説明

フィードバック制御ループを含む反応システムを有する使い捨て吸収体

【課題】排泄物(例えば、排泄物を隔離するために)または排泄物の成分(例えば、排泄物の酵素活動を抑制するために)、または圧力、動き、着用者の他の活動または状態(例えば、皮膚を滑らかにするため等)等の入力に反応して作用する、フィードバック制御ループを有する使い捨て製品を提供する。
【解決手段】反応システムを有している、おむつ、失禁用パンツ、おむつホルダーおよび/またはインサート、トレーニングパンツ、女性用衛生衣類、タンポン等の使い捨て製品。同製品は、入力を検出するセンサー60と、入力に応じて反応機能を実施するように適合されたアクチュエーター70と、センサー60が入力を検出した時に入力に応じて反応機能を実施するようにアクチュエーター70が適合されるフィードバック制御ループとを備えている。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の分野
本発明は使い捨て製品に関し、より詳細には、フィードバック制御ループを含む反応システムを有する使い捨て製品に関する。
【0002】
発明の背景
今日では、幼児やよちよち歩きの幼児の世話において、また失禁に悩む大人の世話において、体からの排泄物を包含、隔離および処分する手段として、おむつ、大人用失禁用パンツ、生理用ナプキンおよびタンポン等の使い捨て製品が幅広く使用されている。これらの製品は、便利さおよび信頼性のために、これらの適用にとって好ましい手段として、概して交換して再使用でき、洗濯できる布衣類である。
【0003】
幼児や大人用の使い捨て製品の分野において多くの進歩が為されてきたので、それらは従来の布衣類より好まれるようになってきてはいるが、多数の問題が今なお存在している。これらの使い捨て製品で経験する問題としては、排泄物(例えば、尿、便、月経)の漏れや、皮膚の発疹および炎症、着用者の皮膚の大きな部分が便で汚れること、便等の排泄物のクリーンアップが困難であること、排泄物のにおい、個人に対するカスタマイゼーションの欠如(例えば、フィット)等がある。
【0004】
これらの問題を重点的に取り上げようとする試みが為されてきた。尿を吸収して保持するための吸収体の能力を増大させるために、例えば、超吸収性ポリマーが使用されている。合い具合を改善し、漏れを減少させるために、バリヤーレッグカフが使用されている。1975年1月14日にKenneth B. Buellに対して発行された「使い捨ておむつ用の収縮できる側部(Contractible Side Portions for Disposable Diaper)」と題する米国特許第3,860,003号が、例えば、弾性化レッグカフ付き使い捨ておむつを記載しており、これは幅広く受け入れられ、商業的に成功している。使い捨て製品は便を封じ込めて封じ込めて製品から便が漏れるのを防止するために、ポケットやバリヤーも使用している。例えば、1987年9月22日にMichael I. Lawsonに対して発行された「二重カフを有する吸収体(Absorbent Article Having Dual Cuffs)」と題する米国特許第4,695,278号;1989年1月3日にJerry L. Dragooに対して発行された「漏れ防止デュアルカフを有する吸収体(Absorbent Article Having Leakage-Resistant Dual Cuffs)」と題する米国特許第4,795,454号;および1996年7月30日にDreierに対して発行された「頂点を備えたポケットカフを有する吸収体(Absorbent Article Having A Pocket Cuff With An Apex)」と題する米国特許第5,540,671号を参照。便のボイドスペースまたはトップシートの変位を提供してフィットを改善するために、使用の時点で、あるいは水または尿等の活性化液体に反応して活性化される、選択的に拡大できる、または膨張できる成分を有する使い捨て製品も開示されている。例えば、1994年7月19日にGary D. LaVonに対して発行された「膨張可能なスペーサーを有する使い捨て吸収体(Disposable Absorbent Article Having an Inflatable Spacer)」と題する米国特許第5,330,459号、および1996年5月28日にGary D. LaVonに対して発行された「密封された拡張可能な成分を有する使い捨て吸収体(Disposable Absorbent Article Having a Sealed Expandable Component)」と題する米国特許第5,520,674号は、使用の時点で、あるいは水または尿等の活性化液体に反応して活性化される、拡大可能な成分を有する使い捨て吸収体を開示している。しかしながら、これらの拡大可能な成分は、その成分を活性化するかまたは連続して操作するために介護人による動作を必要とし、またその拡大が液体活性剤の量に比例するので、完全に拡大するためにあまりに多くの液体活性剤を必要とする等の問題を有している。更に、水または尿等の液体活性剤に反応する自己収縮脚部ギャザーも開示されている。例えば、1981年1月27日にFriedrich-Wilhelm Schroderに対して発行された「湿気に反応するシール手段を備えるおむつ(Diaper Including Moisture-Responsive Seal Means)」と題する米国特許第4,246,900号がある。やはり、自己収縮ギャザーも、成分を活性化するために、あるいは連続して操作するために介護人による動作を必要とし、また収縮が液体活性剤の量に比例するので、完全に収縮するためにあまりに多くの液液体活性剤を必要とする等の問題を有している。
【0005】
発明の概要
本発明は、排泄物(例えば、排泄物を隔離するために)または排泄物の成分(例えば、排泄物の酵素活動を抑制するために)、または圧力、動き、着用者の他の活動または状態(例えば、皮膚を滑らかにするため等)等の入力に反応して作用する、フィードバック制御ループを有する使い捨て製品に向けられている。フィードバック制御ループは別個のセンサーとアクチュエーター成分を含んでおり、入力に応じて実施される反応機能の少なくとも1つのトリガーとして、出力状態の要素またはパラメーターの検出または測定を使用する。本発明の反応システムは、フィードバック制御ループを含んでいる連続的なあるいは不連続的な反応システムのいずれであってもよい。連続反応システムにおいては、出力は入力の量に定量的に依存しており、つまり、連続的に増大する量の出力をもたらすために、連続的に増大する量の入力が必要であるか、あるいは反応システムの出力は蓄積材料の受動的解放を備えている。一方、不連続反応システムにおいては、出力関数は基本的にしきい値レベルを超える入力量から独立している。システムに対する入力の作用により、フィードバック制御ループは、入力が検出された時、システムによって検出される入力に関係しない盲目的な反応を提供する代わりに、所望の出力を可能にする。
【0006】
発明の詳細な説明
本明細書において使用する用語「吸収体」は体からの排泄物を吸収し封じ込めする装置、特に、体から排出される様々な排泄物を吸収し、封じ込めするために、着用者の体に向けて、あるいは近接して置かれる装置を意味する。ここで使用する用語「使い捨て」は、吸収体として洗濯する、あるいはそうではなくて吸収体として復元または再使用することが意図されていない吸収体(つまり、それらは1回の使用後に捨てる、そして好ましくは再生利用する、腐らせて堆肥にする、あるいはそうでない場合は環境と両立できる方法で処分することが意図されている)を説明するためである。(ここで使用するように、用語「配置された」はおむつの一成分(複数の成分)が、特定の場所または位置において、おむつの他の成分を備えた単一構造として、またはおむつの別の成分に接合された別個の成分として形成される(接合され、位置付けられる)ことを意味するために使用される)。ここで使用するように、用語「接合される」は、1つの成分を他の成分に直接添付することによって、成分を直接別の成分に固定する構成、および1つの成分を中間部材に添付し、それを次に他の成分に添付することによって、成分を間接的に他の成分に固定する構成を含んでいる。ここで使用する用語「単一の」吸収体とは、別々のホルダーとかライナー等の別々の手で操作されるの部品を必要としないように、共に結合されて統合体を形成する別々の部品で形成される吸収体を言う。本発明の吸収体の好ましい実施形態は、図1に示された単一の使い捨て吸収体20である。ここで使用する用語「おむつ」は、一般に幼児または失禁に悩む人が下部胴部あたりに着用する吸収体を言う。本発明はまた失禁用パンツ、失禁用下着、吸収性インサート、おむつホルダーおよびライナー、自然肛門または人工肛門用の人工肛門形成タイプのバッグ、女性用衛生衣類、タンポン、ワイプ、モップ、包帯等の他の吸収体にも適用できる。
【0007】
図1は、この図ではおむつとして、製品20の構成を明確に示すために、構造の一部が破断され、平らに広げられた状態で示されている、本発明の吸収体20の平面図である。着用者に面する製品20の部分が見る人の方に向けられている。図1に示すように、製品20は好ましくは液体透過性のトップシート24と、液体不透過性のバックシート26と、トップシート24とバックシート26の少なくとも一部の間に好ましくは位置付けられる吸収性コア28と、サイドパネル30と、弾性化レッグカフ32と、弾性ウエスト特徴部34と、概して40で示される留め具システムとを備えている。図1において、製品20は第1ウエスト部36と、第1ウエスト部に対向する第2ウエスト部38と、第1ウエスト部と第2ウエスト部との間に置かれる股部37とを有しているのが示されている。製品20の周縁部は製品20の外縁によって限定され、それは製品20の長手方向中心線100に概ね平行に伸び、端縁52が長手方向縁50の間に、製品20の横断方向中心線110に概ね平行に伸びる。
【0008】
製品20のシャシー22は製品20の本体を備えている。シャシー22は吸収性コア28の少なくとも一部、および好ましくはトップシート24とバックシート26を含む外部カバー層とを備えている。吸収体が別のホルダーとライナーとを備えている場合、シャシー22が概してホルダーとライナーとを備えている。(例えば、ホルダーが製品の外部カバーを形成するために1つ以上の材料層を備えていてよく、ライナーがトップシートと、バックシートと吸収性コアとを含む吸収性アッセンブリを備えていてよい。このような場合、ホルダーおよび/またはライナーが使用中ずっとライナーを適所に保持するために使用される留め具要素を含んでいてよい)。単一の吸収体に対しては、シャシー22は複合おむつ構造を形成するために付加される他の特徴部を備えたおむつの主構造を備えている。トップシート24と、バックシート26と、吸収性コア26が公知の種々の形状に組み立てられてよい一方、好ましいおむつの形状は、1975年1月14日にKenneth B. Buellに対して発行された「使い捨ておむつ用の収縮できる側部(Contractible Side Portions for Disposable Diaper)」と題する米国特許第3,860,003号;1992年9月9日にKenneth B. Buellに対して発行された米国特許第5,151,092号;および1993年6月22日にBuellに対して発行された米国特許第5,221,274号;および1996年9月10日にRoeらに対して発行された「多数のゾーンの構造的弾性様フィルムウェブの伸ばせるウエスト特徴部を備えた吸収体(Absorbent Article With Multiple Zone Structural Elastic-Like Film Web Extensible Waist Feature)」と題する米国特許第5,554,145号;1996年10月29日にBuellらに対して発行された「使い捨て引き上げ装着パンツ(Disposable Pull-On Pant)」と題する米国特許第5,569,234号;1996年12月3日にNeaseらに対して発行された「吸収体用のサイドパネルを製造するための廃品ゼロ方法(Zero Scrap Method For Manufacturing Side Panels For Absorbent Articles)」と題する米国特許第5,580,411号;および1997年8月20日にRoblesらの名前で出願された「多方向性の伸ばせるサイドパネルを備えた吸収体(Absorbent Article With Multi-Directional Extensible Side Panels)」と題する米国特許出願08/915,471号に記載されており、これらの各々は参照してここに組み込まれる。
【0009】
バックシート26は概して、そこに吸収され封じ込められた排泄物が、ベッドシーツや下着等の、製品20と接触するかもしれない製品を汚すのを防止する、吸収性コア28の衣類に面する表面45に隣接して位置付けられる製品20の部分である。好ましい実施形態では、バックシート26は液体(例えば尿)に対して不透過性であり、約0.012mm(0.5ミル)から約0.051mm(2.0ミル)の厚さを有する熱可塑性フィルム等の、薄いプラスチックフィルムを備えている。適切なバックシートフィルムは、インディアナ州テレホーテ(Terre Haute, IN)のトレデガー社(Tredegar Industries, Inc.)により製造されており、X15306、X10962およびX10964等の商標名で販売されているものである。他の適切なバックシート材料は、排泄物がバックシート26を通過するのを防止する一方で、製品20から蒸気が逃れることができる通気性のある材料を含んでいてよい。例示的な通気性のある材料は、織布ウェブ、不織布ウェブ等の材料や、フィルム被覆不織布ウェブ等の複合材料や、エスポアールNOの製品名で日本の三井東圧社により製造されているものおよびエクセール(EXXAIRE)の製品名でテキサス州ベイシティのエクソンケミカル(EXXON Chemical Co., Bay City, TX)により製造されているもの等の多孔性フィルムを含むことができる。ポリマーブレンドを備える適切な通気性のある複合材料はオハイオ州シンシナティ(Cincinnati Ohio)のクロペイ社(Clopay Corporation)から、HYTRELブレンドP18−3097の製品名で入手できる。このような通気性のある複合材料は、E. I. DuPontの名前で1995年6月22日に公告されたPCT出願WO95/16746、およびCurroの名前で1996年11月6日に出願された同時係属中の米国特許出願08/744,487号に詳細に記載されている。不織布ウェブと開口成形フィルムを含むその他の通気性のあるバックシートは、1996年11月5日にDobrinらに対して発行された米国特許第5,571,096号に記載されている。これら参照文献の各々は参照してここに組み込まれる。しかしながら、製品20用のインサート等の一部の実施形態では、バックシートは液体透過性であってもよく、例えば、下記のトップシート24に関して説明するものと同じ材料を含んでいてもよい。
【0010】
バックシートまたはその一部は1つ以上の方向に弾力的に伸ばせるものであってよい。1つの実施形態では、バックシート26は、構造的弾性様フィルム(「SELF」)ウェブを備えていてもよい。構造的弾性様フィルムウェブは付加的な弾性材料を使用することなく、伸び方向に弾性様作用を呈する、伸ばせる材料である。SELFウェブは少なくとも2つの隣接する、別個の異なる領域を有する、引っ張ることができる網目構造体を含んでいる。好ましくは、その領域のうち一部が、他の領域のかなりの部分が印加された伸びに対してかなりの抵抗力を発展させる前に、所定の軸に平行な方向に印加される軸方向の伸びに反応して、抵抗力を発揮するように構成される。少なくとも1つの領域は、材料に張力をかけていない状態で、所定の軸に対して実質的に平行に測定して、他の領域の表面経路長より大きな表面経路長を有している。長い方の表面経路長を呈する領域は他の領域の平面を越えて伸びる1つ以上の変形を含んでいる。SELFウェブは所定の軸に対して平行な方向に印加される伸びを受ける時、少なくとも1つの所定の軸に沿った伸びに対して、かなり異なる段階の制御された抵抗力を示す。SELFウェブは、ウェブの伸びが、長い方の表面通路長を有する領域のかなりの部分を印加される伸長面に入らせるのに充分であるようになるまで、印加される伸びに対して第1の抵抗力を示し、充分になると同時に、SELFウェブは更なる伸びに対して第2の抵抗力を示す。伸びに対する全体的な抵抗力は、第1の領域により提供される伸びに対する第1の抵抗力より高い。本発明に適したSELFウェブについては、1996年5月21日にChappellらに対して発行された「弾性様作用を呈するウェブ材料(Web Materials Exhibiting Elastic-Like Behavior)」と題する米国特許第5,518,801号においてより完全に説明されており、この特許は参照してここに組み込まれる。代替実施形態では、バックシート26はエラストマーフィルム、フォーム、ストランド、あるいはこれらまたは他の適切な材料と不織布または合成フィルムとの混合物を備えていてよい。
【0011】
バックシート26は当業界で公知の付着手段によって、トップシート24、吸収性コア28、製品20の他の要素に接合されてよい。例えば、付着手段は接着剤の均一連続層、またはパターン化接着剤層、または接着剤の別々の線、らせん、スポットの配列を含むことができる。1つの好ましい付着手段は1986年3月4日にMinetolaらに対して発行された「使い捨てウエスト封じ込め衣類(Disposable Waist-Containment Garment)」と題する米国特許第4,573,986号に開示されているような、接着剤フィラメントのオープンパターンネットワークを備えている。他の適切な付着手段は、1975年10月7日にSprague, Jr.に対して発行された米国特許第3,911,173号;1978年11月22日にZiekerらに対して発行された米国特許第4,785,996号;および1989年6月27日にWereniczに対して発行された米国特許第4,842,666号に示された装置および方法によって説明されるような、渦巻き状にらせんパターンにされた幾つかの接着剤フィラメント線を備えている。これら各々の特許は参照してここに組み込まれる。満足できると解っている接着剤はミネソタ州、セントポール(St. Paul, Minnesota)のH.B.フラー社(H. B. Fuller Company)によって製造され、HL−1620およびHL−1358−XZPとして販売されているものである。あるいは、付着手段は熱接着か圧力接着、超音波接着、動的機械的接着、その他の適切な接着手段、当業界で公知のこれらの付着手段の組み合わせで構成されてよい。
【0012】
トップシート24は好ましくは吸収性コア28の体表面47に隣接して位置付けられてそこに接合されてもよいし、または当業界で公知の付着手段によってバックシート26に接合されてもよい。適切な付着手段はバックシート26を製品20の他の要素に接合するための手段に関連して上述したものである。本発明の1つの好ましい実施形態では、トップシート24とバックシート26はある場所において互いに対して直接接合され、製品20の他の要素にそれらを直接接合することによって、他の場所において間接的に共に接合される。
【0013】
トップシート24は従順で、柔らかな感触のものであり、着用者の皮膚に対して刺激的ではないものである。更に、トップシート24の少なくとも一部はその厚みを通して容易に透過するように液体を通す液体透過性である。適切なトップシート24は、多孔性フォーム、網状フォーム、開口プラスチックフィルム、天然繊維(例えば、木材繊維または綿繊維)の織布または不織布ウェブ、合成繊維(例えばポリエステルまたはポリプロピレン繊維)、または天然繊維と合成繊維の組み合わせ等、広範囲の材料から製造されてよい。トップシートが繊維を含む場合、繊維はスパンボンド、カード、ウェットレイ、メルトブロウン、ハイドロエンタングル、またはそうでなければ業界で公知のように処理されたものであってよい。ステープル長のポリプロピレン繊維のウェブを備える1つの適切なトップシート24は、P−8の名称で、マサチューセッツ州ウォルポール(Walpole、 Mass.)のインターナショナルペーパー社(International Paper Company)の一事業部である、ヴェラテック社(Veratec., Inc.)によって製造されている。
【0014】
適切な成形フィルムのトップシートは、1975年12月30日にThompsonに対して発行された「先細り毛管を有する吸収構造(Absorptive Structures Having Tapered Capillaries)」と題する米国特許第3,929,135号;1982年4月13日にMullaneらに対して発行された「汚れ防止トップシートを有する使い捨て吸収体(Disposable Absorbent Article Having Stain Resistant Topsheet)」と題する米国特許第4,324,246号;1982年8月3日にRadelらに対して発行された「繊維状の特性を呈する弾力的なプラスチックウェブ(Resilient Plastic Web Exhibiting Fiber-Like Properties)」と題する米国特許第4,342,314号;1984年7月31日にAhrらに対して発行された「光沢のない可視表面と布状の触感を呈する巨視的に拡大された三次元プラスチックウェブ(Macroscopically Expanded Three-Dimensional Plastic Web Exhibiting Non-Glossy Visible Surface and Cloth-Like Tactile Impression)」と題する米国特許第4,463,045号;および1991年4月9日にBairdに対して発行された「多層ポリマーフィルム(Multilayer Polymeric Film)」と題する米国特許第5,006,394号に記載されている。他の適切なトップシート30は、参照してここに組み込まれる、各々1986年9月2日と1986年12月16日にCurroらに対して発行された、米国特許第4,609,518号および米国特許第4,629,643号に従って製造される。このような成形フィルムは、「ドリウイーブ」(DRI-WEAVE)としてオハイオ州シンシナティ(Cincinati, Ohio)のザ・プロクター・アンド・ギャンプル社(The Procter & Gamble Company)から、また「クリフ−T(CLIFF-T)」としてインディアナ州テレホーテのトレデガー社から入手できる。
【0015】
吸収性コア28に封じ込められた液体から着用者の皮膚を隔離するために、好ましくは、トップシート24は疎水性材料から作られるか、または疎水性になるように処理される。トップシート24が疎水性材料から作られる場合、液体が容易にトップシートを通って輸送されるように、好ましくは少なくともトップシート24の上面が親水性になるように処理される。これは排泄物がトップシート24を通って引き寄せられ、吸収性コア28によって吸収されるのではなく、トップシート24から流れ出る可能性を減少させる。界面活性剤でトップシートを処理することにより、あるいは界面活性剤をトップシートに組み込むことにより、トップシート24を親水性にすることができる。トップシート24を界面活性剤で処理する適切な方法は、トップシート24の材料に界面活性剤をスプレーすること、およびその材料を界面活性剤に漬け込むことを含んでいる。このような処理および親水性についてのより詳細な論議は、1991年1月29日にReisingらに対して発行された「多層吸収層を備えた吸収体(Absorbent Articles with Multiple Layer Absorbent Layers)」と題する米国特許第4,988,344号、および1991年1月29日にReisingに対して発行された「高速捕捉吸収性コアを備えた吸収体(Absorbent Articles with Rapid Acquiring Absorbent Cores)」と題する米国特許第4,988,345号に含まれている。トップシートに界面活性剤を組み込む適切な方法についての詳細な論議は、Azizらの名前で1997年7月1日に発行された、法定発明登録第H1670号に見出される。これら参照の各々は参照してここに組み込まれる。あるいは、トップシート24は開口ウェブ、または疎水性であるフィルムを含んでいてもよい。これは製造工程から親水性にする処理ステップを除去すること、および/またはSCOTCHGUARDのようなポリテトラフルオロエチレン化合物、あるいは後述する、疎水性ローション組成物等の疎水性処理をトップシート24に施すことによって達成し得る。このような実施形態では、かなりの抵抗なしに尿のような水性流体の透過を可能にする程度に孔が充分大きいことが好ましい。
【0016】
業界で公知のように、トップシート24のどの部分がローションで被覆されてもよい。適切なローションの例は、1997年3月4日にRoeに対して発行された「皮膚軟化剤とポリオールポリエステル固定化剤とを含む、ローション付きトップシートを有する使い捨て吸収体(Disposable Absorbent Article Having A Lotioned Topsheet Containing An Emollient and a Polyol Polyester Immobilizing Agent)」と題する米国特許第5,670,760号、1997年3月11日にRoeに対して発行された「液体ポリオールポリエステル皮膚軟化剤と固定化剤とを含む、ローショントップシートを有するおむつ(Diaper Having A Lotion Topsheet Comprising A Liquid Polyol Polyester Emollient And An Immobilizing Agent)」と題する米国特許第5,609,587号、1997年6月3日にRoeらに対して発行された「ポリシロキサン皮膚軟化剤を含む、ローション付きトップシートを有するおむつ(Diaper Having A Lotioned Topsheet Containing A Polysiloxane Emollient)」と題する米国特許第5,635,191号、および1997年7月1日にRoeらに対して発行された「ローション付きトップシートを有するおむつ(Diaper Having A Lotioned Topsheet)」と題する米国特許第5,643,588号に記載されている。ローションは単独で、または上述の疎水化処理として別の薬品と組み合わせて機能し得る。トップシートは抗菌剤を含んでいてもよいし、あるいは抗菌剤で処理されてもよく、その例として、Theresa Johnsonの名前で1995年9月14日に発行された「におい制御のためにトップシートに抗菌剤を含有する吸収体(Absorbent Articles Containing Antibacterial Agents in the Topsheet For Odor Control)」と題するPCT出願WO95/24173号がある。更に、より布に近い外観を
提供するために、トップシート24、バックシート26、あるいはトップシートまたはバックシートの一部にエンボス加工および/またはマット仕上げされていてもよい。
【0017】
吸収性コア28は概して圧縮でき、従順で、着用者の皮膚に対して刺激的ではないものであり、尿とかその他の排泄物等の液体を吸収して保持し得る吸収性材料を備えていてよい。吸収性コア28は種々のサイズと形状(例えば、矩形、砂時計形、T字型、非対称等)に製造されてよく、概してエアフェルトと称される粉砕木材パルプ等の、使い捨ておむつやその他の吸収体において一般に使用される種々の液体吸収性材料を備えていてよい。他の適切な吸収性材料の例としては、クレープセルロースワッディング、コフォームを含むメルトブロウンポリマー、化学的剛性または変性または架橋セルロース繊維、ティッシューラップおよびティッシューラミネートを含むティッシュー、吸収性フォーム、吸収性スポンジ、超吸収性ポリマー、吸収性ゲル化材料、他の公知の吸収性材料またはこれらの材料の組み合わせが挙げられる。
【0018】
吸収性コア28の形状および構成も変化してよい(例えば、吸収性コアまたは他の吸収構造は変化するキャリパー域、親水性勾配、高吸収性勾配、または低い平均密度および低い平均斤量捕捉域を持っていてよいし、あるいは1つ以上の層または構造を備えていてよい)。しかしながら、吸収性コア28の全吸収容量は製品20の設計荷重および使用目的と矛盾があってはならない。
【0019】
吸収性コアとして使用される例示的な吸収構造は、1986年9月9日にWeismanらに対して発行された「高密度吸収構造(High-Density Absorbent Structures)」と題する米国特許第4,610,678号;1987年6月16日にWeismanらに対して発行された「二重層になったコアを備えた吸収体(Absorbent Articles With Dual-Layered Cores)」と題する米国特許第4,673,402号;1989年5月30日にAlemanyらに対して発行された「低い密度と低い斤量捕捉域を有する高密度吸収部材(High Density Absorbent Members Having Lower Density and Lower Basis Weight Acquisition Zones)」と題する米国特許第4,834,735号;1989年12月19日にAngstadtに対して発行された「ダスチング層を有する吸収性コア(Absorbent Core Having A Dusting Layer)」と題する米国特許第4,888,231号;1992年8月11日にHerronらに対して発行された「個性化された、ポリカルボン酸架橋木材パルプセルロース繊維を含有する吸収構造(Absorbent Structure Containing Indivicualized, Polycarboxylic Acid Crosslinked Wood Pulp Cellulose Fibers)」と題する米国特許第5,137,537号;1992年9月15日にYoungらに対して発行された「失禁管理用に非常に効率的な吸収体(High Efficiency Absorbent Articles For Incontinence Management)」と題する米国特許第5,147,345号;1994年8月30日にRoeに対して発行された「低粘度の便用の使い捨て吸収体(Absorbent Article For Low-Viscosity Fecal Material)」と題する米国特許第5,342,338号;1993年11月9日にDesMaraisらに対して発行された「水性体液用の吸収性フォーム材料およびこのような材料を含む吸収体(Absorbent Foam Materials For Aqueous Body Fluids and Absorbent Articles Containing Such Materials)」と題する米国特許第5,260,345号;1995年2月7日にDyerらに対して発行された「水性体液用の湿るまで薄い吸収性フォーム材料およびこのような製品の製造方法(Thin-Until-Wet Absorbent Foam Materials For Aqueous Body Fluids And Process For Making Same)」と題する米国特許第5,387,207号;および1997年7月22日にDesMaraisらに対して発行された「非常に高い水/油比を有する内部層乳剤から作成される水性体液用の吸収性フォーム材料(Absorbent Foam Materials For Aqueous Fluids Made From high Internal Phase Emulsions Having Very High Water-To-Oil Ratios)」と題する米国特許第5,625,222号に記載されている。これらの特許の各々は参照してここに組み込まれる。
【0020】
製品20は改良されたフィットと封じ込めを提供する助けをする少なくとも1つのウエスト特徴部34を備えていてもよい。弾性ウエスト特徴部34は概して着用者のウエストに動的にフィットするために弾力的に拡大、収縮するためのものである。弾性ウエスト特徴部34は、好ましくは吸収性コア28の少なくとも1つのウエスト縁62から少なくとも長手方向外向きに伸び、概して製品20の端縁52の少なくとも一部を形成する。使い捨ておむつはしばしば2つのウエスト特徴部を有するように構成され、1つが第1ウエスト部36に位置付けられ、1つが第2ウエスト部38に位置付けられる。更に、弾性ウエスト特徴部34またはその構成要素のどれかが製品20に貼付される1つ以上の別個の要素を備えていてよく、弾性ウエスト特徴部34がバックシート26またはトップシート24、またはバックシート26およびトップシート24の両方等、製品20の他の成分の延長部として構成されてもよい。
【0021】
弾性ウエスト特徴部34は1985年5月7日にKievitらに対して発行された米国特許第4,515,595号;1987年12月1日にLashに対して発行された米国特許第4,710,189号;1992年9月9日にBuellに対して発行された米国特許第5,151,092号;および1993年6月22日にBuellに対して発行された米国特許第5,221,274号に記載されているものを含む、多数の異なる形状に構成されてよい。その他の適切なウエスト形状は、1991年6月25日にRobertsonに対して発行された米国特許第5,026,364号、および1989年3月28日にForemanに対して発行された米国特許第4,816,025号に記載されているもの等のウエストキャップ特徴部を含むことができる。上述の参照の全てが参照してここに組み込まれる。
【0022】
更に製品20は留め具システム40を含んでいる。留め具システム40は好ましくは第1ウエスト部36と第2ウエスト部38を重なり合った形状に維持し、着用者に対して製品20を保持するために製品20の周囲に横方向の張力を提供する。留め具システム40は好ましくはテープタブおよび/またはフックとループの留め具成分を備えているが、他の公知の留め具手段も概ね使用できる。幾つかの例示的な留め具システムは、1974年11月19日にBuellに対して発行された「使い捨ておむつ用のテープ留め具システム(Tape Fastening System for Disposable Diaper)」と題する米国特許第3,848,594号;1987年5月5日にHirotsuらに対して発行された「吸収体(Absorbent Article)」と題する米国特許第B1 4,662,875号;1989年7月11日にScripps対して発行された「改良された留め具装置を有する使い捨ておむつ(Disposable Diaper Having An Improved Fastener Device)」と題する米国特許第4,846,815号;1990年1月16日にNestegardに対して発行された「改良されたフック留め具部分を備えた使い捨ておむつ(Disposable Diaper With Improved Hook Fastener Portion)」と題する米国特許第4,894,060号;1990年8月7日にBattrellに対して発行された「感圧接着剤留め具およびその作成方法(Pressure-Sensitive Adhesive Fastener And Method of Making Same)」と題する米国特許第4,946,527号;および上記において参照した1992年9月9日にBuellに対して発行された米国特許第5,151,092号および1993年6月22日にBuellに対して発行された米国特許第5,221,274号に開示されている。留め具システムは、1990年10月16日にRobertsonらに対して発行された米国特許第4,963,140号に開示されているような、処分形状に製品を保持するための手段も提供し得る。これら特許の各々は参照してここに組み込まれる。代替実施形態では、衣類の対向する側部を継ぎ合わせるか、または溶接して、パンツを形成してもよい。これは製品をトレーニングパンツ等の引き上げ装着タイプのおむつとして使用できるようにする。
【0023】
製品20はサイドパネル30も備えていてよい。弾性化サイドパネル30は製品20の側部を拡大、収縮させることができるので、始めに製品20を着用者に心地よく合わせ、製品20に排泄物が負荷された後もこのフィットを着用中ずっと持続することにより、快適な輪郭加工フィットを提供するために、サイドパネル30は弾力的であっても、伸ばせるものであってもよい。おむつの着用者が使用中に一方の弾性化サイドパネル30を他方のサイドパネルより上に引き上げても、製品20は使用中に「自己調節」するので、サイドパネル30は製品20の効果的な使用を提供することもできる。
【0024】
本発明の製品20は好ましくは第2ウエスト部38に配置されるサイドパネル30を有しているが、第1ウエスト部36、または第1ウエスト部36と第2ウエスト部38に配置されるサイドパネル30が製品20に設けられても良い。サイドパネル30はどのような適切な形状に構成されてもよい。弾性化サイドパネルを備えたおむつの例は、1989年8月15日にWoodらに対して発行された「シャーリングの付いた耳を有する使い捨ておむつ(Disposable Diaper Having Shirred Ears)」と題する米国特許第4,857,067号;1983年5月3日にSciaraffaらに対して発行された米国特許第4,381,781号;1990年7月3日にVan Gompelらに対して発行された米国特許第4,938,753号;上記において参照した1992年9月9日にBuellに対して発行された米国特許第5,151,092号および1993年6月22日にBuellに対して発行された米国特許第5,221,274号;1997年9月23日にLaVonらに対して発行された「持続する動的フィットを提供する吸収体(Absorbent Articles Providing Sustained Dynamic Fit)」と題する米国特許第5,669,897号;および1997年8月20日にRoblesらの名前で出願された「多方向性の伸ばせるサイドパネルを備えた吸収体(Absorbent Article With Multi-Directional Extensible Side Panels)」と題する米国特許出願08/915,471号に開示されており、これらの各々は参照してここに組み込まれる。
【0025】
好ましくは、製品20は更に液体や他の排泄物の改良された封じ込めを提供するレッグカフ32を含んでいる。レッグカフはレッグバンド、サイドフラップ、バリヤーカフまたは弾性カフとも称することができる。米国特許第3,860,003号は、弾性化レッグカフ(ガスケッティングカフ)を提供するために、サイドフラップと1つ以上の弾性部材を有する収縮可能な脚開口部を提供する使い捨ておむつを記載している。1989年2月28日および1990年3月20日に各々Azizらに対して発行された米国特許第4,808,178号および米国特許第4,909,803号は、脚部の封じ込めを改良する「直立した」弾性化フラップ(バリヤーカフ)を有する使い捨ておむつを記載している。1987年9月22日にLawsonに対して発行された米国特許第4,695,278号、および1989年1月3日にDragooに対して発行された米国特許第4,795,454号は各々ガスケッティングカフとバリヤーカフを含む二重カフを有する使い捨ておむつを記載している。一部の実施形態では、上述のように、レッグカフの全てまたは一部をローションで処理することが望ましいかもしれない。
【0026】
本発明の実施形態は排泄物を受け取って封じ込めるためのポケットと、排泄物用の空間を提供するスペーサーと、製品内での排泄物の動きを制限するためのバリヤーと、おむつに置かれた排泄物を受け入れて封じ込める区画または空間等、あるいはこれらの組合せを含むことができる。吸収製品において使用されるポケットおよびスペーサーの例は、1996年5月7日にRoeらに対して発行された「駆逐性のスペーサーを有するおむつ(Diaper Having Expulsive Spacer)」と題する米国特許第5,514,121号;1992年12月15日にDreierらに対して発行された「コアスペーサーを有する使い捨て吸収体(Disposable Absorbent Article Having Core Spacers)」と題する米国特許第5,171,236号;1995年3月14日にDreierに対して発行された「ポケットカフを有する吸収体(Absorbent Article Having A Pocket Cuff)」と題する米国特許第5,397,318号;1996年7月30日にDreierに対して発行された「頂点を備えたポケットカフを有する吸収体(Absorbent Article Having A Pocket Cuff With An Apex)」と題する米国特許第5,540,671号;および1993年12月3日に公開され、「衛生的な吸収体において使用されるスペーサーおよびこのようなスペーサーを有する使い捨て吸収体(Spacers For Use In Hygienic Absorbent Article And Disposable Absorbent Articles Having Such Spacer)」と題するPCT出願WO93/25172号;および1994年4月26日にFreelandに対して発行された「使い捨て吸収体において使用される柔軟なスペーサー(Flexible Spacers For Use In Disposable Absorbent Articles)」と題する米国特許第5,306,266号に記載されている。区画または空間の例は、1990年11月6日にKhanに対して発行された「使い捨て便仕切りおむつ(Disposable Fecal Compartmenting
Diaper)」と題する米国特許第4,968,312号;1991年2月5日にFreelandに対して発行された「排泄物隔離用の弾性ライナーを備えた吸収体(Absorbent Article With Elastic Liner ForWaste Material Isolation)」と題する米国特許第4,990,147号;1991年11月5日にHoltらに対して発行された「使い捨ておむつ(Disposable Diapers)」と題する米国特許第5,62,840号;および1993年12月14日にFreelandに対して発行された「使い捨て吸収体用の三等分されたトップシートおよびこのような三等分されたトップシートを有する使い捨て吸収体(Trisection Topsheets For Disposable Absorbent Articles And Disposable Absorbent Articles Having Such Trisection Topsheets)」と題する米国特許第5,269,755号に開示されている。適切な横断バリヤーの例は、Dreierらの名前で1996年9月10日に発行された「多数の効果的な高さの横断方向区画を有する吸収体(Absorbent Article Having Multiple Effective Height Transverse Partition)」と題する米国特許第5,554,142号;Freelandらの名前で1994年7月7日に公開され、「直立する横断方向区画を有する吸収体(Absorbent Article Having An Upstanding Transverse Partition)」と題するPCT特許WO94/14395号;および1997年8月5日にRoeらに対して発行された「角度のある直立する横断方向区画を有する吸収体(Absorbent Article Having Angular Upstanding Transverse Partition)」と題する米国特許第5,653,703号に記載されている。上記において引用した全ての参照は参照してここに組み込まれる。
【0027】
好ましくは、製品20は少なくとも1つのセンサー60を含んでいる。本出願において使用するように、用語「センサー」は事象または事象に関連するパラメーターを検出するために使用される装置を意味する。事象に関連するパラメーターとは、システムの基準フレーム内での事象の発生に相関する測定可能な信号(つまり、排泄物または着用者、その成分により生じる信号)である。センサーは1つ以上の特殊な入力に反応するものなら何を含んでいてもよい。本発明のセンサーによって検出し得る入力の例としては、姿勢、圧力、動き、湿気、酵素、バクテリア、pH、伝導率、抵抗、キャパシタンス、インダクタンス、または他の化学的、生化学的、生物学的、機械的または電気的な特性、および/または、排泄物の成分があるが、それらに制限されない。好ましくは、排泄物または着用者、その成分により生じる入力を検出するセンサーの代わりに、環境状態がセンサーを始動させる可能性を最小にすることによって、偽の反応の数を最小にするために、センサーは非熱性または非相対湿度入力等の「非環境的」入力を検出する。例えば、電気的または生物学的センサーは、排泄物の成分を感知することにより、排便、排尿または月経排出等の排泄物事象の脱離反応を検出し得る。センサーは1つ以上の事象、または事象に関連する1つ以上のパラメーターを検出し、アクチュエーターまたはコントローラーに入力を提供し得る。更に、本発明のセンサーは可逆性または不可逆性であってよい。ディゾルビングフィルムまたはカプセルが不可逆性センサーの例である一方、着用者の筋肉内の電気活動を検出する電気センサーは、多数の連続的入力信号を受信し得る(つまり、可逆性である)。
【0028】
上述のように、本発明のセンサー60は、特殊な入力に反応するものを含んでいてよい。例えば、本発明のセンサー60は、化学的、機械的、電気的等であってよい。化学的センサーは排泄物に典型的に存在する酵素やpH、水等の化学的および/または生化学的入力、バクテリア、血液または便、尿、月経等の排泄物の1つ以上の成分等の生物学的入力に反応し得る。化学的センサーは、検出手段として化学的反応を使用してもよいし、あるいは問題の入力材料内の可溶性の材料の溶解を伴ってもよい。化学的または生物学的センサーの例は、特殊な化学的、生化学的または生物学的入力に反応して、または特殊なクラスの化学的、生化学的、生物学的入力に反応して、溶解または破裂する可溶性または破裂できるフィルム、カプセル、セル、シール等を含んでいる。機械的センサーは、動き、姿勢、圧力等に反応し得る。機械的センサーの例は、赤ん坊がセンサーの上に座ると、その重量がベローの上にかかってセンサーの一部を膨張させるベロータイプである。機械的センサーは、予め限定される印加圧力の下で壊れるか、または分離されるセンサーまたはセンサーの一部をも含んでいてもよい。湿気、尿、便、月経、圧力、抵抗、キャパシタンス、インダクタンス等に反応するために、電気的センサーが使用されてもよい。例えば、電気的センサーは、尿または便等の伝導性入力が電気回路を完成させるセンサー、圧力または張力等の入力が電気接点を閉じて回路を完成させるセンサー、着用者または着用者の一部分によって(例えば動きまたは筋張力から)誘発される圧力を介して信号を発生させる圧電式センサー、センサーが反応する入力の存在下に抵抗またはキャパシタンス、インダクタンスが変化するセンサー、または皮膚接触センサーを通して着用者の体から(例えば、皮下筋肉から)の電気信号を受信するセンサーを含んでいる。任意で、センサーは業界で公知のバイオセンサー(例えば、酵素センサー、細胞内器官センサー、ティッシューセンサー、微生物センサーまたは電気化学的センサー)であってもよい。センサーは、1987年1月13日にKenji Oguraに対して発行された「トイレ装置(Toilet Apparatus)」と題する米国特許第4,636,474号に記載されているような、タンパク質、糖類、胆汁成分等を検出するように適合されていてよい。バイオセンサーは生体内還元システム、典型的に、物理化学的トランスデューサーの表面に固定された抗体等の、酵素または結合タンパク質を備えていてよい。バイオセンサーは(例えば、酵素電極を備えるバイオセンサーを介して)アンモニア、フェノール等の排泄物の成分を検出し得る。特殊な菌株のバクテリアを、そのバクテリア菌株に対して強められた抗体を使用するバイオセンサーを介して検出し得る。(例えば尿または便中の)フェノールを検出するために使用できる例示的な酵素電極は、1997年10月14日にJoseph Wangらに対して発行された「遠隔電気化学的センサー(Remote Electrochemical Sensor)」と題する米国特許第5,676,820号、および1992年2月25日にAnthony P. F. Turnerらに対して発行された「有機溶媒に使用される酵素電極(An Enzyme Electrode For Use In Organic Solvents)」と題する米国特許第5,091,299号にそれぞれ記載されているチロシナーゼベースの電極またはポリフェノールオキシダーゼ酵素電極を含んでいる。
【0029】
任意で、センサー60は、製品や排泄部内や着用者の体内あるいは体上の変化や信号、つまり、排便や排尿や他の排泄物の排出等の切迫した事象の発生に直接関連する、あるいは最低でも相関する入力を検出することのできる「順向センサー」であってよい。順向センサーは、例えば、排便や排尿や排出等の切迫した事象、またはこれらの事象に相関するパラメーターを検出し得る。切迫した事象は、排泄物や着用者や製品やそれらの成分に関連し得る。事象に相関するパラメーターは、システムの基準フレーム内の事象の発生に相関する測定可能な入力信号(つまり、排泄物または着用者により引き起こされる信号)である。順向センサーは、例えば、排便や排尿や排泄物の排出の発生を予知し、または皮膚の発疹または刺激に先行する信号を検出し得る。製品内の順向センサーは事象を予知するために、多くの異なる入力を測定し得る。順向センサーは、例えば、排便や排尿や排泄物の排出等の事象の発生を予知または予想するために使用され得る、便および/または尿の解放、臀部の分離、下腹部の圧力変化、製品内のガス濃度、他の兆候に先立つ肛門括約筋の弛緩のための外部肛門括約筋をモニターし得る。あるいは、本発明の順向センサーは皮膚の刺激に先立つ信号を検出し得る。例えば、センサーは、時間がたつと皮膚を刺激するかもしれない、着用者の皮膚の残留便による汚染(例えば汚れたおむつをクリーンアップした後に残された便酵素残留物)を検出し得る。高いpHや、皮膚のコンダクタンスの測定可能な増大やインピーダンスの測定可能な減少を生じさせる増大した皮膚の水和作用等の検出が、潜在的な皮膚の刺激の予知に使用されてもよい。順向センサーの更なる実施形態は、1998年6月29日に出願された「順向センサーを有する使い捨て製品(Disposable Article Having A Proactive Sensor)」と題する同時係属中の米国特許出願_______に記載されており、これは参照してここに組み込まれる。
【0030】
センサー60は、検出するためにセンサーが設計されている入力に曝されるであろう使い捨て製品のどの部分に配置されてもよいし、および/または機能的に作用するように接続されてもよい。本発明の目的のために、用語「機能的に作用するように接続される」は、センサー60が入力を検出した時、製品20の部分に合図し得るような通信手段を言う。センサー60は、センサー60の他の部分、別のセンサー60、アクチュエーター70、コントローラー80、製品20の他の部分や成分から分離されていて、それらに機能的に接続されていてもよい。「機能的に作用するように接続される」は、例えば、伝導性ワイヤーまたは部材を介した、無線周波数、赤外線または別の送信される周波数通信等の送信される信号を介した、電気接続等の通信手段を含み得る。あるいは、センサー60は、空圧式または水圧式接続等の機械的接続を介して機能的に接続されていてもよい。
【0031】
製品20において、例えば、センサー60は、製品20の前部ウエスト部36または後部ウエスト部38、股部37に置かれてよいし、またシャシー22、トップシート24、バックシート26、吸収性コア28、サイドパネル30、レッグカフ32、ウエスト特徴部34、留め具システム40、長手方向縁50、または端縁52等の一部と一体的であっても、それらに隣接して配置されても、あるいはそれらに接合されてもよいし、あるいはそれらを備えていてもよい。センサー60は製品20と一体的であってよいし、あるいは介護人または着用者によって設置されてもよい。センサー60は製品20等の製品内に完全に含まれてもよいし、あるいは所望の入力と接触するように製品内に置かれる受入部分と、製品内または製品外に置かれる伝達部分等の別の部分とを有していてもよい。センサー60は製品20の外部にあるが、センサー60が製品20外部の入力を検出し、コントローラー80および/またはアクチュエーター70に信号を提供できるように、製品20の一部に機能的に作用するように接続されていてもよい。ある実施形態では、センサーは製品から分離されていてよく、例えば、着用者の一部に別個に適用されてもよいし、あるいは製品とは別の1つ以上の成分を有していてもよい。
【0032】
更に、センサー60は2つ以上のセンサーを含む感知「システム」を備えていてよく、その各々が同じまたは異なる源からの同じまたは異なる信号を検出し得る。感知システムは、製品内部、外部に置かれる、または製品から分離した成分を含んでいてよい。例えば、感知システムは着用者の外部肛門括約筋内の電気的信号を検出する製品内部のセンサーと、着用者の下腹部の動き、張力、筋肉活動を検出する製品外部のセンサーとを含むことができる。更に、あるいは代替的に、感知システムは、製品の内部、外部の、または製品から分離した感知要素以外の成分を含んでいてよい。例えば、感知システムは、製品外部にある送信機を含み、製品20に接合されるか、または製品20内部に配置される感知システムの別の部品に対して信号を送信し得る。
【0033】
好ましくは、製品20はアクチュエーター70も備えている。本出願において使用されるように、用語「アクチュエーター」は「電位」と、「反応機能」を実施、起動するためにその電位を変換する手段とを備える装置を言う。アクチュエーター70の電位は、蓄積エネルギーまたはポテンシャルエネルギー、あるいは蓄積された材料を備えていてよい。このように、アクチュエーター70はポテンシャルエネルギーを運動エネルギーに変換することにより、あるいは蓄積された材料を解放または放出することにより、反応機能を実施、起動し得る。「反応機能」は、本出願の目的のために、排泄物や着用者や製品やそれらの成分より成る入力に基づいて実施される機能として限定される。本発明の目的のために、感知された要素に対して1つの機能が実施される場合、例えば、pHを感知し、pHに対して作用する、あるいは感知された要素が一体的な成分である組成物に対する作用を含んでも良い、例えば便酵素または便の水分を感知し、便に対して作用する場合、機能がその入力に基づいて実施されると考えられる。しかしながら、事象が発生したことを示す信号を単に提供する装置は、本出願の目的のために定義されるような「アクチュエーター」であるとは考えられない。排泄物の成分とは、例えば、水分、電解液、酵素、揮発性ガス、バクテリア、血液等を含むことができる。着用者の成分とは、皮膚、性器、肛門、肛門括約筋等を含むことができる。製品の成分とは、レッグカフ、ウエストカフ、他の排泄物バリヤーおよび/または封じ込め成分、サイドパネル、耳、シャシー、吸収性コア、捕捉成分、留め具システム、長手方向縁、または端縁等を含むことができる。ポテンシャルエネルギーは機械的、電気的、化学的、または熱的エネルギーとして蓄積されてよい。本出願において使用されるように、「運動エネルギー」は上述のように仕事をする、あるいは反応機能(例えば、圧縮された装置の拡大、ねじられた装置の回転、位相を変えるにつれて移動するゲル、皮膚または便の被覆または処理、酵素の抑制、pHの調整等)を実施する能力を言う。
【0034】
排泄物を捕捉するために三次元構造の作成を開始させることは、例えば、製品の成分に対して、また結局は排泄物に対して実施される反応機能を含んでいる。排泄物の捕捉、着用者の皮膚をぬぐうこと、スキンケア組成物で皮膚を処理することは、例えば排泄物および/または着用者に対して実施される反応機能である。製品の形状寸法(一次元、二次元または三次元の寸法)、または物理的特性(例えば、曲げ係数、形状寸法等)の調整は、製品に対して実施できる反応機能の例である。しかしながら、介護人および/または着用者に事象が発生したことを合図することは、反応機能の実施ではない。なぜなら、それは入力に基づいて機能を実施することではないからである。信号装置は機能を実施するためのアクチュエーターとして作用するために、システム外部の薬剤(例えば、人間等)を必要とする。使い捨て製品のアクチュエーターは、例えば、脱臭剤、酵素抑制剤、スキンケア組成物またはpH制御剤を解放、または放出することができ、排泄物を捕獲する、拭う、カバーする、トラップする、動かなくする、シールする、ポンプで汲み上げる、または保管することができ、あるいは排泄物や着用者や製品やそれらの成分に対して、1つ以上のこれらの機能またはその他の反応機能を実施するために設計された構造または要素の解放または作成を開始し得る。
【0035】
本発明のアクチュエーター70は、入力に応じて、ポテンシャルエネルギーを解放して、反応機能を実施または起動してもよい。ポテンシャルエネルギーの解放は、反応機能を実施するために、機械的、電気的、化学的、または熱的ポテンシャルエネルギーを、機械的、電気的、または化学的運動エネルギーに変換する。アクチュエーターは、ポテンシャルエネルギーを解放し、入力に基づいて反応機能を実施するためにしきい値レベルの入力によって始動されてもよいし、あるいは後述するように、入力に基づいて連続的に反応してもよい。例えば、圧縮されたフォームは、圧縮された機械的ポテンシャルエネルギーを蓄積し、それが解放された時、機械的運動エネルギーを提供し得る。ねじられたフォームは、ねじれた機械的ポテンシャルエネルギーを蓄積し、それが解放された時、回転等の機械的運動エネルギーを提供し得る。更に、蓄積された化学的、電気的、または熱的エネルギーを使用して、電気的、機械的、化学的、または熱的運動エネルギーを解放し得る。例えば、使い捨て製品のアクチュエーターは1つ以上の次のものを含んでいてよい:保管されたローション、便改良剤、酵素抑制剤、pH緩衝液、染料、与圧ガス、圧縮フォーム、ポンプ、感電ゲル、pH感応ゲル、塩濃度感応ゲル等を含んでいてよい。ポテンシャルエネルギーは必要になるまで、それを維持、拘束するのに充分な方法で保管されてよい。例としては、電池および/またはコンデンサー、未反応試薬の形態で弾力的に、ねじれにより、圧縮して張力がかけられた材料または構造物、および物理的または化学的機能を果たすことができる材料(例えば、吸収剤、皮膚軟化剤、pH緩衝液、酵素抑制剤、便改良剤、圧縮されたガス等)が挙げられる。
【0036】
あるいは、本発明のアクチュエーター70は、入力に基づいて反応機能を実施または起動するための能力を有する多数の蓄積材料を備えていてよい。1つの実施形態では、例えば、アクチュエーター70は入力に基づいて反応機能を実施する蓄積材料を受動的に解放または能動的に放出し得る。この実施形態では、アクチュエーター70はしきい値レベルの入力により始動されて、所定の時間に蓄積材料を不連続的に解放または放出し得る。アクチュエーター70は、例えば、保管されたローション、スキンケア組成物、便改良剤、酵素抑制剤、pH緩衝液、染料等を含んでいてよい。ある好ましい実施形態では、材料は拡大する弾力性のある材料、解放された高圧ガス等のアクチュエーター70によって放出されてよい。
【0037】
代替実施形態では、センサーおよび/またはアクチュエーターは閉鎖システム液体輸送部材を備えていてよい。「閉鎖システム液体輸送部材」または「輸送部材」は、入口と出口を有する液体充填部材を備え、それは入口において少量の液体でも受け入れると同時に、事実上直ちに出口において液体を解放する。出口から解放された液体は、センサーに対する入力信号として作用し得る。例えば、液体は輸送部材が入口において便の水分を吸収した時に解放される水であってよく、それは便用空所を作り出すために、蓄積されている機械的エネルギーを解放するためにシールを溶解する作用をする。別の実施形態では、輸送部材が入口において尿を吸収し、保管のために製品の別の部分へと尿を輸送してもよい。あるいは、輸送部材はそれ自体でアクチュエーターを始動させてもよいし(例えば化学反応を実施するために薬剤と混合する)、あるいは少なくとも一部のアクチュエーターの機能を実施してもよい(例えば、解放された水が特定の形状寸法に配置された超吸収性ポリマーによって吸収され、それが便用空所を膨張させて形成する)。このような輸送部材を通した液体の輸送は、毛細管現象よりはむしろ直接吸引に基づいている。液体はわずかな量の空気(または他のガス)しか入らない領域を通して輸送される。このような部材を通過して流れる液体用の駆動力は液体シンク(例えば、毛細管または透過性吸収構造)、またはその部材と液体連通する源によって作り出すことができる。このように、液体輸送部材は比較的高い液体透過率を有していなければならない。
【0038】
輸送部材内には好ましくは、異なる孔径、すなわち、小さい孔を有する1つ以上の孔領域と、かなり大きな孔径を有する内部領域の、少なくとも2つの領域がある。輸送部材の内部領域は出入口領域の透過率と比べて比較的高い透過率を有し(高い液体透過率は低い流れ抵抗を提供する)、それは内部/バルク領域と外接する外壁領域の一部であってよい。内部領域として使用するのに適した高い多孔率の材料の非制限的な例としては、ポリオレフィン、PET、セルロース、およびセルロース系繊維や、網状化フォーム、セルローススポンジ、ポリウレタンフォーム、HIPEフォーム等の多孔性オープンセルフォームが挙げられる。一実施形態では、内部領域の空所は基本的に圧縮できない流体で基本的に完全に埋められる。用語「基本的に完全に」は、入口と出口間の連続的動力伝達路を設定できるように、内部領域の充分な空所体積が液体で埋められる状況を言う。
【0039】
輸送部材の出入口領域は、輸送液体に対しては透過性であるが、一旦輸送液体で湿ると、(空気のような)雰囲気ガスに対しては透過性ではない材料を備えている。しばしば、このような材料は膜として説明され、それは液体、ガス、または液体またはガス内の粒子の懸濁物に対して透過性である領域と定義される。膜は、例えば、毛細管を通して液体透過率を提供するために微孔のある領域を備えていてよい。代替実施形態では、膜はそこを通して液体が発散によって輸送されるブロックコポリマーを備えるモノリシック領域を備えていてよい。出入り口領域用の例示的な膜としては、1992年4月28日にWhiteに対して発行された「吸収体用の膜(Membranes For Absorbent Articles)」と題する米国特許第5,108,383号に開示されているようなセルロースアセテート膜、およびEP−A−0451797号に開示されているようなPETフィルム、ニトロセルロース膜、硝酸セルロース膜、PTFE膜、ポリアミド膜、ポリエステルが挙げられる。その他の適切な材料は、ドイツ、Geldern-WaldbeckのVerseidag、またはスイス、RuschlikonのSEFARから入手できる、ポリアミドまたはポリエチレンメッシュ等の織布ポリマーメッシュである。
【0040】
あるいは、アクチュエーター70は感電ゲルを備えていてもよい。感電ゲルとは、水で少なくとも部分的に膨れた時、電流または電界の印加の下に体積および/または形状寸法を変化させるポリマーゲルネットワークである。例えば、特定の部分的にイオン化されたポリアクリルアミドゲルは、アセトンと水に浸漬された時、弱い電界(例えば、0.5ボルト/cm)の下で約50%の異方性収縮を経験するであろう。別の感電ゲルは、水および界面活性剤の存在下に電気的に誘発される曲げを経験するか、あるいは発振する電界を受けた時、発振する波動運動を経験するかもしれない。局部的な収縮は電界内の負帯電ゲルポリマーに、正帯電界面活性剤の分子を集中させることにより、ゲルの一部、例えば、ゲル要素の片側において誘発し得ると考えられる。電界の強度および/または極性を変化させると、片側が長さを減少させる(例えば、ストリップに形成されたゲルが縮れる)につれてゲル内に動きを誘発する。感電ゲルは、材料が体積および/または形状寸法を変更するにつれて、材料を解放し、排泄物が流れるようにし、排泄物がその材料を通って流れるのを防止し、排泄物を閉じ込める等のための弁を提供するために、矩形、円形、網状格子等のパターンの様々な形状寸法を備えていることができる。便の水分が検出された時に、例えばストリップに形成された感電ゲルを曲げて便を輸送し得る。図10Aおよび図10Bでは、例えば、便の水分が接点485を橋かけし、感電ゲルに電流が流れるようにして、ストリップを曲げるか、まっすぐにする回路内の、感電ゲルのストリップが示されている。あるいは、図11A、図11Bおよび図11Cに示すような網状格子パターンに形成された感電ゲルは、尿を検出した時に膨張または収縮するように電気的に誘発され、製品20の別の部分に尿が流れるようにし、および/または流れるのを防止する弁を形成し得る。例えば、図11Aは感電ゲルの網状格子パターンを含む回路を示している。図11Bおよび図11Cは更に各々収縮した形状と膨張した形状の格子の顕微鏡図を示している。例示的な材料は脆弱に架橋されたPAMPゲル(ポリ(アクリルアミド−2−メチルプロパン)スルホン酸)である。このタイプのゲルは便用の空所の作成、皮膚をぬぐうこと、化学的便処理剤の塗付または放出あるいは材料を放出するための弁として機能すること等の様々な機能を果たすことができる。その他の例示的な感電ゲルは、1990年3月31日にTanakaに対して発行された米国特許第5,100,933号およびWO9202005号に記載されている。あるいは、特殊なpHまたは塩濃度で各々体積および/または形状寸法を変化させるpH感応ゲルまたは塩濃度感応ゲルも、本発明のアクチュエーターとして使用してよい。
【0041】
本発明の製品の一実施形態は、1つ以上の順向センサーおよび1つ以上のアクチュエーター70を含んでいてよい。切迫した事象に先立つ入力信号を検出することにより、反応システムを始動させて、切迫した事象のために準備し得る。特殊な入力に係わらず、これらの実施形態における順向センサーは、入力に対する作用を実施するためにアクチュエーターを始動させ、事象の発生を遅らせるか、あるいは発生のために準備し得る。例えば、外部肛門括約筋の電気的活動を介して、切迫した排便または排尿を検出した場合、該システムは好ましくは肛門括約筋の弛緩に関連する信号により始動される(つまり、反応システムが活性化される)。そして肛門括約筋を閉じたままにするために、外部肛門括約筋筋肉に電気信号を送る等の機能を果たすことができる。
【0042】
アクチュエーター70は、排泄物や着用者や製品やそれらの成分に対する反応機能をアクチュエーターに実施させる使い捨て製品に対して、それのいかなる部分内に配置されていても、それのいかなる部分に機能的に接続されていてもよい。製品20内において、アクチュエーター70は、例えば、製品20の前部ウエスト部36や後部ウエスト部38や股部37に位置していてもよく、また、シャシー22、トップシート24、バックシート26、吸収性コア28、サイドパネル30、レッグカフ32、ウエスト特徴部34、留め具システム40、長手方向縁50、端縁52等の成分に対して、それと一体的であっても、それに隣接して配置されていても、それに接合されてもよい。更に、アクチュエーター70は、製品20等の製品内に完全に包含されても、製品内に位置する部分と製品20の外部に位置する部分とを有していても、製品20の完全に外部にあってもよい。アクチュエーター70またはアクチュエーター70の一部は、1つ以上のセンサー60、1つ以上のコントローラー80、アクチュエーター70の別の部分、製品20の別の部分に機能的に接続されてもよい。更に、アクチュエーター70は、製品20と一体的であっても、介護人または着用者によって設置されてもよい。
【0043】
製品20はコントローラー80を含んでいてもよい。本出願の目的のために、「コントローラー」とはセンサーからの入力を受信する装置と定義され、入力と同時に1つ以上の動作を取るべきかどうかを決定する装置と定義される。コントローラーは、センサー60からの信号を受信し、入力に基づいて反応機能を実施するようにアクチュエーター70に指示し得る。あるいは、アクチュエーター70はセンサー60から直接信号を受信して、入力に基づいて反応機能を実施してもよい。コントローラーは化学的または物理的変化を経験する材料を含んでいてよいし、センサー等からの情報を処理する化学的、機械的、または電気的装置であってもよい。例えば、水分可溶性バッグにより真空下に閉じ込められて保持される圧縮されたプラスチックフォーム材料を有する製品において、センサー60が水分可溶性バッグを備えていてよい。フィルムが溶ける前にどのような量の入力がなければならないかを決定するフィルムの物理的および化学的特徴、つまりポリマーのタイプ、厚み等がコントローラー80として作用し、コントローラー80がアクチュエーター70に蓄積エネルギーを解放させて入力に基づいて反応機能を実施させる前に、満たされなければならないしきい値レベルの入力を決定する。アクチュエーター70は圧縮されたフォームと真空ロスの組合せであり、圧縮されたフォームの蓄積された機械エネルギーの解放を可能にする。この例では、コントローラー80が1回限りのスイッチとして作用する。しかしながら、センサー60から着用者の筋肉の電気的活動等の信号を受信する電気的コントローラー80が、多数の電気信号を受信し、モニターし、入力に基づいて作用するようにアクチュエーターを繰り返しトリガーしてもよい。コントローラーはセンサー成分と一体的であっても、アクチュエーター成分と一体的であっても、あるいはシステムの分離した成分であってもよい。
【0044】
コントローラー80は、コントローラー80にセンサー60からの信号を受信させアクチュエーター70に信号を与える使い捨て製品に対して、それのいかなる部分内に配置されていても、それのいかなる部分に機能的に接続されていてもよい。製品20内において、コントローラー80は、例えば、製品20の前部ウエスト部36や後部ウエスト部38や股部37に位置していてもよく、また、シャシー22、トップシート24、バックシート26、吸収性コア28、サイドパネル30、レッグカフ32、ウエスト特徴部34、留め具システム40、長手方向縁50、端縁52等の成分に対して、それと一体的であっても、それに隣接して配置されていても、それに接合されていてもよい。コントローラー80は、製品20と一体的であっても、介護人または着用者によって設置されてもよい。コントローラー80は、製品20等の製品内に完全に包含されていても、製品内に位置する部分と製品20の外部に位置する部分とを有していても、製品20の完全に外部にあってもよい。コントローラー80またはコントローラー80の一部は、1つ以上のセンサー60や1つ以上のアクチュエーター70やコントローラー80の別の部分や製品20の別の部分に機能的に接続されていてもよい。例えば、コントローラー80は、センサー60からの信号を受信して、例えば無線周波数(rf)送信によって信号をアクチュエーター70に与えてもよい。
【0045】
別個の構造要素が、センサー60、アクチュエーター70およびコントローラー80の機能を果たしてもよいが、本発明のセンサー60、アクチュエーター70および/またはコントローラー80の機能は、別個の構造要素によって実施される必要はない。センサー60およびコントローラー80の機能は、例えば、排泄物成分と接触して溶解するフィルム等の同じ構造要素によって実施されてもよい。この例では、フィルムはセンサーとして作用し、排泄物の入力成分に反応する。フィルムが溶ける前にどのような量の入力がなければならないかを決定するフィルムの物理的および化学的特徴、つまりポリマーのタイプ、厚み等がコントローラーとして作用し、コントローラーがアクチュエーターに蓄積エネルギーを解放させて反応機能を実施させる前に、満たされなければならないしきい値レベルの入力を決定する。別の実施形態では、反応システムはスキンケア組成物、pH制御剤または酵素抑制剤等の1つ以上の材料を包含するセルまたはカプセルを備えていてよい。セルまたはカプセルは、例えば、しきい値レベルの所定の液体または排泄物の他の成分の存在下に溶解し、入力に基づいて作用するために蓄積材料を解放し得る。この実施形態では、セルまたはカプセルは、例えば液体を検出するセンサー、および材料が解放される前にしきい値レベルを限定するコントローラーとして作用する。更に別の実施形態では、反応システムは輸送部材の入口において尿等の入力を受け取り、出口においてスキンケア組成物、pH制御剤または酵素等の薬剤を尿に対して不連続的に放出し得る、閉鎖システム液体輸送部材を備えていてよい。この実施形態では、輸送部材は尿を受け入れるセンサーとして作用し、また処理すべき入力に対して薬剤を積極的に放出するアクチュエーターとして作用する。更に、閉鎖システム液体輸送部材は入力の必要なしきい値レベルを決定するコントローラーとして作用することもできる。閉鎖システム液体輸送部材が入口で尿を受け入れて、製品の別の部分へと尿を輸送する実施形態では、例えば、閉鎖システム液体輸送部材がセンサーおよび/またはアクチュエーター、コントローラーとして作用してよい。この実施形態では、輸送部材は尿を受け入れることによりセンサーとして作用し、入口または出口の透過率がコントローラーとして機能して、輸送部材が製品の別の部分へと尿を輸送することによってアクチュエーターとして機能する前に、尿のしきい値量を決定し得る。
【0046】
本発明の製品20は、フィードバック制御ループ、つまり閉ループシステムを含む反応システムを含んでいる。「反応システム」は、本出願の目的のために、センサー60と、センサー60が適切なトリガリング入力を検出した時、排泄物や着用者や製品やそれらの成分に対して作用するアクチュエーター70とを含むシステムと定義される。所定の入力パラメーターを感知すると同時に、アクチュエーター70は蓄積エネルギー、材料の解放を生じさせて、所定の入力に基づいて反応機能を実施する。
【0047】
本発明の反応システムは、「開ループ」システムの代わりに、「閉ループ」システムを備えている。本発明の「閉ループ」システムは、「フィードバック制御ループ」システムとも称され、明確に異なるセンサー60とアクチュエーター70成分を含み、入力に基づいて反応機能を実施する。一部の好ましい実施形態では、該システムは入力に基づいて実施される反応機能の少なくとも1回のトリガーとして、出力状態の要素またはパラメーターの検出または測定を使用し得る。出力状態とは、アクチュエーター70が入力状態に基づいて反応機能を実施する機会を持った後の、その入力状態であってよい。例えば、センサー60が製品20内でpHをモニターしており、尿が製品20内へと排出されてシステムのpHを変化させる、つまり反応システムの出力状態を変化させた場合、反応システムは所定量のpH緩衝液を解放して、システムのpHを所望の目標pHまたはpH範囲に戻してもよいし、あるいはpHが目標pHまたはpH範囲に戻るまで緩衝液を解放してもよい。しかしながら、液体が全て吸収されてしまうか、あるいはポリマーの容量に達するまで液体入力を連続的に吸収する、超吸収性ポリマー等の吸収性材料は閉ループシステムを備えているとは考えられない。なぜなら、吸収性材料は明確に異なるセンサー60とアクチュエーター70の成分を有していないからである。反応機能は、出力状態がしきい値レベルに達した時に実施されてもよいし、あるいは出力状態と1つ以上の他の条件が満たされた時にのみ実施されてもよい。入力に基づいて作用することは、感知された要素に基づく作用、例えば、pHを感知してpHに対して作用することを含んでもよいし、あるいは感知された要素が一体的な成分である組成物に対して作用すること、例えば、便の酵素または便の水分を感知して便に対して作用することを含んでもよい。上述のように、フィードバック制御ループシステムは少なくとも2つの明確に異なる成分、つまりセンサー60とアクチュエーター70を含んでいる。センサー60は事象、または事象に関連するパラメーターを検出する。アクチュエーター70は信号を受信して、センサー60によって検出された入力状態に基づいて反応機能を実施する。上述のように、フィードバック制御ループは更にコントローラー80を含んでもよい。この場合、センサー60がコントローラー80に信号を提供し、コントローラー80は入力状態に基づいて反応機能を実施するようにアクチュエーター70に指示し得る。コントローラー80は反応システムの別の成分であってもよいし、あるいはコントローラー機能がセンサー60および/またはアクチュエーター70によって実施されてもよい。
【0048】
本発明のフィードバック制御ループは、「非変調型」または「変調型」であってもよい。「非変調型」フィードバック制御ループ反応システムでは、反応システムが1回きりのスイッチとして作用し、出力状態のしきい値レベルが満たされた場合、アクチュエーターがその入力に基づいて反応機能を実施する。例えば、センサー60は特定の便酵素を検出し、アクチュエーター70が便の捕捉に反応して圧縮フォームを解放してもよいし、あるいはそれに答えて便内に検出された酵素に基づいて作用する酵素抑制剤を解放してもよい。あるいは、センサー60が尿または月経の水分を検出し、それに答えて、拡大するにつれて材料内へと水分を引き寄せる、圧縮フォームまたは吸収性材料を解放してもよい。更に、センサー60が不快なにおいを生じさせる揮発性ガスを検出し、それに答えて、アクチュエーター70が揮発性ガスのにおいを除去する脱臭剤を解放してもよい。これら各々の例において、アクチュエーター70はセンサー60によって検出された入力に基づいて作用する。しかしながら、センサー60が尿を検出し、アクチュエーター70が圧縮フォーム材料を解放して、便を包含するのに充分な量の造形空間を作成する場合、アクチュエーター70はセンサー60によって検出された入力以外のものに作用する、つまり尿の代わりに便に対して作用し、従ってフィードバック制御ループではない。しかしながら、「変調型」フィードバック制御ループはセンサー60と、アクチュエーター70と、コントローラー80とを含んでいる。変調型フィードバック制御ループでは、出力状態が絶えず、または繰り返しモニターされ、出力状態を所望の設定点に維持する、または所望の範囲内に維持するために、コントローラー80は入力に基づいて反応機能を実施するようにアクチュエーターに指示する。変調型反応システムは排泄物内のpHを絶えず、または繰り返し測定し、排泄物のpHがしきい値pHレベル以上であると検出される度に、所定量のpH制御剤(pH緩衝液またはpH低下剤等)を解放して、フィードバック制御ループ反応システムを提供し得る。
【0049】
本発明の閉ループシステムと対照的に、「開ループ」システムは、フィードバックを使用せずに反応機能を実施するために入力に答えるシステム、つまり、感知された入力がシステムに入ることに対して出力が何の影響も有さないシステムである。開ループシステムはセンサー60とアクチュエーター70両方の機能を果たす1つの装置を有している、あるいは明確に異なるセンサー60とアクチュエーター70の成分を有し、アクチュエーターが入力以外のものに作用し得る反応システムを含んでいてよい。使い捨て吸収体の吸収性コアに置かれる超吸収性ポリマーは、例えば、開ループ反応を提供する。なぜなら、ポリマーはセンサー60とアクチュエーター70の機能を果たす1つだけの装置を含むからである。あるいは、開ループ反応システムは排泄物または排泄物の成分を検出するセンサー60と、センサー60によって検出される入力以外のものに基づいて、連続的または不連続的な方法で反応機能を果たすアクチュエーター70とを含むことができる。例えば、センサー60が尿を検出し、アクチュエーター70が便を捕捉または保管してよい。尿等の液体がガス放出材料と接触する時、膨張可能なスペーサーが膨張して、化学量的な化学反応を介して便を保管するためのボイド容量を提供する、連続的な開ループ反応システムの一例、つまり、連続的な反応システムが、1994年7月19日にGary D. Lavonらに対して発行された「膨張可能なスペーサーを有する使い捨て吸収体(Disposable Absorbent Article Having An Inflatable Spacer)」と題する米国特許第5,330,459号に記載されており、この特許は参照してここに組み込まれる。このタイプの実施形態の別の例は、尿または月経等の液体をセンサー60が検出した時、拡大された状態に保持されていたレッグカフを解放するアクチュエーターによって、着用者に対する合い具合を改良する使い捨て製品である。化学量的な化学反応を介して着用者の合い具合を改善する連続的な開ループ反応システムの別の例が、1981年1月27日にSchroderらに対して発行された「水分反応シール手段を含むおむつ(Diaper Including Moisture-responsive Seal Means)」と題する米国特許第4,24
6,900号に記載されているおり、この特許は参照してここに組み込まれる。あるいは、着用者の合い具合を改善する不連続的開ループ反応システムは、可溶性抑制材によって2つの明確な抑制点において拡大状態に保持されるレッグカフまたはウエストカフ等の弾性材料を含んでいてよく、1つまたは両方の抑制点において抑制材が溶解した時、弾性材料が着用者の皮膚と接触してシールを形成する。
【0050】
本発明の閉ループ反応システムは、「連続的に」または「不連続的に」反応してよい。本出願において使用されるように、「不連続的な反応システム」とは、出力が入力量に定量的に依存する(つまり、連続的に増大する量の出力をもたらすために、連続的に増大する量の出力が必要である)、あるいは反応システムの出力が蓄積材料の受動的解放を備える反応システムを意味する。製品の吸収性コアに置かれた超吸収性ポリマーは連続的反応を提供し、出力が入力量に定量的に依存する、つまり、増大する量の液体排泄物が超吸収性ポリマーと接触するにつれて、ポリマーの容量を使い切るまで、増大する量のポリマーがその液体を包含する。化学量的な化学反応は、増大する出力に対して連続的な反応を有するシステムの別の例である。例えば、A+過剰B→Cという反応において、Cに変換される過剰Bの量が化学量的であり、従って、システムにおいて利用できるAの量に関して「連続的」である。しかしながら、蓄積材料を受動的に解放する反応システムは概して、排泄物や着用者や製品やそれらの成分に対して実施される実際の反応機能が、材料の解放によってではなく、材料によって実施されるので、材料自体がどのように解放されるかに係わらず連続反応を提供する。このように、材料が所定の入力に反応して連続的に解放されようと、あるいは所定の入力のしきい値が検出された時に1回で不連続的に解放されようと、解放された材料が使い尽くされるまで、連続的に増大する量の出力をもたらすために連続的に増大する量の入力が必要であるような方法で、解放された材料によって実施される反応機能が実施される。
【0051】
しかしながら、本発明の「不連続的な反応システム」は、しきい値レベルを超える入力量とは基本的に独立している出力関数を有する反応システムを言う。例えば、所定の入力の1つ以上のしきい値レベルが満たされた時、反応システムはその蓄積エネルギーの全てまたは予め指定された部分を解放または放出する、つまり、その蓄積材料の全てまたは予め指定された部分を解放して、特定の反応機能を果たすことができる。本発明の理想的な実施形態では、出力関数は、図7Aに示すような「ステップ」関数を含んでいる。この実施形態では、入力量がしきい値レベルより上または下である場合に、増大するレベルの入力に対する出力の変化率、(d(出力)/d(入力))、つまり、出力関数f(x)の傾斜または第1の導関数f'(x)は好ましくは基本的にゼロである。しかしながら、しきい値レベルでは、変化率(d(出力)/d(入力))は好ましくは無限大に近づく。このように、理想的な不連続反応では、ε→0になるにつれての関数f(x−ε)の限界は、ε→0になるにつれての関数f(x+ε)の限界と等しくない、つまり、lim f(x−ε)≠lim f(x+ε)である。
ε→0 ε→0
しかしながら、本発明は、物理的世界では、しきい値レベルにおける理想的な瞬時のステップ変化は必要ではなく、多くの場合可能ですらないかもしれないことを認識している。好ましい実施形態では、入力のしきい値レベル付近で、出力関数が事実上のステップ変化を有し、入力にはほとんど変化がないことだけが必要である。このように、本発明は、遷移領域において出力関数が少なくとも最低の相対的急峻性の度合いを有するように、遷移領域において充分に不連続的な方法で反応する出力関数を有する本発明の不連続反応システムを企図している。不連続システムを説明するか、またはモデル化する特定の方法に制限したくはないが、本発明の目的のために定義されるように、所定の出力関数が充分に不連続的な方法で実施するかどうかを決定する好ましい方法では、変曲点における出力カーブの傾斜が、遷移領域の最初の点と最後の点とを結ぶ線の相対的傾斜と比較される。例えば、図8Aは例示的な出力関数の第1の導関数f'(x)と、第2の導関数f''(x)と第3の導関数f'''(x)の整列したグラフと共に、例示的な出力関数f(x)のグラフを示している。出力関数f(x)は出力または反応(R(I))に対する入力(xまたはI)の効果を説明する。本発明の目的のために、遷移領域は、出力関数f(x)の第2の導関数f''(x)の相対的極大値R(I1)と最小値R(I2)間の領域と定義される。相対的極大値R(I1)と最小値R(I2)は第3の導関数f'''(x)がゼロに等しい点である。変曲点I0は、第2の導関数f''(x)がゼロに等しい遷移領域内の点、つまり
【数1】

【0052】
と定義される。遷移領域の最初の点と最後の点を結ぶ線の傾斜と、変曲点における出力関数の傾斜の比較は、以下の式によって説明することができる:
【数2】

【0053】
この式において、変曲点におけるdR/dIは、その点における出力関数の第1の導関数である。項ΔITは遷移領域の最初の点I1と最後の点I2間の、反応システムに対する入力の変化、つまりI2−I1であり、項ΔRTは遷移領域の最初の点と最後の点間の出力関数の反応の変化、つまりR(I2)−R(I1)である。係数kは、遷移領域の最初の点と最後の点を結ぶ線の傾斜と比べて、変曲点I0における出力関数の傾斜の相対的急峻性を説明する比例定数である。反応システムが不連続的出力関数を有するためには、比例定数kは少なくとも約2.0でなければならず、好ましくは少なくとも約3.0、より好ましくは少なくとも約5.0、更に好ましくは少なくとも約10.0であり、少なくとも約100.0が最も好ましい。
【0054】
ある実施形態では、不連続反応システムの遷移領域内の相対的急峻性の程度は、一連の整数n、等しい時定数を有する一次の時間的ずれを有する制御システムの伝達関数によってモデル化されてもよい。反応システムの伝達関数は、本発明の目的のために、入力(攪乱変数)に対する出力(応答変数)のラプラス変換の比率と定義される。例えば、Robert H. Perry & Don Greenによる、「ペリーの化学工学者ハンドブック(Perry's Chemical Engineers' Handbook)」、第6版、第22章、マグローヒル社(McGraw Hill, Inc.)1984年を参照。図8Bに示すように、出力関数の相対的急峻性の程度は次の式:KG(s)=K/(Ts+1)nによって近似することができ、式中、KG(s)は伝達関数であり、Kは比例要素であり、Tはシステムの時定数であり、nは整数の一次の時間的ずれである。このモデルでは、数nが増大するにつれて、遷移領域内の出力関数の急峻性が増大し、モデルは不連続反応システムに近づき始める。nが約25以上である時、本発明の特定の不連続反応システムは、好ましくは上記の式によってモデル化されてよく、nが約50以上であることがより好ましく、nが約100以上であることが最も好ましい。
【0055】
図7Aに示すように、本発明の反応システムは1つのしきい値レベルを含むことができ、そのしきい値レベルにおいて、反応システムはその蓄積エネルギーの全てを解放して、特定の反応機能を実施してもよいし、あるいは多数のしきい値レベルを含み、そのしきい値レベルにおいて、システムが予め指定された部分の蓄積エネルギーを解放して、各々のしきい値レベルにおいて1つ以上の特定の反応機能を実施してもよい。1つのしきい値レベルを有する実施形態では、反応システムはその蓄積エネルギーの全てを解放して、そのしきい値レベルが満たされた時に、全反応機能を実施してもよい。このような1つのしきい値の実施形態では、この例では、不連続反応システムがオンまたはオフ等の2つの状態を有するシステムを含んでいる。排泄物等のしきい値量の入力が吸収体に存在する場合、反応システムは排泄物や着用者や製品やそれらの成分に対して、例えば、排泄物をユーザーの皮膚から離して包み込むこと等の1つの反応機能を実施し得る。このように、不連続反応システムは、しきい値レベルの入力の存在下に、1つの状態から別の状態へと変化する1回限りの「スイッチのような」機能を果たすことができる。
あるいは、図7Bに示すように、反応システムは多数のしきい値レベルを有していてもよく、その場合、各々のしきい値レベルが満たされた時、システムが所定「分量」のエネルギーを解放して、あるいは所定量の材料を放出して、特定の反応機能を実施してもよい。この実施形態では、各々のしきい値レベルが満たされた時、全反応機能の一部を実施してもよいし、および/または異なるしきい値レベルが満たされたことに反応して、異なる別個の反応機能を実施してもよい。例えば、反応システムは便酵素をモニターすることができ、各しきい値酵素レベルが満たされた時、等しい量または等しくない量の酵素抑制剤を放出してもよいし、あるいは製品の蓄積成分を膨張または拡大させるか、または第1のしきい値レベルにおいてpH緩衝液を放出し、第2のしきい値レベルにおいて、多量の酵素抑制剤の放出等、別の反応機能を実施してもよい。各遷移領域において、反応システムは上述の1つのしきい値の実施形態における遷移領域と基本的に同じように反応する。
【0056】
更に、反応システムは水分および/または1つ以上の便酵素等の多数の入力をモニターして、異なる入力のしきい値レベルが満たされた時に、1つ以上の反応機能を実施してもよいし、あるいは異なる入力の2つ以上のしきい値レベルが満たされた時に、1つの反応機能のみを実施してもよい。このように、コントローラーは多数の異なる入力をモニターして、異なる入力のしきい値レベルが満たされた時、異なる反応機能を実施し得る。あるいは、コントローラーは、多数の入力の1つ以上のしきい値レベルが満たされた時に反応機能が実施されるように、論理ORゲートタイプの機能を果たすことができる。更に、コントローラーは、2つ以上の異なる入力の各しきい値レベルが満たされた時に反応機能が実施されるように、論理ANDゲートタイプの機能を果たしてもよい。
【0057】
本発明の閉ループ反応システムは連続または不連続反応システムを提供し得る。1つの実施形態では、例えば、閉ループ反応システムは圧抜き弁を提供する等、圧力を検出して圧力に基づいて作用し得る。この実施形態は、システムが連続的に圧力に反応する場合、検出された圧力レベルが増大するにつれて、直線的または非直線的に出力関数を増大させる、連続的閉ループ反応システムを備えていてよい。しかしながら、同様の閉ループ反応システムが、不連続反応を提供し、それは検出された圧力レベルが1つ以上のしきい値レベルに達するまで反応せず、圧力レベルがしきい値レベルに達したことをセンサーが検出した時、その蓄積エネルギーの全てまたは一部を解放する。
【0058】
本発明の不連続的な実施形態では、排泄物隔離装置90がバッグ内に圧縮して保持される圧縮された弾性材料を備え、その少なくとも一部が水溶性である。好ましくは、圧縮された弾性材料はバッグ内で真空圧縮して保持される。しきい値レベルの水分、つまり入力が水溶性領域の部分を溶解し、不連続的に真空状態を解除すると、圧縮された材料が拡大する、つまり体積の増大が出力となり、1つ以上の排泄物に対して反応機能を実施し得る。圧縮された材料は、例えば、拡大された時、便を捕らえるのに充分な体積を有する造形された空間を有する弾性プラスチックフォームであってよい。排泄物隔離装置は、拡大できるようになった時、便等の排泄物を捕らえ、着用者の皮膚から離して排泄物を保管し得るように、肛門に隣接して製品20内に置かれてよい。本発明の不連続的な閉ループ実施形態では、可溶性バッグはしきい値量の便の水分または便酵素に反応し、排泄物隔離装置がそれに答えて便を捕らえる。あるいは、圧縮された材料は、拡大するにつれてその本体に分泌液を引き寄せることにより、ポンプとして機能する吸収材料であってもよい。図9A〜図9Cに図示するように、上述したような高い多孔率の、大きなセルの弾性フォーム394が、少なくとも可溶性部分392と、不溶性バッキング393とを有するフィルム、外皮、バッグまたはカプセル内に圧縮され、封じ込められていてよい。図9Aは本発明の例示的な機械的ポンプを示す。図9Bは構造上の便を示し、図9Cは便が吸収された後の構造を示す。好ましくは、圧縮されたフォームを備える各セルが別個に真空状態に保持される。尿または月経、便の水分等の液体が可溶性フィルムと接触すると、フィルムが溶解し、セル内の圧縮されたフォームが便と接触して拡大し、拡大するにつれてフォーム内に分泌液を引き寄せることができるようにする。一実施形態では、吸収性材料は、上に重なる排泄物と共に吸引力を維持するために、多数のセルを含むことができる。この実施形態では、反応システムが可溶性材料によって検出される分泌液をポンプで汲み上げる場合、反応システムはセンサーによって検出された入力に基づいて作用するので、不連続的な閉ループ反応システムを備えている。
【0059】
図2および図3に示した排泄物隔離装置90の実施形態では、バッグ92内に圧縮されて保持することができ、また強制力の解除後に、かなりの割合のその元の高さを、好ましくは少なくとも約75%を回復し得るように、圧縮された材料94は、適切な圧縮、回復特性を有する弾力的なフォームを備えていてよい。少なくとも一部のバッグ92は可溶性領域または可溶性シールを備えている。可溶性領域、シールは、例えば、便の水分、便酵素等と接触して溶解し得る。バッグ92の可溶性領域の一部が充分に(つまり、しきい値レベルの水が検出されるまで)溶解して、不連続的に真空を解除するまで、バッグ92は好ましくは圧縮された材料94を真空圧縮状態に保持する。一旦拡大すると、フォームは、例えば、フォームがあまり圧縮しない、好ましくは約50%未満しか圧縮せず、赤ん坊が装置の上に座っても捕らえた排泄物を解放しないように、赤ん坊の重量に耐える程度に充分堅くなることが好ましい。例えば、SIF/210PP1またはアクアゾーン(Aquazone)80Aフォームという名称でペンシルバニア州エディストーン(Eddystone, Pennsylvania)のフォーメックス社(Foamex Corporation)から入手できるものや、MC1900 EVA 2 lb/ft3という名称でマサチューセッツ州ヒアニス(Hyannis, MA)のセンティネル、プロダクツ社(Sentinel Products Corporation)から入手できるもの、あるいは1993年11月9日にDesMaraisらに対して発行された「水性体液用の吸収性フォーム材料およびこのような材料を含む吸収体(Absorbent Foam Materials For Aqueous Body Fluids and Absorbent Articles Containing Such Materials)」と題する米国特許第5,260,345号、1995年2月7日にDyerらに対して発行された「水性体液用の湿るまで薄い吸収性フォーム材料およびこのような製品の製造方法(Thin-Until-Wet Absorbent Foam Materials For Aqueous Body Fluids And Process For Making Same)」と題する米国特許第5,387,207号、および1997年7月22日にDesMaraisらに対して発行された「非常に高い水対油比を有する内部層乳剤から作成される水性体液用の吸収性フォーム材料(Absorbent Foam Materials For Aqueous Fluids Made From high Internal Phase Emulsions Having Very High Water-To-Oil Ratios)」と題する米国特許第5,625,222号に記載されているフォーム等のEVAフォームを、便捕捉圧縮材料94として使用し得る。図2に示すように、圧縮材料94は、圧縮材料94が圧縮された時に開かれている孔を含むことができる。圧縮材料94が拡大した時、図3に示すように、孔は圧縮材料94の周囲によって閉じられてよい。これは、着用者の皮膚から離して、圧縮材料の孔内部に排泄物を捕らえるか、包み込むことができるようにする。あるいは、図4に示すように、圧縮材料94は、スペーサーとして作用し、また製品20内に置かれる排泄物を保管するのに充分な体積を有する空所を提供する、開かれた孔を有していてもよい。これは、圧縮材料94が拡大した後、圧縮材料94が多数の排泄物の攻撃を受け入れることができるようにする。
【0060】
バッグ92は、水、尿、便酵素、pHレベル等の1つ以上の異なるタイプの入力の存在下に可溶性であってよく、またバッグを溶解するのに必要な入力のしきい値レベルを設定するために設計されてよい物理的および/または化学的特徴(例えば、厚み)を有していてもよい。可溶性バッグ92は、例えば、モノゾル(MONOSOL)M7031フィルムとして、イリノイ州サウスホランド(South Holland, IL)のクリスクラフト・インダストリアル・プロダクツ社(Chris-Craft Industrial Products, Inc.)によって、あるいはHL1636またはHL1669−Xとしてミネソタ州セントポール(St. Paul, Minnesota)のH.B.フラー社(H. B. Fuller Company)によって供給されるPVAフィルム等の水溶性であるプラスチックフィルムを備えていてよい。フィルムの厚みは、例えば、所望の活性化を提供するために変更されてもよい。使用されるフィルムは、例えば、約0.0005〜約0.0015インチの範囲の厚みを有していてもよい。約0.001インチの厚みを有するHL1636フィルムは、例えば、平方インチあたり約0.049グラムの含湿量で活性化するであろう。
【0061】
この実施形態では、排泄物隔離装置90はフィードバック制御ループを有する非変調の不連続反応システムとして動作する。バッグ92の可溶性部分は特定の入力に反応するセンサーとして作用する。センサーは、例えば、便内の水分および/または便内の酵素に反応し得る。バッグ92の可溶性部分がしきい値レベルの便の水分、または便酵素と接触すると、バッグ92の可溶性部分が溶解して圧縮材料を解放し、それは拡大して製品20に置かれた便を捕らえるか、囲んで包み込む。バッグ92を形成するために使用される材料の物理的および化学的特徴が入力のしきい値レベルを限定し、圧縮材料94を解放すべき時を決定するコントローラーとして作用する。バッグが溶解すると、真空解除および圧縮材料94の拡大が排泄物を捕らえるためのアクチュエーターとして機能する。このように、排泄物隔離装置90は、所定の入力のしきい値レベルが検出された時、圧縮材料94の蓄積された機械エネルギーを解放する一回限りの不連続スイッチとして作用する。反応システムの有用なエネルギーは、(蓄積エネルギー)−(ヒステリシス損)を含んでいる。使用される圧縮材料94は、好ましくは最小のヒステリシス損と最大の復元率を有している。より好ましくは、解放されたときの復元率が約75%以上であるように、圧縮ヒステリシス損は約25%未満である。この実施形態では、反応システムは出力量を、つまり製品の表面に存在する便および/または着用者の皮膚に隣接する便を、その便を捕らえるか囲むための機能のトリガーとして使用するので、システムはフィードバック制御ループを備えている。この例では、フィードバック制御ループ反応システムは非変調型である。なぜならシステムは1回限りのスイッチとして作用し、出力に対する所望の設定点レベルを維持するために、連続的にまたは繰り返して入力を変更しない。しかしながら、本発明の実施形態とは対照的に、バッグ92が尿に溶け、装置90が便を捕らえる場合、排泄物隔離装置は開ループシステムを備え、例えば、反応システムは開ループシステムを備えている。なぜなら、システムの出力、つまり製品の表面に存在する便および/または着用者の皮膚に隣接する便が入力、つまり尿に影響を与えないからである。
【0062】
本発明の連続的閉ループの実施形態はpH緩衝液システムのまわりに外皮を形成する、pH感応性の水溶性フィルムを備えていてよい。上述の可溶性材料がpH感応性であってよい。そういうものとして、可溶性材料はpHしきい値を有していてよい。可溶性材料の「pHしきい値」とは、そのpHにおいて材料が可溶性から不溶性に変化する、あるいはその逆に変化するpHである。例えば、可溶性材料は6未満のpHでは実質的に不溶性であるが、6より高いpHでは可溶性であってよい。このようにその材料のpHしきい値はpH6である。本発明の好ましい実施形態では、可溶性材料のpHしきい値は好ましくは約5〜約9であり、他のpHしきい値も企図されるが、好ましくは約5.5〜約8.5である。pHの変化は可溶性材料の溶解の原因またはトリガーとなり得るが、排泄物通過部材の溶解率を増減させる助けをするためにも使用されてよい。このように、製品の上に置かれる排泄物のタイプおよび量等の要素に応じて、排泄物通過部材の性能を変化させることができる。排泄物通過部材は更に、1998年6月29日に出願された「使い捨て吸収体と共に使用される方向的に優先的な排泄物通過部材(Directionally Preferential Waste Passage Member For Use With Disposable Absorbent Article)」と題する米国特許出願_____(P&Gケース番号7191に記載されており、この出願は参照してここに組み込まれる。pH感応性フィルムは好ましくは約5〜7の範囲のpHしきい値を有している。pH緩衝液は、例えば、ニューヨーク州コーニングのコーニング社(Corning, Inc., Corning, NY)から入手できるpH7のリン酸緩衝液(カタログNo.473650)であってよい。しきい値pHに達した時、pH緩衝液が解放され、化学量的な化学反応を介して連続的な方法で機能する。このシステムはpHを検出して、pHに基づいて、つまり入力に基づいて作用するので、このシステムは閉ループである。
【0063】
本発明の別の実施形態では、上述の例において説明したようなフォーム材料、または別の弾性材料をねじって、ねじり機械的ポテンシャルエネルギーを作り出し、上述のように可溶性フィルムの外皮またはバッグ、カプセルに封じ込めてもよい。好ましくは、ねじられた弾性材料は可溶性フィルムまたは外皮、バッグ、カプセル内に真空状態でねじられた位置に保持される。この実施形態では、水分、pH等のしきい値レベルが検出されると、フィルムまたはカプセルが溶解して、不連続的に真空を解除し、フォームを解放する。蓄積されたねじり機械的ポテンシャルエネルギーがフォームを解き放ち、便または尿、月経等の排泄物を保管、捕捉または捕らえる、着用者の皮膚をぬぐう、皮膚処理剤を着用者の皮膚に塗る等の反応機能を果たすことができる。可溶性材料が便の水分または便酵素の存在下に溶解する場合、例えば、反応システムが「コルクスクリュー」ポンプ効果によって便を輸送する等、便に対して反応機能を果たす場合、この実施形態は閉ループ反応を備えている。この実施形態では、反応システムが非変調型の不連続反応を提供する。しかしながら、本発明の閉ループの実施形態と対立したものとして、アクチュエーターが着用者の皮膚等、入力以外のものに作用する場合、反応システムは開ループシステムを備えている。
【0064】
別の実施形態では、電気センサーが着用者の外部肛門括約筋の電気活動の変化を検出して、切迫した排尿および/または排便を予想する、つまり順向センサーであってよい。筋肉の電気活動のしきい値信号低下の検出と同時に、コントローラーがアクチュエーターを始動させ、排便が着用者にとって便利である時まで、肛門括約筋に作動電流を送って肛門括約筋を閉じても良い。本発明のこの実施形態では、反応システムは、着用者の外部肛門括約筋の電気活動に反応し、肛門括約筋に信号を送って肛門括約筋を閉じたまま保持するフィードバック制御ループを含んでいる。しかしながら、本発明の実施形態と比較して、センサーまたはコントローラーが、例えば、弁を開放して水を放出し、圧縮されたフォームを上述のように真空圧縮下に保持するバッグの水溶性部分、シールを溶解させ、切迫した排尿および/または排便の排泄物捕獲の準備をするか、あるいは、スキンケア組成物の解放をもたらし、便が皮膚と接触する前に、皮膚表面を処理してもよい。この実施形態では、反応システムは電気活動入力信号以外のものに作用する、つまり便または製品に作用しているので、このシステムは開ループ反応システムを備えている。
【0065】
更に別の実施形態では、pH制御剤がフィルムまたは粒剤に埋め込まれるか、または予め指定されたpH以下(例えば、約6.0のpH未満)では不溶性である、つまり固体であるが、そのpHレベル以上では可溶であるpH感応材料のフィルムの下に、保持されてよい。しきい値pHレベル以上の検出と同時に、pH感応性の埋め込み材料または上にある材料が溶解して、pH制御剤を解放し、排泄物および/または着用者の皮膚を処理する。埋め込まれたpH制御剤の場合、埋め込み材料が溶解するにつれて、反応システムは連続的な方法で薬剤を解放する。フィルムの下に保持されているpH制御剤の場合、反応システムはフィルムが溶解した後、不連続的な方法で薬剤を解放する。pH制御剤は緩衝液、または酸等のpH低下剤、または塩基等のpH上昇剤であってよい。本実施形態の変形は、便または尿、月経等の排泄物に存在するかもしれない1つ以上の標的酵素による加水分解と同時に、pH変動を生じさせるであろう基質を含んでいてもよい。標的酵素が基質と反応した時、その反応がpH変動を生じさせ、それが上述のものと同様のpH感応材料と反応して、pH制御剤を解放し得る。酵素抑制剤がpH感応材料に埋め込まれていてもよい。標的酵素、例えば便酵素の存在が基質の変換とpHの変動を生じさせ、pH感応材料の溶解と酵素抑制剤の解放を生じさせ、便または着用者の皮膚を処理してもよい。例示的なpH感応材料は業界で公知であり、ポリアクリルアミド、フタレート誘導体、形式化された(formalized)ゼラチン、シェラック、ケラチン、酸化セルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸誘導体を含んでいる。好ましい材料はセルロースアセテートフタレート、ビニルアセテート、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、およびアクリル酸、およびアクリル酸エステルコポリマーとブレンドされたポリメタクリレートを含んでいる。その他の例示的な材料は、参照してここに組み込まれる、「pHによりトリガーされた透過性バースティング送出装置(pH Triggered Osmotic Bursting Delivery Devices)」と題するEP612,520 A2号に記載されている。
【0066】
本発明の反応システムの更なる実施形態は、入力、または排泄物または着用者、製品に対して薬剤を放出する、つまり能動的に輸送することができ、その入力が反応機能を実施するための成分である。この実施形態では、例えば、アクチュエーター70が入力、または排泄物または着用者、製品に対して薬剤を放出する、圧縮された弾性フォームまたは閉鎖システム液体輸送部材を備えていてよく、その入力が入力をセンサーが検出する時の成分である。例えば、薬剤はスキンケア組成物、酵素抑制剤、pH制御剤等を含んでいてよい。
【0067】
pH感応材料の溶解に反応してpH制御剤を解放または放出する上述した本発明の実施形態は、しきい値pHレベルに達した後、pHレベルに基づいて作用するフィードバック制御ループを有する反応システムを備えている。これらの実施形態は変調型または非変調型であってよい。例えば、解放されたpH制御剤がpH上昇成分とpH低下成分の両方を含む緩衝液である場合、該システムは製品内で連続的にpHをモニターし、pHを上昇または低下させて、製品内のpHレベルを所望の設定点に、または緩衝液の目標範囲内に維持する変調型フィードバック制御ループシステムを備えている。しかしながら、例えば、反応システムが最初のpHしきい値レベルにおいてpH低下剤のみを解放する場合、システムは非変調型フィードバック制御ループシステムを備えている。なぜなら薬剤が使い尽くされ、所望のpHレベルに、または目標pH範囲内にシステムのpHを維持しなくなるまで、pH低下剤がシステムのpHを低下させるからである。しかしながら、製品に置かれた排泄物がpHレベルを上昇させ、製品内のpHレベルがしきい値pHレベルに達する度に、システムが所定量のpH低下剤を解放することが公知である場合、システムは製品のpHがシステムの所望の設定点を超える時はいつでも、pH制御剤を繰り返し解放するので、このシステムは変調型フィードバック制御ループシステムを備えていてよい。しかしながら、フィードバック制御ループを備える本発明の実施形態とは対照的に、しきい値レベルに達したpHレベルに反応してpHレベル以外のものに作用する薬剤(例えば、便酵素抑制剤)を解放または放出する上記の例は、開ループ反応システムを備えている。これらの例では、反応システムはモニターされている入力状態、つまりpHレベルに影響を及ぼさない薬剤を解放する。
【0068】
別の実施形態では、電解液水が回路を、つまりスイッチとして完成した時、充分な量の水含有電解液が(例えば、尿または便から)電気センサーによって検出され、相転移等の化学反応を開始させるために、電池等の蓄積エネルギー源から電流を生じさせることができる。例えば、電流が感電ゲルに印加され、ゲルが形状寸法を変化させて製品内に便用の空所を作成するようにしてもよい。この場合も、本実施形態は、感知された入力が反応システムによって影響されているかどうかに応じて、開ループまたはフィードバック制御ループシステムであってよい、不連続反応システムを備えている。本発明の一実施形態では、センサーが便の水分を検出し、反応システムが感知された入力に基づいて作用するので、このシステムはフィードバック制御ループシステムを備えている。この実施形態では、空所が便と共に便の水分を捕らえ、水分が蒸発するかまたはセンサー要素から離して引き寄せられ、それによって回路を開き、センサーが便の水分を再び検出した時、コントローラーが別の空所を活性化する場合、フィードバック制御ループシステムが更に変調型システムを備えている。しかしながら、それと比較して、センサーが尿内の水分を検出した場合、便を受け入れるための空所を作り出す反応システムは、開ループシステムを備えている。
【0069】
本発明の更なる実施形態では、しきい値レベルの膨張が発生した時、電気回路を完成させるために一対の電気接点を機械的に閉じるセンサーとして、液体を吸収した時に膨張する吸収材料を使用し得る。この実施形態では、電気回路が不連続方法でアクチュエーターをトリガーし、排泄物や着用者や製品やそれらの成分に対して反応機能を果たしてもよい。例えば、アクチュエーターが弁を開いて、製品の別の部分へと液体を流し、製品の別の部分へと液体をポンプで送り、感電ゲルの形状寸法の変化を生じさせて形状寸法を変化させ、液体を製品の別の部分に流す等を行うことができる。しかしながら、反応システムが,スキンケア組成物等の解放等、入力以外のものに対して反応機能を実施する場合、反応システムは開ループシステムを備えているであろう。
【0070】
便または排泄物成分等の排泄物に反応する材料によって、繊維またはフィルム、不織布、他のセル形構造等の材料を所定の形状に抑制してもよい。排泄物が抑制材料と接触すると、抑制材料は繊維、フィルム、不織布、または他のセル形構造を解放して排泄物を着用者の皮膚から離して捕らえるか、または隔離し得る。尿または便の水分、便酵素に反応して、溶解するか、弱められる材料によって、製品内の空所から離れた2つの抑制点において、例えば、弾性バリヤーが抑制されてもよい。便が空所に置かれ、一方または両方の抑制点にある抑制材が溶解すると、弾性バリヤーが不連続的な方法で空所と接触し、空所をカバーして、便を着用者の皮膚から隔離し得る。
【0071】
本発明の更に別の実施形態では、反応システムは上昇した「非目標」pH水内において連続的に溶解してpH緩衝液の連続的解放を可能にするpH感応材料に埋め込まれたpH緩衝液を備えていてよい。非目標pHレベルを有する水分がpH感応材料と接触するにつれて、材料が連続的に溶解し、多量のpH緩衝液を解放し、それが水分のpHレベルを目標pHレベルに変化させる、つまり、反応システムが入力に基づいて作用する。非目標pHレベルを有する増大する量の水分がpH感応材料と接触するにつれて、材料が増大する量のpH緩衝液を解放する。従って、反応システムは連続的閉ループ反応システムを備えている。
【0072】
更に別の実施形態では、酵素分解可能なフィルムまたはカプセル等のセンサーによって、あるいは上述のようなバイオセンサーによって1つ以上の便酵素を検出し、別のアクチュエーター、例えば電気的に操作される弁を始動させて、皮膚を処理するために酵素抑制剤を解放し得る。例示的な酵素抑制剤は、1998年3月12日に出願された「酵素抑制剤を含有するスキンケア組成物を有する使い捨て吸収体(Disposable Absorbent Article Having A Skin Care Composition Containing An Enzyme Inhibitor)」と題する米国特許出願09/041,266号に開示されており、この出願は参照してここに組み込まれる。更に別の実施形態では、pH感応ゲルを使用して特定のpH状態を検出してもよく、このゲルは皮膚を処理するために、弁を開いてpH制御剤を解放し得る。別の実施形態では、予め限定された圧力しきい値を検出して、カプセルまたは「バブル」の破壊を引き起こし、スキンケア処理剤または組成物の解放をもたらす。例示的なスキンケア組成物(またはローション)は、1997年3月4日にDonald C. Roeに対して発行された「皮膚軟化剤とポリオールポリエステル固定化剤とを含む、ローション付きトップシートを有する使い捨て吸収体(Disposable Absorbent Article Having A Lotioned Topsheet Containing An Emollient and a Polyol Polyester Immobilizing AgentAgent)」と題する米国特許第5,670,760号、1997年3月11日にDonald C. Roeに対して発行された「液体ポリオールポリエステル皮膚軟化剤と固定化剤とを含む、ローショントップシートを有するおむつ(Diaper Having A Lotion Topsheet Comprising A Liquid Polyol Polyester Emollient And An Immobilizing Agent)」と題する米国特許第5,609,587号、1997年6月3日にDonald C. Roeらに対して発行された「ポリシロキサン皮膚軟化剤を含む、ローション付きトップシートを有するおむつ(Diaper Having A Lotioned Topsheet Containing A Polysiloxane Emollient)」と題する米国特許第5,635,19号、および1997年7月1日にDonald C. Roeらに対して発行された「ローション付きトップシートを有するおむつ(Diaper Having A Lotioned Topsheet)」と題する米国特許第5,643,588号、および各々1997年9月10日に出願された米国特許出願08/926,532号および08/926,533号に開示されており、上記の特許および出願の各々が参照してここに組み込まれる。
【0073】
本発明の特定の非制限的な実施形態および例を図示し説明してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、幾多の変更および修正を行えることが当業者には自明であろう。例えば、主として使い捨ておむつに関連して本発明を図示し説明してきたが、本発明はこの実施形態に制限されない。本発明は、例えば、使い捨ておむつの適用前に着用者に直接適用される製品に使用されてもよいし、あるいは使い捨ておむつの代わりに、引き上げ装着おむつ、おむつインサート、生理用ナプキン、タンポン等に使用されてもよい。従って、本発明の範囲内にあるこのような変更及び修正の全ては特許請求の範囲に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】図1は、製品の構成をより明確に示すために構造の一部が破断された、平らにされた状態の、本発明により作られた製品の平面図であり、ここではこの製品はおむつである。
【図2】図2は、活性化前の圧縮された状態の、本発明の排泄物隔離装置の斜視図である。
【図2A】図2Aは、図2の線2A−2Aに沿って取られた断面図である。
【図3】図3は、活性化後の図2の一実施形態の斜視図である。
【図3A】図3Aは、図3の線3A−3Aに沿って取られた図3の断面図である。
【図4】図4は、活性化後の図2の代替実施形態の斜視図である。
【図4A】図4Aは、図4の線4A−4Aに沿って取られた図4の断面図である。
【図5】図5は、可溶性カプセルを含む本発明の一実施形態の斜視図である。
【図6A】図6Aは、例示的な開ループ反応システムのブロック図である。
【図6B】図6Bは、例示的な閉ループ反応システムのブロック図である。
【図6C】図6Cは、コントローラを含む例示的な開ループ反応システムのブロック図である。
【図6D】図6Dは、コントローラを含む例示的な閉ループ反応システムのブロック図である。
【図7A】図7Aは、1つのしきい値レベルを有する本発明の不連続反応システムの理想的な出力関数を示している。
【図7B】図7Bは、多数のしきい値レベルを有する本発明の不連続反応システムの理想的な出力関数を示している。
【図8A】図8Aは、出力関数の第1、第2、第3の導関数に沿った、本発明の不連続反応システムの例示的な出力関数を示している。
【図8B】図8Bは、等しい時定数を有する一連の第1オーダーの時間のずれを有している、制御システムの伝達関数を示している。
【図9A】図9Aは、本発明の機械的ポンプを含む反応システムの一実施形態の断面図である。
【図9B】図9Bは、本発明の機械的ポンプを含む反応システムの一実施形態の断面図である。
【図9C】図9Cは、本発明の機械的ポンプを含む反応システムの一実施形態の断面図である。
【図10A】図10Aは、感電ゲルを含む、本発明の反応システムの一実施形態を示している。
【図10B】図10Bは、感電ゲルを含む、本発明の反応システムの一実施形態を示している。
【図11A】図11Aは、感電ゲルを含む、本発明の反応システムの別の実施形態を示している。
【図11B】図11Bは、感電ゲルを含む、本発明の反応システムの別の実施形態を示している。
【図11C】図11Cは、感電ゲルを含む、本発明の反応システムの別の実施形態を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者にフィットされる使い捨て製品であって、前記製品は、
(i)前記製品に機能的に接続されたセンサーであって、入力を検出するように適合されているセンサーと、
(ii)前記センサーに機能的に接続されたアクチュエーターであって、前記入力に基づいて反応機能を実施するように適合されており、前記センサーと別個の成分を備えているアクチュエーターと、
(iii)前記センサーが前記入力を検出した時に前記入力に応じて前記反応機能を実施するように前記アクチュエーターが適合されているフィードバック制御ループとを含む反応システム(a)を備えていることを特徴とする使い捨て製品。
【請求項2】
前記アクチュエーターは、連続的に、あるいは不連続的に、あるいはステップ状不連続的に、前記反応機能を実施する、請求項1に記載の使い捨て製品。
【請求項3】
前記不連続的反応システムが以下の式:
【数1】

によってモデル化され得る1つの出力関数を有し、式中、前記係数kが、約2.0、約3.0、約5.0、約10.0、約100の値以上であるように、前記不連続的反応機能が実施される、請求項2に記載の使い捨て製品。
【請求項4】
前記不連続的反応システムが式:KG(s)=K/(Ts+1)nの伝達関数を有する制御システムによってモデル化され得る出力関数を有し、式中、前記nの値が、約25、約50、約100の値以上であるように、前記反応機能が実施される、請求項2または3に記載の使い捨て製品。
【請求項5】
更に液体透過性のトップシートと、前記トップシートに接合されるバックシートと、前記トップシートの少なくとも一部と前記バックシートの少なくとも一部の間に配置された吸収性コアとを備えている、前記請求項のいずれかひとつに記載の使い捨て製品。
【請求項6】
更にコントローラーを備えおり、前記コントローラーは、前記センサーからの信号を受信し、前記センサーが前記入力を検出した時に前記アクチュエーターが前記反応機能を実施するように適合されている、前記請求項のいずれかひとつに記載の使い捨て製品。
【請求項7】
前記センサー、アクチュエーターおよび/またはコントローラーは別個の成分である、前記請求項のいずれかひとつに記載の使い捨て製品。
【請求項8】
前記フィードバック制御ループが変調型フィードバック制御ループであるか、あるいは非変調型フィードバック制御ループである、前記請求項のいずれかひとつに記載の使い捨て製品。
【請求項9】
更に、第2のセンサーおよび/または第2のアクチュエーターを備えており、前記第2のセンサーが第2の入力を検出するように適合されており、および/または、前記アクチュエーターまたは前記第2のアクチュエーターは、前記第2のセンサーが前記第2の入力を検出した時に前記第2の入力に応じて第2の反応機能を実施するように、あるいは前記センサーが前記入力の第2のしきい値レベルを検出した時に前記入力に応じて第2の反応機能を実施するように適合されている、前記請求項のいずれかひとつに記載の使い捨て製品。
【請求項10】
前記アクチュエーターは、前記センサーが前記入力を検出したか、前記第2のセンサーが前記第2の入力を検出した時に、前記反応機能を実施するように適合されている、前記請求項のいずれかひとつに記載の使い捨て製品。
【請求項11】
前記反応機能は、ポテンシャルエネルギーを運動エネルギーに変換する、蓄積された材料を放出する、pH制御剤を解放する、酵素抑制剤を解放する、スキンケア組成物を解放する、蓄積材料を放出する、活性成分を放出する、着用者の皮膚に蓄積材料を放出する、排泄物に対して蓄積材料を放出する、便を捕らえる、便を包み込む、空所を提供する、液体排泄物をポンプで汲み上げるの中から選ばれた群の1つ以上を備えている、前記請求項のいずれかひとつに記載の使い捨て製品。
【請求項12】
前記アクチュエーターは前記反応機能を実施するためにポテンシャルエネルギーを変換するように適合されており、前記ポテンシャルエネルギーは、蓄積機械エネルギー、圧縮機械エネルギー、ねじり機械エネルギー、蓄積化学エネルギー、蓄積電気エネルギー、電池の1つ以上の群から選ばれる、前記請求項のいずれかひとつに記載の使い捨て製品。
【請求項13】
前記センサーは、電気センサー、機械センサー、化学センサー、閉鎖システム液体輸送部材の群から選ばれる、前記請求項のいずれかひとつに記載の使い捨て製品。
【請求項14】
前記アクチュエーターは、真空解除、化学的アクチュエーター、電気ポンプ、機械的アクチュエーター、圧縮された弾性材料、真空密封された水溶性繊維に閉じ込められた圧縮された弾性材料、複数の個々に真空密封されたセル、機械ポンプ、電気アクチュエーター、感電ゲル、pH感応ゲル、塩濃度感応ゲル、閉鎖システム液体輸送部材の群から選ばれる、前記請求項のいずれかひとつに記載の使い捨て製品。
【請求項15】
前記入力は、圧力、水、pH、電気活動、酵素の群から選ばれる、前記請求項のいずれかひとつに記載の使い捨て製品。
【請求項16】
前記製品が、おむつ、トレーニングパンツ、生理用ナプキン、タンポン、人工肛門形成タイプのバッグの群から選ばれる、前記請求項のいずれかひとつに記載の使い捨て製品。
【請求項17】
前記センサーは排泄物に関連する入力を検出するように適合されており、前記アクチュエーターは真空密封フィルムに封じ込められた圧縮弾性材料を含み、前記フィードバック制御ループは、前記センサーが前記排泄物を検出した時に前記排泄物を吸収するか包み込むように適合されている、前記請求項のいずれかひとつに記載の使い捨て製品。
【請求項18】
前記センサーはpH感応フィルムを備えており、前記アクチュエーターはpH制御剤を備えており、前記センサーは、目標範囲外のpHレベルを検出した時に、前記アクチュエーターが前記pH制御剤を解放するように適合されている、前記請求項のいずれかひとつに記載の使い捨て製品。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図3A】
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【図4】
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【図4A】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【公開番号】特開2010−207595(P2010−207595A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−106642(P2010−106642)
【出願日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【分割の表示】特願2000−556736(P2000−556736)の分割
【原出願日】平成11年6月29日(1999.6.29)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】