説明

ファスナ取り付け前の落雷保護システムの高速点検

導体はくを用いた落雷保護システムを有する複合材料にファスナ用の皿穴を穿孔するための方法とシステムを開示する。まず、非破壊深さ検出器でファスナ穴予定位置を走査する。次に、表面下の導体はくの深さを検出する。検出した深さが所定の深さより小さいとき、ファスナ用皿穴が穿孔可能であることを示す信号を出力する。検出した深さが所定の深さより大きいとき、ファスナ用皿穴が穿孔不能であることを示す信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、落雷保護システムを点検するためのシステムと方法に関するものであり、具体的には、ファスナ取り付けプロセスの前に落雷保護システムを点検するためのシステムと方法に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機の設計及び構築に占める複合材料の割合は増大している。例えば、ボーイング787型機「ドリームライナー」の場合、その一次構造の50%以上を複合材料が占めている。複合材料は、軽量で、従来のアルミニウムと比較して優れた機械的特性及び疲労特性を有しているが、その導電性は低く、電磁遮蔽能に劣り、その結果、航空機に落雷した場合に電流をあまり散逸させることができない。複合材料は、落雷により、従来のアルミニウムより大きな損害を受ける場合がある。
航空機に落雷すると、その外板上の導電経路により電気は外板に沿って移動し、他のいずれかの位置で放出される。導電経路が十分でないと、アーク放電及びホットスポットが生じうる。アーク放電及びホットスポットは、焦げ、剥離及び/又は外板貫通を生じる可能性がある。場合によっては、焦げ、剥離、又は外板貫通により、構造の荷重支持特性が低下する。複合材料の電気遮蔽能が低いことにより、電気回路が落雷の影響を受ける可能性が増大する。
【0003】
落雷被害から複合外板を保護する一つの方法は、導電性の落雷保護(LSP)システムを、航空機の複合外板の中又は上に含めることである。LSPシステムの一例を図1に示す。LSPシステムは、航空機の表面に最も近い複合材料層120上の導電性(例えば銅製)シート又ははく110から構成することができる。航空機構造にファスナ140を用いるには、複合材料表面に皿穴130を穿孔することが必要である。現行の手順では、ファスナヘッド142を、そのために皿もみした領域内に深く位置づけることにより、導体はく110とファスナヘッド142との間に確実に最小距離を保つ。
このような落雷保護システムは、電気エネルギーを導体はく110から流出させることにより機能する。(表面に近い)導体はくは、雷をひき付けて、それよりもやや低い位置にあるファスナヘッド142から遠ざける。導体はく110とファスナヘッド142との間に設定された最小距離を維持することにより、アーク放電の可能性を低下させる。はく110からファスナ140へのアーク放電を防止するために、ファスナヘッド142の上に誘電性シーラントを配置することもできる。
【0004】
図2A及び2B(図2Bの断面は図2Aの断面に垂直である)と、図3とに示すように、複合材料の硬化プロセスの間の熱状態により、導体はく110にしわが寄る場合がある。導体はく100は、加熱すると、熱膨張係数(CTE)の差異により複合材料より膨張する傾向がある。例えば、銅は黒鉛繊維より大きく膨張する。標準的な硬化温度である華氏350度まで加熱すると、導体はく100は複合材料120よりも膨張する。はく110の長さには制約があるので、結果としてしわが生じうる。このようなしわは、複合材料を硬化させるとその場に固定され、冷却すると残る。このようなしわにより、導体はくは、設計レベルを超えて下方に延びることになる。図2A及び2Bに示すしわの深さは、ファスナヘッド142の高さより低い位置に達している。
このようなしわは、航空機の就航中に、ファスナヘッド142と導体はく110との間にアーク放電が発生する可能性を増大させる。LSPにしわが存在する位置で複合パネルにファスナ穴130を穿孔すると、結果として得られる穴とLSPには修理が必要となるか、又はLSPとファスナとの間に最小距離を維持するために他の何らかの措置が必要となる。修理には実質的な費用が掛かり、製造時間を延長しうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、ファスナの取り付け時に導体はくとファスナヘッドとの間に最小の空隙をあることを確認するために、ファスナの取り付け前に雷保護システムを点検するためのシステム及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、パーツ表面下の導体はくの深さを決定できる方法、装置、及びシステムを提供することにより、上記に特定した問題に対処する。
導体はくを用いた落雷保護システムを有する複合材料にファスナ用の皿穴を穿孔するための方法とシステムが開示される。まず、ファスナ穴の予定位置を非破壊深さ検出器で走査する。次いで、表面下の導体はくの深さを検出する。検出した深さが所定の深さより小さい場合、ファスナ用の皿穴が穿孔可能であることを示す信号が出力される。検出した深さが所定の深さより大きい場合、ファスナ用の皿穴は穿孔不能であることを示す信号が出力される。
【0007】
一実施形態は、ファスナ穴の穿孔方法を提供する。まず、ファスナ穴の予定位置を非破壊深さ検出器で走査する。表面下の導体はくの深さが検出される。検出した深さが所定の深さより小さい場合、ファスナ用の皿穴が穿孔可能であることを示す信号が出力される。検出した深さが所定の深さより大きい場合、ファスナ用の皿穴は穿孔不能であることを示す信号が出力される。
別の実施形態は、導体はくを含む複合材料にファスナ用の皿穴を穿孔するためのシステムを提供する。本システムは、センサ、信号装置、及びプロセッサを含む。プロセッサはセンサの出力を受信し、受信したセンサ出力に基づいて導体はくの深さを決定する。その後、プロセッサは、導体はくの深さが第1の所定の深さより小さい場合に信号装置に対して第1信号を出力するか、又は導体はくの深さが第2の所定の深さより大きい場合に信号装置に対して第2信号を出力することができる。
【0008】
上述のような特徴、機能、及び利点は、本発明の種々の実施形態において単独で達成することができるか、又はまた別の実施形態において組み合わせることができ、そのような実施形態の詳細について、後述の説明及び添付図面により更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本出願に含まれて本出願の一部を形成する添付図面は、本発明の幾つかの態様を示すものである。
【図1】関連技術による落雷保護システムの一実施例のファスナとりつけ断面を示す。
【図2】A及びBは、導体はくにしわを有する、関連技術による落雷保護システムの一実施例のファスナとりつけ断面を示す。図2Bの断面は図2Aの断面に垂直である。
【図3】関連技術による複合プライの上部における導体はくのしわを示す、断面の顕微鏡写真である。
【図4】本発明の教示による一実施形態の例示的プロセスを示すフローチャートである。
【図5】本発明の教示による第2の実施形態の例示的プロセスを示すフローチャートである。
【図6】導体はくの深さの検出と穿孔とを行うシステムの一実施例の線図である。
【図7】銅はくのしわの深さと、渦電流表示の数との相関を示す例示的グラフを示す。
【図8】単一の感知素子を有するセンサに用いることが可能な例示的走査経路を示す。
【図9】複数の感知素子を有するセンサに用いることが可能な例示的走査経路を示す。
【図10】開示される実施形態の一つによりディスプレイに出力することが可能な導体はくのしわの画像を捉えた例示的スクリーンである。
【図11】複数の感知素子を有するセンサの一実施例を示す。
【図12】図11のセンサの一実施例と位置エンコーダとの組み合わせを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
後述では、添付図面に実施例を示す本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
本明細書は、複合材料内部の落雷保護(LSP)用導体はくの深さを検出するためのシステムと方法を開示する。本システム及び方法は、例えば、ファスナ用皿穴を穿孔する前に、許容できない深さのLSPの導体はくのしわを検出するために使用することができる。許容できない深さのしわが見つかった場合、ファスナの位置を変更し、深いしわが存在しない領域にファスナ用の皿穴を穿孔することができる。しわは通常一箇所に集中しているので、多くの場合、位置変更が可能である。したがって、大抵は、しわの位置を避けて小さな寸法変更を行うことが可能である。位置変更が不可能である場合、ファスナ穴の位置を補償する別の方法は、皿穴をやや深く穿孔することにより、導体はくとファスナとの間に所望の最小距離を維持することである。
【0011】
ファスナ用の皿穴の位置を変更するために、作業者又は穿孔マシンは、しわが存在していたことと、ファスナ用皿穴を穿孔することが可能な位置とを知っていなければならない。深い皿穴を穿孔する場合、作業者又は穿孔マシンは、どの程度の深さの皿穴を穿孔するのかを知っていなければならない。
開示される点検方法の一実施形態は、図4に示すプロセス400を使用することができる。ブロック410において、センサ(例えば、図6に示すセンサ610)をファスナ用皿穴の予定位置に移動させる。センサは、手動で移動させることができるか、或いは作業者が手で又は遠隔位置決めシステムのコントローラ(例えば、ジョイスティック)を使用して位置決めすることができる。機械を用いてセンサを自動的に位置決めしてもよい。
【0012】
ブロック420では、ファスナ用皿穴の予定位置における導体はくの深さを検出する。その後、ブロック430において、検出した深さと、導体はくに許容可能な所定の深さとを比較する。検出した導体はくの深さが許容可能な深さより小さい場合、次のブロック450において、ファスナ用皿穴を穿孔するという信号を出力することができる。この信号は、ディスプレイ又は自動穿孔マシンに対する電気信号とすることができる。信号は、作業者に対する可視信号又は可聴信号とすることもできる。例えば、導体はくの深さが許容可能な深さより小さい場合、緑色光又はLEDを点灯することができる。
検出した導体はくの深さが許容可能な深さより大きい場合、ブロック440において位置変更信号を出力することができる。この信号も、ディスプレイ又は自動穿孔マシンに対する電気信号とすることができる。信号は、作業者に対する可視信号又は可聴信号とすることもできる。例えば、導体はくが深すぎるか、又ははくの深さが許容可能な深さより大きいとき、赤色光又はLEDを点灯することができる。その後、本方法はブロック410に戻る。
【0013】
開示される点検方法の第2の実施形態は、図5に示すプロセス500を用いることができる。ブロック510において、センサ(例えば、図6に示すセンサ610)をファスナ用皿穴予定位置に移動させる。センサは、手動で移動させることができるか、或いは作業者が手で又は遠隔位置決めシステムのコントローラ(例えば、ジョイスティック)を使用して位置決めすることができる。機械を用いてセンサを自動的に位置決めしてもよい。
ブロック520では、ファスナ用皿穴の予定位置における導体はくの深さを検出する。その後、ブロック530において、検出した深さと、導体はくに許容可能な第1の所定の深さとを比較する。検出した導体はくの深さが許容可能な第1の所定の深さより小さい場合、次のブロック550において、第1の深さ又は基準の深さまでファスナ用皿穴を穿孔するという信号を出力することができる。この信号は、ディスプレイ又は自動穿孔マシンに対する電気信号とすることができる。信号は、作業者に対する可視信号又は可聴信号とすることもできる。例えば、導体はくの深さが許容可能な第1の所定の深さより小さい場合、緑色光又はLEDを点灯することができる。
【0014】
検出した導体はくの深さが、許容可能な第1の所定の深さより大きい場合、本方法はブロック532に進む。ブロック532では、検出した深さと、導体はくの第2の所定の深さとを比較する。検出した導体はくの深さが、許容可能な第2の所定の深さより小さい場合、次のブロック552において、第2の深さまで又は深く、ファスナ用皿穴を穿孔するという信号を出力する。この信号は、ディスプレイ又は自動穿孔マシンに対する電気信号とすることができる。信号は、作業者に対する可視信号又は可聴信号とすることもできる。例えば、導体はくの深さが許容可能な第1の所定の深さより大きいが、許容可能な第2の所定の深さより小さい場合、黄色光又はLEDを点灯することができる。
一部の実施形態では、ファスナ用皿穴を穿孔するための実際の深さを信号として出力することができる。出力する深さは、導体はくの深さ及び厚み、並びに導体はくとファスナヘッドとの間に望ましい最小距離を表わす。この信号は、ディスプレイ又は自動穿孔マシンに対する電気信号とすることができる。信号は、作業者に対する可視信号又は可聴信号とすることもできる。例えば、導体はくの深さが、許容可能な第1の所定の深さより大きいが、許容される第2の所定の深さより小さい場合に、凡その深さを示すため、一連の黄色光又はLEDを点灯することができる。別の実施形態では、実際の深さをデジタル計又はアナログ計に表示することができる。
【0015】
検出した導体はくの深さが第2の所定の深さより大きいとき、次のブロック540において位置変更信号を出力することができる。この信号も、ディスプレイ又は自動穿孔マシンに対する電気信号とすることができる。信号は、作業者に対する可視信号又は可聴信号とすることもできる。例えば、導体はくが深すぎるか、又ははくの深さが第2の所定の深さより大きい場合、赤色光又はLEDを点灯することができる。その後、本方法はブロック510に戻り、新規位置について本プロセスを繰り返す。
【0016】
図6は、上述の方法の一つを使用できるか、上述の方法に類似の、複合材料中の導体はくの深さを検出する方法を使用できるシステムを示している。センサ610はプロセッサ620と通信する。センサ610は、非破壊試験方法を使用して、導体はくの深さに関する信号を取得する。センサ610は、単一の感知素子又は複数の感知素子を有することができる。感知素子の一実施例は、渦電流センサである。
センサ610から受信した信号に基づいて、プロセッサは、導体はくの深さを決定し、標準的な皿穴の深さがファスナヘッドと導体はくとの間に最小距離を維持するのに十分であるかを判定するか、又はファスナヘッドと導体はくとの間に最小距離を提供するために必要な皿穴の深さを判定する。
【0017】
プロセッサは、信号装置630に対し、センサ信号処理の結果を出力する。一部の実施形態では、信号装置630は、ディスプレイ又は音声出力とすることができる。一部の実施形態では、信号装置630は、自動穿孔マシン640に対し、処理結果を送信又は伝送することができる。
一実施形態では、開示されるセンサは、渦電流感知素子の渦電流フィールドを用いることにより、ファスナ穴を穿孔する前に、複合パネル上のファスナ域内に存在するしわの深さを検出することができる。渦電流フィールドは、複合パネルの上方で(選択した周波数の)交流電流を(感知素子内の)コイルに流すことにより生成される。コイルと導体はくとの間の距離が増大する程、導体はくに含まれる金属と相互作用するコイルの磁界が小さくなるので、渦電流フィールドの強さは低減する。渦電流のこのような変化により、コイルのインピーダンスが変化する。そこでこのインピーダンスを測定し、相関曲線及び/又は標準を用いて導体はくまでの距離(しわの深さ)に相関させることにより、導体はくの深さを直接読み取ることができる。
【0018】
銅のLSP層を含む複合パネルに対し、渦電流システム及び携帯用X−Yスキャナを用いる試験を行った。本試験により作成したはくのしわの二次元画像を図10に示す。銅はくが多数のしわを含みうることと、主な変化がしわの深さであることが分かる。
点検基準を走査することにより生成した較正曲線を用いて、全ての位置の渦電流信号を直接深さに相関させることができる。図7は、特定の一の渦電流システムと、銅はく上のプローブとについて生成された典型的な較正曲線の一実施例である。
【0019】
信号感知素子を含むセンサを備えた渦電流システムは、しわの深さを測定するために、限定された小さな面積しか測定せず、この面積は非常に狭いものである。これは、センサ、ドリル及びファスナの取り付けヘッドを含む上記のような統合システムには、しわを測定するための追加のセンサパスが必要となる場合があることを意味する。この実施形態では、更に大きな面積に対処するために、図8に示すような、パターン化したセンサを走査することが望ましいといえる。
他の実施形態では、センサは複数の感知素子(例えば、渦電流コイル)を使用して、ファスナ領域の高速走査を行うことができる。感知素子アレイでは、感知素子の配置は通常パターン化される。そのようなパターンの一実施例を図9に示す。アレイプローブの一実施例は図11に示されている。
【0020】
アレイプローブは、単一の感知素子を有するプローブと比較して、単一パスを有するもっと大きな面積に対処することができる。図8に示すものと同じ面積に、図9に示すような単一パスで対処することができる。
一実施形態では、急いでファスナの位置を点検及び調節できるように、渦電流アレイプローブを翼外板の自動穿孔及び締結システムに搭載することができる。これにより、穿孔及び締結システムは、翼アセンブリを費用有効的に製造するために必要な高速で動作することができる。そのようなシステムのヘッドは、まずアレイプローブの、次にドリルの、最後にファスナ取り付けヘッドに位置するように回転する。
【0021】
他の実施形態では、穿孔及びファスナ取り付けの前に、ファスナのラインに沿ってアレイプローブにより手動走査することにより、導体はくのしわを点検することができる。一実施形態では、図12に示すように、エンコーダを渦電流アレイプローブに取り付けることができる。渦電流を有するコンピュータ又はその他のセンサ式データ画像化ソフトウェアは、位置データとしわの振幅及び幅とを相関させることができ、アレイ及びエンコーダからデータを補足することができる。次いで、穿孔及びファスナ取り付けを手動で行うことができる。
【0022】
本明細書には、本発明の概念を利用した結果得られる多数の利点を記載した。例示的実施形態に関する上述の説明は、例示及び説明を目的としたものであり、完全であること、又は開示した通りの正確な形態に実施形態を限定することを意図していない。上述の教示を考慮して、修正又は変更が可能であることは明らかである。開示した実施形態は、当業者が種々の実施形態を最大限に利用できるように、且つ考慮する特定の用途に適した様々な変形例と共に、本発明の理念とその現実的な用途を最もよく説明するように選択及び説明したものである。本発明の範囲は、特許請求の範囲により規定されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファスナ穴の穿孔方法であって、
a)ファスナ穴の予定位置を非破壊深さ検出器で走査するステップ、
b)表面下の導体はくの深さを検出するステップ、
c)検出した深さが所定の深さより小さいとき、ファスナ用の皿穴が穿孔可能であることを示す信号を出力するステップ、及び
d)検出した深さが所定の深さより大きいとき、ファスナ用の皿穴が穿孔不能であることを示す信号を出力するステップ
を含む方法。
【請求項2】
ファスナ用の皿穴が穿孔不能であることを示す信号に応答して、隣接する別のファスナ穴位置に深さ検出器を移動させるステップ、及び
ステップa)、b)と、c)又はd)とを繰返すステップ
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ファスナ用の皿穴が穿孔可能であることを示す信号に応答して、ファスナ穴を穿孔するステップ
を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
手動でファスナ穴を穿孔する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
穿孔マシンを用いてファスナ穴を自動的に穿孔する、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
c1)検出した深さが第1の所定の深さより小さいとき、ファスナの第1の所定の深さまでファスナ用の皿穴を穿孔できることを示す信号を出力し、
d1)検出した深さが第2の所定の深さより大きいとき、ファスナ用の皿穴が穿孔不能であることを示す信号を出力し、
ここで、第1の深さは第2の深さより小さく、
本方法が、
e)検出した深さが第1の所定の深さと第2の所定の深さの間に位置するとき、皿穴が穿孔可能であること、及びファスナ用皿穴の深さをファスナの第1の所定の深さより大きくしなければならないことを示す信号を出力するステップ
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ファスナ用皿穴が穿孔不能であることを示す信号に応答して、隣接する別のファスナ穴位置に深さ検出器を移動させるステップ、及び
ステップa)及びb)と、c1)、d1)、又はe)とを繰返すステップ
を更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ファスナ用皿穴が穿孔可能であることを示す信号に応答して、ファスナ穴を穿孔するステップ
を更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
手動でファスナ穴を穿孔する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
穿孔マシンを用いてファスナ穴を自動的に穿孔する、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
e1)検出した深さが第1の所定の深さと第2の所定の深さの間に位置するとき、皿穴が穿孔可能であること、及びファスナ用皿穴の深さを、ファスナの第2の所定の深さより大きくしなければならないことを示す信号を出力するステップであって、ファスナの第2の所定の深さがファスナの第1の所定の深さより大きいステップ
を更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
e2)検出した深さが第1の所定の深さと第2の所定の深さの間に位置するとき、皿穴が穿孔可能であることと、ファスナ用皿穴を穿孔しなければならない皿穴の深さとを示す信号を出力し、皿穴の深さがファスナの第1の所定の深さより大きい、請求項6に記載の方法。
【請求項13】
導体はくを含む複合材料にファスナ用皿穴を穿孔するためのシステムであって、
センサ、
信号装置、及び
センサの出力を受信し、受信したセンサ出力に基づいて導体はくの深さを決定し、導体はくの深さが第1の所定の深さより小さいときに信号装置に対して第1の信号を出力し、且つ導体はくの深さが第2の所定の深さより大きいときに信号装置に対して第2の信号を出力するプロセッサ
を備えるシステム。
【請求項14】
第1の所定の深さと第2の所定の深さとが同じである、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
信号装置がディスプレイである、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
信号装置が音声出力を供給する、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
導体はくの深さが第1の所定の深さより大きく、且つ第2の所定の深さより小さいとき、プロセッサが信号装置に対して第3の信号を出力する、請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
信号装置からの出力を受け取る自動ドリル
を更に備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項19】
第1の信号を受け取ると、自動ドリルが所定の深さまでファスナ用皿穴を穿孔し、且つ
第2の信号を受け取ると、自動ドリルが新規位置へと移動する、
請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
導体はくの深さが第1の所定の深さより大きく且つ第2の所定の深さより小さいとき、プロセッサが信号装置に対して第3の信号を出力し、且つ
第3の信号を受け取ると、自動ドリルが第2の深さまでファスナ用皿穴を穿孔する、
請求項19に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2010−537881(P2010−537881A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−523045(P2010−523045)
【出願日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際出願番号】PCT/US2008/073864
【国際公開番号】WO2009/070356
【国際公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company