フィルター
【課題】 把手の位置に関わらず取付けが容易となるフィルターを提供する。
【解決手段】 フィルター11は、金属フィルター74への取付け時に把手75が位置しうる帯状領域12がミシン目構造よりなり、帯状領域12の突き刺し強度が他の領域における突き刺し強度より小さく設定されている。取付けに当たっては、フィルター11の図示しない粘着材が塗布されている側の面を金属フィルター74に押し当てると、把手75が対向する開口部13及びその周りの部分を介して容易にフィルター11を貫通する。すなわち、フィルター11は、把手75を貫通させた状態で金属フィルター74に脱着自在に取付けられる。このようにすると、フィルター11が把手75に押し上げられて金属フィルター74から離れることが無く、又、フィルター11は一部が把手75に貫通された状態で金属フィルター74に密着状態に取付けられ、取付け状態が安定したものとなる。
【解決手段】 フィルター11は、金属フィルター74への取付け時に把手75が位置しうる帯状領域12がミシン目構造よりなり、帯状領域12の突き刺し強度が他の領域における突き刺し強度より小さく設定されている。取付けに当たっては、フィルター11の図示しない粘着材が塗布されている側の面を金属フィルター74に押し当てると、把手75が対向する開口部13及びその周りの部分を介して容易にフィルター11を貫通する。すなわち、フィルター11は、把手75を貫通させた状態で金属フィルター74に脱着自在に取付けられる。このようにすると、フィルター11が把手75に押し上げられて金属フィルター74から離れることが無く、又、フィルター11は一部が把手75に貫通された状態で金属フィルター74に密着状態に取付けられ、取付け状態が安定したものとなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はフィルターに関し、特に外面に突起状の把手を有する金属フィルターに脱着自在に取付けられるフィルターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図11は、一般的なレンジフードのフードの一部を切り欠いた状態の斜視図である。
【0003】
図を参照して、レンジフード70は、ブーツ型のフード71の内側に吸気口72を備えたものからなる。吸気口72の開口73には、吸気口72の内部に異物が入り込むのを防ぐために、金属フィルター74が取付けられている。金属フィルター74の外面は、対向する一対の一辺と対向する一対の他辺とからなる矩形形状を有すると共に、一辺の一方の中央部からわずか内方側に位置する突起状の把手75を有する。
【0004】
金属フィルター74の取付けは、まず、開口73の下方端部に設けられた下溝76に、金属フィルター74の把手75を有さない側の端部を挿入し、把手75を掴んで、下溝76の内側に設けられた図示しない板バネの反発力に抗して、金属フィルター74を開口73の下方側に更に押し込む。次に、金属フィルター74の把手75を有する側の端部を上溝77の係止突起78a、78b及び78cの各々に係合する位置に合わせて、把手75より手を放す等して、金属フィルター74を開口73の下方側に押し込む力を緩める。すると、板バネの反発力により、金属フィルター74が開口73の上方側に押し上げられ、金属フィルター74の把手75を有する側の端部が上溝77の係止突起78a、78b及び78cの各々に係合する。尚、この時金属フィルター74の把手75を有さない側の端部は下溝76に係合したままである。このようにして、金属フィルター74は、下溝76と、上溝77の係止突起78a、78b及び78cとに保持されて、吸気口72の開口73に取付けられる。
【0005】
ところで、この金属フィルター74は、レンジフード70の使用に伴い油等の汚れが付着していき、定期的に洗浄しなければ、レンジフード70の吸気機能を損なわせるといった問題を有する。そこで、金属フィルター74の外面に取付ける、容易に取替え可能な以下のようなフィルターが提案されている。
【0006】
図12は、図11で示した金属フィルターに従来のフィルターを取付ける状態を示した斜視図である。
【0007】
図を参照して、フィルター81は、金属フィルター74の他辺の各々に対応する幅を有する、不織布よりなる帯状体80から所定長さに切断されて形成される。尚、切断を補助するために特許文献1に示されているように、幅方向に縦断するミシン目82が所定間隔で形成されている。フィルター81の一方面には、図示しない粘着材が塗布されている。
フィルター81の取付けは、まず、金属フィルター74の大きさに合うようにフィルター81を幅方向に切断する。尚、切断はミシン目82を介して行うと容易である。次に、フィルター81の粘着材が塗布されている側の面を金属フィルター74に押し当てて、フィルター81を金属フィルター74に脱着自在に取付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−187748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のような従来のフィルターでは、取付時に問題を生じる場合がある。
【0010】
図13は、図11で示した金属フィルターに図12で示した従来のフィルターを取付けた状態の拡大斜視図である。
【0011】
図を参照して、把手75に対向する部分の周囲のフィルター81が把手75に押し上げられて、金属フィルター74から離れている。この状態では、金属フィルター74を密着状態で覆えずにフィルター81が機能しない部分が生じるため、フィルター81の取付けが不十分である。そこで、この状態を解消するために以下の方法が提案されている。
【0012】
図14は、図13で示した“Z”部分に対応する部分の取付過程を示す拡大模式図である。
【0013】
図14の(1)を参照して、フィルター81の把手75に対向する部分に切れ目83を入れる。すると、図14の(2)に示すように、切れ目83を介してフィルター81が把手75の左右に分かれるので、把手75にフィルター81が押し上げられることが無く、フィルター81は金属フィルター74に密着状態でほぼ全域を覆うことが可能となる。
【0014】
しかし、フィルター81を金属フィルター74に取付ける際にフィルター81に切れ目83を入れるのは、手間がかかり扱いにくい。又、フィルター81は金属フィルター74の大きさに応じて幅方向に切断されて使用されるため、あらかじめ切れ目83を入れておいても把手75の位置と切れ目83との位置が合わない。
【0015】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、把手の位置に関わらず取付けが容易となるフィルターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、突起状の把手を外面に有する金属フィルターに、把手を貫通させた状態で脱着自在に取付けられるフィルターにおいて、取付け時における把手が位置し得る領域の突き刺し強度を、他の領域における突き刺し強度より小さく設定したことを特徴とするものである。
【0017】
このように構成すると、把手を貫通させるのに要する力が常に小さくなる。
【0018】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、金属フィルターの外面は、対向する一対の一辺と対向する一対の他辺とからなる矩形形状を有すると共に、把手は、一辺の一方の中央部からわずか内方側に位置しており、フィルターは、他辺の各々に対応する幅を有する、不織布よりなる帯状体から切断されて形成され、領域は、一辺の一方に対する帯状体の側縁に対して平行に延びる帯状領域であるものである。
【0019】
このように構成すると、帯状体の幅方向への切断位置にかかわらず、帯状領域が常に把手の取付け位置に対応する。
【0020】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の構成において、帯状領域は、所定間隔で形成された複数の開口部によって構成されるものである。
【0021】
このように構成すると、開口部の大きさや間隔によって突き刺し強度を調整できる。
【0022】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の構成において、所定間隔は、把手における一辺に沿った方向の長さより小さく設定されるものである。
【0023】
このように構成すると、いずれかの開口部の少なくとも1つは、把手の位置に必ず対向する。
【0024】
請求項5記載の発明は、請求項3又は請求項4記載の発明の構成において、帯状領域は、ミシン目構造よりなるものである。
【0025】
このように構成すると、開口部の形成が容易となる。
【0026】
請求項6記載の発明は、請求項3又は請求項4記載の発明の構成において、開口部の各々は、切れ目で構成され、切れ目は、帯状領域の延びる方向を横切るように形成されるものである。
【0027】
このように構成すると、切れ目の各々は同一直線上に位置しないので、1つの切れ目の拡大による隣接の切れ目に与える影響が少なくなる。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、把手を貫通させるのに要する力が常に小さくなるので、把手の位置に関わらず取付けが容易となる。
【0029】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、帯状体の幅方向への切断位置にかかわらず、帯状領域が常に把手の取付け位置に対応するので、安定した把手への取付けが可能となる。
【0030】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、開口部の大きさや間隔によって突き刺し強度を調整できるので、把手の大きさに応じての調整が容易となる。
【0031】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の効果に加えて、いずれかの開口部の少なくとも1つは、把手の位置に必ず対向するので、帯状領域の突き刺し強度のばらつきが小さくなる。
【0032】
請求項5記載の発明は、請求項3又は請求項4記載の発明の効果に加えて、開口部の形成が容易となるので、コスト的に有利なフィルターとなる。
【0033】
請求項6記載の発明は、請求項3又は請求項4記載の発明の効果に加えて、切れ目の各々は同一直線上に位置しないので、1つの切れ目の拡大による隣接の切れ目に与える影響が少なくなるので、フィルターの取付け状態が安定する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】この発明の第1の実施の形態によるフィルターの概略形状を示した斜視図である。
【図2】図1で示したフィルターを金属フィルターに取付ける状態を示した斜視図である。
【図3】図2で示した金属フィルターに図1で示したフィルターを取付けた状態の拡大斜視図である。
【図4】図3で示した“V”部分の取付過程を示す拡大模式図である。
【図5】図2で示した金属フィルターにこの発明の第2の実施の形態によるフィルターを取付けた状態の拡大斜視図であって、第1の実施の形態の図3に対応する図である。
【図6】図5で示した“W”部分の取付過程を示す拡大模式図であって、第1の実施の形態の図4に対応する図である。
【図7】図2で示した金属フィルターにこの発明の第3の実施の形態によるフィルターを取付けた状態の拡大斜視図であって、第1の実施の形態の図3に対応する図である。
【図8】図7で示した“X”部分の取付過程を示す拡大模式図であって、第1の実施の形態の図4に対応する図である。
【図9】図2で示した金属フィルターにこの発明の第4の実施の形態によるフィルターを取付けた状態の拡大斜視図であって、第1の実施の形態の図3に対応する図である。
【図10】図9で示した“Y”部分の取付過程を示す拡大模式図であって、第1の実施の形態の図4に対応する図である。
【図11】一般的なレンジフードのフードの一部を切り欠いた状態の斜視図である。
【図12】図11で示した金属フィルターに従来のフィルターを取付ける状態を示した斜視図である。
【図13】図11で示した金属フィルターに図12で示した従来のフィルターを取付けた状態の拡大斜視図である。
【図14】図13で示した“Z”部分に対応する部分の取付過程を示す拡大模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、この発明の第1の実施の形態によるフィルターの概略形状を示した斜視図であり、図2は、図1で示したフィルターを金属フィルターに取付ける状態を示した斜視図であり、図3は、図2で示した金属フィルターに図1で示したフィルターを取付けた状態の拡大斜視図であり、図4は、図3で示した“V”部分の取付過程を示す拡大模式図である。
【0036】
まず、図2を参照して、金属フィルター74は、レンジフード70の吸気口72の開口73に取付けられ、外面が対向する一対の一辺と対向する一対の他辺とからなる矩形形状を有すると共に、一辺の一方の中央部からわずか内方側に位置する円柱突起状の把手75を有する。尚、把手75の金属フィルター74の一辺に沿った方向の長さ(直径:図4におけるL)は、1cm程度に設定されている。
【0037】
次に、図1及び図2を参照して、フィルター11は、金属フィルター74の他辺の各々に対応する幅を有する、不織布よりなる帯状体10から切断されて形成される。尚、フィルター11の一方面には、図示しない粘着材が塗布されている。
【0038】
フィルター11を形成する帯状体10は、フィルター11の取付け時に把手75が位置しうる領域である、金属フィルター74の一辺の一方に対する帯状体10の側縁に対して平行に延びる帯状領域12が、ミシン目構造よりなるものである。ミシン目構造とは、直線上又は曲線上にその始点及び終点が位置する切れ目又は細長い孔よりなる開口部13が所定間隔で形成されたものを意味する。すなわち、帯状体10から形成されるフィルター11は、取付け時における把手75が位置しうる帯状領域12の突き刺し強度が、他の領域における突き刺し強度より小さく設定されたものとなる。
【0039】
このように構成すると、後述する把手75がフィルター11を貫通する時に、把手75を貫通させるのに要する力が常に小さくなるので、把手75の位置に関わらず取付けが容易となる。
【0040】
又、帯状体10の幅方向への切断位置にかかわらず、フィルター11の帯状領域12が常に把手75の取付け位置に対応するものとなっているので、安定した把手75への取付けが容易となる。
【0041】
尚、ミシン目構造は、上述のように所定間隔で形成された複数の開口部13によって構成される。このように構成すると、開口部13の形成が容易となるので、コスト的に有利なフィルター11となる。又、開口部13の大きさや間隔によって突き刺し強度を調整できるので、把手75の大きさに応じての調整が容易となる。
【0042】
開口部13の各々の間隔Dは、図4の(1)に示されているように、把手75の金属フィルター74の一辺に沿った方向の長さLより小さい間隔に設定されている。このように構成すると、いずれかの開口部13の少なくとも1つは、把手75の位置に必ず対向するので、帯状領域12の突き刺し強度のばらつきが小さくなる。
【0043】
フィルター11の取付けは、まず図2を参照して、金属フィルター74の大きさに合うようにフィルター11を幅方向に切断する。次に、フィルター11の粘着材が塗布されている側の面を金属フィルター74に当てる。すると、上述のように、開口部13の各々の間隔は、把手75における金属フィルター74の一辺に沿った方向の長さより小さく設定されているから、必ず把手75に開口部13の1つが対向する。この状態で、フィルター11を金属フィルター74に押し当てると、把手75が対向する開口部13を押し広げる。そして図4の(2)に示すように、開口部13及びその周りの部分を介して、把手75が容易にフィルター11を貫通する。すると、図3に示すように、フィルター11は、把手75を貫通させた状態で金属フィルター74に脱着自在に取付けられる。このようにすると、把手75に対向する部分の周囲のフィルター11が把手75に押し上げられて金属フィルター74から離れることが無い。又、フィルター11はその一部を把手75に貫通された状態で金属フィルター74に取付けられるから、金属フィルター74へのフィルター11の取付け状態が安定する。
【0044】
図5は、図2で示した金属フィルターにこの発明の第2の実施の形態によるフィルターを取付けた状態の拡大斜視図であって、第1の実施の形態の図3に対応する図であり、図6は、図5で示した“W”部分の取付過程を示す拡大模式図であって、第1の実施の形態の図4に対応する図である。
【0045】
これらの図を参照して、第1の実施の形態によるフィルター11において、帯状領域12が、所定間隔で形成される、帯状領域12の延びる方向(図6において左右方向)を横切るように形成された複数の半円形状の切れ目14によって構成されたものに置き換えられている。尚、所定の値に設定される切れ目14の間隔Dとは、隣接する切れ目14同士における、帯状領域12の延びる方向での間隔を指す。間隔Dは、把手75の金属フィルター74の一辺に沿った方向の長さLより小さい間隔に設定されている。このように構成すると、切れ目14の各々は同一直線状に位置しないので、図5の(1)及び(2)に示すように、把手75を貫通させる際に生じる把手75に対向する1つの切れ目14aの拡大による隣接の切れ目14b及び14cに与える影響が少なくなる。よって、フィルター11の取付け状態が安定する。
【0046】
図7は、図2で示した金属フィルターにこの発明の第3の実施の形態によるフィルターを取付けた状態の拡大斜視図であって、第1の実施の形態の図3に対応する図であり、図8は、図7で示した“X”部分の取付過程を示す拡大模式図であって、第1の実施の形態の図4に対応する図である。
【0047】
これらの図を参照して、第1の実施の形態によるフィルター11において、帯状領域12が、所定間隔で形成される、帯状領域12の延びる方向(図8において左右方向)を横切るように斜めに形成された複数の直線形状の切れ目15によって構成されたものに置き換えられている。尚、所定の値に設定される切れ目15の間隔Dとは、隣接する切れ目15同士における、帯状領域12の延びる方向での間隔を指す。間隔Dは、把手75の金属フィルター74の一辺に沿った方向の長さLより小さい間隔に設定されている。このように構成すると、切れ目15の各々は同一直線状に位置しないので、図8の(1)及び(2)に示すように、把手75を貫通させる際に生じる把手75に対向する1つの切れ目15aの拡大による隣接の切れ目15b及び15cに与える影響が少なくなるので、フィルター11の取付け状態が安定する。
【0048】
図9は、図2で示した金属フィルターにこの発明の第4の実施の形態によるフィルターを取付けた状態の拡大斜視図であって、第1の実施の形態の図3に対応する図であり、図10は、図9で示した“Y”部分の取付過程を示す拡大模式図であって、第1の実施の形態の図4に対応する図である。
【0049】
これらの図を参照して、第1の実施の形態によるフィルター11において、帯状領域12が、所定間隔で形成される、帯状領域12の延びる方向(図10において左右方向)を横切るように形成された複数の山型形状の切れ目16によって構成されたものに置き換えられている。尚、所定の値に設定される切れ目16の間隔Dとは、隣接する切れ目16同士における、帯状領域12の延びる方向での間隔を指す。間隔Dは、把手75の金属フィルター74の一辺に沿った方向の長さLより小さい間隔に設定されている。このように構成すると、切れ目16の各々は同一直線状に位置しないので、図10の(1)及び(2)に示すように、把手75を貫通させる際に生じる把手75に対向する1つの切れ目16aの拡大による隣接の切れ目16b及び16cに与える影響が少なくなるので、フィルター11の取付け状態が安定する。
【0050】
尚、上記の各実施の形態では、帯状領域が所定間隔で形成された複数の開口部によって構成されることにより、帯状領域の突き刺し強度を他の領域の突き刺し強度より小さく設定していたが、例えば、帯状領域のみ他の領域より目付を低くする等して、他の領域の突き刺し強度より帯状領域の突き刺し強度を小さく設定してもよい。
【0051】
又、上記の各実施の形態では、帯状領域の突き刺し強度を他の突き刺し強度より小さく設定していたが、取付け時における把手が位置しうる領域の突き刺し強度を、他の領域における突き刺し強度より小さく設定していればよく、帯状領域に限らない。
【0052】
更に、上記の各実施の形態では、開口部の各々の間隔が、把手における金属フィルターの一辺に沿った方向の長さより小さく設定されていたが、その長さよりも大きく設定されていてもよい。
【0053】
更に、上記の第1の実施の形態では、帯状領域はミシン目構造よりなるものであったが、所定間隔で形成された複数の円形の開口部によって構成されるものであってもよい。
【0054】
更に、上記の第2の実施の形態、第3の実施の形態及び第4の実施の形態では、帯状領域を構成するそれぞれの切れ目の形状は、半円形状、斜め方向の直線形状、山型形状であったが、帯状領域の延びる方向を横切るように形成されていれば、他の形状であってもよい。
【0055】
更に、上記の各実施の形態では、金属フィルターは矩形形状を有するものであったが、それ以外の形状を有するものであってもよく、フィルターも金属フィルターの形状に対応して矩形形状以外の形状を有するものであってもよい。
【0056】
更に、上記の各実施の形態では、把手は、金属フィルターの一辺の一方の中央部からわずか内方側に位置していたが、他の位置に位置していてもよい。
【0057】
更に、上記の各実施の形状では、把手は、円柱状のものであったが、それ以外の形状のもの、例えば側面視略L字形状であって平面視略矩形形状のものなどであってもよい。その場合、開口部の所定間隔は、金属フィルターの一辺に沿った方向における把手の一方端部から他方端部への長さより小さく設定すれば良い。又、把手は、金属フィルターより突出する円柱の端部に円柱の直径よりも大きな直径を有する円板が接続した、側面視略T字形状のものなどであってもよい。その場合、開口部の所定間隔は、円板の直径より小さく設定すれば良い。
【符号の説明】
【0058】
10…帯状体
11…フィルター
12…帯状領域
13…開口部
14a、14b、14c…切れ目
15a、15b、15c…切れ目
16a、16b、16c…切れ目
74…金属フィルター
75…把手
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
【技術分野】
【0001】
この発明はフィルターに関し、特に外面に突起状の把手を有する金属フィルターに脱着自在に取付けられるフィルターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図11は、一般的なレンジフードのフードの一部を切り欠いた状態の斜視図である。
【0003】
図を参照して、レンジフード70は、ブーツ型のフード71の内側に吸気口72を備えたものからなる。吸気口72の開口73には、吸気口72の内部に異物が入り込むのを防ぐために、金属フィルター74が取付けられている。金属フィルター74の外面は、対向する一対の一辺と対向する一対の他辺とからなる矩形形状を有すると共に、一辺の一方の中央部からわずか内方側に位置する突起状の把手75を有する。
【0004】
金属フィルター74の取付けは、まず、開口73の下方端部に設けられた下溝76に、金属フィルター74の把手75を有さない側の端部を挿入し、把手75を掴んで、下溝76の内側に設けられた図示しない板バネの反発力に抗して、金属フィルター74を開口73の下方側に更に押し込む。次に、金属フィルター74の把手75を有する側の端部を上溝77の係止突起78a、78b及び78cの各々に係合する位置に合わせて、把手75より手を放す等して、金属フィルター74を開口73の下方側に押し込む力を緩める。すると、板バネの反発力により、金属フィルター74が開口73の上方側に押し上げられ、金属フィルター74の把手75を有する側の端部が上溝77の係止突起78a、78b及び78cの各々に係合する。尚、この時金属フィルター74の把手75を有さない側の端部は下溝76に係合したままである。このようにして、金属フィルター74は、下溝76と、上溝77の係止突起78a、78b及び78cとに保持されて、吸気口72の開口73に取付けられる。
【0005】
ところで、この金属フィルター74は、レンジフード70の使用に伴い油等の汚れが付着していき、定期的に洗浄しなければ、レンジフード70の吸気機能を損なわせるといった問題を有する。そこで、金属フィルター74の外面に取付ける、容易に取替え可能な以下のようなフィルターが提案されている。
【0006】
図12は、図11で示した金属フィルターに従来のフィルターを取付ける状態を示した斜視図である。
【0007】
図を参照して、フィルター81は、金属フィルター74の他辺の各々に対応する幅を有する、不織布よりなる帯状体80から所定長さに切断されて形成される。尚、切断を補助するために特許文献1に示されているように、幅方向に縦断するミシン目82が所定間隔で形成されている。フィルター81の一方面には、図示しない粘着材が塗布されている。
フィルター81の取付けは、まず、金属フィルター74の大きさに合うようにフィルター81を幅方向に切断する。尚、切断はミシン目82を介して行うと容易である。次に、フィルター81の粘着材が塗布されている側の面を金属フィルター74に押し当てて、フィルター81を金属フィルター74に脱着自在に取付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−187748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のような従来のフィルターでは、取付時に問題を生じる場合がある。
【0010】
図13は、図11で示した金属フィルターに図12で示した従来のフィルターを取付けた状態の拡大斜視図である。
【0011】
図を参照して、把手75に対向する部分の周囲のフィルター81が把手75に押し上げられて、金属フィルター74から離れている。この状態では、金属フィルター74を密着状態で覆えずにフィルター81が機能しない部分が生じるため、フィルター81の取付けが不十分である。そこで、この状態を解消するために以下の方法が提案されている。
【0012】
図14は、図13で示した“Z”部分に対応する部分の取付過程を示す拡大模式図である。
【0013】
図14の(1)を参照して、フィルター81の把手75に対向する部分に切れ目83を入れる。すると、図14の(2)に示すように、切れ目83を介してフィルター81が把手75の左右に分かれるので、把手75にフィルター81が押し上げられることが無く、フィルター81は金属フィルター74に密着状態でほぼ全域を覆うことが可能となる。
【0014】
しかし、フィルター81を金属フィルター74に取付ける際にフィルター81に切れ目83を入れるのは、手間がかかり扱いにくい。又、フィルター81は金属フィルター74の大きさに応じて幅方向に切断されて使用されるため、あらかじめ切れ目83を入れておいても把手75の位置と切れ目83との位置が合わない。
【0015】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、把手の位置に関わらず取付けが容易となるフィルターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、突起状の把手を外面に有する金属フィルターに、把手を貫通させた状態で脱着自在に取付けられるフィルターにおいて、取付け時における把手が位置し得る領域の突き刺し強度を、他の領域における突き刺し強度より小さく設定したことを特徴とするものである。
【0017】
このように構成すると、把手を貫通させるのに要する力が常に小さくなる。
【0018】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、金属フィルターの外面は、対向する一対の一辺と対向する一対の他辺とからなる矩形形状を有すると共に、把手は、一辺の一方の中央部からわずか内方側に位置しており、フィルターは、他辺の各々に対応する幅を有する、不織布よりなる帯状体から切断されて形成され、領域は、一辺の一方に対する帯状体の側縁に対して平行に延びる帯状領域であるものである。
【0019】
このように構成すると、帯状体の幅方向への切断位置にかかわらず、帯状領域が常に把手の取付け位置に対応する。
【0020】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の構成において、帯状領域は、所定間隔で形成された複数の開口部によって構成されるものである。
【0021】
このように構成すると、開口部の大きさや間隔によって突き刺し強度を調整できる。
【0022】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の構成において、所定間隔は、把手における一辺に沿った方向の長さより小さく設定されるものである。
【0023】
このように構成すると、いずれかの開口部の少なくとも1つは、把手の位置に必ず対向する。
【0024】
請求項5記載の発明は、請求項3又は請求項4記載の発明の構成において、帯状領域は、ミシン目構造よりなるものである。
【0025】
このように構成すると、開口部の形成が容易となる。
【0026】
請求項6記載の発明は、請求項3又は請求項4記載の発明の構成において、開口部の各々は、切れ目で構成され、切れ目は、帯状領域の延びる方向を横切るように形成されるものである。
【0027】
このように構成すると、切れ目の各々は同一直線上に位置しないので、1つの切れ目の拡大による隣接の切れ目に与える影響が少なくなる。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、把手を貫通させるのに要する力が常に小さくなるので、把手の位置に関わらず取付けが容易となる。
【0029】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、帯状体の幅方向への切断位置にかかわらず、帯状領域が常に把手の取付け位置に対応するので、安定した把手への取付けが可能となる。
【0030】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、開口部の大きさや間隔によって突き刺し強度を調整できるので、把手の大きさに応じての調整が容易となる。
【0031】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の効果に加えて、いずれかの開口部の少なくとも1つは、把手の位置に必ず対向するので、帯状領域の突き刺し強度のばらつきが小さくなる。
【0032】
請求項5記載の発明は、請求項3又は請求項4記載の発明の効果に加えて、開口部の形成が容易となるので、コスト的に有利なフィルターとなる。
【0033】
請求項6記載の発明は、請求項3又は請求項4記載の発明の効果に加えて、切れ目の各々は同一直線上に位置しないので、1つの切れ目の拡大による隣接の切れ目に与える影響が少なくなるので、フィルターの取付け状態が安定する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】この発明の第1の実施の形態によるフィルターの概略形状を示した斜視図である。
【図2】図1で示したフィルターを金属フィルターに取付ける状態を示した斜視図である。
【図3】図2で示した金属フィルターに図1で示したフィルターを取付けた状態の拡大斜視図である。
【図4】図3で示した“V”部分の取付過程を示す拡大模式図である。
【図5】図2で示した金属フィルターにこの発明の第2の実施の形態によるフィルターを取付けた状態の拡大斜視図であって、第1の実施の形態の図3に対応する図である。
【図6】図5で示した“W”部分の取付過程を示す拡大模式図であって、第1の実施の形態の図4に対応する図である。
【図7】図2で示した金属フィルターにこの発明の第3の実施の形態によるフィルターを取付けた状態の拡大斜視図であって、第1の実施の形態の図3に対応する図である。
【図8】図7で示した“X”部分の取付過程を示す拡大模式図であって、第1の実施の形態の図4に対応する図である。
【図9】図2で示した金属フィルターにこの発明の第4の実施の形態によるフィルターを取付けた状態の拡大斜視図であって、第1の実施の形態の図3に対応する図である。
【図10】図9で示した“Y”部分の取付過程を示す拡大模式図であって、第1の実施の形態の図4に対応する図である。
【図11】一般的なレンジフードのフードの一部を切り欠いた状態の斜視図である。
【図12】図11で示した金属フィルターに従来のフィルターを取付ける状態を示した斜視図である。
【図13】図11で示した金属フィルターに図12で示した従来のフィルターを取付けた状態の拡大斜視図である。
【図14】図13で示した“Z”部分に対応する部分の取付過程を示す拡大模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、この発明の第1の実施の形態によるフィルターの概略形状を示した斜視図であり、図2は、図1で示したフィルターを金属フィルターに取付ける状態を示した斜視図であり、図3は、図2で示した金属フィルターに図1で示したフィルターを取付けた状態の拡大斜視図であり、図4は、図3で示した“V”部分の取付過程を示す拡大模式図である。
【0036】
まず、図2を参照して、金属フィルター74は、レンジフード70の吸気口72の開口73に取付けられ、外面が対向する一対の一辺と対向する一対の他辺とからなる矩形形状を有すると共に、一辺の一方の中央部からわずか内方側に位置する円柱突起状の把手75を有する。尚、把手75の金属フィルター74の一辺に沿った方向の長さ(直径:図4におけるL)は、1cm程度に設定されている。
【0037】
次に、図1及び図2を参照して、フィルター11は、金属フィルター74の他辺の各々に対応する幅を有する、不織布よりなる帯状体10から切断されて形成される。尚、フィルター11の一方面には、図示しない粘着材が塗布されている。
【0038】
フィルター11を形成する帯状体10は、フィルター11の取付け時に把手75が位置しうる領域である、金属フィルター74の一辺の一方に対する帯状体10の側縁に対して平行に延びる帯状領域12が、ミシン目構造よりなるものである。ミシン目構造とは、直線上又は曲線上にその始点及び終点が位置する切れ目又は細長い孔よりなる開口部13が所定間隔で形成されたものを意味する。すなわち、帯状体10から形成されるフィルター11は、取付け時における把手75が位置しうる帯状領域12の突き刺し強度が、他の領域における突き刺し強度より小さく設定されたものとなる。
【0039】
このように構成すると、後述する把手75がフィルター11を貫通する時に、把手75を貫通させるのに要する力が常に小さくなるので、把手75の位置に関わらず取付けが容易となる。
【0040】
又、帯状体10の幅方向への切断位置にかかわらず、フィルター11の帯状領域12が常に把手75の取付け位置に対応するものとなっているので、安定した把手75への取付けが容易となる。
【0041】
尚、ミシン目構造は、上述のように所定間隔で形成された複数の開口部13によって構成される。このように構成すると、開口部13の形成が容易となるので、コスト的に有利なフィルター11となる。又、開口部13の大きさや間隔によって突き刺し強度を調整できるので、把手75の大きさに応じての調整が容易となる。
【0042】
開口部13の各々の間隔Dは、図4の(1)に示されているように、把手75の金属フィルター74の一辺に沿った方向の長さLより小さい間隔に設定されている。このように構成すると、いずれかの開口部13の少なくとも1つは、把手75の位置に必ず対向するので、帯状領域12の突き刺し強度のばらつきが小さくなる。
【0043】
フィルター11の取付けは、まず図2を参照して、金属フィルター74の大きさに合うようにフィルター11を幅方向に切断する。次に、フィルター11の粘着材が塗布されている側の面を金属フィルター74に当てる。すると、上述のように、開口部13の各々の間隔は、把手75における金属フィルター74の一辺に沿った方向の長さより小さく設定されているから、必ず把手75に開口部13の1つが対向する。この状態で、フィルター11を金属フィルター74に押し当てると、把手75が対向する開口部13を押し広げる。そして図4の(2)に示すように、開口部13及びその周りの部分を介して、把手75が容易にフィルター11を貫通する。すると、図3に示すように、フィルター11は、把手75を貫通させた状態で金属フィルター74に脱着自在に取付けられる。このようにすると、把手75に対向する部分の周囲のフィルター11が把手75に押し上げられて金属フィルター74から離れることが無い。又、フィルター11はその一部を把手75に貫通された状態で金属フィルター74に取付けられるから、金属フィルター74へのフィルター11の取付け状態が安定する。
【0044】
図5は、図2で示した金属フィルターにこの発明の第2の実施の形態によるフィルターを取付けた状態の拡大斜視図であって、第1の実施の形態の図3に対応する図であり、図6は、図5で示した“W”部分の取付過程を示す拡大模式図であって、第1の実施の形態の図4に対応する図である。
【0045】
これらの図を参照して、第1の実施の形態によるフィルター11において、帯状領域12が、所定間隔で形成される、帯状領域12の延びる方向(図6において左右方向)を横切るように形成された複数の半円形状の切れ目14によって構成されたものに置き換えられている。尚、所定の値に設定される切れ目14の間隔Dとは、隣接する切れ目14同士における、帯状領域12の延びる方向での間隔を指す。間隔Dは、把手75の金属フィルター74の一辺に沿った方向の長さLより小さい間隔に設定されている。このように構成すると、切れ目14の各々は同一直線状に位置しないので、図5の(1)及び(2)に示すように、把手75を貫通させる際に生じる把手75に対向する1つの切れ目14aの拡大による隣接の切れ目14b及び14cに与える影響が少なくなる。よって、フィルター11の取付け状態が安定する。
【0046】
図7は、図2で示した金属フィルターにこの発明の第3の実施の形態によるフィルターを取付けた状態の拡大斜視図であって、第1の実施の形態の図3に対応する図であり、図8は、図7で示した“X”部分の取付過程を示す拡大模式図であって、第1の実施の形態の図4に対応する図である。
【0047】
これらの図を参照して、第1の実施の形態によるフィルター11において、帯状領域12が、所定間隔で形成される、帯状領域12の延びる方向(図8において左右方向)を横切るように斜めに形成された複数の直線形状の切れ目15によって構成されたものに置き換えられている。尚、所定の値に設定される切れ目15の間隔Dとは、隣接する切れ目15同士における、帯状領域12の延びる方向での間隔を指す。間隔Dは、把手75の金属フィルター74の一辺に沿った方向の長さLより小さい間隔に設定されている。このように構成すると、切れ目15の各々は同一直線状に位置しないので、図8の(1)及び(2)に示すように、把手75を貫通させる際に生じる把手75に対向する1つの切れ目15aの拡大による隣接の切れ目15b及び15cに与える影響が少なくなるので、フィルター11の取付け状態が安定する。
【0048】
図9は、図2で示した金属フィルターにこの発明の第4の実施の形態によるフィルターを取付けた状態の拡大斜視図であって、第1の実施の形態の図3に対応する図であり、図10は、図9で示した“Y”部分の取付過程を示す拡大模式図であって、第1の実施の形態の図4に対応する図である。
【0049】
これらの図を参照して、第1の実施の形態によるフィルター11において、帯状領域12が、所定間隔で形成される、帯状領域12の延びる方向(図10において左右方向)を横切るように形成された複数の山型形状の切れ目16によって構成されたものに置き換えられている。尚、所定の値に設定される切れ目16の間隔Dとは、隣接する切れ目16同士における、帯状領域12の延びる方向での間隔を指す。間隔Dは、把手75の金属フィルター74の一辺に沿った方向の長さLより小さい間隔に設定されている。このように構成すると、切れ目16の各々は同一直線状に位置しないので、図10の(1)及び(2)に示すように、把手75を貫通させる際に生じる把手75に対向する1つの切れ目16aの拡大による隣接の切れ目16b及び16cに与える影響が少なくなるので、フィルター11の取付け状態が安定する。
【0050】
尚、上記の各実施の形態では、帯状領域が所定間隔で形成された複数の開口部によって構成されることにより、帯状領域の突き刺し強度を他の領域の突き刺し強度より小さく設定していたが、例えば、帯状領域のみ他の領域より目付を低くする等して、他の領域の突き刺し強度より帯状領域の突き刺し強度を小さく設定してもよい。
【0051】
又、上記の各実施の形態では、帯状領域の突き刺し強度を他の突き刺し強度より小さく設定していたが、取付け時における把手が位置しうる領域の突き刺し強度を、他の領域における突き刺し強度より小さく設定していればよく、帯状領域に限らない。
【0052】
更に、上記の各実施の形態では、開口部の各々の間隔が、把手における金属フィルターの一辺に沿った方向の長さより小さく設定されていたが、その長さよりも大きく設定されていてもよい。
【0053】
更に、上記の第1の実施の形態では、帯状領域はミシン目構造よりなるものであったが、所定間隔で形成された複数の円形の開口部によって構成されるものであってもよい。
【0054】
更に、上記の第2の実施の形態、第3の実施の形態及び第4の実施の形態では、帯状領域を構成するそれぞれの切れ目の形状は、半円形状、斜め方向の直線形状、山型形状であったが、帯状領域の延びる方向を横切るように形成されていれば、他の形状であってもよい。
【0055】
更に、上記の各実施の形態では、金属フィルターは矩形形状を有するものであったが、それ以外の形状を有するものであってもよく、フィルターも金属フィルターの形状に対応して矩形形状以外の形状を有するものであってもよい。
【0056】
更に、上記の各実施の形態では、把手は、金属フィルターの一辺の一方の中央部からわずか内方側に位置していたが、他の位置に位置していてもよい。
【0057】
更に、上記の各実施の形状では、把手は、円柱状のものであったが、それ以外の形状のもの、例えば側面視略L字形状であって平面視略矩形形状のものなどであってもよい。その場合、開口部の所定間隔は、金属フィルターの一辺に沿った方向における把手の一方端部から他方端部への長さより小さく設定すれば良い。又、把手は、金属フィルターより突出する円柱の端部に円柱の直径よりも大きな直径を有する円板が接続した、側面視略T字形状のものなどであってもよい。その場合、開口部の所定間隔は、円板の直径より小さく設定すれば良い。
【符号の説明】
【0058】
10…帯状体
11…フィルター
12…帯状領域
13…開口部
14a、14b、14c…切れ目
15a、15b、15c…切れ目
16a、16b、16c…切れ目
74…金属フィルター
75…把手
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
突起状の把手を外面に有する金属フィルターに、前記把手を貫通させた状態で脱着自在に取付けられるフィルターにおいて、
取付け時における前記把手が位置し得る領域の突き刺し強度を、他の領域における突き刺し強度より小さく設定したことを特徴とする、フィルター。
【請求項2】
前記金属フィルターの外面は、対向する一対の一辺と対向する一対の他辺とからなる矩形形状を有すると共に、前記把手は、前記一辺の一方の中央部からわずか内方側に位置しており、
前記フィルターは、前記他辺の各々に対応する幅を有する、不織布よりなる帯状体から切断されて形成され、
前記領域は、前記一辺の前記一方に対する前記帯状体の側縁に対して平行に延びる帯状領域である、請求項1記載のフィルター。
【請求項3】
前記帯状領域は、所定間隔で形成された複数の開口部によって構成される、請求項2記載のフィルター。
【請求項4】
前記所定間隔は、前記把手における前記一辺に沿った方向の長さより小さく設定される、請求項3記載のフィルター。
【請求項5】
前記帯状領域は、ミシン目構造よりなる、請求項3又は請求項4記載のフィルター。
【請求項6】
前記開口部の各々は、切れ目で構成され、
前記切れ目は、前記帯状領域の延びる方向を横切るように形成される、請求項3又は請求項4記載のフィルター。
【請求項1】
突起状の把手を外面に有する金属フィルターに、前記把手を貫通させた状態で脱着自在に取付けられるフィルターにおいて、
取付け時における前記把手が位置し得る領域の突き刺し強度を、他の領域における突き刺し強度より小さく設定したことを特徴とする、フィルター。
【請求項2】
前記金属フィルターの外面は、対向する一対の一辺と対向する一対の他辺とからなる矩形形状を有すると共に、前記把手は、前記一辺の一方の中央部からわずか内方側に位置しており、
前記フィルターは、前記他辺の各々に対応する幅を有する、不織布よりなる帯状体から切断されて形成され、
前記領域は、前記一辺の前記一方に対する前記帯状体の側縁に対して平行に延びる帯状領域である、請求項1記載のフィルター。
【請求項3】
前記帯状領域は、所定間隔で形成された複数の開口部によって構成される、請求項2記載のフィルター。
【請求項4】
前記所定間隔は、前記把手における前記一辺に沿った方向の長さより小さく設定される、請求項3記載のフィルター。
【請求項5】
前記帯状領域は、ミシン目構造よりなる、請求項3又は請求項4記載のフィルター。
【請求項6】
前記開口部の各々は、切れ目で構成され、
前記切れ目は、前記帯状領域の延びる方向を横切るように形成される、請求項3又は請求項4記載のフィルター。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−250151(P2012−250151A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123004(P2011−123004)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(000222141)東洋アルミエコープロダクツ株式会社 (106)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(000222141)東洋アルミエコープロダクツ株式会社 (106)
【Fターム(参考)】
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