フィルタ回収カテーテルシステム及び方法
【課題】予め埋め込まれた医療用フィルタを回収するためのフィルタ回収システム及び回収システムの提供。
【解決手段】フィルタ回収システム10は、可撓性のシャフト12と、回収要素14と、アクチュエータ18を有するハンドル16とを有する。可撓性シャフトはカテーテルベースであってよく、近位端と遠位端とを有し、シャフトの遠位端の近くに開口を有する。ハンドルは、シャフトの近位端の近くでシャフトに固定され、アクチュエータは回収要素を操縦するように構成される。アクチュエータを操縦するときに、回収要素がシャフトの開口からわずかに突出するように構成される。アクチュエータが操作されると、回収要素はフィルタの一部分をつかみ、引っ掛け、又は一部分と噛合い、次に開口を通してカテーテルの可撓性のシャフトによって画定される近位及び遠位空間の中の内腔内にフィルタを引き込む。回収システムは、フィルタを回収することが可能である。
【解決手段】フィルタ回収システム10は、可撓性のシャフト12と、回収要素14と、アクチュエータ18を有するハンドル16とを有する。可撓性シャフトはカテーテルベースであってよく、近位端と遠位端とを有し、シャフトの遠位端の近くに開口を有する。ハンドルは、シャフトの近位端の近くでシャフトに固定され、アクチュエータは回収要素を操縦するように構成される。アクチュエータを操縦するときに、回収要素がシャフトの開口からわずかに突出するように構成される。アクチュエータが操作されると、回収要素はフィルタの一部分をつかみ、引っ掛け、又は一部分と噛合い、次に開口を通してカテーテルの可撓性のシャフトによって画定される近位及び遠位空間の中の内腔内にフィルタを引き込む。回収システムは、フィルタを回収することが可能である。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
本出願は、2003年1月31日に出願された米国特許仮出願第60/444,320号の優先権を主張する。本出願は、2006年3月3日に出願された米国特許出願第10/540,778号の一部継続出願である。
【0002】
〔技術分野〕
本発明は、概して、患者を治療するために体の通路に予め埋め込まれたフィルタを回収するカテーテルシステムに関する。
【0003】
〔課題を解決するための手段〕
患者を治療するために、様々な異なるタイプのフィルタが体の様々な通路に埋め込まれることがある。本発明は、血管に埋め込むための脈管フィルタの具体的な例と、脈管フィルタを回収するためのある特定のタイプのフィルタ回収システムの例とを用いて記載される。しかしながら、本発明は脈管用途に限定されず、例えば、脈管系、胆管系又は肺系、食道系などの任意の医療的に好適なタイプの体の通路で用いるための埋め込み可能なフィルタに関することが理解されなければならない。
【0004】
埋め込み可能なフィルタは、例えば永久的又は回収可能であるというような、様々なタイプ及び構造のものであることができ、金属及び/又はポリマーなどの様々なタイプの材料で製造することができ、幾多の構造のいずれかを有することができる。いくつかの埋め込み可能なフィルタは弾力性を有し、ある程度の「バネ」特性を有している。この弾力性は、例えばフィルタの長手方向軸に沿って存在してもよく、及び/又は例えばフィルタの1つ以上の軸に沿って弾力的に曲がるようにしてもよく、及び/又は例えばフィルタを弾力的に圧縮できるようにしてもよい。この後者のタイプの「圧縮可能な」フィルタは、フィルタを収容した通路又は内腔を有するカテーテルシステムを通して治療に望ましい部位へ供給されることができる。フィルタがカテーテルから放出されると、フィルタは、治療に望ましい部位の体の通路の寸法に好適なより大きい寸法に弾力的に拡張する傾向がある。
【0005】
永久的なフィルタは取り除くことが意図されておらず、回収可能なフィルタは埋め込まれた後の一定の期間にわたって取り除くことが可能であることが意図されている。言い換えれば、医師は回収可能なフィルタを取り除くか否かを選択できる期間を有している。脈管フィルタという具体的なケースでは、フィルタ、例えば下大静脈に定置されたフィルタを回収するという選択肢があることが望ましい場合がある。そのような脈管フィルタを、カテーテルベースの回収システムを用いて、例えば動脈へのアクセスポイントから回収することも望ましくあり得る。そのようなカテーテルベースの回収システムによって、医師は外科手術を行わずに経皮的にフィルタを回収することができる。いくつかの状況では、望ましいアクセスポイントは、頚動脈又は大腿動脈へのアクセスポイントであり得る。
【0006】
フィルタ自体に関しては、体の通路内でフィルタが動くのを阻止する特徴を有する医療用の埋め込み可能なフィルタを提供することが望ましくあり得る。フィルタが動くのを阻止するためのそれらの特徴は、例えば、1つ以上の弾力性アンカー、フック、又はかえしなどであってよい。それらの動きを阻止する要素は、一方向性、即ち、ある向きの変位を防ぎ、逆の向きでフィルタを取り除けるようにしているものである場合がある。
【0007】
〔背景技術〕
脈管フィルタの例では、フィルタは、治療のために望ましい部位から、尾側方向とは逆の向きとして定義される頭側方向に動くのを阻止するように設計されている場合がある。これらのタイプのフィルタは、弾力性である場合が多く、半径方向に圧縮されてより小さな寸法にすることができ、大腿動脈に挿入されたカテーテルシステムによって取り除かれることができ、そのカーテルシステムは、カテーテルを通る通路又は内腔を通るフック又はループ部材を備え、そのフック又はループ部材はフィルタを捕獲して、フィルタをカテーテル内腔に尾側方向に引き込む。カテーテルシステム及び捕獲されたフィルタはその後患者から取り除くことができる。
【0008】
カテーテル回収システムを頚動脈又は上腕動脈を通して導入し、頭側方向からフィルタにアプローチして、フィルタを頭側方向に取り除くことが望ましい場合もある。しかしながら、このアプローチは、特定のフィルタが頭側方向に動くのを阻止するように設計されている場合には望ましくない可能性がある。
【0009】
本発明の回収システムは、いずれの向きからアプローチしてもフィルタを回収することができる。言い換えれば、本発明のカテーテルベースの回収システムは、大腿動脈を通って挿入されて、フィルタを回収するために尾側方向からフィルタにアプローチすることができるか、又は頚動脈若しくは上腕動脈を通って挿入されて頭側方向からフィルタにアプローチしてフィルタを回収することができる。この融通性によって、いずれの方向からもフィルタにアプローチすることができるが、フィルタを回収する間にフィルタがいずれの方向にも動くことができる。したがって、カテーテルベースの回収システムがフィルタにアプローチする向きにかかわらず、フィルタが阻止しない動きの方向でフィルタを引くことができる。
【0010】
したがって、本発明による回収カテーテルシステムの一例は、カテーテルベースの回収システムを用いて頭側方向又は尾側方向のいずれの向きからもフィルタにアプローチして回収できるようにしながらも、頭側方向への動きを阻止するようにフィルタを設計することを可能とする。
【0011】
脈管フィルタ回収システムの動作時には、システムは、フィルタをカテーテルシステム内に「捕獲」する前にフィルタを尾側方向にわずかな距離だけ「引いて」、フィルタのアンカー又はかえしを血管との噛合いから退避させ、その後カテーテルシステム及び捕獲されたフィルタを選択されたいずれのアクセスポイントからも、したがって望まれるいずれの向きにでも回収することができる。このアプローチの柔軟性によって患者の治療に関するより多くの治療の選択肢が提供される。
【0012】
したがって、本発明の包括的な考えられる目的は、予め埋め込まれた医療用フィルタを回収するためのフィルタ回収システム、及び回収システムの使用方法を提供することである。
【0013】
本発明の別の考えられる目的は、医師により好ましいと考えられ得る近位方向又は遠位方向にフィルタを回収できる改善されたフィルタ回収システムを提供することである。
【0014】
本発明のこれらの及びその他の考えられる目的、特徴、及び利点は、好ましい実施の形態の以下の記載から明らかとなり、明確に理解されるであろう。多くのカテーテルシステムは、可撓性ガイドワイヤと共に使用される。ガイドワイヤは多くの場合金属であり、所望の体の通路に沿って摺動自在に挿入される。続いて、カテーテルシステムは、「バックローディング」によって、即ちカテーテルシステムによって画定されるガイドワイヤ内腔につながる遠位のガイドワイヤポートにガイドワイヤの近位端を挿入することによって、ガイドワイヤを越えて進む。このようなガイドワイヤ内腔は、カテーテルの全長又は一部のみに沿って延びてもよい。
【0015】
様々な性能特性の最適な組み合わせを有するバルーンカテーテルを提供することが望ましく、性能特性は、可撓性、潤滑性、押し出し性、追随性、通過性、低縦断面、引っ張り強さ、膨張/収縮時間、膨張圧その他の中から選択することができる。可撓性は、医療用装置(例えばバルーンカテーテル及び/又はステント)の特定領域若しくはその全長にわたる曲げ剛性に関連する場合があり、又は構成要素の材料硬度に関連する場合がある。潤滑性は、低摩擦材料又はコーティングを用いて摩擦を削減することを意味し得る。押し出し性は、装置又はシステムの選択された経路に沿った円柱強度に関連し得る。追随性は、例えば逸脱せずに所望の経路をうまく追随するための装置の能力を意味し得る。通過性は、医師が、ほとんど又は全く摩擦又は抵抗を受けずにバルーンカテーテルが所望の部位に到達することを好むということを理解することによって明確になり得る。縦断面は、バルーンカテーテルの長さに沿った任意のポイントにおける最大横方向寸法を意味し得る。
【0016】
本発明のバルーンカテーテルは、押し出し性、カテーテル長さに沿って最適化された可撓性、ねじれ強さ、引っ張り強さ、低縦断面等を含み得る様々な利点を提供する。本発明のいつくかの実施形態は、可撓性の円滑な移行、潤滑なガイドワイヤ内腔等を含む、更なる利益を提供することもできる。
【0017】
構造的に、カテーテルは、近位端と遠位端との間に延びる可撓性のあるシャフトを有することができ、カテーテルのシャフトの一部又は全体を通って延びる1つ以上の管状通路、即ち「内腔」を画定することができる。このような内腔は、多くの場合1つ以上の「ポート」と呼ばれる開口を有する。
【0018】
内腔がガイドワイヤを摺動受容するように構成されている場合は、内腔は「ガイドワイヤ内腔」と呼ばれ、一般に近位及び遠位の「ガイドワイヤポート」を有する。遠位のガイドワイヤポートは多くの場合、カテーテルのシャフトの遠位端に、又はカテーテルのシャフトの遠位端の近くにある。
【0019】
ハブは多くの場合、カテーテルのシャフトの近位端に固定される。ハブは様々な機能を提供し、機能には、カテーテルを操縦するためのハンドルを提供すること、及び/又はカテーテルのシャフトによって画定される内腔と連通する近位ポートを画定することが含まれる。カテーテルがガイドワイヤ内腔を有する場合、近位のガイドワイヤポートはカテーテルのシャフトの側壁に沿ったあるポイントに位置してもよく、又はハブは近位のガイドワイヤポートを画定してもよい。
【0020】
ガイドワイヤは、近位端から遠位端まで延びる可撓性のワイヤ様構造を有する。ガイドワイヤは通常、対応するカテーテルのガイドワイヤ内腔内に適合する及び対応するカテーテルのガイドワイヤ内腔内を摺動するように選択された寸法である。
【0021】
用語「管」及び「管状」は、長手方向軸の周りで半径方向距離で配置される任意の構造を包含して、その最も広い意味で使用される。したがって、用語「管」及び「管状」は、(i)円筒形状又は円筒形状ではない、例えば楕円の若しくは多角形の断面、又は任意のその他の規則的な若しくは不規則な断面などを有する、(ii)長さに沿って異なる又は変化する断面を有する、(iii)まっすぐな、湾曲した、曲がった、又は不連続な長手方向軸の周りに配置される、(iv)無孔表面、又は周期的若しくはその他の孔を有する不規則な若しくはすき間のある表面若しくは断面を有する、(v)長手方向軸からの異なる半径方向距離で離間することを含んで、均一に又は不規則に離間している、あるいは(vi)長さ又は断面の寸法の任意の所望の組み合わせを有する、いかなる構造をも含む。
【0022】
上記のようなカテーテル及びハブを作製するために、ポリマー及び医療用装置で使用するのに好適なその他の材料を含む任意の好適な追加材料を使用することもできる。
【0023】
所望の特徴を得るために、本発明による様々な種類及び設計のカテーテルを、様々な技術によって、また様々な材料で作ることが可能であることは言うまでもない。本発明はまた、患者の治療中又は治療に備えて、医療用装置を製造する方法及び使用する方法に関することに留意すべきである。
【0024】
本発明のこれらの及びその他の様々な目的、利点、及び特徴は、添付の図面と関連して考慮したときに以下の記載及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。本発明は、本発明の実施形態の多くの例の添付図面を参照して、以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
好ましい実施形態を説明するにあたって、添付の図面が参照される。
【図1】本発明の原理に基づいて構成されたカテーテルベースのフィルタ回収システムの斜視図。
【図2】シャフトの開口及びスネアループを含む図1のフィルタ回収システムの一部分の部分斜視図。
【図3】図1のフィルタ回収システムの遠位端の部分断面図。
【図4】ハンドル及びアクチュエータホイールを含む図1のフィルタ回収システムのいくつかの構成要素の部分斜視図。
【図5】アクチュエータホイール、ワイヤ、及びシャフトチューブを含む図1のフィルタ回収システムのいくつかの構成要素の部分斜視図。
【図6A】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを近位方向に回収する第1の方法を示す図。
【図6B】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを近位方向に回収する第1の方法を示す図。
【図6C】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを近位方向に回収する第1の方法を示す図。
【図6D】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを近位方向に回収する第1の方法を示す図。
【図6E】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを近位方向に回収する第1の方法を示す図。
【図6F】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを近位方向に回収する第1の方法を示す図。
【図6G】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを近位方向に回収する第1の方法を示す図。
【図6H】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを近位方向に回収する第1の方法を示す図。
【図6I】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを近位方向に回収する第1の方法を示す図。
【図7A】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを遠位方向に回収する第2の方法を示す図。
【図7B】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを遠位方向に回収する第2の方法を示す図。
【図7C】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを遠位方向に回収する第2の方法を示す図。
【図7D】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを遠位方向に回収する第2の方法を示す図。
【図7E】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを遠位方向に回収する第2の方法を示す図。
【図7F】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを遠位方向に回収する第2の方法を示す図。
【図7G】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを遠位方向に回収する第2の方法を示す図。
【図7H】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを遠位方向に回収する第2の方法を示す図。
【図7I】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを遠位方向に回収する第2の方法を示す図。
【図7J】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを遠位方向に回収する第2の方法を示す図。
【図8】湾曲経路を追随するカテーテルのシャフトを示すカテーテルベースのフィルタ回収システムの斜視図。
【図9】ガイドワイヤ内腔を示すカテーテルベースのフィルタ回収システムの横断断面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の好ましい実施形態の以下の記載は、本質的に例示にすぎず、したがって本発明、その用途、又は使用において、何ら限定するものではない。当業者は、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく様々な変更を行うことができる。
【0027】
本発明のフィルタ回収システムの考えられる1つの構成が図に示されている。フィルタ回収システム10は、シャフト12と、回収要素14と、アクチュエータ18を備えたハンドル16とを含む。回収要素14は、図のようにループであってもよく、あるいはスネア、フック又は任意のその他の所望の形状若しくはタイプの回収装置であってもよい。
【0028】
シャフト12はカテーテルベースであってよく、近位端20及び遠位端22を有する。シャフト12は、シャフトの遠位端22から所定の間隔で配置されたシャフト12の側壁26に開口24を有する。更に、シャフト12は、シャフト12の近位端20から遠位端22まで、又は少なくともシャフト12の遠位端22の近くに内腔即ち通路28を画定している場合がある。シャフトは好ましくは、可撓性、円柱強度即ち押し出し性、トルク伝達性、操舵性などを含む最適に選択された特性を備えている。
【0029】
第1の内部空間30及び第2の内部空間32が、側面の開口24の直ぐ近位及び直ぐ遠位でシャフト12の内側に画定されている。開口24即ち側面口又はスロットは、好ましくは、回収されるフィルタの長さより長い又はわずかに長い距離だけカテーテルのシャフト12aの遠位端22から離れており、第1の内部空間30及び第2の内部空間32は、フィルタが捕獲された後でフィルタをそれらの内部空間の一方の中に保持するのに十分に大きい寸法である。
【0030】
ハンドル16は、シャフト12の近位端20の近くでシャフト12に固定され、アクチュエータ18用のインターフェースを有し、また回収システム10を操縦し、導き、方向付けるための快適な手段を提供する。アクチュエータ18は、回収要素14を近位方向及び/又は遠位方向に選択的に動かして回収要素14を操縦するように構成されている。図に示された具体的なアクチュエータ18は、ホイールの各側から延びる軸34及び軸36を有するホイールである。ホイールは図示されているようにフィンガーリッジを有していてもよい。
【0031】
アクチュエータ18は、アクチュエータ18に加えられた駆動力が回収要素14に伝えられ、対応したやり方で回収要素14を動かすように、回収要素14と結合されていなければならない。図に示されたこのような駆動力を伝えるための具体的な構成は、主ファイバー又はワイヤループ38であり、主ファイバー又はワイヤループ38は、シャフト12によって画定された内腔28を通って、主ワイヤループ38が180度曲げられているシャフト12の遠位端22の近くの位置まで、ワイヤループ38の第1の端部40及び第2の端部42から延び、軸34及び軸36それぞれの周囲で互いに逆向きに巻かれている。
【0032】
ピン44、又は滑車、又は曲げられたチューブ、又は180度の内腔、又はその他の任意の好適なガイドが設けられて、主ワイヤループ38がその周囲に沿って動くようにしている。主ファイバー又はワイヤループ38が十分な円柱強度を有さない場合、又は近位のハンドル16及びアクチュエータ18からの有効な押す力を回収要素14に伝えることができない場合に、ガイドが設けられてもよい。ループ38(及び/又は回収要素14)は、有機繊維、ポリマー、更にはいくつかの金属を含む幅広い種類の材料から形成され得る。
【0033】
主ワイヤループ38は回収要素14に固定され、その結果ホイール18が一方向に回転すると回収要素14が近位方向に動き、ホイール18が逆の方向に回転すると回収要素14が遠位方向に動く。
【0034】
言うまでもなく、ハンドル16及びアクチュエータ18は、それらに望まれる機能を果たすのに適した任意の好ましい設計及び形状を有し得る。例えば、ハンドルはより人間工学的な形状を有していてもよく、又はアクチュエータはレバー、スライダーなどのような形状を有していてもよい。回収要素は、回収されるどのようなタイプのフィルタに対しても対応する回収特徴部をつかむ、捕る、すばやく捕える、又はつかまえるのに好適な任意の形状を有していてもよい。図6A〜6I、及び図7A〜7Jに示されたフィルタは、本発明のフィルタ回収システムが回収できる数多くのフィルタ設計の一例である。図に示された具体的なフィルタ46は、一方の端部のフックの形態の回収特徴部48と、体の通路(明瞭にするために図示されていない)内でフィルタ46が動くのを阻止するための一連のアンカー又はかえし50とを有する。
【0035】
図8及び9は、湾曲経路を追随するカテーテルのシャフトと、近位及び遠位のガイドワイヤポート54及び56を有するガイドワイヤ内腔52と、1つ以上のマーカーバンド58とを有する、回収システムの考えられる特徴部を示している。
【0036】
手術時には一般的に、回収システムは、動脈などの体の通路内に経皮的アクセスポイントから挿入することができる。例えば、アクセスポイントは、大腿動脈、頚動脈、又は上腕動脈に対するものである。回収システムは、シャフトの側面の開口が予め埋め込まれたフィルタの所望のポイントの近くに配置されるまで、進められる。最初の形状では、回収要素はシャフトの内部にある。システムが適切に配置されると、医師はアクチュエータを操縦して回収要素がシャフトの開口から突出するように動かすことができる。アクチュエータが更に操縦されると、回収要素はフィルタの一部分をつかみ、引っ掛け、又は一部と噛合い、次いで開口を通してカテーテルのシャフトの一方の内部空間内にフィルタを引き込む。捕獲されたフィルタ及び回収システムは、次いで患者の体から取り除かれることができる。回収システムは、所望の通りに近位方向又は遠位方向のいずれかでフィルタを回収することができてもよい。
【0037】
より具体的には、カテーテルシステムが、カテーテルの側面口及びスネアをフィルタの対応する回収要素の近くに配置するように進められると、スネアはカテーテル及びスプールの操縦によってフィルタの回収要素に引っ掛けられ又は取り付けられる。スネアがフック、ループ、キャッチ、かえしなどであり得るフィルタの回収要素をつかむと、スネア及びフィルタは、フィルタに対するカテーテルの向きに応じて、カテーテルの側面口を通して近位方向又は遠位方向に引き込まれる。カテーテル及び捕獲されたフィルタは、次いで患者の体から取り除かれる。
【0038】
図6A〜6Bに示されているように、フィルタを近位方向に回収するためには、シャフト12の遠位端22が、側面口24が例えば1つ以上のフック、かえし、ループなどであり得るフィルタの回収特徴部48と整合するまで、フィルタ46の近くの位置へ向けて進められる。
【0039】
ホイール18がわずかに回転させられて、図6Cに示されているようにカテーテルシャフト12内の主ワイヤループ38を動かして回収要素即ちスネア14を露出させる。
【0040】
カテーテルシャフトは、図6Dに示されているようにスネア14がフィルタの回収特徴部48即ち取り付けポイントを越えて進められるように、フィルタに向けて押される即ち進められる。
【0041】
ホイール18は、図6E〜6Iに示されているように、カテーテルシャフト12内の主ワイヤループ38を近位方向に引くように再び回転させられて、フィルタ46が近位の内部空間30に入るまでフィルタ46をカテーテルシャフト12内に引き込む。次いで、回収システム及び捕獲されたフィルタは体から取り除かれる。
【0042】
同様に、フィルタを遠位方向に回収するために、図7A〜7Cに示されているように、シャフト12の遠位端22が、側面口24が例えば1つ以上のフック、かえし、ループなどであり得るフィルタの回収特徴部48と整合するまで、フィルタ46を過ぎた位置まで進められる。
【0043】
ホイール18がわずかに回転させられて、図7Dに示されるように、カテーテルシャフト12内の主ワイヤループ38を動かして回収要素即ちスネア14を露出させる。
【0044】
カテーテルシャフトは、スネア14がフィルタに向かって動くように、近位方向に引かれる即ち後退させられ、その結果スネア14が図7Eに示されているようにフィルタの回収特徴部48即ち取り付けポイントを囲む。
【0045】
ホイール18は、図7F〜7Jに示されているように、スネア14を遠位方向に引くように再び回転させられ、フィルタ46が遠位の内部空間32に入るまでフィルタ46をカテーテルシャフト12内に引き込む。次いで、回収システム及び捕獲されたフィルタは体から取り除かれる。
【0046】
本発明の回収システムの構成要素は、生体適合性、強度、可撓性などの所望の性能特性を備えた任意の好適な材料で作ることができる。例えば、図に示された具体的な回収システムでは、ハンドル及びホイールは、金属、ポリマー、又は更にはセラミックで作ることができ、シャフトは、任意の好適なポリマー、場合によってはハイポチューブなどの金属構成要素と組み合わされて作ることができ、回収要素及び主ワイヤループは好ましくは金属又はフィラメント材料で作られる。
【0047】
カテーテルの全長は、様々な挿入ポイントからの治療のために所望の部位へアクセスできるように、任意の適切な長さに選択されることができ、これは約50cm〜100cmであり得る。
【0048】
本発明の数多くの構成及び変更が当業者には容易に明らかとなるであろう。例えば、スネアが取り付けられていないカテーテルシャフト内の主ワイヤループの部分は、カテーテルの別個の内腔内に収容されていてもよい。更に、別個のガイドワイヤ内腔及び遠位のガイドワイヤポートをカテーテルシャフトに設けて、ガイドワイヤを越えて回収システムを挿入してもよい。更に、カテーテルシャフトの遠位端が予め曲げられて即ち成形されて、及び/又は別個のワイヤ若しくはフィラメントを用いて操舵可能にされて、回収されるフィルタとカテーテルシャフトの開口との整合を向上させることができる。アクチュエータは、例えばスライダーなどの任意の好適な機構で置き換えられてもよい。更に、スプールを用いる代わりに、スネアを操縦するために用いられる主ワイヤの2つの端部が単にハンドル又はハブに通されてもよく、その結果医者は2つの端部を別々に操作することができる。更に、カテーテルの側面口の縁部は、フィルタの挿入を容易にするために朝顔形に広げられている又は成形されていてもよい。また、シャフト又は主ワイヤループにX線透視装置又はX線ビデオスクリーンで見ることができるX線不透過性のマーカーバンドが設けられてもよい。
【0049】
更に、本発明の回収システムは、好適な回収特徴部を有し、半径方向に圧縮可能でありかつ回収システム内に捕獲可能である、任意のタイプの埋め込み可能な医療器具を回収するために用いられてもよい。
【0050】
本発明の無制限の数の構成が実現可能であることが理解されなければならない。前述の議論は単に本発明の原理を説明する代表的な実施形態を説明しており、その範囲は以下の特許請求の範囲に記載されている。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な変更及び変形がなされ得ることは、上記の記載、特許請求の範囲、及び図面から当業者には容易に認識されよう。
【0051】
〔実施態様〕
(1) 予め埋め込まれた医療用フィルタを回収するためのフィルタ回収システムであって、可撓性のシャフトであって、長手方向軸を画定し、近位端及び遠位端を有し、前記シャフトの遠位端から所定の間隔だけ離れて配置された開口を有し、前記開口の近位及び遠位に配置された第1の内部空間及び第2の内部空間を画定する、可撓性のシャフトと、前記シャフトの近位端の近くで前記シャフトに固定されたハンドルと、前記ハンドルに結合されたアクチュエータと、前記アクチュエータに結合され、前記シャフトの開口の位置と、前記第1の内部空間の位置と、前記第2の内部空間の位置とを含む所定の範囲内の位置を長手方向に移動できる回収要素と、を備え、前記アクチュエータを所望の位置に動かすことで前記回収要素が対応した位置に動かされ、前記回収要素が最初の位置にあるとき、前記回収要素が前記第1の内部空間及び前記第2の内部空間のうちの一方の中に位置し、前記アクチュエータが作動可能位置に動かされたとき、前記回収要素が前記シャフトの開口から突出し、前記回収要素をフィルタの一部分と係合するように操縦することができ、次に、フィルタ回収システム毎に1回、前記開口を通して前記第1の内部空間及び前記第2の内部空間へ前記フィルタを引き込むことができる第1の捕獲位置又は第2の捕獲位置へ前記回収要素を動かすことができる、フィルタ回収システム。
(2) 前記長手方向軸及び前記シャフトが、湾曲した通路を追随する、実施態様1に記載のフィルタ回収システム。
(3) ガイドワイヤを摺動可能に受容するために、前記シャフトによって画定されたガイドワイヤ内腔と、前記シャフトの遠位端の近くの遠位のガイドワイヤポートとを更に備える、実施態様1に記載のフィルタ回収システム。
(4) 前記シャフトの遠位部分が、予め選択された形状を有する、実施態様1に記載のフィルタ回収システム。
(5) X線透視装置で見ることができる1つ以上のマーカーバンドを更に備える、実施態様1に記載のフィルタ回収システム。
(6) 予め埋め込まれた医療用フィルタを回収するためのフィルタ回収システムであって、可撓性のシャフトであって、長手方向軸を画定し、近位端及び遠位端を有し、前記シャフトの遠位端から所定の間隔だけ離れて配置された開口を有し、前記開口の近位及び遠位に配置された第1の内部空間及び第2の内部空間を画定する、可撓性のシャフトと、前記シャフトの近位端の近くで前記シャフトに固定されたハンドルと、前記ハンドルに結合されたアクチュエータと、前記アクチュエータに結合され、スネアを有する、主ファイバーループであって、前記スネアが、前記シャフトの開口の位置と、前記近位の内部空間の位置と、前記遠位の内部空間の位置とを含む所定の範囲内の位置を長手方向に移動できる、主ファイバーループと、を備え、前記アクチュエータを所望の位置に動かすことで前記主ファイバーループが前記スネアを対応した位置に動かし、前記スネアが最初の位置にあるとき、前記スネアが前記第1の内部空間及び前記第2の内部空間のうちの一方の中に位置し、前記アクチュエータが作動可能位置に動かされたとき、前記スネアが前記シャフトの開口から突出し、前記スネアをフィルタの一部分と係合するように操縦することができ、次に、前記開口を通して前記第1の内部空間及び前記第2の内部空間のうちの選択された空間内へ前記フィルタを引き込む第1の捕獲位置又は第2の捕獲位置へ前記アクチュエータを動かすことができる、フィルタ回収システム。
(7) 予め埋め込まれた医療用フィルタを回収するためのフィルタ回収システムであって、可撓性のシャフトであって、長手方向軸を画定し、近位端及び遠位端を有し、前記シャフトの遠位端から所定の間隔だけ離れて配置された開口を有し、前記開口の近位及び遠位に配置された第1の内部空間及び第2の内部空間を画定する、可撓性のシャフトと、前記シャフトの近位端の近くで前記シャフトに固定されたハンドルと、前記ハンドルに結合されたアクチュエータと、主ファイバーループであって、前記アクチュエータ、及び前記主ファイバーループに固定されたスネアに結合され、前記スネアが、前記シャフトの開口の位置と、前記近位の内部空間の位置と、前記遠位の内部空間の位置とを含む所定の範囲内の位置を長手方向に移動できる、主ファイバーループと、を備え、前記アクチュエータを所望の位置に動かすことで前記主ファイバーループが前記スネアを対応した位置に動かし、前記スネアが最初の位置にあるとき、前記スネアが前記第1の内部空間及び前記第2の内部空間のうちの一方の中に位置し、前記アクチュエータが作動可能位置に動かされたとき、前記スネアが前記シャフトの開口から突出し、前記スネアをフィルタの一部分と係合するように操縦することができ、次に前記開口を通して前記第1の内部空間及び前記第2の内部空間のうちの選択された空間内へ前記フィルタを引き込む第1の捕獲位置又は第2の捕獲位置へ前記アクチュエータを動かすことができる、フィルタ回収システム。
(8) 前記カテーテルのシャフトが、湾曲した脈管通路に追随し下大静脈の中に定置されたフィルタを回収するのに十分な可撓性を有する、実施態様1に記載のフィルタ回収システム。
(9) 前記主ファイバーループの一部分が、前記スネアの遠位である、実施態様7に記載のフィルタ回収システム。
(10) 前記主ファイバーループの一部分が、前記遠位内部空間の遠位である、実施態様9に記載のフィルタ回収システム。
(11) 前記シャフトが、前記開口から遠位の内部空間内にガイドを更に備える、実施態様9に記載のフィルタ回収システム。
(12) 前記ガイドが、ピン、滑車、及びU字形チャネルの群から選択され、前記主ファイバーループの遠位部分が前記ガイドの周囲で延びる、実施態様11に記載のフィルタ回収システム。
(13) 前記スネアが、主ファイバーループに加えて第2のループを画定する、実施態様7に記載のフィルタ回収システム。
(14) 前記主ファイバーループの材料が、実質的に円柱強度を有さず、そのため前記ファイバーが前記アクチュエータから前記回収要素へ押す力を伝えることができない、実施態様7に記載のフィルタ回収システム。
【開示の内容】
【0001】
本出願は、2003年1月31日に出願された米国特許仮出願第60/444,320号の優先権を主張する。本出願は、2006年3月3日に出願された米国特許出願第10/540,778号の一部継続出願である。
【0002】
〔技術分野〕
本発明は、概して、患者を治療するために体の通路に予め埋め込まれたフィルタを回収するカテーテルシステムに関する。
【0003】
〔課題を解決するための手段〕
患者を治療するために、様々な異なるタイプのフィルタが体の様々な通路に埋め込まれることがある。本発明は、血管に埋め込むための脈管フィルタの具体的な例と、脈管フィルタを回収するためのある特定のタイプのフィルタ回収システムの例とを用いて記載される。しかしながら、本発明は脈管用途に限定されず、例えば、脈管系、胆管系又は肺系、食道系などの任意の医療的に好適なタイプの体の通路で用いるための埋め込み可能なフィルタに関することが理解されなければならない。
【0004】
埋め込み可能なフィルタは、例えば永久的又は回収可能であるというような、様々なタイプ及び構造のものであることができ、金属及び/又はポリマーなどの様々なタイプの材料で製造することができ、幾多の構造のいずれかを有することができる。いくつかの埋め込み可能なフィルタは弾力性を有し、ある程度の「バネ」特性を有している。この弾力性は、例えばフィルタの長手方向軸に沿って存在してもよく、及び/又は例えばフィルタの1つ以上の軸に沿って弾力的に曲がるようにしてもよく、及び/又は例えばフィルタを弾力的に圧縮できるようにしてもよい。この後者のタイプの「圧縮可能な」フィルタは、フィルタを収容した通路又は内腔を有するカテーテルシステムを通して治療に望ましい部位へ供給されることができる。フィルタがカテーテルから放出されると、フィルタは、治療に望ましい部位の体の通路の寸法に好適なより大きい寸法に弾力的に拡張する傾向がある。
【0005】
永久的なフィルタは取り除くことが意図されておらず、回収可能なフィルタは埋め込まれた後の一定の期間にわたって取り除くことが可能であることが意図されている。言い換えれば、医師は回収可能なフィルタを取り除くか否かを選択できる期間を有している。脈管フィルタという具体的なケースでは、フィルタ、例えば下大静脈に定置されたフィルタを回収するという選択肢があることが望ましい場合がある。そのような脈管フィルタを、カテーテルベースの回収システムを用いて、例えば動脈へのアクセスポイントから回収することも望ましくあり得る。そのようなカテーテルベースの回収システムによって、医師は外科手術を行わずに経皮的にフィルタを回収することができる。いくつかの状況では、望ましいアクセスポイントは、頚動脈又は大腿動脈へのアクセスポイントであり得る。
【0006】
フィルタ自体に関しては、体の通路内でフィルタが動くのを阻止する特徴を有する医療用の埋め込み可能なフィルタを提供することが望ましくあり得る。フィルタが動くのを阻止するためのそれらの特徴は、例えば、1つ以上の弾力性アンカー、フック、又はかえしなどであってよい。それらの動きを阻止する要素は、一方向性、即ち、ある向きの変位を防ぎ、逆の向きでフィルタを取り除けるようにしているものである場合がある。
【0007】
〔背景技術〕
脈管フィルタの例では、フィルタは、治療のために望ましい部位から、尾側方向とは逆の向きとして定義される頭側方向に動くのを阻止するように設計されている場合がある。これらのタイプのフィルタは、弾力性である場合が多く、半径方向に圧縮されてより小さな寸法にすることができ、大腿動脈に挿入されたカテーテルシステムによって取り除かれることができ、そのカーテルシステムは、カテーテルを通る通路又は内腔を通るフック又はループ部材を備え、そのフック又はループ部材はフィルタを捕獲して、フィルタをカテーテル内腔に尾側方向に引き込む。カテーテルシステム及び捕獲されたフィルタはその後患者から取り除くことができる。
【0008】
カテーテル回収システムを頚動脈又は上腕動脈を通して導入し、頭側方向からフィルタにアプローチして、フィルタを頭側方向に取り除くことが望ましい場合もある。しかしながら、このアプローチは、特定のフィルタが頭側方向に動くのを阻止するように設計されている場合には望ましくない可能性がある。
【0009】
本発明の回収システムは、いずれの向きからアプローチしてもフィルタを回収することができる。言い換えれば、本発明のカテーテルベースの回収システムは、大腿動脈を通って挿入されて、フィルタを回収するために尾側方向からフィルタにアプローチすることができるか、又は頚動脈若しくは上腕動脈を通って挿入されて頭側方向からフィルタにアプローチしてフィルタを回収することができる。この融通性によって、いずれの方向からもフィルタにアプローチすることができるが、フィルタを回収する間にフィルタがいずれの方向にも動くことができる。したがって、カテーテルベースの回収システムがフィルタにアプローチする向きにかかわらず、フィルタが阻止しない動きの方向でフィルタを引くことができる。
【0010】
したがって、本発明による回収カテーテルシステムの一例は、カテーテルベースの回収システムを用いて頭側方向又は尾側方向のいずれの向きからもフィルタにアプローチして回収できるようにしながらも、頭側方向への動きを阻止するようにフィルタを設計することを可能とする。
【0011】
脈管フィルタ回収システムの動作時には、システムは、フィルタをカテーテルシステム内に「捕獲」する前にフィルタを尾側方向にわずかな距離だけ「引いて」、フィルタのアンカー又はかえしを血管との噛合いから退避させ、その後カテーテルシステム及び捕獲されたフィルタを選択されたいずれのアクセスポイントからも、したがって望まれるいずれの向きにでも回収することができる。このアプローチの柔軟性によって患者の治療に関するより多くの治療の選択肢が提供される。
【0012】
したがって、本発明の包括的な考えられる目的は、予め埋め込まれた医療用フィルタを回収するためのフィルタ回収システム、及び回収システムの使用方法を提供することである。
【0013】
本発明の別の考えられる目的は、医師により好ましいと考えられ得る近位方向又は遠位方向にフィルタを回収できる改善されたフィルタ回収システムを提供することである。
【0014】
本発明のこれらの及びその他の考えられる目的、特徴、及び利点は、好ましい実施の形態の以下の記載から明らかとなり、明確に理解されるであろう。多くのカテーテルシステムは、可撓性ガイドワイヤと共に使用される。ガイドワイヤは多くの場合金属であり、所望の体の通路に沿って摺動自在に挿入される。続いて、カテーテルシステムは、「バックローディング」によって、即ちカテーテルシステムによって画定されるガイドワイヤ内腔につながる遠位のガイドワイヤポートにガイドワイヤの近位端を挿入することによって、ガイドワイヤを越えて進む。このようなガイドワイヤ内腔は、カテーテルの全長又は一部のみに沿って延びてもよい。
【0015】
様々な性能特性の最適な組み合わせを有するバルーンカテーテルを提供することが望ましく、性能特性は、可撓性、潤滑性、押し出し性、追随性、通過性、低縦断面、引っ張り強さ、膨張/収縮時間、膨張圧その他の中から選択することができる。可撓性は、医療用装置(例えばバルーンカテーテル及び/又はステント)の特定領域若しくはその全長にわたる曲げ剛性に関連する場合があり、又は構成要素の材料硬度に関連する場合がある。潤滑性は、低摩擦材料又はコーティングを用いて摩擦を削減することを意味し得る。押し出し性は、装置又はシステムの選択された経路に沿った円柱強度に関連し得る。追随性は、例えば逸脱せずに所望の経路をうまく追随するための装置の能力を意味し得る。通過性は、医師が、ほとんど又は全く摩擦又は抵抗を受けずにバルーンカテーテルが所望の部位に到達することを好むということを理解することによって明確になり得る。縦断面は、バルーンカテーテルの長さに沿った任意のポイントにおける最大横方向寸法を意味し得る。
【0016】
本発明のバルーンカテーテルは、押し出し性、カテーテル長さに沿って最適化された可撓性、ねじれ強さ、引っ張り強さ、低縦断面等を含み得る様々な利点を提供する。本発明のいつくかの実施形態は、可撓性の円滑な移行、潤滑なガイドワイヤ内腔等を含む、更なる利益を提供することもできる。
【0017】
構造的に、カテーテルは、近位端と遠位端との間に延びる可撓性のあるシャフトを有することができ、カテーテルのシャフトの一部又は全体を通って延びる1つ以上の管状通路、即ち「内腔」を画定することができる。このような内腔は、多くの場合1つ以上の「ポート」と呼ばれる開口を有する。
【0018】
内腔がガイドワイヤを摺動受容するように構成されている場合は、内腔は「ガイドワイヤ内腔」と呼ばれ、一般に近位及び遠位の「ガイドワイヤポート」を有する。遠位のガイドワイヤポートは多くの場合、カテーテルのシャフトの遠位端に、又はカテーテルのシャフトの遠位端の近くにある。
【0019】
ハブは多くの場合、カテーテルのシャフトの近位端に固定される。ハブは様々な機能を提供し、機能には、カテーテルを操縦するためのハンドルを提供すること、及び/又はカテーテルのシャフトによって画定される内腔と連通する近位ポートを画定することが含まれる。カテーテルがガイドワイヤ内腔を有する場合、近位のガイドワイヤポートはカテーテルのシャフトの側壁に沿ったあるポイントに位置してもよく、又はハブは近位のガイドワイヤポートを画定してもよい。
【0020】
ガイドワイヤは、近位端から遠位端まで延びる可撓性のワイヤ様構造を有する。ガイドワイヤは通常、対応するカテーテルのガイドワイヤ内腔内に適合する及び対応するカテーテルのガイドワイヤ内腔内を摺動するように選択された寸法である。
【0021】
用語「管」及び「管状」は、長手方向軸の周りで半径方向距離で配置される任意の構造を包含して、その最も広い意味で使用される。したがって、用語「管」及び「管状」は、(i)円筒形状又は円筒形状ではない、例えば楕円の若しくは多角形の断面、又は任意のその他の規則的な若しくは不規則な断面などを有する、(ii)長さに沿って異なる又は変化する断面を有する、(iii)まっすぐな、湾曲した、曲がった、又は不連続な長手方向軸の周りに配置される、(iv)無孔表面、又は周期的若しくはその他の孔を有する不規則な若しくはすき間のある表面若しくは断面を有する、(v)長手方向軸からの異なる半径方向距離で離間することを含んで、均一に又は不規則に離間している、あるいは(vi)長さ又は断面の寸法の任意の所望の組み合わせを有する、いかなる構造をも含む。
【0022】
上記のようなカテーテル及びハブを作製するために、ポリマー及び医療用装置で使用するのに好適なその他の材料を含む任意の好適な追加材料を使用することもできる。
【0023】
所望の特徴を得るために、本発明による様々な種類及び設計のカテーテルを、様々な技術によって、また様々な材料で作ることが可能であることは言うまでもない。本発明はまた、患者の治療中又は治療に備えて、医療用装置を製造する方法及び使用する方法に関することに留意すべきである。
【0024】
本発明のこれらの及びその他の様々な目的、利点、及び特徴は、添付の図面と関連して考慮したときに以下の記載及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。本発明は、本発明の実施形態の多くの例の添付図面を参照して、以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
好ましい実施形態を説明するにあたって、添付の図面が参照される。
【図1】本発明の原理に基づいて構成されたカテーテルベースのフィルタ回収システムの斜視図。
【図2】シャフトの開口及びスネアループを含む図1のフィルタ回収システムの一部分の部分斜視図。
【図3】図1のフィルタ回収システムの遠位端の部分断面図。
【図4】ハンドル及びアクチュエータホイールを含む図1のフィルタ回収システムのいくつかの構成要素の部分斜視図。
【図5】アクチュエータホイール、ワイヤ、及びシャフトチューブを含む図1のフィルタ回収システムのいくつかの構成要素の部分斜視図。
【図6A】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを近位方向に回収する第1の方法を示す図。
【図6B】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを近位方向に回収する第1の方法を示す図。
【図6C】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを近位方向に回収する第1の方法を示す図。
【図6D】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを近位方向に回収する第1の方法を示す図。
【図6E】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを近位方向に回収する第1の方法を示す図。
【図6F】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを近位方向に回収する第1の方法を示す図。
【図6G】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを近位方向に回収する第1の方法を示す図。
【図6H】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを近位方向に回収する第1の方法を示す図。
【図6I】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを近位方向に回収する第1の方法を示す図。
【図7A】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを遠位方向に回収する第2の方法を示す図。
【図7B】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを遠位方向に回収する第2の方法を示す図。
【図7C】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを遠位方向に回収する第2の方法を示す図。
【図7D】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを遠位方向に回収する第2の方法を示す図。
【図7E】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを遠位方向に回収する第2の方法を示す図。
【図7F】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを遠位方向に回収する第2の方法を示す図。
【図7G】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを遠位方向に回収する第2の方法を示す図。
【図7H】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを遠位方向に回収する第2の方法を示す図。
【図7I】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを遠位方向に回収する第2の方法を示す図。
【図7J】図1のシステムを用いて予め埋め込まれたフィルタを遠位方向に回収する第2の方法を示す図。
【図8】湾曲経路を追随するカテーテルのシャフトを示すカテーテルベースのフィルタ回収システムの斜視図。
【図9】ガイドワイヤ内腔を示すカテーテルベースのフィルタ回収システムの横断断面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の好ましい実施形態の以下の記載は、本質的に例示にすぎず、したがって本発明、その用途、又は使用において、何ら限定するものではない。当業者は、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく様々な変更を行うことができる。
【0027】
本発明のフィルタ回収システムの考えられる1つの構成が図に示されている。フィルタ回収システム10は、シャフト12と、回収要素14と、アクチュエータ18を備えたハンドル16とを含む。回収要素14は、図のようにループであってもよく、あるいはスネア、フック又は任意のその他の所望の形状若しくはタイプの回収装置であってもよい。
【0028】
シャフト12はカテーテルベースであってよく、近位端20及び遠位端22を有する。シャフト12は、シャフトの遠位端22から所定の間隔で配置されたシャフト12の側壁26に開口24を有する。更に、シャフト12は、シャフト12の近位端20から遠位端22まで、又は少なくともシャフト12の遠位端22の近くに内腔即ち通路28を画定している場合がある。シャフトは好ましくは、可撓性、円柱強度即ち押し出し性、トルク伝達性、操舵性などを含む最適に選択された特性を備えている。
【0029】
第1の内部空間30及び第2の内部空間32が、側面の開口24の直ぐ近位及び直ぐ遠位でシャフト12の内側に画定されている。開口24即ち側面口又はスロットは、好ましくは、回収されるフィルタの長さより長い又はわずかに長い距離だけカテーテルのシャフト12aの遠位端22から離れており、第1の内部空間30及び第2の内部空間32は、フィルタが捕獲された後でフィルタをそれらの内部空間の一方の中に保持するのに十分に大きい寸法である。
【0030】
ハンドル16は、シャフト12の近位端20の近くでシャフト12に固定され、アクチュエータ18用のインターフェースを有し、また回収システム10を操縦し、導き、方向付けるための快適な手段を提供する。アクチュエータ18は、回収要素14を近位方向及び/又は遠位方向に選択的に動かして回収要素14を操縦するように構成されている。図に示された具体的なアクチュエータ18は、ホイールの各側から延びる軸34及び軸36を有するホイールである。ホイールは図示されているようにフィンガーリッジを有していてもよい。
【0031】
アクチュエータ18は、アクチュエータ18に加えられた駆動力が回収要素14に伝えられ、対応したやり方で回収要素14を動かすように、回収要素14と結合されていなければならない。図に示されたこのような駆動力を伝えるための具体的な構成は、主ファイバー又はワイヤループ38であり、主ファイバー又はワイヤループ38は、シャフト12によって画定された内腔28を通って、主ワイヤループ38が180度曲げられているシャフト12の遠位端22の近くの位置まで、ワイヤループ38の第1の端部40及び第2の端部42から延び、軸34及び軸36それぞれの周囲で互いに逆向きに巻かれている。
【0032】
ピン44、又は滑車、又は曲げられたチューブ、又は180度の内腔、又はその他の任意の好適なガイドが設けられて、主ワイヤループ38がその周囲に沿って動くようにしている。主ファイバー又はワイヤループ38が十分な円柱強度を有さない場合、又は近位のハンドル16及びアクチュエータ18からの有効な押す力を回収要素14に伝えることができない場合に、ガイドが設けられてもよい。ループ38(及び/又は回収要素14)は、有機繊維、ポリマー、更にはいくつかの金属を含む幅広い種類の材料から形成され得る。
【0033】
主ワイヤループ38は回収要素14に固定され、その結果ホイール18が一方向に回転すると回収要素14が近位方向に動き、ホイール18が逆の方向に回転すると回収要素14が遠位方向に動く。
【0034】
言うまでもなく、ハンドル16及びアクチュエータ18は、それらに望まれる機能を果たすのに適した任意の好ましい設計及び形状を有し得る。例えば、ハンドルはより人間工学的な形状を有していてもよく、又はアクチュエータはレバー、スライダーなどのような形状を有していてもよい。回収要素は、回収されるどのようなタイプのフィルタに対しても対応する回収特徴部をつかむ、捕る、すばやく捕える、又はつかまえるのに好適な任意の形状を有していてもよい。図6A〜6I、及び図7A〜7Jに示されたフィルタは、本発明のフィルタ回収システムが回収できる数多くのフィルタ設計の一例である。図に示された具体的なフィルタ46は、一方の端部のフックの形態の回収特徴部48と、体の通路(明瞭にするために図示されていない)内でフィルタ46が動くのを阻止するための一連のアンカー又はかえし50とを有する。
【0035】
図8及び9は、湾曲経路を追随するカテーテルのシャフトと、近位及び遠位のガイドワイヤポート54及び56を有するガイドワイヤ内腔52と、1つ以上のマーカーバンド58とを有する、回収システムの考えられる特徴部を示している。
【0036】
手術時には一般的に、回収システムは、動脈などの体の通路内に経皮的アクセスポイントから挿入することができる。例えば、アクセスポイントは、大腿動脈、頚動脈、又は上腕動脈に対するものである。回収システムは、シャフトの側面の開口が予め埋め込まれたフィルタの所望のポイントの近くに配置されるまで、進められる。最初の形状では、回収要素はシャフトの内部にある。システムが適切に配置されると、医師はアクチュエータを操縦して回収要素がシャフトの開口から突出するように動かすことができる。アクチュエータが更に操縦されると、回収要素はフィルタの一部分をつかみ、引っ掛け、又は一部と噛合い、次いで開口を通してカテーテルのシャフトの一方の内部空間内にフィルタを引き込む。捕獲されたフィルタ及び回収システムは、次いで患者の体から取り除かれることができる。回収システムは、所望の通りに近位方向又は遠位方向のいずれかでフィルタを回収することができてもよい。
【0037】
より具体的には、カテーテルシステムが、カテーテルの側面口及びスネアをフィルタの対応する回収要素の近くに配置するように進められると、スネアはカテーテル及びスプールの操縦によってフィルタの回収要素に引っ掛けられ又は取り付けられる。スネアがフック、ループ、キャッチ、かえしなどであり得るフィルタの回収要素をつかむと、スネア及びフィルタは、フィルタに対するカテーテルの向きに応じて、カテーテルの側面口を通して近位方向又は遠位方向に引き込まれる。カテーテル及び捕獲されたフィルタは、次いで患者の体から取り除かれる。
【0038】
図6A〜6Bに示されているように、フィルタを近位方向に回収するためには、シャフト12の遠位端22が、側面口24が例えば1つ以上のフック、かえし、ループなどであり得るフィルタの回収特徴部48と整合するまで、フィルタ46の近くの位置へ向けて進められる。
【0039】
ホイール18がわずかに回転させられて、図6Cに示されているようにカテーテルシャフト12内の主ワイヤループ38を動かして回収要素即ちスネア14を露出させる。
【0040】
カテーテルシャフトは、図6Dに示されているようにスネア14がフィルタの回収特徴部48即ち取り付けポイントを越えて進められるように、フィルタに向けて押される即ち進められる。
【0041】
ホイール18は、図6E〜6Iに示されているように、カテーテルシャフト12内の主ワイヤループ38を近位方向に引くように再び回転させられて、フィルタ46が近位の内部空間30に入るまでフィルタ46をカテーテルシャフト12内に引き込む。次いで、回収システム及び捕獲されたフィルタは体から取り除かれる。
【0042】
同様に、フィルタを遠位方向に回収するために、図7A〜7Cに示されているように、シャフト12の遠位端22が、側面口24が例えば1つ以上のフック、かえし、ループなどであり得るフィルタの回収特徴部48と整合するまで、フィルタ46を過ぎた位置まで進められる。
【0043】
ホイール18がわずかに回転させられて、図7Dに示されるように、カテーテルシャフト12内の主ワイヤループ38を動かして回収要素即ちスネア14を露出させる。
【0044】
カテーテルシャフトは、スネア14がフィルタに向かって動くように、近位方向に引かれる即ち後退させられ、その結果スネア14が図7Eに示されているようにフィルタの回収特徴部48即ち取り付けポイントを囲む。
【0045】
ホイール18は、図7F〜7Jに示されているように、スネア14を遠位方向に引くように再び回転させられ、フィルタ46が遠位の内部空間32に入るまでフィルタ46をカテーテルシャフト12内に引き込む。次いで、回収システム及び捕獲されたフィルタは体から取り除かれる。
【0046】
本発明の回収システムの構成要素は、生体適合性、強度、可撓性などの所望の性能特性を備えた任意の好適な材料で作ることができる。例えば、図に示された具体的な回収システムでは、ハンドル及びホイールは、金属、ポリマー、又は更にはセラミックで作ることができ、シャフトは、任意の好適なポリマー、場合によってはハイポチューブなどの金属構成要素と組み合わされて作ることができ、回収要素及び主ワイヤループは好ましくは金属又はフィラメント材料で作られる。
【0047】
カテーテルの全長は、様々な挿入ポイントからの治療のために所望の部位へアクセスできるように、任意の適切な長さに選択されることができ、これは約50cm〜100cmであり得る。
【0048】
本発明の数多くの構成及び変更が当業者には容易に明らかとなるであろう。例えば、スネアが取り付けられていないカテーテルシャフト内の主ワイヤループの部分は、カテーテルの別個の内腔内に収容されていてもよい。更に、別個のガイドワイヤ内腔及び遠位のガイドワイヤポートをカテーテルシャフトに設けて、ガイドワイヤを越えて回収システムを挿入してもよい。更に、カテーテルシャフトの遠位端が予め曲げられて即ち成形されて、及び/又は別個のワイヤ若しくはフィラメントを用いて操舵可能にされて、回収されるフィルタとカテーテルシャフトの開口との整合を向上させることができる。アクチュエータは、例えばスライダーなどの任意の好適な機構で置き換えられてもよい。更に、スプールを用いる代わりに、スネアを操縦するために用いられる主ワイヤの2つの端部が単にハンドル又はハブに通されてもよく、その結果医者は2つの端部を別々に操作することができる。更に、カテーテルの側面口の縁部は、フィルタの挿入を容易にするために朝顔形に広げられている又は成形されていてもよい。また、シャフト又は主ワイヤループにX線透視装置又はX線ビデオスクリーンで見ることができるX線不透過性のマーカーバンドが設けられてもよい。
【0049】
更に、本発明の回収システムは、好適な回収特徴部を有し、半径方向に圧縮可能でありかつ回収システム内に捕獲可能である、任意のタイプの埋め込み可能な医療器具を回収するために用いられてもよい。
【0050】
本発明の無制限の数の構成が実現可能であることが理解されなければならない。前述の議論は単に本発明の原理を説明する代表的な実施形態を説明しており、その範囲は以下の特許請求の範囲に記載されている。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な変更及び変形がなされ得ることは、上記の記載、特許請求の範囲、及び図面から当業者には容易に認識されよう。
【0051】
〔実施態様〕
(1) 予め埋め込まれた医療用フィルタを回収するためのフィルタ回収システムであって、可撓性のシャフトであって、長手方向軸を画定し、近位端及び遠位端を有し、前記シャフトの遠位端から所定の間隔だけ離れて配置された開口を有し、前記開口の近位及び遠位に配置された第1の内部空間及び第2の内部空間を画定する、可撓性のシャフトと、前記シャフトの近位端の近くで前記シャフトに固定されたハンドルと、前記ハンドルに結合されたアクチュエータと、前記アクチュエータに結合され、前記シャフトの開口の位置と、前記第1の内部空間の位置と、前記第2の内部空間の位置とを含む所定の範囲内の位置を長手方向に移動できる回収要素と、を備え、前記アクチュエータを所望の位置に動かすことで前記回収要素が対応した位置に動かされ、前記回収要素が最初の位置にあるとき、前記回収要素が前記第1の内部空間及び前記第2の内部空間のうちの一方の中に位置し、前記アクチュエータが作動可能位置に動かされたとき、前記回収要素が前記シャフトの開口から突出し、前記回収要素をフィルタの一部分と係合するように操縦することができ、次に、フィルタ回収システム毎に1回、前記開口を通して前記第1の内部空間及び前記第2の内部空間へ前記フィルタを引き込むことができる第1の捕獲位置又は第2の捕獲位置へ前記回収要素を動かすことができる、フィルタ回収システム。
(2) 前記長手方向軸及び前記シャフトが、湾曲した通路を追随する、実施態様1に記載のフィルタ回収システム。
(3) ガイドワイヤを摺動可能に受容するために、前記シャフトによって画定されたガイドワイヤ内腔と、前記シャフトの遠位端の近くの遠位のガイドワイヤポートとを更に備える、実施態様1に記載のフィルタ回収システム。
(4) 前記シャフトの遠位部分が、予め選択された形状を有する、実施態様1に記載のフィルタ回収システム。
(5) X線透視装置で見ることができる1つ以上のマーカーバンドを更に備える、実施態様1に記載のフィルタ回収システム。
(6) 予め埋め込まれた医療用フィルタを回収するためのフィルタ回収システムであって、可撓性のシャフトであって、長手方向軸を画定し、近位端及び遠位端を有し、前記シャフトの遠位端から所定の間隔だけ離れて配置された開口を有し、前記開口の近位及び遠位に配置された第1の内部空間及び第2の内部空間を画定する、可撓性のシャフトと、前記シャフトの近位端の近くで前記シャフトに固定されたハンドルと、前記ハンドルに結合されたアクチュエータと、前記アクチュエータに結合され、スネアを有する、主ファイバーループであって、前記スネアが、前記シャフトの開口の位置と、前記近位の内部空間の位置と、前記遠位の内部空間の位置とを含む所定の範囲内の位置を長手方向に移動できる、主ファイバーループと、を備え、前記アクチュエータを所望の位置に動かすことで前記主ファイバーループが前記スネアを対応した位置に動かし、前記スネアが最初の位置にあるとき、前記スネアが前記第1の内部空間及び前記第2の内部空間のうちの一方の中に位置し、前記アクチュエータが作動可能位置に動かされたとき、前記スネアが前記シャフトの開口から突出し、前記スネアをフィルタの一部分と係合するように操縦することができ、次に、前記開口を通して前記第1の内部空間及び前記第2の内部空間のうちの選択された空間内へ前記フィルタを引き込む第1の捕獲位置又は第2の捕獲位置へ前記アクチュエータを動かすことができる、フィルタ回収システム。
(7) 予め埋め込まれた医療用フィルタを回収するためのフィルタ回収システムであって、可撓性のシャフトであって、長手方向軸を画定し、近位端及び遠位端を有し、前記シャフトの遠位端から所定の間隔だけ離れて配置された開口を有し、前記開口の近位及び遠位に配置された第1の内部空間及び第2の内部空間を画定する、可撓性のシャフトと、前記シャフトの近位端の近くで前記シャフトに固定されたハンドルと、前記ハンドルに結合されたアクチュエータと、主ファイバーループであって、前記アクチュエータ、及び前記主ファイバーループに固定されたスネアに結合され、前記スネアが、前記シャフトの開口の位置と、前記近位の内部空間の位置と、前記遠位の内部空間の位置とを含む所定の範囲内の位置を長手方向に移動できる、主ファイバーループと、を備え、前記アクチュエータを所望の位置に動かすことで前記主ファイバーループが前記スネアを対応した位置に動かし、前記スネアが最初の位置にあるとき、前記スネアが前記第1の内部空間及び前記第2の内部空間のうちの一方の中に位置し、前記アクチュエータが作動可能位置に動かされたとき、前記スネアが前記シャフトの開口から突出し、前記スネアをフィルタの一部分と係合するように操縦することができ、次に前記開口を通して前記第1の内部空間及び前記第2の内部空間のうちの選択された空間内へ前記フィルタを引き込む第1の捕獲位置又は第2の捕獲位置へ前記アクチュエータを動かすことができる、フィルタ回収システム。
(8) 前記カテーテルのシャフトが、湾曲した脈管通路に追随し下大静脈の中に定置されたフィルタを回収するのに十分な可撓性を有する、実施態様1に記載のフィルタ回収システム。
(9) 前記主ファイバーループの一部分が、前記スネアの遠位である、実施態様7に記載のフィルタ回収システム。
(10) 前記主ファイバーループの一部分が、前記遠位内部空間の遠位である、実施態様9に記載のフィルタ回収システム。
(11) 前記シャフトが、前記開口から遠位の内部空間内にガイドを更に備える、実施態様9に記載のフィルタ回収システム。
(12) 前記ガイドが、ピン、滑車、及びU字形チャネルの群から選択され、前記主ファイバーループの遠位部分が前記ガイドの周囲で延びる、実施態様11に記載のフィルタ回収システム。
(13) 前記スネアが、主ファイバーループに加えて第2のループを画定する、実施態様7に記載のフィルタ回収システム。
(14) 前記主ファイバーループの材料が、実質的に円柱強度を有さず、そのため前記ファイバーが前記アクチュエータから前記回収要素へ押す力を伝えることができない、実施態様7に記載のフィルタ回収システム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め埋め込まれた医療用フィルタを回収するためのフィルタ回収システムであって、可撓性のシャフトであって、長手方向軸を画定し、近位端及び遠位端を有し、前記シャフトの遠位端から所定の間隔だけ離れて配置された開口を有し、前記開口の近位及び遠位に配置された第1の内部空間及び第2の内部空間を画定する、可撓性のシャフトと、前記シャフトの近位端の近くで前記シャフトに固定されたハンドルと、前記ハンドルに結合されたアクチュエータと、前記アクチュエータに結合され、前記シャフトの開口の位置と、前記第1の内部空間の位置と、前記第2の内部空間の位置とを含む所定の範囲内の位置を長手方向に移動できる回収要素と、を備え、前記アクチュエータを所望の位置に動かすことで前記回収要素が対応した位置に動かされ、前記回収要素が最初の位置にあるとき、前記回収要素が前記第1の内部空間及び前記第2の内部空間のうちの一方の中に位置し、前記アクチュエータが作動可能位置に動かされたとき、前記回収要素が前記シャフトの開口から突出し、前記回収要素をフィルタの一部分と係合するように操縦することができ、次に、フィルタ回収システム毎に1回、前記開口を通して前記第1の内部空間及び前記第2の内部空間へ前記フィルタを引き込むことができる第1の捕獲位置又は第2の捕獲位置へ前記回収要素を動かすことができる、フィルタ回収システム。
【請求項2】
前記長手方向軸及び前記シャフトが、湾曲した通路を追随する、請求項1に記載のフィルタ回収システム。
【請求項3】
ガイドワイヤを摺動可能に受容するために、前記シャフトによって画定されたガイドワイヤ内腔と、前記シャフトの遠位端の近くの遠位のガイドワイヤポートとを更に備える、請求項1に記載のフィルタ回収システム。
【請求項4】
前記シャフトの遠位部分が、予め選択された形状を有する、請求項1に記載のフィルタ回収システム。
【請求項5】
X線透視装置で見ることができる1つ以上のマーカーバンドを更に備える、請求項1に記載のフィルタ回収システム。
【請求項6】
予め埋め込まれた医療用フィルタを回収するためのフィルタ回収システムであって、可撓性のシャフトであって、長手方向軸を画定し、近位端及び遠位端を有し、前記シャフトの遠位端から所定の間隔だけ離れて配置された開口を有し、前記開口の近位及び遠位に配置された第1の内部空間及び第2の内部空間を画定する、可撓性のシャフトと、前記シャフトの近位端の近くで前記シャフトに固定されたハンドルと、前記ハンドルに結合されたアクチュエータと、前記アクチュエータに結合され、スネアを有する、主ファイバーループであって、前記スネアが、前記シャフトの開口の位置と、前記近位の内部空間の位置と、前記遠位の内部空間の位置とを含む所定の範囲内の位置を長手方向に移動できる、主ファイバーループと、を備え、前記アクチュエータを所望の位置に動かすことで前記主ファイバーループが前記スネアを対応した位置に動かし、前記スネアが最初の位置にあるとき、前記スネアが前記第1の内部空間及び前記第2の内部空間のうちの一方の中に位置し、前記アクチュエータが作動可能位置に動かされたとき、前記スネアが前記シャフトの開口から突出し、前記スネアをフィルタの一部分と係合するように操縦することができ、次に、前記開口を通して前記第1の内部空間及び前記第2の内部空間のうちの選択された空間内へ前記フィルタを引き込む第1の捕獲位置又は第2の捕獲位置へ前記アクチュエータを動かすことができる、フィルタ回収システム。
【請求項7】
予め埋め込まれた医療用フィルタを回収するためのフィルタ回収システムであって、可撓性のシャフトであって、長手方向軸を画定し、近位端及び遠位端を有し、前記シャフトの遠位端から所定の間隔だけ離れて配置された開口を有し、前記開口の近位及び遠位に配置された第1の内部空間及び第2の内部空間を画定する、可撓性のシャフトと、前記シャフトの近位端の近くで前記シャフトに固定されたハンドルと、前記ハンドルに結合されたアクチュエータと、主ファイバーループであって、前記アクチュエータ、及び前記主ファイバーループに固定されたスネアに結合され、前記スネアが、前記シャフトの開口の位置と、前記近位の内部空間の位置と、前記遠位の内部空間の位置とを含む所定の範囲内の位置を長手方向に移動できる、主ファイバーループと、を備え、前記アクチュエータを所望の位置に動かすことで前記主ファイバーループが前記スネアを対応した位置に動かし、前記スネアが最初の位置にあるとき、前記スネアが前記第1の内部空間及び前記第2の内部空間のうちの一方の中に位置し、前記アクチュエータが作動可能位置に動かされたとき、前記スネアが前記シャフトの開口から突出し、前記スネアをフィルタの一部分と係合するように操縦することができ、次に前記開口を通して前記第1の内部空間及び前記第2の内部空間のうちの選択された空間内へ前記フィルタを引き込む第1の捕獲位置又は第2の捕獲位置へ前記アクチュエータを動かすことができる、フィルタ回収システム。
【請求項8】
前記カテーテルのシャフトが、湾曲した脈管通路に追随し下大静脈の中に定置されたフィルタを回収するのに十分な可撓性を有する、請求項1に記載のフィルタ回収システム。
【請求項9】
前記主ファイバーループの一部分が、前記スネアの遠位である、請求項7に記載のフィルタ回収システム。
【請求項10】
前記主ファイバーループの一部分が、前記遠位内部空間の遠位である、請求項9に記載のフィルタ回収システム。
【請求項11】
前記シャフトが、前記開口から遠位の内部空間内にガイドを更に備える、請求項9に記載のフィルタ回収システム。
【請求項12】
前記ガイドが、ピン、滑車、及びU字形チャネルの群から選択され、前記主ファイバーループの遠位部分が前記ガイドの周囲で延びる、請求項11に記載のフィルタ回収システム。
【請求項13】
前記スネアが、主ファイバーループに加えて第2のループを画定する、請求項7に記載のフィルタ回収システム。
【請求項14】
前記主ファイバーループの材料が、実質的に円柱強度を有さず、そのため前記ファイバーが前記アクチュエータから前記回収要素へ押す力を伝えることができない、請求項7に記載のフィルタ回収システム。
【請求項1】
予め埋め込まれた医療用フィルタを回収するためのフィルタ回収システムであって、可撓性のシャフトであって、長手方向軸を画定し、近位端及び遠位端を有し、前記シャフトの遠位端から所定の間隔だけ離れて配置された開口を有し、前記開口の近位及び遠位に配置された第1の内部空間及び第2の内部空間を画定する、可撓性のシャフトと、前記シャフトの近位端の近くで前記シャフトに固定されたハンドルと、前記ハンドルに結合されたアクチュエータと、前記アクチュエータに結合され、前記シャフトの開口の位置と、前記第1の内部空間の位置と、前記第2の内部空間の位置とを含む所定の範囲内の位置を長手方向に移動できる回収要素と、を備え、前記アクチュエータを所望の位置に動かすことで前記回収要素が対応した位置に動かされ、前記回収要素が最初の位置にあるとき、前記回収要素が前記第1の内部空間及び前記第2の内部空間のうちの一方の中に位置し、前記アクチュエータが作動可能位置に動かされたとき、前記回収要素が前記シャフトの開口から突出し、前記回収要素をフィルタの一部分と係合するように操縦することができ、次に、フィルタ回収システム毎に1回、前記開口を通して前記第1の内部空間及び前記第2の内部空間へ前記フィルタを引き込むことができる第1の捕獲位置又は第2の捕獲位置へ前記回収要素を動かすことができる、フィルタ回収システム。
【請求項2】
前記長手方向軸及び前記シャフトが、湾曲した通路を追随する、請求項1に記載のフィルタ回収システム。
【請求項3】
ガイドワイヤを摺動可能に受容するために、前記シャフトによって画定されたガイドワイヤ内腔と、前記シャフトの遠位端の近くの遠位のガイドワイヤポートとを更に備える、請求項1に記載のフィルタ回収システム。
【請求項4】
前記シャフトの遠位部分が、予め選択された形状を有する、請求項1に記載のフィルタ回収システム。
【請求項5】
X線透視装置で見ることができる1つ以上のマーカーバンドを更に備える、請求項1に記載のフィルタ回収システム。
【請求項6】
予め埋め込まれた医療用フィルタを回収するためのフィルタ回収システムであって、可撓性のシャフトであって、長手方向軸を画定し、近位端及び遠位端を有し、前記シャフトの遠位端から所定の間隔だけ離れて配置された開口を有し、前記開口の近位及び遠位に配置された第1の内部空間及び第2の内部空間を画定する、可撓性のシャフトと、前記シャフトの近位端の近くで前記シャフトに固定されたハンドルと、前記ハンドルに結合されたアクチュエータと、前記アクチュエータに結合され、スネアを有する、主ファイバーループであって、前記スネアが、前記シャフトの開口の位置と、前記近位の内部空間の位置と、前記遠位の内部空間の位置とを含む所定の範囲内の位置を長手方向に移動できる、主ファイバーループと、を備え、前記アクチュエータを所望の位置に動かすことで前記主ファイバーループが前記スネアを対応した位置に動かし、前記スネアが最初の位置にあるとき、前記スネアが前記第1の内部空間及び前記第2の内部空間のうちの一方の中に位置し、前記アクチュエータが作動可能位置に動かされたとき、前記スネアが前記シャフトの開口から突出し、前記スネアをフィルタの一部分と係合するように操縦することができ、次に、前記開口を通して前記第1の内部空間及び前記第2の内部空間のうちの選択された空間内へ前記フィルタを引き込む第1の捕獲位置又は第2の捕獲位置へ前記アクチュエータを動かすことができる、フィルタ回収システム。
【請求項7】
予め埋め込まれた医療用フィルタを回収するためのフィルタ回収システムであって、可撓性のシャフトであって、長手方向軸を画定し、近位端及び遠位端を有し、前記シャフトの遠位端から所定の間隔だけ離れて配置された開口を有し、前記開口の近位及び遠位に配置された第1の内部空間及び第2の内部空間を画定する、可撓性のシャフトと、前記シャフトの近位端の近くで前記シャフトに固定されたハンドルと、前記ハンドルに結合されたアクチュエータと、主ファイバーループであって、前記アクチュエータ、及び前記主ファイバーループに固定されたスネアに結合され、前記スネアが、前記シャフトの開口の位置と、前記近位の内部空間の位置と、前記遠位の内部空間の位置とを含む所定の範囲内の位置を長手方向に移動できる、主ファイバーループと、を備え、前記アクチュエータを所望の位置に動かすことで前記主ファイバーループが前記スネアを対応した位置に動かし、前記スネアが最初の位置にあるとき、前記スネアが前記第1の内部空間及び前記第2の内部空間のうちの一方の中に位置し、前記アクチュエータが作動可能位置に動かされたとき、前記スネアが前記シャフトの開口から突出し、前記スネアをフィルタの一部分と係合するように操縦することができ、次に前記開口を通して前記第1の内部空間及び前記第2の内部空間のうちの選択された空間内へ前記フィルタを引き込む第1の捕獲位置又は第2の捕獲位置へ前記アクチュエータを動かすことができる、フィルタ回収システム。
【請求項8】
前記カテーテルのシャフトが、湾曲した脈管通路に追随し下大静脈の中に定置されたフィルタを回収するのに十分な可撓性を有する、請求項1に記載のフィルタ回収システム。
【請求項9】
前記主ファイバーループの一部分が、前記スネアの遠位である、請求項7に記載のフィルタ回収システム。
【請求項10】
前記主ファイバーループの一部分が、前記遠位内部空間の遠位である、請求項9に記載のフィルタ回収システム。
【請求項11】
前記シャフトが、前記開口から遠位の内部空間内にガイドを更に備える、請求項9に記載のフィルタ回収システム。
【請求項12】
前記ガイドが、ピン、滑車、及びU字形チャネルの群から選択され、前記主ファイバーループの遠位部分が前記ガイドの周囲で延びる、請求項11に記載のフィルタ回収システム。
【請求項13】
前記スネアが、主ファイバーループに加えて第2のループを画定する、請求項7に記載のフィルタ回収システム。
【請求項14】
前記主ファイバーループの材料が、実質的に円柱強度を有さず、そのため前記ファイバーが前記アクチュエータから前記回収要素へ押す力を伝えることができない、請求項7に記載のフィルタ回収システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図6G】
【図6H】
【図6I】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図7G】
【図7H】
【図7I】
【図7J】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図6G】
【図6H】
【図6I】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図7G】
【図7H】
【図7I】
【図7J】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2010−104788(P2010−104788A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−249916(P2009−249916)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(597041828)コーディス・コーポレイション (206)
【氏名又は名称原語表記】Cordis Corporation
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−249916(P2009−249916)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(597041828)コーディス・コーポレイション (206)
【氏名又は名称原語表記】Cordis Corporation
【Fターム(参考)】
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