説明

フィルターカートリッジ

【課題】フィルターカートリッジの大型化の抑制と濾過寿命の延長を図る。
【解決手段】内周側に位置する円筒状のインナフィルターエレメント2と外周側に位置する円筒状のアウタフィルターエレメント3とが同心状に配置され、これら両エレメント2、3の両端が熱可塑性樹脂からなる上下の端板4、5にそれぞれ熱溶着により連結されている。インナフィルターエレメント2は、円筒状の濾材6の外周側と内周側がそれぞれ多孔状の第1、第2ケーシング8、9により覆われている。アウタフィルタエレメント3は、円筒状の濾材14の外周側が多孔状のケーシング14により覆われている。これにより、濾材6、14によりフィルターエレメント2、3の軸直角方向に2つの濾過層が形成され、フィルターカートリッジは、大型化を抑制しつつ、濾過寿命の延長を図ることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水や溶剤等の液体を濾過するためのフィルターカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
流体内の不要成分や不純物を除去するために、流体の流通経路に配置されるフィルターカートリッジが従来から広く知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、インナーチューブとアウターチューブとを同心状に配置し、これらの間の円環状の空間に、帯状の濾材をプリーツ折りして円筒状に形成したものを装填することで構成されたフィルターカートリッジが開示されている。
【0004】
このような従来のフィルターカートリッジにおいて、濾過寿命の延長を図ったり、濾過精度を高めるためには、濾過面積を大きくして濾過流速を下げる方法や、濾過精度の異なる濾材を少なくとも2種類重ね合わせて使用する方法や、濾過精度の異なる少なくとも2つのフィルターカートリッジを流体の流れに対して直列に配置して使用する方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−161851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、濾過面積を大きくする方法では、濾材が高価な場合にはフィルターカートリッジのコストが高くなるという問題があると共に、フィルターカートリッジが大型化してしまうという問題もある。
【0007】
また、濾過精度の異なる濾材を重ね合わせる方法では、濾材同士が密着するため、相対的に上流側の濾材裏面と相対的に下流側の濾材表面の間の空間が少なく、下流側の濾材の濾過特性を十分に生かせない虞がある。
【0008】
そして、濾過精度の異なるフィルターカートリッジを流体の流れに対して直列に配置して使用する場合には、大きな設置スペースが必要となってしまうという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明のフィルターカートリッジは、外周側が多孔状のケーシングで覆われた筒状の濾材の両端が熱可塑性樹脂からなる環状のエンドプレートにより封止されたフィルターエレメントを同心状に複数配置してなり、これらフィルターエレメントの軸直角方向に、前記濾材により複数の濾過層が形成され、前記複数のフィルタエレメントは、前記各エンドプレートに熱溶着により接合される上下一対の端板により互いに連結されていることを特徴としている。
【0010】
そして、各エンドプレートは、具体的には、円環状の平板であり、前記端板に熱溶着により接合される環状に連続する凸部が形成され、各端板には、具体的には、前記エンドプレートの凸部に熱溶着により接合される環状に連続する複数の凸部が形成されている。
【0011】
また、フィルターエレメントは、具体的には、外周側に位置するアウタフィルターエレメントと、該アウタフィルターエレメントの内周側に位置するインナフィルターエレメントと、からなり、前記アウタフィルターエレメントと前記インナフィルターエレメントとは、前記エンドプレートに熱溶着により接合される端板により互いに連結されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、フィルターカートリッジは、内部に複数の濾過層を同心状に有することになるため、濾過層毎に濾過精度の異なる濾材を用いることで、フィルターカートリッジの大型化を抑制しつつ、前記各濾材の濾過寿命の延長を実現することが可能となり、総じてフィルターカートリッジの濾過寿命の延長を図ることが可能となる。
【0013】
また、隣接するフィルターエレメント間においては、相対的に内周側に位置するフィルターエレメントのケーシングが、両フィルターエレメントの濾材間に位置するため、隣接するフィルターエレメントの濾材同士が密着することもなく、複数の濾過層はそれぞれ所期の濾過特性を確実に発揮することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明に係るフィルターカートリッジ1の全体構成を模式的に示した説明図である。
【0016】
このフィルターカートリッジ1は、例えば、液晶パネルのガラス基板を洗浄するための水や、溶剤等の液体を濾過する際に用いられるものであって、内周側に位置する円筒状のインナフィルターエレメント2と、外周側に位置する円筒状のアウタフィルターエレメント3と、が同心状に配置され、これら両エレメント2、3の両端が熱可塑性樹脂からなる上下の端板4、5にそれぞれ熱溶着(詳細は後述)により連結された構成となっている。つまり、インナフィルターエレメント2とアウタフィルターエレメント3とは、上下の端板4、5を介して互いに連結された構成となっている。
【0017】
インナフィルターエレメント2は、図1〜図6に示すように、円筒状の濾材6と、この円筒状の濾材6の外周側を覆う壁面に複数の貫通孔7(図4〜6を参照)が形成された熱可塑性樹脂からなる円筒状の第1ケーシング8と、この円筒状の濾材6の内周側を覆う壁面に複数の貫通孔(図示せず)が形成された熱可塑性樹脂からなる円筒状の第2ケーシング9と、円筒状の濾材6及び第1、第2ケーシング8、9からなる円筒状部材の両端面に熱溶着により接合される熱可塑性樹脂からなる環状のインナフィルターエレメント用エンドプレート10、11と、を有している。
【0018】
円筒状の濾材6は、例えば、帯状の不織布をプリーツ状に折り曲げた後に円筒状に丸めた上でその円周方向の両端を接合して円環状に成形して得られるものである。
【0019】
図4〜図6は、インナフィルターエレメント2の第1ケーシング8を示している。第1ケーシング8に形成される複数の貫通孔7は、円周方向に延びる長穴状を呈し、第1ケーシング8の円周方向及び軸方向のそれぞれに所定間隔毎に形成されている。
【0020】
尚、本実施形態の第1ケーシング8においては、第1ケーシング8の円周方向に沿って隣接する貫通孔7、7の端部間が、第1ケーシング8の外周面8aと同じ高さとなっているが、第1ケーシング8の円周方向に沿って隣接する貫通孔7、7の端部間に、第1ケーシング8の外周面8aよりも低くなった溝部(図示せず)を形成することも可能であり、この場合には、貫通孔7に対して、インナフィルターエレメント8外周側からの液体の流入をより円滑することができる。
【0021】
第2ケーシング9は、第1ケーシング8と伴に円筒状の濾材6を保持するものであって、第1ケーシング8と同一形状、同一肉厚であり、外径のみが第1ケーシング8と異なるものである。
【0022】
インナフィルターエレメント用エンドプレート10、11は、円環状の平板であり、端板4、5に対する熱溶着の際の溶け代を兼ねる凸部12、13が外周縁及び内周縁の全周にそれぞれ形成されている。
【0023】
そして、インナフィルターエレメント2は、図3に示すように、単独のユニットとして予め組み立てられている。
【0024】
アウタフィルターエレメント3は、図1、図2及び図7に示すように、円筒状の濾材14と、この円筒状の濾材14の外周側を覆う壁面に複数の貫通孔(図示せず)が形成された熱可塑性樹脂からなる円筒状のケーシング15と、円筒状の濾材14及びケーシング15からなる円筒状部材の両端面に熱溶着により接合される熱可塑性樹脂からなる環状のアウタフィルターエレメント用エンドプレート16、17と、を有している。
【0025】
円筒状の濾材14は、例えば、帯状の不織布をプリーツ状に折り曲げた後に円筒状に丸めた上でその円周方向の両端を接合して円環状に成形して得られるものである。
【0026】
ケーシング15は、円筒状の濾材14を保持するものであって、上述したインナフィルターエレメント2の第1ケーシング8と同一形状、同一肉厚であり、外径のみが第1ケーシング8と異なるものである。
【0027】
アウタフィルターエレメント用エンドプレート16、17は、円環状の平板であり、端板4、5に対する熱溶着の際の溶け代を兼ねる凸部18が内周縁の全周にそれぞれ形成されている。
【0028】
そして、アウタフィルターエレメント3は、図7に示すように、単独のユニットとして予め組み立てられている。
【0029】
上部端板4は、鍔付円筒形状を呈し、インナフィルターエレメント2の内部空間、すなわちインナフィルターエレメント2の第2ケーシング9の内周側の空間を相手側の機器に接続するための接続口となる円筒部19と、インナフィルターエレメント2及びアウタフィルターエレメント3に熱溶着により接合される環状の鍔部20と、を有している。
【0030】
円筒部19には、相手側の機器に接続する際のシール性を確保するためにOリング等のシール部材(図示せず)を取り付けるための凹部21、21が形成されている。
【0031】
鍔部20の裏面側には、アウタフィルターエレメント用エンドプレート16の凸部18aとインナフィルターエレメント用エンドプレート10の外周側凸部12aとに接合される環状に連続する鍔部外周側凸部22と、インナフィルターエレメント用エンドプレート10の内周側凸部13aと接合される環状に連続する鍔部内周側凸部23と、が形成されている。
【0032】
下部端板5は、円板形状を呈し、その裏面側には、アウタフィルターエレメント用エンドプレート17の凸部18bとインナフィルターエレメント用エンドプレート11の外周側凸部12bとに接合される環状に連続する下部端板外周側凸部24と、インナフィルターエレメント用エンドプレート11の内周側凸部13bと接合される環状に連続する下部端板内周側凸部25と、が形成されている。
【0033】
そして、予め組み立てられたアウタフィルターエレメント3の内周側に、予め組み立てられたインナフィルターエレメント2を配置し、濾材6、14により各フィルターエレメント2、3の軸直角方向に2つの濾過層が形成された状態で、インナフィルターエレメント2及びアウタフィルターエレメント3の両端を、端板4、5といわゆる熱板溶着により接合する。詳述すると、端板4、5を100〜150℃程度に予備加熱したのち、600℃程度に加熱した熱板を端板4、5に近づけることで端板4、5の表層部温度を200〜300℃にして溶融化させると共に、インナフィルターエレメント用エンドプレート10、11の凸部12、13とアウタフィルターエレメント用エンドプレート16、17の凸部18に600℃程度に加熱した熱板を近づけることで、これら凸部12、13、18を溶融化させる。そして、端板4、5を、インナフィルターエレメント2及びアウタフィルターエレメント3の両端にそれぞれに圧着し、冷却することで、端板4、5側の凸部22、23、24、25と、インナフィルターエレメント2及びアウタフィルターエレメント3側の凸部12、13、18とが接合されている。
【0034】
本実施形態においては、インナフィルターエレメント2とアウタフィルターエレメント3とが上下の端板4、5と熱溶着され、フィルターカートリッジ1の組み立てが完了した状態において、図2に示すように、アウタフィルターエレメント3の円筒状の濾材14の内周面(図2中の2点鎖線を参照)と、インナフィルターエレメント2の第1ケーシング8との間に、0.5〜1mmのクリアランスが生じるように設定されている。
【0035】
また、本実施形態におけるフィルターカートリッジ1は、アウタフィルターエレメント3外周側の円筒面から流入させた液体をインナフィルターエレメント2の内周側の空間に導き、上部端板4の円筒部19を介して相手側の機器に導入させているので、上流側となるアウタフィルターエレメント3の濾材14に比べて、下流側となるインナフィルターエレメント2の濾材6の方が、除去できる粒子が小さくなるように設定されている。尚、フィルターカートリッジ1は、上部端板4の円筒部19から流入させた液体をアウタフィルターエレメント3外周側の円筒面から流出させるようにして使用することも可能であるが、この場合には上流側となるインナフィルターエレメント2の濾材6に比べて、下流側となるアウタフィルターエレメント3の濾材14の方が、除去できる粒子が小さくなるように設定されることになる。
【0036】
ここで、例えば、下部端板5と、インナフィルターエレメント用エンドプレート11と、アウタフィルターエレメント用エンドプレート17と、を一つの円板状部材に置き換えてしまうことも考えられるが、この場合には、この円板状部材が下部端板5に比べて大きくなり、熱溶着の際に変形し易くなる。つまり、本実施形態のように、インナフィルターエレメント2及びアウタフィルターエレメント3をそれぞれユニット化した上で、両者を同心状に配置し、両者の上下端面に対して端板4、5を熱溶着する方が、上下の端板とフィルターエレメントのエンドプレートとを単一部材に置き換えた場合に比べて、端板4、5を小さくすることができるため、熱溶着の際の変形を抑制でき、製造性に優れている。
【0037】
また、各フィルターエレメント2、3に適用される濾材6、14は、上述したような不織布からなる菊花状のものに限定されるものではなく、全体として円筒形状に形成可能であれば、周知のものを適宜選択して使用可能である。
【0038】
本実施形態のフィルターカートリッジ1においては、このフィルターカートリッジ1が接続される相手側の機器の接続部分の形状が変わる場合には、例えば図8に示すように上部端板27の形状を変更することで対応することができる。この上部端板27は、円筒形状を呈し、その外周面には相手側の機器に接続する際のシール性を確保するためにOリング等のシール部材(図示せず)を取り付けるための凹部28が形成され、その下端側の内周面にインナフィルターエレメント2及びアウタフィルターエレメント3に熱溶着により接合される環状の鍔部29が突出形成されている。図8中の30は、アウタフィルターエレメント用エンドプレート16の凸部18aとインナフィルターエレメント用エンドプレート10の外周側凸部12aとに接合される鍔部外周側凸部であり、31はインナフィルターエレメント用エンドプレート10の内周側凸部13aと接合される鍔部内周側凸部である。
【0039】
このような本実施形態のフィルターカートリッジ1は、内部にインナフィルターエレメント2とアウタフィルターエレメント3とを有するため、内部に複数の濾過層を同心状に有することになる。そのため、インナフィルターエレメント2とアウタフィルターエレメント3とで濾過精度が互いに異なる濾材6、14を用いることで、フィルターカートリッジ1の大型化を抑制しつつ、各濾材6、14の濾過寿命の延長を実現することが可能となり、総じてフィルターカートリッジ1の濾過寿命の延長を図ることが可能となる。
【0040】
また、インナフィルターエレメント2の第1ケーシング8が、インナフィルターエレメント2の濾材6とアウタフィルターエレメント3の濾材14との間に位置するため、インナフィルターエレメント2の濾材6とアウタフィルターエレメント3の濾材14とが適宜な間隔で離間し、互いに密着することもないので、各フィルターエレメント2、3はそれぞれ所期の濾過特性を確実に発揮することができる。特に、本実施形態のおいては、インナフィルターエレメント2の第1ケーシング8と、アウタフィルターエレメント3の濾材14との間に、0.5〜1mmのクリアランスが生じるように設定されているので、インナフィルターエレメント2の濾材6とアウタフィルターエレメント3の濾材14との間に十分な間隔を設けることができ、各フィルターエレメント2、3がそれぞれ所期の濾過特性を実現する上で有利な構成となっている。
【0041】
そして、各フィルターエレメント2、3毎にそれぞれの濾材6、14の濾過精度を変更することが可能であり、濾過精度が異なるフィルターエレメント2、3を個々に製作することができるため、フィルターカートリッジ1の生産効率を向上させることができる。
【0042】
また、インナフィルターエレメント2及びアウタフィルターエレメント3の濾過特性は、それぞれ個々に選択できるため、フィルターカートリッジ1を構成するフィルターエレメントの組み合わせは多種類となり、用途に応じたフィルターカートリッジ1を容易に製作することができる。
【0043】
そして、熱溶着により、インナフィルターエレメント2とアウタフィルターエレメント3と上下の端板4、5とを接合しているので、各フィルターエレメント2、3同士を容易にかつ強固に一体化することが可能となり、フィルターカートリッジ1の生産効率を向上させることができる。
【0044】
以下、本発明の他の実施形態について説明するが、上述した第1実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0045】
図9〜図12は、本発明の第2実施形態におけるフィルターカートリッジ41を示している。この第2実施形態のフィルターカートリッジ41は、上述した第1実施形態のフィルターカートリッジ1と略同一構成となっているが、インナフィルターエレメント用エンドプレート42、43の外周縁にのみ熱溶着の際の溶け代を兼ねる凸部12が形成され、これに対応して上部端板44と下部端板45には、インナフィルターエレメント用エンドプレート42、43の外周縁に形成された凸部12と接合される凸部22、24のみが形成されている。詳述すると、上部端板44は、インナフィルターエレメント用エンドプレート42の凸部12aと、アウタフィルターエレメント用エンドプレート16の凸部18aとに接合される凸部22のみを有している。下部端板45は、インナフィルターエレメント用エンドプレート43の凸部12bと、アウタフィルターエレメント用エンドプレート17の凸部18bとに接合される凸部24のみを有している。
【0046】
また、この第2実施形態におけるアウタフィルターエレメント46は、第1実施形態のアウタフィルターエレメント3と異なり、円筒状の濾材14が、外周側だけでなくその内周側も壁面に複数の貫通孔(図示せず)が形成された熱可塑性樹脂からなる円筒状の第2のケーシング47で覆われている。
【0047】
すなわち、アウタフィルターエレメント46の濾材14も、インナフィルターエレメント2の濾材6と同様に、その外周側及び内周側が、それぞれケーシング15、47によって覆われている。アウタフィルターエレメント46の第2のケーシング47は、外周側のケーシング15と伴に円筒状の濾材14を保持するものであって、外周側のケーシング15と同一形状、同一肉厚であり、外径のみが第1ケーシング15と異なるものである。
【0048】
尚、第2実施形態においては、インナフィルターエレメント2とアウタフィルターエレメント46とが上下の端板44、45と熱溶着され、フィルターカートリッジ41の組み立てが完了した状態において、図10に示すように、アウタフィルターエレメント46の円筒状の濾材14の内周面(図10中の2点鎖線を参照)と、アウタフィルターエレメント46の第2のケーシング47との間に0.5〜1mmのクリアランスが生じるように設定され、アウタフィルターエレメント46の第2のケーシング47と、インナフィルターエレメント2の第1ケーシング8との間に0.5〜1mmのクリアランスが生じるように設定されている。
【0049】
また、この第2実施形態においても、インナフィルターエレメント2及びアウタフィルターエレメント46は、図11及び図12に示すように、単独のユニットとしてそれぞれ予め組み立てられている。
【0050】
このような第2実施形態においても、上述した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0051】
尚、上述した各実施形態におけるフィルターカートリッジ1、41は、インナフィルターエレメントとアウタフィルターエレメントの2つのフィルターエレメントを有しているが、本発明に係るフィルターカートリッジは2つフィルターエレメントを有するものにのみ限定されるものではなく、2つ以上のフィルターエレメントを同心状に配置し、これら複数のフィルターエレメントの軸直角方向に、複数の濾過層が形成されたものも包括するものである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1実施形態におけるフィルターカートリッジの全体構成を模式的に示した説明図。
【図2】第1実施形態におけるフィルターカートリッジの断面図。
【図3】第1実施形態におけるフィルターカートリッジのインナフィルターエレメントの断面図。
【図4】インナフィルターエレメントの平面図。
【図5】図4のA−A線に沿った断面図。
【図6】図4のB−B線に沿った断面図。
【図7】第1実施形態におけるフィルターカートリッジのアウタフィルターエレメントの断面図。
【図8】第1実施形態におけるフィルターカートリッジの上部端板の他の実施形態を示す説明図。
【図9】本発明の第2実施形態におけるフィルターカートリッジの全体構成を模式的に示した説明図。
【図10】第2実施形態におけるフィルターカートリッジの断面図。
【図11】第2実施形態におけるフィルターカートリッジのインナフィルターエレメントの断面図。
【図12】第2実施形態におけるフィルターカートリッジのアウタフィルターエレメントの断面図。
【符号の説明】
【0053】
1…フィルターカートリッジ
2…インナフィルターエレメント
3…アウタフィルターエレメント
4…上部端板
5…下部端板
6…濾材
8…第1ケーシング
9…第2ケーシング
14…濾材
15…ケーシング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周側が多孔状のケーシングで覆われた筒状の濾材の両端が熱可塑性樹脂からなる環状のエンドプレートにより封止されたフィルターエレメントを同心状に複数配置してなり、これらフィルターエレメントの軸直角方向に、前記濾材により複数の濾過層が形成され、
前記複数のフィルタエレメントは、前記各エンドプレートに熱溶着により接合される上下一対の端板により互いに連結されていることを特徴とするフィルターカートリッジ。
【請求項2】
前記各エンドプレートは、円環状の平板であり、前記端板に熱溶着により接合される環状に連続する凸部が形成され、
前記各端板には、前記エンドプレートの凸部に熱溶着により接合される環状に連続する複数の凸部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項3】
前記フィルターエレメントは、外周側に位置するアウタフィルターエレメントと、該アウタフィルターエレメントの内周側に位置するインナフィルターエレメントと、からなり、前記アウタフィルターエレメントと前記インナフィルターエレメントとは、前記エンドプレートに熱溶着により接合される前記一対の端板により互いに連結されていることを特徴とする請求項1または2に記載のフィルターカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−131111(P2011−131111A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−289936(P2009−289936)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(000151209)株式会社マーレ フィルターシステムズ (159)