説明

ファイル利用状況判定システム

【課題】
ファイルの利用状況を判定するファイル利用状況判定システムを提供することを目的とする。
【解決手段】
クライアント端末の操作ログ情報を記憶する操作ログ情報記憶部と、各ファイルの関係性を示す情報を記憶するファイル関係性情報記憶部と、操作ログ情報記憶部に記憶する操作ログ情報と、ファイル関係性情報記憶部に記憶するファイルの関係性情報とを用いて、指定ファイルの利用状況を判定する利用状況判定部と、を有しており、利用状況判定部は、利用状況の判定対象として指定されたファイルに関係づけられた関係ファイルをファイル関係性情報記憶部を参照することで特定し、指定ファイル、特定した関係ファイルの操作ログ情報を操作ログ情報記憶部から検索することで、指定ファイル、関係ファイルの利用状況を判定し、それらの判定結果を用いて、指定ファイルの最終的な利用状況を判定する、ファイル利用状況判定システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータで利用されるファイルについて、その利用状況を判定するファイル利用状況判定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業などの組織では多数のファイルが業務などで利用されている。そのためそれらのファイルを放置しておくと、ファイルが多数になり無駄な記憶領域を使用するとともに、必要なファイルが見つけにくくなるという欠点がある。そこで、適当なタイミングを見計らって、不要なファイルを整理することが行われる。
【0003】
たとえば広報部は当該企業で販売する製品のパンフレットを作成し、そのパンフレットは営業部などにより顧客に配られる。このパンフレットを作成する際には、たとえばパンフレットのデータファイルを広報部が作成し、そのデータファイルに基づいて営業部が必要に応じて印刷業者に対して印刷を依頼するなどにより行われる。しかし新製品が増えたり、製品がバージョンアップするなどの様々な理由から当該パンフレットの内容も変更される。従ってかつて使用されていたパンフレットのデータファイルは時間が経過するにつれて必要性が乏しくなる。そのためかつてのパンフレットのデータファイルを広報部は削除しようとするが、そのデータファイルがもうすでに不要になっているのかどうかは営業部に確認しないとわからない。しかし営業部にそのような確認をとるのは煩雑でもあることから、結局、当該パンフレットのデータファイルを削除せずにそのまま残しておくことが多い。その結果として、不要なデータファイルの数が増えてしまい、記憶領域を圧迫し、また必要なファイルが見つけにくくなるといった弊害が生じてしまう。
【0004】
そのためファイルが利用されているのか、その利用状況を判定するシステムが望まれており、下記特許文献1及び特許文献2に、そのようなシステムが開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2005−242557号公報
【特許文献2】特開2004−259023号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記各特許文献によるシステムを用いた場合、ファイルの編集、印刷など、ファイルに対する直接的操作が行われた場合に、アクセスログなどに基づいて当該ファイルに対する利用状況を判定することが可能となり、その点において有益である。
【0007】
しかしこれらの各特許文献及びそのほかの従来技術を用いたとしても、当該ファイルそのものに対する操作をそのファイルの利用状況として判定しているに過ぎない。たとえばファイルAの内容の一部がファイルBにコピーされ、その後に、ファイルBの印刷操作が行われた場合、ファイルBの利用状況しか判定されない。そのためファイルBにはファイルAの内容の一部が含まれているにもかかわらず、ファイルBの印刷操作により、ファイルAの利用状況は加味されないこととなる。
【0008】
このことは、次のような問題をはらんでいる。たとえばマーケティングの基礎データのファイルがあり、その基礎データを用いて販売用のパンフレットのファイルを作成した場合、販売用のパンフレットのファイルは頻繁に利用されるので、そのファイルの利用状況は高くなるが、マーケティングの基礎データのファイルそのものが利用されるのは、販売用のパンフレットのファイルの作成時だけであることから、ほとんど利用されない。しかし、実際にはそのマーケティングの基礎データが含まれた販売用のパンフレットのファイルが頻繁に利用されていることからも明らかなように、マーケティングの基礎データが含まれたファイルも同じように重要なファイルのはずである。
【0009】
しかし上記特許文献のように、アクセスログに基づいて当該ファイルに対する利用状況しか判定していない従来のシステムでは、販売用のパンフレットのファイルの利用状況は高いと判定できるが、マーケティングの基礎データのファイルは利用状況が低いと判定されてしまう。そのため利用状況の判定結果を見たユーザがマーケティングの基礎データのファイルを重要ではないファイルとして誤認して削除してしまったり、そのファイルの内容を無断で更新してしまう可能性がある。その場合、あまり利用はされないが重要なデータが含まれたマーケティングの基礎データのファイルを消失してしまうこととなり、その損害は著しい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで本願発明者は上記課題に鑑み、単に操作ログに基づいてファイルの利用状況を判定するのではなく、ファイルの関係性をも加味してファイルの利用状況を判定するファイル利用状況判定システムを発明した。
【0011】
第1の発明は、ファイルの利用状況を判定するファイル利用状況判定システムであって、前記ファイル利用状況判定システムは、クライアント端末の操作ログ情報を記憶する操作ログ情報記憶部と、各ファイルの関係性を示す情報を記憶するファイル関係性情報記憶部と、前記操作ログ情報記憶部に記憶する操作ログ情報と、前記ファイル関係性情報記憶部に記憶するファイルの関係性情報とを用いて、指定ファイルの利用状況を判定する利用状況判定部と、を有しており、前記利用状況判定部は、利用状況の判定対象として指定されたファイルに関係づけられた関係ファイルを前記ファイル関係性情報記憶部を参照することで特定し、前記指定ファイル、前記特定した関係ファイルの操作ログ情報を前記操作ログ情報記憶部から検索することで、前記指定ファイル、前記関係ファイルの利用状況を判定し、それらの判定結果を用いて、前記指定ファイルの最終的な利用状況を判定する、ファイル利用状況判定システムである。
【0012】
従来のファイルの利用状況の判定システムは、判定対象となったファイルそのものに対する操作のみを用いていたが、本発明の構成を取ることによって、判定対象となった指定ファイルに関係づけられている関係ファイル、たとえば指定ファイルの内容の一部または全部が貼り付けられている関係ファイルの利用状況をも加味することで、指定ファイルの利用状況を判定することが可能となる。これにより、重要なファイルであるがあまり利用されないファイルについて、誤って削除してしまうといった可能性を減らすことができる。
【0013】
上述の発明において、ファイルの利用状況の判定は、以下のように行うこともできる。すなわち、前記利用状況判定部は、前記指定ファイルのファイル識別情報に基づいて前記ファイル関係性情報記憶部を参照することで、前記指定ファイルの一部または全部が使用された関係ファイルのファイル識別情報を特定し、前記指定ファイルのファイル識別情報とあらかじめ定められた操作内容とを含む操作ログ情報を、前記操作ログ情報記憶部の操作ログ情報から検索することで、前記指定ファイルの利用状況を示す操作ログ情報として特定し、前記関係ファイルのファイル識別情報とあらかじめ定められた操作内容とを含む操作ログ情報を、前記操作ログ情報記憶部の操作ログ情報から検索することで、前記関係ファイルの利用状況を示す操作ログ情報として特定し、前記特定した指定ファイルの操作ログ情報と関係ファイルの操作ログ情報とを用いて、前記指定ファイルの最終的な利用状況を判定する、ファイル利用状況判定システムのように構成することもできる。
【0014】
このように構成することで、指定ファイルと関係ファイルに対して所定の操作が行われた操作ログ情報を特定することができ、その操作ログ情報に基づいてそれらのファイルの利用状況を判定して、指定ファイルの利用状況の判定に用いることが可能となる。
【0015】
また上述の発明において、ファイルの利用状況の判定は、以下のように行うこともできる。すなわち、前記利用状況判定部は、前記指定ファイルのファイル識別情報に基づいて前記ファイル関係性情報記憶部を参照することで、前記指定ファイルの一部または全部が使用された関係ファイルのファイル識別情報を特定し、前記指定ファイルのファイル識別情報とあらかじめ定められた操作内容とを含む操作ログ情報を、前記操作ログ情報記憶部の操作ログ情報から検索することで、前記指定ファイルの利用状況を示すポイントを算出し、前記関係ファイルのファイル識別情報とあらかじめ定められた操作内容とを含む操作ログ情報を、前記操作ログ情報記憶部の操作ログ情報から検索することで、前記関係ファイルの利用状況を示すポイントを算出し、前記指定ファイルの利用状況を示すポイントと関係ファイルの利用状況を示すポイントとを用いて、前記指定ファイルの最終的な利用状況を示すポイントを算出する、ファイル利用状況判定システムのように構成することもできる。
【0016】
このように構成することで、指定ファイルと関係ファイルに対して所定の操作が行われた操作ログ情報を特定することができ、その操作ログ情報に基づいてそれらのファイルの利用状況をポイントを用いて判定して、指定ファイルの利用状況の判定に用いることが可能となる。またポイントという客観的な指標値を用いているので、各操作によってその利用状況の度合いを変化させて評価することが可能となる。
【0017】
更に上述の発明において、ファイルの利用状況の判定は、以下のように行うこともできる。すなわち、前記利用状況判定部は、前記指定ファイルのファイル識別情報に基づいて前記ファイル関係性情報記憶部を参照することで、前記指定ファイルの一部または全部が使用された関係ファイルのファイル識別情報を特定し、前記指定ファイルのファイル識別情報とあらかじめ定められた操作内容とを含む操作ログ情報を、前記操作ログ情報記憶部の操作ログ情報から検索することで、前記指定ファイルの利用状況を示すポイントを算出し、前記関係ファイルのファイル識別情報とあらかじめ定められた操作内容とを含む操作ログ情報を、前記操作ログ情報記憶部の操作ログ情報から検索することで、前記関係ファイルの利用状況を示すポイントと前記指定ファイルの利用状況を示すポイントを算出し、前記指定ファイルの利用状況を示すポイントと関係ファイルの利用状況を示すポイントとを用いて、前記指定ファイルの最終的な利用状況を示すポイントを算出する、ファイル利用状況判定システムのように構成することもできる。
【0018】
このように構成することで、指定ファイルと関係ファイルに対して所定の操作が行われた操作ログ情報を特定することができ、その操作ログ情報に基づいてそれらのファイルの利用状況をポイントを用いて判定して、指定ファイルの利用状況の判定に用いることが可能となる。またポイントという客観的な指標値を用いているので、各操作によってその利用状況の度合いを変化させて評価することが可能となる。更に、関係ファイルの利用状況を示す操作ログ情報の際に、指定ファイルのポイントも算出することによって、指定ファイルのポイントの比重を大きくすることが可能となる。
【0019】
加えて上述のポイントを用いた場合において、利用状況の判定は、以下のように行うこともできる。すなわち、前記利用状況判定部は、前記関係ファイルの操作ログ情報に基づいて前記指定ファイルの利用状況のポイントを算出する際に、前記指定ファイルのデータが前記関係ファイルに貼り付けられたデータ量に応じて、前記指定ファイルの利用状況のポイントを算出する、ファイル利用状況判定システムである。
【0020】
関係ファイルは指定ファイルのデータの一部または全部が貼り付けられているファイルである。そのため関係ファイルが利用されることによって、指定ファイルの貼り付けられたデータ量の分だけ、指定ファイルも利用されたと見なすこともできる。そこで本発明のように構成してもよい。
【0021】
上述の発明において、ファイルの関係性は以下のように記憶させることができる。すなわち、前記ファイル利用状況判定システムは、更に、前記操作ログ情報記憶部に記憶した操作ログ情報を用いて、ファイルの一部または全部がほかのファイルに使用されたことを特定して、ファイルの関係性を前記ファイル関係性情報記憶部に記憶させるファイル関係性情報判定部、を有するファイル利用状況判定システムのように構成することができる。
【0022】
また上述のファイル利用状況判定システムは、以下のプログラムをコンピュータ端末に読み込ませて処理することにより構成される。すなわち、コンピュータ端末を、所定の記憶領域に記憶するクライアント端末の操作ログ情報と、所定の記憶領域に記憶する各ファイルの関係性を示す関係性情報とを用いて、指定ファイルの利用状況を判定する利用状況判定部、として機能させるファイル利用状況判定プログラムであって、前記利用状況判定部は、利用状況の判定対象として指定されたファイルに関係づけられた関係ファイルを、前記所定の記憶領域に記憶したファイルの関係性情報を参照することで特定し、前記指定ファイル、前記特定した関係ファイルの操作ログ情報を、前記所定の記憶領域に記憶した操作ログ情報から検索することで、前記指定ファイル、前記関係ファイルの利用状況を判定し、それらの判定結果を用いて、前記指定ファイルの最終的な利用状況を判定する、ファイル利用状況判定プログラムのように構成することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明のファイル利用状況判定システムを用いることによって、単に操作ログに基づいてファイルの利用状況を判定するのではなく、ファイルの関係性をも加味してファイルの利用状況を判定することが可能となる。そのため重要なファイル(ほかのファイルにその内容の一部または全部(ファイルそのもの)がコピーされている)であるが、あまり利用されないファイルについても、ファイルの重要性や保存の必要性を的確に判定することが可能となるので、そのようなファイルが誤って削除されてしまう可能性を減らすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明のファイル利用状況判定システム1の全体の概念図を図1に示す。またファイル利用状況判定システム1のシステム構成の一例の概念図を図2に示す。
【0025】
本発明のファイル利用状況判定システム1は、各クライアント端末3を管理する管理者が利用するコンピュータ端末またはサーバ(以下、「管理サーバ2」という)において、所定のプログラムやモジュールが処理されることにより実現されることが好ましい。管理サーバ2は、各クライアント端末3においてどのようなプログラム(アプリケーションを含む)、ファイルが実行されているのかを記憶、管理する。
【0026】
そのため、各クライアント端末3には、当該クライアント端末3において実行されているアプリケーション名、ファイル名などの情報を定期的に、あるいは新たなアプリケーションやファイルを実行した場合または終了した場合などの所定のタイミングで、クライアント端末3から管理サーバ2にそのアプリケーション名やファイル名の情報を送信する機能を備えていることが好適である。アプリケーション名やファイル名の情報を送信する機能は、クライアント端末3の演算装置20で実行しているアプリケーション名やファイル名を抽出したり、メモリ内のアプリケーション名やファイル名を抽出して送信すればよい。つまりいわゆる操作ログ情報をクライアント端末3から管理サーバ2に送信すればよい。
【0027】
管理サーバ2は、プログラムの演算処理を実行するCPUなどの演算装置20と、情報を記憶するRAMやハードディスクなどの記憶装置21と、演算装置20の処理結果や記憶装置21に記憶する情報をインターネットやLANなどのネットワークを介して送受信する通信装置24とを有している。コンピュータ上で実現する各機能(各手段)は、その処理を実行する手段(プログラムやモジュールなど)が演算装置20に読み込まれることでその処理が実行される。各機能は、記憶装置21に記憶した情報をその処理において使用する場合には、該当する情報を当該記憶装置21から読み出し、読み出した情報を適宜、演算装置20における処理に用いる。当該コンピュータには、キーボードやマウスやテンキーなどの入力装置23、モニターなどの表示装置22を有していても良い。図3に管理サーバ2のハードウェア構成の一例を模式的に示す。また、管理サーバ2は、複数のコンピュータ端末(クライアント端末3も含まれる)またはサーバに、その機能が分散配置されていても良い。
【0028】
本発明における各手段は、その機能が論理的に区別されているのみであって、物理上あるいは事実上は同一の領域を為していても良い。
【0029】
ファイル利用状況判定システム1における管理サーバ2は、操作ログ情報取得部4と操作ログ情報記憶部5とファイル関係性情報判定部6とファイル関係性情報記憶部7と利用状況判定部8と結果出力部9とを有する。
【0030】
操作ログ情報取得部4は、各クライアント端末3から定期的にまたは不定期に、当該クライアント端末3における操作ログ情報を取得する。取得した操作ログ情報は、後述する操作ログ情報記憶部5に、その日時、どのクライアント端末3における操作ログ情報であるかを識別する情報と共に、記憶させる。なお操作ログ情報としては、各クライアント端末3における操作内容を示す情報であればよく、例えば「コピー」、「貼り付け」、「ファイル選択」、「ドライブ追加」、「保存」、「削除」、「移動」、「メール添付」、「ファイルオープン」、「ファイルクローズ」など、当該クライアント端末3のユーザの操作を示す情報、当該クライアント端末3における実行状況を示す情報などが該当する。また、管理サーバ2が各クライアント端末3から操作ログ情報を取得する際にはネットワークを介して取得しても良いし、操作ログ情報がクライアント端末3においてDVDなどの記録媒体に記録され、その記録媒体が管理サーバ2に読み取られ、そこから操作ログ情報を読み込むことによって取得しても良い。
【0031】
操作ログ情報記憶部5は、操作ログ情報取得部4で各クライアント端末3から取得した操作ログ情報を記憶する。操作ログ情報には、ユーザを識別する情報、クライアント端末3を識別する情報、操作内容を示す情報、操作内容の操作対象となったファイルやアプリケーションの名称、当該ファイルやアプリケーションの所在位置を示す情報、日時または日時を数値化した情報などが含まれていることが好ましいが、すべてでなくとも一部のみであっても良い。図5に操作ログ情報の一例を模式的に示す。なお操作ログ情報は、各クライアント端末3またはそのユーザ(ログイン名など)ごとに記憶することが好ましい。なお操作内容を示す情報を日時などに対応づける場合には、クライアント端末3で行っても良いし、操作ログ情報を管理サーバ22で受け取った際に行っても良いし、或いは操作ログ情報記憶部5で記憶した際に行っても良い。図6に操作ログ情報記憶部5の一例を模式的に示す。
【0032】
ファイル関係性情報判定部6は、所定のタイミングまたは、管理サーバ2の操作者、クライアント端末3からのユーザの操作による要求を受け付けることにより、ファイルの関係性を操作ログ情報取得部4で取得した操作ログ情報または操作ログ情報記憶部5に記憶する操作ログ情報に基づいて判定し、それを後述するファイル関係性情報記憶部7に記憶させる。ここでファイルの関係性とは、ファイルの内容の一部または全部がほかのファイルに貼り付けられていることを示す関係、またはファイル自体がほかのファイルとして複製されていることを示す関係である。これを模式的に図7に示す。
【0033】
ファイルの関係性を判定するには以下のような処理を実行することで判定可能である。つまり、あるファイル(「ファイルA」とする)の内容の一部がほかのファイル(「ファイルB」とする)に貼り付けられる操作とは、ファイルAの内容の一部または全部のデータに対してコピー操作が行われることにより、そのデータがクリップボードなどのメモリ上の一時記憶領域に記憶され、ファイルBに対して、クリップボードからの貼り付け操作が行われることで実行される。
【0034】
なおファイルの関係性を判定するには以下のような処理を実行することで判定しても良い。つまり、あるファイル(「ファイルA」とする)がほかのファイルとして複製される操作とは、ファイルA自体に対してコピー操作が行われることにより、ファイルA全体のデータがクリップボードなどのメモリ上の一時記憶領域に記憶され、新しいファイルBとして、クリップボードからの貼り付け操作が行われることで実行される。
【0035】
これらを操作ログ情報を用いて判定するには以下のような方法があるが、これに限定されない。
【0036】
まず操作ログ情報記憶部5に記憶する操作ログ情報のうち、その操作内容が「コピー」操作である操作ログ情報を特定し(これがコピー元の操作ログ情報となる)、その特定した操作ログ情報から、ファイル名などのファイル識別情報、クライアント端末名などのクライアント端末識別情報またはログイン名(ユーザ名)などのユーザ識別情報を抽出する。そして当該コピー操作以降の所定時間内(たとえば60秒以内、5分以内など)または所定数内の操作ログ情報(たとえばコピー操作から10以内の操作ログ情報)であって、クライアント端末識別情報またはユーザ識別情報がコピー操作の操作ログ情報と同一であり、その操作内容が「貼り付け」操作である操作ログ情報を、クリップボードから貼り付けられた操作ログ情報であるとして判定する。そしてその操作ログ情報におけるファイル識別情報が、貼り付けられたファイルのファイル識別情報である。
【0037】
なおクリップボードには複数のデータが貼り付けられている場合もある。そのような場合も考慮した判定処理とするには、まず操作ログ情報記憶部5に記憶する操作ログ情報のうち、その操作内容が「貼り付け」操作である操作ログ情報を特定し(これが貼り付け先の操作ログ情報となる)、その特定した操作ログ情報から、ファイル識別情報、クライアント端末識別情報またはユーザ識別情報を抽出する。この際に、貼り付け対象としてクリップボードで選択したデータの順番情報(クリップボードにコピーされたデータの順序関係を示す情報)、日時情報またはファイル識別情報に基づいて、コピー元の操作ログ情報を特定する。
【0038】
たとえばクリップボードにデータA、データB、データCが新しい順に3つ記憶されており、ユーザが一番古いデータC(最新から3番目のデータ)を、貼り付け先となるファイルに貼り付ける場合には、操作ログ情報のうち、操作内容が「コピー」操作であり、クライアント端末3識別情報またはユーザ識別情報が同一である操作ログ情報を抽出する。そして抽出した操作ログ情報のうち、前記特定した操作ログ情報から3つ前(順番情報により、貼り付けられたデータはクリップボードのうち最新から3番目のデータなので)の操作ログ情報をコピー元の操作ログ情報として特定し、そのファイル識別情報を抽出する。
【0039】
このようにユーザがクリップボードにおいて貼り付け対象としたデータの、クリップボードにおける順番情報を用いることで、コピー元の操作ログ情報、貼り付け先の操作ログ情報を特定することができる。
【0040】
なおクリップボードにおけるデータに、そのデータをクリップボードにコピーした日時情報やそのコピー元となったファイルのファイル識別情報が対応づけて記憶されている場合には、順番情報のほかに、日時情報やファイル識別情報を用いて、コピー元のファイルのファイル識別情報を含む操作ログ情報を特定してもよい。つまりクリップボードにおいてユーザに選択された、貼り付け対象となるデータに対応づけられているファイル識別情報や日時情報に基づいて、それと同一のファイル識別情報や、同一または近似の日時情報を含む操作ログ情報と、「コピー」操作の操作内容とを含む操作ログ情報を、操作ログ情報記憶部5から検索できる。
【0041】
上述のクリップボードにおける各データの順番情報、日時情報、ファイル識別情報などのデータ識別情報については、どのデータを貼り付けるデータとして選択したのかを示すデータ識別情報を、各クライアント端末3においてコピー操作、貼り付け操作などが行われた場合に、そのクライアント端末3から操作ログ情報とともに、あるいは操作ログ情報とは別に取得しており、それを記憶しており、それを処理に用いる。
【0042】
以上のようにしてファイル関係性情報判定部6は、コピー元のファイルと、貼り付け先のファイルとの関係性情報を判定し、後述するファイル関係性情報記憶部7に記憶させる。なお関係づけられた時点、たとえば貼り付け元のファイルにクリップボードのデータが貼り付けられた日時情報、コピー元のファイルからクリップボードにデータがコピーされた日時情報などの情報を、上述の各操作ログ情報に基づいて判定し、ファイル関係性情報記憶部7に記憶させている。図8の場合では、コピー元のファイルが「ファイルA」、貼り付け先のファイルが「ファイルB」、関係づけられた時点が「2007年9月5日15時53分」となる。
【0043】
ファイル関係性情報記憶部7は、コピー元のファイルと、貼り付け先のファイルとの関係性情報と、各ファイルが関係づけられた時点を示す情報(日時情報など)を対応づけて記憶している。図9にファイル関係性情報記憶部7の一例を示す。ファイル関係性情報記憶部7は、上記に加え、コピー元のファイルから貼り付け先のファイルに貼り付けられたデータ量、例えばデータサイズ、文字数、行数などを記憶していても良い。
【0044】
ファイル関係性情報判定部6における処理は、利用状況判定部8における処理より前に実行されていることが好ましいが、利用状況判定部8における処理と並行して実行されてもよい。
【0045】
利用状況判定部8は、任意のクライアント端末3から利用状況の判定処理の開始要求を受け付けると、あるいは管理サーバ2において利用状況の判定処理の開始要求を受け付けると、各ファイルについての利用状況の判定処理を実行する。たとえばクライアント端末3からファイルAの利用状況の判定処理の開始要求を受け付けると、指定されたファイル(指定ファイル)であるファイルAの利用状況判定処理を、ファイル関係性情報記憶部7に記憶したファイル関係性情報と、操作ログ情報記憶部5に記憶した操作ログ情報とに基づいて判定する。なお指定ファイルとして一つのファイルが指定されてもよいし、複数のファイルが指定されてもよい。またディレクトリが指定されてもよいし(この場合は当該ディレクトリ内及びそのディレクトリ以下の階層の一部またはすべてのファイルが指定ファイルとなる)、ドライブが指定されてもよい(この場合は当該ドライブ内に記憶する一部またはすべてのファイルが指定ファイルとなる)。
【0046】
利用状況判定部8における利用状況判定処理について、指定ファイルとしてファイルAが指定された場合を説明する。
【0047】
クライアント端末3または管理サーバ2で、指定ファイルの利用状況判定処理の開始要求を受け付けると、その指定ファイルであるファイルAの内容の一部または全部が貼り付けられていると思われるファイル(関係ファイル)のファイル識別情報と、関係づけられた時点の情報とを、ファイル関係性情報記憶部7から抽出する。ファイル関係性情報記憶部7が図9の場合、指定ファイル(ファイルA)と同一のファイル識別情報を有するファイル識別情報がファイル関係性情報記憶部7のコピー先のファイルのファイル識別情報に存在するかを検索し、存在する場合には、それに対応づけられている貼り付け先のファイルが関係ファイルとなる。従ってファイルAが指定ファイルの場合、ファイルB及びファイルCがファイルAの関係ファイルとなる。そしてファイルAがファイルBに関係づけられた時点の情報として「2007年9月5日15時53分」、ファイルAがファイルCに関係づけられた時点の情報として「2007年9月12日16時10分」の情報を抽出する。
【0048】
そして利用状況判定処理の開始要求の受付時点(受付日時)から所定日時前(たとえば一週間、一ヶ月など)までの操作ログ情報記憶部5に記憶する操作ログ情報のうち、指定ファイルであるファイルAに対する操作ログ情報が存在するかを検索する。またこれと並行して、関係ファイルであるファイルB、ファイルCに対する操作ログ情報が存在するかを検索する。ただし関係ファイルについては、受付時点から所定日時前に限定されるのではなく、関係ファイル(ファイルB、ファイルC)が指定ファイル(ファイルA)に対応づけられた時点から受付時点までの操作ログ情報に対して検索を行う。これは指定ファイルに関係づけられる前の操作ログ情報を検索したとしても、関係ファイルに指定ファイルの内容の一部または全部が貼り付けられていないため、当該関係ファイルに対する操作によって指定ファイルが利用されたと判定することは好ましくないからである。
【0049】
従って指定ファイルであるファイルAは、所定日時前から受付時点までの操作ログ情報記憶部5に記憶する操作ログ情報のうち、ファイル識別情報が「ファイルA」であり、その操作内容が、利用状況としてあらかじめ定められた操作内容である操作ログ情報を検索する。この利用状況としてあらかじめ定められた操作内容としては、「印刷」、「コピー」、「メール添付」などが該当し、これらを利用状況判定部8で記憶している。これを模式的に図10に示す。
【0050】
そして所定日時前から受付時点までの操作ログ情報記憶部5に記憶する、ファイルAに対する操作ログ情報として、利用状況としてあらかじめ定められた操作内容を含む操作ログ情報がいくつあるかをカウントすることで、指定ファイルであるファイルAに対する利用状況を判定する。
【0051】
関係ファイルであるファイルBに対しては、ファイルBがファイルAに関係づけられた時点「2007年9月5日15時53分」から受付時点までの操作ログ情報記憶部5に記憶する操作ログ情報のうち、ファイル識別情報が「ファイルB」であり、その操作内容が、利用状況としてあらかじめ定められた操作内容である操作ログ情報を検索する。そしてファイル名が「ファイルB」であって、利用状況としてあらかじめ定められた操作内容を含む操作ログ情報がいくつあるかをカウントすることで、関係ファイルであるファイルBに対する利用状況を判定する。
【0052】
また同様に、関係ファイルであるファイルCに対しては、ファイルCがファイルAに関係づけられた時点「2007年9月12日16時10分」から受付時点までの操作ログ情報記憶部5に記憶する操作ログ情報のうち、ファイル識別情報が「ファイルC」であり、その操作内容が、利用状況としてあらかじめ定められた操作内容である操作ログ情報を検索する。そしてファイル名が「ファイルC」であって、利用状況としてあらかじめ定められた操作内容を含む操作ログ情報がいくつあるかをカウントすることで、関係ファイルであるファイルCに対する利用状況を判定する。
【0053】
そして指定ファイルであるファイルAの利用状況(カウントした操作ログ情報の数)と、関係ファイルであるファイルB、ファイルCの利用状況(カウントした操作ログ情報の数)とに基づいて、指定ファイルAの最終的な利用状況を判定する。たとえばファイルAの利用状況とファイルBの利用状況とファイルCの利用状況とをそのまま合計し、ファイルAの最終的な利用状況を算出する。
【0054】
たとえば操作ログ情報が図11の場合、指定ファイルであるファイルAに対しては利用状況が「4」、関係ファイルであるファイルB、ファイルCに対しては利用状況が「3」であると判定できるので、指定ファイルであるファイルAの最終的な利用状況として「7」と判定する。
【0055】
なお指定ファイルの最終的な利用状況を算出するにあたり、指定ファイルの利用状況と関係ファイルの利用状況に所定の係数を乗して算出してもよい。
【0056】
なお上記では、あらかじめ定められた操作内容を含む操作ログ情報の数をカウントすることで指定ファイル、関係ファイルの利用状況を判定したが、「閲覧回数」(「ファイルオープン」の操作ログ情報の数をカウント)、「閲覧時間」(閲覧時間は「ファイルオープン」の操作ログ情報から、それに対応する「ファイルクローズ」の操作ログ情報の時間を算出)、により利用状況を判定してもよい。この場合、指定ファイルであるファイルAの上記期間内における通算の閲覧回数または閲覧時間、関係ファイルであるファイルBの上記期間内における通算の閲覧回数または閲覧時間を判定し、それらを合計するなどして指定ファイルであるファイルAの最終的な利用状況を判定する。
【0057】
結果出力部9は、利用状況判定部8において判定した指定ファイルの最終的な利用状況が、利用状況が高いか低いかを判定するための条件を充足している場合には、利用状況が高いと判定し、条件を充足していない場合には利用状況が低いと判定し、その結果を出力する。また利用状況が低い指定ファイル、利用状況が高い指定ファイルのファイル識別情報、記憶領域の所在情報などを表示してもよい。
【0058】
たとえば上述の場合、指定ファイルであるファイルAの最終的な利用状況が「7」であり、利用状況が高いと判定するための条件が「5」の場合、ファイルAの利用状況は高いと判定して、その判定結果を出力する。また利用状況が高いと判定するための条件が「10」の場合、ファイルAの利用状況は低いと判定して、その判定結果を出力する。
【0059】
なお結果出力部9は、利用状況判定部8において判定した指定ファイルの最終的な利用状況が所定の条件を充足しているかを判定せずに、利用状況判定部8で判定した最終的な利用状況をそのまま判定結果として出力しても良い。また最終的な利用状況のみならず、指定ファイルの利用状況、関係ファイルの利用状況とを分けて判定結果として出力しても良い。
【0060】
判定結果の出力は、ファイル利用状況判定処理の開始要求を行ったクライアント端末3または管理サーバ2にその結果を結果出力部9が送信し、クライアント端末3の表示装置22または管理サーバ2の表示装置22でその結果を表示させる。
【実施例1】
【0061】
次に本発明のファイル利用状況判定システム1の処理プロセスの一例を図4のフローチャート、図2の概念図などを用いて説明する。なおファイル関係性情報はすでにファイル関係性情報記憶部7に記憶されているとする。
【0062】
クライアント端末3から指定ファイルとして選択された「ファイルA」の利用状況判定処理の開始要求を受け付けると(S100)、利用状況判定部8は、「ファイルA」の関係ファイルと、それぞれの関係ファイルに関係づけられた時点の情報とを、ファイル関係性情報記憶部7から抽出する(S110)。ファイル関係性情報記憶部7が図9の場合、指定ファイル「ファイルA」の関係ファイル「ファイルB」とその関係づけられた時点の情報「2007年9月5日15時53分」、指定ファイル「ファイルA」の関係ファイル「ファイルC」とその関係づけられた時点の情報「2007年9月12日16時10分」とを抽出する。
【0063】
そして操作ログ情報記憶部5に記憶する操作ログ情報のうち、開始要求を受け付けた時点から所定期間前までの操作ログ情報であって、ファイル識別情報が「ファイルA」であり、その操作内容が利用状況としてあらかじめ定められた操作内容である操作ログ情報の数をカウントする。また同様に、「2007年9月5日15時53分」から開始要求を受け付けた時点までの操作ログ情報であって、ファイル識別情報が「ファイルB」であり、その操作内容が利用状況としてあらかじめ定められた操作内容である操作ログ情報の数をカウントする。そして同様に、「2007年9月12日16時10分」から開始要求を受け付けた時点までの操作ログ情報であって、ファイル識別情報が「ファイルC」であり、その操作内容が利用状況としてあらかじめ定められた操作内容である操作ログ情報の数をカウントする。
【0064】
そしてこれらの指定ファイル、関係ファイルの各ファイルに対する利用状況を操作ログ情報記憶部5に記憶した操作ログ情報に基づいて判定すると(S120)、結果出力部9で指定ファイル「ファイルA」に対する利用状況の判定結果を出力する。上述の場合、指定ファイル「ファイルA」の利用状況が「4」であり、関係ファイル「ファイルB」、「ファイルC」の利用状況が「3」であるので、指定ファイル「ファイルA」の最終的な利用状況は「7」である。そして結果出力部9はこの最終的な利用状況と、あらかじめ定められた条件(たとえば「5以上」)と比較する。するとこの場合は、高い利用状況であると判定する条件を充足するので、指定ファイル「ファイルA」は利用状況が高いことを示す結果を当該クライアント端末3に送信して、その表示を表示装置22で行う(S130)。
【0065】
なお上述の利用状況の判定では操作ログ情報の数をカウントすることによって判定したが、上述のように指定ファイル、関係ファイルの「閲覧回数」、「閲覧時間」などによって判定することも可能である。
【実施例2】
【0066】
上述の実施例1では利用状況の判定処理に際し、操作ログ情報の数をカウントする、閲覧回数、閲覧時間などに基づいて判定する場合を説明したがポイントなどの指標値を用いてもよい。
【0067】
この場合、利用状況判定部8では、利用状況としてあらかじめ定められた操作内容とそれに対応づけられたポイントとの対応表(テーブルなど)を記憶している。この対応表の一例を図12に示す。
【0068】
このように操作内容に対応づけられたポイントを用いて指定ファイル、関係ファイルの利用状況を判定することによって、各操作内容によって、その重み付けの評価を行うことが可能となる。
【0069】
たとえば操作ログ情報記憶部5に記憶した操作ログ情報が図13の場合には、指定ファイル「ファイルA」のポイントとして「6.5ポイント」(=1+2+0.5+2+1)(閲覧時間が「5分」なので0.5ポイントを算出)、関係ファイル「ファイルB」のポイントとして「7ポイント」(=2+5)、関係ファイル「ファイルC」のポイントとして「2ポイント」を算出する。そしてこれら指定ファイル、関係ファイルの各利用状況のポイントに基づいて、指定ファイル「ファイルA」の利用状況の最終的なポイントを算出する。たとえば「15.5ポイント」(=6.5+7+2)を算出する。
【0070】
この場合においても指定ファイル、関係ファイルの各ポイントについて所定の係数などを乗した上で最終的なポイントを算出してもよい。
【0071】
このようにして指定ファイル「ファイルA」の利用状況の最終的なポイントを算出すると、結果出力部9は、あらかじめ定められた条件(たとえば「14ポイント以上」)と比較する。この場合、指定ファイル「ファイルA」のポイントが高いので条件を充足しており、指定ファイル「ファイルA」は利用状況が高いと判定可能である。
【実施例3】
【0072】
上述の実施例2では、関係ファイルの操作ログ情報の判定の際に、関係ファイルのみのポイントを加算していたが、さらに指定ファイルのポイントも加算してもよい。つまり関係ファイルBに対する操作ログ情報の利用状況を判定した場合に、単にファイルBに対するポイントを加算するのではなく、さらに指定ファイルであるファイルAについてもポイントを加算する。たとえば関係ファイル「ファイルB」に「2ポイント」が加算される場合、指定ファイル「ファイルA」にも「2ポイント」を加算する。
【0073】
この場合、操作ログ情報記憶部5に記憶した操作ログ情報が実施例2と同様とすると、図14のように、指定ファイル「ファイルA」、関係ファイル「ファイルB」、「ファイルC」の各ポイントが算出できる。図14の場合、指定ファイル「ファイルA」のポイントとして「ポイント」(=1+2+0.5+2+2+5+2+1)(閲覧時間が「5分」なので15.5ポイントを算出)、関係ファイル「ファイルB」のポイントとして「7ポイント」(=2+5)、関係ファイル「ファイルC」のポイントとして「2ポイント」を算出する。そしてこれら指定ファイル、関係ファイルの各利用状況のポイントに基づいて、指定ファイル「ファイルA」の利用状況の最終的なポイントを算出する。たとえば「24.5ポイント」(=15.5+7+2)を算出する。
【0074】
なお関係ファイルに対してポイントを加算する条件を満たした場合に指定ファイルに対しても加算する場合、関係ファイルに対して加算するポイントと指定ファイルに対して加算するポイントが同一であってもよいし、異なっていてもよい。たとえば加算ファイルに「2ポイント」が加算される場合、指定ファイルに「1ポイント」(2ポイントの半分)を加算してもよい。
【0075】
またクライアント端末3において、クリップボードから貼り付けたデータが、貼り付け先のファイルのデータの比率に応じて、上記加算するポイントを変更することも可能である。たとえばファイルAのデータの一部がクリップボードにコピーされ、そのデータがクリップボードからファイルBに貼り付けられた場合、貼り付けられたデータ(ファイルAの一部のデータ)がファイルBのデータの十分の一の量であった場合、関係ファイルに対して加算するポイントの十分の一のポイントを指定ファイルに加算するようにしてもよい。たとえば2ポイントがファイルBに加算される場合、0.2ポイントがファイルAに加算される。
【0076】
なおクリップボードのデータが貼り付け先のファイルに貼り付けられた場合に、貼り付けられたデータが貼り付け先のファイルのどの程度の量を占めているかを示す情報は、たとえばクリップボードのデータ量(データサイズ)と貼り付け先のファイルのデータ量(データサイズ)とを比較したり、貼り付けられたデータの行数と、貼り付け先のファイルの前データの行数とを比較する、など、様々な方法で算出可能である。なおこれらの情報は、貼り付けられたことを示す操作ログ情報とともに、当該クライアント端末3から管理サーバ2に送信され、それが記憶されている。
【0077】
たとえばファイルA(指定ファイル)のデータの一部がクリップボードにコピーされ、そのデータがファイルB(関係ファイル)、ファイルC(関係ファイル)に貼り付けられたとする。そして貼り付けられたデータが、ファイルBではファイルB全体の十分の一のデータ量であり、ファイルCではファイルC全体の五分の一であったとする。そうすると実施例3と同一の例では、図15に示すように、指定ファイル「ファイルA」のポイントとして「7.6ポイント」(=1+2+0.5+2+0.2+0.5+0.4+1)、関係ファイル「ファイルB」のポイントとして「7ポイント」(=2+5)、関係ファイル「ファイルC」のポイントとして「2ポイント」を算出する。そしてこれら指定ファイル、関係ファイルの各利用状況のポイントに基づいて、指定ファイル「ファイルA」の利用状況の最終的なポイントを算出する。たとえば「16.6ポイント」(=7.6+7+2)を算出する。
【0078】
このようにして指定ファイル「ファイルA」の利用状況の最終的なポイントを算出すると、結果出力部9は、あらかじめ定められた条件(たとえば「14ポイント以上」)と比較する。この場合、指定ファイル「ファイルA」のポイントが高いので条件を充足しており、指定ファイル「ファイルA」は利用状況が高いと判定可能である。
【実施例4】
【0079】
上述の実施例1乃至実施例3では、指定ファイルに対する関係ファイルとして、指定ファイルから直接コピーされたファイルのみを関係ファイルとしていたが(ファイルAのデータが貼り付けられたファイルB、ファイルCのみを関係ファイルとしていたが)、さらに関係ファイルから貼り付けられたファイルも新たな関係ファイルとしてもよい。たとえばファイルAのデータがクリップボードを介してファイルBに貼り付けられ、ファイルBのデータがクリップボードを介してさらにファイルDに貼り付けられた場合、指定ファイル「ファイルA」の関係ファイルとして、「ファイルB」、「ファイルC」、「ファイルD」としてもよい。なおこの場合、指定ファイルから直接貼り付けられたファイル(ファイルB、ファイルC)を第一関係ファイル、関係ファイルから貼り付けられたファイル(ファイルD)を第二関係ファイルとして、その世代が明確になるように区別してもよい。従って、たとえば第二関係ファイルから貼り付けられたファイルを第三関係ファイルとなる。
【0080】
ファイル関係性情報記憶部7は、各ファイルについてのコピー元のファイルと貼り付け先のファイル、そして関係づけられた時点の情報とを記憶している。そのため指定ファイルがたとえば「ファイルA」の場合、第一関係ファイルとして「ファイルB」、「ファイルC」が判定でき、第二関係ファイルとして「ファイルB」がコピー元である「ファイルD」が判定できる。
【0081】
以上のようにして判定した各関係ファイル、指定ファイルについて、実施例1乃至実施例3と同様の利用状況判定処理を実行することが可能となる。
【0082】
たとえば実施例1と同様に、操作ログ情報の数に基づいて判定した場合には、指定ファイル「ファイルA」の利用状況として「4」、第一関係ファイルの「ファイルB」の利用状況として「2」、「ファイルC」の利用状況として「1」、第二関係ファイルの「ファイルD」の利用状況として「1」を判定する。従って指定ファイル「ファイルA」の最終的な利用状況として「8」(=4+2+1+1)として判定できる。これを結果出力部9に渡し、所定条件との比較処理を実行する。これを模式的に示すのが図16である。
【0083】
また実施例2と同様に、ポイントに基づいて判定した場合には、指定ファイル「ファイルA」の利用状況のポイントとして「6.5ポイント」(=1+2+0.5+2+1)、第一関係ファイルの「ファイルB」の利用状況のポイントとして「7ポイント」(=2+5)、「ファイルC」の利用状況のポイントとして「2ポイント」、第二関係ファイルの「ファイルD」の利用状況のポイントとして「7」を判定する。従って指定ファイル「ファイルA」の最終的な利用状況のポイントとして「22.5」(=6.5+7+2+7)として判定できる。これを模式的に示すのが図17である。
【0084】
更に実施例3と同様に、関係ファイルにポイントが加算される場合に指定ファイルのポイントを加算する場合には、指定ファイル「ファイルA」の利用状況のポイントとして「22.5ポイント」(=1+2+0.5+2+2+5+7+2+1)、第一関係ファイルの「ファイルB」の利用状況のポイントとして「7ポイント」(=2+5)、「ファイルC」の利用状況のポイントとして「2ポイント」、第二関係ファイルの「ファイルD」の利用状況のポイントとして「7」を判定する。従って指定ファイル「ファイルA」の最終的な利用状況のポイントとして「38.5」(=22.5+7+2+7)として判定できる。これを模式的に示すのが図18である。
【0085】
また実施例3と同様に、関係ファイルにポイントが加算される場合に指定ファイルに重み付けがされて加算されてもよい。たとえば「ファイルB」に加算する際には「ファイルA」に十分の一を、「ファイルC」に加算する際には「ファイルA」に五分の一を、「ファイルD」に加算する際には四分の一を、それぞれ乗したポイントとしてもよい。そうすると、指定ファイル「ファイルA」の利用状況のポイントとして「9.35ポイント」(=1+2+0.5+2+0.2+0.5+1.75+0.4+1)、第一関係ファイルの「ファイルB」の利用状況のポイントとして「7ポイント」(=2+5)、「ファイルC」の利用状況のポイントとして「2ポイント」、第二関係ファイルの「ファイルD」の利用状況のポイントとして「7」を判定する。従って指定ファイル「ファイルA」の最終的な利用状況のポイントとして「25.35」(=9.35+7+2+7)として判定できる。これを模式的に示すのが図19である。
【0086】
以上のようにして指定ファイル「ファイルA」の利用状況の最終的なポイントを算出すると、結果出力部9は、あらかじめ定められた条件(たとえば「14ポイント以上」)と比較する。この場合、指定ファイル「ファイルA」のポイントが高いので条件を充足しており、指定ファイル「ファイルA」は利用状況が高いと判定可能である。
【実施例5】
【0087】
加えて実施例2乃至実施例4において、利用状況判定部8で記憶する、利用状況としてあらかじめ定められた操作内容に対応づけられたポイントを、世代間によって区別してもよい。たとえば指定ファイルについては指定ファイルの場合のポイント、第一関係ファイルの場合には第一関係ファイルの場合のポイント、第二関係ファイルの場合には第二関係ファイルの場合のポイント、といったように、同一の操作内容であっても指定ファイル、関係ファイル、あるいは関係ファイルの世代によって異なっていてもよい。この場合の対応表の一例を図20に示す。
【実施例6】
【0088】
上述の実施例1乃至実施例5において、利用状況判定部8における指定ファイル、関係ファイルの利用状況の判定の際に、指定ファイルまたは関係ファイルのファイル名と「ファイル削除」の操作内容を含む操作ログ情報を検索したときには、当該削除されたファイルについての利用状況を減らすようにしてもよい。たとえば指定ファイルの「ファイルA」の利用状況のポイントが「10」であり、関係ファイルの「ファイルB」の利用状況のポイントが「8」、「ファイルC」の利用状況のポイントが「2」で、「ファイルC」が削除された場合には、ファイルCの利用状況のポイントを用いずに、指定ファイル「ファイルA」の最終的な利用状況のポイントとして「18」(=10+8)として算出する。あるいは削除される「ファイルC」の利用状況のポイントに所定の係数を乗算して算出してもよい。たとえば係数として「0.5」を用いる場合には、「ファイルA」の最終的な利用状況のポイントして「19」(=10+8+2×0.5)として算出してもよい。
【実施例7】
【0089】
上述の実施例1乃至実施例6では管理サーバ2においてその処理が実行される場合を説明したが、これらの機能がクライアント端末3、管理サーバ2において適宜、分散配置されていても良い。
【0090】
なお分散配置のバリエーションには様々なパターンがあり、如何なる配置形態であっても良い。これらの場合、各クライアント端末3における処理の際に、管理サーバ2の各機能を利用する場合にはその問い合わせを当該クライアント端末3から管理サーバ2に対して行い、その結果を当該クライアント端末3における処理に用いる。そしてその処理結果をクライアント端末3で実行することとなる。
【0091】
また分散配置するほかにも、すべての機能がクライアント端末3、管理サーバ2などの一台のコンピュータ端末で実行されていても良い。
【実施例8】
【0092】
上述の各機能がすべてのクライアント端末3に備えられていても良い。すなわち、操作ログ情報取得部4、操作ログ情報記憶部5、ファイル関係性情報判定部6、ファイル関係性情報記憶部7、利用状況判定部8、結果出力部9をクライアント端末3が備えていても良い。
【0093】
この場合、クライアント端末3においてファイルが指定されると、その指定ファイルに関係する関係ファイルを、ファイル関係性情報判定部6がファイル関係性情報記憶部7に基づいて判定する。そして指定ファイルと関係ファイルに基づいて、利用状況判定部8が、それらのファイルの利用状況を操作ログ情報記憶部5に記憶する操作ログ情報に基づいて判定し、指定ファイルの最終的な利用状況を判定する。そしてその結果を結果出力部9が出力する。
【0094】
また本実施例において、操作ログ情報記憶部5、ファイル関係性情報判定部6、ファイル関係性情報記憶部7が管理サーバ2に備えられており、それ以外の機能がクライアント端末3に備えられていても良い。
【0095】
この場合、各クライアント端末3は、その操作ログ情報を管理サーバ2に送信しており、それが操作ログ情報記憶部5に記憶されている。そしてクライアント端末3においてファイルが指定されると、その指定ファイルに対する関係ファイルの判定要求が、クライアント端末3から管理サーバ2に、その指定ファイルのファイル識別情報とともに送信され、ファイル関係性情報判定部6は、そのファイル識別情報に基づいて、指定ファイルに対応する関係ファイルを、ファイル関係性情報記憶部7から抽出する。そして関係ファイルのファイル識別情報をクライアント端末3に返す。そして、その結果を受け取ったクライアント端末3の利用状況判定部8は、指定ファイルと関係ファイルのファイル識別情報を管理サーバ2に送信することによって、指定ファイルと関係ファイルの操作ログ情報を操作ログ情報記憶部5から取得する。そして取得した操作ログ情報に基づいて、利用状況判定部8は、指定ファイルと関係ファイルの利用状況を判定し、それに基づいて指定ファイルの最終的な利用状況を判定する。そしてその結果を結果出力部9が出力する。
【0096】
更に、ファイル関係性情報記憶部7のみが管理サーバ2に備えられており、それ以外の各機能はクライアント端末3に備えられていても良い。
【0097】
この場合、各クライアント端末3では操作ログ情報を操作ログ情報記憶部5に記憶している。そしてクライアント端末3においてファイルが指定されると、ファイル関係性情報判定部6は、その指定ファイルに対する関係ファイルのファイル識別情報を管理サーバ2に送信し、指定ファイルに対応する関係ファイルのファイル識別情報を、管理サーバ2のファイル関係性情報記憶部7から取得する。そして、クライアント端末3は、指定ファイルと取得した関係ファイルのファイル識別情報に基づいて、指定ファイルと関係ファイルの利用状況の判定処理を実行する。すなわち利用状況判定部8は、指定ファイルと関係ファイルのファイル識別情報に基づいて、指定ファイルと関係ファイルの操作ログ情報を操作ログ情報記憶部5から取得する。そして取得した操作ログ情報に基づいて、利用状況判定部8は、指定ファイルと関係ファイルの利用状況を判定し、それに基づいて指定ファイルの最終的な利用状況を判定する。そして指定ファイルの最終的な利用状況を結果出力部9が出力する。
【0098】
加えて、操作ログ情報記憶部5、利用状況判定部8が管理サーバ2に備えられており、それ以外の各機能はクライアント端末3に備えられていても良い。
【0099】
この場合、各クライアント端末3は、その操作ログ情報を管理サーバ2に送信しており、それが操作ログ情報記憶部5に記憶されている。そしてクライアント端末3においてファイルが指定されると、ファイル関係性情報判定部6は、その指定ファイルに対する関係ファイルを、その指定ファイルのファイル識別情報に基づいてファイル関係性情報記憶部7から取得する。そして、ファイル関係性情報判定部6で判定した関係ファイルと指定ファイルのファイル識別情報をクライアント端末3から管理サーバ2に送信することによって、管理サーバ2の利用状況判定部8は、クライアント端末3から取得した指定ファイルと関係ファイルのファイル識別情報に基づいて指定ファイルと関係ファイルの操作ログ情報を操作ログ情報記憶部5から取得する。そして取得した操作ログ情報に基づいて、利用状況判定部8は、指定ファイルと関係ファイルの利用状況を判定し、それに基づいて指定ファイルの最終的な利用状況を判定する。そしてその結果をクライアント端末3に送信し、結果出力部9が出力する。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明のファイル利用状況判定システム1を用いることによって、単に操作ログに基づいてファイルの利用状況を判定するのではなく、ファイルの関係性をも加味してファイルの利用状況を判定することが可能となる。そのため重要なファイル(ほかのファイルにその内容の一部または全部がコピーされている)であるが、あまり利用されないファイルについてもファイルの重要性や保存の必要性を的確に判定することが可能となるので、そのようなファイルが誤って削除されてしまう可能性を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の全体の概念を示す概念図である。
【図2】本発明のシステム構成の一例を模式的に示す概念図である。
【図3】ハードウェア構成の一例を模式的に示す概念図である。
【図4】本発明の処理プロセスの一例を模式的に示すフローチャートである。
【図5】操作ログ情報の一例を模式的に示す図である。
【図6】操作ログ情報記憶部の一例を模式的に示す図である。
【図7】ファイルが関係づけられることを示す概念図である。
【図8】操作ログ情報を用いてファイルが関係づけられることを判定する処理を模式的に示す図である。
【図9】ファイル関係性情報記憶部の一例を模式的に示す図である。
【図10】利用状況として判定する操作内容の一例を模式的に示す図である。
【図11】操作ログ情報を用いて利用状況を判定する処理を模式的に示す図である。
【図12】操作内容と利用状況のポイントとが対応づけられた対応表を模式的に示す図である。
【図13】実施例2において、操作ログ情報を用いて利用状況をポイントにより判定する処理を模式的に示す図である。
【図14】実施例3において、操作ログ情報を用いて利用状況をポイントにより判定する処理を模式的に示す図である。
【図15】実施例3において、操作ログ情報を用いて利用状況をポイントにより判定する処理のほかの例を模式的に示す図である。
【図16】実施例4において、操作ログ情報を用いて利用状況を判定する処理を模式的に示す図である。
【図17】実施例4において、操作ログ情報を用いて利用状況をポイントにより判定する処理を模式的に示す図である。
【図18】実施例4において、操作ログ情報を用いて利用状況をポイントにより判定する処理のほかの例(実施例3の場合)を模式的に示す図である。
【図19】実施例4において、操作ログ情報を用いて利用状況をポイントにより判定する処理のほかの例(実施例3の場合)を模式的に示す図である。
【図20】ファイル関係性情報記憶部のほかの一例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0102】
1:ファイル利用状況判定システム
2:管理サーバ
3:クライアント端末
4:操作ログ情報取得部
5:操作ログ情報記憶部
6:ファイル関係性情報判定部
7:ファイル関係性情報記憶部
8:利用状況判定部
9:結果出力部
20:演算装置
21:記憶装置
22:表示装置
23:入力装置
24:通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファイルの利用状況を判定するファイル利用状況判定システムであって、
前記ファイル利用状況判定システムは、
クライアント端末の操作ログ情報を記憶する操作ログ情報記憶部と、
各ファイルの関係性を示す情報を記憶するファイル関係性情報記憶部と、
前記操作ログ情報記憶部に記憶する操作ログ情報と、前記ファイル関係性情報記憶部に記憶するファイルの関係性情報とを用いて、指定ファイルの利用状況を判定する利用状況判定部と、を有しており、
前記利用状況判定部は、
利用状況の判定対象として指定されたファイルに関係づけられた関係ファイルを前記ファイル関係性情報記憶部を参照することで特定し、
前記指定ファイル、前記特定した関係ファイルの操作ログ情報を前記操作ログ情報記憶部から検索することで、前記指定ファイル、前記関係ファイルの利用状況を判定し、それらの判定結果を用いて、前記指定ファイルの最終的な利用状況を判定する、
ことを特徴とするファイル利用状況判定システム。
【請求項2】
前記利用状況判定部は、
前記指定ファイルのファイル識別情報に基づいて前記ファイル関係性情報記憶部を参照することで、前記指定ファイルの一部または全部が使用された関係ファイルのファイル識別情報を特定し、
前記指定ファイルのファイル識別情報とあらかじめ定められた操作内容とを含む操作ログ情報を、前記操作ログ情報記憶部の操作ログ情報から検索することで、前記指定ファイルの利用状況を示す操作ログ情報として特定し、
前記関係ファイルのファイル識別情報とあらかじめ定められた操作内容とを含む操作ログ情報を、前記操作ログ情報記憶部の操作ログ情報から検索することで、前記関係ファイルの利用状況を示す操作ログ情報として特定し、
前記特定した指定ファイルの操作ログ情報と関係ファイルの操作ログ情報とを用いて、前記指定ファイルの最終的な利用状況を判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のファイル利用状況判定システム。
【請求項3】
前記利用状況判定部は、
前記指定ファイルのファイル識別情報に基づいて前記ファイル関係性情報記憶部を参照することで、前記指定ファイルの一部または全部が使用された関係ファイルのファイル識別情報を特定し、
前記指定ファイルのファイル識別情報とあらかじめ定められた操作内容とを含む操作ログ情報を、前記操作ログ情報記憶部の操作ログ情報から検索することで、前記指定ファイルの利用状況を示すポイントを算出し、
前記関係ファイルのファイル識別情報とあらかじめ定められた操作内容とを含む操作ログ情報を、前記操作ログ情報記憶部の操作ログ情報から検索することで、前記関係ファイルの利用状況を示すポイントを算出し、
前記指定ファイルの利用状況を示すポイントと関係ファイルの利用状況を示すポイントとを用いて、前記指定ファイルの最終的な利用状況を示すポイントを算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載のファイル利用状況判定システム。
【請求項4】
前記利用状況判定部は、
前記指定ファイルのファイル識別情報に基づいて前記ファイル関係性情報記憶部を参照することで、前記指定ファイルの一部または全部が使用された関係ファイルのファイル識別情報を特定し、
前記指定ファイルのファイル識別情報とあらかじめ定められた操作内容とを含む操作ログ情報を、前記操作ログ情報記憶部の操作ログ情報から検索することで、前記指定ファイルの利用状況を示すポイントを算出し、
前記関係ファイルのファイル識別情報とあらかじめ定められた操作内容とを含む操作ログ情報を、前記操作ログ情報記憶部の操作ログ情報から検索することで、前記関係ファイルの利用状況を示すポイントと前記指定ファイルの利用状況を示すポイントを算出し、
前記指定ファイルの利用状況を示すポイントと関係ファイルの利用状況を示すポイントとを用いて、前記指定ファイルの最終的な利用状況を示すポイントを算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載のファイル利用状況判定システム。
【請求項5】
前記利用状況判定部は、
前記関係ファイルの操作ログ情報に基づいて前記指定ファイルの利用状況のポイントを算出する際に、前記指定ファイルのデータが前記関係ファイルに使用されたデータ量に応じて、前記指定ファイルの利用状況のポイントを算出する、
ことを特徴とする請求項4に記載のファイル利用状況判定システム。
【請求項6】
前記ファイル利用状況判定システムは、更に、
前記操作ログ情報記憶部に記憶した操作ログ情報を用いて、ファイルの一部または全部がほかのファイルに使用されたことを特定して、ファイルの関係性を前記ファイル関係性情報記憶部に記憶させるファイル関係性情報判定部、
を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のファイル利用状況判定システム。
【請求項7】
コンピュータ端末を、
所定の記憶領域に記憶するクライアント端末の操作ログ情報と、所定の記憶領域に記憶する各ファイルの関係性を示す関係性情報とを用いて、指定ファイルの利用状況を判定する利用状況判定部、
として機能させるファイル利用状況判定プログラムであって、
前記利用状況判定部は、
利用状況の判定対象として指定されたファイルに関係づけられた関係ファイルを、前記所定の記憶領域に記憶したファイルの関係性情報を参照することで特定し、
前記指定ファイル、前記特定した関係ファイルの操作ログ情報を、前記所定の記憶領域に記憶した操作ログ情報から検索することで、前記指定ファイル、前記関係ファイルの利用状況を判定し、それらの判定結果を用いて、前記指定ファイルの最終的な利用状況を判定する、
ことを特徴とするファイル利用状況判定プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−176119(P2009−176119A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−15087(P2008−15087)
【出願日】平成20年1月25日(2008.1.25)
【出願人】(599108242)Sky株式会社 (257)
【Fターム(参考)】