】
S12)イソチオクロマノンの類からの活性成分(S12)、例えば、WO−A−1998/13361からの、メチル[(3−オキソ−1H−2−ベンゾチオピラン−4(3H)イリデン)メトキシ]アセテート(CAS登録番号205121−04−6)(S12−1)および関連化合物など。
【0137】
S13)群(S13)からの1つまたは複数の化合物:
チオカルバメート系除草剤による被害に対するトウモロコシ用の種子粉衣薬害軽減剤として知られている、「ナフタル酸無水物」(1,8−ナフタリンジカルボン酸無水物)(S13−1)、
作付けされた米におけるプレチラクロールのための薬害軽減剤として知られている、「フェンクロリム」(4,6−ジクロロ−2−フェニルピリミジン)(S13−2)、
アラクロールおよびメトラクロールによる被害に対する大麦用の種子粉衣薬害軽減剤として知られている、「フルラゾール」(ベンジル−2−クロロ−4−トリフルオロメチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート)(S13−3)、
イミダゾリノンによる被害に対するトウモロコシ用の薬害軽減剤として知られている、American Cyanamidからの「CL304415」(CAS登録番号31541−57−8)(4−カルボキシ−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−4−酢酸)(S13−4)、
トウモロコシ用の薬害軽減剤として知られている、Nitrokemiaからの「MG191」(CAS登録番号96420−72−3)(2−ジクロロメチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン)(S13−5)、
Nitrokemiaからの「MG−838」(CAS登録番号133993−74−5)(2−プロペニル1−オキサ−4−アザスピロ[4.5]デカン−4−カルボジチオエート)(S13−6)
「ジスルホトン」(O,O−ジエチルS−2−エチルチオエチルホスホロジチオエート)(S13−7)、
「ジエトレート」(O,O−ジエチルO−フェニルホスホロチオエート)(S13−8)、
「メフェネート(mephenate)」(4−クロロフェニルメチルカルバメート)(S13−9)。
【0138】
S14)有害植物に対する除草効果に加えて、米などの作物に及ぼす薬害軽減効果も有する活性成分、例えば、
除草剤モリネートによる被害に対する米用の薬害軽減剤として知られている、「ジメピペレート」または「MY−93」(S−1−メチル−1−フェニルエチルピペリジン−1−カルボチオエート)、
除草剤イマゾスルフロンによる被害に対する米用の薬害軽減剤として知られている、「ダイムロン」または「SK23」(1−(1−メチル−1−フェニルエチル)−3−p−トリル尿素)、
多くの除草剤による被害に対する米用の薬害軽減剤として知られている、「クミルロン」=「JC−940」(3−(2−クロロフェニルメチル)−1−(1−メチル−1−フェニルエチル)尿素、JP−A−60087254を参照のこと。)、
多くの除草剤による被害に対する米用の薬害軽減剤として知られている、「メトキシフェノン」または「NK049」(3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン)、
米における多くの除草剤による被害に対する薬害軽減剤として知られている、Kumiaiからの「CSB」(1−ブロモ−4−(クロロメチルスルホニル)ベンゼン)(CAS登録番号54091−06−4)など。
【0139】
S15)主に除草剤として使用されているが、作物に及ぼす薬害軽減効果も有する活性成分、例えば、
(2,4−ジクロロフェノキシ)酢酸(2,4−D)、
(4−クロロフェノキシ)酢酸、
(R,S)−2−(4−クロロ−o−トリルオキシ)プロピオン酸(メコプロップ)、
4−(2,4−ジクロロフェノキシ)酪酸(2,4−DB)、
(4−クロロ−o−トリルオキシ)酢酸(MCPA)、
4−(4−クロロ−o−トリルオキシ)酪酸、
4−(4−クロロフェノキシ)酪酸、
3,6−ジクロロ−2−メトキシ安息香酸(ジカンバ)、
1−(エトキシカルボニル)エチル3,6−ジクロロ−2−メトキシベンゾエート(ラクチジクロロ−エチル)。
【0140】
薬害軽減剤のうちのいくつかは、除草剤としても知られており、それ故に、有害植物に関する除草効果に加えて、作物の場合には、保護効果も同時に発現する。
【0141】
除草剤(混合物)と薬害軽減剤の重量比は、一般に、除草剤の施用量および特定の薬害軽減剤の効果によって決まり、広い限度内で変化することがあり、例えば、200:1から1:200まで、好ましくは100:1から1:100まで、特に20:1から1:20までの範囲で変化することがある。薬害軽減剤は、本発明による化合物またはこれらの混合物と同じように、さらなる殺有害生物剤と一緒に製剤化することができ、本発明による化合物と一緒に、レディミックスまたはタンクミックスとして適用することができる。
【0142】
使用に関しては、標準的な市販の形態で存在する製剤は、通例のやり方で、例えば、水和剤、乳剤、分散剤および顆粒水和剤の場合には、水を用いて、場合によって希釈される。粉末様の調製物、土壌用および散布用の粒剤および噴霧可能な液剤は、通常、施用前に、さらなる不活性物質でそれ以上希釈されることはない。
【0143】
本発明による化合物の必要とされる施用量は、温度、湿度、使用される除草剤のタイプなどの外的条件によって変化する。施用量は、広い限度内で変化することがあり、例えば、活性物質が0.001から10.0kg/ha以上の間であるが、好ましくは0.005から5kg/haの間である。
【実施例】
【0144】
A.合成例
本発明による化合物の合成が、例として以下に記載されているが、これらの例は、特徴を限定するものではない。
1. (6−アミノ−5−クロロ−2−(2,6−ジクロロフェニル)ピリミジン−4−イル)プロパンジニトリル(実施例番号174)
段階A:
0℃にて、水素化ナトリウム(鉱物油中60%高濃度懸濁液として45mg)を、マロノジニトリル72mgのTHF10ml中溶液に加え、次いで、混合物を室温にて30分間撹拌する。4,5,6−トリクロロ−2−(2,6−ジクロロフェニル)ピリミジン(0.30g;以下の手順と同じように調製されたもの:K.Findeisen、K.Wagner、Synthesis 1978、40−42頁)を加え、反応混合物を室温にて一晩撹拌する。この混合物を、飽和塩化アンモニウム溶液10mlに加え、酢酸エチルで数回抽出し、合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄する。硫酸マグネシウムで脱水した後、溶媒を減圧下で蒸発によって濃縮して、化合物番号534を得る。
【0145】
段階B:
得られた生成物を、濃アンモニア溶液5ml中に懸濁させ、密閉容器中、マイクロ波装置の中で、150℃にて8時間反応させる。次いで、溶液を減圧下で蒸発によって半量に濃縮し、2N塩酸で酸性にする。沈殿した固体を、水および酢酸エチルで洗浄し、次いで、乾燥させる。所望の生成物0.19g(理論量の61%)が得られる。
【0146】
2. [6−アミノ−5−クロロ−2−フェニルピリミジン−4−イル]プロパンジニトリル(実施例番号1)
この物質は、実施例番号174の手順と同じように合成される。出発物質である4,5,6−トリクロロ−2−フェニルピリミジンは、文献:K.Findeisen、K.Wagner、Synthesis 1978、40−42頁において知られている方法に従って得られる。
【0147】
3. [6−アミノ−5−クロロ−2−(4−クロロフェニル)ピリミジン−4−イル]プロパンジニトリル(実施例番号29)
この物質は、実施例番号174の手順と同じように合成される。出発物質である4,5,6−トリクロロ−2−(4−クロロフェニル)ピリミジンは、文献:K.Findeisen、K.Wagner、Synthesis 1978、40−42頁において知られている方法によって得られる。
【0148】
4. [5−クロロ−2−(4−クロロフェニル)−6−(メチルアミノ)ピリミジン−4−イル]プロパンジニトリル(実施例番号41)
この物質は、実施例番号174の手順と同じように合成される。しかし、段階Bにおいて、メチルアミン(MeOH中40%溶液)を使用し、反応を、マイクロ波装置の中で、120℃にて1時間実施する。
【0149】
5. [6−アミノ−5−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)ピリミジン−4−イル]プロパンジニトリル(実施例番号80)
この物質は、実施例番号174の手順と同じように合成される。出発物質である4,5,6−トリクロロ−2−(3−フルオロフェニル)ピリミジンは、文献:K.Findeisen、K.Wagner、Synthesis 1978、40−42頁において知られている方法と同じようにして得られる。
【0150】
6. (6−アミノ−5−クロロ−2−メチルピリミジン−4−イル)プロパンジニトリル(実施例番号272)
この物質は、実施例番号174の手順と同じように合成される。出発物質である4,5,6−トリクロロ−2−メチルピリミジンは、文献:H.Gershon、K.Dittmer、R.Braun、J.Org.Chem.1961、26、1874−1877頁において知られている方法に従って得られる。
【0151】
7. (6−アミノ−5−クロロ−2−tert−ブチルピリミジン−4−イル)プロパンジニトリル(実施例番号277)
この物質は、実施例番号174の手順と同じように合成される。出発物質である4,5,6−トリクロロ−2−tert−ブチルピリミジンは、文献:H.Gershon、K.Dittmer、R.Braun、J.Org.Chem.1961、26、1874−1877頁において知られている方法と同じようにして得られる。
【0152】
8. アンモニウム[6−アミノ−5−クロロ−2−(2,6−ジクロロフェニル)ピリミジン−4−イル](ジシアノ)メタニド(実施例番号371)
実施例番号174由来の化合物100mgを、アンモニア溶液(EtOH中2M、2ml)中に完全に溶解させ、減圧下で40℃にて蒸発によって濃縮し、得られた固体を乾燥させる。所望の生成物104mgが得られる。
【0153】
9. アンモニウム[6−アミノ−5−クロロ−2−フェニルピリミジン−4−イル](ジシアノ)メタニド(実施例番号288)
この物質は、実施例番号371の手順と同じように合成される。
【0154】
10. ナトリウム[6−アミノ−5−クロロ−2−(4−クロロフェニル)ピリミジン−4−イル](ジシアノ)メタニド(実施例番号304)
エタノール中に溶解させた実施例番号29由来の化合物に、化学量論量のナトリウムメチラートを加え、その後、減圧下で蒸発によって濃縮し、続いて乾燥させることによって、対応するナトリウム塩を得ることができる。
【0155】
11. アンモニウム[6−アミノ−5−クロロ−2−(4−クロロフェニル)ピリミジン−4−イル](ジシアノ)メタニド(実施例番号308)
この物質は、実施例番号371の手順と同じように合成される。
【0156】
12. アンモニウム[6−アミノ−5−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)ピリミジン−4−イル](ジシアノ)メタニド(実施例番号332)
この物質は、実施例番号371の手順と同じように合成される。
【0157】
以下の表1−4に記載されている化合物(番号1−463)は、上記合成例と同じようにして得られる。表5に記載されている化合物(番号464−585)は、合成例A1、段階Aと同じようにして得られる。
【0158】
表1−5において:
Me =メチル
Et =エチル
cBu =シクロブチル
cPr =シクロプロピル
iPr =イソプロピル
cHex=シクロヘキシル
tBu =tert−ブチル
Ph =フェニル
Vin =ビニル
Ac =アセチル
Hal =ハロゲン
【0159】
【表1】








【0160】
【表2】



【0161】
【表3】




【0162】
【表4】



【0163】
【表5】




方法:H−NMR(Bruker DRX−400、400MHz、294K、DMSO−d、TMS=0.0ppm)
【0164】
【表6】





【0165】
【表7】

方法:H−NMR(Bruker DRX−400、400MHz、294K、DMSO−d、TMS=0.0ppm)
【0166】
B.製剤実施例
a)粉剤組成物は、本発明による化合物10質量部および不活性物質としてタルク90質量部を混合し、インパクトミル中で粉砕することによって得られる。
【0167】
b)水中で容易に分散可能な水和剤は、本発明による化合物25質量部、不活性物質としてカオリン含有石英64質量部、湿潤剤および分散剤として、リグノスルホン酸カリウム10質量部およびナトリウムオレオイルメチルタウレート1質量部を混合し、ピンミル中で粉砕することによって得られる。
【0168】
c)水中で容易に分散可能な分散剤は、本発明による化合物20質量部を、アルキルフェノールポリグリコールエーテル((登録商標)Triton X 207)6質量部、イソトリデカノールポリグリコールエーテル(8EO)3質量部およびパラフィン系鉱物油(沸点範囲、例えば、約255から277℃超まで)71質量部と混合し、アトリションボールミル中で、5ミクロン未満の粉末度にまで粉砕することによって得られる。
【0169】
d)乳剤は、本発明による化合物15質量部、溶媒としてシクロヘキサノン75質量部および乳化剤としてオキシエチル化ノニルフェノール10質量部から得られる。
【0170】
e)顆粒水和剤は、
本発明による化合物75質量部、
リグノスルホン酸カルシウム10質量部、
ラウリル硫酸ナトリウム5質量部、
ポリビニルアルコール3質量部および
カオリン7質量部
を混合し、ピンミルを用いて粉砕し、流動床中、造粒液体としての水上に噴霧することによって、粉末を造粒することによって得られる。
【0171】
f)顆粒水和剤はまた、
本発明による化合物25質量部
ナトリウム2,2’−ジナフチルメタン−6,6’−ジスルホネート5質量部
ナトリウムオレオイルメチルタウレート2質量部、
ポリビニルアルコール1質量部、
炭酸カルシウム17質量部および
水50質量部
を、コロイドミルを用いて均質化および予備粉砕し、次いでビーズミルを用いて粉砕し、このようにして得られた懸濁液を、単一材料ノズルを用いて噴霧塔内で霧状化および乾燥させることによって得られる。
【0172】
C.生物学的実施例
出芽後の除草効果および作物適合性
単子葉および双子葉の雑草植物ならびに作物の種子を、木質繊維製ポット中の砂壌土の中に播種し、覆土し、温室の中で良好な生長条件下で栽培する。播種後2から3週目に、被験植物を単葉期で処理する。次いで、水和剤(WP)の形態でまたは乳剤(EC)として製剤化した本発明による化合物を、600から800l/haまで(換算)の水施用量を使用して、0.2重量%の湿潤剤を添加して、水性懸濁液または乳液として、植物の緑色部分の上に噴霧する。被験植物を、温室の中で最適生長条件下に約3週間放置した後、調製物の効果を、未処理の対照と比較して、視覚的に評価する(除草効果(%):100%の効果=植物の枯死、0%の効果=対照植物と同様)。
【0173】
表7の結果が示しているように、本発明の化合物は、広範囲の雑草および広葉雑草に関して、良好な出芽後除草効果を有する。例えば、化合物番号1および表1から4までの他の化合物は、マトリカリア・イノドラ(Matricaria inodora)、ポリュゴヌム(Polygonum)(ファロピア(Fallopia))コンウォルウルス(convolvulus)およびウェロニカ・ペルシカ(Veronica persica)などの有害植物に関して、出芽後に、1ヘクタール当たり0.32kg以下の活性物質の施用量で、少なくとも80%の非常に良好な除草効果を有する。同時に、本発明による化合物は、大麦、小麦、ライ麦、アワ、トウモロコシまたは米などのイネ科の作物を、出芽後方法において、高薬量の活性成分でさえも被害がない状態にしておく。その上、いくつかの物質は、大豆、綿花、菜種、甜菜またはジャガイモなどの双子葉植物の作物も保護する。本発明の化合物のうちのいくつかは、高選択性を示し、したがって、出芽後に、農業作物において望ましくない植物の生長を防除するのに適している。
【0174】
出芽前の除草効果および作物適合性
単子葉および双子葉の雑草植物ならびに作物の種子を、木質繊維製ポット中の砂壌土の中に播種し、覆土する。次いで、水和剤(WP)の形態でまたは乳剤(EC)として製剤化した本発明による化合物を、320g/ヘクタールに相当する施用量で、600から800l/haまで(換算)の水施用量で、0.2重量%の湿潤剤を添加して、水性懸濁液または乳液として、覆土の表面に施用する。
【0175】
処理後、ポットを温室の中に置き、被験植物に対して良好な生長条件下に保つ。被験植物への被害の視覚的な評点付けを、3週間の試験期間後に、未処理の対照と比較して実施する(除草効果(%):100%の効果=植物の枯死、0%の効果=対照植物と同様)。
【0176】
表6の結果が示しているように、本発明の化合物は、広範囲の雑草および広葉雑草に関して、良好な出芽前除草効果を有する。例えば、化合物番号9および表1から4までの他の化合物は、ホワイトマスタード(Sinapis alba)、カラスムギ(Avena fatua)、ステッラリア・メディア(Stellaria media)、イヌビエ(Echinochloa crus−galli)、イタリアンライグラス(Lolium multiflorum)、エノコログサ(Setaria viridis)、アブティロン・テオフラスティ(Abutilon theophrasti)、アマラントゥス・レトロフレクサス(Amaranthus retroflexus)およびノスズメノテッポウ(Alopecurus myosuroides)などの有害植物に関して、出芽前方法において、1ヘクタール当たり0.32kgの活性物質の施用量で、非常に良好な除草効果を有する。同時に、本発明による化合物は、大豆、綿花、菜種、甜菜およびジャガイモなどの双子葉植物の作物を、出芽前方法において、高薬量の活性成分でさえも被害がない状態にしておく。その上、いくつかの物質は、大麦、小麦、ライ麦、アワ、トウモロコシまたは米などのイネ科の作物も保護する。本発明の化合物のうちのいくつかは、高選択性を示し、したがって、出芽前に、農業作物において望ましくない植物の生長を防除するのに適している。
【0177】
【表8】



略語:
ABUTH アブティロン・テオフラスティ(Abutilon theophrasti)
ALOMY アロペクルス・ミオスロイデス(Alopecurus myosuroides)
AMARE アマラントゥス・レトロフレクサス(Amaranthus retroflexus)
LOLMU ロリウム・ムルティフロルム(Lolium multiflorum)
MATIN トリプレウロスペルマム・イノドラム(Tripleurospermum inodorum)
PHBPU イポモエア・プルプレア(Ipomoea purpurea)
POLCO ポリュゴヌム・コンウォルウルス(Polygonum convolvulus)
SETVI セタリア・ウィリディス(Setaria viridis)
VERPE ウェロニカ・ペルシカ(Veronica persica)
VIOTR ウィオラ・トリコロール(Viola tricolor)
【0178】
【表9】




略語:表6を参照のこと、さらに下記を追加:
ECHCG エキノクロア・クルス−ガリ(Echinochloa crus−galli)
STEME ステッラリア・メディア(Stellaria media)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中、基は以下の意味を有する:
は、1−3個の基Rで場合によって置換されているフェニルであり、Rは、互いに独立して、ハロゲン、カルボキシル、シアノ、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)ヒドロキシアルキル、(C−C)アルコキシアルキル、(C−C)ハロアルコキシアルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)ハロアルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)ハロアルキニル、ヒドロキシ、(C−C)アルコキシ、(C−C)ハロアルコキシ、(C−C)アルケニルオキシ、(C−C)ハロアルケニルオキシ、(C−C)アルキニルオキシ、(C−C)ハロアルキニルオキシ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)ハロアルキルチオ、(C−C)アルキルスルフィニル、(C−C)ハロアルキルスルフィニル、(C−C)アルキルスルホニル、(C−C)ハロアルキルスルホニル、(C−C)アルケニルチオ、(C−C)ハロアルケニルチオ、(C−C)アルケニルスルフィニル、(C−C)ハロアルケニルスルフィニル、(C−C)アルケニルスルホニル、(C−C)ハロアルケニルスルホニル、(C−C)アルキニルチオ、(C−C)ハロアルキニルチオ、(C−C)アルキニルスルフィニル、(C−C)ハロアルキニルスルフィニル、(C−C)アルキニルスルホニル、(C−C)ハロアルキニルスルホニル、(C−C)アルキルアミノ、(C−C)ジアルキルアミノ、(C−C)アルキルカルボニル、(C−C)アルコキシカルボニル、(C−C)アルキルアミノカルボニル、(C−C)ジアルキルアミノカルボニル、(C−C)トリアルキルシリル、フェニル、フェノキシまたは5−もしくは6−員の複素芳香環であり、フェニル環、フェノキシ環または5−もしくは6−員の複素芳香環はそれぞれ、互いに独立してR28から選択される1−3個の置換基で場合によって置換されており;または2個の隣接した基Rが一緒になって、基−OCHO−、−CHCHO−、OCHCHO−、−OCH(CH)O−、−OC(CHO−、−OCFO−、−CFCFO−、−OCFCFO−もしくは−CH=CH−CH=CH−を形成しており;または
1−3個の基Rで場合によって置換されている(C−C)−アルキルであり、Rは、互いに独立して、ハロゲン、(C−C)アルケニル、(C−C)ハロアルケニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)ハロアルコキシ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)ハロアルキルチオまたは場合によって置換されているアリールであり;または
1−3個の基Rで場合によって置換されている(C−C)−アルケニルであり、Rは、互いに独立して、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)ハロアルコキシ、(C−C)アルキルチオまたは(C−C)ハロアルキルチオであり;
は、H、F、Cl、Br、I、CN、NO、OR、SRまたはN(R)Rであり;Rは、H、(C−C)アルキルまたは(C−C)ハロアルキルであり、Rは、H、(C−C)アルキルまたは(C−C)ハロアルキルであり、RおよびRは、互いに独立して、Hまたは(C−C)アルキルであり;
は、Hであり、1−2個の基Rで場合によって置換されている(C−C)アルキルであり、1−2個の基R10で場合によって置換されている(C−C)アルケニルでありもしくは1−2個の基R11で場合によって置換されている(C−C)アルキニルであり;またはRは、C(=O)R12、NO、OR13、S(O)14、N(R15)R16もしくはN=C(R17)R18であり;
は、Hであり、1−2個の基Rで場合によって置換されている(C−C)アルキルでありもしくはC(=O)R12であり;または
およびRは一緒になって、基−(CH−、−(CH−、−CHCH=CHCH−もしくは−(CHO(CH−を形成しており、この基はそれぞれ、1−2個の基R19で場合によって置換されており;またはRおよびRは、基=C(R20)N(R21)R22もしくは=C(R23)OR24を形成しており;
ここで、基R、R10およびR11はそれぞれ、他から独立して、ハロゲン、(C−C)アルコキシ、(C−C)ハロアルコキシ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)ハロアルキルチオ、アミノ、(C−C)アルキルアミノ、(C−C)ジアルキルアミノまたは(C−C)アルコキシカルボニルであり;
12は、それぞれの場合に、他から独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシ、フェニル、フェノキシまたはベンジルオキシであり;
13は、H、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキルまたはCHR25C(O)OR26であり;
14は、(C−C)アルキルまたは(C−C)ハロアルキルであり;
15は、H、(C−C)アルキルまたはC(=O)R27であり;
16は、Hまたは(C−C)アルキルであり;
17は、Hであり、1−3個の基で場合によって置換されている(C−C)アルキルもしくはフェニルであり、この基は、互いに独立して、CH、ClもしくはOCHであり;
18は、Hもしくは(C−C)アルキルであり;またはR17およびR18は一緒になって、基−(CH−もしくは−(CH−を形成しており;
19は、それぞれの場合に、他から独立して、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)ハロアルコキシ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)ハロアルキルチオ、アミノ、(C−C)アルキルアミノ、(C−C)ジアルキルアミノまたは(C−C)アルコキシカルボニルであり;
20は、Hまたは(C−C)アルキルであり;
21およびR22は、互いに独立して、Hもしくは(C−C)アルキルであり;またはR21およびR22は一緒になって、基−(CH−、−(CH−、−CHCH=CHCH−もしくは−(CHO(CH−を形成しており;
23は、Hまたは(C−C)アルキルであり;
24は、(C−C)アルキルであり;
25は、H、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシ、フェニル、フェノキシまたはベンジルオキシであり;
26は、H、(C−C)アルキルまたは(C−C)アルコキシであり;
27は、H、(C−C)アルキルまたはベンジルであり;
28は、それぞれの場合に、他から独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)ハロアルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)ハロアルキニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)ハロアルコキシ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)ハロアルキルチオ、(C−C)アルキルスルフィニル、(C−C)アルキルスルホニル、(C−C)アルキルアミノ、(C−C)ジアルキルアミノ、(C−C)アルキルカルボニル、(C−C)アルコキシカルボニル、(C−C)アルキルアミノカルボニル、(C−C)ジアルキルアミノカルボニルまたは(C−C)トリアルキルシリルである。]
の化合物ならびにこのN−オキシドおよび農薬的に適した塩。
【請求項2】
基が以下の意味を有する:
は、1−3個の基Rで場合によって置換されているフェニルであり、Rは、互いに独立して、ハロゲン、カルボキシル、シアノ、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシアルキル、(C−C)ハロアルコキシアルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)ハロアルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)ハロアルキニル、ヒドロキシ、(C−C)アルコキシ、(C1−)ハロアルコキシ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)ハロアルキルチオ、(C−C)アルキルスルフィニル、(C−C)アルキルスルホニル、(C−C)アルキルアミノ、(C−C)ジアルキルアミノ、−OCHO−、−CHCHO−、−OCHCHO−、−OCH(CH)O−、−OC(CHO−、−OCFO−、−CFCFO−もしくは−OCFCFO−であり、ここで、最後に言及されている8個の置換基は、それぞれの場合に、2個の隣接した基Rによって形成されており;または
1−3個の基Rで場合によって置換されている(C−C)−アルキルであり、Rは、互いに独立して、ハロゲン、(C−C)アルケニル、(C−C)ハロアルケニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)ハロアルコキシ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)ハロアルキルチオもしくは場合によって置換されているフェニルであり;または
1−3個の基Rで場合によって置換されている(C−C)アルケニルであり、Rは、互いに独立して、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)ハロアルコキシ、(C−C)アルキルチオまたは(C−C)ハロアルキルチオであり;
は、H、F、Cl、Br、I、CNまたはNOであり;
は、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、C(=O)R12、OR13、N(R15)R16またはN=C(R17)R18であり;
は、Hであり、もしくは1−2個の基Rで場合によって置換されている(C−C)アルキルでありもしくはC(=O)R12であり;または
およびRは一緒になって、基−(CH−、−(CH−、−(CHO(CH−または=C(R20)N(R21)R22を形成しており;
ここで、基R、R10およびR11はそれぞれ、他から独立して、ハロゲン、(C−C)アルコキシ、(C−C)ハロアルコキシ、(C−C)アルキルチオ、(C−C)ハロアルキルチオ、アミノ、(C−C)アルキルアミノ、(C−C)ジアルキルアミノまたは(C−C)アルコキシカルボニルであり;
12は、それぞれの場合に、他から独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシ、フェニル、フェノキシまたはベンジルオキシであり;
13は、H、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキルまたはCHR25C(O)OR26であり;
15は、H、(C−C)アルキルまたはC(=O)R27であり;
16は、Hまたは(C−C)アルキルであり;
17は、Hであり、1−3個の基で場合によって置換されている(C−C)アルキルもしくはフェニルであり、この基は、互いに独立して、CH、ClもしくはOCHであり;
18は、Hもしくは(C−C)アルキルであり;またはR17およびR18は一緒になって、基−(CH−もしくは−(CH−を形成しており;
20は、Hまたは(C−C)アルキルであり;
21およびR22は、互いに独立して、Hもしくは(C−C)アルキルであり;またはR21およびR22は一緒になって、基−(CH−、−(CH−、−CHCH=CHCH−もしくは−(CHO(CH−を形成しており;
25は、H、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシ、フェニル、フェノキシまたはベンジルオキシであり;
26は、H、(C−C)アルキルまたは(C−C)アルコキシである、
請求項1に記載の式(I)の化合物ならびにこのN−オキシドおよび農薬的に適した塩。
【請求項3】
基が以下の意味を有する:
は、1−3個の基Rで場合によって置換されているフェニルであり、Rは、互いに独立して、ハロゲン、カルボキシル、シアノ、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)ハロアルコキシ、(C−C)アルキルアミノ、(C−C)ジアルキルアミノ、−OCHO−、−OCHCHO−もしくは−OCH(CH)O−であり、ここで、最後に言及されている3個の置換基は、それぞれの場合に、2個の隣接した基Rによって形成されており;または
1−3個の基Rで場合によって置換されている(C−C)アルキルであり、Rは、互いに独立して、ハロゲン、(C−C)アルコキシ、(C−C)ハロアルコキシもしくは非置換のフェニルでありもしくは1つまたは複数のハロゲンによって置換されているフェニルであり;または
1−3個の基Rで場合によって置換されている(C−C)アルケニルであり、Rは、互いに独立して、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシもしくは(C−C)ハロアルコキシであり;
は、F、Cl、Br、IまたはNOであり;
は、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、C(=O)R12であり、R12は、H、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシ、フェニル、フェノキシ、もしくはベンジルオキシでありまたはOR13であり、R13は、H、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキルもしくはCHR25C(O)OR26であり、R25は、H、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシ、フェニル、フェノキシもしくはベンジルオキシであり、R26は、H、(C−C)アルキルもしくは(C−C)アルコキシであり;
は、Hもしくは(C−C)アルキルであり;または
およびRは一緒になって、基−(CHO(CH−を形成している、
請求項1または2に記載の式(I)の化合物ならびにこのN−オキシドおよび農薬的に適した塩。
【請求項4】
基が以下の意味を有する:
は、1−3個の基Rで場合によって置換されているフェニルであり、Rは、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)ハロアルコキシ、(C−C)アルキルアミノ、(C−C)ジアルキルアミノ、−OCHO−、OCHCHO−もしくは−OCH(CH)O−であり;または
1−3個の基Rで場合によって置換されている(C−C)アルキルであり、Rは、互いに独立して、ハロゲン、(C−C)アルコキシもしくは(C−C)ハロアルコキシであり;または
1−3個の基Rで場合によって置換されている(C−C)アルケニルであり、Rは、互いに独立して、ハロゲン、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシもしくは(C−C)ハロアルコキシであり;
は、F、Cl、BrまたはIであり;
は、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、C(=O)R12であり、R12は、H、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシ、フェニル、フェノキシ、もしくはベンジルオキシであり、またはOR13であり、R13は、H、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキルもしくはCHR25C(O)OR26であり、R25は、H、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)アルコキシ、フェニル、フェノキシもしくはベンジルオキシであり、R26は、H、(C−C)アルキルもしくは(C−C)アルコキシであり;
は、Hもしくは(C−C)アルキルであり;または
およびRは一緒になって、基−(CHO(CH−を形成している、
請求項1または2に記載の式(I)の化合物ならびにこのN−オキシドおよび農薬的に適した塩。
【請求項5】
a)少なくとも1種の請求項1から4の一項または複数項に記載の式(I)の化合物またはこのN−オキシドおよび農薬的に適した塩ならびにb)作物保護には通例の助剤および添加剤を含む農薬組成物。
【請求項6】
a)少なくとも1種の請求項1から4の一項または複数項に記載の式(I)の化合物またはこのN−オキシドおよび農薬的に適した塩、b)1種または複数種の、成分a)とは異なる農薬活性成分、ならびに場合によってc)作物保護には通例の助剤および添加剤を含む農薬組成物。
【請求項7】
有効量の少なくとも1種の請求項1から4の一項または複数項に記載の式(I)の化合物またはこのN−オキシドおよび農薬的に適した塩が、植物、種子材料または植物が生長する地域に施用される、望ましくない植物を防除するためのまたは植物の生長を調節するための方法。
【請求項8】
請求項1から4の一項または複数項に記載の式(I)の化合物またはこのN−オキシドおよび農薬的に適した塩の、除草剤または植物生長調節剤としての使用。
【請求項9】
式(I)の化合物またはこのN−オキシドおよび農薬的に適した塩が、有害植物を防除するためまたは農作物における生長調節のために使用される、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
作物が、トランスジェニック作物であるまたは非トランスジェニック作物である、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
a)式(II)
【化2】

のハロゲン化合物を、式(III)HNRのアミンと反応させ[式中、Halは、ハロゲン原子であり、式(II)における基R、Rおよび式(III)における基R、Rは、請求項1から4の一項または複数項において、式(I)について記載されている。]、b)場合によって、工程a)における式(I)の化合物を通例の方法によってN−オキシドまたは農薬的に適した塩に変換させる、請求項1から4の一項または複数項に記載の式(I)の化合物またはこのN−オキシドおよび農薬的に適した塩を調製する方法。
【請求項12】
基RおよびRが、請求項1から4の一項または複数項において式(I)について記載されている、式(II)の化合物。

【公表番号】特表2012−521347(P2012−521347A)
【公表日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500129(P2012−500129)
【出願日】平成22年3月13日(2010.3.13)
【国際出願番号】PCT/EP2010/001600
【国際公開番号】WO2010/108611
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(507203353)バイエル・クロップサイエンス・アーゲー (172)
【氏名又は名称原語表記】BAYER CROPSCIENCE AG
【Fターム(参考)】