説明

フィールド機器の状態監視装置

【課題】円滑な通信によりフィールド機器を適切に監視できる状態監視装置を提供する。
【解決手段】複数のフィールド機器および上位機器を結ぶ通信経路上に配置された通信装置を備える。前記通信装置は、前記複数のフィールド機器との間で通信を繰り返すことにより、逐次前記機器情報を前記複数のフィールド機器から収集する収集手段と、前記収集手段により取得された前記機器情報を逐次記憶する記憶手段と、前記上位機器からの要求を受けて、前記記憶手段に記憶された最新の前記機器情報を前記上位機器に向けて転送する転送手段と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィールド機器の機器情報を上位機器に向けて送信することで前記フィールド機器の状態を監視する状態監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
分散型フィールド制御システムで使用しているフィールド機器(例えば、HART(登録商標)機器)の状態を監視する方法として、操作監視装置や機器情報(バルブの開閉等のフィールド機器への制御命令に対する応答結果情報とフィールド機器の状態情報)を管理するための端末装置等の上位機器から周期的にあるいはオンデマンドに、各フィールド機器に対して機器情報の返信を要求する(コマンドを発行する)方法がとられている。要求(コマンド)を受けたフィールド機器は、自らが保有する機器情報をその都度、返信する。上位機器とフィールド機器とを結ぶ通信経路上には、フィールドコントローラおよび入出力装置が配置されており、上記の要求および返信は、いずれもフィールドコントローラおよび入出力装置を経由して転送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−339421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の方法では、フィールド機器の監視のための通信負荷が大きく、監視の周期を短縮することが困難である。また、コマンドの発行から返信の受信までに要する時間(ターンアラウンド時間)の短縮化が望まれている。さらに、ある特定のフィールド機器と上位機器とを結ぶ通信回線は1回線であるため、監視のための周期的な通信により、オンデマンドな要求およびその要求に対する返信の送受信が阻害される可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、円滑な通信によりフィールド機器を適切に監視できる状態監視装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の状態監視装置は、フィールド機器の機器情報を上位機器に向けて送信することで前記フィールド機器の状態を監視する状態監視装置において、複数のフィールド機器および前記上位機器を結ぶ通信経路上に配置された通信装置を備え、前記通信装置は、前記複数のフィールド機器との間で通信を繰り返すことにより、逐次前記機器情報を前記複数のフィールド機器から収集する収集手段と、前記収集手段により取得された前記機器情報を逐次記憶する記憶手段と、前記上位機器からの要求を受けて、前記記憶手段に記憶された最新の前記機器情報を前記上位機器に向けて転送する転送手段と、を具備することを特徴とする。
この状態監視装置によれば、複数のフィールド機器との間で通信を繰り返すことにより、逐次機器情報を前記複数のフィールド機器から収集する収集手段と、上位機器からの要求を受けて、最新の機器情報を上位機器に向けて転送する転送手段と、を具備するので、最新の機器情報を速やかに転送できる。
【0007】
前記上位機器から前記フィールド機器に対してされたオンデマンドな要求に対して、前記フィールド機器から前記上位機器へ前記通信装置を介して前記機器情報が返信された場合、前記記憶手段は前記転送手段による転送対象として当該機器情報を記憶してもよい。
【0008】
前記フィールド機器から返信されてきた前記機器情報を前記記憶手段が記憶した場合、前記収集手段は当該フィールド機器からの当該機器情報の次の収集を省略してもよい。
【0009】
前記上位機器からのオンデマンドな要求を受け付ける要求受付手段を備え、前記収集手段は、前記要求受付手段を介して受け付けた前記要求に応じて、対応する前記機器情報を前記フィールド機器から繰り返し取得し、前記記憶手段は前記転送手段による転送対象として当該機器情報を逐次記憶してもよい。
【0010】
前記上位機器は、前記要求受付手段を介して受け付けた前記要求に応じて前記記憶手段により逐次記憶される最新の機器情報の取得を繰り返し要求し、前記転送手段はこの取得の要求の個々に応じて当該最新の機器情報を前記上位機器に向けて送信してもよい。
【0011】
前記通信装置は、分散型フィールド制御システムを構成するフィールドコントローラに設けられてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の状態監視装置によれば、複数のフィールド機器との間で通信を繰り返すことにより、逐次機器情報を前記複数のフィールド機器から収集する収集手段と、上位機器からの要求を受けて、最新の機器情報を上位機器に向けて転送する転送手段と、を具備するので、最新の機器情報を速やかに転送できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】分散型フィールド制御システムの構成例を示すブロック図。
【図2】実施例1の状態監視装置の動作を示す図であり、(a)は状態監視のための通信手順を示す図、(b)はHARTフレームの構成を示す図。
【図3】フィールドコントローラの動作を示すフローチャート。
【図4】端末装置の動作を示すフローチャート。
【図5】オンデマンドな要求がされた場合の通信手順を示す図。
【図6】実施例2の状態監視装置の動作を示すフローチャート。
【図7】状態監視のための通信手順を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明による状態監視装置の実施形態について説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明による状態監視装置が適用される分散型フィールド制御システムの構成例を示すブロック図、図2は実施例1の状態監視装置の動作を示す図であり、図2(a)は状態監視のための通信手順を示す図、図2(b)はHARTフレームの構成を示す図である。
【0016】
図1および図2(a)に示すように、分散型フィールド制御システムは、プラントに配置されたフィールド機器1,1,・・・を制御するフィールドコントローラ2,2,・・・と、フィールド機器1,1,・・・およびフィールドコントローラ2の間に設けられた入出力装置3と、フィールドコントローラ2,2,・・・を介してフィールド機器1,1,・・・のプロセスデータに対する操作・監視を行うための操作監視装置4と、フィールド機器1,1,・・・の機器情報を管理することでフィールド機器1,1,・・・の状態監視を行うための端末装置5と、を備える。フィールド機器1,1,・・・はHART機器として構成されている。
【0017】
図1に示すように、フィールドコントローラ2,2,・・・、操作監視装置4および端末装置5は、通信回線7を介して互いに接続されている。
【0018】
図2(a)に示すように、フィールド機器1およびフィールドコントローラ2は、入出力装置3の入出力モジュール31を介して接続されている。
【0019】
図3は、フィールドコントローラ2の動作を示すフローチャート、図4は、端末装置5の動作を示すフローチャートである。以下、図3および図4を参照して、本実施例の状態監視装置の動作について説明する。
【0020】
図3のステップS1〜ステップS5の処理は、収集手段および記憶手段の機能に対応する。
【0021】
返信データを収集すべきフィールド機器、収集の順序、収集の周期等、返信データの収集手順は予めフィールドコントローラ2に登録されており、フィールドコントローラ2は登録された収集手順に従って、ステップS1〜ステップS5の処理を実行する。
【0022】
図3のステップS1では、フィールドコントローラ2は1つのフィールド機器1を選択する。次に、ステップS2では、ステップS1において選択されたフィールド機器1についてのフラグがオンしているか否か判断し、判断が肯定されればステップS4およびステップS5をスキップしてステップS3へ進み、判断が否定されればステップS4へ進む。フラグについては後述する。
【0023】
ステップS3では、フラグをオフし、ステップS1へ戻る。
【0024】
一方、ステップS4では、フィールド機器1に対して状態監視のためのHARTコマンドを発行する。図2(a)に示すように、発行されたコマンドは入出力モジュール31を介してフィールド機器1に送信され、フィールド機器1からレスポンスコードを含む返信データが返信される。この返信データは入出力モジュール31を介してフィールドコントローラ2に到達する。
【0025】
次にステップS5では、フィールド機器1からの返信データに含まれるレスポンスコードをメモリ21に格納し、ステップS1へ戻る。ステップS1では、次のフィールド機器を選択する。
【0026】
このように、フィールドコントローラ2は、順次、フィールド機器を選択し、レスポンスコードを取得してメモリ21に格納する。
【0027】
レスポンスコードは、HART規格に準拠したHARTコマンドの返信データに付されるコードで、機器の状態を簡易的に示すものである。図2(b)に示すHARTフレームヘッダーにあるレスポンスコードは、データ長1byteであり、機器異常の発生がない場合、値が0であり、ワーニングまたはエラーがある場合、0以外の値をとる。レスポンスコードは、コマンド0以外のすべてのHARTコマンドの返信に付加されている。
【0028】
図3のステップS11〜ステップS13は、収集手段の機能に対応する。
【0029】
図3のステップS11では、フィールドコントローラ2は、端末装置5からのオンデマンドなHARTコマンドが受信されるのを待ってステップS12へ進む。
【0030】
図5は、端末装置5からオンデマンドな要求がされた場合の通信手順を示す図である。図5に示すように、端末装置5からのオンデマンドなHARTコマンドが発行されると、そのHARTコマンドはフィールドコントローラ2、入出力モジュール31を介してフィールド機器1に送信され、フィールド機器1はHARTコマンドに対する返信データを返す。返信データは、入出力モジュール31、フィールドコントローラ2を介して端末装置5に送信される。上記のオンデマンドなHARTコマンドが発行された場合に、ステップS11の判断が肯定される。
【0031】
ステップS12では、上記のフィールド機器1からの返信データに含まれるレスポンスコードを、返信データから取得し、メモリ21に格納する。
【0032】
次に、ステップS13では、フラグをオンし、ステップS11へ戻る。
【0033】
このように、フラグはオンデマンドなHARTコマンドに対する返信データに含まれるレスポンスコードがメモリ21に格納されたことを示している。フラグがオンしている場合には、当該フィールド機器についてレスポンスコードを取得(ステップS4およびステップS5)することなく、次のフィールド機器に対する処理に移行する。これにより、レスポンスコードを取得する処理が1回だけ省略されることになる。
【0034】
図3のステップS21〜ステップS23は、受付手段および転送手段の機能に対応する。
【0035】
図3のステップS21では、端末装置5からの機器状態の返信要求(図2(a))を受信したか否か判断し、判断が肯定されるのを待ってステップS22へ進む。
【0036】
ステップS22では、機器状態の返信要求により指定されたフィールド機器1について最新のレスポンスコードをメモリ21から取得する。このとき、メモリ23から取得されるレスポンスコードは、ステップS5またはステップS12において最後に格納されたものである。
【0037】
次に、ステップS23では、メモリ21から取得されたレスポンスコードを端末装置5に向けて送信し、ステップS21へ戻る。これにより、端末装置5はフィールドコントローラ2が保有する最新のレスポンスコード2を取得できる。
【0038】
図4のステップS31〜ステップS34は、端末装置5におけるオンデマンドな要求(図5)を行う動作を示している。
【0039】
図4のステップS31では、端末装置5は、フィールドコントローラ2から送信(ステップS23)されてきたレスポンスコードの値に基づいて、対応するフィールド機器1に異常が発生しているか否か判断し、判断が肯定されればステップS33へ進み、判断が否定されればステップS32へ進む。
【0040】
ステップS32では、オンデマンドな要求を行う必要があるか否か判断し、判断が肯定されればステップS33へ進み、判断が否定されればステップS31へ戻る。
【0041】
ステップS33では、異常が発生していると判断された場合(ステップS31;YES)あるいはその他の場合(ステップS32;YES)、対応するフィールド機器1に対して、オンデマンドな要求(HARTコマンド)を発行する(図5)。
【0042】
次に、ステップS34では、オンデマンドな要求に対する返信データ(図5)を取得し、ステップS31へ戻る。
【0043】
端末装置5からのオンデマンドな要求に対する返信データには、詳細な異常情報、あるいはその他の必要な情報が含まれている。オンデマンドな要求(HARTコマンド)には、異常が発生していると判断された場合にされる詳細情報の送信要求のほか、例えば、パラメータの設定変更(例えば、4−20mA信号とバルブ開度との対応関係の変更)の指示などが含まれる。
【0044】
以上のように、本実施例では、フィールドコントローラ2が予め登録された収集手順に従って自発的、継続的にレスポンスコードの収集を行ってメモリに保持し、上位の端末装置5がメモリに保持されたレスポンスコードを取得するため、端末装置5から見たターンアラウンド時間を大幅に短縮できる。
【0045】
また、端末装置5はすべてのフィールド機器1,1,・・・に対しての要求を逐次的に行う必要がなく、複数のフィールド機器1についての状態監視結果を1回の要求で取得できるため、端末装置5とフィールドコントローラ2間を結ぶ通信回線7に対する負荷を軽減できる。
【0046】
さらに、ある特定のフィールド機器へのオンデマンドな要求が発行された場合、その要求に対する返信データに含まれるレスポンスコードをフィールドコントローラ2に保持するため、このレスポンスコードを利用することが可能となる。またこの場合、フィールドコントローラ2によるレスポンスコードの収集を1回中止することにより、フィールドコントローラ2およびフィールド機器1間のHART通信の通信量を軽減できる。
【0047】
返信データの収集手順を予めフィールドコントローラ2に登録する際に、端末装置5から登録手順をフィールドコントローラ2に送信することで収集手順を登録することができる。あるいは、フィールドコントローラ2が自発的にHART機器を認識し、予めフィールドコントローラ2のプログラムに組み込んだHARTコマンドとともに登録処理を完了する方法をとることもできる。
【0048】
また、上記実施例では、HARTコマンドを自発的、継続的に発行する主体をフィールドコントローラ2としているが、これを入出力装置3としてもよい。
【実施例2】
【0049】
以下、図6および図7を参照して、実施例2の状態監視装置について説明する。
【0050】
図6は実施例2の状態監視装置の動作を示すフローチャート、図7は状態監視のための通信手順を示す図である。実施例2の状態監視装置は、実施例1の状態監視装置と共通の構成要素を備え、図1に示す分散型フィールド制御システムに適用される。
【0051】
以下、本実施例の状態監視装置の動作について説明する。
【0052】
図6のステップS41〜ステップS47は、フィールドコントローラ2における収集手段および記憶手段の機能に対応する動作を示している。
【0053】
図6のステップS41では、フィールドコントローラ2は端末装置5からのオンデマンドな要求が発行されるのを待ってステップS42へ進む。ステップS42では、タイマをセットして計時を開始する。
【0054】
ステップS43では、ステップS41で認識されたオンデマンドな要求に対応するコマンドを対応するフィールド機器1に対して送信する。
【0055】
次に、ステップS44では、ステップS43で送信したコマンドに対する返信データ(機器情報)をフィールド機器1から取得し、メモリ21に格納する。
【0056】
次に、ステップS45では、タイマに基づいてタイムアウトか否か判断し、判断が肯定されればステップS41へ戻り、判断が否定されればステップS46へ進む。
【0057】
ステップS46では、端末装置5からの延長要求があったか否か判断し、判断が肯定されればステップS47へ進み、判断が否定されればステップS48へ進む。
【0058】
ステップS47では、タイマをリセットして計時を再開し、ステップS48へ進む。この場合、タイマのリセットによりタイマはステップS42の状態に戻る。
【0059】
ステップS48では、タイマに基づいて、予め指定されているコマンドの発行タイミングが到来したか否か判断し、判断が肯定されればステップS43に戻り、判断が否定されればステップS45へ戻る。
【0060】
図6のステップS51〜ステップS53は、フィールドコントローラ2における転送手段の機能に対応する動作を示している。
【0061】
図6のステップS51では、フィールドコントローラ2は、端末装置5からの機器情報の返信要求(図7)が受信されるのを待って、ステップS52へ進む。
【0062】
ステップS52では、ステップS44で格納した最新の返信データ(機器情報)をメモリ21から取得する。次に、ステップS53では、メモリ21から取得された返信データ(機器情報)を端末装置5に向けて返信し(図7)、ステップS51へ戻る。
【0063】
図6のステップS61〜ステップS64は、端末装置5における機器情報の取得動作を示している。この処理は、機器情報が必要となった場合に実行される。
【0064】
図6のステップS61では、端末装置5は、機器情報の返信を要求するタイミングが到来したか否か判断し、判断が肯定されればステップS62へ進み、判断が否定されればステップS63へ進む。
【0065】
ステップS62では、端末装置5は、機器情報の返信要求(図7)をフィールドコントローラ2に向けて送信する。次に、ステップS63では、端末装置5は、フィールドコントローラ2からの機器情報の返信(ステップS53,図7))を受信し、ステップS61へ戻る。
【0066】
一方、ステップS64では、機器情報の取得動作を延長するか否か判断し、判断が肯定される場合にはステップS65に進み、判断が否定される場合にはステップS66にスキップする。ここで、ステップS64の判断は、端末装置5に実装されたプログラムに基づいて、または操作者の操作に従って、機器情報の取得動作の延長が要求された場合に肯定される。
【0067】
ステップS65では、端末装置5は、延長要求をフィールドコントローラ2に向けて送信する。この場合、ステップS46の判断が肯定されることになる。
【0068】
次に、ステップS66では、機器情報の返信要求を終了するか否か判断し、判断が肯定されれば処理を終了し、判断が否定されればステップS61へ戻る。
【0069】
以上のように、本実施例では、端末装置5の要求に基づき、タイムアウト時刻に達するまでフィールドコントローラ2が自主的にフィールド機器から機器情報の取得を繰り返し、機器情報をメモリに格納している。このため、初回の要求に対するターンアラウンド時間については従来と同等であるが、2回目以降の返信については、フィールドコントローラ2が端末装置5からの機器情報の返信要求を受け取ると、即座に最新の機器情報をメモリから取得して返信することができるため、フィールド機器に要求を発行する場合に比べてターンアラウンド時間を大幅に短縮化できる。
【0070】
なお、フィールドコントローラ2が自主的に機器情報の取得のためのコマンド(ステップS43)を発行する時間間隔およびタイムアウト時間は、予めフィールドコントローラ2に設定しておけばよい。
【0071】
本実施例は、HARTに限定されず、Foundation Fieldbus(登録商標)、PROFIBUS(登録商標)、その他の規格に準拠した機器についても適用可能である。
【0072】
また、フィールド機器から機器情報を取得する主体はフィールドコントローラに限定されず、例えば、これを入出力装置としてもよい。
【0073】
また、本実施例は、機器管理のための機器情報を監視する用途に限らず、例えば、操作監視装置4等においてセンサの測定値などのプロセスデータのトレンドを取得、表示するような用途にも適用できる。本発明にいう「機器情報」は、プロセスデータを含む概念である。
【0074】
本発明の適用範囲は上記実施形態に限定されることはない。本発明は、フィールド機器の機器情報を上位機器に向けて送信することで前記フィールド機器の状態を監視する状態監視装置に対し、広く適用することができる。
【符号の説明】
【0075】
2 フィールドコントローラ(通信装置)
5 端末装置(上位機器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィールド機器の機器情報を上位機器に向けて送信することで前記フィールド機器の状態を監視する状態監視装置において、
複数のフィールド機器および前記上位機器を結ぶ通信経路上に配置された通信装置を備え、
前記通信装置は、前記複数のフィールド機器との間で通信を繰り返すことにより、逐次前記機器情報を前記複数のフィールド機器から収集する収集手段と、
前記収集手段により取得された前記機器情報を逐次記憶する記憶手段と、
前記上位機器からの要求を受けて、前記記憶手段に記憶された最新の前記機器情報を前記上位機器に向けて転送する転送手段と、
を具備することを特徴とする状態監視装置。
【請求項2】
前記上位機器から前記フィールド機器に対してされたオンデマンドな要求に対して、前記フィールド機器から前記上位機器へ前記通信装置を介して前記機器情報が返信された場合、前記記憶手段は前記転送手段による転送対象として当該機器情報を記憶することを特徴とする請求項1に記載の状態監視装置。
【請求項3】
前記フィールド機器から返信されてきた前記機器情報を前記記憶手段が記憶した場合、前記収集手段は当該フィールド機器からの当該機器情報の次の収集を省略することを特徴とする請求項2に記載の状態監視装置。
【請求項4】
前記上位機器からのオンデマンドな要求を受け付ける要求受付手段を備え、
前記収集手段は、前記要求受付手段を介して受け付けた前記要求に応じて、対応する前記機器情報を前記フィールド機器から繰り返し取得し、前記記憶手段は前記転送手段による転送対象として当該機器情報を逐次記憶することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の状態監視装置。
【請求項5】
前記上位機器は、前記要求受付手段を介して受け付けた前記要求に応じて前記記憶手段により逐次記憶される最新の機器情報の取得を繰り返し要求し、前記転送手段はこの取得の要求の個々に応じて当該最新の機器情報を前記上位機器に向けて送信することを特徴とする請求項4に記載の状態監視装置。
【請求項6】
前記通信装置は、分散型フィールド制御システムを構成するフィールドコントローラに設けられることを特徴とする請求項1〜5の記載の状態監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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