説明

フィルムの搬送装置及び搬送方法

【課題】大気中における接合時のフィルム装填作業の除外化を図り、生産効率の向上を図る。
【解決手段】フィルムロール1,2が配置され、大気開放することが可能に構成された真空状態の第1及び第2の室30A,30Bと、該第1及び第2の室の間に位置する真空状態の第3の室30Cを備え、前記第1及び第2の室には、接続フィルム始端固定装置5が設置され、前記第3の室には、接続フィルム始端部把持・引出し装置7とフィルム接合装置10が設置されており、前記第1及び第2の室のロール1,2を交換する際、ロールを入れ替える第1及び第2の室の一方のみを大気開放して新たなロールを配置し、新たなロールの接続フィルムの始端を固定装置5に固定してから大気開放した室を真空状態にし、大気開放した室のフィルム搬送口15を開け、始端が固定された接続フィルムを引出し装置7にて第3の室30Cまで引出し、フィルム接合装置10で接続フィルム4aの始端部と先行フィルム4の終端部との接合を行っている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻芯にロール状に巻かれた連続フィルムを供給する場合のように、ロール状に巻かれた帯状のテープ、フィルム、ウェブ等(以下総称してフィルムと呼ぶ)の始端を引き出して、先行するフィルムの終端に接合して搬送するフィルムの搬送装置及び搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のロールから順次、フィルムを連続的に引き出していくため、先行フィルムの終端部と、接続するフィルムの始端部とを、作業者によって接着テープ等で接合するのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
また、フィルムを接合する場合においても、用いられるフィルム把持機構はエア吸着のものが多いことから、大気中での使用を前提としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005―145708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、フィルムロールのフィルム始端を、人手により引き出して所定の位置にセットすることなく、フィルムロールをフィルム支持軸に装填し、始端をクリップ式の接続フィルム始端固定装置に固定するだけで接続フィルムの引出しから、そのフィルム始端の先行フィルムの終端への接続までを全て自動的に行えるようにし、あるいは装置の外側から内部を見ながらの操作であったり、またはモニターを見ながらの遠隔操作をすることによって、大気中における接合時のフィルム装填作業の除外化を図ることである。
【0005】
また、本発明が解決しようとする課題は、ロールツーロールでフィルム(縦型、横型)搬送を行う成膜装置などでは、加熱真空中におけるフィルムの接続を行うことにより、フィルム装填作業時の真空装置の加熱冷却時間と大気開放、真空引き時間の除外化を行い、生産効率の向上を図ることである。
【0006】
すなわち、本発明の目的は、フィルムロールをフィルム支持軸に装填し、始端を接続フィルム先端固定装置に固定するだけで接続フィルムの引出しから当該フィルム始端の先行フィルムの終端への接続までを全て自動的に行えるようにするとともに、フィルム装填作業時の真空装置の加熱冷却時間と大気開放、真空引き時間の除外化を行い、大気中における接合時のフィルム装填作業の除外化を図り、生産効率の向上を図ることが可能なフィルムの搬送装置及び搬送方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記従来技術の有する課題を解決するために、本発明は、フィルムロールから先行して送給される先行フィルムの終端部に、次のフィルムロールから引き出される接続フィルムの始端部を接合して搬送するフィルムの搬送装置であって、前記フィルムロールが配置され、真空と大気開放可能な第1及び第2の室と、これら第1及び第2の室に接続された真空状態の第3の室とを備え、前記第1及び第2の室に設置する前記フィルムロールに装着された接続フィルムの始端を所定位置に固定する接続フィルム始端固定装置と、前記第3の室内に設置する前記接続フィルムの始端部を把持して接合の所定位置に引出す接続フィルム始端部把持・引出し装置と、前記第3の室内に設置する押出し機構を用いて前記先行フィルムと前記接続フィルムとを接合するフィルム接合装置を備えている。
【0008】
また、本発明において、前記第1及び第2の室のフィルム搬送口を開閉する前記第1及び第2の室と前記第3の室との間に設けた真空遮断装置を備えている。
【0009】
さらに、本発明において、前記接続フィルムの始端フィルム余材及び前記先行フィルムの終端フィルム余材を切除するフィルム切断装置を前記第3の室に設置している。
【0010】
また、本発明において、前記接続フィルム始端部把持・引出し装置は、前記第3の室に設置されたガイドレールに沿って摺動するように構成されている。
そして、本発明において、前記接続フィルムの始端部には、接合テープが貼付されている。
【0011】
さらに、本発明は、フィルムロールから先行して送給される先行フィルムの終端部に、次のフィルムロールから引き出される接続フィルムの始端部を接合して搬送するフィルムの搬送方法であって、前記フィルムロール、接続フィルム始端固定装置が配置された真空状態の第1及び第2の室と、接続フィルム始端部把持・引出し装置及びフィルム接合装置が配置された真空状態の第3の室とを含み、前記第1及び第2の室のフィルムロールを交換する際、前記フィルムロールを入れ替える前記第1及び第2の室の一方のみを大気開放して新たなフィルムロールを配置し、前記新たなフィルムロールの接続フィルムの始端を前記フィルム始端固定装置に固定し、その後に前記大気開放した室を真空にし、次いで、前記大気開放した室のフィルム搬送口を開け、始端が固定された接続フィルムを前記接続フィルム始端部把持・引出し装置によって前記第3の室まで引出し、前記フィルム接合装置によって前記接続フィルムの始端部と前記先行フィルムの終端部との接合を行っている。
【発明の効果】
【0012】
上述の如く、本発明に係るフィルムの搬送装置は、フィルムロールから先行して送給される先行フィルムの終端部に、次のフィルムロールから引き出される接続フィルムの始端部を接合して搬送するものであって、前記フィルムロールが配置され、真空と大気開放可能な第1及び第2の室と、これら第1及び第2の室に接続された真空状態の第3の室とを備え、前記第1及び第2の室に設置する前記フィルムロールに装着された接続フィルムの始端を所定位置に固定する接続フィルム始端固定装置と、前記第3の室内に設置する前記接続フィルムの始端部を把持して接合の所定位置に引出す接続フィルム始端部把持・引出し装置と、前記第3の室内に設置する押出し機構を用いて前記先行フィルムと前記接続フィルムとを接合するフィルム接合装置とを備えており、前記第1及び第2の室のフィルムロールを交換する際、前記フィルムロールを入れ替える前記第1及び第2の室の一方のみを大気開放し、この状態で新たなフィルムロールを配置するとともに、前記新たなフィルムロールの接続フィルムの始端を前記フィルム始端固定装置に固定してから前記大気開放した室を真空状態にし、前記大気開放した室のフィルム搬送口を開け、始端が固定された接続フィルムを前記接続フィルム始端部把持・引出し装置によって前記第3の室まで引出し、前記フィルム接合装置によって前記接続フィルムの始端部と前記先行フィルムの終端部との接合を行うように構成されている。
したがって、本発明のフィルムの搬送装置によれば、フィルムロールを入れ替える第1及び第2の室のいずれか一方のみを大気開放して真空引きすればよくなり、すべての室を大気開放して真空引きする場合に比べて、作業時間及び作業コストを低減させることができる。また、フィルムロールの引き出しが簡単な機構で行うことができるとともに、接合所定位置まで接続フィルム始端部把持・引出し装置と接続フィルム接合装置の両装置の操作を連続して行うことができ、接合に掛かる時間が最小限で済む。
また、本発明のフィルムの搬送装置によれば、接続フィルム始端固定装置としてクリップ式を採用することが可能であり、この場合、フィルム端部を機械的挟み込みで把持するため、横型搬送のみならず縦型搬送においてもフィルム端部を確実に把持することができる。
【0013】
さらに、本発明によれば、前記第1及び第2の室と前記第3の室との間には真空遮断装置が設けられ、前記真空遮断装置を開閉可能にさせることによって、前記第1及び第2の室のフィルム搬送口を開閉するように構成されているため、3つの室を真空状態に確実に維持することができる。
【0014】
そして、本発明によれば、前記第3の室には、前記接続フィルムの始端フィルム余材及び前記先行フィルムの終端フィルム余材を切除するフィルム切断装置と、フィルム残材を接合位置から逃がす機構が設置されているため、フィルムの搬送を迅速に行うことができる。
【0015】
また、本発明によれば、前記接続フィルム始端部把持・引出し装置は、前記第3の室に設置されたガイドレールに沿って摺動するように構成されているため、接続フィルムを円滑に引出すことができる。
【0016】
さらに、本発明によれば、前記接続フィルムの始端部には、接合テープが貼付されているため、先行フィルムと接続フィルムとを重ね合わせて圧接することにより接合することができる。この接合については、これに限定されず、接着材や溶接なども利用でき、また、重ね合わせずに端部を合わせて接合することもできる。
【0017】
一方、本発明に係るフィルムの搬送方法は、フィルムロールから先行して送給される先行フィルムの終端部に、次のフィルムロールから引き出される接続フィルムの始端部を接合して搬送するフィルムの搬送方法であって、前記フィルムロール、接続フィルム始端固定装置が配置された真空状態の第1及び第2の室と、接続フィルム始端部把持・引出し装置及びフィルム接合装置が配置された真空状態の第3の室とを含み、前記第1及び第2の室のフィルムロールを交換する際、前記フィルムロールを入れ替える前記第1及び第2の室の一方のみを大気開放して新たなフィルムロールを配置し、前記新たなフィルムロールの接続フィルムの始端を前記フィルム始端固定装置に固定し、その後に前記大気開放した室を真空にし、次いで、前記大気開放した室のフィルム搬送口を開け、始端が固定された接続フィルムを前記接続フィルム始端部把持・引出し装置によって前記第3の室まで引出し、前記フィルム接合装置によって前記接続フィルムの始端部と前記先行フィルムの終端部との接合を行うので、上記発明と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】真空装置を想定した本発明の実施形態に係るフィルムの搬送装置の構成を示す模式図である。
【図2】本発明の実施形態に係るフィルムの搬送装置のフィルム接合部を示す模式図である。
【図3】本発明の実施形態に係るフィルムの搬送装置の真空中におけるワークフローである。
【図4】縦型搬送によるロールツーロールによる成膜装置の概略図であり、(A)は本発明の実施形態に係るフィルムの搬送装置の真空中における実施例を示す全体構成の平面図、(B)は巻き取り部であって(A)のY1部詳細図、(C)は巻き出し部であって(A)のY2部詳細図である。
【図5A】(1)、(2)は本発明の実施形態に係るフィルムの搬送装置を示す工程図である。
【図5B】(3)〜(5)は本発明の実施形態に係るフィルムの搬送装置を示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係るフィルムの搬送装置及び搬送方法について、図面を参照しながら、その実施形態に基づき詳細に説明する。
【0020】
本発明の実施形態に係るフィルムの搬送装置33は、その概略を図1及び図2に示すように構成され、図示しないサーボモータによりその正逆回転を自由に制御できる一対の巻芯3A,3Bを有しており、フィルムロール1の巻芯3Aは接続フィルム側に配置され、フィルムロール2の巻芯3Bは先行フィルム側に配置されている。図1、図2及び後述する図5では、巻芯3Bから繰出している先行フィルム4の終端部に、巻芯3Aに待機している接続フィルム4aの始端部を接続する場合を示しているが、その逆の場合も同様に行われるようになっている。
【0021】
以下、便宜上接続側をA側とし、現在先行送給している側をB側として説明する。
本実施形態の搬送装置33は、巻芯3A,3Bからフィルム搬送路に沿って間隔を開けて配置され、搬送ベルト13等の適宜の駆動手段により直動する一対の接続フィルム始端部把持・引出し装置7と、該把持・引出し装置7に対峙して配置される接続フィルム始端固定装置5と、一対の接続フィルム始端部把持・引出し装置7が摺動する一対のガイドレール11の近傍に配置され、これらガイドレール11の間を駆動するピストンシリンダ等の適宜の駆動手段である押出し機構(図示せず)により直動するフィルム接合装置10を備えている。
一対の接続フィルム始端部把持・引出し装置7及びガイドレール11は、図における手前側と奥側とに間隔を空けてそれぞれ1つ配置されており、接続フィルム始端部把持・引出し装置7は、フィルム搬送路の方向に沿って延在するガイドレール11に案内されながら摺動し、接続フィルム4aの始端部を把持して、接合の所定位置に引出すように構成されている。すなわち、接続フィルム始端部把持・引出し装置7は、後述する真空装置内の巻き出し室と接合室との間に設けられた真空遮断装置14を開閉して接続フィルム始端を所定位置に位置決めするようになっている。
【0022】
一方、接続フィルム始端固定装置5に対してフィルムロール1,2寄りに位置するフィルム搬送路には、一対の解放機能付きニップロール6が配置されており、固定装置5の開閉動作に対応して接離することにより、フィルムを挟持したり解放したりする機能を有している。
また、フィルム接合装置10は、フィルム4a,4を押圧する複数の押圧ロール10aと、該押圧ロール10aを付勢する付勢手段10bを備えている。
さらに、接続フィルム4aの始端部の片面において、先行フィルム4と相向き合う側には、接合テープ9が貼付されている。しかも、3A側、3B側両方のフィルム4a,4が所定の位置で接合される手前には、接合後に先行フィルム4の終端部及び接続フィルム4aの始端部を切除するフィルム切断装置8が配置されている。
そして、フィルム接合位置の付近には、フィルム4a,4をフィルム搬送路に案内し、かつフィルム搬送路から離脱させる案内ロール12が配置されており、該案内ロール12は、基端部を中心にして90度の範囲で回動可能な支持部材12aの先端部に取付けられている。
【0023】
なお、図3は、成膜装置50などの搬送装置33内におけるフィルム4a,4の接合やフィルムロール1,2の巻芯3A,3Bのワークフローを参考までに示したものである。
【0024】
図4(A)〜(C)は、縦型搬送によるロールツーロールによる成膜装置50におけるフィルムの搬送装置33の概略図を示しており、(A)は全体平面図、(B)は(A)のY1部詳細図、(C)は(A)のY2部詳細図である。
図4(A)〜(C)及び図1に示すように、成膜装置50の巻き出し部31と巻き取り部32には、フィルムの搬送装置33がそれぞれ設けられている。この搬送装置33は、真空遮断装置14と外周壁35とによって画成された3つの真空室30を有しており、該真空室30は、巻き出し室(第1の室)30A、巻き取り室(第2の室)30B及び接合室(第3の室)30Cからなっている。
巻き出し室30A内には、主に接続フィルムロール1、巻芯3A及び接続フィルム始端固定装置5が配置され、巻き取り室30B内には、主に先行フィルムロール2、巻芯3B及び接続フィルム始端固定装置5が配置され、接合室30C内には、主に接続フィルム始端部把持・引出し装置7、フィルム切断装置8及びフィルム接合装置10が配置されている。そして、巻き出し室30A及び巻き取り室30Bと接合室30Cとの間には、真空遮断装置14がそれぞれ開閉可能に設けられており、真空遮断装置14を開閉させることによって、巻き出し室30A及び巻き取り室30Bのフィルム搬送口15A,15Bが開閉されるように構成されている。
【0025】
これにより、フィルムロール交換時には真空室30の全体を大気開放することなく、新しいフィルムロール1の巻き出し室30Aのみを大気開放し、この大気開放状態で新たなフィルムロール1を所定の位置にセットし、接続フィルム4aの始端部を接続フィルム始端固定装置5に固定した後、新しいフィルムロール1の巻き出し室30Aのみを真空引きするだけで、新旧フィルムの交換を行うことが可能となっている。
真空引き後、図2に示すように、接続フィルム始端部把持・引出し装置7は、接続フィルム始端の送給が必要な時には、真空遮断装置14を開閉することにより行うことが可能となっている。
【0026】
以上のように構成された本実施形態の搬送装置33によりフィルム4a,4を接合して搬送する方法を図5に示す工程図を参照しながら説明する。
図5A(1)、(2)においては、あらかじめA側(フィルムロール1及び巻芯3A側)の接合テープ9の貼付された接続フィルム4aの始端部が接続フィルム始端固定装置5に固定されてセットされ、先行フィルム4が終端に近づいた際、固定された接続フィルム4aが接続フィルム始端部把持・引出し装置7によって引き出され、接合のための準備を行う。その際、B側(フィルムロール2及び巻芯3B側)の先行フィルム4は停止して、接合のための準備を行う。
【0027】
図5B(3)においては、鎖線で示す位置にある案内ロール12を回動させ、実線で示すように、案内ロール12をフィルム搬送路上に配置する。そして、A側の接続フィルム接合装置10により、接続フィルム4aをフィルム面に対し垂直方向に押し出して、B側の先行フィルム4のフィルム面と重ね合わせ、先行フィルム4と接合テープ9を貼り付けた接続フィルム4aとを押圧することによって、両フィルムの接合を行う。
【0028】
次いで、A側の接続フィルム4aの始端部を所定の位置にて切断装置8により切断する。その後、わずかに接合できていない接続フィルム4aの始端部を、B側の先行フィルム4を逆送することにより接合する。
さらに、図5B(3)では、B側(フィルムロール2及び巻芯3B側)の先行フィルム4の終端部を切断装置8により切断し、A側(フィルムロール1及び巻芯3A側)の接続フィルム4aと、B側の先行フィルム4との圧接接合を終了した状態を示している。
【0029】
図5B(4)においては、A側の接続フィルム4aの始端部残材を接続フィルム始端固定装置5の近傍に設けられた回収ボックス(図示せず)に投下して回収する一方、B側の先行フィルム4の切断後の残材を巻芯3Bにて巻き取り回収する。
【0030】
最後に、図5B(5)においては、新規に接続されたフィルムロール1の搬送を開始する。この時、B側(フィルムロール2及び巻芯3B側)では先行フィルム4の残材を回収した後に、B側の接合装置10をフィルム搬送路から離脱させる。また、B側の案内ロール12もフィルム搬送路から離脱させる。真空遮断装置14の閉鎖後、巻新たな接続フィルム4aへのフィルムロール交換が行われることになる。
以上の工程は、ボタン操作による手動で行うことができるが、一連の動作を自動で行うことも可能である。
【0031】
以上、本発明の実施の形態について述べたが、本発明は既述の実施の形態に限定されるものでなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変更及び変形が可能である。
【符号の説明】
【0032】
1 接続フィルムロール
2 先行フィルムロール
3 巻芯
4,4a フィルム
5 接続フィルム始端固定装置
6 解放機能付きニップロール
7 接続フィルム始端部把持・引出し装置
8 フィルム切断装置
9 接合テープ
10 フィルム接合装置
11 ガイドレール
12 案内ロール
13 搬送ベルト
14 真空遮断装置
15A,15B フィルム搬送口
30 真空室
30A 巻き出し室(第1の室)
30B 巻き取り室(第2の室)
30C 接合室(第3の室)
31 巻き出し部
32 巻き取り部
33 搬送装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムロールから先行して送給される先行フィルムの終端部に、次のフィルムロールから引き出される接続フィルムの始端部を接合して搬送するフィルムの搬送装置であって、
前記フィルムロールが配置され、真空と大気開放可能な第1及び第2の室と、これら第1及び第2の室に接続された真空状態の第3の室とを備え、前記第1及び第2の室に設置する前記フィルムロールに装着された接続フィルムの始端を所定位置に固定する接続フィルム始端固定装置と、前記第3の室内に設置する前記接続フィルムの始端部を把持して接合の所定位置に引出す接続フィルム始端部把持・引出し装置と、前記第3の室内に設置する押出し機構を用いて前記先行フィルムと前記接続フィルムとを接合するフィルム接合装置と、
を備えたことを特徴とするフィルムの搬送装置。
【請求項2】
前記第1及び第2の室のフィルム搬送口を開閉する前記第1及び第2の室と前記第3の室との間に設けた真空遮断装置を備えたことを特徴とする請求項1に記載のフィルムの搬送装置。
【請求項3】
前記接続フィルムの始端フィルム余材及び前記先行フィルムの終端フィルム余材を切除するフィルム切断装置を前記第3の室に設置したことを特徴とする請求項1または2に記載のフィルムの搬送装置。
【請求項4】
前記接続フィルム始端部把持・引出し装置は、前記第3の室に設置されたガイドレールに沿って摺動するように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフィルムの搬送装置。
【請求項5】
前記接続フィルムの始端部には、接合テープが貼付されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のフィルムの搬送装置。
【請求項6】
フィルムロールから先行して送給される先行フィルムの終端部に、次のフィルムロールから引き出される接続フィルムの始端部を接合して搬送するフィルムの搬送方法であって、
前記フィルムロール、接続フィルム始端固定装置が配置された真空状態の第1及び第2の室と、接続フィルム始端部把持・引出し装置及びフィルム接合装置が配置された真空状態の第3の室とを含み、
前記第1及び第2の室のフィルムロールを交換する際、前記フィルムロールを入れ替える前記第1及び第2の室の一方のみを大気開放して新たなフィルムロールを配置し、前記新たなフィルムロールの接続フィルムの始端を前記フィルム始端固定装置に固定し、その後に前記大気開放した室を真空にし、次いで、前記大気開放した室のフィルム搬送口を開け、始端が固定された接続フィルムを前記接続フィルム始端部把持・引出し装置によって前記第3の室まで引出し、前記フィルム接合装置によって前記接続フィルムの始端部と前記先行フィルムの終端部との接合を行うことを特徴とするフィルムの搬送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【公開番号】特開2011−121746(P2011−121746A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−281988(P2009−281988)
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】