説明

フィルタモジュール内で使用されるスペーサ

【課題】オープンチャンネル技術の有利な効果を提供し、また、同時に、従来のスパイラル型モジュールにより実現されるものと同様の高い充填密度を可能にするフィルタモジュール用のスペーサを提供する。
【解決手段】スペーサは、2つのフィルタ材料の層の間に配設され、また、格子状構造を有するシート材料を備え、該格子状構造の上面及び下面は、フィルタ材層に対する上側当接面及び下側当接面を画成する。シート材料は、接合点にて相互に接続された多数のウェブから成っており、そのウェブの第一の部分は、第一の好ましい方向に対し平行に配設され、第二の部分は、上記第一の好ましい方向と交差する第二の好ましい方向に対し平行に配設され、上記ウェブの少なくとも幾つかは、上側当接面及び/又は下側当接面まで延びる第一のウェブ領域を有し、また、少なくとも更なる部分は上記第二のウェブ領域を有し、この第二のウェブ領域は上側当接面と下側当接面から隔てられており、これらのウェブの実質的に全長に亙って延びている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つ以上のフィルタ材料の層を備えるフィルタモジュールにて使用されるスペーサであって、スペーサ層が2つの連続的なフィルタ材料の層の間に配設されたスペーサに関する。
【背景技術】
【0002】
この型式のフィルタモジュールは、例えば、工業廃水の処理、工業用プロセス水の処理、埋め立てごみからの浸出液の処理、又は海水の淡水化を含む、広範囲のろ過目的のため、スパイラル型モジュール又は積層モジュールの形態にて使用される。
【0003】
従来、多数の点状の隆起部又はウェブを有する、寸法的に安定的なプラスチックディスクであって、その表面にフィルタ緩衝材が当接するようになっているディスクが、積層モジュール内のスペーサとして使用されてきた。この場合、ディスクの表面とフィルタ緩衝材との間には、フィルタ材料上の流れのために利用可能な容積が存在する。ディスクは、開口を有しており、このため、これらの開口上を流れる媒体は、複数のフィルタ緩衝材上を連続的に流れることができる。これらの積層モジュールは、オープンパッセージ技術(open−passage technology)の原理に基づいて作動する、すなわち、供給された媒体は、フィルタ材料の実質的に全表面積上へ流れることができ、また、流動方向に向けた流れの障害物は存在しないか又は極く僅かである。オープンパッセージ技術は、積層モジュールは目詰まりし易くはないものの、充填密度が比較的低く、その結果、利用可能なろ過面積に基づくモジュールのコストは例えば、スパイラル型モジュールの場合よりも高いことを意味する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
積層モジュールと異なり、スパイラル型モジュールは、従来、スペーサが可撓性の格子又はメッシュ構造体として製造されるような要領にて製造されていた。スペーサは、フィルタ材料と接触しているウェブが流れ方向への障害物を形成するような要領にて形成され、その障害物のスペースにて、貫流が減少し且つ沈着蓄積物が形成される。形成される媒体成分の堆積物は、閉塞物と称される。更に、従来のモジュールにおいては、洗浄中に除去された堆積物は、障害物のためモジュールから排出することができないから、ウェブはモジュールの洗浄できる程度を制限してしまうバリアを形成することになる。更に、当接位置にてろ過は全く行われないから、フィルタ材料の表面積は完全には利用されない。他方、スパイラル型モジュールは、充填密度が比較的高く、利用可能なフィルタ面積に基づいた場合、積層モジュールよりも安価である。
【0005】
スパイラル型モジュール用のスペーサは、例えば、ドイツ国特許第100 51 168 A1号明細書に記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの目的は、オープンパッセージ技術の有利な効果を有し、これと同時に、従来のスパイラル型モジュールにて実現されていたものと同様の高い充填密度を許容する、フィルタモジュール用のスペーサを提案することである。本発明に従い、この目的は、請求項1に記載したスペーサにより実現される。
【0007】
スペーサにおける目詰まりを回避するためには、流れが減少し且つ堆積物が蓄積する可能性のあるスペースを、可能な限り回避することが極めて重要である。ろ過される媒体の流れ方向に見たとき、スペーサ層は、目詰まりの傾向が最小となるように、フィルタ材料の表面との実質的に何らの接触点を有してはならない。このことは、本発明に従ったスペーサの構造により可能とされる。本発明に従ったスペーサは、積層型及びスパイラル型モジュールの双方を製造するために使用することができる。
【0008】
本発明に従って実現される有利な効果の詳細は次の通りである。
− 不稼働領域が実質的にないし完全に存在しないため、目詰まり易さが最小となる;
− 供給通路を通って妨害されずに流れることは、堆積物を排出することを可能にする
ため、フィルタモジュールの洗浄性を向上させる;
− 従来、スパイラル型モジュールを使用して処理することができなかった、相対的に
高レベルの固体を含む水を処理することが可能である;
− 最適化した流入流れ状態を使用することにより、圧力損失を減少させることが可能
である;
− 乱流を促進させることは、濃度分極を減少させることを可能にする;
− 標準型の積層板モジュールと比較して大きな充填密度を有するフィルタモジュール
の形態とすることができる。
【0009】
フィルタ材料をスペーサの上にて支持する機能を果たすウェブ領域は、真っ直ぐなフィンの形態にて形成されることが好ましい。この場合、特に、ウェブがろ過される流体の流れ方向に対し実質的に平行に配設されるならば、フィンをフィルタ材料、特に、膜の全長又は全幅に亙って延びるようにすることが全体として可能である。
【0010】
フィンは、多数の平行な流路を形成し得るように、スペーサ層の上側部及び下側部にて同一のウェブ領域にて設けることができる。
1つの代替例は、点状の又は実質的に点状の領域の形態にてすなわち格子又はメッシュ構造体の幅と比較して小さい面積を有して、フィルタ材料の表面に対して当接するウェブ領域を形成することから成る。
【0011】
単に一例として、ウェブの点状の支持領域がウェブの接合点にて形成されるようにすることが可能である。
この場合、格子構造の他の全ての領域は、フィルタ材料の表面領域と接触するに至らず、且つ、流体が実質的に妨害されずに流れるのを許容する。このことは、貫通する流れが減少する容積をできるかぎり最小にすることとなる。
【0012】
更なる代替例において、フィルタ材料の層は、1つのウェブ領域にてスペーサ層の上側部に支持され、また、別のウェブ領域にてスペーサ層の下側部に支持される。このことは、連続的な形態をしたウェブ領域を有する場合でさえ、スペーサ層まで流れるのを許容し、流れ方向が好ましい方向に対して鋭角な角度を形成するようになる。
【0013】
更なる好ましい実施の形態において、ウェブがフィルタ材料の表面に当接する作用を果たすウェブ領域を備えるならば、実質的に全てのウェブは好ましい方向に対して平行に形成される。
【0014】
好ましい方向の1つは、ろ過される流体の流れの方向に対して実質的に平行な向きとされることが好ましい。
特定の用途に依存して、フィルタモジュール内の乱流がより多く又はより少ないことが望まれることがある。単に一例として、濃縮物が製品である食品業界にて製品の品質を維持するため、乱流は、場合によっては、望ましくないことがある。
【0015】
他方、廃水の用途においては、目詰まり及びスケール形成の虞れを更に減少させるため、膜上の流れが可能な限り乱流であることが、しばしば望まれる。
フィルタ材料の表面に対して当接せず、且つ、フィルタ材料からある距離に保たれるウェブ又はウェブ領域は、特定の用途において、断面が非円形、すなわち、特に偏円形であり、ウェブが流入する流体の流れに対する抵抗を最小であるようにすることが好ましい。
【0016】
その他の用途の場合、これらの又はその他のウェブ領域は、乱流領域を形成することで膜表面における層流を壊すような要領にて配設及び/又は形成され、その結果、フィルタ表面の目詰まりを回避し、且つ、フィルタ材料の表面における濃度分極も解消し又は回避することができるようにすることが好ましい。
【0017】
濃度分極は、膜を通して輸送される溶媒に起因する、膜の表面領域内での物質の濃度の局所的な増大である。
全体として、ウェブは、その断面が矩形体の形状に実質的に近似する流路を形成するような要領にて、互いに接続され且つ形成されることが好ましい。フィルタ材料の表面に当接するウェブ領域の当接面は、可能な限り小さくなり、利用可能なフィルタ材料の表面積を可能な限り最小程度でカバーするようにすることができよう。
【0018】
しかし、当接面は、全体として、ろ過工程中の圧力変動に起因する荷重によって生ずる可能性のあるフィルタ材料の表面の損傷を回避し得るよう、過少であってはならない。可能な限り矩形である流路の断面は、通路の断面にて見たとき実質的に均一な流速を保証し、これによって利用可能なフィルタ材料の表面積のできるだけ多くを均一に利用することができ、また、流れが減少した容積が回避されるようにする。
【0019】
本発明の上記及びその他の有利な効果は、添付図面に関して以下に詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1には、全体として、参照番号10でフィルタモジュールが示されている。該フィルタモジュール10は、第一のフィルタ材料層12と、第二のフィルタ材料層14とを備えており、これらの材料層は、その間に配設されたスペーサ16により互いに隔てられた状態に保持されている。フィルタ材料層12、14は、異なるフィルタ材料から成るものとすることができ、特に、膜の形態とすることができる。
【0021】
フィルタ緩衝材は、2つのフィルタ材料層から出来ており、浸透液を排出するためその間にスペーサがある。3つの層は、外端縁にて互いに溶着され又は接着剤にて接着されている。緩衝材の形状及び接合側部の数は、所望のフィルタモジュールの形状に依存する。
【0022】
スペーサ16(以下に、スペーサ層とも称する)は、実質的にウェブから組み立てられ、格子状構造を形成し、ウェブが2方向に配設され且つ接合点を介して互いに接続される。特に、この場合、処理される流体の流れ方向に対し平行に配設されたウェブ18がある。該ウェブ18は、互いに隔てて保持され且つ横方向ウェブ20により互いに接続されている。ウェブ18は、その上方及び下方を向いた面にフィン22、24を有している。これらのフィンは、一方にて、フィルタ材料層12を支持し、また、他方にて、フィルタ材料層14を支持する機能を果たす。このため、ウェブは、フィルタ材料に対する当接面を画成する第一のウェブ領域を有している。
【0023】
これに反して、横方向ウェブ20は、フィルタ材料層12の表面及びフィルタ材料層14の表面の双方から隔てられた状態を保ち、これにより流れが減少する領域を回避し、ろ過される流体が実質的に妨害されずに流れるのを許容する。これらは、第二のウェブ領域を表わす。
【0024】
図2は、スペーサ層16の矩形の格子構造の明確で且つ詳細な図を提供する、スペーサ層16のメッシュ構造の更なるより詳細図である。無限に続くウェブ18は、その上側部に上述したフィン22を支承する。該フィンは、フィルタ材料層12に対する狭小な当接面を形成する。横方向ウェブ20は、ウェブ18を互いに隔てた状態に保持し且つ各場合にてフィン22の当接面により形成された面から引込んでいる。
【0025】
下方から見た図は、図示した頂面図と実質的に同一であるから、図示してない。
最後に、図3には、ウェブ20を通じて可能な断面図の多数の変更例a、b、c、dが詳細図の形態にて示されている。非円形のウェブ20が使用されるならば、特定の用途に依存して、ろ過される流体の流れの方向と反対方向へのウェブの配設は、流入流れに臨む領域が可能な限り小さくなるような要領にて選ばれ、又は、流体の流れ中に乱流領域が生じるような要領にて選ばれる。前者の場合、流入流れに対する抵抗は、最小となる一方、後者の場合、起こり得る濃度分極は阻止される。
【0026】
後者の場合、非円形のウェブ20は、液体がウェブ20により一方向に又は反対方向に方向が変えられ、フィルタ材料表面の層流が壊されるような要領にて配設されよう(特に、変更例a参照)。このことは、フィルタ材料の表面における堆積物を減少させ又は完全に回避することさえも可能にし、また、フィルタ材料の表面における濃度分極を阻止又は回避することも可能にする。
【0027】
本発明に従ったフィルタモジュールの更なる変更例が図4に示されている。図4に示したフィルタモジュール30は、図1に示したフィルタモジュール10と同様の構造である。このモジュールにおいて、第一のフィルタ材料層32及び第二のフィルタ材料層34は、スペーサ層36により互いに隔てた状態に且つ互いに実質的に平行に保持される。スペーサ層36の格子又はメッシュ構造は、この場合にも、長手方向ウェブ及び横方向ウェブ38、40により、それぞれ形成されており、その結果、矩形の構造となる。
【0028】
ウェブ38、40により形成された平面の上方及び下方の第一のウェブ領域42は、スタッド44、46を支承している。1つ又はその他のフィルタ材料層32又は34がこれらスタッドに当接する。第1のウェブ領域は、長手方向ウェブ及び横方向ウェブ38、40の接合点に設けられる。
【0029】
図5に示したスペーサ層36の平面図から、スタッド44の当接点(このことはまた下向きのスタッド46にも当てはまる)は相対的に小型であり、このためフィルタ材料層32、34がそれぞれ障害物無しの最大の表面積となることが理解できる。このため、実質的にほぼ全てのウェブ領域は第二のウェブ領域となり、このことは、フィルタ材料層32、34からの隔たり状態を維持することになる。
【0030】
同様に、横方向ウェブ40の形態に対する色々な可能性が利用可能であり、これらの可能性は、図6に変更例a、b、c、dとして示されている。フィルタモジュール10に関して記述した説明は、横方向ウェブ40の断面の幾何学的形態及びその向きの選択にも同様に当てはまる。
【0031】
長手方向ウェブ38のその他の形態は、特に断面を含んで、横方向ウェブ40の形状と実質的に無関係である。この場合にもまた、例えば、図4から理解し得るように、楕円形の断面を提供し、一方にて格子構造の安定性が維持されるが、他方にてフィルタ材料層32、34の表面からのこれらウェブの可能な最大の隔たり状態が維持される。このことは、その間に長手方向ウェブ38が配設されるフィルタ材料層32、34の表面領域においてさえ、その後の目詰まりと関連して堆積物が生じる可能性のある僅かな空隙も全く存在しないことを保証することになる。
【0032】
図7ないし図9には、その基本構造が図1ないし図3に示した実施の形態と同様である、本発明の更なる変形例が示されている。
本明細書に示したこの実施の形態は、第一のフィルタ材料層52及び第二のフィルタ材料層54が互いに平行であり且つその間に配設されたスペーサ層56により互いに隔てた状態に保持されるフィルタモジュール50に関する。スペーサ層56は、この場合にも同様に長手方向ウェブ58及び横方向ウェブ60により形成される。
【0033】
図1ないし図3に示した実施の形態におけるように、図示したフィルタモジュールの実施の形態において、スペーサ56は、連続的な長手方向ウェブ58にて構成されている。該連続的な長手方向ウェブ58は、図8から最も明確に理解し得るように、互いに隣接して直線状に配置され且つフィン62、64をそれらの上側部及び下側部にて支持する。これらのウェブは、フィルタ材料の当接面を画成する第一のウェブ領域を表わす。図7ないし図9に示したフィルタモジュールにおいて、スペーサの横方向ウェブ60は、図1ないし図3に示したフィルタモジュールの実施の形態と比較して相違する状態に配設されている。これらの横方向ウェブ60は、フィルタ材料層52、54の表面に対して実質的に平行に延びず、これらの表面に対してある角度にて延びるよう配置され且つ互いに平行に配設された2つの長手方向ウェブ58を接続して、底部に配置されたフィン64に連結し、且つ隣接する長手方向ウェブ58の頂部に配置されたフィン62にて終わり、又はその反対方向に延びる。流れ方向に見たとき、下流に配置された横方向ウェブ60は、隣接して延びる2つの長手方向ウェブ58の間を連結する完全に逆の形態を有することが好ましく、このため、図7に示した図において、横方向ウェブは互いにクロスしている。その結果、特に効果的な乱れとなり、このため、フィルタ材料層の表面における堆積物又は濃度分極を回避することができる。この一例としての実施の形態において、横方向ウェブは、第二のウェブ領域を形成する。
【0034】
図9には、同様に、横方向ウェブ60の断面の可能な改変例a、b、c、dが示されており、これらの異なる断面に関して記述した説明は、既に、図3に関して説明したものに相応する。
【0035】
最後に、図10ないし図12には、図4ないし図6に示したものと同様の構造を有する、本発明の更なる実施の形態が示されている。
図示したフィルタモジュール70は、同様に、互いに平行に保持され且つスペーサ層76により互いに隔てられた2つのフィルタ材料層72、74を備えている。図4ないし図6に示した実施の形態と同様に、長手方向ウェブ及び横方向ウェブの双方は、フィルタ材料層72、74の表面からのある隔たりを維持している。長手方向ウェブ78及び横方向ウェブ80(第二のウェブ領域)は、接合点82を介して互いに接続されている。この接合点にて、フィルタ材料層72、74の点状支持体のスタッド84、86(第一のウェブ領域)がスペーサ層の上側部及び下側部に形成される。図6ないし図9に示した実施の形態におけるように、横方向ウェブ80は、底部から斜め上方に延びている、すなわち、これらのウェブは、長手方向ウェブ78の接合点にてスタッド86を隣接する長手方向ウェブ78の上方に位置するスタッド84に接続し、又はその逆とし、このため、図10に示した平面図において、一方が他方の後方になるように配置された横方向ウェブ80は互いに交差する。
【0036】
図12には、同様に、既に、図3に関して詳細に説明した、変更例のa、b、c、dを備える横方向ウェブ80の断面の可能な変更例が示されている。
一例としての実施の形態
本発明に従ったスペーサが工業用プロセス水を処理すべく膜技術にて使用されるとき、主たる問題点は、水の有機質成分及び無機質成分の結果として、膜における目詰まり及びスケール形成の危険性がしばしば高いことである。この点に関して、膜フィルタの使用において、モジュールを洗浄できることが必須の条件である。その結果、相対的に汚れていない水に対して先行技術に従ったスパイラル型モジュールを使用することが特に考えられる。例えば、図1に示したような、本発明に従ったスペーサを使用すれば、膜の洗浄性は向上する。更に、図3aに示した横方向ウェブの形態は、濃度分極、従って、閉塞の危険性を減少させる流れ案内部を実現する。未処理水の汚染程度に依存して、スペーサの厚さ又はスペーサにより画成された当接面の間隔を1ないし2mmとすると共に、隔たり方向に測定したときの、第二及び第一のウェブ領域の高さの比を1:2ないし1:4とすることが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明によるフィルタモジュールの第一の実施の形態を示す断面図である。
【図2】図1に示したフィルタモジュールの本発明に従ったスペーサを示す平面図である。
【図3】図2の細部の拡大断面図である。
【図4】本発明に従ったフィルタモジュールの更なる実施の形態を示す断面図である。
【図5】図3に示したフィルタモジュールの本発明に従ったスペーサの平面図である。
【図6】図5の細部の拡大断面図である。
【図7】本発明によるフィルタモジュールの更なる実施の形態を示す断面図である。
【図8】図7に示したフィルタモジュールの本発明に従ったスペーサを示す平面図である。
【図9】図8の細部の拡大断面図である。
【図10】本発明に従ったフィルタモジュールの更なる実施の形態を示す断面図である。
【図11】図10の本発明に従ったスペーサの平面図である。
【図12】図11の細部の拡大断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つのフィルタ材料の層の間に配設されたフィルタモジュール用のスペーサであって、格子状構造を有するシート材料を備え、該構造の上面及び下面がフィルタ材料の層に対する上側当接面及び下側当接面を画成し、前記シート材料は、接合点にて相互に接続された多数のウェブにより形成され、該ウェブの第一の部分は第一の好ましい方向に対し平行に配設され、第二の部分は前記第一の好ましい方向と交差する第二の好ましい方向に対し平行に配設された、前記フィルタモジュール用のスペーサにおいて、
前記ウェブの少なくとも幾つかは、前記上側当接面及び/又は下側当接面まで延びる前記第一のウェブ領域を有し、また、前記ウェブの少なくとも更なる部分は、前記上側当接面及び下側当接面から隔てられた第二のウェブ領域を有し、前記第二のウェブ領域は、これらのウェブの実質的に全長を亙って延びることを特徴とする、フィルタモジュール用のスペーサ。
【請求項2】
請求項1に記載のスペーサにおいて、前記上側当接面及び/又は下側当接面まで延びる前記第一のウェブ領域は、細長いフィンの形態をしている、スペーサ。
【請求項3】
請求項1に記載のスペーサにおいて、前記上側当接面及び/又は下側当接面まで延びる前記第一のウェブ領域は、実質的に点状領域の形態にある、スペーサ。
【請求項4】
請求項3に記載のスペーサにおいて、前記点状の第一のウェブ領域は、ウェブの接合点に配設されることを特徴とする、スペーサ。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか1つの項に記載のスペーサにおいて、全てのウェブは、前記好ましい方向に対し実質的に平行に配設されることを特徴とする、スペーサ。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか1つの項に記載のスペーサにおいて、前記第一及び第二の好ましい方向は約90°の角度にて交差することを特徴とする、スペーサ。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れか1つの項に記載のスペーサにおいて、前記ウェブが前記上側当接面又は下側当接面からある距離に維持される前記第二のウェブ領域上の前記ウェブは、非円形の断面であるが、より具体的には、偏円形であり、且つ、流入する流れに臨む領域が最小となるような向きとされることを特徴とする、スペーサ。
【請求項8】
請求項1ないし7の何れか1つの項に記載のスペーサにおいて、前記第二のウェブ領域は、フィルタを通って流れる流体中に乱流領域が発生されるような配置及び/又は形状とされることを特徴とする、スペーサ。
【請求項9】
請求項1ないし8の何れか1つの項に記載のスペーサにおいて、前記ウェブは、前記フィルタ材料に当接するその第一のウェブ領域により、その断面が矩形の形状に近似する流路を画成することを特徴とする、スペーサ。
【請求項10】
請求項1ないし9の何れか1つの項に記載のスペーサにおいて、第二のウェブ領域を有するウェブは、前記当接面に対して鋭角な角度にて配設されることを特徴とする、スペーサ。
【請求項11】
請求項10に記載のスペーサにおいて、前記当接面に対し鋭角な角度にて配設された前記ウェブは、該ウェブの接合点にて他のウェブと接続されるその端部にて、前記当接面から所定の距離を示すことを特徴とする、スペーサ。
【請求項12】
請求項1ないし11の何れか1つの項に記載のスペーサにおいて、各場合にて前記当接面に対し直角に測定したときの、前記第二及び第一のウェブ領域の高さの比が1:2ないし1:20の範囲にあることを特徴とする、スペーサ。
【請求項13】
請求項12に記載のスペーサにおいて、第一のウェブ領域を有するウェブは、10mm以内の厚さを有することを特徴とする、スペーサ。
【請求項14】
2つのろ過層と、該ろ過層の間に配設された請求項1ないし13の何れか1項記載のスペーサとを備える、フィルタモジュール。
【請求項15】
請求項14に記載のフィルタモジュールにおいて、前記好ましい方向の一方が前記フィルタモジュールによりろ過される流体の流れの方向に対し平行であるように、前記スペーサがフィルタモジュール内にて配設されることを特徴とする、フィルタモジュール。
【請求項16】
請求項15に記載のフィルタモジュールにおいて、前記好ましい方向の他方が前記ろ過される流体の流れの方向に対し直角であることを特徴とする、フィルタモジュール。
【請求項17】
請求項15又は16に記載のフィルタモジュールにおいて、第一のウェブ領域を有する前記ウェブは、第二のウェブ領域を有する前記ウェブよりも、流れの方向に対しより小さい角度を形成することを特徴とする、フィルタモジュール。
【請求項18】
請求項14ないし17の何れか1項記載のフィルタモジュールを保持する、スパイルラル型モジュール。
【請求項19】
請求項14ないし17の何れか1項記載のフィルタモジュールから製造された、積層モジュール。
【請求項20】
請求項14ないし17の何れか1項記載のフィルタモジュールを使用して工業廃水を処理する方法。
【請求項21】
請求項14ないし17の何れか1項記載のフィルタモジュールを使用して工業用プロセス水を処理する方法。
【請求項22】
請求項14ないし17の何れか1項記載のフィルタモジュールを使用して埋め立てごみからの浸出液を処理する方法。
【請求項23】
請求項14ないし17の何れか1項記載のフィルタモジュールを使用して海水を淡水化する方法。
【請求項24】
請求項14ないし17の何れか1項記載のフィルタモジュールを使用して表面水を処理する方法。
【請求項25】
請求項14ないし17の何れか1項記載のフィルタモジュールを使用して汽水を処理する方法。
【請求項26】
請求項20ないし25の何れか1項記載の使用方法において、使用されるフィルタモジュールは、スパイラル型モジュールの形態であることを特徴とする、使用方法。
【請求項27】
請求項20ないし25の何れか1項記載の使用方法において、使用されるフィルタモジュールは、積層モジュールの形態であることを特徴とする、使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2007−531616(P2007−531616A)
【公表日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−505516(P2007−505516)
【出願日】平成17年4月2日(2005.4.2)
【国際出願番号】PCT/EP2005/003482
【国際公開番号】WO2005/097305
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(596064112)ポール・コーポレーション (70)
【氏名又は名称原語表記】Pall Corporation
【住所又は居所原語表記】2200 Northern Boulevard East Hills, New York
【Fターム(参考)】