説明

ピンチバルブ

【課題】低圧で管路を閉とすることができ、簡素な構造で軽量化されたピンチバルブを提供する。
【解決手段】2つのバルブケース半体3の内周壁面側を対峙させて管路を形成するバルブケース2内に、前記2つのバルブケース半体3のそれぞれの内周壁面及び端部全周を覆うように配設され、管路方向に沿った直線状の端部は前記2つのバルブケース半体のフランジ部とともに挟着され、管路方向と直角方向の円弧状の端部は前記バルブケース半体3の端部で折り曲げられて前記バルブケース半体3などにより挟着され、全周の端部が抜け止めされた2枚の可撓性を有する薄膜4と、を含む手段からなるピンチバルブ1によって課題を実現できた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体や液体などが流動する管路を開閉するピンチバルブに関する。さらに詳しくは粉体や液体などの流体が流動する管路を、可撓性を有する薄膜によって開閉するピンチバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
伸縮性のチューブと、このチューブを気密に包囲するバルブ本体とで構成して前記チューブと前記バルブ本体との間であるパイロット部に圧縮空気を出入させることにより開閉するようにしたピンチバルブを作動させる装置であって、前記パイロット部に方向切換弁を介して真空源と圧縮空気源を並列的に接続して、前記方向切換弁の切換により、ピンチバルブを開く時には前記パイロット部を真空源に、また、前記ピンチバルブを閉じる時には前記パイロット部を圧縮空気源にそれぞれ接続するピンチバルブの作動装置に関する技術が開示されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、管体を有し、該管体を押圧することにより管路を閉止するピンチバルブにおいて、管路方向に垂直な面で切った前記管体の押圧されないときの開口部の管路断面形状が略紡錘形状であるピンチバルブの技術が開示されている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−133857号公報
【特許文献2】特開2005−207470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載のピンチバルブは、圧縮空気を圧入させて図7に示すようなチューブ11を圧縮させて管路10を閉塞させるが、チューブ11は断面が円形状であることによりチューブ11を押圧したときに円形状の中央部は内壁面が密着するが、両端部の折曲がる部位に図8に示すような空隙12が生じる。このため、チューブ11を圧縮空気で押圧しても空隙12である開口部が両端部に残存し完全な閉塞状態にならず流体の漏れが生じるという問題があった。
【0006】
また、押圧したチューブ11の両端部は、繰り返される圧縮によってチューブ11に亀裂が生じてきてチューブ11が破損するので耐久性に問題があった。
【0007】
圧縮空気の圧入又は空気の吸引減圧が、管路10を形成しているチューブ11に対して繰り返して行われるため、チューブ11がバルブ本体から剥離しないようにチューブ11のバルブ本体に対する固設方法が重要となるが、この固設方法が全く記載されていないため、使用による耐久性が著しく劣るという問題があった。
【0008】
さらに、管路10開のときに、真空状態にすることによって、チューブ11の外周壁部を拡張させ湾曲させて管路10の内径よりチューブの内径を大きくさせているので、流体が粉体の場合に粉体がチューブ11の湾曲部に滞留するという問題があった。
【0009】
特許文献2に記載のピンチバルブは、断面が円形状の管路の間に断面が略紡錘形状のピンチバルブを設置するため、流体が粉体である場合には粉体がピンチバルブ部に滞留しやすいという問題があった。
【0010】
断面が略紡錘形状のピンチバルブをばねの付勢力によって押圧して管路を閉とし、シリンダーの推力及び可撓性を有する断面が略紡錘形状の管体自体の復元力によって管路を開とするので、前記断面が略紡錘形状の管体の肉厚が厚くなり、このために前記管路の復元力を押圧できるバネの付勢力を必要とし、シリンダーも前記バネの付勢力より強い推進力を有するように設定する。これによって、エアー圧が高くなり、高い圧力用のエアー機器が使用されピンチバルブの構造が複雑になり、製造コストが高くなるという問題があった。
【0011】
また、前記可撓性を有する断面が略紡錘形状の管体の劣化が進行すると、前記略紡錘形状の管路の復元力が低下し管路が元の状態まで開かないという問題があった。
【0012】
管路を開閉する他の手段として、シャッターを使用する場合があるが、シャッター使用の場合は粉体のときに粉体のもれが発生するという問題や、シャッターの駆動源が必要になり構造が複雑になって重量が重くなるという問題があった。
【0013】
そこで、本発明の目的は、管路閉時には低圧で短時間で管路を閉とすることができ、管路開時には短時間で管路を一定の開口部を常に確保して開とすることができ、粉体が滞留することのない構造を有し、管路開閉時に開閉を繰り返す部材の端面が固設され、簡素な構造で軽量化されたピンチバルブを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
「発明が解決しようとする課題」に記載した課題を解決するために、請求項1にかかるピンチバルブ1の発明は、粉体や液体などの流体が流動する管路10を開閉するピンチバルブ1において、両端に管路10方向に沿ってL字に折曲されたフランジ部21を有する半円筒形状の2つのバルブケース半体3で、前記2つのバルブケース半体3の内周壁面側を対峙させて管路10を形成するバルブケース2と、前記2つのバルブケース半体3のそれぞれの内周壁面及び端部全周を覆うように配設され、管路10方向に沿った直線状の端部は前記2つのバルブケース半体3のフランジ部21とともに挟着され、管路10方向と直角方向の円弧状の端部は前記バルブケース半体3の端部で折り曲げられて前記バルブケース半体3などにより挟着され、全周の端部が抜け止めされた2枚の可撓性を有する薄膜4と、を含む手段からなることを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載のピンチバルブ1の発明は、粉体や液体などの流体が流動する管路10を開閉するピンチバルブ1において、前記ピンチバルブ1の両端部に配置した2つの輪状フランジ体5と、前記2つの輪状フランジ体5間に配設した、両端部に略U字型の円弧状フランジ体7を有し前記円弧状フランジ体7間のそれぞれの円弧の端部間に2本の棒状支持体8を有する構成からなる枠体6で、かつ1つの前記輪状フランジ体5に2つの前記円弧状フランジ体7が当接し、前記2つの円弧状フランジ体7を対峙させて形成した孔部に管路10を挿設する前記枠体6と、前記2つの対峙した枠体6の内側に配設され、両端に管路10方向に沿ってL字に折曲されたフランジ部21を有する半円筒形状の2つのバルブケース半体3で、前記2つのバルブケース半体3の内周壁面側を対峙させて管路10を形成するバルブケース2と、前記2つのバルブケース半体3のそれぞれの内周壁面及び端部全周を覆うように配設され、管路10方向に沿った直線状の端部は前記2つのバルブケース半体3のフランジ部21と前記棒状支持体8で挟着されて締結され、管路10方向と直角方向の円弧状の端部は前記バルブケース半体3の端部で折り曲げられて前記輪状フランジ体5、前記円弧状フランジ体7並びに前記バルブケース半体3とにより挟着され、全周の端部が抜け止めされた2枚の可撓性を有する薄膜4と、を含む手段からなることを特徴とする。
【0016】
請求項3に記載のピンチバルブ1の発明は、請求項1又は2において、前記2つのバルブケース半体3の外周面にそれぞれ圧縮流体圧入用及び圧縮流体吸引用の継手9を配設し、2つの継手9と2つの薄膜4とをそれぞれ対応させ、それぞれの継手9を通過して圧入される圧縮流体によりそれぞれ対応する薄膜4が、管路10方向と直角方向はバルブケース2が形成する管路10の直径の長さに亘り、管路10方向は前記輪状フランジ体5間の長さの50〜95%の長さに亘り平板形状で密着して管路を閉塞し、それぞれの継手9から圧縮流体を吸引することによりそれぞれ対応する薄膜4を前記バルブケース半体3の内周壁面に密着させて管路10を開とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明は、管路10を開閉するバルブとして管状のチューブ11でなくシート状の薄膜4を使用し、管路10閉のときは2枚のシート状の薄膜4が管路10の直径の幅で平板状に密着して管路10を閉塞するので、チューブ11の場合には図8に示すように圧縮したときに両端に空隙12という開口部が残存するのに対し、2枚のシート状の薄膜4の本発明では図5に示すように両端に開口部が残存せず完全に管路10を閉塞できるという効果を奏する。
【0018】
また、前記シート状の薄膜4の2枚をそれぞれバルブケース半体3の内周壁面側に覆設させて引張状態にして前記薄膜4のすべての端部を挟着させ固設させているため、薄膜4に外力を加えない状態でも薄膜4は管路を閉塞させる方向に変化する性質を有しており、かつ可撓性を有する薄膜であるので、管路閉塞時の圧縮流体圧は、例えば圧縮空気圧であると約0.02MPaでよいので、圧縮流体圧を大幅に下げられるという効果を奏する。
【0019】
2枚の薄膜4を密着させる圧力を低圧で設定できるため、ピンチバルブ1自体に対する高耐圧力や高強度を必要としない。例えば、管路10の内径が約8cmの大口径のピンチバルブ1で比較すると、従来のチューブ11を使用したピンチバルブ1の場合には、約0.7MPaの圧縮空気圧を必要とするので、ピンチバルブ1自体の耐圧力や強度を高めなければならず、材質を鋳物やステンレスにすると総重量が約30〜40kgになる。これに対して、本発明の場合は管路10の材質を高分子化合物とすることができるので総重量が約1kgである。したがって、チューブ11使用のピンチバルブ1に対して総重量を約1/30〜1/40まで軽量化できるという効果を奏する。
【0020】
微小な圧力で変動する薄膜4を使用しているので、シリンダーなどのアクチュエーターやバネを使用しないで管路10を開閉することができ、ピンチバルブ1としての構造が簡素であるという効果を奏する。
【0021】
薄膜4であるので追従性が高く、圧縮流体で加圧すると短時間に2枚の薄膜4が密着して管路10を漏れのないように完全に閉塞するので、計量検出時と管路10閉塞時との時間差がほとんどなく、かつ高い計量精度が得られるなどの計量効果が高まるという効果を奏する。
【0022】
開閉に使用するバルブ構造として、チューブのような円筒形状の構造でなく、2枚の薄膜4シートを対峙させた構造とし、吸引によってそれぞれのバルブケース半体3の内周壁面に密着させるので、ピンチバルブ1全開時に管路10は完全に一定の内径を確保した開となる。これによって、管路10の流路が狭まれることがなく、流体である粉体の滞留が生じないという効果を奏する。
【0023】
請求項2の発明は請求項1の発明と同じ効果を奏する。さらに、薄膜4の全周の端部を他の部位により挟着され締結しているので、圧縮流体の圧入又は吸引を繰り返しても薄膜4が剥離することはないという効果を奏する。
【0024】
請求項3の発明は請求項1または2と同じ効果を奏する。さらに、2枚のシート状の薄膜4それぞれに圧縮流体などの流出入用の継手9を設けたので、圧縮流体の圧入時の2枚の薄膜同士の密着完了や、圧縮流体吸引時におけるそれぞれの薄膜のバルブケース半体3への密着完了が短時間にできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の1実施例であるピンチバルブの平面概要図である。
【図2】図1におけるA−A断面の正面概要図である。
【図3】本発明の1実施例であるピンチバルブの側面概要図である。
【図4】図3におけるB−B断面の管路開状態の平面概要図である。
【図5】図3におけるB−B断面の管路閉状態の平面概要図である。
【図6】本発明の1実施例で圧縮流体を圧入して薄膜を拡張し管路を閉としたときの図1におけるA−A断面の正面概要図である。
【図7】管路がチューブの場合の管路開状態のチューブ断面概要図である。
【図8】管路がチューブの場合の管路閉状態のチューブ断面概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1、図2、図3及び図4で説明する。本発明であるピンチバルブ1は、ピンチバルブ1の両端部に配置した2つの輪状フランジ体5と、前記2つの輪状フランジ体5間に配設した、両端部に略U字型の円弧状フランジ体7を有し前記円弧状フランジ体7間の端部間に2本の棒状支持体8を有する構成からなる枠体6で、かつ1つの前記輪状フランジ体5に2つの前記円弧状フランジ体7が当接し、前記2つの円弧状フランジ体7を対峙させて形成した孔部に管路10を挿設する前記枠体6と、前記2つの対峙した枠体6の内側に配設され、両端に管路10方向に沿ってL字に折曲されたフランジ部21を有する半円筒形状の2つのバルブケース半体3で、前記2つのバルブケース半体3の内周壁面側を対峙させて管路10を形成するバルブケース2と、前記2つのバルブケース半体3のそれぞれの内周壁面及び端部全周を覆うように配設され、管路10方向に沿った直線状の端部は前記2つのバルブケース半体3のフランジ部21と前記棒状支持体8で挟着されて締結され、管路10方向と直角方向の円弧状の端部は前記バルブケース半体3の端部で折り曲げられて前記輪状フランジ体5、前記円弧状フランジ体7並びに前記バルブケース半体3とにより挟着され、全周の端部が抜け止めされた2枚の可撓性を有する薄膜4と、前記2つのバルブケース半体3の外周面にそれぞれ圧縮流体圧入用及び圧縮流体吸引用の継手9と、を含む手段からなる。
【0027】
本発明であるピンチバルブ1は、粉体や液体を流体とする管路10において、落下などにより管路10内を移送される流体を分離したり通過させるために管路10を開閉する。
【0028】
2つの輪状フランジ体5は、平らな輪状の形状を有し、輪状フランジ体5の内径は管路10の内径を略同一であり、輪状フランジ体5には他の管路10部品との接続用のボルト挿入用孔22及び他のピンチバルブ1部品との締結用のボルト挿入孔23が設けられている。そして、2つの輪状フランジ体5はそれぞれピンチバルブ1の両端部に配置される。
【0029】
枠体6は、両端部に略U字型の円弧状フランジ体7を有し前記円弧状フランジ体7間の円弧状の端部間に2本の棒状支持体8を有する構成からなり、前記円弧状フランジ体7には、他の管路10との接続用のボルト挿入用孔22及び輪状フランジ体5などとの締結用のボルト挿入孔23が設けられ、前記棒状支持体8には、前記枠体6同士の締結用のボルト挿入孔24が設けられている。そして、一つのピンチバルブ1に対し2個の枠体6が配備される。
【0030】
前記枠体6の両端部に構成された円弧状フランジ体7は、それぞれ輪状フランジ体5に片面を全面当接させてボルトナット33で締結され、前記円弧状フランジ体7の円弧形状の両端部で2つの円弧状フランジ体7を接続させる2本の棒状支持体8部において2つの枠体6同士をボルトナット34で締結する。また、ピンチバルブ1を管路10に配設するときは、ピンチバルブ1以外の他の構成部品とボルトナット32で締結する。
【0031】
これによって、側面視では略コ字形状の枠体6を2つ締結させることによって、側面視で略エ字形状となる。そして、前記2つの円弧状フランジ体7を対峙させて形成した孔部には管路10を挿設することができる。
【0032】
次に、バルブケース2について説明する。2つのバルブケース半体3の内周壁面側を対峙させて組み合わせることによってバルブケース2が形成され、前記バルブケース2は管路10を形成することができる。そして、バルブケース2の材質は、塩化ビニル、プラスチック、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、高分子材料などのうち圧縮流体などの圧力によっても変形しない材質であればよい。また、透明にすれば粉体などの流体の移送状況を観察することができる。
【0033】
バルブケース半体3の形状は、略半円筒形状で、前記略半円筒形状のうちの直線部の端部で略L字形に折曲されてフランジ部21が設けられ、前記略半円筒形状部には圧縮流体圧入用及び圧縮流体吸引用の継手9が螺入されている。
【0034】
前記バルブケース半体3のピンチバルブ1における配置は、前記2つのバルブケース半体3の内周壁面側を対峙させてバルブケース2を形成した状態で、前記2つの対峙した枠体6の内側に配設されて、前記バルブケース半体3の半円筒形状部のうち半円部の上下端が前記輪状フランジ体5の段付部40及び前記円弧状フランジ体7の内周面に当接され、2つのバルブケース半体3の前記フランジ部21同士を前記棒状支持体8によって挟着させボルトナット34で締結する。
【0035】
次に、薄膜4について説明する。薄膜4の材質は、例えばシリコンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム又はエチレンプロピレンゴムなどの合成ゴムなど可撓性を有する材質であればよい。
【0036】
薄膜4の配設は、前記2つのバルブケース半体3のそれぞれの内周壁面及び端部全周を覆うように配設され、管路10方向に沿った端部は、もう一方の薄膜4の端部及び前記2つのバルブケース半体3のフランジ部21とともに前記棒状支持体8により挟着されて締結され、管路10方向と直角方向の端部は前記バルブケース半体3の円弧状側の端部に沿って折り曲げられて前記バルブケース半体3と前記輪状フランジ体5とにより挟着され、さらに薄膜4の端部は延設され前記輪状フランジ体5と前記円弧状フランジ体7とにより挟着され、前記薄膜4の全周の端部が抜け止めされて配設されている。
【0037】
薄膜4は、管路10を閉状態にするときは、圧縮流体を薄膜4とバルブケース半体3との間に圧入させることによって、図5又は図6に示すように管路10の中央部まで拡張され2枚の薄膜4が平面状となって幅広い範囲で密着し管路10をすべて閉塞することができる。
【0038】
一方、薄膜4とバルブケース半体3との間に存する圧縮流体を吸引することによって真空状態にすることにより、図5又は図6に示すように管路10の中央部まで拡張され平面状であった2枚の薄膜4を、図2又は図4に示すように前記バルブケース半体3の内周壁面に凹状状態で密着させることができる。
【0039】
次に、本発明であるピンチバルブ1の使用について説明する。バルブケース2に螺設された継手9を通してバルブケース2内壁と薄膜4間に存する気体や液体などの流体を吸引して真空状態にし、図2又は図4に示すように薄膜4をバルブケース2内壁面に密着させる。これにより、管路10は全開状態となる。
【0040】
次に、管路10を閉状態にしたいときに、バルブケース2に螺設された継手9を通して約0.02MPaの低圧の圧縮流体を圧入させて、バルブケース2内壁と薄膜4間に圧縮流体を短時間に充満させて、図5又は図6に示すように2枚の薄膜4を密着させる。管路10は完全閉状態となる。
【0041】
以上、低圧の流体の圧入によって管路10を閉にし、前記圧入された流体の吸引によって完全開とすることができ、極めて簡素な構造で軽量化できたピンチバルブ1を製造することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 ピンチバルブ
2 バルブケース
3 バルブケース半体
4 薄膜
5 輪状フランジ体
6 枠体
7 円弧状フランジ体
8 棒状支持体
9 継手
10 管路
11 チューブ
12 空隙
21 フランジ部
22 ボルト挿入用孔
23 ボルト挿入用孔
24 ボルト挿入用孔
32 ボルトナット
33 ボルトナット
34 ボルトナット
40 段付部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体や液体などの流体が流動する管路を開閉するピンチバルブにおいて、両端に管路方向に沿ってL字に折曲されたフランジ部を有する半円筒形状の2つのバルブケース半体で、前記2つのバルブケース半体の内周壁面側を対峙させて管路を形成するバルブケースと、前記2つのバルブケース半体のそれぞれの内周壁面及び端部全周を覆うように配設され、管路方向に沿った直線状の端部は前記2つのバルブケース半体のフランジ部とともに挟着され、管路方向と直角方向の円弧状の端部は前記バルブケース半体の端部で折り曲げられて前記バルブケース半体などにより挟着され、全周の端部が抜け止めされた2枚の可撓性を有する薄膜と、を含む手段からなることを特徴とするピンチバルブ。
【請求項2】
粉体や液体などの流体が流動する管路を開閉するピンチバルブにおいて、前記ピンチバルブの両端部に配置した2つの輪状フランジ体と、前記2つの輪状フランジ体間に配設した、両端部に略U字型の円弧状フランジ体を有し前記円弧状フランジ体間のそれぞれの円弧の端部間に2本の棒状支持体を有する構成からなる枠体で、かつ1つの前記輪状フランジ体に2つの前記円弧状フランジ体が当接し、前記2つの円弧状フランジ体を対峙させて形成した孔部に管路を挿設する前記枠体と、前記2つの対峙した枠体の内側に配設され、両端に管路方向に沿ってL字に折曲されたフランジ部を有する半円筒形状の2つのバルブケース半体で、前記2つのバルブケース半体の内周壁面側を対峙させて管路を形成するバルブケースと、前記2つのバルブケース半体のそれぞれの内周壁面及び端部全周を覆うように配設され、管路方向に沿った直線状の端部は前記2つのバルブケース半体のフランジ部と前記棒状支持体で挟着されて締結され、管路方向と直角方向の円弧状の端部は前記バルブケース半体の端部で折り曲げられて前記輪状フランジ体、前記円弧状フランジ体並びに前記バルブケース半体とにより挟着され、全周の端部が抜け止めされた2枚の可撓性を有する薄膜と、を含む手段からなることを特徴とするピンチバルブ。
【請求項3】
前記2つのバルブケース半体の外周面にそれぞれ圧縮流体圧入用及び圧縮流体吸引用の継手を配設し、2つの継手と2つの薄膜とをそれぞれ対応させ、それぞれの継手を通過して圧入される圧縮流体によりそれぞれ対応する薄膜が、管路方向と直角方向はバルブケースが形成する管路の直径の長さに亘り、管路方向は前記輪状フランジ体間の長さの50〜95%の長さに亘り平板形状で密着して管路を閉塞し、それぞれの継手から圧縮流体を吸引することによりそれぞれ対応する薄膜を前記バルブケース半体の内周壁面に密着させて管路を開とすることを特徴とする請求項1または2に記載のピンチバルブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−220501(P2011−220501A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−92768(P2010−92768)
【出願日】平成22年4月14日(2010.4.14)
【出願人】(510104687)株式会社エキカ (1)